JP4967485B2 - 接着剤組成物および透明積層体 - Google Patents

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Description

本発明は接着剤組成物に関する。当該接着剤組成物は、プリント配線板用接着剤に好適であり、特に、フレキシブルプリント基板や、カバーレイフィルム、TAB(テープオートメーテッドボンディング)方式と称する半導体集積回路実装用テープ(以下、「TABテープ」と略す)、タッチパネル用基板、ICカード、ICタグ用基板、電子ペーパー用基板、フレキシブルディスプレイ用基板等に用いられる金属層とプラスチックフィルムとの接着剤組成物に適する。
フレキシブルプリント配線板は、一般に耐熱性および電気絶縁性に優れたポリイミド、液晶ポリマー等を素材とする耐熱性有機絶縁フィルムに接着剤を介して銅箔やITO膜等の導体を接着して一体化させたものであるが、当該接着剤としては接着性が良好であることからエポキシ樹脂系接着剤が用いられている。しかし近年の、配線密度や実装密度の格段の増加に伴い、プリント配線板の耐熱性、耐湿性、接着性、作業性につき一層の向上が求められている。また、TABテープは基本的にはフレキシブルプリント配線板と同一のものであり、材料構成や要求される諸特性も基本的に共通するが、要求特性レベルに応じて両者が使い分けられているのが現状である。このような市場の要求に対し、特に作業性やコスト、耐湿性を求める用途においては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などポリエステルフィルムを使用したプリント基板が使用されるようになってきた。これらのフィルムはポリイミド・液品ポリマーと比べて安価で、透明性が優れているためプリント基板作製時の加工がし易く、またポリイミドと比較して耐湿性に優れている。
ところで、エポキシ樹脂と硬化剤からなる接着剤を用いてこれらの接着をすると、熱サイクルによって接着剤硬化物に大きな歪みが発生し、接合部が破壊されることがあった。このような内部歪みを吸収し、内部応力の発生を防止すべく、接着剤硬化物にたわみ性を持たせる試みがなされている。例えば、接着剤組成物中に合成ゴムなどを添加する方法が開示されている(特許文献1参照)が、エポキシ樹脂に合成ゴムを添加した接着剤組成物は剥離強度に優れるものの、耐熱性において満足しうるものではなかった。
本出願人は、これらの問題を解決すべく、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂、エポキシ基含有合成ゴムおよびエポキシ樹脂用硬化剤からなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提案したが、当該組成物は、ポリイミドフィルムへの接着性は良好であるが、PENなどのポリエステルフィルムへの接着性が充分なものではなかった。(特許文献2参照)
そこで本出願人は、改良を重ねメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂、カルボキシル基および/または水酸基を有し、ガラス転移点が20℃以下のアクリルポリマー、エポキシ樹脂用硬化剤を含有することを特徴とする接着剤組成物を提案した。当該接着剤組成物は、ポリイミドフィルムだけではなく、PEN、液晶ポリマーに対し優れた接着性を示すと共に、プリント配線板用接着剤である従来のエポキシ樹脂系接着剤に比較して、一層優れた耐熱性等を示すものであったが、ディスプレイや光学用途等で用いるために、さらに透明性を改良したものが求められていた。(特許文献3参照)
特開平10−335768号公報 特開2003−246838号公報 特開2005−179408号公報
本発明は、プリント配線板用接着剤である従来のエポキシ樹脂系接着剤に比較して、一層優れた透明性と、耐熱性、接着性、耐湿性、絶縁性等を兼ね備えた接着剤層を与える接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキシ樹脂を特定のメトキシシラン化合物で変性してなるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂、特定のエラストマー、エポキシ樹脂用硬化剤を必須構成成分とする樹脂組成物を用いることにより、前記目的に合致した接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)およびメトキシシラン部分縮合物(a−2)を脱アルコール反応させて得られるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)、カルボキシル基を有し、ガラス転移点が20℃以下、酸価が2〜10(mgKOH/g)、数平均分子量が15万〜30万のアクリルポリマー(B)、エポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とする積層体用接着剤組成物;ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレートを当該積層体用接着剤組成物を用いて接着した積層体であって、当該積層体のヘイズ値が20%である透明積層体に係る。
