JP4919470B2 - 幼児用靴 - Google Patents
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Description
しかし、このような面ファスナーを手指の機能が充分ではない要介助者や幼児等が自分で解除することが難しいため、ベルトに把持部等を設け、幼児等がこの把持部を保持して操作することで、ベルトとアッパーの面ファスナーを解除させやすい構成としているものが提案されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3)。
例えば、幼児用の靴では、アッパーが小さいのに対し、ベルトが大きく形成されるので、ベルトに設けられた把持部が靴底部側に向かって突出するように配置されると、把持部が地面等に接触等し、歩行の妨げ等の危険を伴うという問題があった。
一方、歩行の妨げにならないように把持部を小さくすると、幼児等が把持部の存在を把握できないだけでなく、把持し難いという問題があった。
また、把持部は固定用ベルト部の先端部側へ延長するように配置されていないので、使用者が把持部の存在を認知し易く、把持し易い靴となっている。
前記構成によれば、固定用ベルト部の先端部は、その剛性を高めるためのカウンター部に近接して配置され、少なくとも、固定用ベルト部の先端部には、ベルト面ファスナーが配置され、少なくとも、アッパー本体部のカウンター部近傍には、アッパー側面ファスナーが配置されている。
したがって、ベルト面ファスナーとアッパー側面ファスナーとの係合は、剛性が高いカウンター部の近傍で行われるので、使用者の足をより確実に靴に保持した状態で、ホールドすることができる。
また、前記構成によれば、1ヶ所のベルト部の操作だけで足挿入用開口部の開閉を行うことができ、操作が未熟で2ヶ所のベルトをそれぞれ操作することが困難な幼児等であっても、適切な位置に配置する操作を行い易い。
つまり、アッパー側面ファスナーとベルト面ファスナーの相対位置が多少ずれても、アッパー側面ファスナーは、より大きなベルト面ファスナー内に止まるので、確実にベルト面ファスナー係合される。
また、前記構成によれば、ベルト面ファスナーがアッパー側面ファスナーと係合された際に、把持部の少なくとも一部がアッパー本体と非係合状態で配置されるので、靴の使用者等が操作しやすい把持部となっている。
したがって、ベルト面ファスナーとアッパー側面ファスナーとの係合は、剛性が高いカウンター部の近傍で行われるので、使用者の足をより確実に靴に保持した状態で、ホールドすることができる。
また、前記構成によれば、1ヶ所のベルト部の操作だけで足挿入用開口部の開閉を行うことができ、操作が未熟で2ヶ所のベルトをそれぞれ操作することが困難な幼児等であっても、適切な位置に配置する操作を行い易い。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(第1の実施の形態に係る幼児用靴100の全体構成の概略について。)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る幼児用靴100を示す概略斜視図である。
図1に示すような幼児用靴100は、例えば1才6ヶ月乃至2才6ヶ月程度の幼児のための靴である。この時期になると幼児も歩行が上手になり始め、自分で走ったりするだけに止まらず、自分自身で靴を履きたがる時期となっている。
また、幼児用靴100のアッパー本体部120には、幼児の足を挿入するための履き口部140と舌状当接部150を有している。舌状当接部150については後述する。
図2に示すように、幼児用靴100には、履き口部140の一部を切り欠いて爪先側方向に向かって形成されている足挿入用開口部160が形成されている。
そして、舌状当接部150は、足挿入用開口部160の爪先側に固定されている。
したがって、図2に示すように、足挿入用開口部160を広げ、舌状当接部150を開状態にすれば、幼児用靴100の履き口部140が十分に大きく開き、幼児が足を入れやすく、且つ脱がせやすい靴となる。また、幼児の介助者である保護者等にとっても幼児に靴を履かせやすく、脱がせやすい靴となる。
幼児用靴100は、図1及び図2に示すように、舌状当接部150と足挿入用開口部160に対して配置される固定用ベルト部である例えば、ベルト部170を有している。ベルト部170の構成については、後述する。
幼児用靴100には、少なくとも、踵部130には図1に示すように、その剛性を高めるためのカウンター部131が設けられている。
