JP4899452B2 - 液体収容容器 - Google Patents
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Description
この様な液体検出部の具体的な構成としては、例えば、特許文献1に記載された発明のように、液体を収容する可撓性袋の相対向する扁平な面の一方に液収容用の凹部を形成するとともに、凹部の外面に圧電振動子を配置し、また他方の面に剛体を配置して、剛体と圧電振動子との間の液量(液の深さ)による振動状態から検出することも提案されている。
前記液体検出部は、
前記液体収容部の液体排出口に接続される液体流入口と前記液体供給口に接続される液体流出口を備えた液体検出室と、
前記液体検出室の液体収容量に応動して移動する移動部材と、
前記液体検出室の液体収容量が所定以下になると前記液体検出室に設けられた凹部と協働して検出空間を区画形成するように前記移動部材に設けられた凹所と、
前記凹部に振動を印加すると共に印加した振動に伴う自由振動状態を検出する圧電型検出手段と、
を備えることを特徴とする液体収容容器により達成される。
そこで、圧電検出手段が検出する自由振動状態の変化が顕著になり、液体検出室における液体収容量が所定レベルに達した時点又は状態を、正確に確実に検出することができる。
このような構成によれば、液体検出室の凹部が移動部材の凹所と協働して区画形成する検出空間は、前記凹所の少なくとも一面を形成する弾性部材の弾性変形による容積変化特性(コンプライアンス)により残留振動の減衰を抑えて、残留振動の振幅を検出し易くすることができ、検出精度の向上を図ることができる。
このような構成によれば、例えば板状の移動部材に凹所を設ける際には、該移動部材に貫通形成した開口部を弾性部材としてのフィルムで塞ぐだけで、弾性変形による容積変化特性(コンプライアンス)を備えた凹所を簡単に形成することができる。
このような構成によれば、凹所の一面を弾性部材で形成することにより凹所のコンプライアンスを確保しなくとも、凹所を容積が大きい液体空間である液体検出室に連通させることによって、凹部が凹所と協働して区画形成する検出空間の残留振動の減衰を抑えて、検出時の残留振動の振幅を確保することでき、検出精度の向上を図ることができる。
このような構成によれば、液体検出室へ液体を充填する為に、液体消費装置に接続される液体供給口から吸引された場合には、吸引力が移動部材に設けた2つの流路に作用し、この吸引力が作用する経路を遡って液体供給口に液体供給がなされる。
即ち、振動作用領域である液体検出室の凹部にも確実に液体が充填され、該凹部に気泡が残存することがないので、気泡の残存による検出精度の低下を防止できる。
前記圧電型検出手段が、前記液体検出室の底部に配置されることが望ましい。
このような構成によれば、液体検出室が液体収容量の変化(圧力変化)に対応して容易に変形し、かつ容易に密閉空間として構成でき、簡単な構造で液体の漏れを防止することができる。
このような構成によれば、フィルムの容易な変形により、移動部材を液位や圧力にスムーズに追従させることができる。
このような構成によれば、液量に応動して容積を変化させる検出空間を容易に形成することができる。
このような構成によれば、付勢手段による付勢力を調整することにより、移動部材の凹所が液体検出室の凹部と協働して検出空間を区画形成する時期を変更できると共に、検出すべき液体検出室の内圧(残存液量)を容易に設定することができる。
従って、移動部材の移動によって振動作用領域である検出空間の容積が変化し、音響インピーダンスが異なるので、残留振動の周波数の相違を検出することにより、液体収容室における液体収容量が所定レベルに達したことを高精度に検出することができる。
図1は本発明の第1実施形態に係る液体収容容器の縦断面図であり、液体検出室の液体収容量が所定以下となった状態を示す。図2は図1に示した液体収容容器の液体収容部が加圧状態時の縦断面図である。
この液体収容容器1は、図1に示すように、図示しない加圧手段によって加圧される加圧室3を区画形成した容器本体5と、インクを貯留して加圧室3内に収容されて加圧室3の加圧により貯留しているインクを排出口(液体排出口)7bから排出するインクパック(液体収容部)7と、外部の液体消費装置であるインクジェット式記録装置の印字ヘッドにインクを供給するためのインク供給口(液体供給口)9と、インクパック7とインク供給口9との間に介在してインク残量の検出を行うインク検出部(液体検出部)11とを備えている。
尚、容器本体5は、加圧室3を密閉状態にできれば、必ずしも一体成形された樹脂部材である必要はない。
