JP4962211B2 - 車両用スタビライザシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されるスタビライザシステム、詳しくは、自身が発生させるロール抑制力をアクチュエータの作動によって変更可能なスタビライザ装置を備えるスタビライザシステムに関する。
車両用スタビライザシステムは、スタビライザバーの捩り反力を利用して、車体のロールを抑制するシステムである。近年では、下記特許文献に記載されているように、アクチュエータを備え、そのアクチュエータによってロール抑制力を、例えば、アクティブに変更可能なシステムが検討され、既に実用化され始めている。
特開平7−89318号公報 特開平6−206418号公報 特開2005−349981号公報 特表2002−518245号公報
スタビライザバーの発生させるロール抑制力をアクチュエータの作動によって変更可能なスタビライザシステムにおいては、ロール抑制力を車体が受けるロールモーメントに応じた大きさに変化させて、車体のロールを抑制することが可能とされている。このようなシステムは、実用化が始まったばかりであり、制御手法の改善の余地を多分に残すものとなっている。したがって、種々の改善を施すことによって、スタビライザシステムの実用性を向上させることが可能である。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い車両用スタビライザシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用スタビライザシステムは、電磁モータを駆動源として有するアクチュエータの作動によって、スタビライザバーが発生させるロール抑制力を変更可能なスタビライザシステムであって、(a)車体が受けるロールモーメント
に基づいて目標ロール抑制力を決定し、スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御と、(b)車体が受けるロールモーメントに基づいてアクチュエータの目標動
作量を決定し、アクチュエータの実際の動作量の目標動作量に対する偏差に基づいて電磁モータの作動を制御する動作量対象制御とを、選択的に実行できるように構成される。詳しくは、第1の発明の車両用スタビライザシステムは、タビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程において、ロール抑制力対象制御を実行し、スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を減少させる過程において、動作量対象制御を実行するように構成され、第2の発明の車両用スタビライザシステムは、基本的にはロール抑制力対象制御を実行し、そのロール抑制力対象制御の実行中においてスタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が目標ロール抑制力を超えた場合に、スタビライザバーがロール抑制力を発生させることを要しない状態となるまでの間、ロール抑制力対象制御に代えて、動作量対象制御を実行するように構成される。
ロール抑制力対象制御では、スタビライザバーが実際に発生させるロール抑制力(以下、「実ロール抑制力」という場合がある)を直接の制御対象としていることから、実ロール抑制力をスタビライザバーが発生させるべきロール抑制力(以下、「必要ロール抑制力」という場合がある)に適切に変化させることが可能である。一方で、例えば、車両の旋回中に路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、その外部入力によってスタビライザバーが捩られて、制御対象である実ロール抑制力が変化する場合がある。つまり、ロール抑制力対象制御は、そのような外部入力の影響を受けやすい制御と考えられる。また、動作量対象制御では、そのような外乱的な外部入力があっても、その外部入力によって制御対象であるアクチュエータの実際の動作量(以下、「実動作量」という場合がある)が変化することは殆どなく、実動作量を目標動作量にすることが可能である。つまり、動作量対象制御は、そのような外部入力の影響を受けにくい制御と考えられる。ただし、動作量対象制御では、実ロール抑制力を直接の制御対象としているわけではないため、実動作量を目標動作量に変化させても、スタビライザバー等の個体差に起因して実ロール抑制力が必要ロール抑制力とならない虞がある。このように、ロール抑制力対象制御と動作量対象制御とは、それぞれ異なる特徴を有している。したがって、本発明の車両用スタビライザシステムによれば、それぞれの制御を選択的に実行することで、例えば、それぞれの制御の特徴を活かすことが可能となる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、下記(1)項は、請求可能発明の前提となる構成を示した態様に関する項であり、その項の態様にその項以降に掲げる項のいずれかに記載の技術的特徴を付加した態様が、請求可能発明の態様となる。ちなみに、(1)項と(4)項と(5)項とを合わせたものが請求項1に相当し、(6)項が請求項2に、(7)項が請求項3に、(1)項と(4)項と(8)項とを合わせたもの請求項4に、(9)項が請求項5に、(10)項と(11)項とを合わせたものが請求項6に、(12)項と(13)項とを合わせたものが請求項7に、それぞれ相当する。
(1)自身の捩り反力に依拠してロール抑制力を発生させるスタビライザバーと、
電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して自身の動作量を変えることによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を自身の動作量に応じた大きさに変えるアクチュエータと、
前記電磁モータの作動を制御することによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を制御する制御装置と
を備えた車両用スタビライザシステム。
本項に記載の態様は、請求可能発明の前提をなす態様であり、請求可能発明の車両用スタビライザシステムの基本的構成要素を列挙した態様である。本項の態様における「スタビライザバー」は、車体が受けるロールモーメントに対抗する力であるロール抑制力、より詳しく言えば、自身の捩れによって発生する捩り反力に依拠して車体のロールを抑制する力を発生させる主体となる構成要素であり、以下の説明において、スタビライザバーと上記アクチュエータとによって構成される装置を、「スタビライザ装置」と呼ぶこととする。
スタビライザ装置の構成は、特に限定されるものではない。例えば、後に説明するように、スタビライザバーを、中央部で2つに分離して1対のスタビライザバー部材によって構成し、それら1対のスタビライザバー部材の間にアクチュエータを配設して、上記電磁モータが発生させる力に依拠して、そのアクチュエータがそれら1対のスタビライザバー部材を相対回転させロール抑制力を変化させるような構成であってもよい。また、スタビライザバーの一方の端部と車輪保持部材との間にアクチュエータを配設して、そのアクチュエータがその一方の端部と車輪保持部材との間隔を変化させることでロール抑制力を変化させるような構成であってもよい。ちなみに、「電磁モータ」は、リニアモータであってもよく、回転モータであってもよい。
スタビライザ装置は、スタビライザバーが発生させるロール抑制力をアクチュエータの動作量に応じて変化させる構造のものとされており、ロール抑制力とアクチュエータの動作量とは相互に対応する。したがって、スタビライザ装置の制御は、スタビライザバーの発生させるロール抑制力を直接の制御対象とする制御であってもよく、また、アクチュエータの動作量を制御することでロール抑制力を制御、つまり、アクチュエータの動作量を制御対象とする制御であってもよい。なお、本明細書において、「アクチュエータの動作量」は、中立位置からの動作量を意味し、その中立位置は、例えば、車両が水平かつ平坦な路面に静止している状態、あるいは、その状態であると擬制することのできる状態におけるアクチュエータの動作位置として設定することが可能である。
(2)前記制御装置が、
車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を目標ロール抑制力として決定し、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御を実行するロール抑制力対象制御実行部を有する(1)項に記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の態様は、スタビライザ装置がロール抑制力を直接の制御対象とする制御の下で作動させられる態様であり、実際のロール抑制力(以下、「実ロール抑制力」という場合がある)をフィードバックして電磁モータの作動を制御する態様である。本項に記載の「ロール抑制力対象制御」では、実ロール抑制力を直接の制御対象としていることから、実ロール抑制力をスタビライザバーが発生させるべきロール抑制力(以下、「必要ロール抑制力」という場合がある)に適切に変化させることが可能である。一方で、ロール抑制力対象制御はフィードバック制御であることから、例えば、車両の旋回中に路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、その外部入力によってスタビライザバーが捩られて、制御対象である実ロール抑制力が変化する場合がある。つまり、ロール抑制力対象制御は、そのような外部入力の影響を受けやすい制御と考えられる。
本項に記載の「ロールモーメント指標量」とは、車体が受けるロールモーメントの大きさを直接的あるいは間接的に表すパラメータであり、どのようなロールモーメントを車体が受けるかを表し得る各種の物理量である。具体的には、ロールモーメント自体を始めとして、例えば、車両の操舵角,車両走行速度,車体に発生している横加速度,車両のヨーレートといった種々のものが、ロールモーメント指標量に該当する。
(3)前記制御装置が、