本発明の接着剤組成物は、接着性、耐熱性、耐湿性、絶縁性等に優れるだけでなく、透明性にも優れるものであり、特に光学用途等にも十分に使用することができるものである。そのため、本発明による接着剤組成物は、フレキシブルプリント基板、TABテープ、タッチパネル用基板、ICカード、ICタグ用基板、電子ペーパー用基板、フレキシブルディスプレイ用基板、電磁波シールド用積層体等に用いられる金属層とプラスチックフィルムとの接着剤組成物として有用である。
本発明で用いるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)(以下、(a−1)成分という)とメトキシシラン部分縮合物(a−2)(以下、(a−2)成分という)から構成される。当該(a−1)成分は、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンまたはβ−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシドとの反応により得られるものである。ビスフェノール類としては、フェノールまたは2,6−ジハロフェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等のアルデヒド類もしくはケトン類との反応物の他、ジヒドロキシフェニルスルフィドの過酸による酸化、ハイドロキノン同士のエーテル化反応等により得られるものがあげられる。
また、(a−1)成分は、(a−2)成分と脱メタノール反応しうる水酸基を有するものである。当該水酸基は、(a−1)成分を構成するすべての分子に含有されている必要はなく、(a−1)成分として、水酸基を有していればよい。(a−1)成分のエポキシ当量は、(a−1)成分の構造により異なるため、用途に応じて適当なエポキシ当量のものを適宜に選択して使用できるが、350以上1000g/eq以下であるものが好適である。350g/eq未満では、得られる接着層の高温下での密着性が低下する傾向にあり、また1000g/eqを超えるとメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の保存安定性が低下する傾向がある。これら(a−1)成分の中でも、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が、最も汎用され低価格であり好ましい。
また、(A)成分を構成する(a−2)成分としては、一般的にゾル−ゲル法に用いられているメトキシシランを部分的に加水分解、縮合したオリゴマーを使用できる。たとえば、一般式:RSi(OCH4−p(式中、pは0または1の整数を示し、Rは炭素数6以下の低級アルキル基またはフェニル基を示す。)で表される化合物の部分縮合物等を例示できる。なお、pが2〜4である場合は、3次元架橋が起こらなくなるため、最終的に得られる接着剤硬化物に所望の耐熱性を付与し得ない。
前記(a−2)成分の具体例としては、テトラメトキシシランの部分縮合物;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のトリメトキシシラン類の部分縮合物やそれらの混合物があげられる。これらの中でも、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等の部分縮合物、およびそれらの混合物等が、ゾル−ゲル硬化速度が大きいため好ましい。
(a−2)成分は、上記物質の中から1種または2種以上を適宜選択すればよいが、1分子当たりのSiの平均個数は3〜12であることが好ましい。Siの平均個数が3未満であると、(a−1)成分との脱アルコール反応の際、副生アルコールと一緒に系外に流出する有毒なメトキシシラン類の量が増えるため好ましくない。また12を超えると、(a−1)成分との反応性が落ち、目的とする(A)成分を得るのに長時間を要する。
特に、(a−2)成分として、一般式:
Figure 0004967485
(式中、Meはメチル基を示し、nの平均繰り返し単位数は3〜8である。)で表されるメチルトリメトキシシラン部分縮合物を70重量%以上含むものを用いると、接着性、耐湿性、屈曲性などの点で好ましい。
本発明で用いる(A)成分は、前記(a−1)成分と、(a−2)成分との脱メタノール反応により得られる。(a−1)成分と(a−2)成分の使用割合は、得られる(A)成分中に、メトキシ基が残存するような割合であれば特に制限されないが、(a−2)成分のシリカ換算重量/(a−1)成分の重量(重量比)が0.25〜1.2の範囲であるのが耐熱性や密着性の点で好ましい。なお、一般的なエラストマー(B)(以下、(B)成分という)に対し、(a−1)成分とエポキシ樹脂硬化剤(C)(以下、(C)成分という)のみから得られる硬化膜の屈折率は高く、また、(a−2)成分のシリカ換算重量/(a−1)成分の重量(重量比)が大きくなると、(A)成分と(C)成分のみから得られる硬化膜の屈折率が減少し、(B)成分の屈折率に接近するため、前記重量比を0.50以上とすることが、使用できる(B)成分の選択肢が広がるため、特に好ましい。
かかる(A)成分の製造は、例えば、(a−1)成分と(a−2)成分を仕込み、加熱して副生するアルコールを留去または冷却管で還流させて系内に戻すことにより行なわれる。反応温度は50〜130℃程度、好ましくは70〜110℃であり、全反応時間は1〜15時間程度である。この反応は、(a−2)成分自体の重縮合反応を防止するため、実質的に無水条件下で行うことが好ましい。
