計量装置が高機能、高精度になるほど設定項目は増える。設定項目はそれぞれ相互に影響し合うため、全ての設定項目を矛盾なく設定することも困難となる。一方で、機器の使用者であるユーザーは、簡単な操作を好む。高機能化と操作の容易性とのバランスを取るべく、一般的な計量装置では、動作パターン毎に設定項目の値があらかじめ記憶されると共に、複数の運転レベルが設定される。運転レベルの切換えにより、作業者の能力あるいは権限に基づいて機器の設定を変更できる範囲を変更することが可能となる。運転レベルの切換えは、鍵やパスワードなどを利用して制限される。具体的には、例えば運転レベルとしてレベル1からレベル3までが設定される。レベル1では、予め設定されている動作パターンの中から特定の動作パターンを選択する権限と、機器をON−OFFする権限が与えられる。レベル2では、レベル1の権限に加え、各動作パターンにおける設定項目の設定値を変更できる権限が与えられる。レベル3では、レベル2の権限に加え、機器のシステム変更などの全権限が与えられる。末端の作業者は、レベル1の権限しか与えられず、予め設定されている動作パターンの範囲で動作パターンを切り替えること、および機器をON−OFFすることだけができる。機器を据え付けた後に生産ラインの変更がなければ、複雑な知識や技術も不要であるから、レベル1の権限のみで簡単に運転することができる。
しかしながら、製品市場は日々変わる。生産者であるユーザーは、例えば新しい種類の被計量物に対応して、計量装置の設定項目の値を頻繁に変更しなければならない。かかるニーズに対応するために、計量装置に関する詳細な技術内容を理解した技術者に対し、レベル2の権限が与えられる。レベル2の権限を持つ技術者は、例えば新しい種類の被計量物に対応するように、計量装置の設定項目を変更する。しかし、設定項目の数は通常、数十から100個を超えるため、設定の誤りや漏れが生じやすく、誤りや漏れを防止することも困難である。設定の誤りや漏れが頻繁に生じる結果、不良品が市場に出回ったり、計量装置メーカーの技術者が設定データを修正するまで生産ラインが停止されるといった問題が生じている。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数の設定項目により特定される多数の動作パターンが設定および記憶され該動作パターンに従って動作するように構成されていて設定項目の設定の誤りや漏れをより容易に防止あるいは修正することが可能な計量装置および計量システム、およびこれらにかかる設定項目の出力方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の点に気づいた。計量装置の設定項目は、被計量物の種類が同じであれば、特定の設定項目(例えば組合せ合計重量や速度)と一定の相関を持つ。そこで、特定の設定項目に基づく昇順または降順で他の設定項目を並べた表を出力させる。該表において、各設定値が昇順または降順になっていない場合や、設定値同士の間隔にずれがある場合には、設定の誤りがあることが容易に発見できる。設定に誤りがある設定項目が特定できれば、誤りを修正あるいは防止することも容易となる。
すなわち、上記課題を解決すべく、本発明の計量装置は、複数の動作パターンを切り換えて運転することが可能な計量装置であって、動作パターンのそれぞれに対応するように被計量物名と計量装置の動作を制御するための動作パラメータとを含む複数の設定項目を互いに関連づけて記憶するための記憶装置と、表を出力するための出力装置と、前記記憶装置に記憶されている設定項目に基づいて、被計量物名が共通する複数の動作パターンに対応する設定項目の全部または一部が一つの動作パターンにつき一つの行または列に含まれるようにかつその行または列が所定の動作パラメータである並び替え用動作パラメータに基づき昇順または降順で並ぶように形成された表を前記出力装置を介して出力するための制御装置とを備える。
かかる構成では、設定に誤りのある可能性のある設定項目を容易に特定できる。よって、設定項目の設定の誤りや漏れをより容易に防止あるいは修正することができる。
上記の計量装置において、並び替え用動作パラメータは目標重量であってもよい。
かかる構成では、目標重量の順に動作パターンが並べられる。目標重量と高い相関関係を持つ動作パラメータは多い。目標重量の順に動作パターンを並べることで、さまざまな種類の動作パラメータについて、設定の誤りや漏れをより容易に防止あるいは修正することができる。
上記の計量装置において、複数の動作パラメータの中からいずれか一つの動作パラメータを並び替え用動作パラメータとして選択するための選択装置を備えてもよい。
かかる構成では、動作パターンを並べる基準となる動作パラメータを任意に設定できる。基準となる動作パラメータを適宜設定することで、設定の誤りや漏れを防止あるいは修正したい動作パラメータに応じて表を変更することが可能となる。
上記の計量装置において、複数の動作パラメータから並び替え用動作パラメータを除くいずれか一つの動作パラメータを選択するための選択装置を備え、前記制御装置は、前記行または列が前記選択装置を介して選択された動作パラメータを含むように前記表を出力するように構成されていてもよい。