車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力に対応して前記アクチユエータがとるべき動作量を目標動作量として決定し、前記アクチュエータの実際の動作量の前記目標動作量に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御する動作量対象制御を実行する動作量対象制御実行部を有する(1)項または(2)項に記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の態様は、スタビライザ装置がアクチュエータの動作量を制御対象とする制御の下で作動させられる態様であり、実際のアクチュエータの動作量(以下、「実動作量」という場合がある)をフィードバックして電磁モータの作動を制御する態様である。本項に記載の「動作量対象制御」では、実ロール抑制力を直接の制御対象としているわけではないため、実動作量を目標動作量に変化させても、スタビライザバー等の個体差に起因して実ロール抑制力が必要ロール抑制力とならない虞がある。ただし、車両の旋回中に路面の凸凹等による外乱的な外部入力があっても、その外部入力によって制御対象であるアクチュエータの実動作量が変化することは殆どなく、実動作量を目標動作量にすることが可能である。つまり、動作量対象制御は、そのような外部入力の影響を受けにくい制御と考えられる。
(4)前記制御装置が、
(a)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を目標ロール抑制力として決定し、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御を実行するロール抑制力対象制御実行部と、(b)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力に対応して前記アクチユエータがとるべき動作量を目標動作量として決定し、前記アクチュエータの実際の動作量の前記目標動作量に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御する動作量対象制御を実行する動作量対象制御実行部とを有し、
前記動作量対象制御と前記ロール抑制力対象制御とを選択的に実行可能に構成された(1)項に記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の態様は、ロール抑制力対象制御と動作量対象制御とを選択的に実行可能とされた態様である。ロール抑制力対象制御と動作量対象制御とは、上述のように、それぞれ異なる特徴を有している。したがって、本項に記載の態様によれば、それぞれの制御を選択的に実行することで、例えば、それぞれの制御の特徴を活かすことが可能となる。例えば、基本的には、望む大きさのロール抑制力を発生させることが可能なロール抑制力対象制御を実行し、路面の凸凹等による外乱的な外部入力が生じたような場合には、動作量対象制御を実行することで、そのような外乱的な外部入力が生じても車体のロールを安定して抑制することが可能となる。
(5)前記制御装置が、
前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程において、前記ロール抑制力対象制御を実行し、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を減少させる過程において、前記動作量対象制御を実行するように構成された(4)項に記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の態様は、ロール抑制力対象制御と動作量対象制御とのそれぞれの実行時を限定した態様である。典型的な車両の旋回を考えれば、旋回初期においては車体が受けるロールモーメントが増加し、旋回中期においてはロールモーメントが安定し、旋回終期においてはロールモーメントが減少する。このため、必要ロール抑制力は、車体が受けるロールモーメントに応じて、旋回初期においては増加し、続く、旋回中期では一定となり、旋回終期においては減少する。また、動作量対象制御における実ロール抑制力と必要ロール抑制力とのズレは、実ロール抑制力が大きくなるほど多くなると考えられる。旋回初期においては、ロールモーメントに抗して実ロール抑制力を増加させなければならないため、例えば、旋回初期において動作量対象制御を実行しようとすると、実ロール抑制力と必要ロール抑制力とのズレが多くなる虞がある。一方、ロール抑制力対象制御においては、ロール抑制力自体を制御対象としていることから、実ロール抑制力を必要ロール抑制力にすることが可能である。したがって、本項に記載の態様では、必要ロール抑制力を増加させる過程においては、ロール抑制力対象制御が実行される。
また、旋回終期においては、ロールモーメントの減少に伴って、実ロール抑制力を減少させることから、旋回終期に動作量対象制御を実行しても、実ロール抑制力と必要ロール抑制力とのズレは少なくなると考えられる。また、旋回終期においては、ロールモーメントの減少に伴って、ロール抑制力、言い換えれば、スタビライザバーの捩り反力を減少させており、ロール抑制力を減少させる際にそのスタビライザバーの復元力が利用される。このため、スタビライザバーの復元力を利用して実ロール抑制力を減少させる際には、スタビライザバーの復元力を利用してアクチュエータの動作量を減少させるような制御が望ましい。したがって、本項の態様のように、必要ロール抑制力を減少させる過程において、動作量対象制御が実行されることで、例えば、スタビライザバーの復元力を利用しつつ、実ロール抑制力を減少させることが可能となる。
本項に記載の態様において、必要ロール抑制力を増加させる過程にあるか否か、若しくは、減少させる過程にあるか否かは、必要ロール抑制力自体で判定してもよく、また、車体が受けるロールモーメントの大きさを指標するもので判定してもよい。例えば、ロールモーメント自体を始めとして、車両の操舵角,車両走行速度,車体に発生している横加速度,車両のヨーレートといった種々のものを用いて判定してもよい。また、先に説明したように、アクチュエータの動作量とロール抑制力とは対応関係にある。このことから、本項に記載の「必要ロール抑制力を増加させる過程」は、アクチュエータの動作量を増加させる過程をも意味し、逆に、「必要ロール抑制力を減少させる過程」は、動作量を減少させる過程をも意味する。
(6)前記制御装置が、
前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程であっても、その過程において、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が一旦前記目標ロール抑制力より大きくなった後には、前記ロール抑制力対象制御に代えて、前記動作量対象制御を実行するように構成された(5)項に記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の態様は、ロール抑制力対象制御の実行時をさらに限定する態様である。典型的な車両の旋回の旋回初期においては、通常、目標ロール抑制力が増加し、それに相応して、実ロール抑制力も、目標ロール抑制力に対してある程度の遅れを伴う態様で増加する。つまり、旋回初期においては、通常、実ロール抑制力より目標ロール抑制力のほうが大きい。ところが、路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、スタビライザバーが捩られて実ロール抑制力が増減して、実ロール抑制力が目標ロール抑制力より大きくなる場合がある。したがって、本項に記載の態様によれば、必要ロール抑制力を増加させる過程においては、基本的に、ロール抑制力対象制御が実行されるが、例えば、路面の凸凹等による外乱的な外部入力が生じた後に、ロール抑制力対象制御の代わりに、動作量対象制御を実行することが可能となる。
(7)前記制御装置が、
前記動作量対象制御において、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力からのズレを少なくするために、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力と前記アクチュエータの実際の動作量との関係に基づいて、前記目標動作量を補正可能に構成された(3)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
先に説明したように、アクチュエータの動作量とロール抑制力とは対応関係にあり、動作量対象制御において使用される目標動作量は、アクチュエータの動作量とロール抑制力との関係に基づいて決定されている。目標動作量を決定する際のそれらの関係はあらかじめ設定されたものであるが、実際のアクチュエータの動作量と実際のロール抑制力との関係は、スタビライザバーの個体差等に起因してあらかじめ設定されたものと異なる虞がある。このため、動作量対象制御時にアクチュエータの実動作量が目標動作量とされても、その際の実際のロール抑制力が必要ロール抑制力となっていない虞がある。本項に記載の態様においては、実際のアクチュエータの動作量と実際のロール抑制力との関係を取得し、それら実際の関係に基づいて目標動作量を補正すること可能である。したがって、本項の態様によれば、例えば、ロール抑制力を直接の制御対象としない動作量対象制御においても、望む大きさのロール抑制力を発生させることが可能となり、実ロール抑制力と必要ロール抑制力とのズレを少なくすることが可能となる。
(8)前記制御装置が、
基本的には前記ロール抑制力対象制御を実行し、そのロール抑制力対象制御の実行中において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が前記目標ロール抑制力を超えた場合に、前記スタビライザバーがロール抑制力を発生させることを要しない状態となるまでの間、前記ロール抑制力制御に代えて、前記動作量対象制御を実行するように構成された(4)項に記載の車両用スタビライザシステム。
上述のように、旋回初期においては、通常、実ロール抑制力より目標ロール抑制力のほうが大きいが、路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、実ロール抑制力が目標ロール抑制力より大きくなる場合がある。また、旋回終期においては、通常、目標ロール抑制力が減少し、それに相応して、実ロール抑制力も、目標ロール抑制力に対してある程度の遅れを伴う態様で減少する。つまり、旋回終期においては、通常、実ロール抑制力が目標ロール抑制力より大きい。したがって、本項に記載の態様によれば、上記の項に記載の態様と同様に、必要ロール抑制力を増加させる過程においては、基本的に、ロール抑制力対象制御が実行されるが、例えば、路面の凸凹等による外乱的な外部入力が生じた後に、ロール抑制力対象制御の代わりに、動作量対象制御を実行し、一方、必要ロール抑制力を減少させる過程においては、動作量対象制御を実行することが可能となる。