また、上記の脱メタノール反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、エポキシ環を開環しないものを使用することができる。該触媒としては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、マンガンのような金属;これら金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、メトキシド等があげられる。これらの中でも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等が有効である。
また、上記反応は溶剤中でも、無溶剤でも行うこともできる。溶剤としては、(a−1)成分および(a−2)成分を溶解し、且つこれらに対し不活性である有機溶剤であれば特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒があげられる。これらの中でも、メチルエチルケトンなどの常圧での沸点が70〜110℃のものが以下の理由により特に好ましい。すなわち、当該接着剤組成物は、PENなどの基材フィルム上にBステージ層(接着シート)を形成させ、銅箔等の導体をラミネート、またはホットプレスした後、更に加熱してCステージ層(本接着剤硬化物)を形成させる製造過程を経るが、導体を接着させた後に加熱する際、多量の揮発分(溶剤など)が発生すると導体と接着剤硬化物との間に気泡が発生し、導体表面に凹凸ができるなどの問題が起こるためである。このことから、前記接着シートを作製する場合は、溶剤などの揮発分の残存量をできるだけ低減させ、Cステージ層の硬化残分中の揮発分残存率が5重量%以下になるよう調整することが好ましい。沸点が110℃を超える溶剤を使用した場合には、溶剤残存率を低下させるために接着シートの形成温度を過度に上昇させる必要があり、その結果、引き続くCステージ層と導体との層間密着性が不十分となる傾向があるため好ましくない。また使用溶剤の沸点が70℃未満である場合は、(a−1)成分と(a−2)成分との脱メタノール反応に長時間を要するため好ましくない。
こうして得られた(A)成分は、(a−1)成分中の水酸基がシラン変性されたエポキシ樹脂を主成分とするが、当該(A)成分中には未反応の(a−1)成分や未反応の(a−2)成分が含有されていてもよい。
(A)成分は、その分子中に(a−2)成分に由来するメトキシシリル部位とビスフェノール型エポキシ樹脂に由来するエポキシ基を有している。このメトキシシリル部位は、溶剤の蒸発や加熱処理により、または水分(湿気)との反応により、相互に結合した硬化物を形成する。かかる硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を有するものである。従って、(A)成分中に含まれるメトキシ基は、用いた(a−2)成分のメトキシル基の60モル%以上を保持しているものが好ましい。またエポキシ基は後述する(C)成分と反応するものである。
本発明に用いる(B)成分としては、カルボキシル基を有し、ガラス転移点が20℃以下、酸価が2〜10(mgKOH/g)、数平均分子量が15万〜30万であり、接着剤硬化物に柔軟性を付与し、且つ半田溶融温度(230〜260℃)で分解物を生じず、PENやPETなどの透明フィルムに対し密着力が強いものを選択する必要がある。
(B)成分のガラス転移温度は、−50〜20℃とすることにより、(A)成分など他成分と混合が容易となるため、溶剤(D)の使用量を減らせることができ、また、粘度調整が容易となることから好ましく、さらに−50〜0℃とすることが季節要因等気温の影響を受け難く特に好ましい。ガラス転移点が20℃を超えると、接着剤硬化物の柔軟性が悪化し、張り合わせ時のプレス温度が上昇するため好ましくない。
PENやPETなどの透明フィルムに対し密着力を得るためには、カルボキシル基、ヒドロキシル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基を有するものであって、一般的に、(1)アクリル酸エステル、α−置換アクリル酸エステルを主成分とし、これに架橋点として上記官能基の少なくとも1個を含有させてなる重合体、または(2)上記官能基を有するモノマーの少なくとも1個を上記主成分であるモノマーとグラフト重合させたポリマーがあげられる。具体的には、アクリル酸エステルまたはα−置換アクリル酸エステル(B−1)(以下、(B−1)成分という)の1種を主成分とした構成成分に、エポキシ基含有モノマー(B−2)(以下、(B−2)成分という)、カルボキシル基含有モノマー(B−3)(以下、(B−3)成分という)、水酸基含有モノマー(B−4)(以下、(B−4)成分という)からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基を有するモノマーを共重合させたものである。(B−1)成分としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート等のエポキシ基、カルボキシル基および水酸基を有さないモノマーがあげられる。(B−2)成分としては、(B−1)成分以外でカルボキシル基および水酸基を有しない、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等があげられる。