具体的には、図1の斜線部分がカウンター部131であり、踵部130の内部に形成されている。カウンター部131は、例えば、厚さ1.2mm程度のゴムや不織布等から構成されている。
図1及び図2に示すように、ベルト部170は舌状当接部150に対して一体的に形成されている。また、ベルト部170は舌状当接部150の両側からそれぞれ突出するように配置されている。
具体的には、幼児用靴100のアッパー本体部120の内足側である内足側ベルト部171と、アッパー本体部分120の外足側である外足側ベルト部172が配置されている。
なお、本実施の形態では、外足側及び内足側にベルト部170が形成されているが、これに限らず、外足側にのみベルト部170が配置されていてもよく、内足側にのみベルト部170が配置されていてもよい。
ところで、図2に示すように、内足側ベルト部171と外足側ベルト部172の内面側(アッパー本体部120に当接する側)には、ベルト面ファスナーである例えば、雌側面ファスナー173、173がそれぞれ形成されており(図2の斜線で示す部分)、これにより足挿入用開口部160を大きく露出することが可能となっている。
また、これら内足側ベルト部171と外足側ベルト部172の対応するアッパー本体部120には、雌側面ファスナー173と係合可能なアッパー側面ファスナーである例えば、雄側面ファスナー121が例えば、2カ所配置されている(図2の斜線で示す部分)。
そして、ベルト部170側に雌側面ファスナー173とアッパー本体部120側の雄側面ファスナー121が相互に係合することで、ベルト部170をアッパー本体部120に固定する構成となっている。
つまり、ベルト部170側の雌側面ファスナー173は、図2の斜線部分で示すように、ベルト部170の延びる方向に広範囲に配置されているため、足に合わせてアッパー本体部120の雄側面ファスナー121との係合位置を調整することで、アッパー本体部120に対するベルト部170の位置が変更可能な構成となっている。
具体的には、内足側ベルト部171の雌側面ファスナー173とアッパー本体部120の雄側面ファスナー121との係合位置を深くしたり、浅くしたりすることで、内足側ベルト部171とアッパー本体部120との相対位置が変更されることになる。
また、外足側ベルト部172も同様にアッパー本体部120の雄側面ファスナー121との係合位置を深くしたり、浅くしたりすることができ、これら内足側ベルト部171と外足側ベルト部172は、足の形状の違いに応じてそれぞれ独立して別個にアッパー本体部120との位置を変更できる構成となっている。
また、幼児用靴100の内足側ベルト部171と外足側ベルト部172とを別個に独立して調整することで、幼児の足の形状や足のサイズの大小にかかわらず、常に足に対し適切な位置に、内足側ベルト部171等を配置するので、舌状当接部150で足を保持することが可能となる。
したがって、足の固定及び開放は、雌側面ファスナー173、雄側面ファスナー121の着脱だけで可能なため、紐等によって固定する場合に比べ、極めて容易に操作することができる。
このように、容易にベルト部170のアッパー本体部120に対する位置を調整できるため、幼児の足のサイズや形状の違いに対応して、幼児用靴100を歪めることなく、容易に幼児の足を幼児用靴100によって保持させることができる。
このため、幼児や幼児の保護者が外足側ベルト部172を操作する際に、ベルト把持部176を把持することで操作し易い構成となっている。つまり、指先等での操作が困難な幼児等の場合、対象物を手掌全体を使って保持する傾向があり、ベルト部170の下側であって、爪先側に向かって突出しており、若干浮いた位置に配置されているベルト把持部176をきっかけとして手掌全体でつかんで操作することができる。
また、ベルト把持部176は、外足側ベルト部の長手方向に向かって延長するように配置されていないので、ベルト把持部176が靴底部分110側に突出しない。このため、幼児が靴を履いて歩行する際に、把持部が靴底部側である地面等に接触等することがなく、ベルト把持部176が幼児の歩行を妨げることがない。
このため、幼児等がベルト把持部176の存在を認識し易く、ベルト把持部176を把持し易い幼児用靴100となっている。なお、より認識し易いようにベルト把持部176の外面を異なる色や材質感としてもよい。
図3は、図1の外足側ベルト部172を雄側面ファスナー121から外した状態を示す概略側面図である。
図2に示すように、少なくとも、外足側ベルト部172及び内足側ベルト部171の先端部には雌側面ファスナー173が配置されている。そして、図3に示すように、少なくとも、対応したアッパー本体部120のカウンター部131近傍には雄側面ファスナー121が配置されている。
