JP4939888B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば複数の端末で同一チャネルを使用するマルチセル構成の無線通信システムの端末等に用いられ、干渉波源からの干渉成分を抑制して所望信号を受信可能な無線通信装置に関する。
近年、無線通信の大容量化、高速化の要求が非常な高まりをみせており、有限な周波数資源の有効利用効率を更に向上させる方法の研究が盛んになっている。その一つの方法として、空間領域を利用する手法が注目を集めている。空間領域利用技術の一つは、アダプティブアレーアンテナ(適応アンテナ)であり、受信信号に乗算する重み付け係数(以下、この重み付け係数を「重み」という)により振幅と位相を調整することにより、所望方向から到来する所望信号を強く受信し、マルチパス干渉や同一チャネル干渉といった干渉成分信号を抑圧することができる。このような干渉抑圧効果により、通信システムの通信容量を改善することが可能となる。
また、空間領域を利用した別な技術として、伝搬路における空間的な直交性を利用することで、同一時刻、同一周波数、同一符号の物理チャネルを用いて異なるデータ系列を、同一の端末装置に対して伝送する空間多重(Space Division Multiplexing)(以下、SDMと記載)技術がある。SDM技術は、例えば非特許文献1において情報開示されており、送信機及び受信機共に複数のアンテナ素子を備え、アンテナ間での受信信号の相関性が低い伝搬環境下においてSDM伝送が実現できる。この場合、送信機の備える複数のアンテナから、アンテナ素子毎に同一時刻、同一周波数、同一符号の物理チャネルを用いて異なるデータ系列を送信し、受信機においては受信機の備える複数アンテナでの受信信号を、伝送路特性の推定値を基に分離受信する。これにより、空間多重チャネルを複数用いることで多値変調を用いずに高速化の達成が可能である。SDM伝送を行う場合、十分なS/N(信号対雑音比)条件下での送受信機間に多数の散乱体が存在する環境下では、送信機と受信機が同数のアンテナを備える場合、アンテナ数に比例した通信容量の拡大が可能となる。
上述したアダプティブアレーアンテナ技術及びSDM技術における干渉抑圧は、複数のアンテナ素子で受信された信号に対し、アンテナウエイトを乗算した後に加算合成する空間的なフィルタリング処理が用いられる。例えばSIR(信号電力対干渉雑音電力比)を最大化するMMSE(誤差最小二乗規範)アルゴリズム等によって動作する。しかしながら、このような干渉抑圧手法の前提条件として、干渉信号が所望信号とともに定常的に存在することを仮定している。そのため、特に、無線LAN等のパケット伝送を用いる無線通信システムでは、自セル、他セルからの干渉信号がバースト的に生成消滅することになり、上記前提条件を満たさない場合がある。すなわち、上記のような空間フィルタリング処理のアルゴリズムの適用後に、干渉信号に変動がある場合は、干渉抑圧を効果的に行えないという課題を有する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、干渉波が定常的に存在しない状態においても、非定常に現れる干渉波に適応した空間的フィルタリングを実現でき、干渉除去能力を高めることが可能な無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明の無線通信装置は、干渉波成分の信号を選択的に受信する干渉波受信アンテナウエイトを用いて、前記干渉波成分を含む干渉信号を受信する干渉信号受信手段と、前記干渉信号受信手段の出力から、干渉波成分の信号レベルを検出する干渉波レベル検出手段と、前記干渉波レベル検出手段の出力を基に、所望信号を受信する所望波分離受信アンテナウエイトを可変する信号分離手段と、を有するものである。
この構成により、干渉波成分の信号レベルを基に所望波分離受信アンテナウエイトを可変することで、干渉波が定常的に存在しない状態においても、非定常に現れる干渉波に適応した空間的フィルタリングを実現でき、干渉除去能力を高めることが可能となる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記所望波分離受信アンテナウエイトは、干渉波受信電力を最小化するウエイトであるものとする。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記所望波分離受信アンテナウエイトは、信号電力対干渉雑音電力を最大化するウエイトであるものとする。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記所望波分離受信アンテナウエイトは、複数アンテナN個の内、Nより小さいk個からなるサブアレーに対して、干渉波受信電力を最小化するウエイトであるものとする。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記信号分離手段は、他局干渉信号を優先的に除去するウエイトを乗算する第1のウエイト乗算部と、前記第1のウエイト乗算部の出力に対し、空間多重ストリームを分離する空間多重分離ウエイトを乗算する第2のウエイト乗算部とを有するものとする。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記信号分離手段は、他局干渉除去信号を優先的に除去するウエイトを乗算する第1のウエイト乗算部と、前記第1のウエイト乗算部の出力に対し、信号電力を最大化する最大比合成ウエイトを乗算する第2のウエイト乗算部とを有するものとする。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記信号分離手段は、前記干渉波レベル検出手段の出力が所定値を超えた場合、所望信号を受信すると共に、検出された干渉波を抑圧する所望波分離受信アンテナウエイトに変更するものとする。
この構成により、干渉波成分の信号レベルが所定値を超えた場合に、この所定値を超えた干渉波成分を抑圧できる所望波分離受信アンテナウエイトに変更し、干渉波が非定常に現れる状態でも、干渉波を十分に抑圧しながら所望波を受信できる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記干渉波レベル検出手段は、複数の干渉源からの干渉波成分の信号レベルを検出するものとする。
この構成により、複数の干渉源からの干渉波成分の信号レベルを検出し、複数の干渉波に関する干渉波受信アンテナウエイトの準備や、複数の干渉波の検出レベルに基づく所望波分離受信アンテナウエイトの変更などが可能となり、非定常に現れる干渉波に対しても十分に抑圧することができる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記信号分離手段は、前記干渉波レベル検出手段の出力における複数の干渉源からの干渉波成分の信号レベルが所定値を超えた場合、所望信号を受信すると共に、検出された複数の干渉波を干渉波成分の信号レベルに応じて抑圧する所望波分離受信アンテナウエイトに変更するものとする。
この構成により、複数の干渉源からの干渉波成分の信号レベルが所定値を超えた場合に、複数の干渉波成分の信号レベルに応じて干渉波を抑圧できる所望波分離受信アンテナウエイトに変更することで、干渉波が非定常に現れる状態でも、十分に干渉波を抑圧しつつ所望信号を受信できる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記干渉波受信アンテナウエイトは、干渉波電力対所望信号電力を最大化するウエイトであるものとする。
この構成により、干渉波電力対所望信号電力を最大化するウエイトを干渉波受信アンテナウエイトとして用いて、適切に干渉信号を選択受信できる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記干渉波受信アンテナウエイトは、当該無線通信装置以外の無線通信装置間の通信信号の受信電力を最大化するウエイトであるものとする。
この構成により、当該無線通信装置以外の無線通信装置間の通信信号の受信電力を最大化するウエイトを干渉波受信アンテナウエイトとして用いて、適切に干渉信号を選択受信できる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記干渉信号受信手段は、所望信号が含まれない時間区間における受信信号から得られる相関行列を用いて、干渉波電力を最大化する干渉波受信アンテナウエイトを算出するものとする。
この構成により、所望信号が含まれない時間区間における受信信号から得られる相関行列に基づいて、干渉波を選択的に受信する干渉波受信アンテナウエイトを算出できる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記干渉信号受信手段は、所定時間内での受信信号から得られる相関行列を用いて、干渉波電力を最大化する干渉波受信アンテナウエイトを算出するものとする。
この構成により、所定時間内での受信信号から得られる相関行列に基づいて、干渉波を選択的に受信する干渉波受信アンテナウエイトを算出できる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記干渉信号受信手段は、当該無線通信装置の非通信時に、前記当該無線通信装置以外の無線通信装置間の通信信号の受信結果を基に、一つまたは複数の前記干渉波受信アンテナウエイトを決定するものとする。
この構成により、非通信時に当該無線通信装置以外の無線通信装置間の通信信号の受信結果を基に事前に学習を行い、一つまたは複数の干渉波受信アンテナウエイトを決定することで、個々の干渉波を選択的に受信可能にできる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記干渉信号を選択的に受信するための干渉波受信情報を記憶する記憶手段を有し、前記干渉信号受信手段は、受信信号が当該無線通信装置以外の宛先の信号である場合に、前記干渉波成分に関する干渉波受信情報を算出して前記記憶手段に記憶させるものとする。
この構成により、受信信号が当該無線通信装置以外の宛先の信号である場合に、例えば事前学習を行う前処理モードなどに移行し、干渉波成分に関する干渉波受信情報を記憶手段に記憶し、この干渉波受信情報に基づいて干渉波を選択的に受信可能な干渉波受信アンテナウエイトを生成することが可能となる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記干渉信号受信手段は、前記干渉波受信情報として干渉波に関する干渉相関行列を算出し、前記干渉相関行列に基づいて生成される干渉波受信アンテナウエイトを用いて干渉信号を受信するものとする。
この構成により、干渉波に関する干渉相関行列に基づいて干渉波受信アンテナウエイトを生成し、個々の干渉波を適切に選択受信することができる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記信号分離手段は、受信信号が当該無線通信装置宛の信号である場合に、前記干渉相関行列に基づいて生成される所望波分離受信アンテナウエイトを用いて所望信号を分離するものとする。