(B−3)成分としては、(B−1)成分、(B−2)成分以外で水酸基を有しない、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等があげられる。(B−4)成分としては、(B−1)〜(B−3)以外のメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等の多価アルコールのジメタクリレート類、メトキシメチルアクリレート等のアルコキシアクリレート等があげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。さらに、必要に応じて他のビニルモノマー、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等を共重合させてもよい。
本発明に用いる(B)成分としては、酸価が2〜10(mgKOH/g)である必要がある。この範囲を超えると、(A)成分との相溶性が悪化し、均一な接着剤組成物が得られず、透明性が低下する傾向にある。また、10を超えると、接着剤組成物の吸水率、電気特性が低下する傾向にある。
また本発明に用いる(B)成分の数平均分子量は、15万〜30万である必要がある。この範囲を超えると、(A)成分との相溶性が悪化し、均一な接着剤組成物が得られず、接着剤組成物から得られる硬化膜の透明性が悪化する傾向にある。
本発明においては特に透明性に優れた接着剤層を得る目的で(A)成分と(C)成分から得られる硬化膜と(B)成分の屈折率差を少なくすることが重要であり、従って屈折率が1.45〜1.54のエラストマーを選択する必要がある。屈折率が1.45以下、1.54以上になると、(A)成分と(C)成分から得られる硬化膜との屈折率との差が大きくなることから、接着剤層にヘイズが生じやすく、透明性が失われる傾向が強い。なお、上記(B)成分としては、市販の物をそのまま使用することもできる。市販のアクリルポリマーとしては、例えば、テイサンレジンSG−70L(商品名 ナガセケムテックス(株)社製)等を主成分とする方法があげられる。
本発明の接着剤組成物に用いる(B)成分はその他の成分に混合する前に溶剤に溶解させておくのが好ましい。(B)成分の溶解に使用できる溶剤としては(A)成分の製造時に使用したものと同じものが挙げられる。混合のし易さを考慮すれば、固形分として、10〜30重量%程度にし、粘度を100〜10000mPa・s程度としておくことが好ましい。
本発明に用いる(C)成分としては特に限定されず、公知のエポキシ樹脂用硬化剤であるフェノール樹脂系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポリカルボン酸系硬化剤等を使用することができる。具体的には、フェノール樹脂系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ポリp−ビニルフェノール等があげられ、ポリアミン系硬化剤としてはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジシアンジアミド、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、ケチミン化合物、イソホロンジアミン、m−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等があげられ、ポリカルボン酸系硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、があげられる。これらの中では、芳香族アミンおよびノボラックフェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることにより、接着剤組成物のポットライフ、低温硬化の両立ができるため好ましい。なお、本発明の接着剤組成物に用いる(C)成分が室温で固形の場合には、その他の成分に混合する前に溶剤に溶解させておくことが好ましい。(C)成分の溶解に使用できる溶剤としては(A)成分の製造時に使用したものと同じものが挙げられる。また、本発明の接着剤組成物は、コーターの種類など塗布条件によって、溶剤で希釈にし、粘度を調整することが好ましい。希釈溶剤としては(A)成分の製造時に使用したものと同じものが挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、上記の各種必須構成成分、すなわち、(A)成分、(B)成分、(C)成分を配合して調製される。(A)成分に対する(B)成分の配合割合は透明性、接着剤硬化物とポリエステルフィルムなどの透明フィルムとの層間密着性の点から、(A)成分の硬化残分に対して90〜200重量%である必要がある。当該配合割合が90重量%未満であれば、導体に対する硬化層の密着性が不十分となる上に、透明な接着剤硬化物が得られない。また200重量%を超えると耐熱性が低下する傾向がある。なお、(A)成分の硬化残分は次のようにして求められる。すなわち、(A)成分と1当量のトリエチレンテトラミンを混合し、当該混合液をアルミカップ(50mm径)に約1gを秤り取り(計量(i))、これを100℃で1時間、続いて200℃で2時間乾燥、硬化させて再計量(計量(ii))し、下式から算出する。
