JP2007122042A - カラーフィルター用インクジェットインク、カラーフィルター、カラーフィルターの製造方法、及び液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルター用インクジェットインク、カラーフィルター、カラーフィルターの製造方法、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット法を用いて画素を形成して特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが可能なカラーフィルター用インクジェットインクを提供し、上記目的を達成するインクジェットインクを用いて製造したカラーフィルター、並びに上記カラーフィルターを備えた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を少なくとも含む顔料、バインダー、及び溶剤を含有する、カラーフィルター用インクジェットインクである。
【選択図】図2

Description

本発明は、所定パターンの画素を形成するのに用いられるカラーフィルター用インクジェットインク、カラーフィルター、上記インクジェットインクを用いたカラーフィルターの製造方法、及び当該カラーフィルターを用いた液晶表示装置に関する。
カラーフィルターには、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルター、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルター等がある。例として、液晶表示装置に用いられるカラーフィルター構造の代表例を、図1を用いて説明する。
一般にカラー液晶表示装置(101)は、図1(a)に示すように、カラーフィルター1とTFT基板等の電極基板2とを対向させて1〜10μm程度の間隙部3を設け、当該間隙部3内に液晶化合物Lを充填し、その周囲をシール材4で密封した構造をとっている。カラーフィルター1は、透明基板5上に、画素間の境界部を遮光するために所定のパターンに形成されたブラックマトリックス層6と、各画素を形成するために複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)を所定順序に配列した画素部7と、保護膜8と、透明電極膜9とが、透明基板に近い側からこの順に積層された構造をとっている。また、カラーフィルター1及びこれと対向する電極基板2の内面側には配向膜10が設けられる。さらに間隙部3には、カラーフィルター1と電極基板2の間のセルギャップを一定且つ均一に維持するために、スペーサーが設けられる。スペーサーとしては一定粒子径を有するパール11を分散したり、又は、図1(b)に示すようにセルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサー12を、カラーフィルターの内面側であってブラックマトリックス層6が形成されている位置と重なり合う領域に形成する。そして、各色に着色された画素それぞれ又はカラーフィルターの背後にある液晶層の光透過率を制御することによってカラー画像が得られる。
従来から行われているカラーフィルターの画素などを所定のパターン形状で形成する方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBの画素を形成する。また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBの画素を形成する。さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、特許文献1には、熱硬化性樹脂を含有する着色インクをインクジェット方式で基板上に吹き付け、加熱することにより画素部を形成することが記載されている。
特開平9−21910号公報 特開2004−46047号公報
従来、代表的な画素の形成法である顔料分散法にて画素を形成する場合、所定のR(赤)の色の画素を形成するための顔料として、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー139が用いられていた(例えば、特許文献2)。しかしながら、この顔料の組み合わせを用いて画素を形成するとコントラストが低いという問題があった。
インクジェット方式は前述のようにコスト低減や歩留まり向上を実現可能で、生産性が高いというメリットを有するため、インクジェット方式により従来顔料分散法で実現していた所定のR(赤)の色味を実現しながら、コントラストを向上させ、更に輝度を向上させるようなインクジェットインクが求められていた。
本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、インクジェット法を用いて画素を形成して特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが可能なカラーフィルター用インクジェットインクを提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、特定の色を有し輝度及びコントラストが高い画素を備えた、生産性の高いカラーフィルターを提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、上記目的を達成するインクジェットインクを用いた、生産性の高いカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第四の目的は、上記目的を達成するカラーフィルター、又はカラーフィルターの製造方法により製造されたカラーフィルターを備えた液晶表示装置を提供することにある。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を少なくとも含む顔料、バインダー、及び溶剤を含有する。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクによれば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177に、C.I.ピグメントイエロー150を少なくとも組み合わせたことにより、インクジェット法により画素を形成した場合であっても、特定の色を実現しながら、輝度が高く、且つコントラストが高い画素を得ることができる。
上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、上記C.I.ピグメントイエロー150が前記顔料全体に対して10〜30重量%含まれることが、特定の色を実現しながら、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
また、上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、上記C.I.ピグメントレッド254(PR254)と上記C.I.ピグメントレッド177(PR177)の配合重量比(PR254/PR177)が0.3〜1.8であるであることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、上記バインダーが熱硬化性バインダーであることが、光照射装置を始めとする特別な附帯設備が不要となり、生産性が高いというメリットがある点から好ましい。
また、上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、上記溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤全量に対して70重量%以上の割合で含有するものであることが好ましい。この場合には、吐出ヘッドのノズル先端において急速には乾燥しないので、インクの急激な粘度上昇や目詰まりが発生せず、吐出方向や吐出量の安定性を向上させることができる。従って、本発明のインクを用いインクジェット方式により基板表面に所定のパターンに合わせて吐出することにより、特に精細度が要求される画素も正確且つ均一に形成することができる。
上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、上記顔料(P)と顔料以外の固形分(V)の配合重量比(P/V)が、0.5〜1.2であることが好ましい。P/V比が低すぎると、充分な着色力を得るためには画素形成領域に付着させるインクの液滴量を多くしなければならないため、画素形成領域からインクが決壊するなどの問題が起こる場合がある。一方、P/V比が高すぎると、吐出ヘッドで目詰まりや飛行曲がりが発生する等の吐出性能が低下したり、膜の表面が荒れるなどの問題が起こる場合がある。
上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、当該インクジェットインクを平均膜厚1.5〜2.5μmの均一な膜に成膜し、当該膜をC光源で測色した時に、CIEのXYZ表色系においてx座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335、輝度Yが18.0以上、及びコントラストが1800以上であることが好ましい。本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクによれば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177に、C.I.ピグメントイエロー150を少なくとも組み合わせたことにより、特定の色を実現しながら、輝度が高く、且つコントラストが高い膜を実現することができる。
次に、本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上に設けられた画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該画素の厚みが、該画素の領域内で不均一であり、且つ、該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を含む画素であることを特徴とする。
また本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上にインクジェット方式により形成された画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を含む画素であることを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルターによれば、該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントレッド177にC.I.ピグメントイエロー150を組み合わせて含む画素であることにより、当該画素の厚みが、該画素の領域内で一定でなく、不均一であっても、或いは、インクジェット法により形成されたものであっても、特定の色を実現しながら、輝度が高く、且つコントラストが高いものとなる。
例えば、本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上に設けられた画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該画素の厚みが、該画素の領域内で不均一であり、且つ、該画素のうち少なくとも1種類の画素が、当該1種類のみの画素をC光源で測色した時のCIEのXYZ表色系においてx座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335、及び輝度Yが16.0以上であるカラーフィルターを実現できる。
上記本発明に係るカラーフィルターにおいて、上記C.I.ピグメントイエロー150が前記顔料全体に対して10〜30重量%含まれることが、特定の色を実現しながら、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
上記本発明に係るカラーフィルターにおいて、上記C.I.ピグメントレッド254(PR254)と上記C.I.ピグメントレッド177(PR177)の配合重量比(PR254/PR177)が0.3〜1.8であることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
上記本発明に係るカラーフィルターにおいて、上記画素に熱硬化性バインダーが含まれることが、光照射装置を始めとする特別な附帯設備が不要となり、生産性が高い点から好ましい。
上記本発明に係るカラーフィルターにおいて、上記画素は、前記顔料(P)と顔料以外の固形分(V)の配合重量比(P/V)が、0.5〜1.2であることが好ましい。
次に、本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、基板上の所定領域に前記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて画素を形成する工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る液晶表示装置は、表示側基板と液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶を封入してなる液晶表示装置であって、上記表示側基板が、上記本発明に係るカラーフィルター、又は上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法によって製造されたカラーフィルターであることを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、インクジェット法を用いて画素を形成して特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが可能である。
また、本発明に係るカラーフィルターは、特定の色を有し輝度及びコントラストが高い画素を備えた、コスト低減や歩留まり向上を実現可能な生産性の高いカラーフィルターである。
また、本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、特定の色を有し高い輝度及びコントラストの画素を備えたカラーフィルターを高い生産性で製造することが出来る。
また、本発明によれば、上記カラーフィルター或いはカラーフィルターの製造方法により製造されたカラーフィルターを用いることから、高品質で生産性の高い液晶表示装置とすることができる。
以下において本発明を詳しく説明する。
1.カラーフィルター用インクジェットインク
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を少なくとも含む顔料、バインダー、及び溶剤を含有する。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクによれば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177に、C.I.ピグメントイエロー150を少なくとも組み合わせたことにより、インクジェット法を用いて画素を形成して特定の色を実現する時に、従来顔料分散法で実現していた所定のR(赤)の色味を実現しながら、輝度を向上させ、更に、従来顔料分散法でC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー139が用いられて形成した画素よりも、コントラストを向上させることができる。