かかる構成では、表に含める動作パラメータを任意に変更できる。よって、設定の誤りや漏れを防止あるいは修正したい動作パラメータを含むように表を出力させることが可能となる。
上記の計量装置において、入力装置を備え、前記出力装置は表示装置を備え、前記制御装置は、前記表を前記表示装置に表示させている状態で、前記入力装置を介して設定項目の入力を受付け可能に構成されていてもよい。
かかる構成では、表を参照しつつ設定項目を修正できる構成とすることにより、設定の誤りや漏れを容易に防止できる。
上記の計量装置において、前記記憶装置は、動作パターンのそれぞれに対応するように被計量物名と動作パラメータとを含む複数の設定項目と計量装置の運転結果を分析するための分析項目とを互いに関連づけて記憶するように構成されており、前記制御装置は、前記行または列が少なくとも一つの分析項目を含むように前記表を出力するように構成されていてもよい。
かかる構成では、分析項目に基づいて動作パラメータの設定値に誤りのある可能性が高い動作パターンを容易に特定できる。
上記の計量装置において、分析項目は、運転効率とモータ脱調エラーと零補正エラーとからなる群から選ばれるパラメータであってもよい。
かかる構成では、運転効率またはモータ脱調エラーまたは零補正エラーに基づいて動作パラメータの設定値に誤りのある可能性が高い動作パターンを容易に特定できる。
上記の計量装置において、入力装置を備え、前記出力装置は表示装置を備え、前記制御装置は、前記表を前記表示装置に表示させている状態で、前記入力装置を介して設定項目の入力を受付け可能に構成されていてもよい。
かかる構成では、分析項目を含んだ表を参照しつつ設定項目を修正できる構成とすることにより、設定の誤りや漏れを容易に防止できる。
上記の計量装置において、入力装置を備え、前記制御装置は、新たな動作パターンに対応する設定項目の入力を前記入力装置を介して受付ける際に、新たな動作パターンに対応する被計量物名と並び替え用動作パラメータの入力がされると、すでに記憶されている動作パターンに対応する設定項目と前記入力された被計量物名と前記入力された並び替え用動作パラメータとに基づいて、新たな動作パターンに対応する他の動作パラメータを自動的に設定するように構成されていてもよい。
かかる構成では、すでに入力されている設定項目に基づいて未入力の動作パラメータが自動的に設定されるために動作パラメータの設定作業が簡略化される。同時に、該自動設定された動作パラメータを含む表が出力されるために、自動設定により得られた設定値が適切な値になっているか否かを容易に判定することができる。
また、本発明の計量システムは、複数の動作パターンを切り換えて運転することが可能な計量システムであって、動作パターンのそれぞれに対応するように被計量物名と計量装置の動作を制御するための動作パラメータとを含む複数の設定項目を互いに関連づけて記憶するための記憶装置と、表を出力するための出力装置と、前記記憶装置に記憶されている設定項目に基づいて、被計量物名が共通する複数の動作パターンに対応する設定項目の全部または一部が一つの動作パターンにつき一つの行または列に含まれるようにかつその行または列が所定の動作パラメータである並び替え用動作パラメータに基づき昇順または降順で並ぶように形成された表を前記出力装置を介して出力するための制御装置とを備える。
かかる構成では、設定に誤りのある可能性のある設定項目を容易に特定できる。よって、設定項目の設定の誤りや漏れをより容易に防止あるいは修正することができる。
また、本発明の計量装置または計量システムにかかる設定項目の出力方法は、動作パターンのそれぞれに対応するように被計量物名と計量装置の動作を制御するための動作パラメータとを含む複数の設定項目を互いに関連づけて記憶するステップと、記憶されている設定項目に基づいて、被計量物名が共通する複数の動作パターンに対応する設定項目の全部または一部が一つの動作パターンにつき一つの行または列に含まれるようにかつその行または列が所定の動作パラメータである並び替え用動作パラメータに基づき昇順または降順で並ぶように形成された表を出力するステップとを有する。
かかる構成では、設定に誤りのある可能性のある設定項目を容易に特定できる。よって、設定項目の設定の誤りや漏れをより容易に防止あるいは修正することができる。
本発明は、上記のような構成を有し、以下のような効果を奏する。すなわち、複数の設定項目により特定される多数の動作パターンが設定および記憶され該動作パターンに従って動作するように構成されている計量装置および計量システムにおいて、設定項目の設定の誤りや漏れをより容易に防止あるいは修正することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態の計量装置は、組合せ計量装置である。図1は、本発明の第1実施形態にかかる組合せ計量装置の構成を示す概略模式図である。
