JP5475276B2 - 受信装置、及び信号検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、受信装置、及び信号検出方法に関する。特に、移動通信システムにおけるMIMO(Multiple−Input and Multiple−Output)方式に係る受信装置、及び信号検出方法に関する。
無線装置間の通信速度を高速化する技術の一つとして、多入力・多出力伝送方式が知られている。この方式は、文字通り、複数のアンテナを用いた信号の入出力を基本としている。この方式の特徴は、異なる複数のアンテナを利用して、同じタイミング、かつ、同じ周波数で複数の送信データを一度に送信することが可能な点にある。そのため、同時に送信可能なチャネルの数が増加するにつれ、増加したチャネルの分だけ単位時間当たりに送信可能な情報量を増加させることが可能になる。また、この方式は、通信速度を向上させるに当たって、占有される周波数帯域が増加しないという利点も有する。
しかし、同一周波数の搬送波成分を有する複数の変調信号が同時に送信されるため、受信側において混信した変調信号を分離する手段が必要になる。そこで、受信側において、無線伝送路の伝送特性を表すチャネル行列が推定され、そのチャネル行列に基づき、受信信号から各サブストリームに対応する送信信号が分離される。尚、チャネル行列は、パイロットシンボル等を用いて推定される。しかしながら、伝送路内で付加されるノイズやサブストリーム間に生じる干渉等の影響を十分に除去してサブストリーム毎に送信信号を精度良く再現するには特別な工夫が必要である。
MIMOシステムにおける信号検出方法としては、例えば、MMSE(Minimum Mean Squared Error)検波を利用する方法が知られている。また、上記のMMSE検波方式よりも伝送特性を向上させることが可能な方式として、例えば、MLD(Maximum Likelihood Detection)検波方式が知られている。MLD検波方式の一応用例として、例えば、下記の非特許文献1には、信号分離処理にかかる演算負荷を低減させることが可能なQR分解MLD方式が開示されている。さらに、MLDに関して伝送特性を向上させる技術として、例えば、下記の非特許文献2、3には、事前白色化最尤推定と呼ばれる技術が開示されている。
K.Higuchi,H.Kawai,N.Maeda and M.Sawahashi,"Adaptive selection of surving symbol replica candidates based on maximum reliability in QRM−MLD for OFCDM MIMO Multiplexing",Proc.IEEE GLOBECOM’04,pp.2480−2486,Dallas,December 2004. G.E.Bottomley and K.Jamal,"Adaptive arrays and MLSE",IEEE VTC’95,pp.50−54,May 1995. Y.Li,J.Winters and N.Sollenberger,"Signal detection for MIMO−OFDM wireless communications",IEEE ICC’01,pp.3077−3081,June 2001.
上記の非特許文献1に記載の技術を用いると、比較的少ない演算量で精度良くMIMOサブチャネルを分離することができる。しかし、同文献1に記載のQR分解MLD方式では、同一チャネルを利用する他のシステムが近くに存在すると、そのシステムから受ける同一チャネル干渉の影響により伝送特性が大きく劣化してしまうという問題がある。一方、上記の非特許文献2、3に記載の技術を用いると、同一チャネル干渉による影響を白色化することができるため、SNR(Signal to Noise Ratio)が大きくなるにつれて同一チャネル干渉の影響を小さくすることができる。
しかしながら、同文献2、3に記載の事前白色化最尤推定は、全ての送信シンボルベクトルを考慮して信号分離処理を実行する必要がある。そのため、ストリーム数及び変調多値数が増加するにつれて演算量が著しく大きくなってしまうという問題がある。また、上記のQR分解MLD方式では、サブストリーム毎に順次送信シンボルが決定され、その送信シンボルを用いて次の送信シンボルを決定するために用いる誤差ベクトルの成分が算出される。そのため、誤差ベクトルを用いて同一チャネル干渉成分を白色化する上記の事前白色化最尤推定の手法はQR分解MLD方式に直接組み合わせることができない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、同一チャネル干渉の影響を低減させつつ、少ない演算量で精度良く送信シンボルベクトルを検出することが可能な、新規かつ改良された受信装置、及び信号検出方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、自装置向けのチャネル行列を推定するチャネル行列推定部と、同一チャネル干渉源との間の伝送路特性を表す干渉チャネル行列を推定する干渉チャネル行列推定部と、前記干渉チャネル行列を用いて同一チャネル干渉により生じる誤差ベクトルの相関行列を算出する相関行列算出部と、前記相関行列の逆行列を複素行列と当該複素行列の複素共役転置との積に分解する第1行列分解部と、前記チャネル行列と前記複素行列とを積算して得られた行列をユニタリ行列と上又は下三角行列との積に分解する第2行列分解部と、前記複素行列が乗算された受信信号ベクトル、前記ユニタリ行列、及び前記上又は下三角行列を用いて所定の送信シンボル候補に対するトレリス探索を実行し、尤もらしい前記送信シンボル候補の組み合わせを検出する最尤検出部と、を備える、受信装置が提供される。