なお、排出口7bには、インク流入口11aとの間を気密に接続するためのパッキン17が装備されている。そして、インクパック7には、インク検出部11を接続する前に、予め脱気度の高い状態に調整されたインクが充填される。
そこで、例えばインクジェット式記録装置に設けた制御部は、圧電型センサ35が検出した自由振動の状態に応じて、受圧板27を支持している可撓性フィルム23の変形を検出することで、センサ室21内の圧力を検知できる。
底板31に形成された凹部であるインク誘導路33は、図1に示すように受圧板27が底板31に密着した状態では、受圧板27の凹所27aと協働して検出空間を区画形成し、図2に示すように受圧板27が底板31から離れた状態になるとセンサ室21に開放される。受圧板27は、圧電型センサ35の振動面に対向する領域において前記振動面に対して略平行となる面を有する。
本実施の形態では、センサ室21内の圧力の減少によって受圧板27が底板31に密着し、凹所27aがインク誘導路33と協働して検出空間を区画形成する時点を、インクパック7のインクが消尽された状態に設定している。
従って、本実施形態の液体収容容器1は、インクの残量が所定量になったことを検出する機能を備えることができる。
このため、センサ室21がインク収容量の変化(圧力変化)に対応して容易に変形し、かつ容易に密閉空間として構成でき、簡単な構造で液体の漏れを防止することができる。
そこで、可撓性フィルム23の容易な変形により、受圧板127を液位や圧力にスムーズに追従させることができる。
また、本実施形態の液体収容容器1では、受圧板27が、弾性部材により構成された付勢手段である圧縮コイルバネ29によって圧電型センサ35を配置した方向に付勢されている。
そこで、圧縮コイルバネ29の付勢力を調整することにより、受圧板27の凹所27aがインク誘導路33と協働して検出空間を区画形成する時期を任意に変更できると共に、検出すべきセンサ室21の内圧(残存液量)を容易に設定することができる。
図3に示すように、本第2実施形態の液体収容容器101は、図1に示した液体収容容器1の一部を改善したもので、受圧板127に貫通形成した開口部を、該受圧板127が固着される可撓性フィルム23によって塞ぐことで、凹所127aが構成されている。なお、それ以外の構成は、図1に示した液体収容容器1と共通のため、同符号を付して詳細な説明を省略する。
そこで、本第2実施形態の液体収容容器101によれば、センサ室21のインク誘導路33が受圧板127の凹所127aと協働して区画形成する検出空間は、前記凹所127aの一面を形成する可撓性フィルム23の弾性変形による容積変化特性(コンプライアンス)により残留振動の減衰を抑えて、残留振動の振幅を検出し易くすることができ、検出精度の更なる向上を図ることができる。
但し、本実施形態における受圧板127のように、凹所127aの壁面を形成する弾性部材として可撓性フィルム23を利用する場合には、図3に示したように、板状の受圧板127に貫通形成した開口部を、弾性部材としての可撓性フィルム23で塞ぐだけで、コンプライアンスを確保した凹所127aを簡単に形成することができ、生産性の向上を図ることができる。
図4に示すように、本第3実施形態の液体収容容器102は、図1に示した液体収容容器1の一部を改善したもので、受圧板227に形成される単一の凹所227aには、インク流出口11b側でセンサ室21と凹所227aとを連通させる一本の連通路227bが追加形成されている。なお、連通路227bを追加した点以外の構成は、図1に示した液体収容容器1と共通のため、同符号を付して詳細な説明を省略する。
従って、本実施形態の液体収容容器102は、インクの残量が所定量になったことを検出する機能を備えることができる。
図5に示すように、本第4実施形態の液体収容容器103は、図1に示した液体収容容器1の一部を改善したもので、受圧板327には、インク誘導路33と協働して検出空間を区画形成するように2つの凹所327a,327bが設けられると共に、各凹所327a,327bには、それぞれセンサ室21と連通させる連通路327c,327dが形成されている。なお、受圧板327以外の構成は、図1に示した液体収容容器1と共通のため、同符号を付して詳細な説明を省略する。
そこで、センサ室21に設けられたインク誘導路33は、受圧板327に設けられた2つの凹所327a,327bと協働して検出空間を区画形成することで該検出空間の容積を増大させるため、振動作用領域の容積不足のために残留振動が小さくなって検出不能になったり、或いは、検出できたとしてもセンサ室21に開放状態にあるときと遮断された時との残留振動の周波数差が僅少なために相異が判別できなくなったりすることがない。
