JP2010238720A - フレキシブルプリント配線基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主成分とする基材フィルム層、導体層、接着剤層、およびカバーフィルム層を含むフレキシブルプリント配線基板において、透明性の高い基材フィルムと透明性の高い接着剤を用いて、導体層の開口率を特定の範囲とする。
【選択図】なし
Description
従来のフレキシブルプリント配線基板は、ポリマーフィルムとしてポリイミドフィルム(以下「PIフィルム」と略記することがある)が用いられ、PIフィルムと金属箔とを、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の熱硬化型の接着剤によって貼りあわせた金属張積層体から形成されていた(特許文献1参照)。
<フレキシブルプリント配線基板の構成>
本発明のFPCは、基材フィルム層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層を含む構成であれば、FPCとして採用され得る任意の積層構成とすることができる。例えば、基材フィルム層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層の4層のみから構成されるFPCであってもよい。また例えば、基材フィルム層、接着剤層、金属箔層、接着剤層、およびカバーフィルム層の5層から構成されるFPCであってもよい。
(基材フィルムの材料)
本発明のFPCに用いられる基材フィルムは、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主成分として含むフィルムである。ここで、「主成分」とは、基材フィルムを構成する材料全体における繰返し構造単位の全モル数を基準として、10モル%以下を意味する。
本発明で用いられる基材フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、テンター法、インフレーション法等の従来知られている製膜方法を用いて製造することができる。
本発明で用いられる基材フィルム層は、200℃における熱収縮率が−3〜3%であることが好ましい。より好ましくは−2〜2%以下、さらに好ましくは−1〜1%以下である。−3%未満あるいは3%を超える場合には、回路基板を形成する工程において、フィルムの熱収縮が大きいため良好な回路を形成することが困難となる。
本発明に用いられる導体層としては、回路基板に使用可能な任意の導電性材料が使用可能であり、例えば、金属箔が使用可能である。また、金属箔としては、従来公知の任意のものが使用可能である。材質としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、スチール箔、およびニッケル箔等を挙げることができ、これらを複合した複合金属箔や亜鉛やクロム化合物等の他の金属で処理した金属箔についても用いることができる。本発明においては、エッチング特性に優れることから高精度の回路が形成でき、また、配線間の不具合を生じないことから絶縁信頼性が高く、さらには、製造工程等の環境下において断線などを生じない高い接続信頼性があることから、銅箔を用いることが好ましい。
本発明のFPCにおいては、接着剤層が必須の層となる。接着剤層の配置としては、例えば、基材フィルム側、すなわち、基材フィルムと導体層との間、あるいは、カバーフィルム側、すなわち、カバーフィルムの一部等が挙げられる。接着剤層を構成する接着剤としては、FPC用の接着剤として従来公知の接着剤が使用可能であるが、本発明においては、透明性の高い接着剤を用いることが望ましい。このような接着剤としては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステルポリウレタン系接着剤等を挙げることができる。これらのなかでは、エポキシ樹脂とアクリル樹脂とを含む接着剤を用いることが好ましい。エポキシ樹脂とアクリル樹脂とを併用することにより、熱サイクルによって歪みが発生する可能性のあるエポキシ樹脂の内部歪をアクリル樹脂が吸収し、得られる接着剤硬化物にたわみ性を付与できるとともに、透明性を良好なものとすることができる。
なお、基材フィルム側の接着剤とカバーフィルム側の接着剤は、それぞれが違っていてもよいが、同一の接着剤を使用することが好ましい。
本発明の接着剤層の材料となるエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、あるいはビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂およびビスフェノールA型エポキシ樹脂は、単独で使用しても、また、併用してもよい。
ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは100以上であり、より好ましくは150以上である。また、好ましくは1000以下であり、より好ましくは700以下である。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは200以上であり、より好ましくは400以上である。また、好ましくは1000以下であり、より好ましくは800以下である。
エポキシ樹脂には、その硬化反応を触媒する硬化剤を用いることができ、硬化剤としては公知のエポキシ樹脂用硬化剤を用いることができる。例えば、フェノール樹脂系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポリカルボン酸系硬化剤等を挙げることができる。
本発明の接着剤層の材料となるアクリル樹脂としては、公知の物を制限なく使用することができる。本発明において好ましくは、ガラス転移温度が20℃以下であり、接着剤硬化物に柔軟性を付与し、かつ、耐熱性を損なわないものである。ガラス転移温度が20℃を超える場合には、接着剤硬化物の柔軟性が悪化するため好ましくない。さらに、ガラス転移温度が−50〜20℃の範囲のアクリル樹脂を用いれば、エポキシ樹脂等の他の成分との混合が容易となり、また、溶剤を低減し、粘度の調整が容易となる。特に、ガラス転移温度が−50〜0℃のアクリル樹脂を用いれば、季節要因等の気温の影響を受け難い効果を発揮することができる。
[開口率]
エッチングによるパターン形成後の導体層の開口率は、60%以上95%以下であることが好ましく、より好ましくは65%以上90%以下、さらにより好ましくは70%以上85%以下である。開口率が上記範囲内であれば、得られるフレキシブルプリント配線基板の透明性、透光性を所望のレベルに到達させることができる。なお、本発明における「開口率」とは、以下の式(1)で表される率を意味する。
開口率=(開口幅2÷(開口幅+導体層幅)2)×100 (1)
開口部の形状は、特に限定されるものではないが、正三角形、正四角形、正六角形、円形、長方形、菱形等に形がそろっており、かつ、面内に均一に並んでいることが好ましい。
また、開口部を形成しない部分の導体層の幅は、5〜50μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。
本発明のFPCは、ヘーズが0.5〜20%であり、好ましくは0.5〜15%、より好ましくは0.5〜5%である。本発明においては、透明性の高い基材フィルムと透明性の高い接着剤を用いて、導体層の開口率を特定の範囲とすることにより、FPCのヘーズを上記範囲内に調整することができる。ヘーズの値が大きいと透明性が悪くなり、例えば発光ダイオード等でFPCの基板下部より照明し、基板上部に該照明を視認させるといった使用が困難となる。また、小さい場合には、実質的に導体層の配線が細くなり、電気的性能が不足する。
また、本発明のFPCは、全光線透過率が70%以上であり、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。本発明においては、透明性の高い基材フィルムと透明性の高い接着剤を用いて、導体層の開口率を特定の範囲とすることにより、FPCの全光線透過率を上記範囲内に調整することができる。全光線透過率の値が小さいと透明性が悪くなり、例えば発光ダイオード等でFPCの基板下部より照明し、基板上部に該照明を視認させるといった使用が困難となる。
本発明のFPCは、上述した各層の材料を用いる以外は、従来公知の任意のプロセスを用いて製造することができる。好ましい実施態様としては、先ず、基材フィルム層に接着剤層を積層し、その上に金属箔層を積層して所望の回路パターンを形成した半製品(以下、「基材フィルム側3層半製品」という)を製造する。次に、カバーフィルム層に接着剤層を積層した半製品(以下、「カバーフィルム側半製品」という)を製造する。そして、得られた基材フィルム側半製品とカバーフィルム側半製品とを貼り合わせることにより、5層のFPCを得る方法を挙げることができる。以下に、好ましい実施態様を詳細に説明する。
基材フィルム側半製品は、例えば、
(A)ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主成分とする基材フィルムに、接着剤層となるエポキシ樹脂とアクリル樹脂との混合溶液を塗布し、乾燥し、さらに、接着剤層上に導体層となる金属箔を貼り合わせる工程、
(B)(A)で得られた基材フィルム層、接着剤層、導体層からなる積層物を熱処理する工程(以下、「熱処理工程」という)を含む製造法により得ることができる。
熱処理工程時の温度や時間等の条件は、用いる接着剤樹脂の組成によって、適宜設定することができる。
得られた基材フィルム側半製品の導体層(金属箔層)への回路の形成は、従来公知の方法を用いることができる。アクティブ法を用いてもよく、サブトラクティブ法を用いてもよい。本発明において好ましくは、サブトラクティブ法である。