(9)前記制御装置が、
前記ロール抑制力対象制御から前記動作量対象制御への移行の際、その移行の時点において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力を前記動作量対象制御によっても前記スタビライザバーが発生させるように、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力と前記アクチュエータの実際の動作量との関係に基づいて、前記目標動作量を補正可能に構成された(8)項に記載の車両用スタビライザシステム。
ロール抑制力対象制御と動作量対象制御とが切換えられて実行される場合において、動作量対象制御時の実ロール抑制力と必要ロール抑制力とのズレが多いと、制御の切換えが円滑に行われない虞がある。本項の態様によれば、例えば、動作量対象制御においても、望む大きさのロール抑制力を発生させることが可能となり、ロール抑制力対象制御と動作量対象制御との切換を円滑なものとすることが可能となる。
(10)前記制御装置が、
ある時点において前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力と、その時点において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力とに基づいて、前記アクチュエータと前記スタビライザバーとのいずれか一方に異常があることを判定するロール抑制力依拠異常判定部を有する(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
(11)前記制御装置が、
ある時点において前記アクチュエータがとるべき動作量と、その時点における前記アクチュエータの実際の動作量とに基づいて前記アクチュエータに異常があることを判定する動作量依拠異常判定部を有する(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
上記2つの項に記載の態様は、スタビライザ装置の異常を判定する態様である。前者の項に記載の態様は、ロール抑制力に依拠してスタビライザ装置の異常を判定する態様であり、後者の項に記載の態様は、アクチュエータの動作量に依拠してスタビライザ装置の異常を判定する態様である。アクチュエータの動作量に依拠したスタビライザ装置の異常判定は、アクチュエータの異常に起因するスタビライザ装置の異常を判定するものであり、ロール抑制力に依拠したスタビライザ装置の異常判定は、スタビライザ装置自体、具体的に言えば、アクチュエータ,スタビライザバーの異常を判定するものである。このことから、動作量に依拠した異常判定において、スタビライザ装置は異常でないと判定され、ロール抑制力に依拠した異常判定において、スタビライザ装置は異常である判定された場合は、アクチュエータは正常に作動しているが、スタビライザ装置は正常に作動していないということが想定できる。つまり、スタビライザバーに異常が発生していると想定することが可能である。したがって、前者の項に記載の「ロール抑制力依拠異常判定部」と後者の項に記載の「動作量依拠異常判定部」とを有する制御装置を備えた車両用スタビライザシステムにおいては、スタビライザバーの異常を判定することが可能である。
(12)当該車両用スタビライザシステムが、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力を検出するロール抑制力検出器を備えた(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の「ロール抑制力検出器」は、ロール抑制力を直接的に検出するものであってもよく、スタビライザバーの捩り反力、つまり、スタビライザバーの捩りトルク等を検出するものであってもよい。
(13)当該車両用スタビライザシステムが、前記アクチュエータの実際の動作量を検出する動作量検出器を備えた(1)項ないし(12)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の「動作量検出器」は、アクチュエータの動作量を直接的に検出するものであってもよく、駆動源である電磁モータの動作量を検出するものであってもよい。
(14)前記スタビライザバーが、
左右の車輪に対応して設けられ、それぞれが、車幅方向に延びて配設されるトーションバー部と、そのトーションバー部に連続してそのトーションバー部と交差して延びるとともに先端部において左右の車輪のうちの自身に対応するものを保持する車輪保持部に連結されるアーム部とを有する1対のスタビライザバー部材を含んで構成され、
前記アクチュエータが、前記1対のスタビライザバー部材のトーションバー部を相対回転させるものである(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の態様は、スタビライザ装置の具体的構造、詳しく言えば、上記スタビライザバーとアクチュエータとの構成に関する限定を加えた態様である。本項の態様によれば、スタビライザ装置が発生させるロール抑制力を効率的に変更可能である。
(15)前記アクチュエータが、前記電磁モータの回転を減速する減速機と、前記電磁モータと前記減速機とを保持するハウジングとを有し、前記1対のスタビライザバー部材の一方のトーションバー部が前記ハウジングに相対回転不能に接続され、他方のトーションバー部が前記減速機の出力部に相対回転不能に接続される構造とされた(14)項に記載の車両用スタビライザシステム。
本項に記載の態様は、アクチュエータの構造、および、アクチュエータとスタビライザバーとの連結,配置関係を具体的に限定した態様である。本項の態様においてアクチュエータが有する減速機は、それの機構が特に限定されるものではない。例えば、ハーモニックギヤ機構(「ハーモニックドライブ(登録商標)機構」,「ストレインウェーブギヤリング機構」等と呼ばれることもある)、ハイポサイクロイド減速機構等、種々の機構の減速機を採用することが可能である。電磁モータの小型化を考えれば、減速機の減速比は比較的大きい(電磁モータの動作量に対するアクチュエータの動作量が小さいことを意味する)ことが望ましく、その点を考慮すれば、ハーモニックギヤ機構を採用する減速機は、本項の態様のシステムにおいて好適である。
以下、請求可能発明の実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<車両用スタビライザシステムの構成>
i)スタビライザシステムの全体構成
図1に、本実施例の車両用スタビライザシステム10を模式的に示す。本スタビライザシステム10は、車両の前輪側、後輪側の各々に配設された1対のスタビライザ装置14を含んで構成されている。スタビライザ装置14はそれぞれ、両端部において左右の車輪16を保持する車輪保持部材としてのサスペンションアーム(図2,3参照)に連結されたスタビライザバー20を備えている。そのスタビライザバー20は、それが分割された1対のスタビライザバー部材22を含む構成のものとされている。それら1対のスタビライザバー部材22は、アクチュエータ26によって相対回転可能に接続されている。
ii)サスペンション装置の構成
本システム10を搭載する車両には、各車輪16に対応した4つのサスペンション装置が設けられている。転舵輪である前輪のサスペンション装置と非転舵輪である後輪のサスペンション装置とは、車輪を転舵可能とする機構を除き略同様の構成とみなせるため、説明の簡略化に配慮して、後輪のサスペンション装置を代表して説明する。図2,3に示すように、サスペンション装置30は、独立懸架式のものであり、マルチリンク式サスペンション装置とされている。サスペンション装置30は、それぞれがサスペンションアームである第1アッパアーム32,第2アッパアーム34,第1ロアアーム36,第2ロアアーム38,トーコントロールアーム40を備えている。5本のアーム32,34,36,38,40のそれぞれの一端部は、車体に回動可能に連結され、他端部は、車輪16を回転可能に保持するアクスルキャリア42に回動可能に連結されている。それら5本のアーム32,34,36,38,40により、アクスルキャリア42は、車体に対して略一定の軌跡を描くような上下動が可能とされている。また、サスペンション装置30は、コイルスプリング44と液圧式のショックアブソーバ46とを備えており、それらは、それぞれ、タイヤハウジングに設けられたマウント部と、第2ロアアーム38との間に、互いに並列的に配設されている。つまり、サスペンション装置30は、車輪16と車体とを弾性的に相互支持するとともに、それらの接近離間に伴う振動に対する減衰力を発生させているのである。
iii)スタビライザ装置の構成
スタビライザ装置14の各スタビライザバー部材22はそれぞれ、図2,3に示すように、概して車幅方向に延びるトーションバー部50と、トーションバー部50と一体をなしてそれと交差して概ね車両の前方に延びるアーム部52とに区分することができる。各スタビライザバー部材22のトーションバー部50は、アーム部52に近い箇所において、車体に固定的に設けられた保持具54によって回転可能に保持され、互いに同軸的に配置されている。各トーションバー部50の端部(アーム部52側とは反対側の端部)は、それぞれ、後に詳しく説明するようにアクチュエータ26に接続されている。一方、各アーム部52の端部(トーションバー部50側とは反対側の端部)は、リンクロッド56を介して第2ロアアーム38に連結されている。第2ロアアーム38には、リンクロッド連結部57が設けられ、リンクロッド56の一端部は、そのリンクロッド連結部57に、他端部はスタビライザバー部材22のアーム部52の端部に、それぞれ遥動可能に連結されている。なお、各リンクロッド56に、各トーションバー部50の捩りトルク、すなわち、スタビライザバー20の捩りトルクを検出するためのトルクセンサ58が1対設けられている。
