JP2020164107A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェット制動性能と氷上制動性能を両立させた空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】第1の部分(262a)のタイヤ径方向寸法(d1)が最深溝深さ(D)の50%以上であり、第3の部分(266a)のタイヤ径方向寸法(d3)が最深溝深さ(D)の50%以上である。タイヤ径方向と第1の部分(262a)とのなす角(θ1)が、タイヤ径方向と第2の部分(262b)とのなす角(θ2)よりも小さく、タイヤ径方向と第3の部分(266a)とのなす角(θ3)が、タイヤ径方向と第4の部分(266b)とのなす角(θ4)よりも小さい。なす角(θ1、θ3)がいずれも0°以上5°以下であり、なす角(θ2、θ4)がいずれも2°以上10°以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、ウェット制動性能と氷上制動性能とを両立させた空気入りタイヤに関する。
従来、制動性能の向上のためにキャップトレッドゴムの硬度を下げることが行われてきたが、キャップトレッドゴムの硬度低下によってブロック剛性の低下が懸念されてきた。このため、ブロック剛性の低下抑制のために、溝深さを比較的小さくする試みがなされてきた。
例えば、タイヤのトレッド踏面に溝を有するタイヤであって、上記溝は、1対の溝壁および溝底にて区画され、上記溝壁の各々は、上記溝の開口幅wの中心から、タイヤの回転軸に下ろした垂線に対する傾斜角度の異なる2以上の面からなり、該2以上の面のうち、タイヤ径方向最内側の面の上記傾斜角度が、同最外側の面の上記傾斜角度よりも大きく、上記開口幅wと上記溝底の幅uとの比u/wが、0.3以上0.5以下であるタイヤ、が開示されている(特許文献1)。
特許文献1によれば、特に、開口幅wと溝底3の溝底の幅uとの比u/wを、0.3以上とすることで、タイヤ径方向に対する溝壁の傾斜角度が所定範囲内であれば、溝深さが比較的小さくなる。これにより、トレッド6の陸部5のタイヤ径方向内側部分が強固となり、陸部5の剛性が増す、とされている(0016、0017)。このため、特許文献1に開示された技術では、陸部5の優れた剛性に起因して、比較的高い制動性能が期待される。
特開2014−151747号公報
特許文献1に開示された技術は、上述したとおり、陸部剛性の向上を達成しているものの、最終目的が外観性の向上とロードノイズの低減である。近年では、種々の制動性能を同時に向上させることが要請されており、例えば、スタッドレスタイヤにおいて、ウェット制動性能と、氷上制動性能と、を両立させることが課題となっている。しかしながら、特許文献1に開示された技術をそのままスタッドレスタイヤに適用することについては、何ら開示がなく、また、当該技術によってウェット制動性能と、氷上制動性能と、が両立するかは不明である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ウェット制動性能と氷上制動性能を両立させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド表面に周方向主溝と幅方向溝とが配設されることにより陸部が区画形成され、
タイヤ赤道面と平行な断面視で、
タイヤ周方向に隣り合う2つの陸部間に配設された幅方向溝のプロファイルが、第1の壁面と、上記第1の壁面と連続する底面と、上記底面の上記第1の壁面とは反対側で連続する第2の壁面と、を含み
上記第1の壁面が上記底面から遠い第1の部分と、上記第1の部分と連続する上記底面に近い第2の部分と、から構成され、
上記第2の壁面が上記底面から遠い第3の部分と、上記第3の部分と連続する溝底に近い第4の部分と、から構成され、
上記第1の部分のタイヤ径方向寸法d1が最深溝深さDの50%以上であり、上記第3の部分のタイヤ径方向寸法d3が上記最深溝深さDの50%以上であり、
タイヤ径方向と上記第1の部分とのなす角θ1が、タイヤ径方向と上記第2の部分とのなす角θ2よりも小さく、タイヤ径方向と上記第3の部分とのなす角θ3が、タイヤ径方向と上記第4の部分とのなす角θ4よりも小さく、