この構成により、受信信号が当該無線通信装置宛の信号である場合に、例えば通常受信を行う受信処理モードに移行し、干渉波が非定常に現れる状態でも、干渉波受信アンテナウエイトを用いた干渉波の選択受信により干渉波を十分に抑圧しながら、所望波分離受信アンテナウエイトを用いて適切に所望信号を分離受信することができる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記記憶手段は、前記干渉波受信情報として干渉波に関する干渉相関行列を個別に、あるいは送信元毎に分類して個別に記憶するものとする。
この構成により、干渉波に関する干渉相関行列を個別に、あるいは送信元ごとに分類して個別に記憶し、この干渉相関行列に基づいて干渉波受信アンテナウエイト及び所望波分離受信アンテナウエイトを生成、変更することで、非定常に現れる干渉波に対して、干渉波を十分なレベルまで抑圧して所望信号を受信することが可能となる。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記所望波分離受信アンテナウエイトで受信した所望信号の受信結果を基に、送信信号のレプリカを生成する送信レプリカ生成部と、前記送信レプリカ生成部の出力を基に、受信信号から所望信号の一つ以上をキャンセルする干渉キャンセル部と、前記干渉波レベル検出手段で検出された干渉信号の相関行列を用いて、干渉信号を抑圧する反復復号用ウエイトを生成する反復復号用ウエイト生成部と、前記干渉キャンセル部の出力に対し、前記反復復号用ウエイトを乗算する第2の信号分離手段とを有するものとする。
また、本発明は、上記の無線通信装置であって、前記所望波分離受信アンテナウエイトで受信した所望信号の受信結果を基に、送信信号のレプリカを生成する送信レプリカ生成部と、前記送信レプリカ生成部の出力を基に、受信信号から全ての所望信号をキャンセルして干渉信号成分を抽出し、前記干渉波レベル検出手段で検出された干渉信号の相関行列を更新する干渉相関行列更新部と、前記干渉相関行列更新部の出力を用いて、干渉信号を抑圧する反復復号用ウエイトを生成する反復復号用ウエイト生成部と、前記干渉キャンセル部の出力に対し、前記反復復号用ウエイトを乗算する第2の信号分離手段とを有するものとする。
本発明によれば、干渉波が定常的に存在しない状態においても、非定常に現れる干渉波に適応した空間的フィルタリングを実現でき、干渉除去能力を高めることが可能な無線通信装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における無線通信装置3を含む無線通信システムの構成を示す図である。ここでは、所望無線通信装置1と干渉源無線通信装置2−1〜Sとから送信信号が送出され、これらの送信信号を無線通信装置3において受信する場合を示している。それぞれの所望無線通信装置1、干渉源無線通信装置2−1〜S、無線通信装置3は、複数のアンテナを備えており、SDM伝送が可能となっている。本実施形態は、同一チャネルを繰り返し使用するマルチセル構成の無線通信システム等に好適なものである。
図1において、所望の送信信号源である所望無線通信装置1、及びこの所望無線通信装置1と同一または近接したキャリア周波数を用いるため干渉を与える干渉源となる干渉源無線通信装置2−1〜Sからの送信信号を、無線通信装置3が受信するものとする。なお、無線通信装置3は受信構成のみを示しており、送信構成の図示は省略している。
無線通信装置3は、複数(M個)のアンテナ4−1〜M、複数のアンテナ4−1〜Mで受信した各高周波信号を増幅処理、フィルタリング処理及びベースバンド信号への周波数変換処理を施し、各々をディジタル信号として取り出す受信部5−1〜M、受信部5の出力を基に干渉源無線通信装置2−1〜Sからの干渉信号を選択的に受信する干渉信号受信手段6、干渉信号を選択的に受信するための干渉波受信情報を記憶する記憶手段7、干渉信号受信手段6の出力を基に干渉波の受信レベルを検出する干渉波レベル検出手段8、所望無線通信装置1から送信されたNt個(ただし、Nt≧1)の送信系列を、複数アンテナ4で受信した受信信号から分離合成受信する信号分離手段9、及び分離受信したNt個の信号系列に対し、復調及び復号処理する信号系列受信処理手段10−1〜Ntを有して構成される。
本実施形態では、送信信号は無線LAN等で用いられるパケット伝送による通信信号を仮定しており、図2は通信信号のパケット構成の一例を示す図である。図2において、送信信号として伝送されるパケットは、予め既知の信号系列からなるトレーニング信号部(プリアンブル部)30、シグナリング部31、及びデータ部32を有してなる。トレーニング信号部30は、受信部5での増幅処理時の自動利得制御(AGC)、周波数同期、シンボルタイミング同期及び伝送路歪みの等化などに用いられる。シグナリング部31は、後続するデータ部32の送信元及び送信先の無線通信装置の固有識別信号、誤り訂正符号の符号化率、変調多値数等の情報を含む。
図3は、パケット伝送状況を説明する模式図であり、所望無線通信装置1から送信される自局宛パケット40に対する干渉源無線通信装置2からの送信信号タイミングを示している。干渉源無線通信装置2は、それぞれの備えたアンテナから同一チャネル干渉波となる電波を送信するが、常に全ての干渉源無線通信装置2から送信されているわけではなく、それぞれの送信タイミングで、異なるパケットサイズで、バースト的に送信される。図3において、Case1では、自局宛パケット40より大きいサイズの干渉源無線通信装置2の送信パケット41が伝送され、Case2、Case3では、自局宛パケット40より小さいサイズの干渉源無線通信装置2の送信パケット42、43が、異なるタイミングで伝送されている例を示す。
すなわち、Case1のように自局宛パケット40に対して、全期間に渡り干渉波の送信パケット41が存在する場合もあるし、Case2、Case3のように、自局宛パケット40の一部の期間に、干渉波の送信パケット42、43が存在する場合もある。送信パケット42が存在する期間T1と、送信パケット43が存在する期間T2とでは、干渉波の状態が変化する。このような状況において、干渉源無線通信装置2からの同一チャネル干渉波の送信状況が、無線通信装置3の干渉除去能力の範囲であれば、自局宛のパケットの受信が成功するが、干渉除去能力を超えた場合はパケット受信に失敗し、再送動作を行うことなる。
以下では、干渉源無線通信装置2からの同一チャネル干渉波の送信状況が、無線通信装置3の干渉除去能力の範囲であることを前提に、図1及び図4を用いて、その動作を説明する。図4は、無線通信装置3の自局宛パケットの受信時の動作を示すフローチャートである。なお、パケットはアクセスポイント間で、非同期に転送されるため、干渉源はランダム的に発生する。このため、図4の受信時動作は、繰り返し行われるものである。本実施形態は、干渉波の指向性、すなわち空間的な位置はほぼ一定であり、干渉波が非定常に発生して時間的に変化する場合に特に有効なものであり、このような場合を想定した動作を示している。例えば、無線LANなどのように各通信装置が自立分散的に動作し、ランダムにパケットが伝送される場合などに相当する。
まず、使用する周波数チャネルで、伝送パケットの有無を検出する(S21)。伝送パケットが存在する場合、そのトレーニング信号部に含まれる予め既知のトレーニング信号を用いて、周波数同期及びタイミング同期を確立し、さらに伝送路歪みを等化することで、トレーニング信号に続く伝送パケットのシグナリング部に含まれているパケット送信元及び送信先のアドレス情報を読みとり、自局宛のパケットであるかを検出する(S22)。ここで、自局宛以外のパケットを受信した場合、干渉波であるため、その干渉信号を学習する前処理モードへ移行(S23)し、自局宛のパケットを受信した場合、その送信信号を受信する受信処理モードへ移行する(S24)。
前処理モード(S23)では、干渉信号受信手段6において、トレーニング信号部の干渉相関行列RIを算出し、これを干渉波受信情報として記憶手段7において記憶する。ここで、干渉相関行列RIは、第n番目の自局宛以外のパケットを受信した時の干渉相関行列を示し、トレーニング信号を用いて算出される伝送路歪み(以下、チャネル推定値)h(j、k)を用いて算出する。ここでh(j、k)は、第n番目の干渉源無線通信装置2−nの第k番目のアンテナから送信され、無線通信装置3の第j番目のアンテナ4−jで受信する際のチャネル推定値を表す。なお、第n番目の干渉源無線通信装置2−nは、NIt(n)個のアンテナをもち、NIt(n)は1以上の自然数とする。フラットフェージング伝送路を仮定した場合、第n番目の自局宛以外のパケットを受信した場合の干渉相関行列RIは、下記(数1)のように算出される。
Figure 0004939888
ここで、B(n)はM行NIt(n)列の行列であり、その第j行k列の要素はh(j、k)からなる。上付きの添え字Hはベクトル共役転置演算子を示す。また、Pは雑音電力推定値、EはM次の単位行列を示す。
なお、干渉相関行列RIの別な算出方法として、トレーニング信号を用いて算出されるチャネル推定値を用いずに算出する方法もある。この場合、下記の(数2)を用いる。
Figure 0004939888
ここで、x(t、n)はM次の列ベクトルであり、第j番目の要素は、無線通信装置3の第j番目のアンテナ4−jで、第n番目の自局宛以外のパケットを受信した場合のベースバンド信号を時刻tでサンプリングされた信号を示す。また、dtはサンプリング時間間隔、tはサンプリング開始時刻、Nsはサンプリングされたデータ数である。この場合、干渉相関行列RIは、パイロット信号を用いずに算出することができるため、データ部の信号を用いても算出することが可能である。データ部に含まれる信号が十分長い場合は、干渉相関行列RIを精度よく推定することができる。
以上のように得られた干渉相関行列RIを用いて、記憶手段7において記憶内容を更新する。更新手法として、以下のような3つの手法のいずれか、または、複数を組み合わせて用いる。
1)重み付け平均化した干渉相関行列を算出する。
この場合、重み付け平均化した干渉相関行列に基づく干渉波受信アンテナウエイトにより干渉信号を受信することができるため、干渉信号受信手段6及び記憶手段7の構成を簡易化することが可能となる。一方、重み付け平均化された干渉相関行列を用いた所望波分離受信アンテナウエイトによる受信信号は、所望波信号を受信すると共に、前処理モードにおいて受信された強勢なレベルの干渉信号を常に優先的に抑圧する動作となり、個々の干渉信号を最適なレベルまで抑圧して受信することはできない。よって、この方法は万能であるものの、干渉波を十分に抑圧できない場合がある。
2)干渉相関行列RIを、個別に、そのまま記憶させる。記憶できる干渉相関行列数が所定数NIを超えた場合、受信電力が高い干渉相関行列RIを、順に、所定数NI個分の干渉相関行列を記憶する。ただし、kはNI以下の自然数を示す。
この場合、複数の干渉相関行列RIに対し、干渉波受信アンテナウエイトを設けて干渉信号を受信する構成となるため、干渉信号受信手段6及び記憶手段7の構成は複雑化する。一方、重み付け平均化された干渉相関行列を用いた所望波分離受信アンテナウエイトによる受信信号は、所望波信号を受信すると共に、前処理モードにおいて受信された強勢なレベルの干渉信号のそれぞれに対し、十分なレベルまで抑圧して受信することが可能となる。