スタビライザ装置14の備えるアクチュエータ26は、図4に示すように、駆動源としての電磁モータ60と、その電磁モータ60の回転を減速して伝達する減速機62とを含んで構成されている。これら電磁モータ60と減速機62とは、アクチュエータ26の外殻部材であるハウジング64内に設けられている。そのハウジング64の一端部には、1対のスタビライザバー部材22の一方のトーションバー部50の端部が固定的に接続されており、一方、1対のスタビライザバー部材22の他方は、ハウジング64の他端部からそれの内部に延び入る状態で配設されるとともに、後に詳しく説明するように、減速機62と接続されている。さらに、1対のスタビライザバー部材22の他方は、それの軸方向の中間部において、ブシュ型軸受70を介してハウジング64に回転可能に保持されている。
電磁モータ60は、ハウジング64の周壁の内面に沿って一円周上に固定して配置された複数のコイル72と、ハウジング64に回転可能に保持された中空状のモータ軸74と、コイル72と向きあうようにしてモータ軸74の外周に固定して配設された永久磁石76とを含んで構成されている。電磁モータ60は、コイル72がステータとして機能し、永久磁石76がロータとして機能するモータであり、3相のDCブラシレスモータとされている。なお、ハウジング64内に、モータ軸74の回転角度、すなわち、電磁モータ60の回転角度を検出するためのモータ回転角センサ78が設けられている。モータ回転角センサ78は、エンコーダを主体とするものであり、アクチュエータ26の制御、つまり、スタビライザ装置14の制御に利用される。
減速機62は、波動発生器(ウェーブジェネレータ)80,フレキシブルギヤ(フレクスプライン)82およびリングギヤ(サーキュラスプライン)84を備え、ハーモニックギヤ機構(「ハーモニックドライブ(登録商標)機構」,「ストレインウェーブギヤリング機構」等と呼ばれることもある)として構成されている。波動発生器80は、楕円状カムと、それの外周に嵌められたボールベアリングとを含んで構成されるものであり、モータ軸74の一端部に固定されている。フレキシブルギヤ82は、周壁部が弾性変形可能なカップ形状をなすものとされており、周壁部の開口側の外周に複数の歯(本減速機62では、400歯)が形成されている。このフレキシブルギヤ82は、先に説明した1対のスタビライザバー部材22の他方のトーションバー部50の端部に接続され、それによって支持されている。詳しく言えば、そのスタビライザバー部材22のトーションバー部50は、モータ軸74を貫通しており、それから延び出す部分の外周面において、当該減速機62の出力部としてのフレキシブルギヤ82の底部を貫通する状態でその底部とスプライン嵌合によって相対回転不能に接続されているのである。リングギヤ84は、概してリング状をなして内周に複数の歯(本減速機62においては、402歯)が形成されたものであり、ハウジング64に固定されている。フレキシブルギヤ82は、その周壁部が波動発生器80に外嵌して楕円状に弾性変形させられ、楕円の長軸方向に位置する2箇所においてリングギヤ84と噛合し、他の箇所では噛合しない状態とされている。このような構造により、波動発生器80が1回転(360度)すると、つまり、電磁モータ60のモータ軸74が1回転すると、フレキシブルギヤ82とリングギヤ84とが、2歯分だけ相対回転させられる。つまり、減速機62の減速比は、1/200とされている。
以上の構成から、車両の旋回等によって、車体に左右の車輪16の一方と車体との距離と、左右の車輪16の他方と車体との距離とを相対変化させる力、すなわちロールモーメントが作用する場合、左右のスタビライザバー部材22を相対回転させる力、つまり、アクチュエータ26に対する外力が作用する。その場合、電磁モータ60が発生させる力であるモータ力(電磁モータ60が回転モータであることから、回転トルクと考えることができるため、回転トルクと呼ぶ場合がある)によって、アクチュエータ26がその外力に対抗する力を発生させているときには、それら2つのスタビライザバー部材22によって構成された1つのスタビライザバー20が捩じられることになる。この捩りにより生じる捩り反力は、ロールモーメントに対抗する力となる。つまり、スタビライザ装置14が、スタビライザバー20の捩り反力に依拠してロール抑制力を発生させているのである。そして、モータ力によってアクチュエータ26の回転量を変化させることで、左右のスタビライザバー部材22の相対回転量を変化させれば、上記ロール抑制力が変化し、車体のロールをアクティブに抑制することが可能となる。なお、ここでいうアクチュエータ26の回転量とは、車両が平坦路に静止している状態を基準状態としてその基準状態でのアクチュエータ26の回転位置を中立位置とした場合において、その中立位置からの回転量、つまり、動作量を意味する。
iv)制御装置の構成
本スタビライザシステム10では、図1に示すように、2つのスタビライザ装置14に対応する電子制御ユニット(ECU)90が設けられている。ECU90は、各スタビライザ装置14、詳しくは、各アクチュエータ26の作動を制御する制御装置であり、各アクチュエータ26が有する電磁モータ60に対応する駆動回路としての2つのインバータ92と、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするコントローラ96とを備えている(図10参照)。インバータ92の各々は、コンバータ98を介してバッテリ100に接続されており、対応するスタビライザ装置14の電磁モータ60に接続されている。電磁モータ60は定電圧駆動され、電磁モータ60への供給電力は、供給電流量を変更することによって変更される。供給電流量の変更は、インバータ92がPWM(Pulse Width Modulation)によるパルスオン時間とパルスオフ時間との比(デューティ比)を変更することによって行われる。
コントローラ96には、上記トルクセンサ58とモータ回転角センサ78とともに、操舵量としてのステアリング操作部材の操作量であるステアリングホイールの操作角を検出するためのステアリングセンサ102,車体に実際に発生している横加速度である実横加速度を検出する横加速度センサ104,後述するところのマップデータの書き換えを実行するためのマップデータ書換スイッチ106,スタビライザ装置14の異常を判定するための異常判定スイッチ107が接続されている。コントローラ96には、さらに、ブレーキシステムの制御装置であるブレーキ電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という場合がある)108が接続されている。ブレーキECU108には、4つの車輪のそれぞれに対して設けられてそれぞれの回転速度を検出するための車輪速センサ110が接続され、ブレーキECU108は、それら車輪速センサ110の検出値に基づいて、車両の走行速度(以下、「車速」という場合がある)を推定する機能を有している。コントローラ96は、必要に応じ、ブレーキECU108から車速を取得するようにされている。さらに、コントローラ96は、各インバータ92にも接続され、それらを制御することで、各スタビライザ装置14の電磁モータ60を制御する。なお、コントローラ96のコンピュータが備えるROMには、後に説明するスタビライザ装置14の制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
<車両用スタビライザシステムの制御>
i)ロール抑制力対象制御、および、動作量対象制御
本スタビライザシステム10では、車体のロールを抑制するべく、スタビライザ装置14が実際に発生させるロール抑制力である実ロール抑制力が目標となるロール抑制力である目標ロール抑制力となるようなロール抑制制御を実行することが可能である。つまり、ロール抑制力を直接の制御対象とし、車体が受けるロールモーメントに応じた大きさのロール抑制力を発生させるロール抑制力対象制御を実行することが可能である。詳しく言えば、ロール抑制力対象制御においては、車体が受けるロールモーメントに応じて、スタビライザ装置14が発生させるべき目標ロール抑制力が決定され、スタビライザ装置14の発生させるロール抑制力がその目標ロール抑制力となるように制御されるのである。
また、本システム10では、車体のロールを抑制するべく、アクチュエータ26の実際の回転量である実回転量が目標となる回転量である目標回転量となるようなロール抑制制御を実行することが可能である。つまり、アクチュエータ26の動作量を制御対象とし、車体が受けるロールモーメントに応じた大きさのロール抑制力を発生させる動作量対象制御を実行することが可能である。詳しく言えば、動作量対象制御においては、車体が受けるロールモーメントに応じてアクチュエータ26の目標回転量が決定され、アクチュエータ26の回転量がその目標回転量となるように制御されるのである。
ロール抑制力対象制御では、スタビライザ装置14が実際に発生させるロール抑制力を制御対象としていることから、実ロール抑制力を目標ロール抑制力に適切に変化させることが可能である。一方で、車両の旋回中に路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、その外部入力によってスタビライザバー20が捩られ、制御対象である実ロール抑制力が変化する場合がある。つまり、ロール抑制力対象制御は、そのような外部入力の影響を受けやすい制御と考えられる。また、動作量対象制御では、車両の旋回中に路面の凸凹等による外乱的な外部入力があり、その外部入力によってスタビライザバー20が捩られても、その外部入力によって制御対象であるアクチュエータの実回転量が変化することは殆どなく、実回転量を目標回転量にすることが可能である。つまり、動作量対象制御は、そのような外部入力の影響を受けにくい制御と考えられる。ただし、動作量対象制御では、実ロール抑制力を直接の制御対象としているわけではないため、実回転量を目標回転量に変化させても、スタビライザバー20等の個体差に起因して実ロール抑制力が目標ロール抑制力とならない虞がある。このように、ロール抑制力対象制御と動作量対象制御とは、それぞれ異なる特徴を有しているのである。
