JP2017030276A - バルブユニット及び液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブユニットからのインクの漏れを抑制し、バルブユニットの信頼性を高めること。
【解決手段】バルブユニット21は、インク流路に配置された圧力室52と、圧力室52と比べてインク流路の上流側に配置され圧力室52に連通されたインク供給室51と、本体45と、本体45との間で圧力室52を形成するフィルム22と、本体45との間でインク供給室51を形成する蓋部材23と、フィルム22の変位により、圧力室52とインク供給室51との間のインク流路を開閉する弁体53と、インク供給室51に設けられ、一方の端が弁体53に支持され他方の端が蓋部材23に支持されたバネ63と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド(記録ヘッド)に対して液体供給源からの液体(インク)を供給するバルブユニット、及び当該バルブユニットを備えた液体吐出装置に関する。
従来、インクを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド(記録ヘッド)を記録媒体に対して相対的に移動させることにより、記録媒体に画像を記録(印刷)するインクジェット式記録装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載のインクジェット式記録装置では、インクを収容するインクカートリッジ(液体供給源)とインクを吐出する記録ヘッドとの間にバルブユニットが設けられ、液体供給源からのインクがバルブユニットを経由して記録ヘッドに導入され、記録ヘッドのノズルから記録媒体に吐出される。
バルブユニットは、内部に設けられたインクの流路(以降、内部の流路と称す)の上流側に配置された収容室(インク供給室)と、内部の流路の下流側に配置された圧力室と、インク供給室と圧力室との間の流路を開閉する弁体とを有している。インク供給室や圧力室は、内部の流路に配置された凹部の開口面を、熱溶着などの方法によってフィルムで封止して形成されている。液体供給源からのインクはインク供給室に加圧供給され、インク供給室は加圧された状態にある。弁体によって、圧力室の圧力変化とインク供給室の圧力変化とが切り離され、圧力室は一定範囲の負圧の状態にある。そして、圧力室から記録ヘッドにインクが供給され、記録ヘッドに導入されるインクの流動圧が一定範囲の負圧に調整される。
さらに、インクジェット式記録装置では、記録ヘッド内のインクが増粘するなどして性状が劣化すると、性状が劣化したインクを強制的に排出するクリーニング処理が実行される。例えば、特許文献2に記載のインクジェット式記録装置では、記録ヘッドにインクが加圧供給され、記録ヘッドから性状が劣化したインクを押し出し、強制的に排出する加圧クリーニング処理が実行される。
特開2013−123803号公報 特開2011−161844号公報
ところが、特許文献1に記載のインクジェット式記録装置では、記録処理が実行される場合に、液体供給源からインク供給室にインクが加圧供給され、インク供給室を形成するフィルムが加圧された状態になる。特許文献2に記載のインクジェット式記録装置では、加圧クリーニング処理が実行される場合に、記録ヘッドに加えて圧力室にもインクが加圧供給され、圧力室を形成するフィルムが加圧された状態になる。
インク供給室を形成するフィルムが加圧された状態になると、インク供給室のフィルムが膨らみ、熱溶着された部分からフィルムを引き剥がす力(応力)がインク供給室のフィルムに作用する。同様に、圧力室を形成するフィルムが加圧された状態になると、圧力室のフィルムが膨らみ、熱溶着された部分からフィルムを引き剥がす力(応力)が圧力室のフィルムに作用する。
さらに、インク供給室及び圧力室においてフィルムが膨らみ、フィルムが過度に変形すると、応力が局所的に増大する応力集中が生じ、フィルムが熱溶着部から引き剥がされやすくなる。すなわち、過度にフィルムが変形した部分で応力集中が生じ、フィルムが熱溶着部から引き剥がされ、バルブユニットの内部の流路からインクが漏れるおそれがあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るバルブユニットは、液体流路に配置された第1流路室と、前記第1流路室と比べて前記液体流路の上流側に配置され前記第1流路室に連通された第2流路室と、本体と、前記本体との間で前記第1流路室を形成する可撓性部材と、前記本体との間で前記第2流路室を形成する蓋部材と、前記可撓性部材の変位により、前記第1流路室と前記第2流路室との間の前記液体流路を開閉する弁体と、前記第2流路室に設けられ、一方の端が前記弁体に支持され他方の端が前記蓋部材に支持された付勢部材と、を備えていることを特徴とする。
第1流路室は本体と可撓性部材とで構成され、第2流路室は本体と蓋部材とで構成されている。流路室の内部に液体が加圧供給された場合に、蓋部材は可撓性部材と比べて変形しにくい。
液体流路の上流側から液体が第2流路室に加圧供給されると、蓋部材は可撓性部材と比べて変形しにくいので、蓋部材と本体とが接着した部分において過度の形状変化による応力集中が生じにくく、可撓性部材と本体とで第2流路室を形成した場合と比べて、蓋部材が本体から剥がれにくい。従って、液体流路の上流側から液体が第2流路室に加圧供給される場合に、蓋部材が本体から剥がれ、第2流路室において液体が漏れるという不具合が生じにくくなり、バルブユニットの信頼性を高めることができる。
さらに、蓋部材は付勢部材の他方の端を支持するので、蓋部材と付勢部材の他方の端との間に付勢部材を支持する部材を設ける場合と比べて、第2流路室を小さくし、バルブユニットを小型化することができる。
[適用例2]上記適用例に係るバルブユニットは、前記蓋部材は、凹部を有し、前記付勢部材の他方の端は、前記凹部で支持されていることが好ましい。
蓋部材に凹部を設け、蓋部材の凹部によって付勢部材の他方の端を支持すると、凹部を設けない場合と比べて、第2流路室をさらに小さくし、バルブユニットをさらに小型化することができる。
[適用例3]上記適用例に係るバルブユニットは、前記本体と前記蓋部材とが接する部分には、前記本体と前記蓋部材とを位置決めする位置決め手段が設けられていることが好ましい。
本体と蓋部材とが接する部分に、本体と蓋部材とを位置決めする位置決め手段を設けると、位置決め手段を設けない場合と比べて、本体と蓋部材とを高精度に位置合わせすることができる。
[適用例4]上記適用例に係るバルブユニットは、前記可撓性部材の前記第1流路室と反対側には、前記可撓性部材の変位を規制する規制部材が設けられていることが好ましい。
液体流路の下流側から液体が第1流路室に加圧供給される場合に、可撓性部材が第1流路室と反対側に形状変化し、本体から引き剥がす方向の力(応力)が可撓性部材に作用する。規制部材は、可撓性部材の第1流路室と反対側への形状変化(可撓性部材の変位)を規制するので、可撓性部材の過度の形状変化が抑制される。よって、可撓性部材の過度の形状変化による応力集中が生じにくく、規制部材を有していない構成と比べて可撓性部材が本体から剥がれにくくなる。従って、液体流路の下流側から液体が第1流路室に加圧供給される場合に、可撓性部材が本体から剥がれ、第1流路室において液体が漏れるという不具合が生じにくくなり、バルブユニットの信頼性を高めることができる。
[適用例5]上記適用例に係るバルブユニットは、前記第2流路室に隣り合い、第2の液体流路に配置された第3流路室と、前記第1流路室に隣り合い、前記第3流路室と比べて前記第2の液体流路の上流側に配置され前記第3流路室に連通された第4流路室と、前記本体との間で前記第3流路室を形成する第2の可撓性部材と、前記本体との間で前記第4流路室を形成する第2の蓋部材と、前記第2の可撓性部材の変位により、前記第3流路室と前記第4流路室との間の前記第2の液体流路を開閉する第2の弁体と、前記第4流路室に設けられ、一方の端が前記第2の弁体に支持され他方の端が前記第2の蓋部材に支持された第2の付勢部材と、前記第2の可撓性部材の前記第3流路室と反対側に設けられ、前記第2の可撓性部材の変位を規制する第2の規制部材と、をさらに含み、前記蓋部材及び前記第2の規制部材と、前記第2の蓋部材及び前記規制部材との少なくとも一方は、同一の部材で一体形成されていることが好ましい。