3)送信元のアドレス情報毎に分類して、干渉相関行列RIを個別に記憶させる。同じ送信元のアドレスである干渉相関行列が複数検出された場合は、重み付け平均化後に記憶する。また、記憶できる干渉相関行列数が所定数NIを超えた場合、受信電力が高い干渉相関行列RIの送信元のアドレス情報を優先して、所定数NI個分の干渉相関行列を記憶する。ただし、kはNI以下の自然数を示す。
この場合、2)の効果に加え、一つの送信元に対応して、一つの干渉相関行列を記憶手段7において記憶することができる。これにより、1つの送信元に対し、複数の干渉波受信アンテナウエイトを設けて干渉信号を受信することが無くなり、干渉信号受信手段6及び記憶手段7のそのような重複による構成の複雑化を避けることができる。また、送信元の空間的変動がない場合、共通な送信元毎に平均化処理を加えるため干渉相関行列の雑音成分を低減でき、その結果、その干渉相関行列を用いた所望波分離受信アンテナウエイトによる干渉抑圧効果を高めることができる。よって、この方法が一番効率的に干渉波を十分なレベルまで抑圧できる。
なお、十分な電力レベルの信号があるにもかかわらず、伝送パケットのシグナリング部の情報が読みとれないような異種の通信システムからの干渉が存在する場合は、上記(数2)で示すようにトレーニング信号によるチャネル推定値を用いない干渉相関行列RIを算出し、記憶手段7を更新し、再度、S21にもどり、伝送パケットの有無を確認する。そして、干渉波が複数ある場合は他の干渉波についても同様の処理を繰り返す。
以上の自局宛以外のパケットを受信した場合の干渉相関行列RIを記憶するまでの処理が、前処理モード(S23)である。
次に、受信処理モードへ移行(S24)した場合の動作説明を行う。なお、以下では、トレーニング信号部のトレーニング信号を用いた周波数同期、位相同期、シンボル同期確立後の動作を説明する。無線通信装置3における複数アンテナ4で受信された高周波信号は、それぞれ受信部5−1〜Mにおいて、増幅処理、フィルタリング処理及び周波数変換処理の後に直交検波され、IQ平面上のベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号を、A/D変換器を用いて複素ディジタル信号で表現される受信信号ベクトルy(k)として出力する。以下、kはサンプリングされた信号の離散時刻を示す。
この場合、所望無線通信装置1のNt個の各アンテナから送信される送信系列x(k)からなる送信系列ベクトルx(k)=[x(k)、...、xNt(k)]に対し(上付き添え字Tはベクトル転置演算子)、フラットフェージング伝搬路を通して得られる離散時刻kにおける無線通信装置3での受信信号ベクトルy(k)は、下記(数3)のように示される。
Figure 0004939888
ここで、y(k)は受信に用いるM個のアンテナ4での受信信号を要素として含む列ベクトルであり、アンテナ4−mで受信された信号y(k)を第m番目の要素とする。また、Hは所望無線通信装置1の送信系列x(k)が受ける伝搬路変動を示すチャネル応答行列である。ここで、Hは(無線通信装置3のアンテナ数M)行×(所望無線通信装置1における送信アンテナ数Nt)列からなる行列であり、そのi行j列の行列要素hijは、所望無線通信装置1における第j番目の送信アンテナから送信された信号x(k)が、無線通信装置3における第i番目のアンテナ4−iで受信される場合の伝搬路変動を示す。
また、n(k)は無線通信装置3のM個の受信アンテナ4で受信時に付加される雑音成分ベクトルである。また、I(k)は干渉源無線通信装置2−1〜Sのうち一つまたは複数から送信される干渉信号成分を表す。なお、干渉源無線通信装置2からの送信信号が存在しない場合はI(k)=0となる。
このような無線通信装置3の受信信号ベクトルy(k)は、干渉信号受信手段6及び信号分離手段9に入力される。
干渉信号受信手段6は、記憶手段7から前処理モードで得られた一つまたは複数の干渉相関行列RIを読み出し、干渉信号電力I(k)を、空間的なフィルタリングにより選択的に受信できる干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIを算出する。なお、干渉相関行列RIが複数あれば、複数の出力z(k)を算出して、後述する干渉波レベル検出手段8で、しきい判定することで、干渉波の特定を行う。この干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIは、干渉信号を最大化するような(干渉波のSINRが最大となる)アンテナウエイトとなる。そして、下記(数4)で示すように受信信号ベクトルy(k)との積和演算を行い、第n番目の干渉波成分信号z(k)を抽出する。
Figure 0004939888
ここで、nは記憶手段7で記憶された干渉相関行列の個数NI以下の自然数であり、z(k)は、干渉源無線通信装置2が送信した空間多重ストリーム数の要素を持つ列ベクトルからなる。また、上付きの添え字Hはベクトル共役転置演算子を示す。ここで、空間多重ストリーム数とは、例えば、次世代の無線LAN規格IEEE801.11nにおいてMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)による空間多重伝送を行う場合に、1つの信号(パケット)を複数のデータストリームに分割して空間的に多重して伝送するようなことが行われ、このときのデータストリームの数に相当する。
なおこのとき、干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIの算出は以下のような手法を適用する。
1)[方式1]干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIとして下記の(数5)を用いる。
Figure 0004939888
ここで、U (n)は、干渉相関行列RIを固有値分解して得られるM個の固有値の内、干渉源無線通信装置2が送信した空間多重ストリーム数の分、大きい順に固有値を取り出し、それに対応する固有ベクトルを列ベクトル成分に持つ。ここでk=1、...、Mである。これにより、干渉相関行列RIの生成時に到来していた干渉波の電力を最大化するように干渉波を受信することができる。
また、記憶手段7における動作を変更することで、別な干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIの算出として以下のような手法の適用が可能である。
2)[方式2]前処理モードにおいて得られるRIを記憶手段7において記憶する代わりに、前処理モードにおいて得られるB(n)を記憶させる。この場合、干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIとして、下記の(数6)を用いる。
Figure 0004939888
ここで、Dは、下記の(数7)により算出され、Hは所望無線通信装置1の送信系列x(k)が受ける伝搬路応答行列Hの推定値であり、δは雑音電力推定値、EはM次の正方行列を示す(ただし、Mは無線通信装置3における受信アンテナブランチ数)。これにより、所望信号を抑圧した上で、干渉相関行列RIの生成時に到来していた干渉波の電力を選択的に受信することができる。
Figure 0004939888
一方、信号分離手段9は、受信信号ベクトルy(k)を入力として、所望無線通信装置1から送信される送信系列x(k)を、所望波分離受信アンテナウエイトWDを用いて、WD y(k)とすることで分離受信する。ここで、nはNt以下の自然数であり、Nt≧1である。すなわち、Nt=1の場合は、いわゆるダイバーシチ受信動作を行い、Nt>1の場合は、空間多重伝送された送信信号を分離受信するSDM受信動作となる。以下に信号分離手段9を中心にした所望波の分離受信動作について説明する。
図5は信号分離手段9及び干渉波レベル検出手段8を含めた動作を示すフローチャートである。以下図5を用いて、その動作説明を行う。
まず、初期の所望波分離受信アンテナウエイトWDとして下記の(数8)を算出する(S50)。この所望波分離受信アンテナウエイトWDは、所望波のSINRが最大となるようなアンテナウエイトとなる。
Figure 0004939888
ここで、WDはM行Nt列の行列からなりその第n列はWDからなる。Rは、下記の(数9)により算出される。また、Hは所望無線通信装置1の送信系列x(k)が受ける伝搬路応答行列Hの推定値、δは雑音電力推定値、ENtはNt次の正方行列を示す(ただし、Mは無線通信装置3における受信アンテナブランチ数)。なお、伝搬路応答行列Hの推定値H及び雑音電力推定値δは、自局宛のパケット信号におけるトレーニング信号部の既知信号系列から推定値を得る。
Figure 0004939888
なお、上記はMMSE手法に基づく信号分離手法であるが、これに限定されず、ZF、MLD(Maximum likelihood Detection)等の手法の適用も可能である。
次に、干渉波レベル検出手段8は、干渉信号受信手段6の出力z(k)に基づき干渉波成分電力P=||z(k)||を検出し、干渉波成分電力Pが所定値LIを超えた場合(S51)、信号分離手段9における所望波分離受信アンテナウエイトWDを更新する(S52)。一方、干渉波成分電力Pが所定値LIを超えない場合、信号分離手段9における所望波分離受信アンテナウエイトWDを更新せずに維持する(S53)。例えば、図3に示したように、Case1、Case2、Case3のように干渉波が発生する場合、Case2、Case3が、順次発生する期間T1とT2との間で、所望波分離受信アンテナウエイトWDを変更すればよい。
干渉波レベル検出手段8は、所望波分離受信アンテナウエイトWDを更新する場合、以下のような新たな所望波分離受信アンテナウエイトWDを算出し、信号分離手段9に結果を出力する。
1)[方式3]: 上述した[方式1]における干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIとして上記(数5)を用いた場合、下記の(数10)に基づいて、所望波分離受信アンテナウエイトWDを更新する。
Figure 0004939888
ここで、Wは下記の(数11)により算出され、またv (n)は、干渉相関行列RIを固有値分解して得られるM個の固有値を、小さい順にNt個取り出したときの固有値に対応する固有ベクトル(ただしk=1、...、Nt)であり、Qは下記の(数12)により与えられる。この所望波分離受信アンテナウエイトWDは、所望波の電力を最大化するとともに、対応する干渉波を所定レベル以下に抑圧するようなアンテナウエイトとなる。これにより、干渉相関行列RIの生成時に起因する干渉波を抑圧した上で、所望信号を選択的に受信することができる。なお、所定値LIを超える干渉波成分電力が複数ある場合(Pn0,Pn1,...)、当該の干渉相関行列(RIn0,RIn1,...)を加算合成した干渉相関行列RI(= aRIn0+aRIn1+...)を用いる(ただし、a、a、...は重み係数)。すなわち、各干渉波成分に対応する干渉相関行列毎に重み付けをして、合成する形となる。
Figure 0004939888