典型的な車両の一旋回動作において考えてみると、まず、旋回初期においては、操舵角の増加に伴って、車体が受けるロールモーメントは増加し、続く、旋回中期では、操舵角が一定とされた定常旋回となり、ロールモーメントは、一定となる。そして、旋回終期においては、操舵角の減少に伴って、ロールモーメントは、減少する。このため、目標ロール抑制力は、車体が受けるロールモーメントに応じ、以下のように変化する。まず、旋回初期においては、目標ロール抑制力は増加し、続く、旋回中期では、目標ロール抑制力は一定となる。そして、旋回終期においては、目標ロール抑制力は減少する。
旋回初期においては、ロールモーメントに抗して実ロール抑制力を増加させなければならないため、例えば、旋回初期において動作量対象制御を実行するような場合には、実ロール抑制力と目標ロール抑制力とのズレは多くなる虞がある。一方、ロール抑制力対象制御においては、ロール抑制力自体を制御対象としていることから、ロールモーメントに抗して実ロール抑制力を増加させる場合であっても、実ロール抑制力を目標ロール抑制力にすることは可能である。このため、ロール抑制力を増加させる過程においては、ロール抑制力自体を制御対象とするロール抑制力対象制御が実行されることが望ましい。ただし、ロール抑制力対象制御において、上述のように、路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、車体のロールを適切に抑制できない虞がある。そこで、本システム10では、ロール抑制力が増加する過程においては、基本的に、ロール抑制力対象制御が実行されるが、路面の凸凹等による外乱的な外部入力が生じた後には、ロール抑制力対象制御の代わりに、動作量対象制御が実行される。
ちなみに、旋回初期においては、目標ロール抑制力が増加し、それに相応して、実ロール抑制力も、目標ロール抑制力に対してある程度の遅れを伴う態様で増加する。つまり、旋回初期においては、通常、実ロール抑制力より目標ロール抑制力のほうが大きい。ところが、路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、スタビライザバーが捩られて実ロール抑制力が増減する場合があり、旋回初期にも拘わらず、実ロール抑制力が目標ロール抑制力より大きくなる場合がある。このことから、本システム10においては、ロール抑制力が増加する過程であっても、その過程において実ロール抑制力が目標ロール抑制力より大きくなった後には、ロール抑制力対象制御の代わりに、動作量対象制御が実行される。
旋回終期においては、ロールモーメントの減少に伴って、実ロール抑制力を減少させることから、旋回終期に動作量対象制御を実行しても、実ロール抑制力と目標ロール抑制力とのズレは少なくなると考えられる。また、旋回終期においては、ロールモーメントの減少に伴って、スタビライザ装置14が発生させるロール抑制力、言い換えれば、スタビライザバー20の捩り反力を減少させており、ロール抑制力を減少させる際にそのスタビライザバー20の復元力が利用される。このため、スタビライザバー20の復元力を利用して実ロール抑制力を減少させる際には、スタビライザバー20の復元力を利用してアクチュエータ26の回転量を減少させるようにアクチュエータ26を制御することが望ましい。そこで、本システム10では、ロール抑制力が減少する過程においては、動作量対象制御が実行される。ちなみに、旋回中期、つまり、ロール抑制力が一定である場合には、アクチュエータ26の回転量を維持するべく、動作量対象制御が実行される。
したがって、本システム10では、ロール抑制力が増加する過程において、基本的には、スタビライザ装置14が発生させるロール抑制力を制御対象とするロール抑制力対象制御が実行される。目標となる目標ロール抑制力は、車体が受けるロールモーメントを指標する横加速度に基づいて決定される。具体的には、ステアリングホイールの操作角δと車両走行速度vに基づいて推定された推定横加速度Gycと、実測された実横加速度Gyrとに基づいて、制御に利用される横加速度である制御横加速度Gy*が、次式に従って決定され、
Gy*=KA・Gyc+KB・Gyr(KA,KBはゲイン)
そのように決定された制御横加速度Gy*に基づいて、目標ロール抑制力F*が決定される。コントローラ96内には、制御横加速度Gy*をパラメータとする目標ロール抑制力F*のマップデータが格納されており、マップデータを参照して、目標ロール抑制力F*が決定される。
そして、スタビライザ装置14が実際に発生させるロール抑制力である実ロール抑制力Frが上記目標ロール抑制力F*になるように、電磁モータ60が制御される。電磁モータ60の制御において、電磁モータ60に供給される電力は、実ロール抑制力Frの目標ロール抑制力F*に対する偏差であるロール抑制力偏差ΔF(=F*−Fr)に基づいて決定される。詳しく言えば、ロール抑制力偏差ΔFに基づくフィードバック制御の手法に従って決定される。具体的には、まず、リンクロッド56に設けられたロール抑制力検出器としてのトルクセンサ58によってスタビライザバー20の実際の捩りトルクTが検出され、その検出値に基づいて決定される実ロール抑制力Frと目標ロール抑制力F*とに基づいて、上記ロール抑制力偏差ΔFが認定される。そして、それをパラメータとして、次式に従って、ロール抑制力対象制御における目標供給電力としてのロール抑制力依拠目標供給電流iF *が決定される。
F *=KFP・ΔF+KFI・Int(ΔF)
この式は、PI制御則に従う式であり、第1項,第2項は、それぞれ、比例項、積分項を、KFP,KFIは、それぞれ、比例ゲイン,積分ゲインを意味する。また、Int(ΔF)は、ロール抑制力偏差ΔFの積分値に相当する。
ちなみに、ロール抑制力依拠目標供給電流iF *は、それの符号により電磁モータ60のモータ力の発生方向を表すものとなっており、電磁モータ60の駆動制御にあたっては、ロール抑制力依拠目標供給電流iF *に基づいて、電磁モータ60を駆動するためのデューティ比およびモータ力発生方向が決定される。そして、それらデューティ比およびモータ力発生方向についての指令がインバータ92に発令され、インバータ92によって、その指令に基づいた電磁モータ60の駆動制御がなされる。
また、本システム10では、ロール抑制力が減少する過程、および、ロール抑制力が一定に維持される過程、そして、ロール抑制力が増加する過程であっても、路面の凸凹等による外乱的な外部入力が生じた後には、アクチュエータ26の回転量が目標回転量となるように、動作量対象制御が実行されるのである。なお、アクチュエータ26の回転量は、電磁モータ60の動作角であるモータ回転角と対応関係にあるため、実際の動作量対象制御では、モータ回転角をアクチュエータ26の回転量として扱い、モータ回転角センサ78によって取得されるモータ回転角に基づいて制御が行われる。
動作量対象制御について詳しく言えば、車体が受けるロールモーメントを指標する横加速度に基づいて、電磁モータ60の目標モータ回転角θ*が決定される。具体的には、制御に利用される横加速度である制御横加速度Gy*が、上記ロール抑制力対象制御と同様に決定され、その制御横加速度Gy*に基づいて、電磁モータ60の目標モータ回転角θ*が決定される。コントローラ96内には、制御横加速度Gy*をパラメータとする目標モータ回転角θ*のマップデータが格納されており、マップデータを参照して、電磁モータ60の目標モータ回転角θ*が決定される。
そして、実モータ回転角θが上記目標モータ回転角θ*になるように、電磁モータ60が制御される。電磁モータ60の制御において、電磁モータ60に供給される電力は、実モータ回転角θの目標モータ回転角θ*に対する偏差であるモータ回転角偏差Δθ(=θ*−θ)に基づいて決定される。詳しく言えば、モータ回転角偏差Δθに基づくフィードバック制御の手法に従って決定される。具体的には、まず、電磁モータ60が備える動作量検出器としてのモータ回転角センサ78の検出値に基づいて、上記モータ回転角偏差Δθが認定され、次いで、それをパラメータとして、次式に従って、動作量対象制御における目標供給電力としての動作量依拠目標供給電流i*が決定される。
iθ*=KθP・Δθ+KθI・Int(Δθ)
この式は、PI制御則に従う式であり、第1項,第2項は、それぞれ、比例項、積分項を、KθP,KθIは、それぞれ、比例ゲイン,積分ゲインを意味する。また、Int(Δθ)は、モータ回転角偏差Δθの積分値に相当する。
動作量対象制御においても、ロール抑制力対象制御と同様に、電磁モータ60の駆動制御にあたっては、動作量依拠目標供給電流iθ*に基づいて、電磁モータ60を駆動するためのデューティ比およびモータ力発生方向が決定され、それらデューティ比およびモータ力発生方向についての指令がインバータ92に発令される。そして、インバータ92によって、その指令に基づいた電磁モータ60の駆動制御がなされる。
ii)動作量対象制御における目標動作量の補正
本システム10においては、上述のように、制御横加速度Gy*と目標モータ回転角θ*との関係、および、制御横加速度Gy*と目標ロール抑制力F*との関係があらかじめ設定されており、目標モータ回転角θ*と目標ロール抑制力F*との関係、つまり、モータ回転角とロール抑制力との関係もあらかじめ設定されている。ところが、モータ回転角とロール抑制力との関係は、スタビライザ装置14、具体的に言えば、スタビライザバー20等の個体差によって、あらかじめ設定されたものとは異なる虞がある。このため、動作量対象制御において、例えば、電磁モータ60のモータ回転角を目標モータ回転角θ*に変化させても、スタビライザ装置14が実際に発生させているロール抑制力は車体が受けるロールモーメントに応じた大きさの目標ロール抑制力F*となっていない虞がある。つまり、動作量対象制御において、実ロール抑制力がスタビライザ装置14が発生させるべきロール抑制力(以下、「必要ロール抑制力」という場合がある)と異なる虞がある。
そこで、本システム10においては、モータ回転角とロール抑制力との関係があらかじめ設定されたものと異なっても、動作量対象制御においてスタビライザ装置14が必要ロール抑制力を発生させることができるように、実際のモータ回転角と実際のロール抑制力との関係から目標モータ回転角θ*を補正している。詳しく言えば、スタビライザ装置14にある大きさのロール抑制力を発生させ、その際の実ロール抑制力Frと実モータ回転角θとを検出する。そして、検出された実ロール抑制力Frと実モータ回転角θとに基づいて、目標モータ回転角θ*を補正するべく、コントローラ96内に格納されている制御横加速度Gy*をパラメータとする目標モータ回転角θ*のマップデータが書き換えられる。以下に、そのマップデータの書き換えについて具体的に説明する。ちなみに、そのマップデータの書き換えは、運転者のマップデータ書換スイッチ106の操作によって実行される。このスイッチ106は、マップデータの書き換えの指令が発令される構造とされている。