本実施形態の組合せ計量装置100は、装置上部の中央に、外部の供給装置10から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ11が設けられている。分散フィーダ11の周囲には、分散フィーダ11から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ13に送りこむためのリニアフィーダ12が設けられている。リニアフィーダ12の下方には、複数の供給ホッパ13、計量ホッパ14及びメモリホッパ15がそれぞれ対応して設けられ、円状に配置されている。供給ホッパ13はリニアフィーダ12から送りこまれた被計量物を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ14が空になるとゲートを開いて計量ホッパ14へ被計量物を投入する。計量ホッパ14にはロードセル等の重量センサ19が取り付けられており、重量センサ19が計量ホッパ14内の被計量物の重量を計測する。計量ホッパ14は、その保持している被計量物をメモリホッパ15と集合シュート16へ選択的に排出可能な構成になっている。メモリホッパ15は計量ホッパ14の斜め下方に配置され、空になると計量ホッパ14から被計量物が投入される。制御部31(制御装置)による組合せ演算により複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から排出すべきホッパ(以下、排出ホッパ)の組合せが求められ、その組合せに該当する排出ホッパから被計量物が集合シュート16上へ排出される。集合シュート16は、計量ホッパ14およびメモリホッパ15の下方に設けられ、また、その下部には集合ファンネル17が配設されている。計量ホッパ14およびメモリホッパ15から排出された被計量物は集合シュート16上を滑り集合ファンネル17で集められて集合ホッパ18に一旦溜められる。制御部31が図示されない包装機からの排出要求信号を受けて集合ホッパ18のゲートを開き、被計量物が包装機へと排出される。分散フィーダ11の上方には、被計量物の量を検出する光電式のレベルセンサ20が設けられている。計量ユニット41(図2)は、リニアフィーダ12及びその振動制御回路34(図2)と、供給ホッパ13,計量ホッパ14及びそれらのゲート駆動回路35(図2)と、重量センサ19及びA/D変換回路36(図2)と、メモリホッパ15及びそのゲート駆動回路37(図2)とを有する。組合せ計量装置100は、計量ユニット41を複数備えている。
操作設定表示器3は、例えばタッチパネル等で構成される。操作設定表示器3は、組合せ計量装置100の操作およびその動作設定等を行うための入力部5(入力装置および選択装置)と、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する表示部6(出力装置)とを備えている。印字部4(出力装置)は、プリンター等の一般的な印刷装置で構成され、操作設定表示器3の入力手段から入力する信号により、演算制御部311を介して操作可能である。
制御部31は、CPU等からなる演算制御部311と、RAM及びROM等のメモリからなる記憶部312とで構成されている。記憶部312には、運転用プログラム、設定項目、計量値等が記憶される。演算制御部311は、記憶部312に記憶されている運転用プログラムを実行して、前述の供給装置10の制御および組合せ計量装置100の全体の制御を行うとともに組合せ演算を行う。組合せ演算では、計量ホッパ14内の被計量物の重量が重量センサ19により計測され、得られた重量が計量ホッパ14の計量値として用いられる。計量ホッパ14の計量値は記憶部312に記憶され、計量ホッパ14内の被計量物が対応するメモリホッパ15へと投入された場合には、記憶されている計量値が、メモリホッパ15の計量値として用いられる。複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から、被計量物の計量値の合計が目標重量に対して許容範囲となるホッパの組合せが1つ求められる。制御部31は例えば、制御の種類に応じて複数設けられていてもよい。制御部31による制御は並列制御であってもよい。
図2は、本発明の第1実施形態にかかる組合せ計量装置の制御系統の概略を示すブロック図である。組合せ計量装置100の制御部31は、外部I/O回路39を介して包装機2(包装機の制御部)と信号を交換する。制御部31は、通信回路40を介して操作設定表示器3と信号を交換し、操作設定表示器3を介して入力を受付けると共に、操作設定表示器3の表示内容を制御する。制御部31は、印字するデータ等の信号を印字部4へ出力する。制御部31には、A/D変換回路33を介してレベルセンサ20の信号が入力される。制御部31は、入力された信号に基づいて、分散フィーダ11上の被計量物を一定量に保つように供給装置10を制御する。制御部31は、振動制御回路32を介して分散フィーダ11の振動振幅およびその動作時間を制御する。制御部31は、振動制御回路34を介してリニアフィーダ12の振動振幅および振動の継続時間を制御する。制御部31は、ゲート駆動回路35を介して供給ホッパ13および計量ホッパ14のそれぞれのゲートの開閉を行うためのステッピングモータ(図示せず)を制御する。制御部31は、計量ホッパ14に取り付けられた重量センサ19の計測値をA/D変換回路36を介して受け取る。制御部31は、ゲート駆動回路37を介してステッピングモータを制御し、メモリホッパ15のゲートを開閉する。制御部31は、ゲート駆動回路38を介してステッピングモータを制御し、集合ホッパ18のゲートを開閉する。
以上のように構成された本実施形態における組合せ計量装置100の動作について、まずその概略を説明する。組合せ計量装置100の動作は制御部31の制御によって実現される。