Figure 0004939888
2)[方式4]: 上述した[方式2]における前処理モードにおいて得られるRIを、記憶手段7において記憶する代わりに、前処理モードにおいて得られるB(n)を記憶させ、干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIとして上記(数6)を用いた場合、下記の(数13)に基づいて所望波分離受信アンテナウエイトWDを更新する。
Figure 0004939888
ここで、Wは下記の(数14)で、Fは下記の(数15)で、Qは下記の(数16)により示される。なお、(数15)における定数aは、干渉抑圧効果を可変するパラメータであり、aが大きくなるほど、所望波受信電力を高めるよりも干渉抑圧を優先する空間フィルタリング動作となる。この所望波分離受信アンテナウエイトWDは、所望波の電力を最大化するとともに、対応する干渉波を所定レベル以下に抑圧するようなアンテナウエイトとなる。これにより、干渉相関行列RIの生成時に起因していた干渉波を抑圧した上で、所望信号を受信することができる。なお、所定値LIを超える干渉波成分電力が複数ある場合(Pn0,Pn1,...)、当該の干渉チャネル応答行列(B(n),B(n),...)から生成される相関行列を加算合成した相関行列B(n)B(n)(= aB(n)B(n)+aB(n)B(n)+...)を用いる(ただし、a、a、...は重み係数)。すなわち、各干渉波成分に対応する干渉相関行列ごとに重み付けをして合成する形となる。
Figure 0004939888
Figure 0004939888
Figure 0004939888
なお、信号分離手段9は、所望波分離受信アンテナウエイトWDの乗算を、2つのウエイト乗算部に分けて実施してもよい。以下、その構成の説明を行う。図6は、信号分離手段を2つのウエイト乗算部に分けて構成した無線通信装置の第1変形例の構成を示すブロック図である。図6に示す第1変形例の無線通信装置3b−1において、信号分離手段9aは、第1のウエイト乗算部90と第2のウエイト乗算部91とを有して構成される。
第1のウエイト乗算部90で用いるウエイトは、(数10)または(数13)に示すように所望波分離受信アンテナウエイトWDにおけるWで示され、無線通信装置3b−1の受信信号ベクトルy(k)に対し、A(k)=W y(k)となるように乗算する。これにより、受信信号ベクトルy(k)に含まれる干渉波の受信電力を抑圧した信号を得ることができる。
次に、第2のウエイト乗算部91で用いるウエイトは、(数10)または(数13)に示すように所望波分離受信アンテナウエイトWDにおける(Q −1を、第1のウエイト乗算部の出力A(k)に対して、(Q −1A(k)となるように乗算する。これにより、受信信号ベクトルy(k)に含まれる干渉波の受信電力を抑圧した信号A(k)から、Nt個の所望波信号を分離受信することができる。
なお、所望波の空間多重数が1である場合は、信号電力を最大化する最大比合成ウエイトを用いる。これにより、複数アンテナ受信によるダイバーシチ効果を高めることで、受信品質を高めることができる。
このように信号分離手段9aを2つのウエイト乗算部に分けて構成することで、第1のウエイト乗算部90において、干渉波を低減した出力信号A(k)を取り出すことができる。この性質を用いて、干渉波信号の影響を低減した信号を用いて、チャネル推定値を再度算出する構成を用いることが可能となる。
図7は、チャネル推定値を再度算出するようにした無線通信装置の第2変形例の構成を示すブロック図である。図7に示す第2変形例の無線通信装置3b−1において、再チャネル推定部95は、干渉波の低減した出力信号A(k)に含まれるチャネル推定用の予め既知であるパイロット信号を抽出して、チャネル推定を行う。これにより得られたチャネル推定値Hを用いて、第2のウエイト乗算部91で用いるウエイトを算出する。
ここで、再チャネル推定部95は、上述した所望波分離受信アンテナウエイトWDの更新方法のうち、[方式3]の場合は(数12)の代わりに下記(数17)に示されるQを用いて、所望波分受信用のウエイトを算出する。また、[方式4]の場合は(数16)の代わりに下記(数18)に示されるQを用いて、所望波分受信用のウエイトを算出する。
Figure 0004939888
Figure 0004939888
このように、干渉波信号成分を低減した信号を用いて、チャネル推定値を算出することによって、所望波分離するウエイトをより正確に求めることができる。これにより、所望波に対する受信品質を高めることができる効果が得られる。
また、さらに、第1のウエイト乗算部におけるウエイトを、複数アンテナM個の内、Mより小さいk個からなるサブアレーの組にして、干渉波受信電力を抑圧するウエイトを生成してもよい。
図8は、信号分離手段の第1のウエイト乗算部におけるウエイトを複数のサブアレーの組にして構成した無線通信装置の第3変形例の構成を示すブロック図である。図8に示す第3変形例の無線通信装置3b−3において、信号分離手段9bに含まれる第1のウエイト乗算部90は、さらに、複数のサブアレーウエイト乗算部92を備える。ここで、図8ではアンテナ数M=3の時に、M=3のアンテナからk=2のサブアレーのアンテナ数を構成する場合の例を示している。この場合、3(=)通りのサブアレーの組み合わせがあるため、3つのサブアレーウエイト乗算部92−1〜92−3を有する。第m番目のサブアレーウエイトの生成は、(数11)あるいは(数14)で示されるWの算出時に当該のアンテナ番号に関わる行列またはベクトル要素を取り出した形で置換することによって算出することができる。
このように、干渉波受信電力を抑圧するウエイトWの生成時には、固有値分解や、逆行列演算が含まれるが、サブアレー化して、行列の次数を下げることで、演算量を大幅に削減できるという効果が得られる。
続いて、信号系列受信処理手段10は、信号分離手段9からのNt個の出力信号に対し、所定の変調方式によるシンボルデータ列からビットデータ列に変換するデマッピング処理、送信側で施されたインターリーブと逆の動作によりビット順を復元するデインタリーバ処理、入力されるビットデータ列に対し誤り訂正復号処理などを施し、送信ビット系列を復元する受信処理を行う。
以上のような動作により、本実施形態では、非通信時には、前処理モードとして複数の干渉源無線通信装置2からの信号を予め受信しておき、その結果得られる干渉相関行列RIを基に、干渉源無線通信装置2からの送信信号を選択的に受信できる干渉波受信アンテナウエイトWIを準備する。
通信時には受信処理モードに移行し、通常受信すると共に、干渉波受信アンテナウエイトWIで受信された信号電力に基づき、干渉波成分の変動を検出し、干渉を与える干渉源無線通信装置2が出現、または変化した場合、新たな干渉相関行列を用いて干渉低減する所望波分離受信アンテナウエイトWDを適応的に変更することができる。
これにより、非定常に現れる干渉波に適応した空間的フィルタリングを実現でき、干渉除去能力を高めることで通信品質の安定化を図ることができる。例えば、異なる干渉波源から非定常に同一チャネル干渉が発生する場合でも、安定した受信品質を得ることができる。
また、無線LANの通信システムにおいては、隠れ端末またはPCF(Point Coordination Function)動作をしている他BSS(Basic Service Set)からの同一チャネル干渉が存在した場合、所望でない送信元からの干渉信号を抑圧できない恐れがある。このような場合でも、本実施形態を適用すれば、シンボル同期が可能なレベルでの干渉を受けている場合に干渉耐性を向上することができ、伝送品質の向上が可能である。
なお、所望波分離受信アンテナウエイトを可変する場合の別な簡易的な手法として、受信信号y(n)の信号対干渉雑音電力比SIRを検出し、検出値が所定レベルを超える場合、干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIを更新する動作としてもよい。この際の干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIとしては、SIRが最大となるウエイトを選択する。
また、干渉相関行列RIの別な算出方法として、A)自局宛のパケット受信時に、トレーニング信号に無信号となるタイミングが含まれる場合、この無信号タイミングで、上記(数2)を用いて干渉相関行列を算出してもよい。これにより自局宛のパケット受信時に、同一チャネル干渉を与える干渉源の干渉相関行列を精度良く検出することができる。
また、干渉相関行列RIのさらに別の算出方法として、B)自局宛のパケット受信時のデータ部において、上記(数2)を用いて得られる相関行列を用いてもよい。この場合、相関行列の算出するタイミング及び算出範囲をずらして、データ部で複数のブロックに分割し、それらを干渉相関行列RIとする。これにより、自局宛のパケット受信時に、同一チャネル干渉を与える干渉源の干渉相関行列を、時間的にずらしながら算出するため、干渉波源が時間的に変動する場合の追従性能を高めることができる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態における無線通信装置3aの構成を示す図である。第1の実施形態では、シングルキャリアを用いる伝送方式を用いたが、第2の実施形態では、マルチキャリア伝送としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いる無線通信システムに適用する例を示す。このため、無線通信装置3aは、第1の実施形態とは一部の構成が異なり、サブキャリア毎に処理系を備えている。
第2の実施形態の無線通信装置3aは、サブキャリア毎に、干渉信号受信手段61−1〜Nc、記憶手段62−1〜Nc、信号分離手段64−1〜Ncを備えている。また、干渉波レベル検出手段63は、全ての干渉信号受信手段61−1〜Ncの出力結果を統合して、信号分離手段64−1〜Ncにおける所望波分離受信アンテナウエイトを更新するか判定する。すなわち、OFDMの全サブキャリアにおける干渉信号の受信結果を基に、干渉波成分のレベル検出を行い、このレベル検出結果に応じて所望波分離受信アンテナウエイトを可変する。その他の構成は第1の実施形態と同様であり、以下では第1の実施形態とは異なる部分の構成及び動作を主に説明する。なお、OFDM変調及び復調方法に関しては、文献(尾知博、上田健二 共著、「OFDMシステム技術とMATLABシミュレーション解説」、トリケップス、2002年)に情報開示されており、ここではその詳細説明は省略する。
第2の実施形態においても、第1の実施形態の図1に示すものと同様に、所望無線通信装置1及び所望無線通信装置1と同一または近接したキャリア周波数を用いるため干渉を与える干渉源無線通信装置2−1〜Sからの送信信号を、無線通信装置3aが受信するものとする。なお、無線通信装置3aは受信構成のみを示しており、送信構成の図示は省略している。