本システム10において、マップデータの書き換えを実行するためには、あらかじめ設定された許容条件を充足する必要がある。具体的には、車両が停止していることと、車体が略水平な状態とされていることとを充足する必要がある。その許容条件を充足すれば、まず、電磁モータ60にあらかじめ設定された電流を特定の時間供給し、その特定時間経過後の実際のモータ回転角と実際のロール抑制力とを測定する。具体的には、電磁モータ60にあらかじめ設定された供給電流i1を特定時間t1供給し、特定時間t1経過後に、トルクセンサ58によってスタビライザバー20の捩りトルクTが検出され、その検出値に基づいて実ロール抑制力Frが決定される。さらに、モータ回転角センサ78によって実モータ回転角θが検出される。それら検出された実ロール抑制力Frと実モータ回転角θとの関係に基づいて、コントローラ96内に格納されている制御横加速度Gy*をパラメータとする目標モータ回転角θ*のマップデータが書き換えられる。
<スタビライザ装置の異常判定>
車体が受けるロールモーメントに応じた大きさのロール抑制力を発生させて車体のロールを適切に抑制すべく、上述のように、ロール抑制力対象制御、若しくは、動作量対象制御を実行しても、スタビライザ装置14に異常が発生しているような場合には、車体のロールを適切に抑制することができない。本システム10においては、トルクセンサ58の検出値に基づき決定される実ロール抑制力Frを利用したスタビライザ装置14の異常判定と、モータ回転角センサ78によって検出される実モータ回転角θを利用したスタビライザ装置14の異常判定とを実行することが可能とされている。
詳しく言えば、実ロール抑制力Frを利用した異常判定は、ある時点における必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとに基づいて判定される。つまり、必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が大きいような場合には、スタビライザ装置14に異常が発生していると判定されるのである。また、実モータ回転角θを利用した異常判定は、ある時点において、電磁モータ60がとるべき回転量、つまり、とるべきモータ回転角(以下、「必要モータ回転角」という場合がある)θTと実モータ回転角θとに基づいて実行される。つまり、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が大きいような場合には、スタビライザ装置14に異常が発生していると判定されるのである。以下に、実ロール抑制力Frを利用した異常判定、および、実モータ回転角θを利用した異常判定について具体的に説明する。ちなみに、実ロール抑制力Frを利用した異常判定、および、実モータ回転角θを利用した異常判定は、運転者の異常判定スイッチ107の操作によって実行される。このスイッチ107は、スタビライザ装置14の異常判定を実行する指令が発令される構造とされている。
本システム10において、スタビライザ装置14の異常判定を実行するためには、上述の許容条件を充足する必要がある。その許容条件を充足すれば、実ロール抑制力Frを利用した異常判定、および、実モータ回転角θを利用した異常判定を実行するべく、まず、電磁モータ60にあらかじめ設定された電流を特定の時間供給し、その特定時間経過後の実際のモータ回転角と実際のロール抑制力とを測定する。具体的には、ロール抑制力が上記必要ロール抑制力FTとなり、モータ回転角が上記必要モータ回転角θTとなるようにあらかじめ設定された供給電流i2を特定時間t2供給し、特定時間t2経過後に、トルクセンサ58によってスタビライザバー20の捩りトルクTが検出され、その検出値に基づいて実ロール抑制力Frが決定される。さらに、モータ回転角センサ78によって実モータ回転角θが検出される。
そして、実モータ回転角θを利用した異常判定を実行するべく、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとが比較され、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が大きい場合、具体的に言えば、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が設定閾値θ1より大きい場合には、スタビライザ装置14に異常が発生していると判定される。また、実ロール抑制力Frを利用した異常判定を実行するべく、必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとが比較され、必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が大きい場合、具体的にいえば、必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が設定閾値F1より大きい場合には、スタビライザ装置14に異常が発生していると判定される。
本システム10では、実ロール抑制力Frを利用した異常判定と実モータ回転角θを利用した異常判定との少なくとも一方によって、スタビライザ装置14に異常が発生していると判定されると、上記ロール抑制制御の実行が禁止され、インパネに設けられたスタビライザ装置異常ランプが点灯するようにされている。
なお、実ロール抑制力Frを利用した異常判定と実モータ回転角θを利用した異常判定とを実行することによって、スタビライザ装置14の異常が、スタビライザ装置14の何れの部分に起因するものであるかをある程度推測することが可能である。詳しく言えば、実モータ回転角θを利用した異常判定は電磁モータ60の作動の異常を判定しており、実ロール抑制力Frを利用した異常判定はスタビライザ装置14の作動の異常を判定している。ロール抑制力Frを利用した異常判定によってスタビライザ装置14が異常と判定され、実モータ回転角θを利用した異常判定ではスタビライザ装置14は正常と判定された場合には、電磁モータ60は正常に作動しているが、必要なロール抑制力を発生させることができないのである。つまり、そのような場合には、例えば、スタビライザバー20等に異常が発生していると推定できる。
<制御プログラム>
本スタビライザシステム10の制御は、図5にフローチャートを示すスタビライザ制御プログラムが、イグニッションスイッチがON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec)をおいてコントローラ96により繰り返し実行されることによって行われる。また、目標モータ回転角θ*を決定するためのマップデータの書き換えは、図7にフローチャートを示すマップデータ書換プログラムが、運転者によって上記のマップデータ書換スイッチ106が操作された場合にのみ、設定された時間間隔Δt0をおいてコントローラ96により繰り返し実行されることによって行われ、スタビライザ装置14の異常判定は、図8にフローチャートを示すスタビライザ異常判定プログラムが、運転者によって上記の異常判定スイッチ107が操作された場合にのみ、設定された時間間隔Δt0をおいてコントローラ96により繰り返し実行されることによって行われる。以下に、それぞれの制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。なお、各プログラムは、前後の車輪に対して設けられた1対のスタビライザ装置14の各アクチュエータ26ごとに実行される。以降の説明においては、説明の簡略化に配慮して、1つのアクチュエータ26に対しての各プログラムによる処理について説明する。
i)スタビライザ制御プログラム
本プログラムに従う処理では、まず、ステップ1(以下、単に「S1」と略す。他のステップについても同様とする)において、スタビライザ装置14に異常が発生しているか否かを示すスタビライザ異常判定フラグGHのフラグ値が0とされているか否かが判定される。そのフラグGHのフラグ値が0とされている場合には、スタビライザ装置14に異常が発生していないことを示し、1とされている場合には、スタビライザ装置14に異常が発生していることを示している。
スタビライザ異常判定フラグGHのフラグ値が0とされていると判定された場合には、S2において、図6にフローチャートを示す目標ロール抑制力決定サブルーチンが実行される。このサブルーチンでは、S21において、車速vがブレーキECU108の演算値に基づいて取得され、次に、S22において、ステアリングホイールの操作角δが、ステアリングセンサ102の検出値に基づいて取得される。続いて、S23において、取得された車速vおよび操作角δに基づいて推定横加速度Gycが推定される。コントローラ96には、車速vと操作角δとをパラメータとする推定横加速度Gycに関するマップデータが格納されており、推定横加速度Gycは、そのマップデータを参照することによって推定される。そして、S24において、車体に実際に発生する横加速度である実横加速度Gyrが、横加速度センサ104の検出値に基づいて取得され、S25において、制御横加速度Gy*が、上述のように推定横加速度Gycと実横加速度Gyrとから決定される。その決定された制御横加速度Gy*に基づき、S26において、目標ロール抑制力F*が決定される。
