JP7257992B2 - 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム - Google Patents
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Description
また、上述のようなアンテナ指向性を推定する手法では、無線局の正確な位置に基づいて伝搬損失推定値を求めることが行われるが、例えば、推定により求められた無線局の位置が用いられるときには、当該位置に誤差があるため、伝搬損失推定値にも誤差が生じる場合があった。
<情報処理システム>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
情報処理システム1は、情報処理装置11と、複数の電波センサー21-11~21-MNと、ネットワーク31を備える。
情報処理装置11と、それぞれの電波センサー21-11~21-MNは、ネットワーク31と接続されている。そして、情報処理装置11と、それぞれの電波センサー21-11~21-MNとは、ネットワーク31を介して、通信することが可能である。
ネットワーク31は、有線のネットワークであってもよく、無線のネットワークであってもよく、あるいは、有線と無線の両方を含むネットワークであってもよい。
ここで、本実施形態では、MおよびNをそれぞれ2以上の整数として、(M×N)個の電波センサー21-11~21-MNを示す。本実施形態では、説明の便宜上、(M×N)個の電波センサー21-11~21-MNは、所定の方向に等間隔にM行分が配置されており、各行ごとに当該所定の方向とは直交する方向に等間隔にN列分が配置されているとする。
なお、複数の電波センサーの数および配置は、それぞれ、任意であってもよい。MとNとは、例えば、同じ値であってもよく、あるいは、異なる値であってもよい。
情報処理装置11は、入力部111と、出力部112と、通信部113と、記憶部114と、制御部115を備える。
制御部115は、取得部131と、推定演算部132と、出力制御部133を備える。
出力部112は、例えば、情報を表示出力する画面と、情報を音出力するスピーカと、外部の装置に直接的に出力する機能部などを備える。
通信部113は、ネットワーク31を介して外部の装置(本実施形態では、電波センサー21-11~21-MN)と通信する。
記憶部114は、情報を記憶する。
取得部131は、情報を取得する。本実施形態では、取得部131は、通信部113によって電波センサー21-11~21-MNから受信された検出結果の情報を取得する。
推定演算部132は、取得部131によって取得された情報に基づいて、所定のアンテナの指向性を推定するための演算を行う。
出力制御部133は、推定演算部132によって行われた演算の結果を出力部112により出力するように制御する。
本実施形態では、1個の無線局のアンテナ指向性のパターンの方向を推定する。無線局としては、無線により通信を行う局が用いられ、例えば、携帯電話システムなどの基地局装置あるいは中継装置などが用いられてもよい。
また、無線局の位置(本実施形態では推定位置であり、他の例として、実際の位置であってもよい)、空中線電力、および、伝搬損失は既知であるとする。これらの情報は、例えば、既知の技術により推定などにより求められてもよく、あるいは、ユーザなどにより設定されてもよい。
また、推定対象となるアンテナ指向性のパターンは既知であるとする。当該パターンは、例えば、無線局の登録情報などから得られてもよく、あるいは、ユーザなどにより設定されてもよい。
また、アンテナ指向性のパターンは1種類のみであるとする。
また、空間として、地図上の2次元の平面を想定する。なお、本実施形態では、図示を簡易化するために、地図の情報の図示を省略するが、例えば、空間が表される場合に、2次元または3次元の地図の情報が組み合わされて表示等されてもよい。
無線局の位置を推定する手法としては、任意の手法が用いられてもよく、例えば、既存のアルゴリズムを使用する手法が用いられてもよい。無線局の位置が推定される場合、推定誤差が発生し得る。位置の推定の精度は、無線局の位置を推定する手法に応じて決まり、例えば、当該推定誤差の最大値(最大推定誤差)は当該手法に応じて決まる。
なお、本実施形態に係る無線局のアンテナ指向性のパターンの推定は、無線局の位置が推定される場合に好適であるが、無線局の実際の位置が把握されている場合に適用されてもよい。