上記なす角θ1が0°以上5°以下であり、上記なす角θ2が2°以上10°以下であり、上記なす角θ3が0°以上5°以下であり、上記なす角θ4が2°以上10°以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、タイヤ赤道面と平行な断面視で、幅方向溝のタイヤ周方向に対向する2つの壁面プロファイルラインの形状について改良を加えている。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、ウェット制動性能と氷上制動性能を両立することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を示す平面図である。 図2は、図1の線A−A´で切った断面の一部であり、幅方向溝周辺部を示す断面図である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態(以下に示す、基本形態及び付加的形態1から5)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態は、本発明を限定するものではない。また、上記実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
[基本形態]
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについて、その基本形態を説明する。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CL(タイヤ赤道線)に向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面である。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を示す平面図である。同図に示す空気入りタイヤ1は、トレッド部10を有している。トレッド部10は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。このトレッド部10の表面は、空気入りタイヤ1を装着する車両(図示せず)が走行した際に路面と接触する面であるトレッド表面12として形成されている。
トレッド表面12には、図1に示すように、タイヤ周方向に切れ目なく延在する4本の周方向主溝14、16、18、20と、タイヤ周方向に切れ目なく延在する1本の周方向細溝22と、タイヤ周方向に対して傾斜する5種類の幅方向溝24、26、28、30、32と、タイヤ幅方向の最外側のそれぞれに位置するラグ溝34、36と、幅方向溝から延在して陸部内で終端する5種類の周方向終端溝38、40、42、44、46と、サイプ48と、がそれぞれ設けられ、同図に示すトレッドパターンが形成されている。
本実施の形態において、周方向主溝とは、溝幅が3mm以上であり、かつ、溝深さが 4〜12mmである溝を意味する。周方向細溝とは、溝幅が1.6〜3mmであり、かつ、溝深さが1〜12mmである溝を意味する。幅方向溝とは、溝幅が1.6〜10mmであり、かつ、溝深さが1〜12mmである溝を意味する。ラグ溝とは、溝幅が1.6〜10mmであり、かつ、溝深さが1〜12mmである溝を意味する。周方向終端溝とは、溝幅が0.5〜10mmであり、かつ、溝深さが0.5〜12mmである溝を意味する。また、サイプとは、溝幅が0.3〜1.6mmであり、かつ、溝深さが1〜12mmである溝を意味する。
図1に示すトレッドパターンは、タイヤ赤道面CLを基準にタイヤ幅方向において非対称である。周方向主溝14、20及び周方向細溝22は等しい幅でタイヤ周方向に延在する溝であり、周方向主溝16はタイヤ周方向に対して傾斜した等しい幅の複数の溝部を組み合わせた溝である。また、周方向主溝18はタイヤ周方向に幅が徐々に変化する複数の溝部を組み合わせた溝である。
幅方向溝24は、周方向主溝14と連通するとともに、タイヤ幅方向最外側で幾分幅広となり、かつ、略タイヤ幅方向に延在し、図1においては上に凸となるように幾分湾曲した溝である。幅方向溝26は、周方向主溝14、16と連通するとともに、タイヤ幅方向外側部分が内側部分に比べて幅広であり、かつ、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在する溝である。なお、幅方向溝26のタイヤ幅方向外端を延長すると、幅方向溝24のタイヤ幅方向内端と一致する。