このように、受信信号ベクトル、及び自装置向けチャネル行列に予め上記の複素行列を乗算することで、最尤検出処理の前段において同一チャネル干渉に関する白色化を施すことができる。その結果、同一チャネル干渉に関する白色化が施された受信信号ベクトルに対してQR(又はQL)分解最尤検出方法が適用できるようになり、干渉白色化最尤推定方式において問題とされていた膨大な演算量を現実的なレベルまで低減させることが可能になる。逆に、QR(又はQL)分解最尤検出方法において、同一チャネル干渉源が存在する場合に伝送特性が大きく劣化してしまう問題を解決することが可能になる。
また、前記第1行列分解部は、複素行列に対するコレスキー分解アルゴリズムを用いて前記相関行列の逆行列を下三角行列と当該下三角行列の複素共役転置に対応する上三角行列との積に分解するように構成されていてもよい。このように、コレスキー分解アルゴリズムを用いることで、上記の複素行列の算出に要する演算量を削減することができる。なお、行列の分解処理に関する演算負荷の増大を厭わない場合、前記第1行列分解部は、固有値分解アルゴリズムを用いて前記相関行列の逆行列を直交行列U、当該直交行列Uの複素共役転置U、対角行列Dの積に分解し、前記複素行列をD1/2に設定するように構成されていてもよい。
また、前記最尤検出部は、前記複素行列を受信信号ベクトルに乗算し、さらに前記ユニタリ行列を乗算して白色化受信信号ベクトルを生成する白色化受信信号ベクトル生成部と、前記上又は下三角行列の最下段又は最上段から順に、当該各段の要素及び前記所定の送信シンボル候補を用いて各段のレプリカシンボルを生成し、当該各段のレプリカシンボルと前記白色化受信信号ベクトルの各段に対応する成分との間のユークリッド距離が小さくなるような送信シンボル候補を順次決定するトレリス探索部と、を含むように構成されていてもよい。このように、上又は下三角行列の最下段又は最上段から順に送信シンボル候補が決定されることで、全ての送信シンボル候補について組み合わせを考慮する必要が無くなり、演算量を大きく低減させることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、同一チャネル干渉源との間の伝送路特性を表す干渉チャネル行列が推定される干渉チャネル行列推定ステップと、前記干渉チャネル行列を用いて同一チャネル干渉により生じる誤差ベクトルの相関行列が算出される相関行列算出ステップと、前記相関行列の逆行列が複素行列と当該複素行列の複素共役転置との積に分解される第1行列分解ステップと、自装置向けのチャネル行列が推定されるチャネル行列推定ステップと、前記チャネル行列と前記複素行列とを積算して得られる行列がユニタリ行列と上又は下三角行列との積に分解される第2行列分解ステップと、前記複素行列が乗算された受信信号ベクトル、前記ユニタリ行列、及び前記上又は下三角行列を用いて所定の送信シンボル候補に対するトレリス探索が実行され、尤もらしい前記送信シンボル候補の組み合わせが検出される最尤検出ステップと、を含む、信号検出方法が提供される。
このように、受信信号ベクトル、及び自装置向けチャネル行列に予め上記の複素行列を乗算することで、最尤検出処理の前段において同一チャネル干渉に関する白色化を施すことができる。その結果、同一チャネル干渉に関する白色化が施された受信信号ベクトルに対してQR(又はQL)分解最尤検出方法が適用できるようになり、干渉白色化最尤推定方式において問題とされていた膨大な演算量を現実的なレベルまで低減させることが可能になる。逆に、QR(又はQL)分解最尤検出方法において、同一チャネル干渉源が存在する場合に伝送特性が大きく劣化してしまう問題を解決することが可能になる。
以上説明したように本発明によれば、同一チャネル干渉の影響を低減させつつ、少ない演算量で精度良く送信シンボルベクトルを検出することが可能になる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1を参照しながら、従来のQR分解MLDによるMIMO信号検出方法について説明し、同方法が抱える課題について述べる。次いで、図2を参照しながら、同一チャネル干渉が存在する場合のMIMOシステムの構成について説明する。次いで、図3を参照しながら、従来の事前白色化最尤推定(Pre−whitening Full−MLD)方法について説明し、同方法が抱える課題について述べる。次いで、図4、図5を参照しながら、同実施形態に係る受信装置100の構成について説明する。次いで、図6を参照しながら、同実施形態に係る技術の一応用例について説明する。最後に、図7を参照しながら、同実施形態の技術を適用することにより得られる効果について説明する。
[課題の整理]
まず、本発明の一実施形態に係る技術について詳細な説明をするに先立ち、同実施形態が解決しようとする課題について簡単に纏める。
(QR分解MLDによるMIMO信号検出方法)