[処理T1]
推定演算部132は、複数の電波センサー21-11~21-MNから取得された検出結果に基づいて、空間的な電力分布を取得する。
当該電力分布は、無線局211が実際の位置にあるときに、無線局211から送信される電波に基づいて得られる電力分布である。
ただし、図2の例では、説明の便宜上、無線局211が示される位置は、推定された位置となっている。当該電力分布は、無線局211が実際の位置にあるときに、無線局211から送信される電波に基づいて得られる電力分布である。
図2の例では、アンテナ指向性の推定対象となる1個の無線局211と、その周囲に存在する電波センサー21-11~21-MNを示してある。なお、図2の例では、推定演算に使用される電波センサー21-11~21-MNを示してあるが、他の電波センサーが情報処理システム1に備えられていてもよい。
また、図2の例では、図示を簡易化するために、それぞれの電波センサー21-11~21-MNによる検出結果(受信電力の強度)の概略を示してあるが、当該検出結果は受信電力の数値[dB]であり、当該数値が情報処理装置11により取得される。
推定演算部132は、無線局211のアンテナ指向性のパターンを仮の方向に配置した場合について、電波センサー21-11~21-MNによる検出結果(空間的な電力分布)を推定する。推定演算部132は、例えば、無線局211の空中線電力(送信機出力電力)、無線局211から電波センサー21-11~21-MNへの方向におけるアンテナ利得、伝搬損失に基づいて、電波センサー21-11~21-MNによる受信電力を推定する。
ここでは、無線局211の位置として、推定された位置が用いられる。
ここで、図3の例では、無線局211が示される位置は、推定された位置となっている。当該電力分布は、無線局211が推定された位置にあると仮定ときに得られると推定される電力分布である。
図3には、仮のアンテナ指向性のパターン311について、中心方向331と、角度幅351を示してある。
なお、図3の例では、図2の例と同様に、図示を簡易化するために、それぞれの電波センサー21-11~21-MNによる検出結果(受信電力の強度)の概略を示してあるが、当該検出結果は受信電力の数値[dB]である。
また、情報処理装置11では、パターン311について、中心方向331および角度幅351は、例えば、パターン311の情報として、記憶部114に記憶され、制御部115によって処理される。
推定演算部132は、電波センサー21-11~21-MNによる検出結果に基づいて得られた空間的な電力分布(測定値に基づく電力分布)と、無線局211について仮のアンテナ指向性のパターン311の方向を想定した場合に電波センサー21-11~21-MNにより得られると想定される空間的な電力分布(想定値に基づく電力分布)との相関係数を演算する。
本実施形態では、当該所定の領域として、無線局211の推定位置を中心とする半径m(mは、0よりも大きい値)の円の内側の領域が用いられる。なお、当該所定の領域の境界線については、当該所定の領域の内側に含められてもよく、あるいは、含められなくてもよい。
ここで、円の半径mとしては、例えば、無線局の位置を推定するアルゴリズムにおける位置推定精度に応じた値が用いられてもよく、具体例として、当該位置推定精度に相当する値が用いられてもよく、あるいは、当該位置推定精度に所定の係数が乗じられた結果に相当する値(または、当該位置推定精度に相当する値に所定の係数が乗じられた結果)が用いられてもよい。
位置推定精度に相当する値としては、例えば、最大推定誤差の値が用いられてもよい。
なお、円の半径mとしては、位置推定精度に相当する値、または、それよりも大きい値とすることが、位置の推定精度の観点で、好ましい。つまり、無線局の推定位置を含む除外領域に、当該無線局の実際の位置が含まれることが好ましい。
図4の例では、図2に示される無線局211と電波センサー21-11~21-MNの配置および電力分布と比べて、所定の領域における電力分布が除かれた様子を示してある。
図4の例では、当該所定の領域は、無線局211の推定位置を中心とする半径mの円の領域である円領域411の内側の領域である。
図5の例では、図3に示される無線局211と電波センサー21-11~21-MNの配置および電力分布と比べて、所定の領域における電力分布が除かれた様子を示してある。