本発明においては、特定の色を実現するために、C.I.ピグメントイエロー139等に比べて着色力が高いC.I.ピグメントイエロー150を含有するため、画素において顔料全体の量を少なくしても充分な着色力を発揮することができる。従って、インクジェットインクとしては、前記顔料(P)と顔料以外の固形分(V)の配合重量比(以下、単に、P/V比という。)を小さくすることが可能であり、この場合にはインクジェットインクのヘッド部分での目詰まりや飛行曲がりが起き難いなど、吐出性能が向上し、更に画素中で相対的に増量したバインダー成分のおかげで表面荒れが起き難く、耐熱性等の耐久性など膜物性が向上するというメリットがある。一方、インクジェットインクとして上記P/V比を従来と同様にする場合には、従来よりも少ないインク量、すなわち薄い膜厚で画素としては同じ着色力を実現することが出来るというメリットがある。
以下、本発明において特徴的である顔料から順に、本発明に係るインクジェットインクに用いられる成分を説明する。
(顔料)
本発明に係るインクジェットインクにおいては、顔料として、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を少なくとも含む。
カラーフィルターに要求される色特性を満足させるためには、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150の含有量を適宜調整して調色することが重要である。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、要求される色特性、具体的には特に、塗膜をC光源で測色した時のCIEのXYZ表色系においてx座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335を満足させる点から、C.I.ピグメントイエロー150が顔料全体に対して30重量%以下で含まれることが好ましい。色度図上において、黄顔料であるC.I.ピグメントイエロー150の含有量が顔料全体に対して30重量%を超えると、要求される赤色特性を満足できなくなる恐れがある。更に、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から10〜30重量%、特に15〜25重量%含まれることが好ましい。
また、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、C.I.ピグメントレッド254が顔料全体に対して20〜55重量%含まれることが、更に30〜50重量%含まれることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、C.I.ピグメントレッド177が顔料全体に対して30〜60重量%含まれることが、更に30〜50重量%含まれることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
また、上記C.I.ピグメントレッド254(PR254)とC.I.ピグメントレッド177(PR177)の配合重量比(PR254/PR177)が0.3〜1.8、更に0.3〜1.5、特に0.5〜1であることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
中でも、コントラストをより高くするように重視する場合には、(PR254/PR177)が0.35〜1であることが好ましく、一方、輝度をより高くするように重視する場合には、(PR254/PR177)が0.7〜1.8であることが好ましい。
また、上記C.I.ピグメントレッド177(PR177)と上記C.I.ピグメントイエロー150(PY150)の配合重量比(PR177/PY150)が1〜3、更に1.5〜2.5であることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
本発明に係るインクジェットインクにおける顔料としては、上記3つの顔料のみを含んで構成されていても良いが、適宜、他の顔料を用いても良い。
他の顔料としては、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175;
C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265;
また、前記無機顔料あるいは体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、アンバー等を挙げることができる。本発明において、他の顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明に係るインクジェットインクにおいて、顔料は、インクジェットインクの固形分全量に対して、通常は1〜60重量%、好ましくは15〜40重量%の割合で配合される。
また、本発明に係るインクジェットインクにおいて、上記顔料(P)と顔料以外の固形分(V)の配合重量比(P/V)は、0.5〜1.2であることが、インクの吐出性能、インクの決壊防止、及び得られる膜物性のバランスの点から好ましい。P/V比が低すぎると、充分な着色力を得るためには画素形成領域に付着させるインクの液滴量を多くしなければならないため、画素形成領域からインクが決壊するなどの問題が起こる場合がある。一方、P/V比が高すぎると、吐出ヘッドで目詰まりや飛行曲がりが発生する等の吐出性能が低下したり、膜の表面が荒れるなどの問題が起こる場合がある。
上述のように、本発明においては顔料自体の着色力が高いため、インクジェットインクにおいて、前記P/V比を小さくすることが可能である。P/V比を比較的小さくすることにより、インクジェットインクの吐出性能を向上させ、更に表面荒れが起き難く、耐熱性等の耐久性など膜物性を向上させる点からは、P/V比は0.5〜0.75であることが好ましい。一方、P/V比を比較的高めにすることにより、従来よりも少ないインク量、すなわち薄い膜厚で画素としては同じ着色力を実現する点からは、P/V比は0.75〜1.2であることが好ましい。
(バインダー)
本発明に係るインクジェットインクは、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するために、バインダーを含有する。
本発明に係るインクは、インクジェット方式に用いるインクであるため、所定のパターンを形成するためには、所定のパターン形成領域にのみインクを選択的に付着させて固化すれば形成することができ、露光及び現像を行なうことによりパターンを形成する必要がない。従って、バインダーとしては、必ずしも露光現像が可能な光硬化性バインダーを用いなくても良く、非硬化性の熱可塑性樹脂組成物を用いても良いが、硬化性の樹脂を含むバインダーを用いることが硬化皮膜に充分な硬度を付与するため好ましい。
硬化性バインダーとしては、例えば、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性樹脂を含む熱硬化性バインダーや、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含む光硬化性バインダー、更には、熱硬化性バインダー及び光硬化性バインダーの両方を含むものを用いることができる。本発明に係るインクジェットインクにおいては、P/V比を高くした場合であっても、耐溶剤性、密着性、ITO耐性等の画素の膜物性をより良好にする点から、バインダーは熱硬化性バインダーであることが好ましい。なお、ここでITO耐性とは、ITO回路形成時又は配向膜形成時の不具合に対する耐性であり、具体的にはITO回路形成後の230〜250℃での耐熱性が挙げられる。また、熱硬化性バインダーを用いる場合には、光照射装置を始めとする特別な附帯設備が不要となり、生産性が高いというメリットもある。
(1)熱硬化性バインダー
熱硬化性バインダーとしては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に含有させても良い。
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、インクジェットの吐出安定性、及びインクジェットインクにより形成された画素の耐溶剤性、密着性、ITO耐性等の膜物性の点から、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が好適に用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
エポキシ化合物としては、硬化膜に耐溶剤性や耐熱性を付与するために、比較的分子量の高い重合体と、硬化膜の架橋密度を高くしたり、低粘度化によりインクジェット吐出性能を向上させるために、比較的分子量の低い化合物とを併用することが好ましい。
i)1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物
通常バインダー成分として用いられる比較的分子量の高い重合体であるエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」ということがある)としては、少なくとも下記式(1)で表される構成単位及び下記式(2)で表される構成単位から構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
Figure 2007122042
(R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12の炭化水素基である。)
Figure 2007122042
(R3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。)
式(1)で表される構成単位は、下記式(3)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 2007122042
(R1およびR2は式(1)と同じである。)
式(3)で表されるモノマーをバインダー性エポキシ化合物の構成単位として用いることにより、本発明のインクジェットインクから形成される硬化塗膜に充分な硬度および透明性を付与することができる。式(3)において、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基であり、直鎖脂肪族、脂環式、芳香族いずれの炭化水素基であってもよく、さらに付加的な構造、例えば二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
上記式(3)で表されるモノマーとして具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、パラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
式(3)において、R1として好ましいのは水素またはメチル基であり、R2として好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基であり、そのなかでも特にメチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。上記式(3)で表されるモノマーのなかで好ましいものとして、具体的にはメチルメタクリレート(MMA)及びシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を挙げることができる。
重合体中の式(2)で表される構成単位は、下記式(4)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 2007122042
(R3は式(2)と同じである。)
式(4)で表されるモノマーは、重合体中にエポキシ基(エポキシの反応点)を導入するために用いられる。当該重合体を含有するインクジェットインクは保存安定性に優れており、保存中および吐出作業中に粘度上昇を生じ難いが、その理由の一つは式(2)または式(4)中のエポキシ基がグリシジル基だからであると推測される。式(4)で表されるモノマーの代わりに脂環式エポキシアクリレートを用いると、インクジェットインクの粘度が上昇しやすい。
式(4)において、R3として好ましいのは水素またはメチル基である。式(4)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
上記重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、上記重合体は、カラーフィルターの各細部に必要とされる性能、例えば硬度や透明性等が確保できる限り、式(1)あるいは式(2)以外の主鎖構成単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして具体的には、アクリロニトリル、スチレン等を例示することができる。
上記バインダー性エポキシ化合物中の式(1)の構成単位と式(2)の構成単位の含有量は、式(1)の構成単位を誘導する単量体と式(2)の構成単位を誘導する単量体との仕込み重量比(式(1)を誘導する単量体:式(2)を誘導する単量体)で表した時に、10:90〜90:10の範囲にあるのが好ましい。
式(1)の構成単位の量が上記の比10:90よりも過剰な場合には、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがあり、一方、式(2)の構成単位の量が上記の比90:10よりも過剰な場合には、嵩高い骨格が少なくなって硬化収縮が大きくなるおそれがある。
また、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に3,000以上、特に4,000以上であることが好ましい。上記バインダー性エポキシ化合物の分子量が3,000よりも小さすぎるとカラーフィルターの細部としての硬化層に要求される強度、耐溶剤性等の物性が不足し易いからである。一方、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に20,000以下であることが好ましく、更に15,000以下であることが特に好ましい。当該分子量が20,000よりも大きすぎると粘度上昇が起こり易くなり、インクジェット方式で吐出ヘッドから吐出する時の吐出量の安定性や吐出方向の直進性が悪くなるおそれや、長期保存の安定性が悪くなるおそれがあるからである。
上記バインダー性エポキシ化合物としては、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあり、少なくともグリシジルメタクリレート(GMA)及びメチルメタクリレート(MMA)を用いて重合させたGMA/MMA系共重合体を用いるのが特に好ましい。なお、GMA/MMA系共重合体は本発明の目的を達成し得るものである限り、他のモノマー成分を含有して重合させたものであってもよい。
上記バインダー性エポキシ化合物の合成例としては、例えば、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、水酸基を含有しない溶剤を仕込み、攪拌しながら120℃に昇温する。水酸基を含有しない溶剤を用いるのは、合成反応の最中にエポキシ基が分解するのを避けるためである。次いで上記式(3)で表されるモノマー、上記式(4)で表されるモノマー、及び、必要に応じて他のモノマーを組み合わせた組成物と重合開始剤の混合物(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下する。滴下終了後、120℃に降温して触媒を追加し3時間反応させ、130℃に昇温し2時間保ったところで反応を終了することにより、上記バインダー性エポキシ化合物が得られる。