バルブユニットは、第1流路室と第2流路室と弁体とを含む液体流路と、第3流路室と第4流路室と第2の弁体とを含む第2の液体流路とを含み、それぞれの液体流路で2種類の液体の流動を制御することができる。第1流路室と第2流路室と弁体とを含む液体流路は、蓋部材や規制部材によって液体が漏れにくい。同様に、第3流路室と第4流路室と第2の弁体とを含む第2の液体流路も、第2の蓋部材や第2の規制部材によって液体が漏れにくい。
さらに、蓋部材及び第2の規制部材と、第2の蓋部材及び規制部材との少なくとも一方は、同一の部材で一体形成されているので、同一の部材で一体形成されていない場合と比べて、蓋部材及び第2の規制部材と、第2の蓋部材及び規制部材との少なくとも一方を製造するコストを抑えることができる。
[適用例6]本適用例に係るバルブユニットは、液体流路に配置された第1流路室と、前記第1流路室と比べて前記液体流路の上流側に配置され前記第1流路室に連通された第2流路室と、本体と、前記本体との間で前記第1流路室を形成する可撓性部材と、前記可撓性部材の変位により、前記第1流路室と前記第2流路室との間の前記液体流路を開閉する弁体と、前記可撓性部材の前記第1流路室と反対側に配置され、前記可撓性部材の変位を規制する規制部材と、を備えていることを特徴とする。
液体流路の下流側から液体が第1流路室に加圧供給される場合に、可撓性部材が第1流路室と反対側に形状変化し、本体から引き剥がす方向の力(応力)が可撓性部材に作用する。規制部材は、可撓性部材の第1流路室と反対側への形状変化(可撓性部材の変位)を規制するので、可撓性部材の過度の形状変化が抑制される。よって、可撓性部材の過度の形状変化による応力集中が生じにくく、規制部材を有していない構成と比べて可撓性部材が本体から剥がれにくくなる。従って、液体流路の下流側から液体が第1流路室に加圧供給される場合に、可撓性部材が本体から剥がれ、第1流路室において液体が漏れるという不具合が生じにくくなり、バルブユニットの信頼性を高めることができる。
[適用例7]上記適用例に係るバルブユニットは、前記可撓性部材と前記規制部材との間に配置され、空気流路によって大気開放された空気室をさらに含み、前記空気流路によって、空気の流動抵抗が高められていることが好ましい。
空気室の空気は、空気流路によって流動抵抗が高められ、大気側に流動または拡散しにくい。よって、液体中の水分が可撓性部材を通過し空気室に蒸発した場合に、空気室に蒸発した水分も大気側に流動または拡散しにくい。従って、蒸発した液体中の水分は空気室に留まり、液体中の水分が空気室に蒸発しにくくなる。
[適用例8]上記適用例に係るバルブユニットは、前記空気流路を開閉する第1のバルブと、圧力変化手段と、前記空気室と前記圧力変化手段とを連通する第2の空気流路と、
前記第2の空気流路を開閉する第2のバルブと、をさらに備えていることが好ましい。
空気室と第1流路室とは可撓性部材によって区画されているので、第1流路室の圧力は空気室の圧力の影響を受ける。つまり、第1のバルブと、圧力変化手段と、第2の空気流路と、第2のバルブとによって、空気室の圧力及び第1流路室の圧力の両方を制御または調整することができる。さらに、空気室の圧力を調整することによって、可撓性部材の変位も調整することもできる。
[適用例9]本適用例に係る液体吐出装置は、上記適用例に記載のバルブユニットと、前記バルブユニットから供給される液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体を加圧する加圧機構と、を備えていることを特徴とする。
上記適用例に係るバルブユニットは、加圧機構から第1流路室及び第2流路室に液体が加圧供給される場合に、第1流路室及び第2流路室から液体が漏れにくく、高信頼性を有する。従って、上記適用例に係るバルブユニットと加圧機構とを備えている液体吐出装置も液体が漏れにくく、高信頼性を有する。
実施形態1に係るインクジェット式記録装置の構成を示す概略平面図。 インクの流動状態を示す模式図。 図1のA−A’に沿った記録ヘッドの要部断面図。 図1のA−A’に沿ったバルブユニットの要部断面図。 図4の破線Bで囲まれた領域の部分拡大図。 規制部材を有していないバルブユニットにおけるフィルムの変位の状態を示す模式図。 実施形態2に係るプリンターにおけるクリーニング時のインクの流動状態を示す模式図。 実施形態2に係るバルブユニットの状態を示す部分拡大図。 実施形態3に係るプリンターの構成を示す概略平面図。 図9のC−C’に沿ったバルブユニットの要部断面図。 実施形態4に係るバルブユニットの要部断面図。 実施形態5に係るバルブユニットの状態を示す部分拡大図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態1)
「プリンターの概要」
図1は、実施形態1に係るインクジェット式記録装置(以下、プリンターと称す)の構成を示す概略平面図である。
最初に、図1を参照し、「液体吐出装置」の一例であるプリンター1の概要について説明する。
本実施形態に係るプリンター1は、記録紙等の記録媒体Sに「液体」の一例であるインクを吐出(噴射)し、記録媒体S上に画像等の記録(印刷)を行う装置である。
図1に示すように、プリンター1は、略矩形箱状をなす本体ケース2を備え、本体ケース2内の前方下部には、プラテン3が主走査方向となる本体ケース2の長手方向(図1において左右方向)に沿って配設されている。プラテン3は、略矩形状を有し、記録用紙などの記録媒体Sを支持する支持台である。プラテン3上には、紙送り機構(図示省略)により記録媒体Sが主走査方向と直交する副走査方向(前方向)に搬送されるようになっている。
プラテン3の後部上方には、主走査方向に延びる棒状のガイド軸4が架設されている。ガイド軸4には、キャリッジ5が主走査方向へ移動可能な状態で支持されている。また、本体ケース2内の後方側面においてガイド軸4の両端部と対応する位置には、駆動プーリー7及び従動プーリー8が回転自在に支持されている。駆動プーリー7にはパルスモーター6が連結されている。駆動プーリー7と従動プーリー8との間には無端状のタイミングベルト9が掛装されている。そして、キャリッジ5の後端側はタイミングベルト9に接続されているので、パルスモーター6の駆動により、キャリッジ5はガイド軸4に沿って主走査方向に往復移動可能になっている。
本体ケース2内の一端側(図1では右端側)には箱形のカートリッジホルダー14が設けられている。カートリッジホルダー14には、シアン(C)のインクが収容されたインクカートリッジ13Cと、マゼンタ(M)のインクが収容されたインクカートリッジ13M、イエロー(Y)のインクが収容されたインクカートリッジ13Y、ブラック(B)のインクが収容されたインクカートリッジ13Bとが、インクの色毎に着脱可能に装着されている。インクカートリッジ13B,13C,13M,13Yは、内部が気密状態となっており、内部にインクが貯留されたインクパック(図示省略)を有している。
イエロー(Y)のインクが収容されたインクカートリッジ13Yの上には、加圧ポンプ19が配置されている。加圧ポンプ19は、空気供給チューブ18B,18C,18M,18Yを介してインクカートリッジ13B,13C,13M,13Yに接続されている。加圧ポンプ19により加圧された空気は、空気供給チューブ18B,18C,18M,18Yを介して各インクカートリッジ13B,13C,13M,13Yの中に導入され、インクが貯留されたインクパックを押圧する。そして、インクカートリッジ13Bに収容されているブラック(B)のインクは、インク供給チューブ17Bを介してバルブユニット21Bに加圧供給される。インクカートリッジ13Cに収容されているシアン(C)のインクは、インク供給チューブ17Cを介してバルブユニット21Cに加圧供給される。インクカートリッジ13Mに収容されているマゼンタ(M)のインクは、インク供給チューブ17Mを介してバルブユニット21Mに加圧供給される。インクカートリッジ13Yに収容されているイエロー(Y)のインクは、インク供給チューブ17Yを介してバルブユニット21Yに加圧供給される。