はじめに、QR分解MLDによるMIMO信号検出方法について説明する。図1は、QR分解MLD方式を採用した受信装置30の機能構成例を示す説明図である。図1に示すように、受信装置30は、N本の受信アンテナと、チャネル行列推定部32と、並び替え処理部34と、QR分解部36と、チャネル行列上三角化部38と、トレリス探索部40とにより構成される。なお、図1にはN=4の場合が例示されているが、これに限定されない。また、受信装置30には、N本の送信アンテナを有する送信装置(非図示)から送信アンテナ毎に独立してN本のストリームが送信されているものとする。
まず、N本の受信アンテナで受信された受信ストリームは、チャネル行列推定部32、及びチャネル行列上三角化部38に入力される。チャネル行列推定部32は、N本の受信ストリームに含まれるパイロット信号に基づいてチャネル行列を推定する。例えば、送信シンボルベクトルをs、雑音ベクトルをnとすると、受信信号ベクトルxは、チャネル行列推定部32で推定されるチャネル行列Hを用いて、下記の式(1)のように表現される。なお、チャネル行列Hは、N行N列の行列となる。
Figure 0005475276
チャネル行列推定部32で推定されたチャネル行列Hは、並び替え処理部34に入力される。チャネル行列Hが入力されると、並び替え処理部34は、チャネル行列Hを構成する各列ベクトルの大きさを計算し、各ストリームの受信信号電力を算出する。さらに、並び替え処理部34は、算出した受信信号電力が大きい順にチャネル行列Hの列ベクトルを並び替える。例えば、並び替え処理部34は、受信信号電力が大きい順で右側から列ベクトルを配置する。なお、以下の説明においては、簡単のため、並び替え前後で列ベクトルの並び順が変わらなかったものとする。並び替え処理部34で並び替え処理が施されたチャネル行列Hは、QR分解部36に入力される。チャネル行列Hが入力されると、QR分解部36は、下記の式(2)に示すように、チャネル行列Hをユニタリ行列Qと上三角行列Rとの積に分解する。
Figure 0005475276
QR分解部36による分解処理で得られたユニタリ行列Qは、チャネル行列上三角化部38に入力される。一方、QR分解部36による分解処理で得られた上三角行列Rは、トレリス探索部40に入力される。ユニタリ行列Qが入力されると、チャネル行列上三角化部38は、下記の式(3)に示すように、受信信号ベクトルxにユニタリ行列Qの複素共役転置Qを乗算する。このようにしてユニタリ行列Qの複素共役転置Qが受信信号ベクトルxに乗算されると、下記の式(4)に示すような信号ベクトルzが得られる。但し、下記の式(4)は、N=N=4の場合における信号ベクトルzを例示したものである。このように、チャネル行列上三角化部38による乗算処理により、チャネル行列Hが上三角化される。
Figure 0005475276
チャネル行列上三角化部38から出力された信号ベクトルzは、トレリス探索部40に入力される。上記の通り、トレリス探索部40には、QR分解部36から上三角行列Rが入力されている。そこで、トレリス探索部40は、信号ベクトルzと上三角行列Rとを利用し、トレリス探索アルゴリズムを用いて下記の式(5)に示すような送信シンボルベクトルs”を推定する。但し、Cは、j番目のストリームで用いる変調多値数に基づいて決定されたコンスタレーションの集合を表す。つまり、s’は、j番目のストリームに対応するコンスタレーションの集合から選択される送信シンボル候補を示す。
Figure 0005475276
上記の式(5)で表される送信シンボルベクトルs”を得るために、トレリス探索部40は、上三角行列Rの最下段から順にトレリス探索を実行する。例えば、上記の式(4)を例に挙げると、まず、トレリス探索部40は、ある送信シンボル候補s’を選択し、上三角行列Rを構成する最下段の要素r44との積r44*s’を計算する。次いで、トレリス探索部40は、上記の式(3)で得られている信号ベクトルzの要素zと積r44*s’との間のユークリッド距離を算出する。さらに、トレリス探索部40は、同様にして他の送信シンボル候補s’に関するユークリッド距離を算出し、ユークリッド距離が小さい送信シンボル候補s’を抽出する。このとき、ユークリッド距離が最小になる送信シンボル候補s’が抽出されてもよいが、ユークリッド距離が小さい順に所定数の送信シンボル候補s’が抽出されるように構成されていてもよい。
次に、トレリス探索部40は、抽出した送信シンボル候補s’を利用し、送信シンボル候補s’の場合と同様にして上三角行列Rの下から3段目の要素に対する送信シンボル候補s’を抽出する。同様に、トレリス探索部40は、送信シンボル候補s’、s’を抽出する。このように、トレリス探索部40は、上三角行列Rの最下段から順に送信シンボル候補s’〜s’を抽出することで、上記の式(5)に適合する送信シンボルベクトルs”を推定する。このようにして推定された送信シンボルベクトルs”は、推定シンボルベクトルとして出力される。なお、上記の説明においては、QR分解を前提としたが、QL分解を用いることもできる。この場合、QL分解によりユニタリ行列Qと下三角行列Lとが得られるため、下三角行列Lの最上段から順に送信シンボル候補s’〜s’が抽出される。