無線通信装置3aにおいて、複数(M個)のアンテナ4−1〜Mでの受信信号を基にして、受信部5−1〜Mの出力が得られるまでの動作は、第1の実施形態と同様である。OFDM復調手段60−1〜Mは、それぞれ図示されていないGI(ガードインターバル)除去手段、IFFT手段、直列並列変換手段を含み、OFDM復調を施し、Nc個のサブキャリア毎のシンボルデータ系列を出力する。ここで、離散時刻kにおける第fs番目のサブキャリア毎のシンボルデータ系列をY(k、fs)と表記する。なお、Y(k、fs)は受信に用いるアンテナ数M個で受信された信号を要素として含む列ベクトルである。すなわち、アンテナ4−mで受信された信号y(k、fs)を第m番目の要素とする。ただし、fs=1〜Ncである。
以下、この信号を用いた動作を、第1の実施形態と同様に図4を用いて説明する。まず、使用する周波数チャネルで、伝送パケットの有無を検出する(S21)。伝送パケットが存在する場合、そのトレーニング信号部に含まれる予め既知のトレーニング信号を用いて、周波数同期及びタイミング同期を確立し、さらに伝送路歪みを等化することで、トレーニング信号に続く伝送パケットのシグナリング部に含まれているパケット送信元及び送信先のアドレス情報を読みとり、自局宛のパケットであるかを検出する(S22)。ここで、自局宛以外のパケットを受信した場合、干渉波であるため、その干渉信号を学習する前処理モードへ移行(S23)し、自局宛のパケットを受信した場合、その送信信号を受信する受信処理モードへ移行する(S24)。
前処理モード(S23)では、サブキャリアfs毎に干渉信号受信手段61−fsにおいて、トレーニング信号部の干渉相関行列RI(fs)を算出し、記憶手段62−fsにおいて記憶する。ここで、干渉相関行列RI(fs)は、第n番目の自局宛以外のパケットを受信した時の干渉相関行列を示し、トレーニング信号を用いて算出される伝送路歪み(以下、チャネル推定値)h(j、k、fs)を用いて算出する。ここでh(j、k、fs)は、第n番目の干渉源無線通信装置2−nの第k番目のアンテナから送信され、無線通信装置3aの第j番目のアンテナ4−jで受信する際のチャネル推定値を表す。なお、fs=1、...、Ncであり、第n番目の干渉源無線通信装置2−nは、NIt(n)個のアンテナをもち、NIt(n)は1以上の自然数とする。
ここで、干渉源無線通信装置2−1〜Sから送信される信号は、伝搬路におけるマルチパスの先行波からの相対的な遅延時間がガードインターバル(GI)範囲内であれば、周波数選択性フェージング環境を、サブキャリア単位ではフラットフェージング伝搬環境と等価に扱うことができる。このため、フラットフェージング伝送路を仮定した場合、第n番目の自局宛以外のパケットを受信した場合の干渉相関行列RI(fs)は、下記(数19)のように算出される。
Figure 0004939888
ここで、B(n、fs)はM行NIt(n)列の行列であり、その第j行k列の要素はh(j、k、fs)からなる。上付きの添え字Hはベクトル共役転置演算子を示す。また、Pは雑音電力推定値、EはM次の単位行列を示す。
なお、干渉相関行列RI(fs)の別な算出方法として、トレーニング信号を用いて算出されるチャネル推定値を用いずに算出する方法もある。この場合、下記の(数20)を用いる。
Figure 0004939888
ここで、Y(k、fs)はM次の列ベクトルであり、第j番目の要素は、無線通信装置3aの第j番目のアンテナ4−jで、第n番目の自局宛以外のパケットを受信した場合のサブキャリアfsのベースバンド信号を時刻tでサンプリングされた信号を示す。また、dtはサンプリング時間間隔、tはサンプリング開始時刻、Nsはサンプリングされたデータ数である。この場合、干渉相関行列RIは、パイロット信号を用いずに算出することができるため、データ部の信号を用いても算出することが可能である。データ部に含まれる信号が十分長い場合は、干渉相関行列RIを精度よく推定することができる。
以上のように得られた干渉相関行列RIn(fs)を用いて、サブキャリア毎の記憶手段62−fsにおいて記憶内容を更新する。更新手法として、第1の実施形態と同様、以下のような3つの手法のいずれか、または、複数を組み合わせて用いる。
1)重み付け平均化した干渉相関行列を算出する。
2)干渉相関行列RI(fs)を個別にそのまま記憶させる。記憶できる干渉相関行列数が所定数NIを超えた場合、受信電力が高い干渉相関行列RI(fs)を順に所定数NI個分の干渉相関行列を記憶する。ただし、kはNI以下の自然数を示す。
3)送信元のアドレス情報毎に分類して、干渉相関行列RI(fs)を個別に記憶させる。同じ送信元のアドレスである干渉相関行列が複数検出された場合は、重み付け平均化後に記憶する。また、記憶できる干渉相関行列数が所定数NIを超えた場合、受信電力が高い干渉相関行列RI(fs)の送信元のアドレス情報を優先して所定数NI個分の干渉相関行列を記憶する。ただし、kはNI以下の自然数を示す。
これらの3つの手法のそれぞれの作用効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
なお、十分な電力レベルの信号があるにもかかわらず、伝送パケットのシグナリング情報が読みとれないような異種の通信システムからの干渉が存在する場合は、上記(数20)で示すようにトレーニング信号によるチャネル推定値を用いない干渉相関行列RIを算出し、記憶手段62−fsを更新する。
以上の自局宛以外のパケットを受信した場合の干渉相関行列RI(fs)を記憶するまでが前処理モード(S23)である。
次に、受信処理モードへ移行(S24)した場合の説明を行う。なお、以下では、トレーニング信号部のトレーニング信号を用いた周波数同期、位相同期、シンボル同期確立後の動作を説明する。無線通信装置3aにおける複数アンテナ4、受信部5を通して得られる受信信号は、受信信号ベクトルY(k、fs)として出力される。以下、kはサンプリングされた信号の離散時刻を示す。
所望無線通信装置1のNt個の各アンテナから送信されるサブキャリア毎の送信系列X(k、fs)からなる送信系列ベクトルX(k、fs)=[ X(k、fs)、...、XNt(k、fs)]に対し(上付き添え字Tはベクトル転置演算子)、伝搬路におけるマルチパスの、先行波からの相対的な遅延時間がガードインターバル(GI)範囲内であれば、周波数選択性フェージング環境を、サブキャリア単位ではフラットフェージング伝搬環境として扱うことができる。このため、離散時刻kにおける無線通信装置3aでのサブキャリアfsの受信信号ベクトルY(k、fs)は、下記(数21)のように示される。
Figure 0004939888
ここで、Y(k、fs)は受信に用いるM個のアンテナ4での受信信号を要素として含む列ベクトルであり、アンテナ4−mで受信されたサブキャリアfsの信号y(k、fs)を第m番目の要素とする。また、H(fs)は所望無線通信装置1の送信系列X(k、fs)が受ける伝搬路変動を示すチャネル応答行列である。ここで、H(fs)は(無線通信装置3aのアンテナ数M)行×(所望無線通信装置1における送信アンテナ数Nt)列からなる行列であり、そのi行j列の行列要素hijは、所望無線通信装置1における第j番目の送信アンテナから送信された信号X(k、fs)が、無線通信装置aにおける第i番目のアンテナ4−iで受信される場合の伝搬路変動を示す。
また、n(k、fs)は無線通信装置3aのM個の受信アンテナ4で受信時に付加されるサブキャリアfsの雑音成分ベクトルである。また、I(k、fs)は干渉源無線通信装置2−1〜Sのうち一つまたは複数から送信されるサブキャリアfsにおける干渉信号成分を表す。なお、干渉源無線通信装置2からの送信信号が存在しない場合はI(k、fs)=0となる。
このような無線通信装置3aの受信信号ベクトルY(k、fs)は、対応するサブキャリア毎の干渉信号受信手段61−fs及び信号分離手段64−fsに入力される。ここでfs=1、...、Ncである。
干渉信号受信手段61−fsは、記憶手段62−fsから前処理モードで得られた一つまたは複数の干渉相関行列RI(fs)を読み出し、干渉信号電力I(k、fs)を空間的なフィルタリングにより選択的に受信できる干渉波受信アンテナウエイトベクトルWI(fs)を算出する。そして、下記(数22)で示すように受信信号ベクトルY(k、fs)との積和演算を行い、第n番目の干渉波成分信号Z(k、fs)を抽出する。
Figure 0004939888
ここで、nは記憶手段62−fsで記憶された干渉相関行列の個数NI以下の自然数であり、Z(k、fs)は、干渉源無線通信装置2が送信した空間多重ストリーム数の要素を持つ列ベクトルからなり、上付きの添え字Hはベクトル共役転置演算子を示す。
なおこのとき、サブキャリアfsの干渉波受信アンテナウエイトベクトルWI(fs)の算出は以下のような手法を適用する。
1)[方式5]干渉波受信アンテナウエイトベクトルWI(fs)として、下記の(数23)を用いる。
Figure 0004939888
ここで、U (n)(fs)は、干渉相関行列RI(fs)を固有値分解して得られるM個の固有値の内、干渉源無線通信装置2が送信した空間多重ストリーム数の分、大きい順に固有値を取り出し、それに対応する固有ベクトルを列ベクトル成分に持つ。ここでk=1、...、Mである。これにより、干渉相関行列RI(fs)の生成時に到来していた干渉波の電力を最大化するように干渉波を受信することができる。
また、記憶手段62−fsにおける動作を変更することで、別な干渉波受信アンテナウエイトベクトルWI(fs)の算出として以下のような手法の適用が可能である。
2)[方式6]前処理モードにおいて得られるRI(fs)を記憶手段62−fsにおいて記憶する代わりに、前処理モードにおいて得られるB(n、fs)を記憶させる。この場合、干渉波受信アンテナウエイトベクトルWI(fs)として、下記の(数24)を用いる。
Figure 0004939888
ここで、D(fs)は、下記の(数25)により算出され、He(fs)は所望無線通信装置1のサブキャリアfsにおける送信系列x(k、fs)が受ける伝搬路応答行列H(fs)の推定値であり、δは雑音電力推定値、EはM次の正方行列を示す(ただし、Mは無線通信装置3aにおける受信アンテナブランチ数)。これにより、所望信号を抑圧した上で、干渉相関行列RI(fs)の生成時に到来していた干渉波の電力を選択的に受信することができる。
Figure 0004939888
一方、各サブキャリアfsにおける信号分離手段64−fsは、受信信号ベクトルY(k、fs)を入力として、所望無線通信装置1から送信される送信系列x(k、fs)を、所望波分離受信アンテナウエイトWD(fs)を用いてWD(fs)Y(k、fs)とすることで分離受信する。ここで、nはNt以下の自然数であり、Nt≧1である。すなわち、Nt=1の場合は、いわゆるダイバーシチ受信動作を行い、Nt>1の場合は、空間多重伝送された送信信号を分離受信するSDM受信動作となる。以下に信号分離手段64−fs及び干渉波レベル検出手段63を中心にした所望波の分離受信動作について、第1の実施形態と同様に図5を用いて説明する。
まず、初期の所望波分離受信アンテナウエイトWD(fs)として下記の(数26)を算出する(S50)。
Figure 0004939888