したがって、外足側ベルト部172と内足側ベルト部171が踵部130のカウンター部131の近くに配置されるので、ベルト部170とアッパー本体部120で幼児の足を踵側に向かって確実に保持し、ホールドさせることができる。
このように構成されることで、踵部130とベルト部170との間が幼児の歩行時の足の変形に応じて僅かに変形可能となり、幼児の歩行に際し、足が変形し易く、歩き易い幼児用靴100となっている。
すなわち、舌状当接部160とベルト部170が幼児の足を幼児用靴100の踵部130方向へ固定するように作用すると、この剛性が高められたカウンター部131に向かって幼児の足の踵が幼児用靴100の踵部130に押し付けられ、この方向に力がかかるため、より確実に足の踵が幼児用靴100の踵部130に保持され、足のホールド性が著しく向上する。
また、カウンター部131の剛性が高いため、幼児用靴100を装着する際に、踵部130が変形することが未然に防止されるので、幼児にとって靴の脱着が行いやすい構成となっている。
以上から、本実施の形態の幼児用靴100は、幼児の足が幼児用靴100の中でしっかり固定されると共に、必要に応じて屈曲も行い易いので、歩きやすい靴となる。
この複数の雄部材121aの略J字状の突出部は、雄側面ファスナー121が配置されている斜め下方向(踵部130に向かう方向)に沿って配置されている。そして、雄部材121aの略J字状の湾曲部121aa(図3のC参照)の先端部が、雄側面ファスナー121の配置された方向に対して、例えば交差する方向に湾曲され配置されている。
そして、図3の雌側面ファスナー173と雄側面ファスナー121とが係合するときは、雌部材173aのループ状の部材が雄部材121aの湾曲部121aaと係合することになる。
また、本実施の形態では、図1に示すように、ベルト把持部176は、外足側ベルト部分172の先端部から爪先側に向かって突出するように斜め下方向に向かって配置されているので、幼児が手掌全体でベルト把持部176を把持して、上方に引き上げるように外足側ベルト部172を外そうとすると、外足側ベルト部172は、図3の雄側面ファスナー121の長手方向に対して斜め方向に剥離させられる。
すなわち、上述の雄部材121aと雌部材173aが最も強く係合されている方向を避けて剥離するので、雌側面ファスナー173と雄側面ファスナー121とが剥離し易い方向となる。
このように、本実施の形態のベルト把持部176は、外足側ベルト部分173を幼児等が外しやすい位置に形成されている。
また、逆に、幼児が自ら幼児用靴100を履く場合でも、ベルト部170をアッパー本体部120に対し緩め又は外さなくても、足を履口部140に挿入するよう力をかけることで伸縮部174が僅かに伸びて舌状当接部150が斜め上方側に移動して僅かに履口部140が拡がり、容易に幼児用靴100を履くことができる。
なお、伸縮部174を形成せず、伸縮性を有さないベルト部170のみを使用する構成としても良い。この場合は、介助者が確実に履かせる前提で、舌状当接部150によって足甲を確実に保持する構成となる。
この踵側突片132とアッパー本体120における踵側外面にはそれぞれ図示しない面ファスナ等の係合手段が形成されている。
この踵側突片132は、図1に示すように、折り返されてアッパー本体部120外面に位置を調整して固定可能とされており、その先端をアッパー本体部120の外側における履口部140から離間した位置(踵部側)に向かって引くように仮固定すると、履き口部140の開口は外側に向かって変形し広がった状態となる。
このため、幼児が自ら幼児用靴100を履いたり脱いだりする際に、履き易く、脱ぎ易い構成となっている。
また、この踵側突片132の先端を履口部140を変形させないような位置で仮固定し、アッパー本体部120の踵側突片132側が立ち上がった状態とすると、足の踵の上方の高い位置まで履口部140の踵側が当接し、より高い足のホールド性を発揮できることになる。また、幼児の保護者が、踵側突片132の仮固定を解除し、その先端を持つことで、幼児に靴を履かせたり脱がせたりし易くなるように構成されている。
図4は、第2の実施の形態に係る幼児用靴200を示す概略斜視図である。本実施の形態の幼児用靴200の多くの構成は、第1の実施の形態の幼児用靴100と同様であるため、同一符号等として説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
図4に示すように、幼児用靴200には、アッパー本体部220,履き口部240等を有する点は、第1の実施の形態と同様である。しかし、舌状当接部250は足挿入用開口部260の内側に配置されており、別体とされたベルト部270を開閉する構成とされている。また、ベルト部270は幼児用靴200のアッパー本体部220の内足側で着脱される構成となっている。