図5の例では、当該所定の領域は、無線局211の推定位置を中心とする半径mの円の領域である円領域421の内側の領域である。
ここで、図4に示される円領域411と図5に示される円領域421とは同じである。
換言すると、有効な電波センサーは、電波センサー21-11~21-MNから、円領域411(あるいは、円領域421でも同様)の内側に位置する電波センサーを除いた電波センサーである。
式(1)において、t(t=1~T)は変数であり、Tは電波センサー21-11~21-MNのうちで有効な電波センサーの数(本実施形態では、M×Nよりも小さい数)を表しており、P0,tはt番目の電波センサーによる受信電力(測定値)を表しており、P1,tは仮のアンテナ指向性のパターン311の方向を想定した場合におけるt番目の電波センサーによる受信電力(想定値)を表している。また、P0,tの上に横線が引かれたものはP0,tの平均値を表しており、P1,tの上に横線が引かれたものはP1,tの平均値を表している。
ここで、t=1~Tのそれぞれに対応する複数の電波センサー21-11~21-MNの順序は任意であってもよい。
なお、相関係数としては、例えば、他のパラメータを含む演算式が用いられてもよく、あるいは、同じパラメータであっても他の演算式による相関係数が用いられてもよい。
具体的には、電力分布の抽出は、それぞれの電波センサー21-11~21-MNを単位として、電波センサー21-11~21-MNを抽出することにより行われる。つまり、本実施形態では、所定の領域の外側にある電波センサーを相関係数の演算対象とし、当該所定の領域の内側にある電波センサーを相関係数の演算対象外とする。
例えば、相関係数の演算において、無線局211からの距離に応じた重み付けが、電波センサー21-11~21-MNによる受信電力(測定値と想定値の一方または両方)に行われてもよい。具体例として、無線局211に近いほど重み付けの値を高くし、無線局211から遠いほど重み付け値を低くしてもよく、これにより、無線局211に対して遠方に存在する別の無線局の影響を低減し、また、無線局211からの電力が低い領域でのノイズの影響を低減することができる。逆に、無線局211に近いほど重み付けの値を低くし、無線局211から遠いほど重み付け値を高くしてもよい。
推定演算部132は、仮のアンテナ指向性のパターン311の方向を初期値から変化させながら、それぞれの仮定の方向について相関係数を演算する。
推定演算部132は、算出された相関係数の値が最も高くなったアンテナ指向性のパターン311の方向を、推定結果とする。
また、仮定の方向を変化させる手法としては、任意の手法が用いられてもよい。
図6は、本発明の実施形態に係る情報処理装置11において行われる処理の手順の一例を示す図である。
図6の例では、無線局211(1点とみなす)を中心として全方向を360度の角度として、これをL(Lは2以上の整数)で等分割したステップ(一定の角度ステップ)が用いられている。また、n(n=1~L)を変数とする。Lは、例えば、36などであってもよい。
推定演算部132は、n=0に設定する。そして、推定演算部132は、ステップS2の処理へ移行する。
推定演算部132は、相関係数r(θn)を計算する。そして、推定演算部132は、ステップS3の処理へ移行する。ここで、相関係数r(θn)は、仮定の方向を角度θnとした場合における相関係数である。
推定演算部132は、nに1を追加(加算)する。そして、推定演算部132は、ステップS4の処理へ移行する。
推定演算部132は、nがLよりも小さいか否かを判定する。
この判定の結果、推定演算部132は、nがLよりも小さいと判定した場合(ステップS4:YES)、ステップS2の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、推定演算部132は、nがLよりも小さくないと判定した場合(ステップS4:NO)、ステップS5の処理へ移行する。
推定演算部132は、算出されたL個の相関係数のうち最大となる相関係数MAX(r(θn))が求められた角度θnをアンテナ指向性のパターン311の方向の推定結果と判定して、当該推定結果の情報を出力する。そして、推定演算部132は、本フローの処理を終了する。
例えば、アンテナ指向性のパターン311の方向の角度を定義する。一例として、北の方向を0度(°)とし、右回り(時計回り)に360度の角度を定義する。この場合、東の方向が90度となり、南の方向が180度となり、西の方向が270度となる。