被計量物は、供給装置10によって組合せ計量装置100の上方に搬送され、分散フィーダ11の上へと排出される。被計量物はさらに、分散フィーダ11の振動によって放射状に分散される。分散された被計量物は、リニアフィーダ12を経由して、円状に配置された複数の供給ホッパ13へと送られる。それぞれの供給ホッパ13について、対応する計量ホッパ14が空の場合には、その供給ホッパ13から対応する計量ホッパ14へと被計量物が投入される。それぞれの計量ホッパ14について、対応するメモリホッパ15が空の場合には、その計量ホッパ14から対応するメモリホッパ15へと被計量物が投入される。制御部31は、組合せ演算により計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から排出ホッパを決定し、排出ホッパから集合シュート16へと被計量物を排出させる。被計量物は集合シュート16上を滑り落ち、集合ファンネル17で集められて、集合ホッパ18に一旦溜められる。制御部31は、包装機2から排出要求信号が入力されると、集合ホッパ18のゲートを開き、被計量物を包装機2へと排出する。同時に制御部31は、包装機へと排出信号を出力する。包装機2では、袋を製造しながら、この袋に組合せ計量装置100から排出されてきた被計量物を充填して包装する。包装機2は、組合せ計量装置100から入力される排出信号に基づいて、被計量物が充填された袋の上端および次の袋の下端をシールする。
組合せ計量装置100では、上記のような動作を行うために、計量装置の動作を制御するためのパラメータ(以下、動作パラメータという)や被計量物名を含む多数の設定項目が設定される必要がある。組合せ計量装置100では、被計量物の種類や目標重量などの違いによってそれぞれ動作パターンが設定される。各動作パターンには番号(動作パターン番号)が付与される。記憶部312は、各設定項目の設定値(数値データでも文字データでもよい)を、動作パターン番号と対応付けて記憶する。設定項目の設定は、制御部31の制御に基づき、操作設定表示器3の入力部5を介して行われる。
図3は、本発明の第1実施形態にかかる組合せ計量装置に関する主な動作パラメータとその設定値の一例を示す表である。
本実施形態における動作パラメータについて簡単に説明する。目標重量は、組合せ計量装置100から排出される1回あたりの被計量物の目標重量(組合せ目標重量)である。上限許容重量は、1回あたりの被計量物の合計重量(組合せ合計重量)として許容される最大重量を決めるための値である。許容される最大重量は、目標重量と上限許容重量との和である。許容される最小重量は、目標重量である。速度は、排出された被計量物が1分間に包装機で包装される袋(パック)の数(1分間あたりの排出回数)である。自動零補正間隔は、重量センサ19の計量値の零点補正が行われる時間間隔である。分散フィーダ強度は分散フィーダ11の振動振幅に対応する値(最大振幅に対する%)である。リニアフィーダ強度はリニアフィーダ12の振動振幅に対応する値(最大振幅に対する%)である。分散フィーダ動作時間、リニアフィーダ動作時間は、それぞれ分散フィーダ11、リニアフィーダ12の毎回の振動時間である。供給ホッパモータパターン、計量ホッパモータパターン、メモリホッパモータパターン、集合ホッパモータパターンは、それぞれのホッパのゲートを駆動するステッピングモータの駆動パターンである。モータパターンの設定値(1,2,3)は、予め設定されている各ステッピングモータの駆動パターンの識別番号を示す。ステッピングモータの駆動パターンに応じてそれぞれのホッパのゲートの開動作および閉動作の動作態様が決まる。供給ホッパ開時間、計量ホッパ開時間、メモリホッパ開時間、集合ホッパ開時間は、それぞれのホッパのゲートが完全に開ききってから閉じ始めるまでの時間である。供給ホッパ開遅延時間、計量ホッパ開遅延時間、メモリホッパ開遅延時間、集合ホッパ開遅延時間は、それぞれ包装機から排出要求信号を受けてから、供給ホッパ、計量ホッパ、メモリホッパ、集合ホッパそれぞれのゲートの開動作を開始させるまでの遅延時間である。安定時間は、計量ホッパ14へ被計量物を投入するために供給ホッパ13のゲートの開動作を開始させてから重量センサ19の計量値を制御部31が組合せ演算用の計量値として取得するまでの待機時間である。安定時間は、重量センサ19により計量ホッパに投入された被計量物の正確な重量を計測するために設定される。排出信号ON時間は、各回に出力される排出信号の継続時間である。排出信号発信遅延時間は、集合ホッパのゲートを開き始めてから排出信号を出力し始めるまでの遅延時間である。これらの設定項目はほんの一例を示したものであり、実際は数十個あるいは百個以上の多数の設定項目がある。
以下、組合せ計量装置100の特徴である、設定項目の表について説明する。この表は、制御部31により記憶部312に記憶されている設定項目の値が参照されて作成され、出力装置を介して出力される。