すなわち、図4に示すように、ベルト部270の内足側端部の内面(アッパー本体部分220側)には、雌側面ファスナー273が形成されている。
一方、アッパー本体部220側には、雌側面ファスナー273に対応する雄側面ファスナー221が形成されている。
このため、これら雌側面ファスナー273と雄側面ファスナーを係合させることで、ベルト部分270をアッパー本体部220の内足側で固定することができる。
また、ベルト部270の先端部には、ベルト把持部276が形成されているので、第1の実施の形態と同様に、ベルト把持部276を幼児等が把持し、持ち上げるように操作することで、雌側面ファスナー273と雄側面ファスナーとの係合を剥離させやすい構成となっている。
図5は、本発明の第3の実施の形態にかかる幼児用靴300における、舌状当接部350を開いた状態の概略斜視図である。
本実施の形態にかかる幼児用靴の多くの構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一部分は同一符号等として、その説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
幼児用靴300は、履口部360から連接して延びる足挿入用開口部360の外足側に沿って、舌状当接部350がアッパー本体部320と一体に形成されており、自由端とされた内足側に向かって、舌状当接部350の側縁から一本のベルト部370が突出するよう延伸する構成とされている。
つまり、舌状当接部350が内足側から外足側に向かって開くよう構成されている。
ところで、発明者が複数の幼児を対象に、両側にベルトが配置された幼児用靴を履く際にベルト部を操作する状態を観察したところ、内側のベルト部だけを操作する幼児が数多く見られた。これは、幼児はベルト部を操作する場合、座った状態で操作を行うことが多く、自然と股関節が開いた状態になるため、内足側のベルト部を認知し易く、また、膝の内側から手を伸ばす場合、膝の外側と比較して距離が近く、視認しながら操作を行うことができるからである。
このため、本実施の形態では、内足側だけにベルト部370を配置し、外足側は調整できない片開き構造とすることで、外足側における係合位置がずれてしまうことがなく、幼児が自ら操作し易い幼児用靴300としている。
しかも、ベルト部370から突出するよう配置したベルト保持部376によって、指先ではなく手掌全体で操作することが可能となり、幼児にとって外し易いベルト部370となっている。
その他の幼児用靴300の多くは、第1の実施の形態と同様の構成とされているため、脱ぎ履きのし易さや、足のホールド性は、第1の実施の形態と略同等とされている。
なお、舌状当接部370とアッパー本体部320を足挿入用開口部360の外足側に沿って一体に形成するのではなく、第1の実施の形態と同様に舌状当接部370を形成し、第1の実施の形態の足挿入用開口部160の外足側に縫合して形成してもよい。
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る幼児用靴400を示す概略斜視図である。本実施の形態にかかる幼児用靴400の多くの構成は、上述の実施の形態と共通するため、同一の構成については説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本実施の形態の幼児用靴400は、図5に示された幼児用靴300とほぼ同じ構成とされており、図6に示すように、舌状当接部と固定用ベルト部が一体となっているベルト一体型舌状当接部490を有している。
図7は、図6のベルト一体型舌状当接部490を開いた状態を示す概略斜視図である。
図7に示すように、ベルト一体型舌状当接部490の固定用ベルト部に相当する部分のうち、アッパー本体部420に面する内面には、ベルト面ファスナーである例えば、雌側面ファスナー473が形成されている。
一方、アッパー本体部420の外面には、雌側面ファスナー473と係合可能なアッパー側面ファスナーである例えば、雄側面ファスナー421が形成されている。
したがって雌側面ファスナー473を雄側面ファスナー421に当接させることで、ベルト一体型舌状当接部490をアッパー本体部420に固定することができる構成となっている。