推定演算部132は、初期の領域から始めて、対象となる領域(対象領域)を2つ以上の分割領域に分けて、それぞれの分割領域ごとに1つの仮定の方向を設定して相関係数を計算し、相関係数が最も高い仮定の方向を含む分割領域を次の対象領域とする。そして、推定演算部132は、最終的に絞り込まれた分割領域に含まれる仮定の方向を採用する。初期の領域としては、例えば、360度の領域が用いられてもよい。
情報処理装置11では、所定の領域を除外して、複数の電波センサー21-11~21-MNを用いて取得された空間的な電力分布と、無線局211のアンテナ指向性のパターン311の方向を仮の方向としたときに電波センサー21-11~21-MNで得られると想定される空間的な電力分布との相関係数を求める。そして、情報処理装置11では、仮の方向を変化させて、相関係数の値が最も高くなった仮の方向を、推定結果の方向とする。
なお、アンテナ指向性のパターン311の推定、あるいは、受信電力の推定においては、例えば、無線局211の空中線電力(送信機出力電力)、無線局211のアンテナから見た対象となる場所の方向のアンテナ利得、伝搬損失などの情報が用いられてもよく、これにより、推定の精度を向上させることができる。
無線局211の推定位置に誤差がある場合に、アンテナ指向性のパターンの推定精度に影響を与え得る。
例えば、無線局211の実際の位置の近傍の範囲では電力が高いため、当該範囲を除外した方が、相関係数の精度が良いと考えられる。つまり、相関係数を計算する範囲に、無線局211の推定位置と実際の位置との間にある電力が高い部分が含まれると、電力が高い部分での相関にずれが出て、相関係数の精度に影響が生じると考えられる。
一方、無線局211の推定位置が、実際の位置に対して、アンテナの指向方向とは逆方向にずれた場合には、相関係数の精度の劣化は小さいと考えられるが、本実施形態を適用しても、相関係数の精度が十分に得られると考えられる。
また、無線局211の推定位置が、実際の位置に対して、他の方向にずれた場合には、当該他の方向に応じて、(本実施形態が適用されない場合における)相関係数の精度への影響が生じると考えられ、本実施形態の効果が得られる。
このようなことから、無線局211の推定位置のずれ方向に関わらず、本実施形態が有効である。
本実施形態では、第1実施形態とは異なる点について詳しく説明し、同様な点については説明を省略する。
本実施形態では、概略的には、第1実施形態と比べて、アンテナ指向性のパターンを推定する際に、[処理T3]において、図4および図5に示される所定の領域として異なる領域を用いる。
本実施形態では、当該所定の第1領域として、無線局211の推定位置を中心とする半径m1(m1は、0よりも大きい値)の円(第1円)の内側の領域が用いられる。なお、当該所定の第1領域の境界線については、当該所定の第1領域の内側に含められてもよく、あるいは、含められなくてもよい。
また、本実施形態では、当該所定の第2領域として、無線局211の推定位置を中心とする半径m2(m2は、m1よりも大きい値)の円(第2円)の外側の領域が用いられる。なお、当該所定の第2領域の境界線については、当該所定の第2領域の内側に含められてもよく、あるいは、含められなくてもよい。
そして、本実施形態では、当該所定の領域として、当該所定の第1領域と当該所定の第2領域とを合わせた領域が用いられる。
位置推定精度に相当する値としては、例えば、最大推定誤差の値が用いられてもよい。
なお、第1円の半径m1としては、位置推定精度に相当する値、または、それよりも大きい値とすることが、位置の推定精度の観点で、好ましい。つまり、無線局の推定位置を含む除外領域に、当該無線局の実際の位置が含まれることが好ましい。
なお、第2円の半径m2としては、第2円の内側では受信電力がノイズに埋もれず、第2円の外側では受信電力がノイズに埋もれるような値とすることが、位置の推定精度の観点で、好ましい。つまり、受信電力がノイズに埋もれる領域は、除外されることが好ましい。受信電力がノイズに埋もれる領域は、例えば、受信電力のレベルと、ノイズのレベルに基づいて設定されてもよく、一例として、無線局からの送信電力と、伝搬損失に基づいて設定されてもよい。
図7の例では、図2に示される無線局211と電波センサー21-11~21-MNの配置および電力分布と比べて、所定の領域における電力分布が除かれた様子を示してある。