図4は、本発明の第1実施形態にかかる組合せ計量装置において、操作設定表示器3に表示される設定項目の表の一例を示す図である。図4に示すように、操作設定表示器3に表示される設定項目の表では、被計量物名が共通する複数の動作パターンに対応する設定項目の全部または一部(表示項目)が一つの動作パターンにつき一つの行または列(図4では行)に含まれるようにかつその行または列が所定の動作パラメータである並び替え用動作パラメータ(図4では目標重量)に基づき昇順または降順(図4では昇順)で並ぶように形成されている。表の出力は、常時自動的に行われてもよいし、ユーザによる入力部5の操作に起因して行われてもよい。動作パターンは複数設定可能(図4では300個)であり、被計量物名が共通する動作パターンがひとまとめにされ、連続的に並べられる。図4では、表示項目は被計量物名と目標重量とリニアフィーダ強度である。
図4の表において、1番目から3番目までの行には、製品名(1)(たとえばポテトチップ)の被計量物を計量する場合の動作パターンに対応する表示項目が表示されている。各設定項目は、動作パターン毎に行をなし、各行が目標重量に基づき昇順で並ぶように配列されている。以下、図4を参照しつつ組合せ計量装置100におけるパラメータの設定方法について説明する。
組合せ計量装置100では原則として、リニアフィーダ強度は供給ホッパ13への投入量にほぼ比例し、供給ホッパ13への投入量は目標重量にほぼ比例する。したがって、リニアフィーダ強度は、目標重量とほぼ比例するはずである。一方で図4の表では、1番目から3番目の行にかけて目標重量が100g、200g、300gと等間隔で増加しているのに、リニアフィーダ強度は40、40、50となっており、リニアフィーダ強度が等間隔で増加していない。かかる表示を見れば、ユーザは、2番目の行に表示された動作パターンについて、リニアフィーダ強度に設定の誤りがある可能性が高いことを容易に知ることができる。かかる構成により、組合せ計量装置100では、複数の設定項目により特定される多数の動作パターンが設定され機能される計量装置において、設定項目の設定の誤りや漏れをより容易に防止あるいは修正することができる。なお、被計量物名の入力に誤りがある場合には、隣接する行または列の被計量物名が異なることになるため、入力の誤りを容易に発見できることは言うまでもない。
組合せ計量装置100では、新たな動作パターンが設定された場合にも、被計量物名が共通する動作パターンについて、動作パターン毎に、表示項目が目標重量を基準とする昇順または降順で配列される。かかる構成により、組合せ計量装置100では、設定項目の設定に誤りまたは漏れがないかをユーザが容易に確認できる。
本実施形態において、表は制御部31の制御に基づいて操作設定表示器3に表示される。表は、制御部31の制御に基づいて印字部4を介して印刷されてもよい。
上述の説明では目標重量を並び替え用動作パラメータとしたが、いずれの動作パラメータを並び替え用動作パラメータとするか任意である。並び替え用動作パラメータが、複数の動作パラメータの中からユーザにより入力部5を介して選択されてもよい。並び替え用動作パラメータは、昇順または降順の基準となるものであるため、設定値が数値であるパラメータであることが好ましい。
表を表示させた状態で、入力部5を介して設定項目の修正が受付けられてもよい。ユーザが表を確認しながらその表に直接に設定項目を書き込める構成であってもよい。ユーザが表を確認しながら特定の設定項目を選択すると新たなウインドウが開いて該設定項目を修正できる構成であってもよい。ユーザが表を参照しつつ設定項目を修正できる構成とすることにより、設定の誤りや漏れを容易に防止できる。
図5は、本発明の第1実施形態にかかる組合せ計量装置において、記憶装置における記憶エリアの順番が表示の順番と対応している場合に、新たな動作パターンが設定される前後における各設定項目の記憶装置における配列を示す図であって、(a)が新たな動作パターンを設定する前の配列、(b)が新たな動作パターンを設定した後の配列である。記憶装置における記憶エリアの順番は表示の順番と対応している。図5(a)に示すように、新たな動作パターンとして、被計量物名が製品名(1)であり目標重量が200gである動作パターンと、被計量物名が製品名(2)であり目標重量が100gである動作パターンとに対応するように動作パラメータが入力される。すると、図5(b)に示すように、制御部31により記憶部312における各動作パターンに対応する記憶エリアが変更される。具体的には、被計量物名毎に、目標重量の順で、各動作パターンに対応する設定項目が記憶部312に再記憶される。記憶装置における順番を逐次更新しておけば、表示の際に並び替えをしなくてもよくなる。
表における表示の順番と、記憶装置における記憶エリアの順番(例えばメモリ番地のアドレス番号)は必ずしも対応している必要はない。メモリのアドレス空間に表と同じ順番で各項目が記憶されてもよい。設定値が記憶されているアドレスは変えず、表示の段階で、各項目の設定値に基づいて配列が調整されてもよい。新しい動作パターンを設定する度に記憶装置における順番を更新する必要がないため、動作が簡略化される。
図4では、表が全ての動作パターンを含むように記載されているが、かならずしも全ての動作用パターンが一つの表に含まれる必要はない。一部の動作パターンのみが表に含まれてもよい。表に含まれる動作パターンは、ユーザにより入力部5を介して選択されてもよい。