回路配線のパターンとしては、任意のパターンが可能である。具体的には、本発明のFPCにおいては、細かい配線パターン部分の回路の配線の太さを100μm以下とすることが可能であり、さらには50μm以下とすることが可能であり、特には30μm以下とすることもできる。配線の太さは、配線の電気的性能等の観点からは、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上である。
得られた回路が形成された基材フィルム側半製品は、そのままカバーフィルム側半製品との貼り合わせに使用されてもよく、また、離型フィルム等を貼り合わせて保管した後に、カバーフィルム側半製品との貼り合わせに使用してもよい。
カバーフィルム側半製品は、例えば、カバーフィルムに接着剤を塗布して製造することができる。また、必要に応じて、塗布された接着剤の架橋反応を行うことができる。好ましい実施態様においては、接着剤層を半硬化させておく。
得られたカバーフィルム側半製品は、そのまま基材側半製品との貼り合わせに使用されてもよく、また、離型フィルム等を貼り合わせて保管した後に、基材フィルム側半製品との貼り合わせに使用してもよい。
基材フィルム側半製品とカバーフィルム側半製品は、通常、例えばロール等の形態でそれぞれ保管された後、貼り合わされて、FPCが製造される。貼り合わせる方法としては特に限定されず、任意の方法を採用することができる。例えば、プレスまたはロール等を用いて貼り合わせることができ、加熱プレス、または加熱ロ−ル装置等を使用する方法により、加熱を行いながら両者を貼り合わせることもできる。
本発明のFPCは、従来FPCが使用されてきた各種製品に使用可能である。本発明のFPCは、特に、透明性が高いことから、発光ダイオード等で照明し、基板上部に該照明を視認させるといった製品に好適に使用可能である。本発明のFPCが使用される具体的な最終製品としては、例えば、タッチセンサーの透明導電膜等が挙げられる。
実施例および比較例においては、以下の項目について、以下の方法によって測定・評価を実施した。
日本電色工業(株)製の濁度測定器(商品名:NDH2000)を用いて、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」の測定法Aに準じて、全光線透過率Tt(%)および拡散光透過率Td(%)を求めた。得られた全光線透過率Tt(%)および拡散光透過率Td(%)を用いて、ヘーズ((Td/Tt)×100)(%)を算出した。
JIS K7209 A法に準じた方法により、試料フィルムを100mm角に切り出し、100℃で24時間乾燥させた後、秤量した。引き続き、23℃の水中に24時間浸漬し、再び秤量した。給水率は、以下の式で求めた。
吸水率(%)={(浸漬により増加した質量)/(浸漬前の試料質量)}*100
フィルムサンプルに30cm間隔で標点をつけ、荷重をかけずに200℃のオーブン中で10分の熱処理を実施し、熱処理後の標点間隔を測定した。フィルム連続製膜方向(MD方向)と、製膜方向に垂直な方向(TD方向)のそれぞれについて、下記式にて熱収縮率R(%)を算出した。
R(%)={(L1−L2)/L1}×100
ここで、L1は熱処理前の標点間距離、L2は熱処理後の標点間距離である。
JIS C6471に記載された方法により測定し、以下の基準により評価を実施した。
○:フィルムに収縮が無く、フィルムと銅箔の剥れ、および膨れが無い
×:フィルムの収縮が大きく、フィルムと銅箔の剥れ、および膨れがある
[基材フィルム(A−1)の作製]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100質量部とエチレングリコール60質量部との混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.03質量部を添加し、150℃から240℃に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。
途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024質量部を添加し、さらに、平均粒径0.4μm、粒径比1.1の球状シリカ粒子を、得られるポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート組成物100質量%中0.1質量%となるよう添加した。エステル交換反応終了後、燐酸トリメチル(エチレングリコール中で135℃、5時間、0.11〜0.16MPaの加圧下で加熱処理した溶液:燐酸トリメチル換算量で0.023質量部)を添加した。
このポリマーを170℃で6時間乾燥させた後、押出機に供給した。押出機中で溶融温度305℃で溶融し、開度1mmのスリット状ダイを通して、表面温度60℃の回転冷却ドラム上に押出すことにより、未延伸フィルムを得た。