したがって、使用者が雌側面ファスナー473を雄側面ファスナー421に対して当接する際、両者の相対位置が多少ずれても雄側面ファスナー421は、より大きな雌側面ファスナー473内に止まるので、両者を確実に係合させることができる構成となっている。つまり、幼児のように手指の操作が未熟な使用者であっても、両者の相対位置を正確に位置合わせすることなく、容易に両者を係合し固定させることができる構成となっている。
このベルト把持部476の内面にも図7に示すように、雌側面ファスナー473が形成させている(図7のハッチングが交差している部分)。
図8に示すように、雌側面ファスナー473と雄側面ファスナー421とが係合された状態では、ベルト把持部476の少なくとも一部が雄側面ファスナー421と非係合状態でアッパー本体部420の表面から僅かに浮いた状態となっている。
したがって、使用者が幼児用靴400を着脱するために、ベルト把持部476を保持して、ベルト一体型舌状当接部490を開閉するとき、ベルト把持部476を掴むきっかけとなり、結果的に保持し易い構成となっている。このため、使用者が操作しやすい幼児用靴400となっている。
つまり、ベルト一体型舌状当接部490の外足側は、アッパー本体部420と一体に形成され、アッパー本体部420に対して固定されている。
幼児等が靴を着脱する様子を観察した発明者は、幼児が靴の外足側より内足側を見て靴を着脱する事実を発見した。つまり、靴を着脱するとき、幼児は股を開いて操作するため靴の内足側を見ることになる。
しかも、着脱する際に使用する手は、足と同じ側の手(例えば、右足の場合は右手)を使用する傾向がある。このような習性のある幼児に対して靴の外足側に舌状当接部等の着脱用の面ファスナーが配置されている幼児用靴を与え、幼児がベルトの面ファスナーを操作しようとすると、足と手が交差してしまう。また、ベルトを開く動作は、身体の外側から内側に向かって、力を入れながら手首を移動させる動き(回内操作)を強いることになる。
一般的に、幼児は、このような回内操作をし難く、敢えて、かかる動きを強いても、力が入れ難い状態となってしまう。
このため、このような習性のある幼児に対して靴の外足側に舌状当接部等の着脱用の面ファスナーを配置すると、幼児は、その状態で面ファスナーを操作するのではなく、面ファスナーのある側を、自分が見やすい内側になるようにして、靴を履くことが多い。
すると、幼児が靴を左右反対に履くことになる。幼児が靴を左右反対に履くことは、以前よりよく見られたが、その原因は、このような習性も一因であることがわかった。
そこで、本実施の形態では、図6及び図7に示すように、ベルト一体型舌状当接部490の雄側面ファスナー421を幼児用靴400の内足側のみに配置することで、幼児が幼児用靴400を視認しながら履きやすい構成としている。
また、このように配置することで、幼児が幼児用靴400を左右反対に履くことを未然に防止できることになる。
Claims (1)
- 使用者の足の足裏側を配置するための靴底部と、
前記靴底部から立ち上がるように、且つ使用者の足を包むように形成されるアッパー本体部と、
使用者の足の踵を配置するための踵部とを、備える幼児用靴であって、
このアッパー本体部には、使用者の足を挿入するための履き口部と、
前記履き口部の一部を切り欠いて爪先側方向に向かって形成されている足挿入用開口部と、
前記足挿入用開口部に対応して配置される舌状当接部と、
前記舌状当接部と前記足挿入用開口部に対して配置される固定用ベルト部と、を備え、
前記舌状当接部は、前記足挿入用開口部の外足側に沿って、前記アッパー本体部と一体に形成され、
前記固定用ベルト部は、前記足挿入用開口部の内足側に向かって前記舌状当接部の側縁から突出するように配置され、
前記固定用ベルト部の前記アッパー本体部に面する固定用ベルト部内面には、ベルト面ファスナーが配置され、
前記アッパー本体部の外面には、前記ベルト面ファスナーと係合可能な、アッパー側面ファスナーが配置され、
前記固定用ベルト部における前記ベルト面ファスナーが、前記アッパー側面ファスナーよりも大きく形成され、
前記固定用ベルト部の先端部には、爪先側に向かって突出する把持部が形成されており、
前記ベルト面ファスナーが前記アッパー側面ファスナーと係合された際に、前記把持部の少なくとも一部が前記アッパー本体部と非係合状態で配置され、
前記踵部には、その剛性を高めるためにカウンター部が設けられ、
前記固定用ベルト部の先端部は、前記カウンター部に近接して配置され、
少なくとも、前記固定用ベルト部の先端部には、前記ベルト面ファスナーが配置され、
少なくとも、前記アッパー本体部の前記カウンター部近傍には、前記アッパー側面ファスナーが配置されていることを特徴とする幼児用靴。
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