設定項目のうちどの項目を表に含めるかは、予め定められていてもよい。調整が必要な動作パラメータの種類に基づいてどの設定項目を表に含めるかが適宜決定されてもよい。表示項目が、ユーザにより入力部5を介して選択されてもよい。
本実施形態の計量装置は、組合せ計量装置に限られず、他の計量装置(例えば重量選別装置等)であってもよい。被計量物の種類や目標重量、速度などに応じて複数の設定項目で特定される動作パターンを複数設定可能な計量装置であれば、どのような計量装置であってもよい。本発明は、複数の装置(例えば計量装置と包装機と金属検出器と重量選別装置)を組み合わせた計量システムにも適用可能であることは言うまでもない。
[変形例1]
本変形例では、新しい動作パターンの入力時において、ユーザにより被計量物名と目標重量(並び替え用動作パラメータ)とが入力されると、制御部31の制御に基づいて、被計量物名が共通する複数の動作パターンに対応する表示項目が一つの動作パターンにつき一つの行に含まれるようにかつその行が目標重量に基づき昇順で並ぶように形成された表が、表示部6または印字部4に出力される。
図6は、本発明の第1実施形態の変形例1にかかる組合せ計量装置において、操作設定表示器3に表示される設定項目の表の一例を示す図である。図では、新しい動作パターンとして被計量物名が製品名(1)であり、目標重量が250gである旨の入力がされた状態を示す。該2つの項目が入力されると、制御部31の制御により自動的に操作設定表示器3に表示されている表が更新される。
本変形例では、新しい動作パターンにつき並び替え用動作パラメータ以外の動作パラメータが入力されている場合には、ユーザは昇順または降順における前後の動作パターンの値を参考にして、入力されている動作パラメータの値が適当であるか否かを容易に判定できる。新しい動作パターンにつき、並び替え用動作パラメータ以外の動作パラメータが入力されていない場合には、ユーザは昇順または降順における前後の動作パターンの値を参考にして、入力すべき動作パラメータの値を容易に決定できる。
新しい動作パターンの入力時において、未だ入力がされていない動作パラメータが他の動作パターンの動作パラメータと共に表として表示され、同時に該動作パラメータの入力が受付けられてもよい。ユーザが表を確認しながらその表に直接に動作パラメータを入力できる構成であってもよい。ユーザが表を確認しながら特定の動作パラメータを選択すると新たなウインドウが開いて該動作パラメータを入力できる構成であってもよい。いずれの構成でも、ユーザは昇順または降順における前後の動作パターンの動作パラメータを参考にして該動作パラメータを容易に入力できる。
[変形例2]
変形例2において、記憶部312が記憶するパラメータには、設定項目の他、分析項目が含まれる。分析項目とは、運転結果を分析するためのパラメータであって、計量装置を運転した結果として得られるものである。分析項目は、例えば動作不良等の目安となる。本実施形態における分析項目の例としては、運転効率と、モータ脱調エラーと、零補正エラーとが挙げられる。
「運転効率」とは、設定上の速度(例えば1分間あたりの排出回数)に対する、実際の運転時における速度の割合を指す。例えば、1分あたり100回排出が行われるように設定していた場合に、実際の運転時には1分あたり90回しか排出されない場合には、運転効率は90%となる。制御部31は、所定のタイミングで「運転効率」を演算し、記憶部312に記憶する。「運転効率」は、必要に応じて表示部6に表示され、あるいは印字部4により印刷される。運転効率が100%に満たない原因として、設定した計量速度そのものに誤りがある可能性がある。他の原因としては、メインフィーダやリニアフィーダにおける供給速度が不十分である可能性がある。さらに他の原因としては、モータ脱調エラー(後述)や零補正エラー(後述)が多く発生して正常な運転が十分にできない可能性もある。組合せ計量装置100では、実際の運転で得られた運転効率と、他のパラメータ(設定項目および分析項目)とを比較することにより、運転効率が低くなっている原因を探索することが可能となる。運転効率が向上するように、速度等の設定項目を調整することもできる。
「モータ脱調エラー」とは以下のようなエラーをいう。組合せ計量装置100では、ホッパゲートの開閉にステッピングモータを用いる。ステッピングモータは、原則としてオープンループ制御により動作するため、制御上のモータ位置(角度)と実際のモータ位置(角度)とにずれが生じる場合がある。このような状態を「モータ脱調エラー」と呼ぶ。モータ脱調エラーが発生すると、例えば、閉まっているべき時にホッパゲートが開いていることになり、被計量物が意図しないのに落下するなどの深刻な問題が生じる。組合せ計量装置100では、かかる事態を防ぐために、所定のタイミングで実際のモータ位置が原点に戻っているかを確認する。モータ位置が原点に戻っていない場合には「モータ脱調エラー」が生じたことが記憶部312に記録され、その旨が表示部6に表示される。同時に、モータがさらに駆動され、モータ位置を原点へと復帰させる(脱調の検出と原点への復帰は周知の方法で行うことが可能であるため、詳細は省略する)。所定のタイミングで、「モータ脱調エラー」の発生回数や頻度が制御部31により演算され、必要に応じて表示部6に表示され、あるいは印字部4により印刷される。モータ脱調エラーは、一般にステッピングモータのトルク不足により生じる。「モータ脱調エラー」は、被計量物の種類や設定項目と密接な関連がある。具体的には、例えばホッパ1個あたりに投入される被計量物の重量が大きくなると、過負荷により脱調が生じる場合がある。被計量物の粘着性が高くホッパゲートを開くときに大きな抵抗が生じる場合にも、脱調が発生しうる。組合せ計量装置100では、モータ脱調エラーが起こりにくくなるように、ホッパゲートの開閉時間や動作パターン等の設定項目を調整できる。