目標ロール抑制力決定サブルーチンの実行の後、メインルーチンのS3において、スタビライザバー20の捩りトルクTが、トルクセンサ58の検出値に基づいて取得され、S4において、取得された捩りトルクTに基づいて実ロール抑制力Frが決定される。次に、S5において、ロール抑制力が増加する過程であるか否かが判定される。具体的に言えば、目標ロール抑制力F*が前回の本プログラムの実行において決定された前回目標ロール抑制力F* Pより大きいか否かが判定される。目標ロール抑制力F*が前回目標ロール抑制力F* Pより大きいと判定されると、S6において、実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*より大きいか否かが判定される。実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*以下であると判定されると、S7において、ロール抑制力対象制御の実行を禁止するロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が0とされているか否かが判定される。そのフラグGKのフラグ値が0とされる場合には、ロール抑制力対象制御の実行が許可されていることを示し、1とされる場合には、ロール抑制力対象制御の実行が禁止されていることを示している。ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が0とされていると判定された場合には、S8において、ロール抑制力対象制御を実行すべく、実ロール抑制力Frと目標ロール抑制力F*とに基づき、前述のPI制御則に従う式に従って、ロール抑制力依拠目標供給電流iF *が決定される。
S5において、目標ロール抑制力F*が前回目標ロール抑制力F* P以下であると判定されると、S9において、ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が0にされる。また、S6において、実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*より大きいと判定されると、S10において、ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が1にされる。S9,10において、ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が決定された後、若しくは、S7において、ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が1にされていると判定された場合には、S11において、モータ回転角センサ78に基づいて実モータ回転角θが取得される。次に、S12において、上記制御横加速度Gy*に基づき、目標モータ回転角θ*が決定され、S13において、動作量対象制御を実行すべく、実モータ回転角θと目標モータ回転角θ*とに基づき、前述のPI制御則に従う式に従って、動作量依拠目標供給電流iθ*が決定される。S14において、決定されたロール抑制力依拠目標供給電流iF *、若しくは、決定された動作量依拠目標供給電流iθ*に基づく制御信号がインバータ92に送信された後、本プログラムの1回の実行が終了する。
ii)マップデータ書換プログラム
本プログラムに従う処理では、まず、S31において、上述した許容条件を充足しているか否かが判定され、充足していると判定された場合には、S32において、あらかじめ設定された供給電流i1に基づく制御信号がインバータ92に送信される。次に、S33において、電磁モータ60に電力が供給されている時間を計測するための計測時間tに設定時間Δt0が加算され、S34において、その計測時間tが特定時間t1以上か否かが判定される。計測時間tが特定時間t1以上であると判定されると、S35において、モータ回転角センサ78に基づいて実モータ回転角θが取得される。続いて、S36において、スタビライザバー20の捩りトルクTが、トルクセンサ58の検出値に基づいて取得され、S37において、取得された捩りトルクTに基づいて実ロール抑制力Frが決定される。そして、S38において、実ロール抑制力Frと実モータ回転角θとに基づいて、上記動作量対象制御実行時に用いられる制御横加速度Gy*をパラメータとする目標モータ回転角θ*のマップデータが書き換えられる。そして、S39において、計測時間tがリセットされ、S40において、供給電流を0とする制御信号がインバータ92に送信された後、本プログラムの1回の実行が終了する。
iii)スタビライザ異常判定プログラム
本プログラムに従う処理では、まず、S51において、上述した許容条件を充足しているか否かが判定され、充足していると判定された場合には、S52において、ロール抑制力が上記必要ロール抑制力FTとなり、モータ回転角が上記必要モータ回転角θTとなるようにあらかじめ設定された供給電流i2に基づく制御信号がインバータ92に送信される。次に、S53において、電磁モータ60に電力が供給されている時間を計測するための計測時間tに設定時間Δt0が加算され、S54において、その計測時間tが特定時間t2以上か否かが判定される。計測時間tが特定時間t2以上であると判定されると、S55において、モータ回転角センサ78に基づいて実モータ回転角θが取得される。続いて、S56において、スタビライザバー20の捩りトルクTが、トルクセンサ58の検出値に基づいて取得され、S57において、取得された捩りトルクTに基づいて実ロール抑制力Frが決定される。そして、S58において、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が設定閾値θ1より大きいか否かが判定され、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が設定閾値θ1以下であると判定された場合には、S59において、必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が設定閾値F1より大きいか否かが判定される。必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が設定閾値F1より大きいと判定された場合、若しくは、S58において、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が設定閾値θ1より大きいと判定された場合には、S60において、スタビライザ異常判定フラグGHのフラグ値が1とされ、S61において、上記スタビライザ装置異常ランプを点灯させる指令が発令される。そして、その後、若しくは、S59において、必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が設定閾値F1以下であると判定された場合には、S62において、計測時間tがリセットされ、S63において、供給電流を0とする制御信号がインバータ92に送信された後、本プログラムの1回の実行が終了する。
<コントローラの機能構成>
上記3つのプログラムを実行するコントローラ96は、それの実行処理に鑑みれば、図9に示すような機能構成を有するものと考えることができる。図から解るように、コントローラ96は、上記スタビライザ制御プログラムの処理を実行する機能部、つまり、スタビライザ装置14を制御し車体のロールを抑制する機能部として、ロール抑制制御部130を、上記マップデータ書換プログラムの処理を実行する機能部、つまり、目標モータ回転角θ*を補正する機能部として、目標モータ回転角補正部132を、上記スタビライザ異常判定プログラムの処理を実行する機能部、つまり、スタビライザ装置14の異常を判定する機能部として、スタビライザ異常判定部134を、それぞれ備えている。
なお、ロール抑制制御部130は、上記目標ロール抑制力決定サブルーチンの処理を実行する機能部、つまり、目標ロール抑制力F*を決定する機能部として、目標ロール抑制力決定部136を、S8の処理を実行する機能部、つまり、ロール抑制力対象制御を実行する機能部として、ロール抑制力対象制御実行部138を、S12,S13の処理を実行する機能部、つまり、動作量対象制御を実行する機能部として、動作量対象制御実行部140を、S7の処理を実行する機能部、つまり、ロール抑制力対象制御の実行を禁止する機能部として、ロール抑制力対象制御禁止部142を、それぞれ有している。さらに、スタビライザ異常判定部134は、S58の処理を実行する機能部、つまり、動作量に依拠してスタビライザ装置14の異常を判定する機能部として、動作量依拠異常判定部146を、S59の処理を実行する機能部、つまり、ロール抑制力に依拠してスタビライザ装置14の異常を判定する機能部として、ロール抑制力依拠異常判定部148を、それぞれ有している。
<スタビライザ制御プログラムの変形例>
本システム10では、スタビライザシステム10の制御は上記スタビライザ制御プログラムに従って実行されており、目標ロール抑制力F*の増減等に基づいてロール抑制力対象制御と動作量対象制御との切換えを行っているが、実ロール抑制力Frと目標ロール抑制力F*との関係に基づいて各制御の切換えを行ってもよい。詳しく言えば、上述のように、旋回初期においては、通常、実ロール抑制力Frより目標ロール抑制力F*のほうが大きいが、旋回終期においては、目標ロール抑制力F*が減少し、それに相応して、実ロール抑制力Frも、目標ロール抑制力F*に対してある程度の遅れを伴って減少する。つまり、旋回終期においては、通常、実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*より大きくなる。また、上述のように、路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*より大きくなる場合がある。つまり、基本的には、ロール抑制力対象制御を実行し、ロール抑制力対象制御実行中に実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*を超えた場合に、ロール抑制力対象制御に代えて、動作量対象制御を実行してもよい。ちなみに、動作量対象制御実行後に、ロール抑制力を発生させることを要しない状態となっていることを条件として、再度、ロール抑制力対象制御が実行される。このような条件を付加することによって、一旋回中でのロール抑制力対象制御と動作量対象制御との頻繁な切替えを抑制することが可能となる。
上述のようなスタビライザシステム10の制御の変形例は、図10にフローチャートを示す第2スタビライザ制御プログラムが、コントローラ96によって実行されることで行われる。以下に、その制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。なお、本プログラムは、先に説明したスタビライザ制御プログラムと類似するプログラムとされているため、本プログラムに従う具体的な処理の説明において、スタビライザ制御プログラムと同様の部分については説明を省略あるいは簡略化するものとする。