硬化残分(%)=(計量(ii)−トリエチレンテトラミン重量)×100/計量(i)
また(C)成分の配合割合は、接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対して(C)成分中の活性水素を有する官能基が0.1〜1.2当量程度の範囲であることが好ましい。
また、前記接着剤組成物には、エポキシ硬化促進剤を含有させ、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させ、銅箔などの基材の貼り合わせ後に行う接着剤組成物の硬化の温度を下げ、硬化時間を短縮することができる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などをあげることができる。当該硬化促進剤は(A)成分の硬化残分に対して、0.05〜5重量%の割合で使用することが好ましい。
また、メトキシシリル部位のゾルーゲル硬化反応ではアルコールが発生するため、(A)成分中のエポキシ基と、(C)成分との間で、エポキシ基の開環・架橋反応による硬化が進行した後に当該アルコールが発生した場合、接着剤硬化物に発泡やクラックが生じる恐れがある。そこで、有機スズ触媒等のゾル−ゲル硬化促進剤を添加する必要があるが、当該促進剤はアクリルポリマーに含有されるカルボン酸、水酸基等の官能基と錯化し、結果として接着剤組成物のポットライフが短くなる恐れがある。従って、(C)成分には、ゾル−ゲル硬化促進剤としても作用する芳香族アミンを使用、もしくは併用することが好ましい。
本発明の接着剤組成物の組成は、その用途に応じて適宜に調整できるが、通常は、当該接着剤組成物から得られる接着剤硬化物中のシリカ換算重量が7〜41重量%になるよう配合するのが好ましい。なお、同換算重量が15〜25重量%の場合には、接着剤硬化物の耐熱性、基材との密着性が優れており、特に好ましい。ここでシリカ換算重量とは、接着剤組成物中に含まれる(A)成分の製造に用いた(a−2)成分をゾル−ゲル硬化反応せしめて得られるシリカの重量をいう。当該接着剤組成物から得られる接着剤硬化物中のシリカ換算重量の調整方法としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分の配合比を上記記載の比率の範囲内で調整する方法の他に、その他の固形成分を含有させる方法や(a−2)成分を添加する方法がある。このようなその他の固形成分としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)の他、従来公知のノボラック型エポキシ樹脂、水添エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。特に本接着剤組成物をカバーレイ用接着剤組成物として使用する場合には、回路の凹凸を埋める必要性から、(A)成分の硬化残分に対して20〜400重量%のエポキシ樹脂を用いる必要がある。20重量%未満では接着剤の流動性に欠け、回路が埋まらず、400重量%を越えると耐熱性が落ち、染み出し性が悪化する傾向にある。このようなエポキシ樹脂の種類としては、(A)成分の製造時に使用した(a−1)と同じものが挙げられるが、室温で固体であるものの方が、カバーレイフィルムとしてハンドリングが容易である。
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を配合してもよい。
このようにして得られた接着剤組成物は、フレキシブルプリント基板、カバーレイフィルムやTABテープ、タッチパネル用基板、ICカード、ICタグ用基板、電子ペーパー用基板、フレキシブルディスプレイ用基板、電磁波シールド用積層体等に用いられる金属層とプラスチックフィルムとの接着剤組成物として用いることができる。
本発明の接着剤組成物からフレキシブルプリント基板、カバーレイフィルム、TABテープ、タッチパネル用基板、ICカード、ICタグ用基板、電子ペーパー用基板、フレキシブルディスプレイ用基板、電磁波シールド用積層体を得るには、本発明の接着剤組成物を基材フィルム上に、硬化膜厚5〜50μm程度で塗布し、70〜150℃で30秒〜15分程度乾燥させた後、銅箔などの金属箔を50〜100℃程度で熱圧着し、後に40〜150℃程度で1〜3時間程度アフターキュアし、Cステージに完全に硬化させる方法が用いられる。Bステージでは、接着剤組成物の揮発分((A)成分中の製造用溶剤、(A)成分のメトキシシリル部位のゾル−ゲル硬化反応により副生するメタノール、接着剤組成物中の溶剤)の残存率を低減させることにより、引き続くCステージでの気泡発生を防ぐ必要がある。カバーレイフィルムにおいては基材フィルム上で接着剤組成物を乾燥硬化させてBステージを作った時点で製造は完成するが、後にプリント基板に0.5〜5MPa、80〜150℃、1〜3時間程度熱プレスして用いられる。
本接着剤組成物を塗布する基材フィルムとしては特に制限されず、用途に応じて公知のものを制限なく使用することができるが、タッチパネル用基板、ICカード、ICタグ用基板、電子ペーパー用基板、フレキシブルディスプレイ用基板のように積層体として特に光透過性を重視する場合には、無色の基材のフィルムを用いることが好ましく、PEN、PETなどのポリエステルフィルムが特に好ましい。フレキシブルプリント基板、カバーレイフィルム、TABテープのように積層体として特に耐熱性が必要な場合には、PEN、ポリイミドからなる群より選ばれるいずれか一種からなる基材を用いることが、耐熱性等の点から好ましい。
