JP4927443B2 - 乳化剤形の皮膚外用剤 - Google Patents
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ション界面の強度の低下を背景に、容器と内容物の接触面に於いて、容器の表面に誘引されて、エマルションが壊れ、油相乃至は水相が遊離する場合も存した。即ち、有機変性粘土鉱物を含有する油中水乳化剤形の皮膚外用剤に於いては、エマルションの界面を強化し、前記のエマルションの崩壊を防ぐ手段の開発が望まれていたと言える。
(1)1)有機変性粘土鉱物と、2)ポリグリセリン変性シリコーンと、3)L−カルニチン及び/又はその塩と、4)ジメチコン乃至はシクロメチコン10〜30質量%とを含有することを特徴とする、油中水乳化剤形の皮膚外用剤。
(2)更に、多価アルコールを10〜30質量%含有することを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は有機変性粘土鉱物を必須成分として含有することを特徴とする。ここで有機変性とは、粘土鉱物の一部に有機化合物の一部を共有結合乃至はイオン結合を介して強固乃至は緩やかな結合を生ぜしめ、有機化合物の性質の一部乃至は全部を粘土鉱物に付与させることを意味し、この様な変性としては4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法、カルボキシル基と粘土鉱物のカチオン部分を結合させる方法等が例示でき、4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法が特に好ましく例示できる。
前記未変性粘土鉱物を分散媒に分散させる。該分散剤は水系の溶媒であることが好ましく、水であってもよい。分散未変性粘土鉱物を含む分散液に、さらに4級アミノ基を有する化合物を加え、よく撹拌する。4級アミノ基を有する化合物は、水に溶解されて加えられてもよい。加えられる4級アミノ基を有する化合物の量は、分散未変性粘土鉱物の量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましい。この様な構成を取ることにより、乳化系において、好ましい使用感を呈するためである。撹拌後、分散質を濾取し、脱水、乾固することにより本発明における変性粘土鉱物を得ることができる。あるいは、分散質を濾取することなく、減圧濃縮することにより分散剤を除去して乾固させることにより、本発明における変性粘土鉱物を得ることもできる。得られた変性粘土鉱物は、好ましくは所望のサイズ(粒径が1〜1000μmであることが好ましい)に粉砕され、本発明の皮膚外用剤に含有される。
チルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどが好ましく例示される。
本発明の皮膚外用剤は前記必須成分とL−カルニチン及び/又はその塩とを含有することを特徴とする。L−カルニチンは下記に示す構造を有しており、既に、化粧料用の原料として使用されている。この様な市販品を購入して使用することができる。又、試薬としても市販されているのでその入手は容易である。本発明では、かかるL−カルニチンをそのまま使用することもできるし、酸などとともに塩となし、かかる塩を含有させることもできる。保存においては塩の状態の方が安定性が高いので、塩を用いることが好ましい。塩としては、通常皮膚外用剤で使用されている塩であれば特段の限定なく使用することができ、例えば、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酢酸塩等の有機酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等の酸性アミノ酸塩等が好適に例示できる。かかる成分は、前記有機変性粘土鉱物の作る構造を安定化させる作用を有し、副次的な作用として、油溶性の有効成分を包含させる能力を向上せしめる作用を有する。この様な作用を発揮するためには、L−カルニチン及び/又はその塩は、L−カルニチン相当量に換算して、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜10質量%含有することが好ましく、0.5〜5質量%含有することがより好ましい。少なすぎると、前記効果を奏さない場合が存し、多すぎると却って乳化系を損なう場合が存するからである。
、仕上がり感の欠点を補うために、界面活性剤に分類されない、シリコーン(必須成分であるポリグリセリン変性ジメチルポリシロキサンを含まない)を含有することが好ましく、該シリコーンの含有量としては、10〜35質量%含有することが好ましく、より好ましくは20〜30質量%である。この内、ジメチコン乃至はオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等のシクロメチコンは10〜30質量%であり、15〜25質量%がより好ましい。特にジメチコン及びシクロメチコンの質量の和に対して、シクロメチコンの質量が50%以上であることが好ましい。
ルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
ップ化粧料、サンケアミルクやサンケアクリームなどの紫外線防護化粧料、リンス、シャンプー、ボディーシャンプーなどの洗浄料、ヘアクリーム、ヘアパックなどの毛髪用の化粧料、抗真菌皮膚外用医薬、抗炎症皮膚外用医薬、ステロイド皮膚外用医薬、皮膚外用殺菌剤、皮膚外用雑貨などが好適に例示でき、中でも化粧料が好ましく、特に基礎化粧料が好ましい。基礎化粧料においては、有効成分が効率よく経皮吸収できるとともに、閉塞性による皮膚バリア機能の保全効果が存し、TEWL(経皮的水分散逸量)の亢進を抑制することができるためである。
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である、油中水乳化剤形である化粧料を製造した。即ち、イ、ロの成分を80℃に加温し、イを混練りしてゲルを形成させ、この中にハを加えて溶解させ、これに攪拌下徐々にロを加えて乳化し、攪拌冷却して油中水乳化剤形の化粧料1を得た。同様に操作して、「ベントン38V」を「シリコーンKF6100」に置換した比較例1及び「シリコーンKF6100」を「ベントン38V」に置換した比較例2も作成した。
化粧料1、比較例1及び比較例2を製造後20℃で24時間保管した後、1000gで5分間遠心分離を行い、これを樹脂容器(ポリプロピレン)に充填し、40℃で1ヶ月保存し、20℃に24時間保管して、温度を20℃に戻し、性状を観察した。性状は水相の分離の高さの百分率として観察した。結果を表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である、化粧料1は強固なエマルション界面を有し、優れた安定性を有することがわかる。
化粧料1と同様に、下記処方に従って、本発明の皮膚外用剤である、油中水剤形の化粧料2を製造した。このものは試験例1の評価で水相の分離百分率は0%であった。化粧料1と同様の効果が得られていることがわかる。
化粧料1と同様に、下記処方に従って、皮膚外用剤である、油中水剤形の化粧料3を製造した。このものは試験例1の評価で水相の分離百分率は3%であった。化粧料1と同様の効果が得られていることがわかる。油相成分としては、ジメチコンなどの界面活性剤に分類されないシリコーン類を含有することが好ましいこともわかる。
化粧料1と同様に、下記処方に従って、皮膚外用剤である、油中水剤形の化粧料4を製造した。このものは試験例1の評価で水相の分離百分率は5%であった。これより、本発明の皮膚外用剤に於いては、塩化カルニチンを含有することが好ましいことがわかる。
化粧料1と同様に、下記処方に従って、皮膚外用剤である、油中水剤形の化粧料5を製造した。このものは試験例1の評価で水相の分離百分率は2%であった。これより、本発明の皮膚外用剤に於いては、塩化カルニチンを含有することが好ましいことがわかる。
化粧料1と同様に、下記処方に従って、本発明の皮膚外用剤である、油中水剤形の皮膚外用抗真菌医薬1を製造した。このものは試験例1の評価で水相の分離百分率は0%であった。化粧料1と同様の効果が得られていることがわかる。
Claims (2)
- 1)有機変性粘土鉱物と、2)ポリグリセリン変性シリコーンと、3)L−カルニチン及び/又はその塩と、4)ジメチコン乃至はシクロメチコン10〜30質量%とを含有することを特徴とする、油中水乳化剤形の皮膚外用剤。
- 更に、多価アルコールを10〜30質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
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