本発明に係る熱硬化性バインダーには、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(以下、「多官能エポキシ化合物」ということがある。)であって、上記バインダー性エポキシ化合物よりも分子量が小さいものを用いても良い。中でも、上述のように上記バインダー性エポキシ化合物と当該多官能エポキシ化合物を併用することが好ましい。この場合、多官能エポキシ化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、これと組み合わせるバインダー性エポキシ化合物よりも小さいことを条件に、4,000以下が好ましく、3,000以下が特に好ましい。
上記バインダー性エポキシ化合物には、エポキシ基(グリシジル基)が式(2)で表される構成単位によって導入されているため、上記共重合体の分子内に導入できるエポキシ量には限界がある。インクジェットインクに比較的分子量が小さい多官能エポキシ化合物を添加すると、インクジェットインク中にエポキシ基が補充されてエポキシの反応点濃度が増加し、架橋密度を高めることができる。
多官能エポキシ化合物の中でも、酸−エポキシ反応の架橋密度を上げるためには、一分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物を用いるのが好ましい。特に、インクジェット方式の吐出ヘッドからの吐出性を向上させるために前記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量を10,000以下とした場合には、硬化層の強度や硬度が低下し易いので、そのような4官能以上の多官能エポキシ化合物をインクジェットインクに配合して架橋密度を充分に上げるのが好ましい。
多官能エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2個以上含有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを使用できる。
より具体的には、商品名エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名YDF−175S(東都化成社製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名YDB−715(東都化成社製)などの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製)などのビスフェノールS型エポキシ樹脂、商品名YDC−1312(東都化成社製)などのハイドロキノン型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製)などのナフタレン型エポキシ樹脂、商品名エピコートYX4000H(ジャパンエポキシレジン社製)などのビフェニル型エポキシ樹脂、商品名エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、商品名エピコート154(ジャパンエポキシレジン社製)、商品名YDPN−638(東都化成社製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名EPICLON HP−7200(大日本インキ化学工業社製)などのジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、商品名エピコート1032H60(ジャパンエポキシレジン社製)などのトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、商品名VG3101M80(三井化学社製)などの3官能型エポキシ樹脂、商品名エピコート1031S(ジャパンエポキシレジン社製)などのテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、商品名デナコールEX−411(ナガセ化成工業社製)などの4官能型エポキシ樹脂、商品名ST−3000(東都化成社製)などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名エピコート190P(ジャパンエポキシレジン社製)などのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、商品名YH−434(東都化成社製)などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、商品名YDG−414(東都化成社製)などのグリオキザール型エポキシ樹脂、商品名エポリードGT−401(ダイセル化学社製)などの脂環式多官能エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアネート(TGIC)などの複素環型エポキシ樹脂などを例示することができる。また、必要であれば、エポキシ反応性希釈剤として、商品名ネオトートE(東都化成社製)などを混合することができる。
これらの多官能エポキシ化合物の中でも、商品名エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、及び、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。
<エポキシ化合物の配合割合>
上記バインダー性エポキシ化合物と、必要に応じて配合される多官能エポキシ化合物の配合割合は、重量比ではバインダー性エポキシ化合物を10〜80重量部と多官能エポキシ化合物を10〜60重量部の割合で配合するのが好ましく、バインダー性エポキシ化合物を20〜60重量部と多官能エポキシ化合物を20〜50重量部の割合で配合するのが更に好ましく、バインダー性エポキシ化合物を30〜40重量部と多官能エポキシ化合物を25〜35重量部の割合で配合するのが特に好ましい。
ii)硬化剤
本発明に用いられる熱硬化性バインダーには、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
これら硬化剤は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(バインダー性エポキシ化合物と多官能エポキシ化合物)100重量部当たり、通常は1〜100重量部の範囲であり、好ましくは5〜50重量部である。硬化剤の配合量が1重量部未満であると、硬化が不充分となり、強靭な塗膜を形成することができないおそれがある。また、硬化剤の配合量が100重量部を超えると、塗膜の基板に対する密着性が劣るおそれがある。
iii)触媒
本発明の熱硬化性バインダーには、硬化層の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、前記特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。具体的には、(イ)ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、リン酸モノ及びジエステル類などを、アンモニア、モノメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、エタノールアミン類などの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン等で中和した化合物、(ロ)BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物、(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物、(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[R3NR']+X-、スルホニウム化合物[R3SR']+X-、オキソニウム化合物[R3OR']+X-等を挙げることができる。なお、ここでR及びR'はアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ等である。
熱潜在性触媒は、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物及び硬化剤の合計100重量部に対して、通常は0.01〜10.0重量部程度の割合で配合する。
(2)光硬化性バインダー
i)重合体
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含むバインダーにおいては、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の高い重合体を含むことが好ましい。ここでいう比較的分子量が高いとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が高いことをいい、重量平均分子量5,000以上を目安にすることができる。比較的分子量の高い重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。そして、比較的分子量の高い重合体を主体とし、必要に応じて、多官能のモノマーやオリゴマー、単官能のモノマーやオリゴマー、光により活性化する光重合開始材、及び、増感剤などを配合して、光硬化性バインダーを構成する。
それ自体は重合反応性のない重合体を比較的分子量の高い重合体として用いる場合には、バインダーに、2官能以上の多官能モノマー、オリゴマーのような多官能重合性成分を配合する。この場合、バインダー内において、多官能重合性成分が光照射によりそれ自体が自発的に重合するか、或いは、光照射により活性化した光重合開始剤等の他の成分の作用により重合して塗工膜中にネットワーク構造を形成し、当該ネットワーク構造内に重合反応性のない樹脂や顔料などの成分が包み込まれて硬化する。
そのような重合反応性のない重合体としては、例えば、次のモノマーの2種以上からなる共重合体を用いることができる:アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー。
より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。
それ自体が重合反応性を有する重合体としては、重合反応性のない重合体の分子に重合性の官能基を導入してなるオリゴマー又はオリゴマーよりも高分子量のポリマーであって、光照射を受けてそれ自体が重合反応を生じるか、或いは、光照射を受けて活性化した光重合開始剤などの他の成分の作用により重合反応を誘起するものを用いることができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUVインクジェットインクに配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
この中で、ラジカル重合型プレポリマーは、市場において最も容易に入手でき、例えば、エステルアクリレート類、エーテルアクリレート類、ウレタンアクリレート類、エポキシアクリレート類、アミノ樹脂アクリレート類、アクリル樹脂アクリレート類、不飽和ポリエステル類などを例示できる。
中でも、本発明において好適に用いることができる比較的分子量の高い重合体としては、以下のグラフトポリマーが挙げられる。
本発明において好適に用いられるグラフトポリマーは、重量平均分子量が5,000以上であり、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方がメタクリレート系モノマー単位を含有するメタクリレート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマーである。
上記グラフトポリマーは、スチレン系ポリマー鎖により主鎖(幹部)が構成され、メタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有していても良いし、逆に、メタクリレート系ポリマー鎖により主鎖が構成され、スチレン系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有していても良い。上記したうちでも、スチレン系ポリマー鎖により主鎖が構成され、メタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有するものの方が好ましい。
スチレン系ポリマー鎖は、スチレン系モノマーを主成分とするポリマー鎖であって、ただ1種類のスチレン系モノマーの単独重合体であってもよいし、2種類以上のスチレン系モノマーの共重合体であってもよいし、スチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
スチレン系モノマーとは、スチレンの他、アルキル置換スチレン(メチルスチレン、エチルスチレン、トリメチルスチレン、オクチルスチレンなど)、メトキシスチレン、αメチルスチレン等の、置換基が付いたスチレンモノマーを含む。
スチレン系モノマーと共重合させることができるモノマーとしては、各種の(メタ)アクリレートモノマーや、アクリロニトリル、アミド系モノマー等が挙げられる。
本発明に係るインクジェットインクにおいては、顔料分散性の観点からスチレン系ポリマー鎖は、スチレン系モノマー単位を50重量%以上の割合で含有するのが好ましく、さらには60重量%以上の割合で含有するのが特に好ましい。
メタクリレート系ポリマー鎖は、メタクリレートを主成分とするポリマー鎖であり、ただ1種類のメタクリレートの単独重合体であってもよいし、2種類以上のメタクリレートの共重合体であってもよいし、メタクリレートと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
メタクリレート系モノマーとしては、アルキルメタクリレート(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n‐ブチルメタクリレート、iso‐ブチルメタクリレート、tert‐ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなど)、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフタルイミドエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、等が挙げられる。Tgが30℃以上のグラフトポリマーが得られるようにメタクリレート系モノマーを選択して用いるのが好ましい。Tgが30℃未満のグラフトポリマーは、硬化後の皮膜硬さが低下するため、好ましくない。
また、メタクリレートと共重合させるモノマーとしては、アルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、アミドモノマー、イミド基含有モノマー、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、ダイセル化学製の商品名プラクセルFMシリーズ等を用いることができる。