また、金属箔としては、当該積層体の用途に応じて各種公知のものを用いることができる。具体的には、金箔、ITO箔、銀箔、銅箔、ニクロム箔、アルミ箔などが挙げられるが、特にプリント配線板やTABテープ等に用いる場合には、銅箔、ニクロム箔、アルミ箔が好ましい。
本発明の接着剤組成物からできる硬化物は、耐熱性、密着性、耐湿性、絶縁性を有し、特に透明性が優れている。当該接着剤組成物から得られた15μm程度の接着層では、通常、ハンダ耐熱性として230℃〜260℃を有しており、また密着性としては、例えば基材フィルムとしてPEN・PET、金属層として電解銅箔を用いた場合、9N/cm以上の剥離強度を有する。また吸水率は、通常0.5%以下で、耐湿性が優れており、前記用途で通常評価される温度80℃、湿度85%環境下で12時間保管後のハンダ耐熱性試験においても特に問題は生じない。また、通常体積抵抗は1013Ω・cm以上を有し絶縁性にも優れている。最も重要な透明性においては、15μmの接着剤層の膜厚でヘイズ値が、通常5%以下、500μmの厚膜で10%以下であることが好ましい。この時、PENまたはPET上に接着材層を設け接着剤層上にPENまたはPETを積層した積層体を作製した時に、ヘイズ値の上昇は抑えられ、通常ヘイズ値が20%以下となる。
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、各例中、%は特記なし限り重量基準である。
製造例1(メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)の製造)
攪拌機、冷却管、温度計を備えた反応装置に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「JER1001」、エポキシ当量480g/eq)(a−1)800.0gおよびMEK960.0gを加え、80℃で溶解した。更にメチルトリメトキシシラン(CHSi(OCH)の部分縮合物でSiの平均個数が3.5である、ポリ(メチルトリメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MTMS−A」)(a−2)605.0gと触媒としてジブチル錫ラウレート2.3gを加え、80℃で5時間、脱メタノール反応させて、有効成分(硬化後)50%、シリカ換算重量/ビスフェノール型エポキシ樹脂(1)の重量(重量比)が0.51.エポキシ当量1400g/eqのメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)を得た。また、メチルトリメトキシシランの、部分縮合物成分のメトキシ基の87モル%が保持されていることが、H−NMRで確認された。
製造例2(メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−2)の製造)
攪拌機、冷却管、温度計を備えた反応装置に、JER1001(a−1)を400.0gおよびMEK334.8gを加え、80℃で溶解した。更にテトラメトキシシラン(Si(OCH)(a−2)の部分縮合物でSiの平均個数が4.0である、ポリ(テトラメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MS−51」)429.1gと触媒としてジブチル錫ジラウレート0.35gを加え、80℃で5時間、脱メタノール反応させて、有効成分(硬化後)50%、シリカ換算重量/ビスフェノール型エポキシ樹脂(1)の重量(重量比)が0.55、エポキシ当量1400g/eqのメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−2)を得た。また、メチルトリメトキシシランの、部分縮合物成分のメトキシ基の87モル%が保持されていることが、H−NMRで確認された。
実施例1(接着剤組成物の製造)
製造例1で得たメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)を20.0g、ナガセケムテックス(株)社製、商品名「テイサンレジンSG−70L」(固形分12.5%MEKワニス、ガラス転移点−17℃、酸価5mgKOH/g、数平均分子量20万)(成分B)を64.0g、芳香族アミン(三菱ガス化学(株)製、商品名「ガスカミン240」、活性水素当量103g/eq)(成分C)を1.10g、メチルエチルケトンを10.0g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は、固形分で(A)成分の硬化残分に対して80重量%であった。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対して(C)成分中の活性水素を有する官能基は1当量である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量は18重量%である。
実施例2(接着剤組成物の製造)