混合機および冷却器を備え付けた反応器に、エチルアクリレート75質量部、ブチルアクリレート25質量部を入れ、80〜85℃に加熱した。引き続き、重合触媒としてt−ブチルパーオキシベンゾエート0.05質量部、さらに、メチルエチルケトン2質量部を添加し、4〜8時間保温し、重合率20〜30%まで反応させた重合体を得た。冷却後、メタノールを加えてポリマーを沈澱させ、上澄み液を取り除いた。続いて、ポリマー中に残ったメタノールを乾燥させ、その後、メチルエチルケトンを添加し、固形分15%のアクリル樹脂分散液を得た。
上記で得られた基材フィルム(A−1)に、硬化後の厚みが15μmになるように、上記で得られた接着剤組成物(B−1)をリップコーターにて塗布し、60℃で3分間乾燥させた。続いて、12μm厚みの電解銅箔(古河サーキットフォイル社製、商品名:F2−WS(12μm))上に、接着剤組成物(B−1)の面を、80℃、圧力0.5MPaで重ね合わせ、引き続き、140℃、1時間加熱することにより、銅張積層板(C−1)を作製した。
上記で得られた基材フィルム(A−1)に、硬化後の厚みが20μmになるように、上記で得られた接着剤組成物(B−1)をリップコーターにて塗布し、60℃で3分間乾燥させた。続いて、25μm厚みの離型フィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名:ピューレックスA31(25μm))の離形処理面に、接着剤組成物(B−1)の面を重ね合わせることにより、カバーフィルム(D−1)を作成した。
上記で得られた銅張積層板(C−1)の銅箔表面に、感光レジスト(AZエレクトリックマテリアル製、商品名:AZTPM−606)を積層し、マスクフィルム(配線幅:25μm、開口幅:400μm×400μmの網目パターン)を用いて、露光機(ウシオユーテック製、型式:EC30)により800mJで露光した後、0.8%水酸化カリウム(KOH)水溶液で現像することにより、パターンを転写した。次いで、40℃の42%塩化第二鉄液を用いて銅箔をエッチング除去し、続いて、回路形成に用いたレジストパターンを有機アルカリであるTMAH(Tetra−methyl−ammonium−hydroxyde)の2.38wt%水溶液を用いて除去することにより、電解銅箔による回路を形成した回路積層板(E−1)を作製した。
次いで、上記で得られたカバーフィルム(D−1)に対し、金型にて打ち抜き・穴あけ加工を実施し、電気的接続の為に必要な部分を形成した。続いて、上記で得られた回路積層板(E−1)の回路面に、カバーフィルム(D−1)の接着剤層面が接触するように重ねあわせ、プレスラミネート(80℃×30分、圧力:4MPa)し、さらにアフターキュアー(140℃×60分)させることにより、最終的にフレキシブルプリント配線基板を得た。
得られたフレキシブルプリント配線基板の特性を、表1に示す。本実施例のフレキシブルプリント配線基板は、透明性、耐熱性に優れていた。
基材フィルム、接着剤組成物、マスクパターンを、表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント配線基板を作成した。得られたフレキシブルプリント配線基板の特性を、表1に示す。
(A−2)
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100質量部とエチレングリコール60質量部との混合物に、エステル交換触媒として酢酸マンガン四水和物塩0.03質量部を添加し、150℃から240℃に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行なった。
続いて、反応温度が170℃に達した時点で、三酸化アンチモン0.024質量部を添加した。エステル交換反応の終了後、燐酸トリメチル(エチレングリコール中で135℃、5時間、0.11〜0.16MPaの加圧下で加熱処理した溶液:燐酸トリメチル換算量で0.023質量部)を添加し、反応生成物を得た。
このポリマーを170℃で6時間乾燥させた後、押出機に供給した。押出機中にて溶融温度305℃で溶融し、平均目開きが17μmのステンレス鋼細線フィルターで濾過し、開度2mmのスリット状ダイを通して、表面温度60℃の回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを得た。
東レ・デュポン製、商品名:カプトン;タイプHの厚み25μmのフィルムを、基材フィルム(A−3)として用いた。
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.66dl/g)を、160℃で3時間乾燥させた後、押出機に供給した。押出機中で溶融温度295℃で溶融し、開度1mmのスリット状ダイを通して、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出すことにより、未延伸フィルムを得た。