以上説明したように、上三角行列の最下段から順にトレリス探索が行われることで、各段において送信シンボル候補の数が順次絞り込まれる。そのため、全ての送信シンボル候補をストリーム分だけ組み合わせる場合に比べ、ユークリッド距離の算出対象を大きく減らすことができる。その結果、QR分解MLDによるMIMO信号検出方法を用いると、演算負荷を大きく低減させることが可能になる。しかしながら、ここで説明した従来のQR分解MLD方式では、同一チャネル干渉の影響が考慮されていない。そのため、同一チャネルを利用する他のシステムが近くに存在すると、同一チャネル干渉の影響を含む受信信号ベクトルxに基づいて送信シンボルベクトルを推定することになり、伝送特性が大きく劣化してしまう。こうした同一チャネル干渉の影響を低減させる方法としては、後述する事前白色化最尤検出方法がある。次に、この方法について説明する。
(Pre−whitening Full−MLDによるMIMO信号検出方法)
次に、従来の事前白色化最尤推定方法について説明する。上記の通り、事前白色化最尤推定方法は、同一チャネル干渉の影響を低減し、同一チャネルを利用する他のシステムが近くに存在する場合でも良好な伝送特性が得られる点で非常に優れている。まず、図2を参照しながら、同一チャネルを利用する他のシステムが存在する場合のMIMOシステムの構成について簡単に説明する。
(システム構成)
図2に示すように、MIMOシステムには、送信装置10、受信装置12が含まれる。但し、MIMOシステムは、送信装置20を含む他のMIMOシステムから同一チャネル干渉の影響を受けるものとする。特に、送信装置10と受信装置12との間でストリームの送信に用いるチャネルと同一のチャネルを送信装置20が利用しているものとする。送信装置10は、N本の送信アンテナを有し、受信装置12に向けてN本のストリームを各送信アンテナから独立に送信する。一方、送信装置20は、N本のアンテナを有し、受信装置12とは異なる受信機に向けてN本のストリームを各送信アンテナから独立に送信する。但し、送信装置10、20が同一チャネルを利用するため、送信装置20が送信したストリームが受信装置12にも到達してしまう。
いま、送信装置10が送信する送信シンボルベクトルをs、送信装置20が送信する送信シンボルベクトルをc、送信装置10と受信装置12との間の伝送路特性を表すチャネル行列をH、送信装置20と受信装置12との間の伝送路特性を表す干渉チャネル行列をHと表現すると、受信装置12で受信される受信信号ベクトルxは、下記の式(6)のように表現される。但し、受信装置12は、N本の受信アンテナを有する。そのため、干渉チャネル行列Hは、N行N列の行列で表現される。また、nは雑音ベクトルを表す。
Figure 0005475276
上記の式(6)に示すように、受信装置12で受信される受信信号ベクトルxには、同一チャネル干渉の影響として干渉チャネル行列Hを含む項が存在する。そのため、この受信信号ベクトルxを対象に上記のQR分解MLDを実行すると、伝送特性の劣化を招いてしまうのである。そこで、事前白色化最尤推定方法では、干渉チャネル行列Hの項を白色化し、SNRが向上した場合に干渉チャネル行列Hの影響が小さくなるようにする。以下、図3を参照しながら、従来の事前白色化最尤推定方法を適用した受信装置12(受信装置50)の機能構成について説明する。
(受信装置50の機能構成)
図3に示すように、受信装置50は、チャネル行列推定部52と、レプリカ信号生成部54と、誤差ベクトル計算部56と、干渉チャネル行列推定部58と、干渉相関逆行列計算部60と、メトリック計算部62と、最小メトリック探索部64とにより構成される。なお、受信装置50には送信装置10から送信シンボルベクトルsが送信され、送信装置20から送信シンボルベクトルcが送信されるものとする。さらに、N本の受信アンテナで受信信号ベクトルが受信されるものとする。
まず、N本の受信アンテナで受信信号ベクトルが受信されると、受信信号ベクトルは、チャネル行列推定部52、干渉チャネル行列推定部58、及び誤差ベクトル計算部56に入力される。チャネル行列推定部52では、受信信号ベクトルに含まれるパイロット信号に基づいて自装置向けのチャネル行列が推定される。そして、チャネル行列推定部52で推定されたチャネル行列は、レプリカ信号生成部54に入力される。レプリカ信号生成部54には、送信装置10から送信されるストリーム毎の変調多値数に基づく送信シンボルベクトル候補が入力されている。そこで、レプリカ信号生成部54は、チャネル行列推定部52で推定されたチャネル行列に送信シンボルベクトル候補を乗算してレプリカ信号ベクトルを生成する。レプリカ信号生成部54で生成されたレプリカ信号ベクトルは、誤差ベクトル計算部56に入力される。
上記の通り、誤差ベクトル計算部56には、受信信号ベクトルxが入力されている。そこで、誤差ベクトル計算部56は、下記の式(7)に示すように、受信信号ベクトルxとレプリカ信号ベクトルHs’との差分を計算し、各送信シンボルベクトル候補s’に対する誤差ベクトルeを算出する。但し、送信シンボルベクトルs’=[s’,s’,…,sNT’]である。また、受信信号ベクトルxは、上記の式(6)で表現される。また、下記の式(7)において、送信シンボルベクトル候補s’と、送信装置10が送信した送信シンボルベクトルsとが等しい場合、誤差ベクトルeの相関行列Reeは、下記の式(8)のように表現される。但し、INRは、N行N列の単位行列である。また、σは雑音分散を示す。
Figure 0005475276