製造例1で得たメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)を11.5g、製造例2で得たメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−2)を1.0g、テイサンレジンSG−70L(成分B)を68.0g、ガスカミン240を0.1g(成分C)、更にJER1001を2.3g、メチルエチルケトンを10.0g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して100重量%である。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対して(C)成分中の活性水素を有する官能基は0.1当量である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量は12.8重量%である。
実施例3(接着剤組成物の製造)
テイサンレジンSG−70Lの使用量を80.0gに変えた以外は、実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して100重量%であり、接着剤硬化物中のシリカ換算重量が16.6重量%である。
実施例4(接着剤組成物の製造)
テイサンレジンSG−70Lの使用量を81.5gに変えた以外は、実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して120重量%であり、接着剤硬化物中のシリカ換算重量が11.7重量%である。
(比較例1)
JER1001を10.0g、ガスカミン240を1.10g、SG−70Lを64.0g、メチルエチルケトンを20.0g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%である。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対して(C)成分中の活性水素を有する官能基は0.75当量である。
(比較例2)
JER1001を10.19g、ガスカミン240を0.23g、SG−70Lを81.5g、メチルエチルケトンを20.0g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して100重量%である。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対して(C)成分中の活性水素を有する官能基は0.1当量である。
(比較例3)
アクリルポリマー(B)として、テイサンレジンSG−70Lをナガセケムテックス(株)社製、商品名「テイサンレジン WS−023」(ガラス転移点−5℃、酸価20mgKOH/g、数平均分子量11万)に変更し、テイサンレジンWS−023を8g用い、メチルエチルケトンを32g加えた以外は実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量は18.3重量%である。
(比較例4)
アクリルポリマー(B)としてテイサンレジンWS−023の使用量を6.8gに変更し、メチルエチルケトンを27.2g加えた以外は実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量は14.2重量%である。
(比較例5)
アクリルポリマー(B)として、テイサンレジンSG−70Lをナガセケムテックス(株)社製、商品名「テイサンレジンSG−P3」(固形分15%MEKワニス、ガラス転移点15℃、酸価0、数平均分子量25万)に変更し、テイサンレジンSG−P3を53.3g加えた以外は実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量は18.3重量%である。
(比較例6)
アクリルポリマー(B)としてテイサンレジンSG−P3の使用量を45.3gに変更した以外は実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量は14.2重量%である。
<張り合わせサンプルの製造:実施例1、3、比較例1、3および5の接着剤組成物を使用>
実施例1、3、比較例1、3および5で得た接着剤組成物を50μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製 商品名「テオネックスQ83」)にロールコーターで乾燥後の厚さが15μmになるように塗布乾燥し、その接着剤面と18μmの銅箔(古河サーキットフォイル(株)製 商品名「F2−WS」)の処理面とを重ね合わせて120℃のラミネートロールで圧着した後、オーブンで100℃,3時間、130℃,3時間、160℃、3時間処理し、接着剤を硬化させて張り合わせサンプル(PEN/接着層/銅箔)を得た。実施例1の接着剤組成物を用いて得られた張り合わせサンプルをH−1とし、実施例3、比較例1、3および5の接着剤組成物を用いて得られた接着シートサンプルをそれぞれH−3、G−1、G−3、G−5とした。得られたサンプルの評価の剥離強度、はんだ耐熱性、耐湿性、体積抵抗を測定した結果を表1に示す。
剥離強度:JIS C−6481に基づき、銅箔とフィルムとの剥離強度を測定した。
はんだ耐熱性:試験片を100℃、60分加熱乾燥した後、260℃のはんだ浴に30秒フロートさせてフクレの有無を調査した。
耐湿性(耐湿はんだ耐熱性):試験片を80℃、湿度85%の環境下に12時間置いた後、はんだ耐熱試験を実施した。
体積抵抗:JIS C−6481に基づき、測定を行った。