幅方向溝28は、周方向主溝16、18と連通するとともに、等しい幅で、かつ、タイヤ幅方向に対して幅方向溝26と逆向きに傾斜して延在する溝である。幅方向溝30は、周方向主溝18、20の間においてその両端が陸部内で終端するとともに、周方向細溝22を貫通し、等しい幅でタイヤ幅方向に対して傾斜して延在する溝である。なお、幅方向溝30のタイヤ幅方向に対する傾斜方向は、周方向に隣り合う幅方向溝30、30同士間で逆方向となっている。
幅方向溝32は、周方向主溝20と連通するとともに、タイヤ幅方向最外側で幾分幅広となり、かつ、略タイヤ幅方向に延在する溝であり、図1においては下に凸となるように幾分湾曲した溝である。
ラグ溝34は、タイヤ幅方向の一方側において幅方向溝24、24の間に配設され、主要な幅広部分が略渦巻状に延在し、この幅広部分からタイヤ周方向の両側に幅狭部分が延在して幅方向溝24に連通する溝である。ラグ溝36は、タイヤ幅方向の他方側において幅方向溝32、32の間に配設され、主要な幅広部分が略渦巻状に延在し、この幅広部分からタイヤ周方向の両側に幅狭部分が延在して幅方向溝32に連通する溝である。なお、ラグ溝36の幅広部分の渦巻き方向はラグ溝34の幅広部分の渦巻き方向と同じである。
周方向終端溝38は、幅狭部分が幅方向溝24からタイヤ周方向の一方側に延在するとともに途中で幅広となって陸部内で終端する溝である。周方向終端溝38の幅広部分のタイヤ幅方向外端をタイヤ幅方向に延長すると、ラグ溝34のタイヤ幅方向内端と一致する。周方向終端溝40は、幅方向溝24からタイヤ周方向の一方側(周方向終端溝38の幅狭部分の延在方向とは逆方向)に延在し、陸部内で終端する溝である。周方向終端溝42は、幅方向溝26からタイヤ周方向の一方側(周方向終端溝40の延在方向と同方向)に先細るように延在し、陸部内で終端する溝である。周方向終端溝44は、幅方向溝32からタイヤ周方向の一方側(周方向細溝40の延在方向と逆方向)に延在し、陸部内で終端する溝である。周方向終端溝46は、幅狭部分が幅方向溝32からタイヤ周方向の一方側(周方向終端溝38の幅狭部分の延在方向とは逆方向)に延在するとともに途中で幅広となって陸部内で終端する溝である。周方向終端溝46の幅広部分のタイヤ幅方向外端をタイヤ幅方向に延長すると、ラグ溝36のタイヤ幅方向内端と一致する。
このような周方向主溝14〜20、周方向細溝22、幅方向溝24〜32、ラグ溝34、36、及び周方向終端溝38〜46の配設により、図1に示すように、トレッド表面12には8種類の陸部50〜64が区画形成されている。
以上のような前提の下、本実施の形態では、陸部54に着目して、以下に説明する。
図2は、図1の線A−A´で切った断面の一部であり、幅方向溝周辺部を示す断面図である。即ち、図2は、幅方向溝26を含む図1の丸囲み部分Xを示す断面図であり、図2において幅方向溝26の左右には2つの陸部、即ちブロック54a、54bが区画形成されている。
図2に示す例では、タイヤ周方向に隣り合う2つのブロック54a、54b間に配設された幅方向溝26のプロファイルが、第1の壁面262と、第1の壁面262と連続する底面264と、底面264の第1の壁面262とは反対側で連続する第2の壁面266とを含む。
第1の壁面262は、底面264から遠い第1の部分262aと、第1の部分262aと連続する底面264に近い第2の部分262bと、から構成されている。また、第2の壁面266は、底面264から遠い第3の部分266aと、第3の部分266aと連続する溝底264に近い第4の部分266bと、から構成されている。
そして、図2に示すように、第1の部分262aのタイヤ径方向寸法d1が最深溝深さDの50%以上であり、第3の部分266aのタイヤ径方向寸法d3が最深溝深さDの50%以上である。ここで、溝深さD、d1、d3は、いずれも、溝26の開口部からタイヤ径方向に測定するものとする。本実施の形態における最深溝とは、図1のトレッドパターン全体の中で最も深さの大きい溝をいい、図1に示す例では、周方向溝14、18、20が最深溝にあたる。
また、図2に示すように、タイヤ径方向と第1の部分262aとのなす角θ1が、タイヤ径方向と第2の部分262bとのなす角θ2よりも小さく、タイヤ径方向と第3の部分266aとのなす角θ3が、タイヤ径方向と第4の部分266bとのなす角θ4よりも小さい。なお、図2に示す断面視で、第1の部分262aから第4の部分266bのそれぞれ曲線の場合は、各部分のタイヤ周方向の両端点を結んだ直線と、タイヤ径方向と、のなす角を、なす角θ1からθ4とする。