図7の例では、当該所定の領域は、無線局211の推定位置を中心とする半径m1の円の領域である第1円領域511の内側の第1領域と、無線局211の推定位置を中心とする半径m2の円の領域である第2円領域512の外側の第2領域と、を合わせた領域である。
図8の例では、図2に示される無線局211と電波センサー21-11~21-MNの配置および電力分布と比べて、所定の領域における電力分布が除かれた様子を示してある。
図8の例では、当該所定の領域は、無線局211の推定位置を中心とする半径m1の円の領域である第1円領域521の内側の第1領域と、無線局211の推定位置を中心とする半径m2の円の領域である第2円領域522の外側の第2領域と、を合わせた領域である。
ここで、図7に示される第1円領域511と図8に示される第1円領域521とは同じである。
また、図7に示される第2円領域512と図8に示される第2円領域522とは同じである。
換言すると、有効な電波センサーは、電波センサー21-11~21-MNから、所定の領域の内側に位置する電波センサーを除いた電波センサーである。
具体的には、有効な電波センサーは、無線局211の推定位置を中心とする半径m1の円の外側であり、かつ、無線局211の推定位置を中心とする半径m2の円の内側である領域である。
具体的には、電力分布の抽出は、それぞれの電波センサー21-11~21-MNを単位として、電波センサー21-11~21-MNを抽出することにより行われる。つまり、本実施形態では、所定の領域の外側にある電波センサーを相関係数の演算対象とし、当該所定の領域の内側にある電波センサーを相関係数の演算対象外とする。
したがって、情報処理装置11では、第1実施形態と同様な効果を得ることができ、さらに、無線局211の推定位置から遠方におけるノイズの影響を低減して、相関係数の精度への影響を低減することができる。
本実施形態では、第1実施形態~第2実施形態とは異なる点について詳しく説明し、同様な点については説明を省略する。
本実施形態では、概略的には、第1実施形態~第2実施形態と比べて、アンテナ指向性のパターンを推定する際に、アンテナ指向性のパターンの仮定の方向を変化させるとともに、相関係数の演算対象外とする所定の領域を変化させる。つまり、本実施形態では、アンテナ指向性のパターンの仮定の方向および相関係数の演算対象外とする所定の領域を変化させて、相関係数の最大値を求める。
図9に示されるフローの処理は、例えば、図6に示されるステップS2の処理において、相関関数r(θn)を計算する際に行われる。
なお、図6に示されるフローと図9に示されるフローとの組み合わせの仕方は、例えば、同様な結果が得られれば、任意の組み合わせの処理手順が用いられてもよい。
また、図9の例において、第2実施形態における図7および図8の例に適用される場合には、円の半径は、第1円領域511の半径m1(第1円領域521の半径m1も同じ)と、第2円領域512の半径m2(第2円領域522の半径m2も同じ)との一方または両方である。つまり、図9の例において、第2実施形態における図7および図8の例に適用される場合には、2つの円のうちの任意の一方に適用されてもよく、あるいは、両方に適用されてもよい。
推定演算部132は、円の半径を初期値に設定する。そして、推定演算部132は、ステップS22の処理へ移行する。
ここで、本実施形態では、円の半径の初期値、および、当該円の半径を変更する範囲が、あらかじめ設定されている。この設定内容は、例えば、情報処理装置11にあらかじめ記憶されていてもよく、あるいは、ユーザの操作によって情報処理装置11に可変に設定されてもよい。
推定演算部132は、相関係数r(θn)を計算する。そして、推定演算部132は、ステップS23の処理へ移行する。ここで、相関係数r(θn)は、仮定の方向を角度θnとし、かつ、円の半径が現在設定されている値である場合における相関係数である。
推定演算部132は、円の半径を変更する。そして、推定演算部132は、ステップS24の処理へ移行する。
ここで、円の半径を変更する態様は、例えば、あらかじめ定められている。
一例として、円の半径を変更する態様として、現在の値に所定値(ここでは、正の値とする)を加算した結果へ変更することで、円の半径を次第に大きくしていく態様が用いられてもよい。
他の例として、円の半径を変更する態様として、現在の値から所定値(ここでは、正の値とする)を減算した結果へ変更することで、円の半径を次第に小さくしていく態様が用いられてもよい。
