JP4916045B2 - 義歯洗浄剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は義歯の洗浄に用いられる義歯洗浄剤に関する。より詳細には本発明は義歯に付着した歯石を汚れとともに効果的に洗浄除去できる液状の義歯洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
義歯は、総義歯や部分義歯の別に関わらず汚れが付着しやすく、放置しておくと汚れの中に形成された細菌叢に歯石が形成され、それが臭いや歯周病の誘発原因となることがある。このため、従来より義歯を洗浄し、清潔に保つために種々義歯洗浄剤が開発され使用されている。
【0003】
従来の義歯洗浄剤は、界面活性剤及び漂白剤を主成分とし、更に酵素や発泡剤等を含有する顆粒剤や錠剤からなるものが主流であり、義歯の洗浄は、通常これらの製剤を水に投入して調製された義歯洗浄水に義歯を浸漬放置する方法によって行われている。
【0004】
ところで、義歯の歯肉部は、一般にポリメタクリル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂またはポリカーボネート樹脂といった素材から形成され、また有床義歯の半数を占める部分義歯は、クラスプやバーといった金属部分を有している。このため従来の義歯洗浄剤は、それを水に投入した義歯洗浄水に長時間にわたって義歯を浸漬することによって使用されるものであるため、上記義歯の歯肉素材が変形や変色したり、金属素材が黒変したり腐食することのないよう、中性pHを呈するように調製されているのが一般である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、歯石の主構成成分であるリン酸カルシウムは中性域では溶解しない。従って、前述する従来の義歯洗浄剤では、食物残渣やプラーク及び茶渋等といった色素等は洗浄除去できるが、強固に付着した歯石までは十分に除去できないという問題がある。
【0006】
このため、食物残渣等の汚れだけでなく歯石を洗浄除去する能力にも優れた義歯洗浄剤が求められる。
【0007】
本発明は、義歯の汚れ、特に歯石の洗浄効果に優れる義歯洗浄剤を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく日夜鋭意研究していたところ、pH5以下、好ましくはpH4以下の酸性液状組成物が歯石の溶解除去効果に優れており、さらに当該酸性液状組成物と界面活性剤とを組み合わせることによって当該歯石溶解除去効果が相乗的に向上することを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて開発されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は下記に掲げる義歯洗浄剤である:
(1)pH2.5〜5を有する液体義歯洗浄剤。
(2)界面活性剤を含む(1)記載の液体義歯洗浄剤。
(3)界面活性剤が非イオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤の少なくとも1種である(1)又は(2)に記載の液体義歯洗浄剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の義歯洗浄剤は、水溶性の液状の形態を有し、pHが約2.5〜5の範囲であることを特徴とするものである。
【0011】
義歯洗浄剤のpHは、上記の範囲であれば特に制限されないが、好ましくはpH2.5〜4.5、より好ましくはpH2.5〜4、さらに好ましくはpH2.5〜3.8の範囲である。
【0012】
かかるpHは、基本的には本発明の液体義歯洗浄剤に酸を配合することによって調整することができる。
【0013】
ここで用いられる酸としては、無毒性の生理学上許容される酸であれば特に制限されず、例えば酒石酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、グルコン酸、コハク酸、サリチル酸及びアジピン酸等の有機酸;並びにリン酸やスルファミン酸等の無機酸を挙げることができる。なお、これらの酸は無水物であることができる。これらの酸は1種単独で使用することもできるが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは、酒石酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸であり、より好ましくはクエン酸、酒石酸、またはリンゴ酸である。
【0014】
また本発明の液体義歯洗浄剤には、上記酸に加えて上記酸の塩、過硫酸塩、過硫酸水素塩及び過ホウ酸塩よりなる群から選択される1種または2種以上の酸塩を配合することができる。
【0015】
ここで上記の酸の塩としては、上記と同様、無毒性の生理学上許容される酸塩であれば特に制限はされないが、具体的にはナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、リチウム塩、バリウム塩、並びにこれらの水和物を例示することができる。なお、これらの酸塩は使用する酸の種類に関わらず、任意の1種を単独で使用することもできるが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