Figure 0004967485
以上の結果から、実施例1および3の接着剤組成物は剥離強度・はんだ耐熱性に優れていることが明らかである。
<接着シートサンプルの製造:実施例2、4、比較例2、4および6の接着剤組成物を使用>
実施例2、4、比較例2、4および6の接着剤組成物を50μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製 商品名「テオネックスQ83」)にロールコーターで乾燥後の厚さが25μmになるように塗布、乾燥し、接着シートサンプル(PEN/接着層)を得た。実施例2の接着剤組成物を用いて得られた接着シートサンプルをH−2とし、実施例4、比較例2、4および6の接着剤組成物を用いて得られた接着シートサンプルをそれぞれH−4、G−2、G−4、G−6とした。
前項で得たシートサンプルの各種物性を表2に示す。測定方法は下記の通りである。
透明性:ヘイズ値(曇価)、JIS K 7105に基づき測定した。接着シートサンプルは、接着層がBステージの状態で測定した。
接着剤層の透明性:上記の積層体のヘイズ値からPENフィルムのヘイズ値を引いた値。
剥離強度:接着シートサンプルの接着力測定用サンプルは、接着シートサンプルの接着層側を、銅箔の鏡面側に重ね合わせ、熱プレスで140℃、2.0MPa、2時間加熱加圧接着することで試験片(PEN/接着層/銅箔)を作成した。
はんだ耐熱性:前記剥離強度試験で用いた試験片を100℃、60分間加熱乾燥した後、260℃のはんだ浴に30秒間フロートさせてフクレの有無を調査した。
Figure 0004967485
以上の結果から、実施例2および4の接着剤組成物は透明性、剥離強度、はんだ耐熱性に優れており、カバーレイフィルムに用いられる接着剤組成物として有用である。
<積層フィルムサンプルの製造>
実施例1、3、比較例1、3および5で得られた、張りあわせサンプルの銅箔を塩化鉄水溶液で全面エッチングにより除去し、それぞれ実施例2、4、比較例2、4および6で得られた接着シートサンプルの接着層側を重ね合わせ、熱プレスで140℃、2.0MPa、2時間加熱加圧接着し、積層フィルムサンプル(PEN/接着シートサンプル接着層/張りあわせサンプル接着層/PEN)を作成した。得られた各フィルムサンプルの透明性を前述のJIS K 7105に基づき測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004967485
以上の結果から、実施例1および3の接着剤組成物から得られた銅張積層板と実施例2および4から得られたカバーレイフィルムの組み合わせによって、透明性に優れたフレキシブルプリント基板を作製することが可能である。
<硬化膜サンプル:実施例1、3、比較例1、3および5の接着剤組成物を使用>
実施例1、3、比較例1、3および5で得た接着剤組成物をアルミカップ上に流延し、50℃で12時間、150℃で3時間硬化させて、500μm厚の硬化膜を得た。
硬化膜の透明性:ヘイズ値(曇価)、JIS K 7105に基づき測定した。
吸水率:硬化膜を50℃で24時間、絶対乾燥状態に置いた後、水に24時間浸漬させ、含水量を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0004967485
以上の結果から、実施例1および3の接着剤組成物は透明性、絶縁性、耐湿性に優れていることが明らかである。

Claims (6)

  1. ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)およびメトキシシラン部分縮合物(a−2)を脱アルコール反応させて得られるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)、カルボキシル基を有し、ガラス転移点が20℃以下、酸価が2〜10(mgKOH/g)、数平均分子量が15万〜30万のアクリルポリマー(B)、エポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とする積層体用接着剤組成物。
  2. メトキシシラン部分縮合物(a−2)が、テトラメトキシシランおよび/またはメチルトリメトキシシランの部分縮合物である請求項1記載の積層体用接着剤組成物。
  3. アクリルポリマー(B)の配合量がシラン変性エポキシ樹脂(A)の硬化残分に対し、90〜200%である請求項1または2のいずれかに記載の積層体用接着剤組成物。
  4. エポキシ樹脂用硬化剤(C)が芳香族アミンおよびノボラックフェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体用接着剤組成物。
  5. 15μm硬化膜にした場合のヘイズ値が5%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の積層体用接着剤組成物。
  6. ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンテレフタレートを請求項1〜5のいずれかに記載の積層体用接着剤組成物を用いて接着した積層体であって、当該積層体のヘイズ値が20%以下である透明積層体。
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