また、第2実施形態に係る図7および図8の例において、2つの円の半径m1、m2の両方を変更する場合には、例えば、2つの円の半径m1、m2のうちの一方を固定して他方を変更する処理手順および当該他方を固定して当該一方を変更する処理手順の組み合わせが用いられてもよく、あるいは、2つの円の半径m1、m2の両方を同時に変更する処理手順が用いられてもよい。
推定演算部132は、変更後の円の半径が、当該円の半径を変更する範囲を超えたか否かを判定する。
この判定の結果、推定演算部132は、変更後の円の半径が、当該円の半径を変更する範囲を超えたと判定したときには、当該円の半径の変更は終了したと判定し(ステップS24:YES)、ステップS25の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、推定演算部132は、変更後の円の半径が、当該円の半径を変更する範囲を超えていないと判定したときには、当該円の半径の変更は終了していないと判定し(ステップS24:NO)、ステップS22の処理へ移行する。
推定演算部132は、算出された複数の相関係数のうち最大となる相関係数を、相関係数r(θn)の算出値として、選択する。そして、推定演算部132は、本フローの処理を終了する。
したがって、情報処理装置11では、第1実施形態あるいは第2実施形態よりも高精度で、推定を行うことができる。
<変形例1>
以上の実施形態では、円を用いて各種の領域を設定したが、円の代わりに、他の任意の図形が用いられてもよく、例えば、三角形、四角形、五角形、他の多角形、楕円、などが用いられてもよい。
また、以上の実施形態では、無線局211の推定位置を中心として図形(以上の実施形態では、円)を配置したが、他の配置が用いられてもよい。
また、以上の実施形態では、1つの図形または2つの図形を用いて所定の領域を設定したが、他の例として、3つ以上の図形を用いて所定の領域を定義してもよい。
以上の実施形態では、アンテナ指向性のパターンとして、既知の1種類が想定されていた。これに対して、無線局211の登録情報などに複数のアンテナが登録されている場合などには、複数種類のアンテナ指向性のパターンが使用され得る。
そこで、推定演算部132は、複数種類のアンテナ指向性のパターンを順番に用いて以上の実施形態の場合と同様に各パターンについて相関係数の最大値を求め、複数種類のパターンのなかで相関係数の最大値が最大となるパターンを推定結果とする。そして、推定演算部132は、当該パターンにおいて、相関係数の最大値が得られた方向を推定結果とする。これにより、推定演算部132は、アンテナ指向性のパターンおよび方向の推定結果を得る。
以上の実施形態では、2次元の平面(2次元平面)を考慮したが、他の例として、推定演算部132は、アンテナ指向性のパターンの方向を推定する際に、3次元の空間(3次元空間)を考慮した演算を行う。
例えば、第1実施形態における[処理T4]では、推定演算部132は、仮定するアンテナ指向性のパターンの方向を変化させて相関係数を求める際、アンテナ指向性のパターンの方向を均等なステップで変化させる場合に、仮の方向を2次元の水平方向で変化させる。つまり、第1実施形態では、無線局211のアンテナと電波センサー21-11~21-MNとで設置高が同じであり、かつ、無線局211のアンテナが大地に対して垂直に設置されている場合を想定している。この場合、電波センサー21-11~21-MNは無線局211のアンテナから見て水平方向に存在するため、アンテナ指向性のパターンは、アンテナの水平面における指向性のパターンを用いることで十分である。
なお、アンテナ指向性のパターンの方向を推定する空間的な範囲と比べて、無線局211および無線局211のアンテナは、1点であるとみなしている。
例えば、推定演算部132は、第1実施形態における[処理T4]において、第1実施形態の場合の代わりに、アンテナ指向性の方向(水平方向)とアンテナの傾きを変化させて、相関係数を求める。
また、推定演算部132は、電波センサー21-11~21-MNでの受信電力を、例えば、無線局211の空中線電力(送信機出力電力)、無線局211のアンテナから見たその場所(電波センサー21-11~21-MNの場所)の指向方向(水平方向)およびアンテナから見た水平方向に対する垂直方向の角度から求まるアンテナ利得、伝搬損失、から演算により求める。また、当該受信電力の演算において、例えば、ビルなどの障害物の情報が用いられてもよい。なお、これらの値は、それぞれ、例えば、既知の手法によって求められてもよく、あるいは、ユーザなどによって設定されてもよい。