すなわち、加圧ポンプ19と、空気供給チューブ18B,18C,18M,18Yと、インクカートリッジ13B,13C,13M,13Yとで、インクパックに貯留されたインクが加圧され、インク供給チューブ17B,17C,17M,17Yを介して、バルブユニット21B,21C,21M,21Yに加圧供給される。
なお、加圧ポンプ19と、空気供給チューブ18B,18C,18M,18Yと、インクカートリッジ13B,13C,13M,13Yとは、「液体を加圧する加圧機構」の一例である。
以降の説明では、インクカートリッジ13B,13C,13M,13Yをインクカートリッジ13と称し、空気供給チューブ18B,18C,18M,18Yを空気供給チューブ18と称し、インク供給チューブ17B,17C,17M,17Yをインク供給チューブ17と称し、バルブユニット21B,21C,21M,21Yをバルブユニット21と称す場合がある。
キャリッジ5には、記録ヘッド20とバルブユニット21とが順に装着されている。記録ヘッド20からバルブユニット21に向かう方向から見た場合、バルブユニット21は、長方形状を有している。バルブユニット21は、記録ヘッド20のノズル43から安定してインクが吐出されるように、記録ヘッド20に供給されるインクの流動圧を調整する。記録ヘッド20は、バルブユニット21から供給されるインクを、記録媒体Sに吐出する。本実施形態では、一つのバルブユニット21で1色分のインクの流動圧を調整することができる。
なお、記録ヘッド20は、「液体吐出ヘッド」の一例である。
以降の説明では、長方形状のバルブユニット21の長手方向をY方向とし、長方形状のバルブユニット21の短手方向をX方向とする。記録ヘッド20からバルブユニット21に向かう方向、すなわちバルブユニット21の厚さ方向をZ方向とする。さらに、図中で方向を示す矢印の先端側を(+)方向、基端側を(−)方向とする。
インクカートリッジ13は、カートリッジホルダー14に装着されることで、インク供給チューブ17の上流端に接続されるようになっている。また、インク供給チューブ17の下流端は、キャリッジ5上に搭載されたバルブユニット21の上流側と接続されるとともに、バルブユニット21の下流側はキャリッジ5の下面側に設けられた記録ヘッド20に接続されている。そして、記録ヘッド20の下面(ノズル面)には、インクを吐出する複数のノズル43(図3参照)が形成されている。記録ヘッド20のノズル43から記録媒体Sにインクが吐出され、記録媒体Sに対する記録処理(印刷処理)が実行される。
さらに、カートリッジホルダー14とプラテン3との間、すなわち、記録媒体Sが搬送されない非印刷領域には、プリンター1の電源オフ時や記録ヘッド20をクリーニングする場合にキャリッジ5の待機場所となるホームポジションHPが設けられている。また、キャリッジ5がホームポジションHPに配置されたときの下方となる位置には、記録ヘッド20のクリーニングを行うためのメンテナンスユニット91が設けられている。メンテナンスユニット91は、キャップ92と、吸引ポンプ97と、廃液タンク96(図2(b)参照)とを備えている。
「インクの流動状態」
図2は、インクの流動状態を示す模式図である。詳しくは、図2(a)は、記録媒体Sに対して記録処理が実行される場合のインクの流動状態を示す模式図である。図2(b)は、記録ヘッド20に対して加圧クリーニング処理が実行される場合のインクの流動状態を示す模式図である。なお、図2では、流動状態にあるインクが網掛けで示されている。
次に、図2を参照し、プリンター1におけるインクの流動状態を説明する。
図2に示すように、インクカートリッジ13内に収容されたインクは、インク供給チューブ17とバルブユニット21とインク供給路16とを経て記録ヘッド20に供給される場合と、インク供給チューブ17とバイパス配管64と開閉バルブ65とバイパス配管64とインク供給路16とを経て記録ヘッド20に供給される場合とがある。
記録処理が実行される場合、図2(a)に示すように、開閉バルブ65が閉じられ、加圧ポンプ19によって加圧されたインクカートリッジ13内のインクは、インク供給チューブ17とバルブユニット21とインク供給路16とを経て記録ヘッド20に供給され、記録ヘッド20のノズル43から記録媒体Sに吐出される。バルブユニット21は、記録ヘッド20に供給されるインクの流動圧を調整し、ノズル43に供給されるインクには大気圧に対して負圧が作用するようになっている。
インクが長い間放置されるなどして記録ヘッド20内でインクの性状が劣化すると、記録ヘッド20をホームポジションHPに移動し、記録ヘッド20内のインクを加圧し、性状が劣化したインクをノズル43から強制的に排出する加圧クリーニング処理が実行される。
加圧クリーニング処理が実行される場合、図2(b)に示すように、開閉バルブ65が開かれ、加圧ポンプ19によって加圧されたインクカートリッジ13内のインクは、インク供給チューブ17と、バイパス配管64と、開閉バルブ65と、バイパス配管64と、インク供給路16とを経て記録ヘッド20に供給される。このため、記録ヘッド20に供給されるインクは加圧された状態になり、性状が劣化したインクは、ノズル43からキャップ92に強制的に排出される。キャップ92に排出されたインクは、吸引ポンプ97によって吸引され、廃液タンク96に溜められる。
このように、記録処理が実行される場合、インクカートリッジ13と、インク供給チューブ17と、バルブユニット21と、インク供給路16と、記録ヘッド20とで、インクが流動するインク流路が形成される。加圧クリーニング処理が実行される場合、インクカートリッジ13と、インク供給チューブ17と、バイパス配管64と、開閉バルブ65と、バイパス配管64と、インク供給路16と、記録ヘッド20とでインクが流動するインク流路が形成される。
なお、インク流路は、「液体流路」の一例である。
バルブユニット21では、インク供給室51と、弁体53と、圧力室52とが、インク流路の上流側から順に配置されている。つまり、バルブユニット21はインク流路に配置された圧力室52と、圧力室52と比べてインク流路の上流側に配置され圧力室52に連通されたインク供給室51とを有している。
なお、圧力室52は「第1流路室」の一例であり、インク供給室51は「第2流路室」の一例である。
記録処理が実行される場合、加圧ポンプ19によって加圧されたインクカートリッジ13内のインクはインク供給室51に供給される。このため、インク供給室51は加圧された状態になる。インク供給室51と圧力室52との間のインク流路は、弁体53によって開閉され、インク供給室51内におけるインクの圧力変化と、圧力室52内のインクの圧力変化とが切り離される。従って、弁体53よりも上流側に圧力変化が生じていても、下流側はその影響を受けることがなく、圧力室52内でインクに作用する圧力が一定の範囲の負圧に制御され、記録ヘッド20に供給されるインクの流動圧も一定範囲の負圧に制御される。
加圧クリーニング処理が実行される場合、加圧ポンプ19によって加圧されたインクカートリッジ13内のインクは、インク供給チューブ17と、バイパス配管64と、開閉バルブ65と、バイパス配管64と、インク供給路16とを経て、記録ヘッド20に加えて圧力室52にも供給される。このため、圧力室52は加圧された状態になる。
「記録ヘッド、バルブユニット」
図3は、図1のA−A’に沿った記録ヘッドの要部断面図である。図4は、図1のA−A’に沿ったバルブユニットの要部断面図である。図5は、図4の破線Bで囲まれた領域の部分拡大図である。
なお、図5は、バルブユニット21の空気流路79の状態を示す模式図であり、バルブユニット21の空気流路79が網掛けで示されている。
さらに、記録ヘッド20の状態及びバルブユニット21の状態を、それぞれ分かりやすくするために、図3の座標軸(Y方向、Z方向)の向きと、図4及び図5の座標軸(Y方向、Z方向)の向きとが異なる。詳しくは、90度回転させた場合の図4及び図5の座標軸(Y方向、Z方向)の向きが、図3の座標軸(Y方向、Z方向)の向きに一致する。
最初に、図3を参照して、記録ヘッド20の構成について説明する。