【0016】
また過硫酸塩としては、同様に無毒性の生理学上許容される酸塩であれば特に制限はされないが、過硫酸ナトリウムや過硫酸カリウムなどの過硫酸のアルカリ金属塩、過硫酸アンモニウム、過硫酸リチウム、過硫酸バリウム並びにこれらの水和物を例示することができる。また、これらの過硫酸塩は1種単独で使用することもできるが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは、過硫酸ナトリウムや過硫酸カリウム等の過硫酸のアルカリ金属塩である。
【0017】
また過硫酸水素塩としても同様に無毒性の生理学上許容される酸塩であれば特に制限はされないが、過硫酸水素ナトリウムや過硫酸水素カリウムなどの過硫酸水素のアルカリ金属塩並びにこれらの水和物を好適に例示することができる。また、これらの過硫酸水素塩は1種単独で使用することもできるが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは、過硫酸水素カリウムである。
【0018】
さらに過ホウ酸塩としては、上記と同様、無毒性の生理学上許容される酸塩であれば特に制限はされない。具体的には、過ホウ酸ナトリウムや過ホウ酸カリウムなどの過ホウ酸のアルカリ金属塩、過ホウ酸アンモニウム、並びにこれらの水和物を例示することができる。これらの過ホウ酸塩は1種単独で使用することも、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは、過ホウ酸ナトリウムや過ホウ酸カリウム等の過ホウ酸のアルカリ金属塩である。
【0019】
本発明の液体義歯洗浄剤は最終製剤のpH範囲が2.5〜5の範囲になるように調整されてなるものであり、その限りにおいて、酸と上記各種酸塩の組合せやこれらの各配合割合については特に制限されるものではない。
【0020】
例えば酸と組み合わせる酸塩としては、好ましくは前述する酸の塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩または過硫酸水素塩のいずれか、より好ましくは前述する酸の塩と過ホウ酸塩、過硫酸水素塩若しくは過硫酸水素塩との2成分の組合せであり、更に好ましくは前述する酸の塩、過ホウ酸塩及び過硫酸水素塩の3成分である。
【0021】
酸の配合割合としては、制限はされないが、例えば液体義歯洗浄剤100重量部あたり通常2〜15重量部の範囲から適宜選択できる。好ましくは4〜13重量部、より好ましくは6〜11重量部である。また上記酸の塩の配合割合としては、液体義歯洗浄剤100重量部あたり通常0.5〜7重量部の範囲から適宜選択できる。好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。
【0022】
また過硫酸塩及び過硫酸水素塩の配合割合は、特に制限されないが、各々通常0.5〜10重量部の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.5〜6重量部、より好ましくは0.5〜4重量部が例示できる。また過ホウ酸塩についても、特に制限されないが、通常0.5〜10重量部の範囲から適宜選択することができ、好適には0.5〜6重量部の範囲、より好ましくは0.5〜4重量部が例示できる。
【0023】
本発明の液体義歯洗浄剤は、前述する酸に加えて上記各種の酸塩を任意に組み合わせて最終製剤のpH範囲が2.5〜5の範囲になるように調整されてなるものであることが好ましいが、必要に応じて他のpH調整剤を配合することを制限するものではない。
【0024】
さらに本発明の液体義歯洗浄剤には、上記酸及び酸塩に加えて界面活性剤を配合することができる。
【0025】
本発明で用いられる界面活性剤としては、pH2.5〜5の範囲で使用できるものであって、しかも無毒性で生理学及び薬学的観点から口腔洗浄剤もしくは義歯洗浄剤の成分として用いられる界面活性剤であれば特に制限されず、その限りにおいてカチオン性、アニオン性、非イオン性及び両性界面活性剤の別を問わず広く任意のものを用いることができる。
【0026】
具体的には、アルキル(C6〜C20)トリメチルアンモニウム塩,ジアルキル(C6〜C20)ジメチルアンモニウム塩、及びアルキル(C6〜C20)ジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、アルキル(C6〜C20)アミン塩、アルキル(C6〜C20)アミンエチレンオキサイド付加物、アルキルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物及びポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物などのポリエチレングリコール型界面活性剤、並びにグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル及びアルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型界面活性剤などの非イオン性界面活性剤;平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオレフィンスルホン酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するアルカンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤;平均炭素数10〜16のアルキル基を有するアルキルアミノプロピオン酸塩(例えばラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム)等のアミノ酸型界面活性剤、平均炭素数10〜16のアルキル基を有するアルキルジメチルベタイン(ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン等)、ラウリルヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型界面活性剤などの両性界面活性剤を例示することができる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用することもできるが、2種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。なお、上記各種の界面活性剤において、塩としては、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、及び塩酸塩等の酸付加塩等を例示することができる。
【0027】
上記界面活性剤のうち、好ましくはカチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤であり、より好ましくは非イオン性界面活性剤である。
【0028】
非イオン性界面活性剤のなかでも、
式(1):R-O-CH2CH2O(CH2CH2O)nH、で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、
式(2):R-Ph-O(CH2CH2O)nH、で示されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び
式(3):R'-O-CH(OR")CH2O(CH2CH2O)nH、で示されるポリオキシエチレンジアルキルエーテルが好適に使用される。
【0029】
なお、上記式中、R、R'、R”はそれぞれ炭素数6〜20のアルキル基、具体的にはヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基及びアラルキル基等を意味する。またこれらR、R'、R”は天然の高級アルコールの混合物に由来するものであってもよい。nは2〜50の整数を意味する。またPhはフェニル基である。
【0030】
このような非イオン界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、POE(9)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(7)ミリスチルエーテル、POE(9)ミリスチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル及びPOE(30)ベヘニルエーテルが例示でき;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、POE(5)ノニルフェニルエーテル、POE(7.5)ノニルフェニルエーテル、POE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(20)ノニルフェニルエーテル、POE(30)ノニルフェニルエーテル、POE(5)オクチルフェニルエーテル、POE(10)オクチルフェニルエーテル、POE(20)オクチルフェニルエーテル、POE(30)オクチルフェニルエーテル、POE(40)オクチルフェニルエーテル及びPOE(50)オクチルフェニルエーテルを挙げることができ;また、ポリオキシエチレンジアルキルエーテルとしては、POE(5)ヘキシルデシルエーテル、POE(15)ヘキシルデシルエーテル、POE(25)ヘキシルデシルエーテル、POE(5)イソステアリルエーテル、POE(10)イソステアリルエーテル、POE(15)イソステアリルエーテル、POE(20)イソステアリルエーテル、POE(10)オクチルドデシルエーテル、POE(16)オクチルドデシルエーテル、POE(20)オクチルドデシルエーテル、POE(25)オクチルドデシルエーテル、POE(10)デシルペンタデシルエーテル及びPOE(25)デシルテトラデシルエーテル等が例示される。
【0031】
中でも特に好ましくは、POE(9)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(7)ミリスチルエーテル、及びPOE(9)ミリスチルエーテルである。