無線局211のアンテナから電波センサー21-11を見た指向方向(水平方向)と、無線局211のアンテナから電波センサー21-11を見た水平方向に対する垂直方向の角度に基づいて、無線局211のアンテナの利得は垂直方向の利得と水平方向の利得との積(dBの単位では、値の加算)となる。
また、2次元の平面における半径m1の円の内側、外側、および、半径m2の円の内側、外側の代わりに、3次元の空間における半径m1の球の内側、外側、および、半径m2の球の内側、外側が用いられてもよい。
以上の実施形態では、1つの無線局211を考慮したが、複数の無線局を考慮してもよい。
例えば、推定演算部132は、[処理T1]~[処理T5]を行うことで得られた1局目の無線局211のアンテナ指向性のパターンの方向の推定結果を用いて、1局目の無線局211のアンテナ指向性のパターンによる電波センサー21-11~21-MNでの受信電力を推定する。
そして、推定演算部132は、無線局211の推定結果の電力分布を、電波センサー21-11~21-MNで取得された電力分布から差し引いて、その結果として空間的な電力分布を求める。推定演算部132は、このようにして求められた空間的な電力分布を、仮想的に、電波センサー21-11~21-MNによる検出結果から得られる電力分布とみなして、2局目の無線局211についてアンテナ指向性のパターンの方向を推定する。
推定演算部132は、3局目以降の無線局についても同様に、直前までの無線局のアンテナによる電波センサー21-11~21-MNでの推定受信電力を、電波センサー21-11~21-MNで取得された受信電力から差し引いて得られる空間的な電力分布を用いて、アンテナ指向性のパターンの方向の推定を行う。
このような一連の処理を、すべての無線局に対して順番に行うことで、各無線局のアンテナ指向性のパターンの方向を推定することができる。
以上の実施形態では、1つのアンテナ指向性のパターンごとについて推定を行ったが、他の例として、複数のアンテナ指向性のパターンをまとめて推定を行ってもよい。
例えば、推定演算部132は、無線局211の複数のアンテナ指向性のパターンのそれぞれを仮の方向に配置した場合について、電波センサー21-11~21-MNによる検出結果(空間的な電力分布)を推定する。この推定結果は、これら複数のアンテナ指向性のパターンによる電力分布の合成結果に相当する。
この場合、例えば、推定演算部132は、複数のアンテナ指向性のパターンのそれぞれについて、別々または同時に、仮の方向を変化させて、推定を行う。
なお、無線局211で使用されるアンテナの本数が既知である場合には既知の本数が用いられればよいが、他の例として、無線局211で使用されるアンテナの本数が不明である場合には、当該本数が推定されてもよい。
ここで、1つの無線局における複数のアンテナ指向性のパターンをまとめて推定を行う代わりに、複数の無線局のそれぞれにおけるアンテナ指向性のパターンをまとめて推定を行ってもよい。この場合、それぞれの無線局におけるアンテナ指向性のパターンの数は、1以上の任意の値であってもよい。
一構成例として、情報処理装置11では、推定演算部132によって、所定の領域を除外して、電力の測定結果に基づく空間的な電力分布と、無線局のアンテナ指向性のパターンの方向を仮の方向としたときに想定される空間的な電力分布との相関係数を演算し、複数の前記仮の方向のそれぞれについて得られた前記相関係数のうちで最大の相関係数が得られた前記仮の方向を前記アンテナ指向性のパターンの方向の推定結果と判定する。
一構成例として、情報処理方法(以上の実施形態では、情報処理装置11において行われる方法)では、推定演算部132によって、所定の領域を除外して、電力の測定結果に基づく空間的な電力分布と、無線局のアンテナ指向性のパターンの方向を仮の方向としたときに想定される空間的な電力分布との相関係数を演算し、複数の前記仮の方向のそれぞれについて得られた前記相関係数のうちで最大の相関係数が得られた前記仮の方向を前記アンテナ指向性のパターンの方向の推定結果と判定する。