図3に示すように、記録ヘッド20は、ヘッドケース25と、振動子ユニット26と、流路ユニット27とを含む。
ヘッドケース25は、中空箱体状部材であり、その先端面(下面)に流路ユニット27が固定されている。ヘッドケース25の内部に形成された収容空部12内には、振動子ユニット26が収容されている。ヘッドケース25の内部には、その高さ方向を貫通してケース流路34が形成されている。ケース流路34は、バルブユニット21から供給されるインクを共通インク室40に導入するための流路であり、一方の端が共通インク室40に接続されている。また、ケース流路34の他方の端は、パッキン39を介してインク供給路16に接続されている。
振動子ユニット26は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子31と、圧電振動子31に駆動基板(図示省略)からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル32と、圧電振動子31を固定する固定板33とから構成される。圧電振動子31は、圧力室42の一部を区画する可撓面(振動板38)に接合されている。そして、圧電振動子31は、駆動信号の印加により伸縮して圧力室42の容積を膨張又は収縮させることで、圧力室42内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動の制御によりノズル43からインクを吐出させる。
流路ユニット27は、ノズル43が開設されたノズル形成基板36と、インク流路を形成する流路形成基板37と、流路形成基板37の開口面を封止する振動板38とが積層された状態で接合され、一体化されている。流路ユニット27は、共通インク室40からインク供給口41と圧力室42とを通り、ノズル43に至るまでの一連のインク流路を形成するユニット部材である。圧力室42は、共通インク室40から分岐され、ノズル43毎に形成されている。
バルブユニット21のインク導出路(図示省略)から導出されたインクは、インク供給路16と、ケース流路34と、共通インク室40とを介して、圧力室42に供給される。この流路ユニット27は、ノズル形成基板36を下側(プリンター本体のプラテン3側)に向けた姿勢でヘッドケース25の先端面に接合されている。
次に、図4を参照して、バルブユニット21の構成について説明する。
図4に示すように、バルブユニット21では、蓋部材23と、本体45と、フィルム22とがY方向に沿って順に配置されている。フィルム22及び本体45と、蓋部材23及び本体45とは、それぞれレーザー溶着法によって互いに固定または接着されている。さらに、本体45は、フィルム22が固定される面45aを有している。
なお、フィルム22は、「可撓性部材」の一例である。
本体45は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂によって成型された部材である。本体45は、例えばカーボンブラック、顔料、染料などを含み、レーザー光を吸収する。換言すれば、本体45は、レーザー光を吸収する熱可塑性樹脂で構成される。
本体45は、フィルム22が配置される側に凹部45dと、蓋部材23が配置される側に凹部45eと、凹部45dと凹部45eとを区画する隔壁45fとを有している。本体45の隔壁45fは、中央付近に孔47を有している。さらに、本体45の隔壁45fは、孔47が形成された部分に凹部45d側に張り出した凸部を有している。
本体45の凹部45dの開口は、フィルム22によって封止され(覆われ)、本体45の凹部45dとフィルム22とで圧力室52が形成される。すなわち、本体45の凹部45dとフィルム22とで囲まれた領域が、圧力室52になる。
換言すれば、フィルム22は、本体45との間で圧力室52を形成する部材である。
本体45の凹部45eの開口は、蓋部材23によって封止され(覆われ)、本体45の凹部45eと蓋部材23とでインク供給室51が形成される。すなわち、本体45の凹部45eと蓋部材23とで囲まれた領域が、インク供給室51になる。
換言すれば、蓋部材23は、本体45との間でインク供給室51を形成する部材である。蓋部材23のY(−)方向側の面23aと蓋部材23のY(+)方向側の面23bとの間の寸法、すなわち蓋部材23の厚さはY1である。
圧力室52とインク供給室51とは、孔47によって連通されている。上述したように、圧力室52とインク供給室51とはインク流路の一部を構成し、圧力室52はインク供給室51と比べてインク流路の下流側に配置され、インク供給室51は圧力室52と比べてインク流路の上流側に配置されている。
孔47に貫通され、一方が圧力室52に張り出し、他方がインク供給室51に張り出した弁体53が配置されている。詳細は後述するが、弁体53は、フィルム22の変位によりY方向に移動し、圧力室52とインク供給室51との間のインク流路を開閉する。弁体53は、本体部54と、シール部材55とで構成される。本体部54は、インク供給室51側に配置される板状部54aと、孔47に貫通され先端側が圧力室52に突出する軸部54bとを備えている。シール部材55は、例えばエラストマーやゴムなどからなる弾性部材で構成され、板状部54aの孔47と対向する一面側に、軸部54bを囲むよう配置(固定)されている。
蓋部材23は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂によって成型された部材であり、フィルム22よりも高い剛性を有し変形しにくい。蓋部材23は、カーボンブラック、顔料、染料などを含まず、レーザー光を透過する。換言すれば、蓋部材23は、レーザー光を透過する熱可塑性樹脂で構成される。
本体45をレーザー光を吸収する熱可塑性樹脂で構成し、蓋部材23をレーザー光を透過する熱可塑性樹脂で構成し、蓋部材23の側からレーザー光を照射することによって、蓋部材23を本体45にレーザー溶着することができる。すなわち、蓋部材23と本体45との接合部(接着部)にレーザー光を照射することによって、蓋部材23及び本体45の両者が溶融され、蓋部材23と本体45とが接着される。
さらに、蓋部材23は、本体45と接する部分に凸部24を有している。本体45は、蓋部材23と接する部分に凹部44を有している。蓋部材23の凸部24と本体45の凹部44とを嵌合させることで、蓋部材23と本体45とを高精度に位置合わせすることができる。
なお、凸部24及び凹部44は、「位置決め手段」の一例である。
凸部24は蓋部材23及び本体45の一方に設ければよく、凹部44は蓋部材23及び本体45の他方に設ければよい。つまり、凸部24を本体45に設け、凹部44を蓋部材23に設ける構成であってもよい。
換言すれば、凸部24は雄型の嵌合部材であり、凹部44は雌型の嵌合部材であり、雄型の嵌合部材と雌型の嵌合部材とが嵌合することで、蓋部材23と本体45とが高精度に位置合わせ可能になっている。例えば、一方が雄側の係止部材(例えば、フック)であり、他方が雄側の係止部材を引っ掛けることが可能な雌側の係止部材(例えば、溝)であり、雄型の係止部材が雌型の係止部材に係止することで、蓋部材23と本体45とを高精度に位置合わせする構成であってもよい。
インク供給室51には、バネ63が配置されている(設けられている)。バネ63の一方の端は弁体53の本体部54に支持され、バネ63の他方の端は蓋部材23の面23bに支持されている。詳しくは、弁体53の本体部54はバネ63の一方の端を支持する部分に凸部を有し、バネ63の一方の端は弁体53の本体部54の凸部に嵌め込まれている。蓋部材23の面23bはバネ63の他方の端を支持する部分に凸部を有し、バネ63の他方の端は蓋部材23の面23bの凸部に嵌め込まれている。上述したように、蓋部材23のY(−)方向側の面23aと蓋部材23のY(+)方向側の面23bとの間の寸法(蓋部材23の厚さ)はY1であるので、バネ63の他方の端は、蓋部材23の面23aに対してY1の高さに配置されている。
なお、バネ63は、「付勢部材」の一例である。
上述したように、蓋部材23は、フィルム22よりも高い剛性を有し変形しにくいので、フィルム22と比べてバネ63を安定して支持することができる。従って、他方の端が蓋部材23によって支持されたバネ63は、弁体53に対して安定して力を付勢することができる。