メタクリレート系ポリマーは、比較的高いTgを有し、且つ、スチレンとミクロ相分離を起こすことから硬度・分散性の点で優れている。かかる観点から、メタクリレート系ポリマー鎖はメタクリレート系モノマー単位を50重量%以上の割合で含有するのが好ましく、さらに70重量%以上の割合で含有するのが特に好ましい。
上記グラフトポリマーは、エチレン性不飽和結合やエポキシ基等の光重合性官能基を有していてもよい。上記グラフトポリマーに光重合性官能基を導入することによって、光硬化性を付与することができる。当該光重合性官能基が導入されたグラフトポリマーは、架橋点が向上して表面硬度が向上する点から、本発明において比較的分子量が高い光硬化性樹脂として好適に用いることができる。グラフトポリマーの重合性官能基がエチレン性不飽和結合である場合には、光ラジカル重合反応により硬化可能であり、当該重合性官能基がエポキシ基である場合には、光カチオン重合が可能である。特に、エチレン性不飽和結合を有するグラフトポリマーは、(メタ)アクリル系モノマー等のエチレン性不飽和結合含有モノマー及び/又はオリゴマーと組み合わせて用いることにより、反応硬化性に優れるインクジェットインクを得ることができる。光重合性官能基は、スチレン系ポリマー鎖又はメタクリレート系ポリマー鎖の一方又は両方に導入してよく、或いは、主鎖又はグラフト部の一方又は両方に導入してよい。
中でも、上記グラフトポリマーとしては、エチレン性不飽和結合をエチレン性不飽和結合当量で1200g/eq以下の割合で有し、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方がベンジルメタクリレートから誘導されるモノマー単位を含有するベンジルメタクリレート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマーが好ましいグラフトポリマーとして挙げられる。メタクリレートモノマーの中でも、ベンジルメタクリレートは特に顔料分散性に優れているため、画素等を形成するためのカラーフィルター用インクジェットインクに用いられることが好ましいからである。
当該グラフトポリマーは、スチレン系ポリマー鎖により主鎖(幹部)が構成され、ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有していても良いし、逆に、ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖により主鎖が構成され、スチレン系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有していても良い。上記したうちでも、スチレン系ポリマー鎖により主鎖が構成され、ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有するものの方が好ましい。
当該グラフトポリマーのベンジルメタクリレート系ポリマー鎖は、ベンジルメタクリレートを主成分とするポリマー鎖であり、ベンジルメタクリレートの単独重合体であってもよいし、ベンジルメタクリレートと上述したような他のモノマーとの共重合体であってもよい。
ベンジルメタクリレート系ポリマー鎖は、ベンジルメタクリレートモノマー単位を30重量%以上の割合で含有するのが好ましく、50重量%以上の割合で含有するのが特に好ましい。
当該グラフトポリマーは、主鎖又はグラフト部分の少なくとも一方がエチレン性不飽和結合を有しており、光又は熱ラジカル重合反応により硬化可能である。当該グラフトポリマーのエチレン性不飽和結合当量は、1200g/eq以下である必要があり、700g/eq以下であるのが好ましい。ここで、エチレン性不飽和結合当量とは、グラフトポリマーの重量平均分子量を一分子中に含有されるエチレン性不飽和結合の数で除した値である。グラフトポリマーのエチレン性不飽和結合当量が1200g/eqを超える場合には、硬化後の皮膜硬度、及び耐溶剤性が不充分となる場合があり好ましくないからである。一方、エチレン性不飽和結合当量が1200g/eq以下のグラフトポリマーは、一分子中に含まれるエチレン性不飽和結合が多いので耐溶剤性、硬度、強度、密着性などの諸物性に優れるからである。そして、吐出性を向上させるために分子量が比較的小さいグラフトポリマーを用いる場合でも、エチレン性不飽和結合当量が1200g/eq以下であれば充分に硬化させることができるので、吐出性に優れたインクが得られ、且つ、諸物性に優れる硬化皮膜を形成できるからである。
グラフトポリマーのグラフト(枝)部分/主鎖(幹)部分の重量比は、20/80〜80/20が好ましく、30/70〜70/30であることが好ましい。グラフト部分の重量比が20%を下回ると溶解性、粘度、流動性、吐出性等が悪くなるため、好ましくない。また主鎖部分の重量比が20%を下回ると、顔料分散性が悪くなり好ましくない。
さらに、上記グラフトポリマーの酸価やアミン価を変えることによって、インクの溶剤に対する溶解性、皮膜の耐溶剤性、顔料の分散安定性、染色性、膜硬度、膜強度、などの諸物性を調節できる。
上記グラフトポリマーの製造方法としては、(1)ポリマーとパーオキサイド触媒下で、モノマーを重合させて水素引き抜きにより後グラフトする方法、(2)片末端に官能基がついたポリマーと他の官能基がついたポリマーを付加反応させる方法、及び、(3)重合性ポリマー(マクロモノマー)とモノマーを共重合させる方法などを利用できるが、生成物の純度が高い点で、マクロモノマー法が好ましい。上記グラフトポリマーの合成手順としては、特開2002−201387号公報の段落番号0094〜0105の具体例を参考にすることができる。
なお、本発明に係るインクはインクジェット方式に用いられるインクであるため、インクの粘度が高すぎて吐出ヘッドからの吐出性に悪影響を及ぼさないように、比較的分子量の高い重合体の分子量は、重量平均分子量で25,000以下であることが好ましい。
比較的分子量の高い重合体は、インクジェットインクの固形分全量に対して、1〜50重量%の割合で配合するのが好ましい。
ii)多官能重合性成分
それ自体が重合硬化できる重合性を有する比較的分子量の高い重合体を用いる場合にも、塗膜の強度や基盤に対する密着性を向上させるためには、多官能のモノマーやオリゴマーなどの多官能重合性成分を配合するのが好ましい。重合性を有する比較的分子量の高い重合体の分子は、比較的分子量の高い重合体同士で重合するだけでなく、多官能モノマー等の他の重合性成分とも重合してネットワークを形成し、硬化する。
塗工膜のネットワーク構造を形成する多官能重合性成分としては、2官能以上のモノマー又はオリゴマーを用いることができる。光硬化性樹脂に十分な膜強度や密着性を付与するために、通常は4官能以上のモノマーやオリゴマーが用いられている。
しかしながら、特に、本発明に係るインクはインクジェット方式のインクとして用いるため、比較的分子量の高い重合体以外の重合性成分としては、官能基数が比較的少ない2官能乃至3官能のモノマー又はオリゴマーやモノマーを主体として用いるのが好ましく、粘度が100cps以下の2乃至3官能モノマーを用いるのが特に好ましい。インクジェット方式の吹き付け作業中に、ヘッドの先端での粘度上昇が起こり難くなり、ヘッドの目詰まりが発生せず、作業中におけるインクの吐出性が安定するため、インクの吐出量や吐出方向が安定し、インクを基板上に所定のパターン通り正確に、且つ、均一に付着させることができるからである。
2官能乃至3官能のモノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、3−ブチレングリコールジメタクリレート等を例示することができる。
本発明に係るインクジェットインクにおいて、2乃至3官能モノマーの配合割合は、インクジェットインクの固形分全量に対して、20〜70重量%の割合で配合することが好ましい。
2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の20重量%に満たない場合には、インクジェットインクがモノマーによって十分に希釈されず、インクの粘度が初めから高いか或いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを起こすおそれがある。また、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の70重量%を超える場合には、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれがあるからである。
ただし、インクジェットインク中に配合される多官能モノマーが全て2乃至3官能性モノマーである場合には、インクの乾燥による粘度上昇が起こり難いので、インクジェットヘッドの吐出性が安定するが、その反面、インク層を硬化して得られた硬化層の膜強度、基板に対する密着性、耐溶剤性等が不十分となる場合がある。そこで、上記の2乃至3官能モノマーと共に、4官能以上の多官能モノマーやオリゴマーを適量配合することにより架橋密度を上げて、硬化層のパターンに十分な膜強度と密着性を付与することができる。
4官能以上の多官能モノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等を例示することができる。
4官能以上の多官能成分は、インクジェットインクの固形分全量に対して、通常、1〜30重量%の割合で配合することが好ましい。本発明に係るインクジェットインクは、2乃至3官能性モノマーによる吐出性安定化と、4官能以上の多官能成分による強度及び密着性向上のバランスをとるために、2乃至3官能性モノマー100重量部に対して、4官能以上の多官能成分の配合割合を、通常は1〜50重量部とし、望ましくは当該配合割合の下限を2重量部以上とし、且つ/又は、当該配合割合の上限を35重量部以下とするのが好ましい。
4官能以上の多官能成分の配合割合が前記2乃至3官能性モノマー100重量部に対して1重量部に満たない場合には、インクを硬化させた後の硬さ、耐溶剤性などの特性が十分に得られないおそれがある。また、4官能以上の多官能成分の前記配合割合が50重量部を超える場合には、インクの硬化速度が遅くなり、プロセススピードが遅くなるおそれがあるからである。
iii)単官能重合性成分
また、光硬化性バインダーには、必要に応じて、単官能のモノマー、オリゴマーを配合してもよい。
単官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマーや、n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマーを例示することができる。
iv)光重合開始剤
光硬化性バインダーには、通常、使用する光源の波長に対して活性を有する光重合開始剤が配合される。光重合開始剤は、バインダーや多官能モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合など)や、各材料の種類を考慮して適宜選択されるが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モンフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メチルベンゾイルホルメート、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどの光重合開始剤を用いることができる。
なお、光重合開始剤の含有量は、固形分全体に対して0.1〜5重量%、更に固形分全体に対して0.5〜2重量%であることが好ましい。
また、硬化したインク層に十分な密着性、強度、硬度を付与するためには、顔料やその他の成分を含めたインクの固形分全量に占める熱硬化性及び/又は光硬化性バインダー成分の合計割合を25重量%以上とするのが好ましい。
(溶剤)
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、当該インクを高濃度液又は直ちにヘッドから吐出できるように調製するために、必要に応じて溶剤を配合する。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクを、保存用の高濃度インク又は直ちに塗工可能な濃度のインクに調製するために、固形分を好適に溶解及び分散させる溶剤であれば、特に限定されない。
本発明のインクジェットインクは、沸点が180℃〜260℃、特に210℃〜260℃で且つ常温(特に18℃〜25℃の範囲)での蒸気圧が0.5mmHg以下、特に0.1mmHg以下の溶剤成分を主溶剤として用い、そのような主溶剤を溶剤の全量に対して70重量%以上、特に80重量%以上の割合で配合するのが好ましい。また、主溶剤の表面張力は、29mN/m以上であることが好ましい。
沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分は適度な乾燥性及び蒸発性を有している。そのため、このような溶剤成分を高い配合割合で含有する単独溶剤又は混合溶剤を用いると、インクジェットインクが吐出ヘッドのノズル先端において急速には乾燥しないので、インクの急激な粘度上昇や目詰まりが発生せず、吐出の直進性や安定性に悪影響を及ぼさないで済む。それと共に、被吐出面に吹き付けた後は乾燥が適度な速度で進行するので、インクが被塗布面になじんで塗工膜表面が水平且つ滑らかになってから、自然乾燥又は一般的な加熱工程によってインクを速やかに且つ完全に乾燥させることができる。湿潤剤や極めて沸点の高い溶剤を用いる場合と比べて、乾燥工程後の塗膜中に溶剤が残留するおそれも少ない。
有機溶剤は、必要に応じて主溶剤以外の溶剤成分を少量ならば含有していても良い。しかしながら、その場合でも、上記した沸点と蒸気圧を有する主溶剤を溶剤全量に対して70重量%以上の割合で使用することが好ましい。主溶剤の割合が溶剤全量の70重量%に満たない場合には、インクジェット方式に適した乾燥性、蒸発性を確実に得ることができない場合がある。
主溶剤は、できるだけ高い配合割合で用いるのが望ましく、具体的には少なくとも70重量%以上、好ましくは80重量%以上とし、できるだけ100重量%とするのが望ましい。
基板表面に濡れ性可変層を形成し露光することにより、基板上のインク層を形成したい部分に親インク性領域を形成し、当該親インク性領域に本発明のインクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させる場合には、主溶剤として、JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上、好ましくは30°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを選択して用いてもよい。
濡れ性に関して上記挙動を示す溶剤を用いてインクを調製すると、インクは、後述する濡れ性可変層の濡れ性を変化させる前は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな反撥性を示し、当該濡れ性可変層の濡れ性を変化させて親水性が大きくなる方向に変化させた後は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな親和性を示す。従って、濡れ性可変層の表面の一部を選択的に露光して形成した親インク性領域に対するインクの濡れ性と、その周囲の領域に対する撥インク性領域の濡れ性の差を大きくとることができるようになり、親インク性領域にインクジェット方式で吹き付けたインクが、親インク性領域の隅々にまで均一に濡れ広がる。その結果、微細且つ精緻なインク層のパターンをインクジェット方式により形成できるようになる。