【0032】
また上記非イオン界面活性剤は、特に制限されないが、好ましくはHLB値として7〜20、より好ましくは10〜16を有するものであることが望ましい。
【0033】
上記界面活性剤は、後述する実施例の結果から、義歯に付いた食物残渣等の汚れを洗浄除去する作用を担うだけでなく、上記酸及び酸塩と協同して歯表面に強固に付着した歯石を溶解する作用を担うものと考えられる。すなわち、本発明の液体義歯洗浄剤の優れた洗浄効果は、前述する酸及び各種の酸塩と上記界面活性剤との相乗効果によるものである。
【0034】
本発明の液体義歯洗浄剤に配合される界面活性剤の割合は、本発明の効果を奏する限度において特に制限されないが、通常0.5〜10重量%の範囲から適宜選択でき、好ましくは1〜7重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
【0035】
本発明の液体義歯洗浄剤には、上記成分に加えて他の任意成分を配合することができる。例えば、キレート剤、酵素、研磨剤、着色料、香料、甘味料、防腐剤又は保存剤、抗菌・殺菌剤、可溶化剤及び防錆剤等の成分を例示することができる。また、本発明の液体義歯洗浄剤は、義歯への塗布を考慮するとある程度の粘度を有していることが好ましく、かかる観点から5〜50Pa・s(25℃)の範囲になるように、例えば濃グリセリンなどの粘稠剤や増粘剤などで適宜調整することができる。
【0036】
上記任意成分のうち、キレート剤は特に制限されず、例えばエチレンジアミン四酢酸又はそれらの塩、ポリリン酸またはその塩(例えばピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム等)等といった通常義歯洗浄剤に用いられるものを広く利用することができる。かかるキレート剤によれば、カルシウムやマグネシウムなどの金属イオンを溶解状態に保つことで洗浄及び漂白効果を安定に維持することができ、また溶解された歯石が義歯に再付着することが防止できると期待される。キレート剤を用いる場合、その配合割合としては酸性部100重量部あたり、0.1〜10重量部の範囲から適宜選択することができる。
【0037】
酵素としては、酸性領域で使用できるものであればよく、プロテアーゼ、アルカラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、グルカナーゼなどのなかから適宜選択使用される。
【0038】
使用される着色料としても特に制限されず、例えば青色や黄色等の各種タール系色素やブルーレーキやイエロータルタラジンレーキなどのレーキ色素等の合成色素や天然色素であることもできるが、本発明の義歯洗浄剤の溶解挙動に伴うpH変化に応じて色が変化するようなpH感受性色素を使用することもできる。
【0039】
香料としては、メントール、サリチル酸、カルボン等のほか、スペアミント、ペパーミント、ハッカ油などの各種の精油を挙げることができるが、特に制限されない。
【0040】
本発明の義歯洗浄剤は、上記の成分を任意に配合してpH2.5〜5の範囲にある液体形態に調製することによって製造される。
【0041】
かかる液体義歯洗浄剤は、特に制限されないが、該液剤を適量ブラシ等の洗浄具にとってそれを用いて義歯を擦り洗いするか、もしくは該液剤を義歯に直接塗布もしくはふりかけて、必要に応じて放置した後、ブラシ等の洗浄具を用いて擦り洗いするか水洗する等の方法で使用することができる。また、本発明の義歯洗浄剤は義歯の汚れのひどい部分、特に従来のつけ置きタイプの洗浄剤ではとれない頑固な汚れや歯石の付着がひどい部分を部分的に洗浄除去するのに好適に使用することができる。
【0042】
このように本発明の液体義歯洗浄剤は、特に義歯をブラッシング洗浄する際の洗浄剤若しくは洗浄補助剤として有用であり、本発明の義歯洗浄剤を用いることにより、食物残渣などの単純な汚れのみならず、義歯に頑固に付着した歯石までをも容易に洗浄除去することが可能である。
【0043】
なお、本発明には下記の態様が含まれる:
(1)pH2.5〜5を有する液体義歯洗浄剤。
(2)酒石酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、グルコン酸、コハク酸、サリチル酸、アジピン酸、リン酸及びスルファミン酸よりなる群から選択されるいずれか少なくとも1種の酸を含有する(1)記載の液体義歯洗浄剤。
(3)さらに上記(2)記載の酸の塩を含有する(2)記載の液体義歯洗浄剤。
(4)さらに過硫酸塩、過硫酸水素塩または過ホウ酸塩のいずれか少なくとも1種を含有する(2)または(3)記載の液体義歯洗浄剤。
(5)界面活性剤を含む(1)乃至(4)のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤。
(6)界面活性剤が非イオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤の少なくとも1種である(5)記載の液体義歯洗浄剤。