仮に、蓋部材23が変形しやすい場合、バネ63は、弁体53に対して安定して力を付勢することが難しくなる。蓋部材23が変形しやすい場合、バネ63が弁体53に対して安定して力を付勢するためには、蓋部材23とバネ63との間に蓋部材23よりも高い剛性を有する支持板を設け、バネ63の他方の端を当該支持板に支持させることが必要になる。
本実施形態では、蓋部材23がフィルム22よりも高い剛性を有し変形しにくいので、蓋部材23とバネ63との間にバネ63を支持する支持板を設ける必要が無い。従って、蓋部材23とバネ63との間にバネ63を支持する支持板を設ける構成と比べて、バネ63を支持する支持板を設けるスペースが省略され、バルブユニット21を薄型化または小型化することができる。加えて、バネ63を支持する支持板を設けるコストが削減され、バルブユニット21を低コスト化することができる。
フィルム22は、可撓性を有する部材で構成され、レーザー光を透過する。換言すれば、フィルム22は、レーザー光を透過する熱可塑性樹脂で構成される。詳しくは、フィルム22は、可撓性を有するポリプロピレンフィルム層と、ポリエチレンテレフタレートからなる補強層とが積層された2層構造を有し、僅かに水分を透過する。
本体45をレーザー光を吸収する熱可塑性樹脂で構成し、フィルム22をレーザー光を透過する熱可塑性樹脂で構成し、フィルム22の側からレーザー光を照射することによって、フィルム22を本体45の面45aにレーザー溶着することができる。すなわち、フィルム22と本体45との接合部(接着部)にレーザー光を照射することによって、フィルム22及び本体45の両者が溶融され、フィルム22と本体45とが接着される。
なお、図4では、フィルム22と本体45との接着部を分かりやすくするために、フィルム22と本体45とが接着部で境界を有するように図示されている。レーザー溶着ではフィルム22及び本体45の両者が溶融されるので、フィルム22と本体45とが一体となり、フィルム22と本体45とが接着部で境界を有さない場合も含む。
さらに、フィルム22の中央部には、フィルム22と比べて硬質の材料により形成された受圧板57が固定されている(接着されている)。受圧板57は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチック材料により構成されている。
受圧板57のフィルム22に固定される面と反対側の面には、バネ62が配置されている。そして、バネ62の一端はフィルム22の受圧板57に支持され、バネ62の他端は本体45の隔壁45fの凸部に嵌め込まれている。
このように、バルブユニット21は、インク流路に配置された圧力室52と、圧力室52と比べてインク流路の上流側に配置され圧力室52に連通されたインク供給室51と、本体45と、本体45との間で圧力室52を形成するフィルム22と、本体45との間でインク供給室51を形成する蓋部材23と、フィルム22の変位により圧力室52とインク供給室51との間のインク流路を開閉する弁体53と、インク供給室51に設けられ、一方の端が弁体53に支持され他方の端が蓋部材23に支持されたバネ63と、を備えている。
さらに、フィルム22の圧力室52と反対側には、規制部材71が設けられている。規制部材71は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂によって成型された部材であり、フィルム22よりも高い剛性を有し、変形しにくい。規制部材71は、カーボンブラック、顔料、染料などを含まず、レーザー光を透過する。換言すれば、規制部材71は、レーザー光を透過する熱可塑性樹脂で構成される。
規制部材71は、本体45の面45aにレーザー溶着されている。つまり、本体45の面45aには、レーザー溶着法によって、フィルム22と、規制部材71とが固定(接着)されている。すなわち、フィルム22及び本体45の接着部と、規制部材71とにレーザー光を照射することによって、フィルム22及び本体45の接着部と、規制部材71とが溶融され、フィルム22及び本体45の接着部に、規制部材71が接着される(レーザー溶着される)。
なお、本実施形態は、フィルム22及び本体45の接着部と、規制部材71とが溶融され、それぞれが一体となり、フィルム22及び本体45の接着部と、規制部材71とが境界を有さない場合を含む。
規制部材71は、X方向及びZ方向に沿った底部72と、底部72の周縁を囲うように立設された周縁部73と、底部72と周縁部73とで囲まれた凹部74(圧力室52側に開口した凹部74)とを有する。底部72の凹部74側の面75は、本体45の面45aと比べてY(+)方向側に配置されている。
規制部材71の凹部74の開口は、フィルム22によって封止され(覆われ)、規制部材71の凹部74とフィルム22とで空気室76が形成される。すなわち、規制部材71の凹部74とフィルム22とで囲まれた領域が、空気室76になる。空気室76は、規制部材71とフィルム22との間に配置される。
規制部材71は、フィルム22のY(+)方向への変位を規制(抑制)する。すなわち、バルブユニット21では、フィルム22の圧力室52と反対側に、フィルム22の変位を規制する規制部材71が設けられている。
図5に示すように、規制部材71の周縁部73には、周縁部73をZ方向に貫く貫通孔78と、貫通孔78に連通された大気開放口77とが形成されている。貫通孔78は、図中で網掛けで示された空気流路79を形成する。空気室76は、空気流路79によって大気開放されている。
空気室76の中の空気は、空気流路79を経由して、大気側(大気開放口77の側)に流動または拡散する。大気も、空気流路79を経由して、空気室76に流動または拡散する。空気流路の79のコンダクタンスが小さくなるように、貫通孔78が設けられている。空気流路79の中を流動する空気の流量は、空気室76と大気との圧力差とコンダクタンスとの積に依存するので、コンダクタンスが小さくなるように空気流路79が形成され、空気流路79の中を空気が流動または拡散しにくくなっている。換言すれば、空気流路79によって、空気の流動抵抗が高められ、空気室76内の空気が大気側(大気開放口77の側)に流動または拡散しにくい。
空気流路79のコンダクタンスは、貫通孔78の断面積、貫通孔78の長さ、貫通孔78の形状に依存する。空気流路79のコンダクタンスを小さくするためには、貫通孔78の断面積を小さくし、貫通孔78を長くし、貫通孔78を屈曲した形状にすることが好ましい。
上述したように、フィルム22は、ポリプロピレンフィルム層とポリエチレンテレフタレートからなる補強層とが積層された2層構造を有し、僅かに水分を透過する。このため、圧力室52のインク中の水分は、フィルム22を通過して、空気室76に蒸発または拡散する。
本実施形態では、インク中の水分が空気室76内に蒸発した場合に、空気室76内に蒸発したインク中の水分が、空気流路79の中を流動して大気側に流動(拡散)しにくい。従って、蒸発したインク中の水分は空気室76に留まり、インク中の水分の蒸発が進行しにくくなり、インク中の水分の蒸発が抑制される。
換言すれば、空気流路79(貫通孔78)は、インク中の水分の蒸発を抑制するように細長く形成された蛇行路である。また、空気流路79が直線的に形成された場合と比べて、空気流路79の経路が長くなった構成(屈曲形状、螺旋形状など)は、本願の技術的範囲に含まれる。また、空気流路79は、繰り返し屈曲することで経路が長くなった屈曲形状を有しているが、これに限定されない。例えば、空気流路79は、円形状の底部72を囲むように形成された螺旋形状であってよい。
なお、フィルム22に水分の蒸発を抑制するバリア層(例えば、シリカ(SiO2)からなる層)を付加することによっても、インク中の水分の蒸発を抑制することができる。ところが、フィルム22に水分の蒸発を抑制するバリア層を付加すると、フィルム22の製造コストが高くなる。本実施形態では、空気流路79の形状を工夫することによって、フィルム22にバリア層を付加しなくてもインク中の水分の蒸発を抑制することができるので、フィルム22にバリア層を付加する場合と比べて、フィルム22の低コスト化が図られている。
「バルブユニットの動作」
次に、図4を参照して、バルブユニット21の動作について説明する。