(B−2)
混合機および冷却器を備え付けた反応器に、エチルアクリレート75質量部、ブチルアクリレート25質量部を入れ、80〜85℃に加熱した。引き続き、重合触媒としてt−ブチルパーオキシベンゾエート0.05質量部、さらに、メチルエチルケトン2質量部を添加し、4〜8時間保温し、重合率20〜30%まで反応させた重合体を得た。冷却後、メタノールを加えてポリマーを沈澱させ、上澄み液を取り除いた。続いて、ポリマー中に残ったメタノールを乾燥させ、その後、メチルエチルケトンを添加し、固形分15%のアクリル樹脂分散液を得た。
[回路の形成]
実施例1で作成した銅張積層板(C−1)の銅箔表面に、感光レジスト(AZエレクトリックマテリアル製、商品名:AZTPM−606)を積層し、図1に示されるマスクフィルム(スリット幅40μmの入った網目パターン:金属層幅25μm、開口幅400μm×400μm)を用いて、露光機(ウシオユーテック製、型式:EC30)により800mJで露光した後、0.8%水酸化カリウム(KOH)水溶液で現像することにより、パターンを転写した。次いで、40℃の42%塩化第二鉄液を用いて銅箔をエッチング除去し、続いて、回路形成に用いたレジストパターンを有機アルカリであるTMAH(Tetra−methyl−ammonium−hydroxyde)の2.38wt%水溶液を用いて除去することにより、電解銅箔による回路を形成した回路積層板(E−2)を作成した。
次いで、実施例1で得られたカバーフィルム(D−1)に対し、金型にて打ち抜き・穴あけ加工を実施し、電気的接続の為に必要な部分を形成した。続いて、上記で得られた回路積層板(E−2)の回路面に、カバーフィルム(D−1)の接着剤層面が接触するように重ねあわせ、プレスラミネート(80℃×30分、圧力:4MPa)し、さらにアフターキュアー(140℃×60分)させることにより、フレキシブルプリント配線基板を得た。
次いで、得られたフレキシブルプリント配線基板を射出成形用金型内に挿入し、ポリカーボネート樹脂をキャビティ内に射出することにより、電極付き成形板の電極端子が露出するように、フレキシブルプリント配線基板と電極付き成形板とを一体化した。
続いて、カバーフィルム(D−1)の基材フィルム(A−1)面に、剥離シート付きの透明アクリル系両面粘着フィルムを貼り付けた。
さらに、電極端子部上に、カーボンペーストを印刷、乾燥することによりカーボン膜を形成し、静電容量型タッチパネルを得た。
剥離シートを剥がし、得られた静電容量型タッチパネルを、DVDプレイヤーの有機EL面発光パネルに貼り付けた。
貼り付けられた静電容量型タッチパネルは、入力者側から見ても、電極の存在はほとんど認識されず、ディスプレイ画面の視認を阻害することはなかった。また、電極に形成されたスリットは視認されず、スリットによりデザイン性を損うこともなかった。
次に、この静電容量型タッチパネルと外部のタッチ位置検知回路(ドライバー)とを接続し、画面に表示された指示に従って指で触れたところ、誤作動なく入力することができた。
2 スリット
3 電極端子部
Claims (7)
- 基材フィルム層、導体層、接着剤層、およびカバーフィルム層を含むフレキシブルプリント配線基板であって、
前記基材フィルム層は、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主成分として含む層であり、
前記導体層は、エッチングによりパターンが形成され、該導体層の開口率が60〜95%であり、
ヘーズが0.5〜20%、全光線透過率が70%以上であるフレキシブルプリント配線基板。 - 前記基材フィルム層が、二軸延伸フィルムであり、
該二軸延伸フィルムは、200℃における熱収縮率が−3〜3%、吸水率が1%以下、ヘーズが15%以下である請求項1記載のフレキシブルプリント配線基板。 - 前記接着剤層が、エポキシ樹脂とアクリル樹脂とを含む層である請求項1または2記載のフレキシブルプリント配線基板。
- 前記カバーフィルム層が、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主成分として含む層である請求項1から3いずれか記載のフレキシブルプリント配線基板。
- 前記導体層が、ライン幅30μm以下のパターンが形成されたものである請求項1から4いずれか記載のフレキシブルプリント配線基板。
- 前記フレキシブルプリント配線基板が、三次元加工されている請求項1から5いずれか記載のフレキシブルプリント配線基板。
- 前記フレキシブルプリント基板が、タッチセンサー部品である請求項1から6いずれか記載のフレキシブルプリント配線基板。
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