さらに、図2に示す例では、なす角θ1が0°以上5°以下であり、なす角θ2が2°以上10°以下であり、なす角θ3が0°以上5°以下であり、なす角θ4が2°以上10°以下である。
(作用等)
本実施の形態に係る空気入りタイヤでは、図2に示すように、タイヤ径方向寸法d1を、最深溝深さDの50%以上としている。これにより、第1の壁面262及び第2の壁面266における4つの端点A1〜A4を不動点とした場合(即ち、幅方向溝26のタイヤ周方向における開口寸法、溝底寸法、及び溝深さが一定であると仮定した場合)に、d1/D≧50とすることで、幅方向溝26の容量を十分に確保することができる。同様に、タイヤ径方向寸法d3を、最深溝深さDの50%以上としている。これにより、上記の4つの端点A1〜A4を不動点とした場合に、d3/D≧50とすることで、幅方向溝26の容量を十分に確保することができる。以上のような対向する2つの壁面262、266の形状(タイヤ径方向寸法)に基づく幅方向溝26の容量増大により、優れた排水性能を得ることができる(作用1)。
また、本実施の形態に係る空気入りタイヤでは、図2に示すように、なす角θ1をなす角θ2よりも小さくしている。これにより、第1の壁面262における4つの端点A1〜A4を不動点とした場合に、タイヤ径方向寸法の比較的大きな第1の部分のなす角θ1を、タイヤ径方向寸法の比較的小さな第2の部分のなす角θ2よりも小さくすることで、θ1≧θ2の場合に比べて幅方向溝26の容量を多く確保することができる。同様に、なす角θ3をなす角θ4よりも小さくしている。これにより、4つの端点A1〜A4を不動点とした場合に、タイヤ径方向寸法の比較的大きな第3の部分のなす角θ3を、タイヤ径方向寸法の比較的小さな第4の部分のなす角θ4よりも小さくすることで、θ3≧θ4の場合に比べて幅方向溝26の容量を多く確保することができる。以上のような対向する2つの壁面262、266の形状(傾斜角度)に基づく幅方向溝26の容量増大により、優れた排水性能を得ることができる(作用2)。
さらに、本実施の形態に係る空気入りタイヤでは、図2に示すように、なす角θ1、θ3を0°以上5°以下としている。なす角θ1、θ3をいずれも0°以上とすることで、端点A1〜A4を不動点とした場合に、ブロック54a、54bの剛性を高め、ひいては優れたエッジ効果を得ることができる(作用3)。
これに対し、なす角θ1、θ3をいずれも5°以下とすることで、端点A1〜A4を不動点とした場合に、幅方向溝26の容量を十分に確保することができ、ひいては優れた排水性能を実現することができる(作用4)。
加えて、本実施の形態に係る空気入りタイヤでは、図2に示すように、なす角θ2、θ4を2°以上10°以下としている。なす角θ2、θ4をいずれも2°以上とすることで、端点A1〜A4を不動点とした場合に、ブロック54a、54bの剛性を高め、ひいては優れたエッジ効果を得ることができる(作用5)。
これに対し、なす角θ2、θ4をいずれも10°以下とすることで、端点A1〜A4を不動点とした場合に、幅方向溝26の容量を十分に確保することができ、ひいては優れた排水性能を実現することができる(作用6)。
以上のとおり、本実施の形態に係る空気入りタイヤによれば、排水性能向上に関する作用1、2、4、6と、エッジ効果向上に関する作用3、5と、に起因して、優れたウェット制動性能と優れた氷上制動性能を両立することができる。
なお、上記作用1〜6については、以下の構成を採用することで、上述した各効果が、(さらに)より高いレベルで奏される。
即ち、上記作用1については、d1/D≧60(d3/D≧60)とすることが好ましく、d1/D≧70(d3/D≧70)とすることがさらに好ましい。
上記作用2については、θ1/θ2<0.9(θ3/θ4<0.9)とすることが好ましく、θ1/θ2<0.8(θ3/θ4<0.8)とすることがさらに好ましい。
上記作用3については、なす角θ1、θ3をいずれも1°以上とすることが好ましく、なす角θ1、θ3をいずれも1.5°以上とすることがさらに好ましい。
上記作用4については、なす角θ1、θ3をいずれも4°以下とすることが好ましく、なす角θ1、θ3をいずれも3.5°以下とすることがさらに好ましい。