上記の式(7)のようにして誤差ベクトル計算部56で算出された誤差ベクトルeは、メトリック計算部62に入力される。一方で、干渉チャネル行列推定部58では、受信信号ベクトルに基づいて送信装置20との間の伝送路特性を示す干渉チャネル行列Hが推定される。干渉チャネル行列推定部52で推定された干渉チャネル行列Hは、干渉相関逆行列計算部60に入力される。このとき、上記の雑音分散σも算出され、干渉相関逆行列計算部60に入力される。干渉相関逆行列計算部60は、上記の式(7)に従い、干渉チャネル行列推定部58で推定された干渉チャネル行列H及び雑音分散σを用いて誤差ベクトルの相関行列Reeを算出する。さらに、干渉相関逆行列計算部60は、算出した相関行列Reeを逆行列に変換し、メトリック計算部62に入力する。
メトリック計算部62では、誤差ベクトル計算部56から入力された誤差ベクトルe、及び干渉相関逆行列計算部60から入力された相関行列の逆行列Ree −1を用いて送信シンボルベクトルを推定するためのメトリックを計算する。事前白色化最尤推定方法においては、メトリックとして、単純に誤差ベクトルeのノルムを用いるのではなく、相関行列の逆行列Ree −1を誤差ベクトルe及びその複素共役転置eで挟んだeee −1eが用いられる。また、メトリック計算部62で算出されるメトリックeee −1eは、下記の式(9)のように展開される。
Figure 0005475276
まず、上記の式(9)の右辺第1項に注目する。右辺第1項には、干渉チャネル行列H及びその複素共役転置H が含まれている。しかし、干渉チャネル行列H及びその複素共役転置H の間に相関行列の逆行列Ree −1が挟まれていることにより、相関行列の逆行列Ree −1(式(8)参照)を展開すると右辺第1項から干渉チャネル行列Hの成分が消去される。但し、右辺第2項及び第3項には、干渉チャネル行列Hの成分が含まれている。しかし、右辺第2項及び第3項には、雑音ベクトルnがかかっており、雑音が小さくなるにつれて無視できるようになる。つまり、SNRが大きくなると、干渉チャネル行列Hの影響が無視できるようになるのである。従って、SNRが大きい場合、受信信号ベクトルxに干渉チャネル行列Hの項が含まれていても、メトリックに現れる干渉チャネル行列Hの成分が無視できる程度になるため、信号検出の精度に与える影響が小さくて済む。本稿においては、このような作用を白色化と呼んでいる。
さて、メトリック計算部62で算出されたメトリックは、最小メトリック探索部64に入力される。最小メトリック探索部64では、下記の式(10)に示すように、メトリックが最小となる送信シンボルベクトルを決定する。但し、Sは全ての可能な送信シンボルベクトルの集合を表す。つまり、各ストリームの変調多値数に応じて決定される全ての送信シンボル候補について組み合わせを考慮し、全ての送信シンボルベクトルについて計算されたメトリックの中から最小となるものを決定する。そして、決定されたメトリックに対応する送信シンボルベクトルを推定シンボルベクトルに決定する。
Figure 0005475276
上記の通り、事前白色化最尤推定方法を用いると、SNRが大きい場合にメトリックに含まれる同一チャネル干渉の影響が小さくなり、同一チャネル干渉が信号検出に与える影響を低減させることができる。しかしながら、自装置向けに送信されうる送信シンボルベクトルの組み合わせを全て考慮する必要があり、ストリーム数及び変調多値数が増加するにつれて演算量が膨大になってしまう。また、上記の事前白色化最尤推定方法においては、メトリックを計算する際に誤差ベクトルが必要になる。そのため、QR分解MLD方式のようにトレリス探索の過程で逐次的に誤差ベクトルの要素が求まるような手法とは直接組み合わせることができない。そこで、演算量を抑えつつ、同一チャネル干渉による影響を低減させることが可能な工夫が求められている。
<実施形態>
本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、演算量を抑えつつ、同一チャネル干渉による影響を低減させることが可能な技術を提案するものである。本実施形態の基本的なアイデアは、最尤検出を実行する前段において、同一チャネル干渉成分の白色化に相当する処理を実行しておき、その処理結果を用いてQR分解MLDを実行するというものである。上記の事前白色化最尤推定に用いた上記の式(10)で表現されるメトリックは、下記の式(11)のように、ある複素行列Vを用いて分解することができる。また、誤差ベクトルeを複素行列Vで変換したもの(e’)は、下記の式(12)のようになる。
Figure 0005475276
上記の式(12)を参照すると、誤差ベクトルeを同一チャネル干渉に関して白色化するためには、受信信号ベクトルx及び自装置向けのチャネル行列Hを上記の式(11)に現れる複素行列Vで白色化すればよいことが分かる。そこで、複素行列Vを受信信号ベクトルx及びチャネル行列Hに乗算し、同一チャネル干渉成分を白色化した上で、これらの乗算結果を利用してQR分解MLDを実行するというのが本実施形態の基本的なアイデアである。以下、当該アイデアを上記の受信装置12に適用した受信装置100の機能構成について説明する。
[受信装置100の機能構成]
図4に示すように、受信装置100は、チャネル行列推定部102と、干渉チャネル行列推定部104と、相関行列計算部106と、逆行列計算部108と、行列分解部110と、干渉白色化部112、118と、並び替え処理部114と、QR分解部116と、チャネル行列上三角化部120と、トレリス探索部122とにより構成される。なお、受信装置100には送信装置10から送信シンボルベクトルsが送信され、送信装置20から送信シンボルベクトルcが送信されるものとする。さらに、N本の受信アンテナで受信信号ベクトルが受信されるものとする。