上述したように、弁体53は、フィルム22の変位によりY方向に沿って移動し、圧力室52とインク供給室51との間のインク流路を開閉する。図4の実線には、圧力室52とインク供給室51との間のインク流路が開かれた状態が図示されている。図4の二点鎖線には、圧力室52とインク供給室51との間のインク流路が閉じられた場合の弁体53及びフィルム22の状態が図示されている。図4の破線には、加圧クリーニング処理が実行される場合の弁体53及びフィルム22の状態が図示されている。
記録処理が実行される場合、バルブユニット21では、インク供給室51内のインクは加圧された状態にあり、圧力室52のインクの圧力は一定範囲の負圧に制御されている。このため、インク供給室51において、インク供給室51内のインクの圧力と圧力室内のインクの圧力との差に起因するY(+)方向の力と、バネ63から付勢されるY(+)方向の力とが、弁体53に作用する。さらに、圧力室52において、フィルム22(受圧板57)やバネ62から付勢されるY(−)方向の力が、弁体53に作用する。
弁体53に作用するY(+)方向と、Y(−)方向の力との兼ね合いによって、弁体53の位置が制御され、弁体53がY方向に沿って移動し、圧力室52とインク供給室51との間のインク流路が開閉される。
記録ヘッド20からインクが吐出されない(消費されない)場合、またはインク供給室51から圧力室52にインクが供給され圧力室52の負圧が弱くなった場合、弁体53に作用するY(+)方向の力が強くなり、弁体53のシール部材55が本体45に密着し、弁体53が孔47を閉塞する状態(以降、閉状態と称す)になり、インク供給室51と圧力室52との間のインク流路が閉じられる。弁体53は閉状態にあるので、インク供給室51のインクの圧力と圧力室52のインクの圧力とが切り離され、圧力室52のインクは所定範囲の負圧に維持される。その結果、フィルム22は、図中の二点鎖線で示すようにY(−)方向に撓んだ状態になる。
記録ヘッド20からインクが吐出される(消費される)場合、圧力室52内のインクが減少し、圧力室52内でインクに作用する圧力が低下し(負圧が強くなり)、フィルム22は図中の二点鎖線で示された状態から、図中の実線で示された状態に遷移する。すなわち、フィルム22はY(−)方向に大きく撓み、フィルム22に固定された受圧板57が、バネ62を介して弁体53を押圧する。その結果、弁体53に作用するY(−)方向の力が強くなり、弁体53のシール部材55が本体45から離間した状態(以下「開状態」という)になる。弁体53が開状態になると、インク供給室51と圧力室52との間のインク流路が開かれ、インク供給室51から圧力室52へインクが供給される。
換言すると、記録ヘッド20からインクが吐出される(消費される)場合、インクの消費に従って弁体53が僅かに開弁しつつ、圧力室52に対してインクが逐次補給される。さらに、上流側のインク供給室51内におけるインクの圧力変化は、弁体53の開閉によって、ある一定の範囲内となるように制限され、下流側の圧力室52内のインクの圧力変化と切り離される。従って、弁体53よりも上流側に圧力変化が生じていても、下流側はその影響を受けることがない。このため、バルブユニット21の圧力室52内でインクに作用する圧力は、所定の範囲の負圧に制御される。
さらに、インク供給室51から圧力室52にインクが供給されると、圧力室52のインクの負圧が弱くなる。すると、フィルム22は、図中の二点鎖線で示す状態になり、弁体53が再び閉状態になり、インク供給室51から圧力室52にインクの流入が抑制される。
このように、記録処理が実行される場合、フィルム22は、図中の二点鎖線で示された変位の状態と、図中の実線で示された変位の状態とを繰り返す。本実施形態では、フィルム22が、図中の二点鎖線で示された変位の状態と図中の実線で示された変位の状態とを繰り返しても、本体45との接着部からフィルム22が剥がれないように設計されている。すなわち、本実施形態では、本体45との接着部からフィルム22を引き剥がす大きな変位が生じないように、フィルム22の変位の状態が調整され、本体45との接着部からフィルム22が剥がれる不具合が抑制される。
さらに、記録処理が実行される場合、インク供給室51には、加圧ポンプ19によって加圧されたインクカートリッジ13内のインクが加圧供給されるので、インク供給室51は加圧された状態にある。インク供給室51を形成する蓋部材23は、フィルム22よりも高い剛性を有し変形しにくいので、本体45との接着部から蓋部材23を剥がれるような大きな変位が生じにくい。従って、インク供給室51が加圧された状態にあっても、本体45との接着部から蓋部材23が剥がれる不具合が抑制される。
一方、加圧クリーニング処理が実行される場合、上述したように、加圧ポンプ19によって加圧されたインクカートリッジ13内のインクは、バイパス配管64を経由して圧力室52にも供給されるので、圧力室52は加圧された状態になる。このため、フィルム22は、図中の破線で示すように、Y(+)方向に膨らんだ状態になる。
図6は、図4に対応する図であり、規制部材を有していないバルブユニットにおけるフィルムの変位の状態を示す模式図である。つまり、図6には、図4に示すバルブユニット21から規制部材71を削除した場合のフィルム22の変位状態が図示されている。
以下に、図6を参照して、バルブユニット21から規制部材71が削除された場合の影響について説明する。
記録処理が実行される場合、規制部材71を有する構成(図4の実線及び二点鎖線の状態)であっても、規制部材71を有していない構成(図6の実線及び二点鎖線の状態)であっても、フィルム22は同等に変位し、本体45との接着部からフィルム22が剥がれる不具合が抑制される。
例えば、記録処理が実行される場合、圧力室52のインクに作用する圧力は、大気圧に対して概略マイナス数KPa〜0KPaの範囲にある。
加圧クリーニング処理が実行される場合、記録処理が実行される場合と比べて、記録ヘッド20のインクに大きな圧力を作用させ、性状が劣化したインクをノズル43から強制的に排出させる。例えば、加圧クリーニング処理が実行される場合、記録ヘッド20のインクに作用する圧力は大気圧に対して概略数十KPaである。加圧クリーニング処理が実行される場合、圧力室52と記録ヘッド20とに同等の圧力が作用するので、記録処理が実行される場合と比べて大きな圧力が圧力室52に加わる。このため、加圧クリーニング処理が実行される場合、記録処理が実行される場合と比べてフィルム22は大きく変位する。
規制部材71を有していない構成では、図6の破線に示すように、規制部材71を有する構成(図4の破線の状態)と比べて、フィルム22はY(+)方向に大きく変位する。さらに、フィルム22のY(+)方向への変位は、本体45との接着面(本体45の面45a)の側で大きく、受圧板57の側で小さくなる。すなわち、フィルム22は、本体45との接着面(本体45の面45a)の側で急傾斜となり、受圧板57の側で緩傾斜となる。
さらに、圧力室52の加圧供給されるインクによって、本体45との接着面(本体45の面45a)からフィルム22を引き剥がす方向の力(応力)がフィルム22に作用する。フィルム22の形状が変化する部分では、フィルム22に作用する応力の分布が乱れ、応力が局所的に増大する応力集中が生じる。すなわち、フィルム22の変位が大きい場合、フィルム22の変位が小さい場合と比べて、応力が局所的に増大する応力集中が生じやすく、フィルム22を接着面から引き剥がす応力の影響が強くなる。よって、受圧板57の側と比べて、本体45との接着面(本体45の面45a)の側で応力の影響が強くなり、本体45との接着面(本体45の面45a)からフィルム22が剥がれやすくなる。
さらに、加圧クリーニング処理は、インクの性状が劣化した場合に間欠的に実行される。よって、フィルム22に対して間欠的に応力が作用することになり、フィルム22に対して継続して応力が作用する場合と比べて、フィルム22の接着面に疲労破壊が生じやすくなる。
このように、規制部材71を有していない構成では、本体45との接着面(本体45の面45a)からフィルム22が剥がれやすくなるという課題があった。