一構成例として、プログラム(以上の実施形態では、情報処理装置11においてプロセッサーにより実行されるプログラム)は、推定演算部132によって、所定の領域を除外して、電力の測定結果に基づく空間的な電力分布と、無線局のアンテナ指向性のパターンの方向を仮の方向としたときに想定される空間的な電力分布との相関係数を演算し、複数の前記仮の方向のそれぞれについて得られた前記相関係数のうちで最大の相関係数が得られた前記仮の方向を前記アンテナ指向性のパターンの方向の推定結果と判定するステップを、コンピュータ(以上の実施形態では、情報処理装置11を構成するコンピュータ)に実行させるためのプログラムである。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
Claims (12)
- 所定の領域を除外して、電力の測定結果に基づく空間的な電力分布と、無線局のアンテナ指向性のパターンの方向を仮の方向としたときに想定される空間的な電力分布との相関係数を演算し、複数の前記仮の方向のそれぞれについて得られた前記相関係数のうちで最大の相関係数が得られた前記仮の方向を前記アンテナ指向性のパターンの方向の推定結果と判定する推定演算部を備える、
情報処理装置。 - 前記推定演算部は、複数の前記パターンのそれぞれについて前記相関係数を演算し、最大の相関係数が得られた前記パターンおよび前記仮の方向を前記アンテナ指向性のパターンおよび方向の推定結果と判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記推定演算部は、2次元平面における前記パターンの情報を用いて前記相関係数を演算する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記推定演算部は、3次元空間における前記パターンの情報を用いて前記相関係数を演算する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記推定演算部は、電力の前記測定結果に基づく空間的な前記電力分布と、前記無線局の前記アンテナ指向性の前記パターンの方向を前記仮の方向としたときに想定される空間的な前記電力分布との一方または両方について所定の重み付けを行い、前記重み付けが行われた結果に基づいて前記相関係数を演算する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記所定の領域は、所定の円の内側の領域を含む、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記所定の領域は、さらに、前記所定の円よりも半径が大きい所定の他の円の外側の領域を含む、
請求項6に記載の情報処理装置。 - 前記推定演算部は、前記所定の領域を変化させて前記相関係数を演算し、最大の相関係数が得られた前記パターンおよび前記仮の方向を前記アンテナ指向性のパターンおよび方向の推定結果と判定する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記推定演算部は、前記無線局の推定位置を中心として設定される前記所定の領域を用いる、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記推定演算部は、前記無線局の位置推定精度に応じた前記所定の領域を用いる、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 推定演算部が、所定の領域を除外して、電力の測定結果に基づく空間的な電力分布と、無線局のアンテナ指向性のパターンの方向を仮の方向としたときに想定される空間的な電力分布との相関係数を演算し、複数の前記仮の方向のそれぞれについて得られた前記相関係数のうちで最大の相関係数が得られた前記仮の方向を前記アンテナ指向性のパターンの方向の推定結果と判定する、
情報処理方法。 - 推定演算部が、所定の領域を除外して、電力の測定結果に基づく空間的な電力分布と、無線局のアンテナ指向性のパターンの方向を仮の方向としたときに想定される空間的な電力分布との相関係数を演算し、複数の前記仮の方向のそれぞれについて得られた前記相関係数のうちで最大の相関係数が得られた前記仮の方向を前記アンテナ指向性のパターンの方向の推定結果と判定するステップを、
コンピュータに実行させるためのプログラム。
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