まず、N本の受信アンテナで受信信号ベクトルが受信されると、受信信号ベクトルは、チャネル行列推定部102、干渉チャネル行列推定部104、及び干渉白色化部118に入力される。チャネル行列推定部102では、受信信号ベクトルに含まれるパイロット信号に基づいて自装置向けのチャネル行列が推定される。そして、チャネル行列推定部102で推定されたチャネル行列は、干渉白色化部112に入力される。
一方で、干渉チャネル行列推定部104では、受信信号ベクトルに基づいて送信装置20との間の伝送路特性を示す干渉チャネル行列Hが推定される。干渉チャネル行列推定部52で推定された干渉チャネル行列Hは、相関行列計算部106に入力される。このとき、雑音分散σも算出され、相関行列計算部106に入力される。相関行列計算部106は、上記の式(7)に従い、干渉チャネル行列推定部104で推定された干渉チャネル行列H及び雑音分散σを用いて誤差ベクトルの相関行列Reeを算出する。相関行列計算部106で算出された相関行列Reeは、逆行列計算部108に入力される。逆行列計算部108は、算出した相関行列Reeを逆行列Ree −1に変換し、行列分解部110に入力する。
行列分解部110では、上記の式(11)に現れる複素行列Vを算出する。上記の式(11)から明らかなように、複素行列Vは、相関行列の逆行列Ree −1を複素行列V及びその複素共役転置Vの積に分解することで得られる。行列分解部110による分解方法としては、例えば、固有値分解による方法が考えられる。この方法によると、相関行列の逆行列Ree −1は、直交行列Uと対角行列Dとを用いて下記の式(13)のように分解される。そして、下記の式(14)のように複素行列Vを直交行列Uと対角行列Dとを用いて表現することにより、相関行列の逆行列Ree −1を所望の形に分解することができる。但し、固有値分解の演算量は大きいため、より少ない演算量で相関行列の逆行列Ree −1を所望の形に分解する方法が望まれる。
Figure 0005475276
固有値分解よりも少ない演算量で相関行列の逆行列Ree −1を所望の形に分解する方法としては、例えば、図5に示すような複素行列に対するコレスキー分解アルゴリズムを用いる方法が考えられる。このコレスキー分解アルゴリズムを用いることで、相関行列の逆行列Ree −1を下三角行列Aと上三角行列Aとの積に分解することができる。つまり、Ree −1=AAとなる下三角行列Aが得られる。従って、複素行列Vは、V=Aとして求められる。このようにして行列分解部110により求められた複素行列Vは、干渉白色化部112、118に入力される。
干渉白色化部112では、自装置向けチャネル行列Hに対して同一チャネル干渉成分の白色化が施される。具体的には、チャネル行列推定部102で推定されたチャネル行列Hに対し、行列分解部110で得られた複素行列Vが乗算される。干渉白色化部112で複素行列Vが乗算されたチャネル行列VHは、並び替え処理部114に入力される。並び替え処理部114は、チャネル行列VHを構成する各列ベクトルの大きさを計算し、各ストリームの受信信号電力を算出する。さらに、並び替え処理部114は、算出した受信信号電力が大きい順にチャネル行列VHの列ベクトルを並び替える。例えば、並び替え処理部114は、受信信号電力が大きい順で右側から列ベクトルを配置する。
なお、以下の説明においては、簡単のため、並び替え前後で列ベクトルの並び順が変わらなかったものとする。並び替え処理部114で並び替え処理が施されたチャネル行列VHは、QR分解部116に入力される。チャネル行列VHが入力されると、QR分解部116は、下記の式(15)に示すように、チャネル行列VHをユニタリ行列Qと上三角行列Rとの積に分解する。QR分解部116で算出されたユニタリ行列Qは、チャネル行列上三角化部120に入力される。一方、QR分解部116で算出された上三角行列Rは、トレリス探索部122に入力される。
Figure 0005475276
さて、干渉白色化部118では、受信信号ベクトルxに対して行列分解部110で算出された複素行列Vが乗算され、同一チャネル干渉に関する白色化が実行される。干渉白色化部118で複素行列Vが乗算された受信信号ベクトルVxは、チャネル行列上三角化部120に入力される。チャネル行列上三角化部120では、干渉白色化部118で白色化された受信信号ベクトルVxに対してQR分解部116から入力されたユニタリ行列Qの複素共役転置Qが乗算される。この乗算処理により変換された受信信号ベクトルz(=QVx)は、下記の式(16)のように展開される。つまり、チャネル行列VHが上三角化される。
Figure 0005475276
チャネル行列上三角化部120で算出された受信信号ベクトルzは、トレリス探索部122に入力される。上記の通り、トレリス探索部122には、QR分解部116から上三角行列Rが入力されている。そこで、トレリス探索部122は、受信信号ベクトルzと上三角行列Rとを利用し、トレリス探索アルゴリズムを用いて下記の式(17)に示すような送信シンボルベクトルs”を推定する。但し、Cは、j番目のストリームで用いる変調多値数に基づいて決定されたコンスタレーションの集合を表す。つまり、s’は、j番目のストリームに対応するコンスタレーションの集合から選択される送信シンボル候補を示す。なお、トレリス探索アルゴリズムについては、上記の式(5)を参照しながら説明した内容と実質的に同じであるから、その詳細な説明は省略する。