「零補正エラー」とは以下のようなエラーをいう。組合せ計量装置100では、所定時間毎(例えば、1分〜10分)に、各計量ホッパの風袋重量(被計量物を排出した状態における計量ホッパの重量)が検出され、これが零点として記憶される。計量動作時には、被計量物が投入された重量が検出され、風袋重量を差し引いた重量が計量ホッパに投入された被計量物の重量とされ、これを計量値として組合せ演算が行われる。零点は気温などによっても変動するが、計量ホッパへの被計量物の付着も零点に大きな影響を与える。特に、飴や揚げ物といった粘着性の高い被計量物を計量する場合、被計量物の破片等が計量ホッパに付着しやすく、零点が変動し易い。計量ホッパに計量物が付着すると、その回における排出では、計量ホッパからの排出量が計算上の排出量に満たなくなる。計量ホッパに付着していた被計量物が後の排出時に剥がれ落ちれば、計量ホッパからの排出量が計算上の排出量を上回ることにもなる。被計量物の粘着性は、組合せ計量装置の上流での被計量物の処理状態(製造ラインの状態など)や、周囲の湿度や気温などによって刻々と変化することがある。好適な計量精度を維持するために、計量中は必要に応じて計量ホッパへの被計量物の付着しやすさをチェックすることが望ましい。組合せ計量装置100では、所定時間毎に記憶された零点の値を、初期状態(あるいは付着物がない状態)の風袋重量と比較し、その差の絶対値が所定値を超えた場合(例えば±2%の範囲を外れた場合)を「零補正エラー」とする。「零補正エラー」が発生すると、その旨が記憶部312に記憶される。同時にその旨が表示部6に表示される。所定のタイミングで、「零補正エラー」の発生回数や頻度が制御部31により演算され、記憶部312に記憶され、必要に応じて表示部6に表示され、あるいは印字部4により印刷される。ユーザは、零補正エラーが出力されれば、被計量物が付着し易くなって可能性があることが分かる。零補正エラーが生じた場合の一般的な対策としては、計量ホッパに被計量物が付着していないか、上流の製造ラインの状態に問題がないかなどを確認することが挙げられる。組合せ計量装置100ではさらに、被計量物がホッパゲートに付着しにくくなるように、ホッパゲートの開閉時間や速度等の設定項目を調整できる。
本変形例では、各動作パターンにより実際に組合せ計量装置100を運転した結果に基づいて制御部31により分析項目が演算される。分析項目は動作パターン番号と関連付けられて記憶部312に記録される。動作パターン番号と一組の設定項目(被計量物名および動作パラメータ)と一組の分析項目とが、一つの動作パターンに対応する。
図7は、本発明の第1実施形態の変形例2にかかる組合せ計量装置において、操作設定表示器3に表示される設定項目の表の一例を示す図である。図に示すように、本変形例では図4の例と異なり、1番目から3番目までの行には、製品名(1)(たとえばポテトチップ)の被計量物を計量する場合の動作パターンに対応する設定項目(被計量物名および目標重量)に加え、分析項目(運転効率、零補正エラー、モータ脱調エラー)が表示されている。零補正エラーおよびモータ脱調エラーは、各動作パターンで動作した全計量サイクルにおける累積のエラー回数(回)とエラー発生率(%)とが並べて表示される。各動作パターンは目標重量に基づいて昇順に並ぶように配列されている。
上述のように、運転効率は実際に組合せ計量装置100を運転した際の速度と設定した速度との違いを示す。運転効率は、原則として被計量物名や設定項目が違っても、ほぼ一定であることが期待される。極端に運転効率が低い動作パターンがある場合、ユーザは、該動作パターンについて動作パラメータの設定値に誤りがある可能性が高いと推定できる。図7の例では、2番目の行において運転効率が50%と極端に低くなっているため、2番目の動作パターンについて、動作パラメータの設定値に誤りがある可能性が高いと判断できる。かかる構成によれば、ユーザは分析項目に基づいて動作パラメータの設定値に誤りのある可能性が高い動作パターンを容易に特定できる。
特に、動作パラメータを見ただけでは、設定値に実用上問題となるような誤りがあるか否かを判断しにくい場合もある。本変形例では、分析項目と設定項目とが並べて表示されるため、どの動作パターンに実際に問題が生じているかを容易に判別して動作パラメータの調整を行うことが可能となる。
さらに、誤りのある可能性の高い動作パラメータが呼び出し可能であってもよい。例えば、リニアフィーダ強度は、製品名が同じであれば、目標重量が増えるにつれて増加する。運転効率とリニアフィーダ強度とが比較可能であれば、リニアフィーダ強度の設定の誤りが原因となって運転効率が低下しているか否かを容易に判定できる。