ここで、WD(fs)はM行Nt列の行列からなり、その第n列はWDからなる。R(fs)は、下記の(数27)により算出される。また、He(fs)は所望無線通信装置1のサブキャリアfsの送信系列x(k、fs)が受ける伝搬路応答行列H(fs)の推定値、δは雑音電力推定値、ENtはNt次の正方行列を示す(ただし、Mは無線通信装置3aにおける受信アンテナブランチ数)。なお、伝搬路応答行列H(fs)の推定値He(fs)及び雑音電力推定値δは、自局宛のパケット信号におけるトレーニング信号部の既知信号系列から推定値を得る。
Figure 0004939888
なお、上記はMMSE手法に基づく信号分離手法であるが、これに限定されず、ZF、MLD(Maximum likelihood Detection)等の手法の適用も可能である。
次に、干渉波レベル検出手段63は、サブキャリア毎の干渉信号受信手段61−fsの出力Z(k、fs)に基づき、下記の(数28)に示す干渉波成分電力Pを検出する。
Figure 0004939888
全サブキャリアにおいて検出した干渉波成分電力Pが所定値LIを超えた場合(S51)、各サブキャリアの信号分離手段64−fsにおける所望波分離受信アンテナウエイトWD(fs)を更新する(S52)。一方、干渉波成分電力Pが所定値LIを超えない場合、信号分離手段64−fsにおける所望波分離受信アンテナウエイトWD(fs)を更新せずに維持する(S53)。なお、干渉波レベル検出手段63において、全サブキャリアの干渉波成分電力Pを検出するのではなく、必要に応じて特定のサブキャリアの干渉波成分電力を検出するようにしてもよく、その検出レベルに応じて所望波分離受信アンテナウエイトを更新するかどうか判定することもできる。
各サブキャリアの干渉波レベル検出手段63−fsは、所望波分離受信アンテナウエイトWD(fs)を更新する場合、以下のような新たな所望波分離受信アンテナウエイトWD(fs)を算出し、信号分離手段64−fsに結果を出力する。
1)[方式7]干渉波受信アンテナウエイトベクトルWI(fs)として上記(数23)を用いた場合、下記の(数29)に基づいて所望波分離受信アンテナウエイトWD(fs)を更新する。
Figure 0004939888
ここで、Wは下記の(数30)により算出され、またv (n)は、干渉相関行列RI(fs)を固有値分解して得られるM個の固有値を小さい順にNt個取り出したときの固有値に対応する固有ベクトル(ただしk=1、...、Nt)であり、Q(fs)は下記の(数31)により与えられる。これにより、干渉相関行列RI(fs)の生成時に起因する干渉波を抑圧した上で、所望信号を選択的に受信することができる。なお、所定値LIを超える干渉波成分電力が複数ある場合(Pn0(fs),Pn1(fs),...)、当該の干渉相関行列(RIn0(fs),RIn1(fs),...)を加算合成した干渉相関行列RI(fs)(= aRIn0(fs)+aRIn1(fs)+...)を用いる(ただし、a、a、...は重み係数)。
Figure 0004939888
Figure 0004939888
2)[方式8]前処理モードにおいて得られるRI(fs)を記憶手段62−fsにおいて記憶する代わりに、前処理モードにおいて得られるB(n、fs)を記憶させ、干渉波受信アンテナウエイトベクトルWI(fs)として上記(数24)を用いた場合、下記の(数32)に基づいて所望波分離受信アンテナウエイトWD(fs)を更新する。
Figure 0004939888
ここで、W(fs)は下記の(数33)で、F(fs)は下記の(数34)で、Q(fs)は下記の(数35)により示される。なお、(数34)における定数aは、干渉抑圧効果を可変するパラメータであり、aが大きくなるほど、所望波受信電力を高めるよりも干渉抑圧を優先する空間フィルタリング動作となる。これにより、干渉相関行列RI(fs)の生成時に起因していた干渉波を抑圧した上で、所望信号を受信することができる。なお、所定値LIを超える干渉波成分電力が複数ある場合(Pn0(fs),Pn1(fs),...)、当該の干渉チャネル応答行列(B(n、fs),B(n、fs),...)から生成される相関行列を加算合成した相関行列B(n、fs)B(n、fs)(= aB(n、fs)B(n、fs)+aB(n、fs)B(n、fs)+...)を用いる(ただし、a、a、...は重み係数)。
Figure 0004939888
Figure 0004939888
Figure 0004939888
続いて、一次復調手段65(fs)−1〜Ntは、サブキャリアfs毎に得られた信号分離手段64−fsからのNt個のシンボルデータ列からなる出力信号に対し、変調に用いたマッピング情報を基に、ビットデータ列に変換する。
P/S変換手段66−1〜Ntは、並列的に得られたサブキャリアfs=1〜Ncのサブキャリアのビットデータを直列のビットデータ列に変換する。すなわち、第m番目のP/S変換手段66−mは、全てのサブキャリアfs=1〜Ncにおける、一次復調手段65(fs)−mの並列に得られたビットデータ出力を、直列のビットデータ列に変換する。
信号系列受信処理手段10−1〜Ntは、各P/S変換手段66−1〜Ntから出力されるビットデータ列に対し、送信側で施されたインターリーブと逆の動作により、ビット順を復元するデインタリーバ処理、誤り訂正復号処理などを施し、送信ビット系列を復元する受信処理を行う。
以上のような動作により、本実施形態では、マルチキャリア伝送を用いた通信システムにおいても、第1の実施形態と同様に、干渉波成分の変動を検出し、干渉を与える干渉源無線通信装置2が出現、または変化した場合、新たな干渉相関行列を用いて干渉低減する所望波分離受信アンテナウエイトを適応的に変更することができる。これにより、非定常に現れる干渉波に適応した空間的フィルタリングを実現でき、干渉除去能力を高めることで通信品質の安定化を図ることができる。例えば、異なる干渉波源から非定常に同一チャネル干渉が発生する場合でも、安定した受信品質を得ることができる。
なお、サブキャリア毎の干渉相関行列RI(fs)の別な算出方法として、A)自局宛のパケット受信時に、トレーニング信号に無信号となるタイミングが含まれる場合、無信号タイミングで、上記(数20)を用いて干渉相関行列を算出してもよい。これにより自局宛のパケット受信時に、同一チャネル干渉を与える干渉源の干渉相関行列を精度良く検出することができる。
また、干渉相関行列RI(fs)のさらに別の算出方法として、B)自局宛のパケット受信時のデータ部において、上記(数20)を用いて得られる相関行列を用いてもよい。この場合、相関行列の算出するタイミング及び算出範囲をずらして、データ部で複数のブロックに分割し、それらを干渉相関行列RI(fs)とする。これにより、自局宛のパケット受信時に、同一チャネル干渉を与える干渉源の干渉相関行列を、時間的にずらしながら算出するため、干渉波源が時間的に変動する場合の追従性能を高めることができる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態における無線通信装置3eの構成を示す図である。第3の実施形態の無線通信装置3eは、第1の実施形態において説明を行った図1の構成に、さらに、信号系列受信処理手段10による復号結果を基に再符号化及び再変調を行うことで送信レプリカを生成する送信レプリカ生成部70と、生成された送信レプリカとチャネル推定値を用いて、所望信号以外の信号をキャンセル処理する干渉キャンセル部71と、干渉波レベル検出手段により検出された他局干渉成分を除去する反復復号用ウエイトを生成する反復復号用ウエイト生成部72と、干渉キャンセル部の出力に反復復号用ウエイトを用いて積和演算することで、他局干渉成分を除去した所望信号成分を抽出する第2の信号分離手段73と、第2の信号分離手段の出力に対して受信処理を施す第2の信号系列受信処理手段74とを追加した構成である。
以下、図10を用いて、図1と異なる構成及び動作を主に説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と同様に、所望無線通信装置1と干渉源無線通信装置2−1〜Sとから送信信号が送出され、これらの送信信号を無線通信装置3eにおいて受信する場合を想定している。それぞれの所望無線通信装置1、干渉源無線通信装置2−1〜S、無線通信装置3eは、複数のアンテナを備えており、SDM伝送が可能となっている。また、所望の送信信号源である所望無線通信装置1、及びこの所望無線通信装置1と同一または近接したキャリア周波数を用いるため干渉を与える干渉源となる干渉源無線通信装置2−1〜Sからの送信信号を、無線通信装置3eが受信するものとする。なお、無線通信装置3eは受信構成のみを示しており、送信構成の図示は省略している。
ここで、非通信時における前処理モードの動作は、前述した第1の実施形態と同様であるのでその説明は省略する。すなわち、第1の実施形態と同様に、非通信時における前処理モードの処理として、複数の干渉源無線通信装置2からの信号を予め受信しておき、その結果得られる干渉相関行列RIを基に、干渉源無線通信装置2からの送信信号を選択的に受信できる干渉波受信アンテナウエイトWIを準備する。
また、通信時における受信処理モード中の所望信号を受信するまでの動作は、前述した第1の実施形態と同様である。すなわち、第1の実施形態と同様に、通信時における受信処理モードの処理として、通常受信すると共に、干渉波受信アンテナウエイトWIで受信された信号電力に基づき、干渉波成分の変動を検出する。そして、干渉を与える干渉源無線通信装置2が出現、または変化した場合、新たな干渉相関行列を用いて干渉低減する所望波分離受信アンテナウエイトWDを適応的に変更することで、信号分離手段9を通して信号系列受信処理手段10により所望信号を受信する。
信号系列受信処理手段10−1〜Ntは、所望無線通信装置1から送信されたNt個(ただし、Nt>1)の送信系列に対応した、信号分離手段9からのNt個の出力信号に対し、所定の変調方式によるシンボルデータ列からビットデータ列に変換するデマッピング処理、送信側で施されたインターリーブと逆の動作によりビット順を復元するデインタリーバ処理、入力されるビットデータ列に対し誤り訂正を行う誤り訂正復号処理などを施し、送信ビット系列を復元する受信処理を行う。第1の実施形態では、信号系列受信処理手段10−1〜Ntで得られた出力を最終出力としたが、第3の実施形態では、信号系列受信処理手段10−1〜Ntで得られた出力を仮判定ビット列b(k)として、反復復号処理を行う点が異なる。ただし、m=1、...、Ntである。以下、第1の実施形態と異なる動作の説明を行う。
送信レプリカ生成部70は、仮判定ビット列b(k)に基づいて仮判定送信シンボル系列x[1] (k)を再生成する。ただし、m=1、...、Ntである。すなわち、送信レプリカ生成部70は、図示されていない伝送路符号化部、パンクチャ処理部、インターリーバ、シンボルマッピング部を含み、それぞれを用いて下記のような動作を行う。伝送路符号化部は、仮判定ビット列b(k)を基に送信時に施したものと同一方式の誤り訂正符号を施す。パンクチャ処理部は、誤り訂正符号化処理された出力ビット列に対し、送信時に施したものと同一の符号化率にするパンクチャ処理を行う。インターリーバは、パンクチャ処理された出力ビット列に対し、送信時に施したものと同一のインターリーブ処理を施す。シンボルマッピング部は、インターリーブされた出力ビット列に対し、所定の変調多値数からなる変調方式を用いてシンボルマッピング処理を行う。