本実施形態では、バルブユニット21に規制部材71が設けられているので、図4の破線で示すように、フィルム22のY(+)方向の変位は規制部材71によって抑制され、規制部材71を有していない構成(図6の破線の状態)と比べて、フィルム22のY(+)方向の変位が小さくなる。フィルム22のY(+)方向の変位が小さくなると、フィルム22のY(+)方向の変位が大きい場合と比べて、応力が局所的に増大する応力集中が弱くなり、本体45との接着面(本体45の面45a)からフィルム22が剥がれにくくなる。
さらに、規制部材71によって、フィルム22をY(+)方向へ変位させる力に抗する力、すなわちY(−)方向の力がフィルム22に付勢される。その結果、規制部材71を有する本実施形態の構成(図4の構成)は、規制部材71を有してない構成(図6の構成)と比べて、フィルム22をY(+)方向へ変位させる力が弱くなり、フィルム22のY(+)方向の変位がさらに小さくなり、本体45との接着面(本体45の面45a)からフィルム22がさらに剥がれにくくなる。
従って、規制部材71を有する本実施形態の構成(図4の構成)は、規制部材71を有していない構成(図6の構成)と比べて、応力が局所的に増大する応力集中の影響が弱くなり、且つフィルム22を変位させる力も弱くなるので、本体45の接着面(本体45の面45a)からフィルム22が剥がれにくくなり、インクがバルブユニット21から漏れにくくなり、バルブユニット21の信頼性を高めることができる。
(実施形態2)
図7は、図2(b)に対応する図であり、実施形態2に係るプリンターにおけるクリーニング時のインクの流動状態を示す模式図である。図8は、図5に対応する図であり、本実施形態に係るバルブユニットの状態を示す部分拡大図である。
本実施形態に係るプリンター1Aは、減圧クリーニング処理が実行される点、及び空気室76の圧力調整(圧力制御)ができる点が実施形態1に係るプリンター1と異なり、他の構成は本実施形態と実施形態1とで同じである。
以下、図7及び図8を参照し、本実施形態に係るプリンター1Aを、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図7に示すように、プリンター1Aでは、インクが長い間放置されるなどして記録ヘッド20内でインクの性状が劣化すると、記録ヘッド20をホームポジションHPに移動し、記録ヘッド20にキャップ92を当接させ、記録ヘッド20とキャップ92とで密閉空間を形成した後に、当該密閉空間を吸引ポンプ97によって吸引して減圧し、性状が劣化したインクを記録ヘッド20のノズル43からキャップ92に強制的に吸い出す(排出させる)。キャップ92に強制的に吸い出されたインクは、吸引ポンプ97を経由して廃液タンク96に溜められる。すなわち、プリンター1Aでは、記録ヘッド20とキャップ92とで密閉空間を減圧し、性状が劣化したインクを強制的に吸い出す(排出させる)減圧クリーニング処理が実行される。
減圧クリーニング処理におけるインク流路は、インクカートリッジ13と、インク供給チューブ17と、バルブユニット200と、インク供給路16と、記録ヘッド20とで構成される。
さらに、図示を省略するが、本実施形態に係る減圧クリーニング処理、及び実施形態1に係る加圧クリーニング処理では、記録ヘッド20のノズル43からインクを強制的に排出させる前に、記録ヘッド20のノズル43の形成面をワイパーで拭き取り清掃するワイピング処理が実行される。
図8に示すように、本実施形態に係るバルブユニット200は、規制部材71の底部72を貫く第2の貫通孔278を有している。第2の貫通孔278の一方の端は空気室76に接続され、第2の貫通孔278の他方の端は配管213に接続されている。配管213は、一方の端が第2の貫通孔278に接続され、他方の端がポンプ212に接続されている。さらに、第2の貫通孔278とポンプ212との間には、第2のバルブ214が設けられている。
なお、ポンプ212は圧力変化手段の一例である。
第2の貫通孔278と配管213と第2のバルブ214とによって、第2の空気流路211が構成される。第2の空気流路211は、図中で網掛けで示され、第2のバルブ214によって開閉される。
貫通孔78には、配管217と第1のバルブ218とが接続されている。配管217の一方の端は貫通孔78に接続され、配管217の他方の端は第1のバルブ218に接続されている。配管217と第1のバルブ218とによって、空気室76に至る空気流路79を開閉することができる。
換言すれば、本実施形態に係るバルブユニット200は、空気流路79を開閉する第1のバルブ218と、ポンプ212と、空気室76とポンプ212とを連通する第2の空気流路211と、第2の空気流路211を開閉する第2のバルブ214と、を有している。
本実施形態に係るバルブユニット200では、第2のバルブ214を閉状態とし、第1のバルブ218を開状態とし、ポンプ212を非動作状態とすることで、空気流路79によって空気室76を大気開放することができる。すなわち、空気室76を実施形態1と同じ状態(大気開放の状態)にすることができる。
さらに、本実施形態に係るバルブユニット200では、第2のバルブ214を開状態とし、第1のバルブ218を閉状態とし、ポンプ212を動作状態とし、空気室76内の空気を排気することによって、空気室76を減圧された状態にすることができる。
さらに、本実施形態に係るバルブユニット200では、第2のバルブ214を開状態とし、第1のバルブ218を閉状態とし、ポンプ212を動作状態とし、空気室76内に加圧された空気を送り込むことによって、空気室76を加圧された状態にすることができる。
このように、本実施形態に係るバルブユニット200では、第2の貫通孔278と配管213と第2のバルブ214と配管217と第1のバルブ218とを新たに設けることによって、空気室76内の圧力を調整(制御)することができる。この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
本実施形態に係るバルブユニット200では、空気室76内の圧力を調整することによって、圧力室52のインクの圧力を調整し、記録ヘッド20に供給されるインクの圧力を調整することができる。例えば、記録処理が実行される場合、記録ヘッドに供給されるインクがより適正な圧力となるように、空気室76内の圧力調整によって記録ヘッド20に供給されるインクの圧力を調整することができる。その結果、記録ヘッド20のノズル43からインクがより適正に吐出され、記録媒体Sに印刷される画像の印刷品質を高めることができる。
さらに、本実施形態に係るバルブユニット200では、空気室76内の圧力を高くすることでフィルム22を強制的にY(−)方向に変位させ、弁体53を強制的に開状態にすることができる。また、空気室76内の圧力を低くすることでフィルム22を強制的にY(+)方向に変位させ、弁体53を強制的に閉状態にすることができる。
例えば、空気室76内の圧力を高くし弁体53を強制的に開状態にすると、加圧ポンプ19によって加圧されたインクカートリッジ13内のインクが圧力室52に加圧供給され、記録ヘッド20に供給されるインクが加圧状態になる。このため、実施形態1における加圧ポンプ19やバイパス配管64や開閉バルブ65を設けなくても、記録ヘッド20に供給されるインクを加圧状態とし、性状が劣化したインクを強制的に排出する加圧クリーニング処理を実行することができる。すなわち、減圧クリーニング処理に加えて、加圧クリーニング処理を施すことができ、クリーニング処理の多様性を高めることができる。
例えば、空気室76内の圧力を低くし弁体53を強制的に閉状態にすると、記録ヘッド20に供給されるインクの負圧を強くすることができる。記録ヘッド20に供給されるインクの負圧を強くすると、記録ヘッド20のインクに混入した気泡が膨張し、気泡が大きくなり、クリーニング処理時に気泡が排出されやすくなり、クリーニング処理の品質を高めることができる。
記録ヘッド20に供給されるインクは一定範囲の負圧に制御されているので、ノズル43の先端から記録ヘッド20の内側にインクが引き込まれた状態で、上述したワイピング処理が施される。ところが、記録ヘッド20の内側にインクが引き込まれた状態でワイピング処理を施すと、新たな気泡やゴミがインクの中に引きこまれ、新たな気泡やゴミがインクに混入しやすくなる。