本プログラムに従う処理では、S72〜S74において、目標ロール抑制力F*および実ロール抑制力Frが決定され、S75において、ロール抑制力を発生させることを要しない状態となっているか否かが判定される。具体的に言えば、目標ロール抑制力F*が比較的小さな値に設定された設定閾値F0より小さいか否かが判定される。目標ロール抑制力F*が設定閾値F0より小さいと判定された場合には、S76において、ロール抑制力対象制御の実行を許容するべく、ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が0とされ、S77において、実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*を超えているか否かが判定される。実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*を超えていないと判定された場合には、S78において、ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が0とされているか否かが判定され、フラグ値が0とされている場合には、S79において、ロール抑制力対象制御を実行すべく、ロール抑制力依拠目標供給電流iF *が決定される。
また、S77において、実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*を超えていると判定された場合には、S80において、ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が1にされる。その後、若しくは、S78において、ロール抑制力対象制御禁止フラグGKのフラグ値が1にされていると判定された場合には、S81〜S83において、動作量対象制御を実行すべく、動作量依拠目標供給電流iθ*が決定される。S94において、ロール抑制力依拠目標供給電流iF *、若しくは、動作量依拠目標供給電流iθ*に基づく制御信号がインバータ92に送信された後、本プログラムの1回の実行が終了する。
請求可能発明である車両用スタビライザシステムの全体構成を示す模式図である。 図1の車両用スタビライザシステムの備えるスタビライザ装置を車両上方からの視点において示す模式図である。 図1の車両用スタビライザシステムの備えるスタビライザ装置を車両前方からの視点において示す模式図である。 スタビライザ装置の備えるアクチュエータを示す概略断面図である。 スタビライザ制御プログラムを示すフローチャートである。 スタビライザ制御プログラムにおいて実行される目標ロール抑制力決定サブルーチンを示すフローチャートである。 マップデータ書換プログラムを示すフローチャートである。 スタビライザ異常判定プログラムを示すフローチャートである。 スタビライザシステムの制御を司る制御装置の機能を示すブロック図である 第2スタビライザ制御プログラムを示すフローチャートである。
符号の説明
10:車両用スタビライザシステム 20:スタビライザバー 22:スタビライザバー部材 26:アクチュエータ 50:トーションバー部 52:アーム部 58:トルクセンサ(ロール抑制力検出器) 60:電磁モータ 62:減速機 64:ハウジング 78:モータ回転角センサ(動作量検出器) 82:フレキシブルギヤ(出力部) 90:電子制御ユニット(ECU)(制御装置) 138:ロール抑制力対象制御実行部 140:動作量対象制御実行部 146:動作量依拠異常判定部 148:ロール抑制力依拠異常判定部

Claims (7)

  1. 自身の捩り反力に依拠してロール抑制力を発生させるスタビライザバーと、
    電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して自身の動作量を変えることによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を自身の動作量に応じた大きさに変えるアクチュエータと、
    前記電磁モータの作動を制御することによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を制御する制御装置と
    を備えた車両用スタビライザシステムであって、
    前記制御装置が、
    (a)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を目標ロール抑制力として決定し、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御を実行するロール抑制力対象制御実行部と、(b)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力に対応して前記アクチュエータがとるべき動作量を目標動作量として決定し、前記アクチュエータの実際の動作量の前記目標動作量に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御する動作量対象制御を実行する動作量対象制御実行部とを有し、
    前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程において、前記ロール抑制力対象制御を実行し、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を減少させる過程において、前記動作量対象制御を実行するように構成された車両用スタビライザシステム。
  2. 前記制御装置が、
    前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程であっても、その過程において、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が一旦前記目標ロール抑制力より大きくなった後には、前記ロール抑制力対象制御に代えて、前記動作量対象制御を実行するように構成された請求項1に記載の車両用スタビライザシステム。
  3. 前記制御装置が、
    前記動作量対象制御において、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力からのズレを少なくするために、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力と前記アクチュエータの実際の動作量との関係に基づいて、前記目標動作量を補正可能に構成された請求項1または請求項2に記載の車両用スタビライザシステム。
  4. 自身の捩り反力に依拠してロール抑制力を発生させるスタビライザバーと、
    電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して自身の動作量を変えることによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を自身の動作量に応じた大きさに変えるアクチュエータと、
    前記電磁モータの作動を制御することによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を制御する制御装置と
    を備えた車両用スタビライザシステムであって、
    前記制御装置が、
    (a)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を目標ロール抑制力として決定し、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御を実行するロール抑制力対象制御実行部と、(b)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力に対応して前記アクチュエータがとるべき動作量を目標動作量として決定し、前記アクチュエータの実際の動作量の前記目標動作量に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御する動作量対象制御を実行する動作量対象制御実行部とを有し、
    基本的には前記ロール抑制力対象制御を実行し、そのロール抑制力対象制御の実行中において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が前記目標ロール抑制力を超えた場合に、前記スタビライザバーがロール抑制力を発生させることを要しない状態となるまでの間、前記ロール抑制力対象制御に代えて、前記動作量対象制御を実行するように構成された車両用スタビライザシステム。
  5. 前記制御装置が、
    前記ロール抑制力対象制御から前記動作量対象制御への移行の際、その移行の時点において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力を前記動作量対象制御によっても前記スタビライザバーが発生させるように、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力と前記アクチュエータの実際の動作量との関係に基づいて、前記目標動作量を補正可能に構成された請求項4に記載の車両用スタビライザシステム。
  6. 前記制御装置が、
    ある時点において前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力と、その時点において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力とに基づいて、前記アクチュエータと前記スタビライザバーとのいずれか一方に異常があることを判定するロール抑制力依拠異常判定部と、
    ある時点において前記アクチュエータがとるべき動作量と、その時点における前記アクチュエータの実際の動作量とに基づいて前記アクチュエータに異常があることを判定する動作量依拠異常判定部とを有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
  7. 当該車両用スタビライザシステムが、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力を検出するロール抑制力検出器と、前記アクチュエータの実際の動作量を検出する動作量検出器を備えた請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
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