干渉キャンセル部71は、送信レプリカ生成部70の出力である仮判定送信シンボル系列x[1] (k)及び所望無線通信装置1の送信系列x(k)が受ける伝搬路応答行列Hのチャネル推定値Hを用いて、下記(数36)に示すような、受信信号ベクトルy(k)のレプリカ信号y[1](k)を生成する。ここで、x[1](k)は、Nt次の列ベクトルであり、その第m番目の要素は仮判定送信シンボル系列x[1] (k)からなる。
Figure 0004939888
さらに、干渉キャンセル部71は、受信部2の出力である受信信号ベクトルy(k)から、所望の第r番目の空間多重ストリームを除く空間多重ストリームを干渉信号とみなして除去を行い、干渉除去された第r番目の空間多重ストリームを出力する。すなわち、下記(数37)に示すように、干渉キャンセル出力u(k)を算出する。
Figure 0004939888
ここで、GrはNt次の単位行列からr行r列の対角成分を0にした行列を示す。また、rは1からNtまでの自然数、x[1](k)はレプリカ信号である。また、干渉キャンセル出力u(k)はM個の要素をもつ列ベクトルである。以上の干渉キャンセルの動作を送信されたすべてのM個の空間多重ストリームに対して行う。すなわち、r=1、...、Ntに対して(数37)に示す干渉キャンセル動作を行う。
反復復号用ウエイト生成部72は、干渉波レベル検出手段8の出力に基づき所望波分離受信アンテナウエイトWDを更新する動作に連動して、以下のような[方式9]または[方式10]による第r番目の所望波信号に対する反復復号用アンテナウエイトWD(r)を更新する動作を行い、第2の信号分離手段73に結果を出力する。なお、干渉波レベル検出手段8により干渉波が検出されない場合は、干渉キャンセル出力u(k)に対し、最大比合成ウエイトを生成する。以下において、DrはNt次の単位行列からr行r列の対角成分以外をすべて0にした行列を示す。rはNt以下の自然数である。
1)[方式9]干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIとして上記(数5)を用いた場合:
下記の(数38)に基づいて反復復号用アンテナウエイトWD(r)を更新する。
Figure 0004939888
ここで、vmin (n)は、干渉波レベル検出手段8で検出される干渉相関行列RIを固有値分解して得られるM個の固有値のうち、最小固有値に対応する固有ベクトルである。この反復復号用アンテナウエイトWD(r)は、干渉波を最小化した上で、所望波の電力を最大化するアンテナウエイトとなる。これにより、干渉相関行列RIの生成時に起因する干渉波を抑圧した上で、所望信号を選択的に受信することができる。
2)[方式10]前処理モードにおいて得られる干渉相関行列RIを記憶手段7において記憶する代わりに、前処理モードにおいて得られるB(n)を記憶させ、干渉波受信アンテナウエイトベクトルWIとして上記(数6)を用いた場合:
下記の(数39)に基づいて反復復号用アンテナウエイトWD(r)を更新する。
Figure 0004939888
ここで、Wは下記の(数40)で、Fは下記の(数41)で、Qは下記の(数42)により示される。なお、(数41)における定数aは、干渉抑圧効果を可変するパラメータであり、aが大きくなるほど、所望波受信電力を高めるよりも干渉抑圧を優先する空間フィルタリング動作となる。この反復復号用アンテナウエイトWD(r)は、所望波の電力を最大化するとともに対応する干渉波を所定レベル以下に抑圧するアンテナウエイトとなる。これにより、干渉相関行列RIの生成時に起因していた干渉波を抑圧した上で、所望信号を受信することができる。
Figure 0004939888
Figure 0004939888
Figure 0004939888
第2の信号分離手段73は、第r番目の干渉キャンセル部の出力ベクトルu(k)に対し、反復復号用ウエイト生成部72の出力である反復復号用ウエイトWD(r)の積和演算Ar(k)=WD(r)(k)となるように乗算する。これにより、第r番目の干渉キャンセル部の出力ベクトルu(k)に含まれる干渉波信号成分を抑圧した信号を得ることができる。ここで、rはNt以下の自然数である。
続いて、Nt個の第2の信号系列受信処理手段74−1〜Ntは、第2の信号分離手段73からのNt個の出力信号Ar(k)をそれぞれ入力とし、所定の変調方式によるシンボルデータ列からビットデータ列に変換するデマッピング処理、送信側で施されたインターリーブと逆の動作によりビット順を復元するデインタリーバ処理、入力されるビットデータ列に対し誤り訂正を行う誤り訂正復号処理などを施し、送信ビット系列を復元する受信処理を行う。ここで、rはNt以下の自然数である。
以上のような動作により、第3の実施形態では、第1の実施形態による効果に加え、さらに、反復復号処理による受信信号処理を加えることで、受信ダイバーシチ効果を高めることができ、受信品質を高めることができる。すなわち、非通信時には、前処理モードとして複数の干渉源無線通信装置2からの信号を予め受信しておき、その結果得られる干渉相関行列RIを基に、干渉源無線通信装置2からの送信信号を選択的に受信できる干渉波受信アンテナウエイトWIを準備する。通信時には受信処理モードに移行し、通常受信すると共に、干渉波受信アンテナウエイトWIで受信された信号電力に基づき、干渉波成分の変動を検出し、干渉を与える干渉源無線通信装置2が出現、または変化した場合、新たな干渉相関行列を用いて干渉低減する反復復号用アンテナウエイトWD(r)を適応的に変更することができる。
これにより、非定常に現れる干渉波に適応した空間的フィルタリングを、反復復号受信処理にも導入することが可能となる。その結果、干渉抑圧効果と、所望波受信のための受信ダイバーシチ効果を高めることができ、これによって通信品質の安定化をさらに図ることができる。例えば、異なる干渉波源から非定常に同一チャネル干渉または隣接チャネル干渉が発生する場合でも、安定した受信品質を得ることができる。
なお、前述した第1の実施形態の第3変形例において、図8に示す信号分離手段92−1〜92−3のように、複数アンテナM個の内、Mより小さいk個からなるサブアレーの組にして、干渉波受信電力を抑圧するウエイトを生成したが、第3の実施形態における第2の信号分離手段73に同様なサブアレーの組に対して干渉波受信電力を抑圧するウエイトを生成するようにしてもよい。このようにサブアレー化することによって、アンテナウエイト生成時に、行列の次数を下げることができ、逆行列演算や固有値分解演算時の演算量を大幅に削減できるという効果が得られる。
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態における無線通信装置3fの構成を示す図である。第4の実施形態の無線通信装置3fは、第3の実施形態において説明を行った図10の構成に、さらに、干渉波レベル検出手段8により検出された他局干渉成分の干渉相関行列を更新する干渉相関行列更新部80を追加した構成である。
以下、図11を用いて、図10と異なる構成及び動作を主に説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と同様に、所望無線通信装置1と干渉源無線通信装置2−1〜Sとから送信信号が送出され、これらの送信信号を無線通信装置3において受信する場合を示している。それぞれの所望無線通信装置1、干渉源無線通信装置2−1〜S、無線通信装置3は、複数のアンテナを備えており、SDM伝送が可能となっている。また、所望の送信信号源である所望無線通信装置1、及びこの所望無線通信装置1と同一または近接したキャリア周波数を用いるため干渉を与える干渉源となる干渉源無線通信装置2−1〜Sからの送信信号を、無線通信装置3fが受信するものとする。なお、無線通信装置3fは受信構成のみを示しており、送信構成の図示は省略している。
ここで、非通信時における前処理モードの動作は、前述した第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。すなわち、第1の実施形態と同様に、非通信時における前処理モードの処理として、複数の干渉源無線通信装置2からの信号を予め受信しておき、その結果得られる干渉相関行列RIを基に、干渉源無線通信装置2からの送信信号を選択的に受信できる干渉波受信アンテナウエイトWIを準備する。
また、通信時における受信処理モード中の所望信号を受信するまでの動作は、前述した第1の実施形態と同様である。すなわち、第1の実施形態と同様に、通信時における受信処理モードの処理として、通常受信すると共に、干渉波受信アンテナウエイトWIで受信された信号電力に基づき、干渉波成分の変動を検出する。そして、干渉を与える干渉源無線通信装置2が出現、または変化した場合、新たな干渉相関F行列を用いて干渉低減する所望波分離受信アンテナウエイトWDを適応的に変更することで、信号分離手段9を通して信号系列受信処理手段10により所望信号を受信する。
また、第3の実施形態と同様に、信号系列受信処理手段10−1〜Ntにおいて、仮判定ビット列b(k)を生成し、送信レプリカ生成部70において、仮判定ビット列b(k)に基づいて仮判定送信シンボル系列x[1] (k)を再生成する。ただし、m=1、...、Ntである。
そして、干渉キャンセル部71は、第3の実施形態と同様に、送信レプリカ生成部70の出力である仮判定送信シンボル系列x[1] (k)及び所望無線通信装置1の送信系列x(k)が受ける伝搬路応答行列Hのチャネル推定値Hを用いて、(数36)に示すような、受信信号ベクトルy(k)のレプリカ信号y[1](k)を生成する。さらに、干渉キャンセル部71は、受信部2の出力である受信信号ベクトルy(k)から、所望の第r番目の空間多重ストリームを除く空間多重ストリームを干渉信号とみなし除去を行い、干渉除去された第r番目の空間多重ストリームを出力する。すなわち、(数37)に示すように、干渉キャンセル出力u(k)を算出する。以下、第3の実施形態と異なる動作の説明を行う。
干渉相関行列更新部80は、干渉波レベル検出手段8の出力に基づき所望波分離受信アンテナウエイトWDを更新する動作に連動して、以下のように、干渉相関行列RIまたはB(n)B(n)を更新する動作を行い、反復復号用ウエイト生成部に結果を出力する。なお、干渉波レベル検出手段8により干渉波が検出されない場合は、更新動作は行わない。
また、干渉相関行列更新部80は、送信レプリカ生成部70の出力である仮判定送信シンボル系列x[1] (k)及び所望無線通信装置1の送信系列x(k)が受ける伝搬路応答行列Hの推定値チャネルHを用いて、下記(数43)に示すような、受信信号ベクトルy(k)のレプリカ信号y[1](k)を生成し、さらに、受信部2の出力である受信信号ベクトルy(k)から、すべての空間多重ストリームの除去を行った所望信号除去信号ベクトルを出力する。すなわち、(数43)に示すように、所望信号除去信号ベクトルua(k)を算出する。ここで、x[1](k)は、Nt次の列ベクトルであり、その第m番目の要素は仮判定送信シンボル系列x[1] (k)からなる。
Figure 0004939888