従って、本実施形態の液体収容容器103は、インクの残量が所定量になったことを検出する機能を備えることができると共に、インク誘導路33がインク充填をし難い形状であっても、確実にインクを充填して、高精度なインク収容量の検出が可能となる。
例えば、上記各実施形態では、可撓性フィルム23及び受圧板27(127,227,327)を圧電型センサ35側に付勢する付勢手段として圧縮コイルばね29を使用した。
しかしながら、圧縮コイルばね29の代わりに、ゴムその他の弾性部材により構成される付勢手段を使用するようにしても良い。
しかしながら、受圧板27(127,227,327)がインク誘導路33と協働して検出空間を区画形成する時点を、インクパック7のインクが略消尽された状態(所定の小量が残っている状態)に設定すれば、圧電型センサ35をインクパック7におけるインク残量がもうすぐゼロになる状態を検知するインクニアエンド検出機構として活用することもできる。
液体消費装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置、捺染装置やマイクロデスペンサ等が挙げられる。
Claims (13)
- 加圧手段に加圧されて貯留している液体を液体排出口から排出する液体収容部と、外部の液体消費装置に前記液体を供給するための液体供給口と、前記液体収容部と前記液体供給口との間に介在する液体検出部とを備えた液体収容容器であって、
前記液体検出部は、
前記液体収容部の液体排出口に接続される液体流入口と前記液体供給口に接続される液体流出口を備えた液体検出室と、
前記液体検出室の液体収容量に応動して移動する移動部材と、
前記液体検出室の液体収容量が所定以下になると前記液体検出室に設けられた凹部と協働して検出空間を区画形成するように前記移動部材に設けられた凹所と、
前記凹部に振動を印加すると共に印加した振動に伴う自由振動状態を検出する圧電型検出手段と、
を備えることを特徴とする液体収容容器。 - 前記凹所は、少なくとも一面が弾性を有する部材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
- 前記弾性を有する部材が、フィルムであることを特徴とする請求項2に記載の液体収容容器。
- 前記凹所が、前記液体検出室に連通していることを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
- 前記凹所が、前記凹部を前記液体検出室に連通させる2つの流路で構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体収容容器。
- 前記液体検出室が、上面に形成された開口部を液体収容量に応じて変形可能なフィルムにより封止して構成され、
前記圧電型検出手段が、前記液体検出室の底部に配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体収容容器。 - 前記移動部材が、前記液体検出室の液体収容量の変化に対応した前記フィルムの変形によって移動することを特徴とする請求項6に記載の液体収容容器。
- 前記移動部材が、前記フィルムに固着されることを特徴とする請求項7に記載の液体収容容器。
- 前記移動部材が、前記圧電型検出手段の振動面に対向する領域に、前記振動面に対して略平行となる面を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体収容容器。
- 前記移動部材が、前記圧電型検出手段を配置した方向に付勢手段により付勢されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液体収容容器。
- 前記付勢手段が、弾性部材により構成されていることを特徴とする請求項10に記載の液体収容容器。
- 前記凹所が前記凹部と協働して検出空間を区画形成する時点を、前記液体収容部の液体が消尽された状態に設定されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液体収容容器。
- 前記凹所が前記凹部と協働して検出空間を区画形成する時点を、前記液体収容部の液体が略消尽された状態に設定されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液体収容容器。
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