上記作用5については、なす角θ2、θ4をいずれも3°以上とすることが好ましく、なす角θ2、θ4をいずれも4°以上とすることがさらに好ましい、
上記作用6については、なす角θ2、θ4をいずれも9°以下とすることが好ましく、なす角θ2、θ4をいずれも8°以下とすることがさらに好ましい。
以上により、本実施の形態に係る空気入りタイヤは、タイヤ赤道面と平行な断面視で、幅方向溝のタイヤ周方向に対向する2つの壁面プロファイルラインの形状について改良を加えることで、上記作用1〜6が相まって、ウェット制動性能と氷上制動性能とを高いレベルで両立することができる。
なお、以上に示す、本実施形態の空気入りタイヤは、図示しないが、従来の空気入りタイヤと同様に、タイヤ子午断面視で、タイヤ径方向内側から外側に向かって、ビード部、サイドウォール部及びトレッド部を有する。そして、当該空気入りタイヤは、例えば、タイヤ子午断面視で、トレッド部から両側のビード部まで延在して一対のビードコアの周りで巻回されたカーカス層と、該カーカス層のタイヤ径方向外側に順次形成された、ベルト層等と、を備える。
また、本実施の形態の空気入りタイヤは、通常の各製造工程、即ち、タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程、加硫工程及び加硫後の検査工程等を経て得られるものである。本実施の形態の空気入りタイヤを製造する場合には、特に、加硫用金型の内壁に、図1に示すような所望の周方向主溝や陸部に対応する凸部を形成し、この金型を用いて加硫を行う。
[付加的形態]
次に、本発明に係る空気入りタイヤの上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から5を説明する。
(付加的形態1)
基本形態においては、図2に示す2つの陸部(ブロック54a、54b)のうち、第1の壁面側の陸部(ブロック54a)のタイヤ周方向寸法L1が、第2の壁面側の陸部(ブロック54b)のタイヤ周方向寸法L2よりも大きいこと(付加的形態1)が好ましい。
ここで、図1に示すとおり、各ブロック54a、54bのタイヤ周方向寸法L1、L2は、基本的には、タイヤ幅方向の同位置で測定するものとする。これは、図2においてタイヤ周方向に隣り合って整列配設された複数の幅方向溝26がほぼ同じ形状でタイヤ幅方向に対して傾斜して延在しているからである。しかしながら、タイヤ周方向に隣り合う幅方向溝26の延在方向がタイヤ幅方向に対して8°以上異なる場合には、上記のタイヤ周方向寸法L1、L2は、各ブロック54a、54bのタイヤ幅方向最内位置、最外位置、及びこれらの中間位置の3か所で測定して、それらの平均を採用するものとする。
このように、L1/L2とすることで、一方のブロック54aの剛性を他方のブロック54bの剛性に対して意図的に高くすることができる。これにより、図2において幅方向溝26の両側に位置するブロック54a、54bのうち必要なブロック(例えば、ブロック54a)に比較的優れたエッジ効果を持たせることができ、ウェット制動性能と氷上制動性能とをさらに高いレベルで両立させることができる。なお、基本形態に付加的形態1を付加した形態は、特に、回転方向が指定されたタイヤにおいて、剛性上昇に起因する優れたエッジ効果を幅方向溝のタイヤ周方向の一方側のブロックに重点的に持たせることを意図するような場合に、有効である。
(付加的形態2)
基本形態に付加的形態1を付加した形態においては、図2において、第1の部分262aのタイヤ径方向寸法d1が、第3の部分266aのタイヤ径方向寸法d3よりも大きいこと(付加的形態2)が好ましい。
付加的形態2は付加的形態1を前提とする形態である。上述のとおり、付加的形態1は、ブロック54a、54bのうち、ブロック54aに比較的優れた剛性を持たせる形態である。このことを前提に、付加的形態2では、比較的剛性の大きいブロック42aの側に位置する第1の部分262aのタイヤ径方向寸法d1を、比較的剛性の小さいブロック62bの側に位置する第3の部分266aのタイヤ径方向寸法d3よりも大きくしている。d1>d3とすることで、端点A1〜A4を不動点とした場合に、ブロック54a、54bのうち、ブロック54bに比較的優れた剛性を持たせることができる。以上より、付加的形態1、2が相まって、幅方向溝26のタイヤ周方向の両側に位置するブロック54a、54bの剛性をいずれも十分に確保することができ、ひいては優れたエッジ効果を得ることができる。これにより、ウェット制動性能と氷上制動性能とをさらに効率的に高いレベルで両立させることができる。
(付加的形態3)
基本形態又は基本形態に少なくとも付加的形態1を付加した形態においては、図2において、なす角θ1がなす角θ3より小さいこと(付加的形態3)が好ましい。
θ1<θ3とすることで、一方のブロック54bの剛性を他方のブロック54aの剛性に対して意図的に高くすることができる。これにより、図2において幅方向溝26の両側に位置するブロック54a、54bのうち必要なブロック(例えば、ブロック54b)に比較的優れたエッジ効果を持たせることができ、ひいてはウェット制動性能と氷上制動性能とをさらに高いレベルで両立させることができる。なお、基本形態に付加的形態3を付加した形態は、特に、回転方向が指定されたタイヤにおいて、剛性上昇に起因する優れたエッジ効果を幅方向溝のタイヤ周方向の一方側のブロックに重点的に持たせることを意図するような場合に、有効である。
また、上述のとおり、付加的形態1ではブロック54aがブロック54bよりも剛性が高くなり、付加的形態3ではブロック54bがブロック54aよりも剛性が高くなる。このため、基本形態に付加的形態1、3の双方を付加した形態は、特に、回転方向が指定されたタイヤに関わらず、ブロック54aとブロック54bのいずれにも優れた剛性を持たせることを意図するような場合に、有効である。
(付加的形態4)
基本形態等においては、図2に示すように、陸部(例えば、ブロック54a、54b)に少なくとも1つのサイプが形成されていること(付加的形態4)が好ましい。陸部にサイプを形成することで、各ブロックの剛性を調整することができ、特に、凍結路との接触面を増やして摩擦力を高めることができ、ひいては氷上制動性能をさらに高めることができる。なお、このような構成は、特にスタッドレスタイヤにおいて有効である。
(供試タイヤの作製)
タイヤサイズが195/65R15 91Qであって、図示しない一般的な各構成要素(インナーライナ、カーカス層、ベルト層、ベルトカバー層、及びトレッドゴム層)を含むとともに、図1に示すトレッドパターンを有する空気入りタイヤであって、さらに、以下の表1に示す諸条件を満たす供試タイヤ(従来例、比較例1、2、及び実施例1から5)を作製した。なお、これらの供試タイヤは、全て、トレッド表面に周方向主溝と幅方向溝とが配設されることにより陸部が区画形成されたものであって、タイヤ赤道面と平行な断面視で、タイヤ周方向に隣り合う2つの陸部間に配設された幅方向溝のプロファイルが、第1の壁面と、第1の壁面と連続する底面と、底面の第1の壁面とは反対側で連続する第2の壁面と、を含み、第1の壁面が底面から遠い第1の部分と、第1の部分と連続する底面に近い第2の部分と、から構成され、第2の壁面が底面から遠い第3の部分と、第3の部分と連続する溝底に近い第4の部分と、から構成されたものである(図2)。
なお、表1中、Dは図1に示す周方向主溝16の溝深さであり、d1は図2示す第1の部分262aのタイヤ径方向寸法であり、d2は図2示す第2の部分262bのタイヤ径方向寸法であり、d3は図2示す第3の部分266aのタイヤ径方向寸法であり、d4は図2示す第4の部分266bのタイヤ径方向寸法である。また、表1中、θ1は図2に示すタイヤ径方向と第1の部分262aとのなす角であり、θ2は図2に示すタイヤ径方向と第2の部分262bとのなす角であり、θ3は図2に示すタイヤ径方向と第3の部分266aとのなす角であり、θ4は図2に示すタイヤ径方向と第4の部分266bとのなす角である。さらに、表1中、L1は図1に示す第1の壁面側の陸部(ブロック54a)のタイヤ周方向寸法であり、L2は図1に示す第2の壁面側の陸部(ブロック54b)のタイヤ周方向寸法である。
(ウェット制動性能の評価)
このよう作製した各供試タイヤを、リムサイズ15×6.5Jのホイールに組み付け、空気圧を前輪250kPa、後輪250kPaとし、排気量1800ccでフロントエンジン・フロントドライブタイプの乗用車に装着し、テストコースにおいて、ウェット(WET)制動性能を評価した。
具体的には、水膜1mmのウェット路面において、初速100km/hから制動を行って停止するまでの距離を測定した。そして、測定値の逆数を用い、指数(従来例を100)で比較した。その結果を表1に併記する。この評価は、指数が大きいほど停止するまでの距離が短く、ウェット制動性能が優れていることを示す(表1参照)。