続いて、干渉相関行列更新部80は、干渉波レベル検出手段8の出力に基づき所望波分離受信アンテナウエイトWDを更新する動作に連動して、同じ所望波分離受信アンテナウエイトWDが使われる期間に相当するサンプル数Nwの、所望信号除去信号ベクトルua(k)を用いて、下記(数44)または(数45)に示す干渉相関行列を算出する。
Figure 0004939888
Figure 0004939888
反復復号用ウエイト生成部72は、干渉相関行列更新部80の出力である更新された干渉相関行列を用いて、第r番目の所望波信号に対する反復復号用アンテナウエイトWD(r)を更新する動作を行い、第2の信号分離手段73に結果を出力する。ここで、反復復号用アンテナウエイトWD(r)の算出は、第3の実施形態と同様である。なお、干渉波レベル検出手段8により干渉波が検出されない場合は、干渉キャンセル出力u(k)に対し、所望波信号の受信電力を最大化する最大比合成ウエイトを生成する。
以上のような動作により、第4の実施形態では、干渉相関行列更新部80を設けることによって、受信信号と反復復号処理で得られる送信レプリカ信号を用いて、干渉相関行列を再推定することができる。これにより、干渉波成分が非通信時に比較して時間変動が含まれる場合でも、再推定することで、時間変動に対応した新たな干渉相関行列を算出することができ、これを用いて干渉低減する反復復号用アンテナウエイトWD(r)を適応的に変更することができる。
このように第4の実施形態によれば、干渉抑圧効果と、所望波受信のための受信ダイバーシチ効果を高めることができ、第3の実施形態による効果に加え、さらに、通信品質の安定化をさらに図ることができる。例えば、異なる干渉波源から非定常に同一チャネル干渉または隣接チャネル干渉が発生する場合でも、安定した受信品質を得ることができる。
なお、第4の実施形態では、空間多重数Ntが1より大きい場合の構成を示したが、空間多重数Nt=1の場合、すなわち、空間多重伝送を行わない場合も同様に適応が可能である。
図12は、空間多重伝送を行わない場合の無線通信装置の変形例の構成を示すブロック図である。以下図12を用いて、この変形例の動作の説明を行う。図12において、図11と異なる点は、干渉キャンセル部71を含まない点であり、第2の信号分離手段73aの動作が一部異なる。以下、図12の無線通信装置3gにおける第2の信号分離手段73aの動作のみ説明を行う。
第2の信号分離手段73aは、受信信号ベクトルy(k)に対し、反復復号用ウエイト生成部72の出力である反復復号用ウエイトWD(r)の積和演算A(k)=WD(r)y(k)となるように乗算する。これにより、受信信号ベクトルy(k)に含まれる干渉波信号成分を抑圧した所望波信号を得ることができる。以上の動作により、空間多重数Nt=1の場合、すなわち、空間多重伝送を行わない場合についても、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、干渉波が定常的に存在しない状態においても、非定常に現れる干渉波に適応した空間的フィルタリングを実現でき、干渉除去能力を高めることが可能となる効果を有し、例えば複数の端末で同一チャネルを使用するマルチセル構成の無線通信システムの端末等に用いられ、干渉波源からの干渉成分を抑制して所望信号を受信可能な無線通信装置等に有用である。
本発明の第1の実施形態における無線通信装置を含む無線通信システムの構成を示す図 本実施形態に用いる通信信号のパケット構成の一例を示す図 本実施形態におけるパケット伝送状況を説明する模式図 本実施形態における無線通信装置の受信時の動作を示すフローチャート 本実施形態における所望波の分離受信の動作を示すフローチャート 第1の実施形態における無線通信装置の第1変形例の構成を示すブロック図 第1の実施形態における無線通信装置の第2変形例の構成を示すブロック図 第1の実施形態における無線通信装置の第3変形例の構成を示すブロック図 本発明の第2の実施形態における無線通信装置の構成を示す図 本発明の第3の実施形態における無線通信装置の構成を示す図 本発明の第4の実施形態における無線通信装置の構成を示す図 第4の実施形態における無線通信装置の変形例の構成を示すブロック図
符号の説明
1 所望無線通信装置
2、2−1〜2−S 干渉源無線通信装置
3、3a、3b−1、3b−2、3b−3、3e、3f、3g 無線通信装置
4、4−1〜4−M アンテナ
5、5−1〜5−M 受信部
6、61−fs 干渉信号受信手段
7、62−fs 記憶手段
8、63 干渉波レベル検出手段
9、9a、64−fs 信号分離手段
10、10−1〜10−Nt 信号系列受信処理手段
70 送信レプリカ生成部
71 干渉キャンセル部
72 反復復号用ウエイト生成部
73、73a 第2の信号分離手段
74−1〜74−Nt 第2の信号系列受信処理手段
80 干渉相関行列更新部
90 第1ウエイト乗算部
91 第2ウエイト乗算部
92−1、92−2、92−3 サブアレーウエイト乗算部
95 再チャネル推定部

Claims (19)

  1. 干渉波成分の信号を選択的に受信する干渉波受信アンテナウエイトを用いて、前記干渉波成分を含む干渉信号を受信する干渉信号受信手段と、
    前記干渉信号受信手段の出力から、干渉波成分の信号レベルを検出する干渉波レベル検出手段と、
    前記干渉波レベル検出手段の出力を基に、所望信号を受信する所望波分離受信アンテナウエイトを可変する信号分離手段と、
    を有し、
    前記信号分離手段は、
    他局干渉信号を優先的に除去するウエイトを乗算する第1のウエイト乗算部と、前記第1のウエイト乗算部の出力に対し、空間多重ストリームを分離する空間多重分離ウエイトを乗算する第2のウエイト乗算部と、
    を含む無線通信装置。
  2. 請求項1記載の無線通信装置であって、
    前記所望波分離受信アンテナウエイトは、干渉波受信電力を最小化するウエイトである無線通信装置。
  3. 請求項1記載の無線通信装置であって、
    前記所望波分離受信アンテナウエイトは、信号電力対干渉雑音電力を最大化するウエイトである無線通信装置。
  4. 請求項1記載の無線通信装置であって、
    前記所望波分離受信アンテナウエイトは、複数アンテナN個の内、Nより小さいk個からなるサブアレーに対して、干渉波受信電力を最小化するウエイトである無線通信装置。
  5. 請求項記載の無線通信装置であって、
    前記第1のウエイト乗算部の出力を用いてチャネル推定を行うチャネル推定部を備え、
    前記信号分離手段は、前記チャネル推定部の出力を基に第2のウエイト乗算部で用いるウエイトを生成する無線通信装置。
  6. 請求項1記載の無線通信装置であって、
    前記信号分離手段は、前記干渉波レベル検出手段の出力が所定値を超えた場合、所望信号を受信すると共に、検出された干渉波を抑圧する所望波分離受信アンテナウエイトに変更する無線通信装置。
  7. 請求項1記載の無線通信装置であって、
    前記干渉波レベル検出手段は、複数の干渉源からの干渉波成分の信号レベルを検出する無線通信装置。
  8. 請求項記載の無線通信装置であって、
    前記信号分離手段は、前記干渉波レベル検出手段の出力における複数の干渉源からの干渉波成分の信号レベルが所定値を超えた場合、所望信号を受信すると共に、検出された複数の干渉波を干渉波成分の信号レベルに応じて抑圧する所望波分離受信アンテナウエイトに変更する無線通信装置。
  9. 請求項1、のいずれかに記載の無線通信装置であって、
    前記干渉波受信アンテナウエイトは、干渉波電力対所望信号電力を最大化するウエイトである無線通信装置。
  10. 請求項1、のいずれかに記載の無線通信装置であって、
    前記干渉波受信アンテナウエイトは、当該無線通信装置以外の無線通信装置間の通信信号の受信電力を最大化するウエイトである無線通信装置。
  11. 請求項1、のいずれかに記載の無線通信装置であって、
    前記干渉信号受信手段は、所望信号が含まれない時間区間における受信信号から得られる相関行列を用いて、干渉波電力を最大化する干渉波受信アンテナウエイトを算出する無線通信装置。
  12. 請求項1、のいずれかに記載の無線通信装置であって、
    前記干渉信号受信手段は、所定時間内での受信信号から得られる相関行列を用いて、干渉波電力を最大化する干渉波受信アンテナウエイトを算出する無線通信装置。
  13. 請求項1、のいずれかに記載の無線通信装置であって、
    前記干渉信号受信手段は、当該無線通信装置の非通信時に、前記当該無線通信装置以外の無線通信装置間の通信信号の受信結果を基に、一つまたは複数の前記干渉波受信アンテナウエイトを決定する無線通信装置。
  14. 請求項1、のいずれかに記載の無線通信装置であって、
    前記干渉信号を選択的に受信するための干渉波受信情報を記憶する記憶手段を有し、
    前記干渉信号受信手段は、受信信号が当該無線通信装置以外の宛先の信号である場合に、前記干渉波成分に関する干渉波受信情報を算出して前記記憶手段に記憶させる無線通信装置。
  15. 請求項14記載の無線通信装置であって、
    前記干渉信号受信手段は、前記干渉波受信情報として干渉波に関する干渉相関行列を算出し、前記干渉相関行列に基づいて生成される干渉波受信アンテナウエイトを用いて干渉信号を受信する無線通信装置。
  16. 請求項15記載の無線通信装置であって、
    前記信号分離手段は、受信信号が当該無線通信装置宛の信号である場合に、前記干渉相関行列に基づいて生成される所望波分離受信アンテナウエイトを用いて所望信号を分離する無線通信装置。
  17. 請求項15記載の無線通信装置であって、
    前記記憶手段は、前記干渉波受信情報として干渉波に関する干渉相関行列を個別に、あるいは送信元毎に分類して個別に記憶する無線通信装置。
  18. 請求項1記載の無線通信装置であって、
    前記所望波分離受信アンテナウエイトで受信した所望信号の受信結果を基に、送信信号のレプリカを生成する送信レプリカ生成部と、
    前記送信レプリカ生成部の出力を基に、受信信号から所望信号の一つ以上をキャンセルする干渉キャンセル部と、
    前記干渉波レベル検出手段で検出された干渉信号の相関行列を用いて、干渉信号を抑圧する反復復号用ウエイトを生成する反復復号用ウエイト生成部と、
    前記干渉キャンセル部の出力に対し、前記反復復号用ウエイトを乗算する第2の信号分離手段とを有する無線通信装置。
  19. 請求項1記載の無線通信装置であって、
    前記所望波分離受信アンテナウエイトで受信した所望信号の受信結果を基に、送信信号のレプリカを生成する送信レプリカ生成部と、
    前記送信レプリカ生成部の出力を基に、受信信号から全ての所望信号をキャンセルして干渉信号成分を抽出し、前記干渉波レベル検出手段で検出された干渉信号の相関行列を更新する干渉相関行列更新部と、
    前記干渉相関行列更新部の出力を用いて、干渉信号を抑圧する反復復号用ウエイトを生成する反復復号用ウエイト生成部と、
    前記干渉キャンセル部の出力に対し、前記反復復号用ウエイトを乗算する第2の信号分離手段とを有する無線通信装置。
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