ここで、臨界表面張力に関し上記特性を有する試験片は如何なる材料で形成されていても差し支えない。臨界表面張力30mN/mを示す試験片としては、例えば、表面が平滑なポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、平滑なガラス表面に前記ポリマーや表面改質剤等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。また、臨界表面張力70mN/mを示す試験片としては、例えば、ナイロンや親水化処理したガラス表面等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。
主溶剤は、以下に示すような溶剤の中から選んで用いることができる:エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルのようなグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールオリゴマーエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールオリゴマーエーテルエステル類;酢酸エチル、安息香酸プロピルのような脂肪族又は芳香族エステル類;炭酸ジエチルのようなジカルボン酸ジエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチルのようなアルコキシカルボン酸エステル類;アセト酢酸エチルのようなケトカルボン酸エステル類;エタノール、イソプロパノール、フェノールのようなアルコール類又はフェノール類;ジエチルエーテル、アニソールのような脂肪族又は芳香族エーテル類;2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類;ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールのようなグリコールオリゴマー類;2−エトキシエチルアセテートのようなアルコキシアルコールエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類。
また、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクには顔料が含まれるため、特に溶剤の大部分を占める主溶剤としては、顔料の分散性、分散安定性の点から、水酸基を含有しないものを用いることが好ましい。
主溶剤として好ましいものとしては、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及び、コハク酸ジエチルなどを例示することができる。これらの溶剤は、沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の要求を満たしているだけでなく、分子中に水酸基を有していない点でも好ましい。さらに、これらの溶剤は、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような従来から顔料分散液の調製に用いられている分散性の高い溶剤と混合し或いは混合せずそのまま分散溶剤として用い、顔料分散液を調製することができる。
好ましいものとして例示した上記溶剤は、JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すという要求も満たしている。従って、これらの溶剤は、基板表面に濡れ性可変層を設けて露光し、露光部分と未露光部分の間の濡れ性の差を利用してインクジェットインクを選択的に付着させる場合にも、主溶剤として好適に用いることができる。
また、溶剤中に水分が混入している場合も溶剤中に水分子の水酸基が存在することになるので、水酸基を有する溶剤を用いる場合と同様の問題を生じるおそれがある。従って、酸−エポキシ間の架橋反応系から水分を実質的に排除するために、水との混和性の低い有機溶剤を用いてインクジェットインクを調製するのが好ましい。かかる観点から、インクジェットインクを調製する溶剤の水に対する溶解性は、液温が20℃の水100重量部に対して20重量部以下であることが好ましい。
具体例として挙げた上記主溶剤の中では、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートは水酸基を有しておらず、また、液温が20℃の水100重量部に対する溶解性も6.5重量部と低い水混和性を示すので、特に好ましい。
溶剤は、当該溶剤を含むインクジェットインクの全量に対して、通常は40〜95重量%の割合で用いてインクジェットインクを調製する。溶剤が少なすぎると、インクジェットインクの粘度が高く、インクジェットインクの場合にはインクジェットヘッドからの吐出が困難になる。また、溶剤が多すぎると、所定の濡れ性変化部位(インク層形成部位)に対するインク盛り量(インク堆積量)が充分でないうちに当該濡れ性変化部位に堆積させたインクの膜が決壊し、周囲の未露光部へはみ出し、さらには隣の濡れ性変化部位(インク層形成部位)にまで濡れ広がってしまう。言い換えれば、インクを付着させるべき濡れ性変化部位(インク層形成部位)からはみ出さないで堆積させることのできるインク盛り量が不充分となり、乾燥後の膜厚が薄すぎて、それに伴い充分な透過濃度を得ることができなくなる。
(顔料分散剤)
顔料分散剤は、顔料を良好に分散させるためにインクジェットインク中に必要に応じて配合される。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系等の界面活性剤などを使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。また、特殊アクリル系重合体などの分散補助樹脂を更に用いても良い。
すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類などの高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
上記顔料分散剤の含有量は、固形分全体に対して5〜50重量%、更に固形分全体に対して10〜30重量%であることが好ましい。
(その他の成分)
更に、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)充填剤:例えば、ガラス、アルミナなど。
b)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
c)レベリング剤:例えば、ポリオキシアルキレン系界面活性剤、脂肪酸エステル系界面活性剤、特殊アクリル系重合体、ビニルエーテル系重合体等のビニル系重合体など。
d)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなど。
e)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなど。
(インクの製造方法)
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクは、各成分を単独溶剤又は混合溶剤である溶剤に投入して混合し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。
しかしながら、顔料をバインダー等の他の成分と共に溶剤全体中に直接投入し攪拌混合すると、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが多い。そこで通常は、顔料の分散性及び分散安定性が良好な溶剤を用意し、そこに顔料を分散剤と共に投入してディソルバーなどにより十分攪拌し、顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみからなる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合することによって、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。
顔料分散液を投入する残部の溶剤としては、最終的な溶剤全体の組成から顔料分散液の調製に用いた溶剤の分を差し引いた組成を有するものを用い、最終濃度にまで希釈してインクジェットインクを完成させても良い。また、顔料分散液を比較的少量の主溶剤に投入して高濃度のインクジェットインクを調製しても良い。高濃度のインクジェットインクは、そのまま保存し、使用直前に最終濃度に希釈してインクジェット方式に使用することができる。
本発明においては、特に、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分の配合割合を溶剤全体の90重量%以上用いる場合には、顔料分散液の調製時に3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような従来から用いられている分散溶剤を十分な量だけ用いることができない場合がある。その場合には、主溶剤として使用可能な溶剤の中から顔料の分散性、分散安定性が比較的良好なものを選択し、従来から用いられている分散溶剤と混合したものを分散溶剤として用いるか、或いは、主溶剤をそのまま分散溶剤として用いる。
(膜物性)
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177に、C.I.ピグメントイエロー150を少なくとも組み合わせたことにより、特定の色を実現しながら、輝度が高く、且つコントラストが高い膜を実現することができる。ここでの膜は、インクジェットインクの乾燥後の膜、バインダー成分が硬化性である場合には更に硬化後の膜をいう。
具体的には、本発明に係るインクジェットインクを平均膜厚1.5〜2.5μmの均一な膜に成膜し、当該膜をC光源で測色した時に、CIEのXYZ表色系においてx座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335、輝度Yが18.0以上、更に好ましくは18.5以上、及びコントラストが1800以上、更に好ましくは2100以上であることを達成可能である。
ここで上記均一な膜とは、膜厚差が0.1μm未満のものをいう。また、上記均一な膜は例えば以下のように作製することができる。まず、ガラス基板上に、スピンコートによりインクジェットインクを塗布する。その後、当該インク膜を乾燥し、必要に応じてプリベークした後、適宜露光及び/又は加熱することにより硬化させ、均一な膜を形成する。乾燥硬化後の膜厚の測定は、例えば、触針式膜厚測定装置(例えば、日本ビーコ製、製品名dektak3030)により行うことができる。
なお、本発明においてコントラストとは、2枚の偏光板を直交、或いは平行となるように組み合わせてカラーフィルターを挟んだ時に透過する輝度の比(偏光板平行時の輝度/偏光板直交時の輝度)を指標にすることができる。本発明における上記コントラストは、以下のように測定した場合の値である。
コントラスト測定のための測定試料の構成を図6に示す。厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、NA35)40上に、カラーフィルター用インクジェットインクを用いてスピンコートによりカラーフィルター層41を形成する。また、厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、NA35)40上に、偏光フィルム42(日東電工製 NPF−SEG1425DU)を貼り合わせて偏光板43を形成する。上記ガラス基板40上にカラーフィルター層41を形成したものに対して、偏光フィルム42側が外側になるように、2枚の偏光板43を直交、或いは平行となるように挟んで測定試料44とする。測定試料44の構成において、偏光板43とカラーフィルター層41との距離l及び偏光板43とガラス基板40との距離lによってコントラストの値は異なってくるが、本発明においては、偏光板43とカラーフィルター層41との距離lを9.3mm、偏光板43とガラス基板40との距離lを0mmとする。偏光フィルムはフラットディスプレイパネル用途のものを用いる。
コントラスト測定における輝度測定の構成を図7に示す。具体的な測定方法としては、測定試料44にバックライト45を点灯し、輝度を測定する。偏光板43を直交、続いて平行にセットして測定試料を準備し、それぞれの輝度の測定を行う。試料において輝度を測定する位置は、カラーフィルター層において膜厚が均一な位置にする。コントラスト測定における輝度を測定するための装置46としては、微小領域12mmφで輝度を測定できる装置を用いる。例えば、測定装置46としては輝度計(コニカミノルタセンシング製 LS−100)においてクローズアップレンズ(No.153)47を装着したものを挙げることができる。輝度計の視角は1°を用いる。測定装置46と測定試料44との距離Lは、クローズアップレンズ47を装着した場合には、クローズアップレンズ47から測定試料44までの距離となり、L=710mmで行う。輝度計のフォーカスは試料面に合わせる。また、バックライトはフラットディスプレイパネル用途のものを用いる。バックライトとしては、例えば、ハクバ写真産業製 ライトビュアー 7000 PRO (KLV−7000)等が挙げられる。更に、コントラスト測定中、室内はバックライト光以外の光を遮断する。また、リファレンス測定として、バックライト光源の輝度および、偏光板の直交および平行状態での輝度測定を行う。偏光板のリファレンス測定の際、測定試料44に用いられているガラス基板40をはさんでも良い。カラーフィルターの偏光板直交時の輝度測定値から、バックライト光源の輝度測定値及び偏光板の輝度測定値を差し引いて、カラーフィルターの偏光板直交時の輝度を求める。同様にして、カラーフィルターの偏光板平行時の輝度を求める。カラーフィルターの偏光板平行時の輝度とカラーフィルターの偏光板直交時の輝度の比(平行/直交)をコントラストとする。
(用途)
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、所定のパターンを有する膜を形成するのに適しており、特に、カラーフィルターにおいてR(赤)の画素を形成するのに好適に用いられる。カラーフィルターとしては、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルター、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルターのいずれにも好適に用いることができる。
2.カラーフィルター
次に、本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上にインクジェット方式により形成された画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を含む画素であることを特徴とする。
また本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上に設けられた画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該画素の厚みが、該画素の領域内で不均一であり、且つ、該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を含む画素であることを特徴とする。