(氷上制動性能の評価)
上述したウェット制動性能の評価と同様に、各供試タイヤを、リムサイズ15×6.5Jのホイールに組み付け、空気圧を前輪250kPa、後輪250kPaとし、排気量1800ccでフロントエンジン・フロントドライブタイプの乗用車に装着し、テストコースにおいて、氷上制動性能を評価した。
具体的には、氷路面において、初速40km/hから制動を行って停止するまでの距離を測定した。そして、測定値の逆数を用い、指数(従来例を100)で比較した。その結果を表1に併記する。この評価は、指数が大きいほど停止するまでの距離が短く、氷上制動性能が優れていることを示す(表1参照)。
表1から明らかなように、本発明の技術的範囲に属する(タイヤ赤道面と平行な断面視で、幅方向溝のタイヤ周方向に対向する2つの壁面プロファイルラインの形状について改良を加えた)実施例1から実施例5の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属しない、従来例及び比較例1、2の空気入りタイヤよりも、ウェット制動性能と氷上制動性能との両立が高いレベルで図られていることが判る。
1 空気入りタイヤ
10 トレッド部
12 トレッド表面
14、16、18、20 周方向主溝
22 周方向細溝
24、26、28、30、32 幅方向溝
34、36 ラグ溝
38、40、42、44、46 周方向終端溝
48 サイプ
50、52、54、56、58、60、62、64 陸部
54a、54b ブロック
262 第1の壁面
262a 第1の部分
262b 第2の部分
264 底面
266 第2の壁面
266a 第3の部分
266b 第4の部分
A1、A2、A3、A4 端点
CL タイヤ赤道面

Claims (6)

  1. トレッド表面に周方向主溝と幅方向溝とが配設されることにより陸部が区画形成された空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ赤道面と平行な断面視で、
    タイヤ周方向に隣り合う2つの陸部間に配設された幅方向溝のプロファイルが、第1の壁面と、前記第1の壁面と連続する底面と、前記底面の前記第1の壁面とは反対側で連続する第2の壁面と、を含み
    前記第1の壁面が前記底面から遠い第1の部分と、前記第1の部分と連続する前記底面に近い第2の部分と、から構成され、
    前記第2の壁面が前記底面から遠い第3の部分と、前記第3の部分と連続する溝底に近い第4の部分と、から構成され、
    前記第1の部分のタイヤ径方向寸法d1が最深溝深さDの50%以上であり、前記第3の部分のタイヤ径方向寸法d3が前記最深溝深さDの50%以上であり、
    タイヤ径方向と前記第1の部分とのなす角θ1が、タイヤ径方向と前記第2の部分とのなす角θ2よりも小さく、タイヤ径方向と前記第3の部分とのなす角θ3が、タイヤ径方向と前記第4の部分とのなす角θ4よりも小さく、
    前記なす角θ1が0°以上5°以下であり、前記なす角θ2が2°以上10°以下であり、前記なす角θ3が0°以上5°以下であり、前記なす角θ4が2°以上10°以下である、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記2つの陸部のうち、前記第1の壁面側の陸部のタイヤ周方向寸法L1が、前記第2の壁面側の陸部のタイヤ周方向寸法L2よりも大きい、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1の部分のタイヤ径方向寸法d1が、前記第3の部分のタイヤ径方向寸法d3よりも大きい、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記なす角θ1が前記なす角θ3より小さい、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記陸部には少なくとも1つのサイプが形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. スタッドレスタイヤである、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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