(7)界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンジアルキルエーテルよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である(5)記載の液体義歯洗浄剤。
(8)界面活性剤を1〜7重量%、好ましくは1〜5重量%の割合で含有する(5)記載の液体義歯洗浄剤。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤を義歯に付けて掃除具で擦り洗いすることからなる、義歯の洗浄方法。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳細に説明するが、本発明は当該実施例等によって何ら制限されるものではない。また特に言及しない限り、%は重量%を意味する。
実施例1、比較例1〜3
表1に示す組成からなる液体義歯洗浄剤(実施例1、比較例1〜3)を調製し、その歯石溶解力及び汚れ洗浄力を下記のようにして評価した。
(1)歯石溶解力の評価
歯石の主成分であるリン酸三カルシウムを擬似歯石として、表1に示す各液体義歯洗浄剤(被験液剤)について擬似歯石の溶解度を測定した。具体的には、まず被験液剤10mL中にリン酸三カルシウム26mg(MW=1004.54)を入れて5分間浸漬溶解させた。次いで、該溶液を孔0.45μmのフィルターで濾過して濾液中に含まれるカルシウムイオンの量を測定して、被験液剤中に溶解したリン酸三カルシウムの割合(溶解率(%))を求めた。
(2)汚れ洗浄力の評価
擬似食物残渣として牛脂汚垢を下記の処方に従って作成し、これをガラス板(2.5cm×7.5cm)に一定量塗布し、一昼夜乾燥させたものを被検体(擬似汚垢付着義歯)として調製した。
【0045】
<牛脂汚垢>
──────────────────
牛脂 80 g
大豆油 40 g
モノオレイン 1 g
オイルレッド 0.4g
クロロホルム 120 mL
───────────────────
上記調製した被検体を、表1に示す各液体義歯洗浄剤(被験液剤)に浸漬し、5分間静置した。その後、被検体を取り出して、水洗いをして浮き出した汚垢を全て洗い流し、次いで一昼夜乾燥させて、残存する汚垢の重量を測定した。得られた重量から下記の式に従って洗浄率(%)を算出した:
洗浄率% =100×(洗浄前の汚垢重量−洗浄後の汚垢重量)/洗浄前の汚垢重量。
【0046】
上記の方法で測定した本発明の義歯洗浄剤及び比較洗浄剤の歯石溶解力及び洗浄力について下記の指標に基づいて評価を行った。
【0047】
評価指標
◎:歯石溶解率又は洗浄率が、80%〜100%
○:歯石溶解率又は洗浄率が、60%〜80%未満
△:歯石溶解率又は洗浄率が、40%〜60%未満
×:歯石溶解率又は洗浄率が、 0%〜40%未満
評価結果を表1に合わせて示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004916045
【0049】
この結果から、本発明の義歯洗浄剤は歯石溶解力並びに汚れ洗浄力のいずれにおいても優れていることがわかる。特に本発明の義歯洗浄剤は歯石溶解力に優れており、これは酸成分と界面活性剤との相乗効果によるものであると考えられる。
【0050】
実施例2〜4
下記表2に記載の処方に従って、本発明の液体義歯洗浄剤を調製した。
【0051】
【表2】
Figure 0004916045

Claims (2)

  1. クエン酸を2〜15重量%含み、
    式(A)、(B)及び(C)からなる群より選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を総量で0.5〜10重量%含んでなる、
    pH2.5〜3.8を有する液体義歯洗浄剤
    式(A):R-O-CH2CH2O(CH2CH2O)
    式(B):R-Ph-O(CH2CH2O)
    式(C):R'-O-CH(OR")CH2O(CH2CH2O)
    (なお、下記式中、R、R'、R”はそれぞれ炭素数6〜20のアルキル基、具体的にはヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基及びアラルキル基を意味する。またこれらR、R'、R”は天然の高級アルコールの混合物に由来するものであってもよい。nは2〜50の整数を意味する。
    またPhはフェニル基である。)
    (但し、過酸化水素と下記式(1)で示されるヒドロキシエタン−1,1−ジスルホン酸もしくはその塩又は下記一般式(2)で示される芳香族スルホン酸もしくはその塩を配合してなるものを除く)。
    Figure 0004916045
    (但し、式中R1,R2はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Phはフェニル基、Mはアルカリ金属、水素原子又はアンモニウム基である。)
  2. 非イオン性界面活性剤のHLB値が7〜20である、請求項1記載の液体義歯洗浄剤。
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