Figure 0005475276
以上説明したように、QR分解MLDを利用することで、全ての送信シンボル候補をストリーム分だけ組み合わせる場合に比べ、ユークリッド距離の算出対象を大きく減らすことができる。一方で、受信信号ベクトルx及び自装置向けチャネル行列Hに同一チャネル干渉に関する白色化処理が施されているため、同一チャネル干渉による影響が抑制されている。その結果、同一チャネル干渉源が存在するシステム環境においても、少ない演算量で高品質な伝送特性を得ることが可能になる。
ここで、本実施形態で用いるメトリックと、上記の事前白色化最尤推定方法で用いたメトリックとが等価であることについて確認する。本実施形態においてトレリス探索に用いられる誤差ベクトルe’は、下記の式(18)で表現される。そのため、この誤差ベクトルe’の大きさは、下記の式(19)のように展開される。本実施形態においては、下記の式(19)で表現される誤差ベクトルe’の大きさがメトリックとして用いられる。
Figure 0005475276
上記の式(19)において、右辺第1項を参照すると、干渉チャネル行列H及び複素行列Vが要素として含まれている。しかし、複素行列Vの定義から、右辺第1項に含まれる干渉チャネル行列H及び複素行列Vの要素はキャンセルされ、送信装置20の送信シンボルベクトルcに関する要素のみが残る。一方、右辺第2項〜右辺第4項には雑音ベクトルnの要素が含まれており、SNRが大きくなるにつれて無視できるようになる。つまり、上記の式(10)で示した事前白色化最尤推定方法とメトリックが等価である。そのため、トレリス探索アルゴリズムにおけるパラメータ(生き残りパス数など)を適切に設定すると、QR分解MLDの特徴である低演算量と干渉白色化最尤検出の特徴である干渉除去機能とを両方合わせ持つMIMO信号検出が実現されるのである。
[応用例:OFDMへの適用]
本実施形態の一応用例として、図6を参照しながら、本実施形態に係る技術を高速移動通信システムにおいてよく用いられるOFDMに拡張する場合について説明する。図6は、本応用例に係る受信装置200の機能構成例を示す説明図である。なお、上記の受信装置100と共通する構成要素については詳細な説明を省略する。
図6に示すように、受信装置200には、上記の受信装置100が備える構成要素に加え、GI除去+FFT処理部202、及び誤り訂正復号部204等が設けられている。なお、受信装置200が備えるQR分解最尤検出部212は、上記の受信装置100が備えるチャネル行列上三角化部120、及びトレリス探索部122に相当する。また、チャネル行列推定部102、干渉チャネル行列推定部104、相関行列計算部106、逆行列計算部108、行列分解部110、干渉白色化部112、並び替え処理部114、QR分解部116、干渉白色化部118、QR分解最尤検出部212、LLR計算部214を含むブロックは、サブキャリア数N分だけ設けられている。
まず、N本の受信アンテナでOFDM信号が受信されると、GI除去+FFT処理部202は、ガードインターバル(GI)を取り除いた上でFFT処理を施してサブキャリア信号に変換する。なお、FFTは、Fast Fourier Transformの略である。そして、各サブキャリアに対し、自装置向けのチャネル行列H及び他システムから受けた干渉ストリームのチャネル行列Hを推定する。このとき、自装置向けシステムと同一チャネル干渉が発生しうる他システムとの間では、チャネル行列の推定処理において干渉が発生しないようにシステム間で直交したパイロット信号が使用されているものとする。さらに、推定した干渉ストリームのチャネル行列Hに関する相関行列が計算され、その対角項に受信装置200の雑音分散値が加算される。
そして、この加算処理で得られた行列の逆行列が計算され、さらに、上三角行列とその複素共役転置行列(下三角行列)に分解される。この分解処理で得られた上三角行列は、受信信号ベクトルxと自装置向けストリームのチャネル行列Hに乗積される。また、この乗積処理で変換された受信信号ベクトルとチャネル行列に対して、QR分解最尤検出部212でQR分解最尤検出が施され、送信シンボルベクトルが推定される。さらに、LLR計算部214において、推定された送信シンボルベクトルに基づいてビット毎の対数尤度比(LLR)が計算され、誤り訂正復号部204に入力される。誤り訂正復号部204では、入力されたLLRに基づいて誤り訂正が実行され、再生ストリームが出力される。
[効果]
以上説明した通り、本実施形態に係る技術においては、同一チャネル干渉の除去に必要な操作が等価的にQR分解最尤検出の前段で実施される。そのため、QR分解最尤検出に干渉除去機能を付加することができる。その結果、同一チャネル干渉源が存在する環境における伝送特性の向上に寄与すると共に、事前白色化最尤検出方式における演算量の大幅な削減を達成することが可能になる。
以下、図7を参照しながら、具体的な伝送特性の向上効果について述べる。図7は、本実施形態に係る技術を適用した場合に得られる効果について説明するための比較例を示す説明図である。図7の比較例は、4行4列のMIMOシステム(自装置向けストリーム数=4)に対して干渉ストリーム数Nを0から3まで変化させた場合の平均ビット誤り率を示したものである。変調方式はQPSKを想定している。また、誤り訂正符号を使用してない場合の誤り率特性を示すものである。