当該透明基板上のブラックマトリックス層に囲まれた領域にインクジェット方式により画素が形成されると、そのインクとブラックマトリックス層表面との親和性やブラックマトリックス層の高さ、吐出するインキ量などの関係から、ブラックマトリックス層に囲まれた開口部における画素の形状は、該画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの小さい部分を有し、且つ当該厚みの小さい部分よりも画素の中心側に厚みの最大部を有するような形状となったり、逆に、該画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの大きい部分を有し、且つ当該厚みの大きい部分よりも画素の中心側に厚みの最小部を有するような形状となったり、さらに、その表面が凹凸形状になる。
本発明に係るカラーフィルターによれば、該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントレッド177にC.I.ピグメントイエロー150を組み合わせて含む画素であることにより、当該画素がインクジェット法により形成されたような、上記のように膜厚が不均一な形状を有していても、特定の色を実現しながら、輝度が高く、且つコントラストが高いものとなる。
例えば、本発明に係るカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上に設けられた画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該画素の厚みが、該画素の領域内で不均一であり、且つ、該画素のうち少なくとも1種類の画素が、当該1種類のみの画素をC光源で測色した時のCIEのXYZ表色系においてx座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335、及び輝度Yが16.0以上であるカラーフィルターを実現できる。
図2は、本発明に係るカラーフィルターの一例(カラーフィルター103)を示す縦断面図である。このカラーフィルター103は、透明基板5に所定のパターンで形成されたブラックマトリックス6と、当該ブラックマトリックス上に所定のパターンで形成した画素7(7R,7G,7B)と、当該画素を覆うように形成された保護膜8を備えている。また、保護膜8上に液晶駆動用の透明電極膜9が形成されている。カラーフィルター103の最内面、この場合には透明電極上には、配向膜10が形成されている。
柱状スペーサー12は凸状スペーサーの一形状であり、ブラックマトリックス層6が形成された領域(非表示領域)に合わせて、透明電極9上の所定の複数箇所(図2では4箇所)に形成されている。柱状スペーサー12は、透明電極9上若しくは画素7上若しくは保護膜8上に形成される。カラーフィルター102においては、保護膜8上に透明電極膜9を介して柱状スペーサーが海島状に形成されているが、保護膜8と柱状スペーサー12を一体的に形成し、その上を覆うように透明電極膜9を形成しても良い。また、カラーフィルターがブラックマトリックス層を備えていない場合には、画素を形成していない領域に柱状スペーサーを形成することができる。
(透明基板)
透明基板5としては、従来よりカラーフィルターに用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可とう性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可とう性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルターに適している。本発明においては、通常、透明基板を用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも用いることは可能である。また、基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的で表面処理を施したものを用いてもよい。
(画素)
本発明に係るカラーフィルターの画素は、厚みが画素の領域内で不均一であることが特徴的である。上述のように、本発明に係る画素の形状は、該画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの小さい部分を有し、且つ当該厚みの小さい部分よりも画素の中心側に厚みの最大部を有するような形状であったり、逆に、該画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの大きい部分を有し、且つ当該厚みの大きい部分よりも画素の中心側に厚みの最小部を有するような形状であったり、さらに、その表面が凹凸形状であったりする。ここで、画素の外縁部とは、画素の平面形状を規定している縁部である。また、画素の外縁部又はその近傍に沿ってとは、少なくとも外縁部又はその近傍の一部に沿って厚みの小さい部分を有していれば良い旨を言う。また、画素の厚みとは、基板の基準面(平均高さを有する面)からの高さをいう。また、厚みが画素の領域内で不均一であるとは、厚みの差が0.1μm以上の場合をいう。以下の説明では、画素の外縁部又はその近傍に沿って厚みの小さい部分を有し、且つ当該厚みの小さい部分よりも画素の中心側に厚みの最大部を有するような形状の場合を中心に説明する。
本発明に係るカラーフィルターの画素の一例の、透明基板に垂直方向の断面図を図4(a)及び図4(b)に示す。図4(a)及び図4(b)において、画素31は、画素の外縁部32又はその近傍33に厚みの小さい部分34を有し、且つ当該厚みの小さい部分34よりも画素の中心側に厚みの最大部35を有するような形状である。
上記中央部付近が盛り上がった断面形状を有する画素のような、厚みが不均一な画素は、例えばインクジェット方式を用いて形成する場合に得られる。インクジェット方式を用いる場合には、高精細に画素を形成することができる上、コスト低減や歩留まり向上を実現可能というメリットを有する。なお、上記中央部付近が盛り上がった断面形状を有する画素のような、厚みが不均一な画素は、インクジェット方式以外の方式で形成されても良い。
上記のような中央部付近が盛り上がった断面形状を有する画素は、フォトリソグラフィー法を用いて形成された画素の形状とは顕著に異なるものである。フォトリソグラフィー法を用いて形成された画素は、図5に示されるように画素の厚みがほぼ一定となり、厚みが一定でない部分が存在する場合には、通常、画素の中央部付近には盛り上がりは存在せず、図5(b)のように画素の端部のブラックマトリックスに乗り上がった部分に盛り上がりが存在する。
また、本発明に係るカラーフィルターの画素は、該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を含む画素であることを特徴とする。このような特定の顔料を含む画素は、通常赤(R)の画素であり、当該本発明に係る赤(R)の画素には、上記本発明に係るインクジェットインクにおいて説明したように、上記特定の3種類の顔料のみを含有していても良いし、適宜他の顔料を含有していても良い。本発明に係るカラーフィルターの画素は、上記C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150が組み合わされて含有されるため、インクジェット方式で形成され、上記のような、例えば中央部付近が盛り上がった断面形状を有していても、特定の色を実現しながら、輝度が高く、且つコントラストが高いものとなる。
当該本発明に係る赤(R)の画素においては、要求される色特性、具体的には特に、塗膜をC光源で測色した時のCIEのXYZ表色系においてx座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335を満足させる点から、C.I.ピグメントイエロー150が顔料全体に対して30重量%以下で含まれることが好ましい。色度図上において、黄顔料であるC.I.ピグメントイエロー150の含有量が顔料全体に対して30重量%を超えると、要求される赤色特性を満足できなくなる恐れがある。更に、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から10〜30重量%、特に15〜25重量%含まれることが好ましい。
また本発明に係る赤(R)の画素においては、C.I.ピグメントレッド254が顔料全体に対して20〜55重量%含まれることが、更に30〜50重量%含まれることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
本発明に係る赤(R)の画素においては、C.I.ピグメントレッド177が顔料全体に対して30〜60重量%含まれることが、更に30〜50重量%含まれることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
また、上記C.I.ピグメントレッド254(PR254)とC.I.ピグメントレッド177(PR177)の配合重量比(PR254/PR177)が0.3〜1.8、更に0.3〜1.5、特に0.5〜1であることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
中でも、コントラストをより高くするように重視する場合には、(PR254/PR177)が0.35〜1であることが好ましく、一方、輝度をより高くするように重視する場合には、(PR254/PR177)が0.7〜1.8であることが好ましい。
また、上記C.I.ピグメントレッド177(PR177)と上記C.I.ピグメントイエロー150(PY150)の配合重量比(PR177/PY150)が1〜3、更に1.5〜2.5であることが、特定の色を実現する時に、輝度及びコントラストを高くすることが出来る点から好ましい。
また、上記画素においては、前記顔料(P)と顔料以外の固形分(V)の配合重量比(P/V)が、0.5〜1.2、更に0.5〜0.8であることが、着色力および膜物性の点から好ましい。
画素は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。画素における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
画素の厚みは、通常0.5〜2.5μm程度とする。また、赤色画素7Rが最も薄く、緑色画素7G、青色画素7Bの順に厚くなるというように各色の画素の厚みを変えて、各色ごとに最適な厚みに設定してもよい。
本発明に係るカラーフィルターにおいては、赤(R)の画素として、当該1種類のみの画素をC光源で測色した時のCIEのXYZ表色系において、x座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335、及び輝度Yが16.0以上である画素を実現することができる。上記輝度Yとしては、更に16.5以上であることが好ましい。
また、本発明のカラーフィルターにおいて、上記画素には熱硬化性バインダーが含まれることが、カラーフィルター用インクジェットインクにおいて既述したとおり好ましい。
(ブラックマトリックス層)
ブラックマトリックス層6は、表示画像のコントラストを向上させるために、画素7R,7G,7Bの間及び画素形成領域の外側を取り囲むように設けられる。ブラックマトリックス層6は、スパッタリング法、真空蒸着法等によるクロム等の金属薄膜であっても良い。或いは、ブラックマトリックス層6は、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた樹脂層であってもよい。遮光性粒子を含有させた樹脂層の場合には、感光性レジストを用いて現像によりパターニングする方法と、遮光性粒子を含有するインクジェットインクを用いてパターニングする方法がある。ブラックマトリックス層6としては、遮光性粒子を含有する上記本発明に係るインクジェットインクを用いて形成しても良い。
ブラックマトリックス層の厚さは、金属薄膜の場合は1000〜2000Å程度とし、遮光性樹脂層の場合は、0.5〜2.5μm程度とする。
(保護膜)
保護膜8は、カラーフィルターの表面を平坦化すると共に、画素7に含有される成分が液晶層に溶出するのを防止するために設けられる。保護膜8は、公知のネガ型の光硬化性透明樹脂組成物又は熱硬化性透明樹脂組成物を、スピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により、ブラックマトリックス層6及び画素7を覆うように塗布し、光又は熱によって硬化させることによって形成できる。
保護膜8の厚みは、使用される材料の光透過率、カラーフィルターの表面状態等を考慮して設定することができ、例えば、0.1〜2.0μmの範囲で設定することができる。
(スペーサー)
凸状スペーサーは、カラーフィルター103をTFTアレイ基板等の液晶駆動側基板と貼り合わせた時にセルギャップを維持するために、基板上の非表示領域に複数設けられる。凸状スペーサーの形状及び寸法は、基板上の非表示領域に選択的に設けることができ、所定のセルギャップを基板全体に渡って維持することが可能であれば特に限定されない。凸状スペーサーとして図示したような柱状スペーサー12を形成する場合には、2〜10μm程度の範囲で一定の高さを持つものであり、突出高さ(パターンの厚み)は液晶層に要求される厚み等から適宜設定することができる。また、柱状スペーサー12の太さは5〜20μm程度の範囲で適宜設定することができる。また、柱状スペーサー12の形成密度(密集度)は、液晶層の厚みムラ、開口率、柱状スペーサーの形状、材質等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、赤色、緑色及び青色の各画素の1組に1個の割合で必要充分なスペーサー機能を発現する。このような柱状スペーサーの形状は柱状であればよく、例えば、円柱状、角柱状、截頭錐体形状等であっても良い。
凸状スペーサーは、例えば、硬化性樹脂組成物の塗工液をスピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により透明基板上に直接、又は、透明電極等の他の層を介して塗布し、乾燥して、硬化性樹脂層を形成する。スピンコーターの回転数は、保護膜を形成する場合と同様に500〜1500回転/分の範囲内で設定すればよい。通常、スペーサーを形成するためのインクジェットインクは光硬化性インクジェットインクが好適に用いられるため、次に、この樹脂層を凸状スペーサー用フォトマスクを介して露光し、アルカリ液のような現像液により現像して所定の凸状パターンを形成し、この凸状パターンを必要に応じてクリーンオーブン等で加熱処理(ポストベーク)することによって凸状スペーサーが形成される。
凸状スペーサーは、カラーフィルター上に直接又は他の層を介して間接的に設けることができる。例えば、カラーフィルター上にITO等の透明電極又は保護膜を形成し、その上に凸状スペーサーを形成しても良いし、カラーフィルター上に保護膜と透明電極をこの順に形成し、さらに透明電極上に凸状スペーサーを形成しても良い。
(透明電極)
透明電極9は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、およびそれらの合金等を用いて形成することができる。この透明電極の厚みは20〜500nm程度、好ましくは100〜300nm程度とすることできる。
(その他の層)