図8は、本発明の第1実施形態の変形例2にかかる組合せ計量装置において、図7に示した表に基づいて制御部31により作成され操作設定表示器3に表示される表の一例である。本変形例では、図7の表が表示された状態でユーザが特定の設定項目と分析項目とを選択することにより、選択された項目を含むように新たな表が作成され表示される。図8に示すように、製品名(1)に対応する動作パターンにおいて、運転効率が50%の動作パターンに対しリニアフィーダ強度は30であり、同じ製品名のパラメータセットの中で極端に低くなっていることが分かる。かかる構成により、設定の誤りがある設定項目を容易に特定できる。
図7では複数の分析項目が同時に表示されたが、表に含まれる分析項目は1個でもよい。例えば図8に示すような表が最初から表示されてもよい。ただし、設定に誤りがある設定項目をより容易に特定できるようにするためには、複数の分析項目を含む表が出力されることが好ましい。
[変形例3]
本変形例では、新しい動作パターンの設定時に、被計量物名および自動設定用動作パラメータが入力されると、自動設定用動作パラメータ以外の動作パラメータについて自動的に設定が行われる。より具体的には、新たに入力された被計量物名および自動設定用動作パラメータに加え、既に設定されている設定項目に基づいて、未だ入力されていない動作パラメータが自動的に設定される。
自動設定用動作パラメータは、他の動作パラメータを自動的に設定する基準となる動作パラメータであって、例えば目標重量や速度などとすることができる。自動設定用動作パラメータは並び替え用動作パラメータと同じでもよいし、異なっていてもよい。自動設定用動作パラメータは、複数の動作パラメータの中からユーザにより入力部5を介して選択されてもよい。
図9は、本発明の第1実施形態の変形例3にかかる組合せ計量装置において、操作設定表示器3に表示される設定項目の表の一例を示す図である。表中、括弧は、自動的に設定された設定項目であることを示す。図9において、自動設定用動作パラメータは目標重量であり、並び替え用動作パラメータと同じである。
図では、製品名(1)につき既に2つの動作パターン(目標重量が100gおよび200g)が設定されており、新たに動作パターンの設定が行われた場合を示す。新たな動作パターンについて、被計量物名として製品名(1)が入力(または選択)され、目標重量として300gが入力されると、以下の式に基づいて、他の動作パラメータ(図ではリニアフィーダ強度および自動零補正間隔)が設定される。式中、Wは目標重量、Aはリニアフィーダ強度、Tは自動零補正間隔を示し、各変数の括弧内の数字は動作パターン番号を示す。
式1および式2に示すように、被計量物が同じであれば、目標重量に基づいて、他の動作パラメータを推定できる。上記の式では線形補完の方法で他の動作パラメータが自動設定される。自動設定の方法は線形補完に限られるものではなく、さまざまな周知の方法を用いて可能である。典型的には、一般的な欠損値の補完方法が好適に用いられる。未入力の動作パラメータが自動設定されることで、動作パラメータの設定差行が簡略化される。
本変形例では、新しい動作パターンについて、自動設定された動作パラメータの全てまたは一部が含まれるように、並び替え用動作パラメータに基づいて昇順または降順で作成された表として表示される。かかる構成により、ユーザは、昇順または降順に並べられた他の設定値と比較することで、自動設定により得られた設定値が適切な値になっているか否かを容易に判定することができる。
自動設定された動作パラメータの表示と同時に、該動作パラメータの入力が受付けられてもよい。かかる構成により、ユーザは、設定値が不適切であると判断した動作パラメータを容易に修正できる。
自動的に設定された動作パラメータについては、図9のように何らかの方法(括弧やアンダーラインなど)により、その動作パラメータが自動的に設定されたものであることが示されることが好ましい。かかる構成により、ユーザは自動設定された動作パラメータを容易に判別することができる。
[変形例4]
図10は、本発明の第1実施形態の変形例4にかかる、計量装置の設定項目出力方法を示すフローチャートである。
図に示すように、本変形例の設定項目出力方法では、ステップS1において、制御部31が動作パターンのそれぞれに対応するように被計量物名と計量装置の動作を制御するための動作パラメータとを含む複数の設定項目を互いに関連づけて記憶部312に記憶する。設定項目の記憶が完了すると、ステップS2において、制御部31が記憶部312に記憶されている設定項目に基づいて、被計量物名が共通する複数の動作パターンに対応する設定項目の全部または一部が一つの動作パターンにつき一つの行または列に含まれるようにかつその行または列が所定の動作パラメータである並び替え用動作パラメータに基づき昇順または降順で並ぶように形成された表を表示部6または印字部4に出力する。出力される表および該表を用いてパラメータを確認し修正する方法は、例えば図4のような表を用いた上述の説明と同様とすることができるため、説明を省略する。
かかる構成により、複数の設定項目により特定される多数の動作パターンが設定および記憶され該動作パターンに従って動作するように構成されている計量装置および計量システムにおいて、設定項目の設定の誤りや漏れをより容易に防止あるいは修正することができる。
本変形例についても、変形例1乃至3に対応した変形が可能であることは言うまでもない。