QRM−MLDの場合(一点鎖線)、N=0の条件(干渉ストリームが存在しない条件)においては、平均E/Nの増加と共に、平均BER特性が改善する。しかし、干渉ストリームが1つでも存在すると、平均BER特性が劣化する。一方、干渉白色化最尤検出(PW−FULL−MLD)の場合(鎖線)、干渉ストリーム数が増えるにつれて平均BER特性が劣化する。しかし、QRM−MLDに比べ、干渉に対して高い耐性があることが分かる。但し、PW−FULL−MLDの場合(鎖線)、非常に大きな演算量が必要とされ、現実的ではないという問題を抱えている。本実施形態(PW−QRM−MLD)の場合(実線)、PW−FULL−MLDと同等の平均BER特性を示している。但し、PW−FULL−MLDに比べて大幅に演算量が低減され、演算量が現実的な範囲に抑えられている。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
QR分解MLD方式に係る受信装置の機能構成例を示す説明図である。 同一チャネル干渉が存在する場合のMIMOシステムの構成例を示す説明図である。 事前白色化最尤推定方法を採用した受信装置の機能構成例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る受信装置の機能構成例を示す説明図である。 同実施形態に係る行列分解アルゴリズムの一例を示す説明図である。 同実施形態に係る受信装置の一応用例を示す説明図である。 同実施形態に係る技術を適用した場合に得られる効果を示す説明図である。
符号の説明
10、20 送信装置
12、30、50、100、200 受信装置
32、52、102 チャネル行列推定部
34、114 並び替え処理部
36、116 QR分解部
38、120 チャネル行列上三角化部
40、122 トレリス探索部
54 レプリカ信号生成部
56 誤差ベクトル計算部
58、104 干渉チャネル行列推定部
60 干渉相関逆行列計算部
62 メトリック計算部
64 最小メトリック探索部
106 相関行列計算部
108 逆行列計算部
110 行列分解部
112、118 干渉白色化部
202 GI除去+FFT処理部
204 誤り訂正復号部

Claims (5)

  1. 自装置向けのチャネル行列を推定するチャネル行列推定部と、
    同一チャネルを利用する他のシステムの干渉源との間の伝送路特性を表す干渉チャネル行列を推定する干渉チャネル行列推定部と、
    前記干渉チャネル行列を用いて同一チャネル干渉により生じる誤差ベクトルの相関行列を算出する相関行列算出部と、
    前記相関行列の逆行列を複素行列と当該複素行列の複素共役転置との積に分解する第1行列分解部と、
    前記チャネル行列と前記複素行列とを積算して得られた行列をユニタリ行列と上又は下三角行列との積に分解する第2行列分解部と、
    前記複素行列が乗算された受信信号ベクトル、前記ユニタリ行列、及び前記上又は下三角行列を用いて所定の送信シンボル候補に対するトレリス探索を実行し、尤もらしい前記送信シンボル候補の組み合わせを検出する最尤検出部と、
    を備える、受信装置。
  2. 前記第1行列分解部は、複素行列に対するコレスキー分解アルゴリズムを用いて前記相関行列の逆行列を下三角行列と当該下三角行列の複素共役転置に対応する上三角行列との積に分解する、請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記第1行列分解部は、固有値分解アルゴリズムを用いて前記相関行列の逆行列を直交行列U、当該直交行列Uの複素共役転置U、対角行列Dの積に分解し、前記複素行列をD1/2に設定する、請求項1に記載の受信装置。
  4. 前記最尤検出部は、
    前記複素行列を受信信号ベクトルに乗算し、さらに前記ユニタリ行列を乗算して白色化受信信号ベクトルを生成する白色化受信信号ベクトル生成部と、
    前記上又は下三角行列の最下段又は最上段から順に、当該各段の要素及び前記所定の送信シンボル候補を用いて各段のレプリカシンボルを生成し、当該各段のレプリカシンボルと前記白色化受信信号ベクトルの各段に対応する成分との間のユークリッド距離が小さくなるような送信シンボル候補を順次決定するトレリス探索部と、
    を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の受信装置。
  5. 同一チャネルを利用する他のシステムの干渉源との間の伝送路特性を表す干渉チャネル行列が推定される干渉チャネル行列推定ステップと、
    前記干渉チャネル行列を用いて同一チャネル干渉により生じる誤差ベクトルの相関行列が算出される相関行列算出ステップと、
    前記相関行列の逆行列が複素行列と当該複素行列の複素共役転置との積に分解される第1行列分解ステップと、
    自装置向けのチャネル行列が推定されるチャネル行列推定ステップと、
    前記チャネル行列と前記複素行列とを積算して得られる行列がユニタリ行列と上又は下三角行列との積に分解される第2行列分解ステップと、
    前記複素行列が乗算された受信信号ベクトル、前記ユニタリ行列、及び前記上又は下三角行列を用いて所定の送信シンボル候補に対するトレリス探索が実行され、尤もらしい前記送信シンボル候補の組み合わせが検出される最尤検出ステップと、
    を含む、信号検出方法。
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