通常カラーフィルターに形成されるその他の部材をさらに含んでいても良い。例えば、インクジェット方式を用いてカラーフィルターが形成される場合には、画素間の隔壁があっても良い。インクジェット方式用の隔壁については、後述するインクジェット方式による製造方法のところで説明する。また、配向膜やその他の部材においては、通常カラーフィルターに用いられるものを用いて、通常の方法で形成することができる。
3.カラーフィルターの製造方法
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、基板上の所定領域に前記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて画素を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、インクジェット方式を用いるため、コスト低減や歩留まり向上を実現可能であり、生産性の高い製造方法である。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法の一例を、図3を用いて説明する。
先ず、図3(A)に示すようにカラーフィルターの透明基板を準備する。
次に、図3(B)に示すように、透明基板5の一面側の画素部間の境界となる領域にブラックマトリックス層6を形成する。ブラックマトリックス層6として、金属薄膜を形成する場合には、当該薄膜をパターニングすることにより形成することができる。このパターニングの方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の通常のパターニング方法を用いることができる。
また、ブラックマトリックス層6として、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層を形成する場合には、パターニングの方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。或いは、後述する画素7と同様にインクジェット方式を用いて形成しても良い。
次に、図3(C)に示すように、ブラックマトリックス層のパターンの幅方向中央に、ブラックマトリックス層よりも幅の狭い撥インク性隔壁20を必要に応じて形成する。このような撥インク性隔壁の組成は、撥インク性を有する樹脂組成物であれば、特に限定されるものではない。また、特に透明である必要はなく、着色されたものであってもよい。例えば、ブラックマトリックス層に用いられる材料であって、黒色の材料を混入しない材料等を用いることができる。具体的には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の水性樹脂を1種または2種以上混合した組成物や、O/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコンをエマルジョン化したもの等を挙げることができる。取扱性および硬化が容易である点等の理由から、光硬化性樹脂が好適に用いられる。また、この撥インク性隔壁は、撥インク性が強いほど好ましいので、その表面をシリコン化合物や含フッ素化合物等の撥インク処理剤で処理したものでもよい。
撥インク性隔壁のパターニングは、撥インク性樹脂組成物の塗工液を用いる印刷や、光硬化性塗工液を用いるフォトリソグラフィーにより行うことができる。撥インク性隔壁の高さは、上述したようにインクジェット法により着色する際にインクが混色することを防止するために設けられるものであることから、ある程度高いことが好ましいが、カラーフィルターとした場合の全体の平坦性を考慮すると、画素の厚さに近い厚さであることが好ましい。具体的には、吹き付けるインクの堆積量によっても異なるが、通常は0.1〜2.0μmの範囲内であることが好ましい。
次に、上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインク、及び緑(G)及び青(B)の顔料が配合されたカラーフィルター用インクジェットインクを用意する。そして、図3(D)に示すように、透明基板5の表面に、ブラックマトリックス層6のパターンにより画成された各色の画素形成領域21R、21G、21Bに、対応する色の画素形成用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する。インク層は赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがモザイク型、ストライプ型、トライアングル型、4画素配置型等の所望の形態で配列されるように形成される。このインクの吹き付け工程において、インクジェットインクは、ヘッド22の先端部で粘度増大を起こし難く、良好な吐出性を維持し続ける必要がある。この場合、所定の画素形成領域内に、対応する色のインクを正確に、且つ、均一に付着させることができ、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。また、各色の画素形成用インクジェットインクを、複数のヘッドを使って同時に基板上に吹き付けることもできるので、印刷等の方法で各色ごとに画素部を形成する場合と比べて作業効率を向上させることができる。
次に、図3(E)に示すように、各色のインク層23R、23G、23Bを乾燥し必要に応じてプリベークした後、適宜露光及び/又は加熱することにより硬化させる。インク層を適宜露光及び/又は加熱すると、インクジェットインク中に含まれる硬化性樹脂の架橋要素が架橋反応を起こし、インク層が硬化して画素が形成される。
次に、図3(F)に示すように、透明基板の画素24R、24G、24Bを形成した側に、保護膜8を形成する。保護膜は、透明な樹脂組成物を用いて、スピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により形成できる。例えば、スピンコーターにより500〜1500回転/分の範囲内で塗工後、露光及び/又は加熱することにより硬化させて形成することが好ましい。
また、保護膜上の透明電極は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、およびそれらの合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な方法により形成され、必要に応じてフォトレジストを用いたエッチング又は治具の使用により所定のパターンとすることができる。
その他においては、通常のカラーフィルターを形成する方法と同様の方法を用いて製造することができる。
4.液晶表示装置
更に、本発明に係る液晶表示装置は、表示側基板と液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶を封入してなる液晶表示装置であって、前記表示側基板が前記本発明に係るカラーフィルター或いは、前記本発明に係るカラーフィルターの製造方法によって製造されたカラーフィルターであることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置は、上述のように輝度とコントラストが高い画素を有するカラーフィルターを用いることから、高品質で且つ生産性の高い液晶表示装置とすることができる。
上記のようにして得られるカラーフィルター103(表示側基板)と、TFTアレイ基板(液晶駆動側基板)を対向させ、両基板の内面側周縁部をシール剤により接合すると、両基板は所定距離のセルギャップを保持した状態で貼り合わされる。そして、基板間の間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明に係る液晶表示装置に属する、アクティブマトリックス方式のカラー液晶表示装置が得られる。
液晶表示装置におけるその他の構成及び製造方法は、通常用いられる構成及び方法を用いることができるので、ここでは説明を省略する。
本発明の液晶表示装置としては、上述したカラーフィルターを有するものであれば特に限定はされず、公知の液晶表示装置を挙げることができる。具体的には、IPS(In-Plane Switching)型、STN(Super Twisted Nematic)型、TN(Twisted Nematic)型、強誘電性型、反強誘電性型、MVAモード型等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(製造例1:バインダー性エポキシ化合物の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(別名ブチルカルビトールアセテート、以下、BCAと示すことがある。)を40.7重量部仕込み、攪拌しながら加熱して140℃に昇温した。次いで、140℃の温度で第1表に記載した組成の単量体、及び、重合開始剤の混合物(滴下成分)54.7重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、110℃に降温し重合開始剤及び水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)の混合物(追加触媒成分)4.6重量部を添加し、110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了することにより、表1に記載の特性を有するバインダー性エポキシ化合物が得られた。
Figure 2007122042
*1)表中の略号は以下の通りである。
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製商品名)
*2)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
(実施例1〜4、比較例1〜3:カラーフィルター用赤色インクジェットインクの調製)
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PR254(C.I.ピグメントレッド254)顔料分散液、PR177(C.I.ピグメントレッド177)顔料分散液、及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
(2)バインダーの調製
サンプル瓶にテフロン(登録商標)被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。このサンプル瓶の中に、下記の割合に従って前記製造例1に記載のバインダー性エポキシ化合物、多官能エポキシ樹脂等を加え、室温で十分に攪拌溶解し、次いで、粘度調整のために希釈溶剤を加えて攪拌溶解した後、これを濾過してバインダー組成物を得た。
[バインダーの組成]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):10重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、ジャパンエポキシレジン製):2重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1重量部
・トリメリット酸:2重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):10重量部
表2に示される配合割合で、上記調製したPR254顔料分散液、PR177顔料分散液、PY150顔料分散液及び、バインダー組成物を充分に混合し、実施例1のインクジェットインクを調製した。更に、表2に示される配合割合で、実施例1と同様に、実施例2〜4及び比較例1〜3のカラーフィルター用赤色インクジェットインクを得た。
得られた各カラーフィルター用赤色インクジェットインクについて、下記のように樹脂硬化膜を形成して輝度とコントラストについて評価を行った。その評価結果を表2に併せて示す。
[評価]
1.塗膜の形成
厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、NA35)上に、スピンコートにより上記各インクジェットインクを塗布した。
その後、90℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分間加熱してポストベークを行い、更に240℃で30分加熱してポストベークを行って、カラーフィルター層を形成した。乾燥硬化後の膜厚を表に示した。膜厚の測定は、触針式膜厚測定装置(日本ビーコ製、製品名dektak3030)により行った。
2.色度座標(x、y、輝度Y)
顕微分光測定器(オリンパス(株)製、OSP200)を使用して測定した。
3.コントラスト
厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、NA35)40上に、偏光フィルム42(日東電工製 NPF-SEG1425DU)を貼り合わせて偏光板43を形成した。図6に示すように、上記ガラス基板40上にカラーフィルター層41を形成したものに対して、偏光フィルム42側が外側になるように、2枚の偏光板43を直交、或いは平行となるように挟んで測定試料44とした。測定試料44の構成において、偏光板43とカラーフィルター層41との距離lを9.3mm、偏光板43とガラス基板40との距離lを0mmとした。
図7に示すように、コントラスト測定における輝度測定を行った。測定試料44にバックライト45を点灯し、輝度を測定した。偏光板を直交、続いて平行にセットして測定試料を準備し、それぞれの輝度の測定を行った。試料において輝度を測定する位置は、カラーフィルター層において膜厚が均一な位置にした。コントラスト測定における輝度を測定するための装置46としては、輝度計(コニカミノルタセンシング製 LS-100)にクローズアップレンズ(No.153)47を装着したもの用いた。輝度計の視角は1°を用いた。クローズアップレンズ47から測定試料44までの距離Lは、710mmで行った。
Figure 2007122042
表2の実施例1〜実施例4に示されるように、本発明に係るインクジェットインクは、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177に、C.I.ピグメントイエロー150を少なくとも組み合わせたことにより、従来顔料分散法で実現していた所定のR(赤)の色味を実現しながら、コントラストを向上させ、更に輝度を向上させる画素を得ることができることが明らかになった。一方、C.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントレッド177を用いた比較例1は、コントラストが不充分なものであった。また、C.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントイエロー150を用いた比較例2は、輝度が不充分なものであった。従来技術のC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177に、C.I.ピグメントイエロー139を組み合わせた比較例3は、実施例に比べてコントラストが劣るものであった。
(実施例5:カラーフィルターの作製)
<カラーフィルター用青色インクジェットインクの調製>
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
(2)バインダーの調製
下記の割合に従って、実施例1に用いたバインダーと同様に調製した。
[バインダーの組成]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):15重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、ジャパンエポキシレジン製):3重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1.5重量部
・トリメリット酸:3重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):27.5重量部
上記調製したPB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物30重量部、BCA15重量部を充分に混合してカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。
<カラーフィルター用緑色インクジェットインクの調製>
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて4時間分散し、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)顔料分散液、PG7(C.I.ピグメントグリーン7)顔料分散液、PY138(C.I.ピグメントイエロー138)顔料分散液及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(有機溶剤中に固形分30重量%)):20重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
(2)バインダーの調製
下記の割合に従って、実施例1に用いたバインダーと同様に調製した。
[バインダーの組成]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):11重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、ジャパンエポキシレジン製):2.2重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1.1重量部
・トリメリット酸:2.2重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):13.5重量部
上記調製したPG36顔料分散液19.25重量部、PG7顔料分散液13.65重量部、PY138顔料分散液24.64重量部及びPY150顔料分散液12.46重量部、及び、バインダー30重量部を充分に混合してカラーフィルター用緑色インクジェットインクを得た。
<カラーフィルターの作製>
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚1.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された青色画素形成部に、上記青色用インクジェットインクをインクジェット方式によって、正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の緑色画素形成部に、上記緑色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の赤色画素形成部に、実施例3の赤色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に240℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上にRGB3色の画素パターンを形成した。光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ製 製品名Micromap557N)により測定されたRの画素の断面形状のプロファイルを図8に示す。当該画素パターンを用いて、下記に示すように赤色画素の色度座標及び輝度の評価を行った。
次に、RGB画素パターンを形成した基板を、IPAに5分間浸漬させ、次いでIPA蒸気にて乾燥を行ない洗浄した後、基板設定温度200℃にて、6×10−3Torrの真空下でITO(酸化インジウムスズ)電極を120nmの厚さになるように成膜した。このITO成膜を行った基板を更にIPAに5分間浸漬し、IPAで蒸気洗浄を行った後、ポリイミドをスピンコートし、180℃、60分間の焼成を行って配向膜を形成し、カラーフィルターを得た。
[カラーフィルターの赤色画素の色度座標及び輝度の評価方法]
上記のように得られた赤色画素は、画素の厚みが、該画素の領域内で不均一であるため、以下のような工程を経る色度座標の評価方法を用いた。
A)膜厚が不均一な着色層の膜厚分布を測定する膜厚分布作成工程と、
B)均一な特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
C)前記膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて着色層の膜厚分布に対応する分光データを計算する着色層分光データ計算工程と、
D)前記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて着色層の所望エリアの色度座標を求める色度座標作成工程を有する、色度座標の評価方法。
(1)画素の膜厚分布作成
1つの赤色画素について、ブラックマトリックスにより区画された画素形成部に含まれる赤色画素の形成領域全体、すなわち赤色画素の開口部全体について、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ製 製品名Micromap557N)により、膜厚分布を作製した。幅140μm×長手方向600μmの1つの赤色画素の開口部内の領域に対して、膜厚分布は幅方向に1μmごとに140点ずつ、長手方向に1μmごとに600点ずつの合計84000点について、膜厚を測定した。平均膜厚は、2.0μmであった。
(2)均一な特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定
均一な特定の膜厚を有する赤色着色層として、赤色がその形成に使用した実施例3の赤色用インクジェットインクを用いて、スピンコートにより評価用塗膜を形成した。厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、NA35)上に、スピンコートにより乾燥膜厚が1.65μmとなるように、インクジェットインクを塗布した。
その後、90℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分間加熱してポストベークを行い、更に240℃で30分加熱してポストベークを行って、各色の評価用塗膜を形成した。
当該膜厚がd0=1.65μmの各評価用塗膜について、顕微分光光度計(例えば、オリンパス(株)社製 OSP-SP200)を用いて、可視波長域の分光透過スペクトルを測定し、400〜700nmで5nm刻みごとにτ0(λ)を得た。
(3)画素の分光データ計算
上記(1)で得られた赤色画素の膜厚分布を用いて、合計84000点における各膜厚dに対応する分光スペクトルτ(λ)を計算により求めた。
まず、膜厚d0(1.65μm)の時の分光スペクトルτ0(λ)を用いて、各波長における物質の固有の定数を求めた。次に、赤色画素の合計84000点において、当該各波長における物質の固有定数から、各波長における分光スペクトルτ1(λ)〜τ84000(λ)まで分光データを計算した。
(4)色度座標作成
赤色画素について、求められた各波長における分光スペクトルτ1(λ)〜τ84000(λ)の84000個のτ(λ)の平均値τave(λ)を求めた。この平均値τave(λ)を用いて、使用光源の分光スペクトルP(λ)、及びXYZ表色系における等色関数を用いて、下記式(1)〜(6)より色度座標(x,y)及び輝度Yを計算した。
Figure 2007122042
(5)平均化
ブラックマトリックスにより区画された1画素についての上記(1)から上記(4)のプロセスを、10個の画素について同様に行い、平均値を求めた。
その結果、赤色画素は、(x、y)=(0.651、0.330)、輝度Yは16.6であった。
このように、本発明に係るカラーフィルターにおいては、領域内で厚みが不均一な画素であるため、均一な膜の場合と同じ色度(x、y)を達成しようとすると輝度Yは均一な膜の場合に比べて低下する傾向がある。しかしながら、本発明のインクジェットインクは、従来顔料分散法で実現していた所定のR(赤)の色味を実現しながら、コントラストを向上させ、更に輝度を向上させるような特性を有するインクであるため、領域内で厚みが不均一な画素であっても、特定の色を有し輝度及びコントラストが高い画素とすることができる。
液晶パネルの一例についての模式的断面図である。 液晶パネルの別の例についての模式的断面図である。 本発明に係るカラーフィルターの一例を示す模式的縦断面図である。 本発明のインクジェットインクを用いてカラーフィルターを製造する方法の一例を説明する図である。 本発明のカラーフィルターの画素の一例の模式的縦断面図である。 本発明のカラーフィルターの画素の一例の模式的縦断面図である。 フォトリソグラフィー法を用いて形成された画素の例の模式的縦断面図である。 本発明におけるコントラストの測定における試料を説明する図である。 本発明におけるコントラストの測定方法を説明する図である。 実施例5のカラーフィルターにおけるR画素の断面のプロファイルである。
符号の説明
1 カラーフィルター
2 電極基板
3 間隙部
4 シール材
5 透明基板
6 ブラックマトリックス層
7(7R、7G、7B) 画素
8 保護膜
9 透明電極膜
10 配向膜
11 パール
12 柱状スペーサー
20 撥インク性隔壁
21 画素形成領域
22 インクジェットヘッド
23 インク層
24 画素部
31 画素
32 外縁部
33 外縁部の近傍
34 厚みが小さい部分
35 厚みの最大部
36 ブラックマトリックス
40 ガラス基板
41 カラーフィルター層
42 偏光フィルム
43 偏光板
44 測定試料
45 バックライト
46 輝度を測定するための装置
47 クローズアップレンズ
101、102 カラー液晶表示装置
103、104 カラーフィルター

Claims (16)

  1. C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を少なくとも含む顔料、バインダー、及び溶剤を含有する、カラーフィルター用インクジェットインク。
  2. 前記C.I.ピグメントイエロー150が前記顔料全体に対して10〜30重量%含まれる、請求項1に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
  3. 前記C.I.ピグメントレッド254(PR254)と前記C.I.ピグメントレッド177(PR177)の配合重量比(PR254/PR177)が0.3〜1.8である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
  4. 前記バインダーが熱硬化性バインダーである、請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
  5. 前記溶剤が、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤全量に対して70重量%以上の割合で含有するものである、請求項1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
  6. 前記顔料(P)と顔料以外の固形分(V)の配合重量比(P/V)が、0.5〜1.2である、請求項1乃至5のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
  7. 前記インクジェットインクを平均膜厚1.5〜2.5μmの均一な膜に成膜し、当該膜をC光源で測色した時に、CIEのXYZ表色系においてx座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335、輝度Yが18.0以上、及びコントラストが1800以上である請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
  8. 透明基板と、当該透明基板上に設けられた画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該画素の厚みが、該画素の領域内で不均一であり、且つ、当該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を含む画素であることを特徴とする、カラーフィルター。
  9. 透明基板と、当該透明基板上にインクジェット方式により形成された画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該画素の少なくとも1つが顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、及びC.I.ピグメントイエロー150を含む画素であることを特徴とする、カラーフィルター。
  10. 透明基板と、当該透明基板上に設けられた画素とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該画素の厚みが、該画素の領域内で不均一であり、且つ、該画素のうち少なくとも1種類の画素が、当該1種類のみの画素をC光源で測色した時のCIEのXYZ表色系においてx座標が0.650≦x≦0.665、y座標が0.318≦y≦0.335、及び輝度Yが16.0以上であることを特徴とする、カラーフィルター。
  11. 前記C.I.ピグメントイエロー150が前記顔料全体に対して10〜30重量%含まれることを特徴とする、請求項8又は9に記載のカラーフィルター。
  12. 前記C.I.ピグメントレッド254(PR254)と前記C.I.ピグメントレッド177(PR177)の配合重量比(PR254/PR177)が0.3〜1.8であることを特徴とする、請求項8、9及び11のいずれかに記載のカラーフィルター。
  13. 前記画素に熱硬化性バインダーが含まれることを特徴とする、請求項8乃至12のいずれかに記載のカラーフィルター。
  14. 前記画素は、顔料以外の固形分(V)に対する前記顔料(P)の配合重量比(P/V)が、0.5〜1.2であることを特徴とする、請求項8乃至13のいずれかに記載のカラーフィルター。
  15. 基板上の所定領域に前記請求項1乃至7のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、
    前記インク層を硬化させて画素を形成する工程とを含むことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。
  16. 表示側基板と液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶を封入してなる液晶表示装置であって、前記表示側基板が、前記請求項8乃至14のいずれかに記載のカラーフィルター、又は前記請求項15に記載のカラーフィルターの製造方法によって製造されたカラーフィルターであることを特徴とする、液晶表示装置。
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