例えば、空気室76内の圧力を高くし、弁体53を強制的に開状態にし、記録ヘッド20に供給されるインクの圧力を高めてワイピング処理を実行すると、ノズル43の先端から記録ヘッド20の外側にインクが張り出した状態でワイピング処理を施すことができる。ノズル43の先端から記録ヘッド20の外側にインクが張り出した状態でワイピング処理を施すと、ノズル43の先端から記録ヘッド20の内側にインクが引き込まれた状態でワイピング処理を施す場合と比べて、新たな気泡やゴミがインクの中に引きこまれにくくなり、クリーニング処理の品質を高めることができる。
このように、本実施形態では、実施形態1で得られる効果に加えて、印刷品質を高め、クリーニング処理の多様性や品質を高めることができる。
(実施形態3)
図9は、図1に対応する図であり、実施形態3に係るプリンターの構成を示す概略平面図である。図10は、図4に対応する図であり、図9のC−C’に沿ったバルブユニットの要部断面図である。
本実施形態に係るプリンター1Bでは、2種類のインクが一つのバルブユニットに接続されている。実施形態1に係るプリンター1は、1種類のインクが一つのバルブユニットに接続されている。この点が、本実施形態と実施形態1との相違点であり、他の構成は本実施形態と実施形態1とで同じである。
以下、図9及び図10を参照し、本実施形態に係るプリンター1Bを、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図9に示すように、バルブユニット220Aには、ブラック(B)のインクとシアン(C)のインクとが加圧供給されている。詳しくは、インクカートリッジ13Bに収容されているブラック(B)のインクはインク供給チューブ17Bを介して、インクカートリッジ13Cに収容されているシアン(C)のインクはインク供給チューブ17Cを介して、それぞれバルブユニット220Aに加圧供給される。バルブユニット220Aは、ブラック(B)のインク圧を調整するバルブユニット210Bと、シアン(C)のインク圧を調整するバルブユニット210Cとを有している。
バルブユニット220Bには、マゼンタ(M)のインクとイエロー(Y)のインクとが加圧供給されている。詳しくは、インクカートリッジ13Mに収容されているマゼンタ(M)のインクはインク供給チューブ17Mを介して、インクカートリッジ13Yに収容されているイエロー(Y)のインクはインク供給チューブ17Yを介して、それぞれバルブユニット220Bに加圧供給される。バルブユニット220Bは、バルブユニット220Aと同じ構成を有し、マゼンタ(M)のインク圧を調整するバルブユニット210Mと、イエロー(Y)のインク圧を調整するバルブユニット210Yとを有している。
また、インク供給チューブ17の下流端は、キャリッジ5上に搭載されたバルブユニット220A、220Bの上流側と接続されるとともに、バルブユニット220A,220Bの下流側はキャリッジ5の下面側に設けられた記録ヘッド20に接続されている。そして、記録ヘッド20の下面には、インクを吐出する複数のノズル43が形成されている。ノズル43から記録媒体Sにインクが吐出され、記録媒体Sに対する記録処理(印刷処理)が実行される。
バルブユニット220Aとバルブユニット220Bとは同じ構成を有しているので、以下にバルブユニット220Aの概要を説明し、バルブユニット220Bの説明を省略する。
図10に示すように、バルブユニット220Aは、二つのバルブユニット210B、210Cを有し、二つのバルブユニット210B、210Cが一体化された構成を有している。バルブユニット220Aでは、ブラック(B)のインク圧を調整するバルブユニット210Bと、シアン(C)のインク圧を調整するバルブユニット210Cとが、Z(+)方向に沿って順に配置されている。
なお、以降の説明では、二つのバルブユニット210B、210Cをまとめてバルブユニット210と称す場合がある。
二つのバルブユニット210B、210Cを一体化すると、二つのバルブユニット21B、21Cが別々に構成される場合(実施形態1の構成)と比べて、バルブユニットの体積を小さくし、バルブユニットを小型化することができる。すなわち、本実施形態に係るバルブユニット220Aは、実施形態1に係るバルブユニット21と比べて薄型化や小型化が図られている。
バルブユニット220Aでは、バルブユニット210Bの構成要素のY方向に沿った配置と、バルブユニット210Cの構成要素のY方向に沿った配置とが、逆になっている。
詳しくは、バルブユニット210Bでは、蓋部材23Aと、バネ63Aと、本体450及び弁体53Aと、バネ62Aと、受圧板57Aと、フィルム22Aと、規制部材71Aとが、Y(+)方向に沿って順に配置されている。
なお、フィルム22Aは「可撓性部材」の一例であり、蓋部材23Aは「蓋部材」の一例であり、弁体53Aは「弁体」の一例であり、バネ63Aは「付勢部材」の一例であり、規制部材71Aは「規制部材」の一例である。
バルブユニット210Cでは、蓋部材23Bと、バネ63Bと、本体450及び弁体53Bと、バネ62Bと、受圧板57Bと、フィルム22Bと、規制部材71Bとが、Y(−)方向に沿って順に配置されている。すなわち、バルブユニット210Cの構成要素とバルブユニット210Bの構成要素とは、点対称に配置され、Y方向の配置順序が逆になっている。
なお、フィルム22Bは「第2の可撓性部材」の一例であり、蓋部材23Bは「第2の蓋部材」の一例であり、弁体53Bは「第2の弁体」の一例であり、バネ63Bは「第2の付勢部材」の一例であり、規制部材71Bは「第2の規制部材」の一例である。
バルブユニット210Bでは、蓋部材23Aと本体450とで囲まれた領域がインク供給室51Aであり、本体450とフィルム22Aとで囲まれた領域が圧力室52Aであり、フィルム22Aと規制部材71Aとで囲まれた領域が空気室76Aである。インク供給室51Aと圧力室52Aと空気室76Aとは、Y(+)方向に沿って順に配置される。インク供給室51Aと圧力室52Aとは、孔47Aによって連通されている。さらに、規制部材71Aには、空気室76Aを大気開放する空気流路79Aが形成されている。
なお、圧力室52Aは「第1流路室」の一例であり、インク供給室51Aは「第2流路室」の一例である。
バルブユニット210Cでは、蓋部材23Bと本体450とで囲まれた領域がインク供給室51Bであり、本体450とフィルム22Bとで囲まれた領域が圧力室52Bであり、フィルム22Bと規制部材71Bとで囲まれた領域が空気室76Bである。インク供給室51Bと圧力室52Bと空気室76BとがY(−)方向に沿って順に配置される。すなわち、Y方向におけるインク供給室51Bと圧力室52Bと空気室76Bとの配置順序は、上述したY方向におけるインク供給室51Aと圧力室52Aと空気室76Aとの配置順序と逆になっている。インク供給室51Bと圧力室52Bとは、孔47Bによって連通されている。さらに、規制部材71Bには、空気室76Bを大気開放する空気流路79Bが形成されている。
なお、圧力室52Bは「第3流路室」の一例であり、インク供給室51Bは「第4流路室」の一例である。
バルブユニット210Bでは、インク供給室51Aと、孔47Aと、圧力室52Aとでブラック(B)のインク流路の一部が形成される。インク供給室51Aと圧力室52Aとの間のブラック(B)のインク流路は、フィルム22Aの変位によってY方向に移動する弁体53Aによって開閉される。
なお、ブラック(B)のインク流路は「液体流路」の一例である。
バルブユニット210Cでは、インク供給室51Bと、孔47Bと、圧力室52Bとでシアン(C)のインク流路の一部が形成される。インク供給室51Bと圧力室52Bとの間のシアン(C)のインク流路は、フィルム22Bの変位によってY方向に移動する弁体53Bによって開閉される。
なお、シアン(C)のインク流路は「第2の液体流路」の一例である。
バルブユニット210Cは、インク供給室51Aに隣り合いシアン(C)のインク流路に配置された圧力室52Bと、圧力室52Aに隣り合い、圧力室52Bと比べてシアン(C)のインク流路の上流側に配置され圧力室52Bに連通されたインク供給室51Bを有している。
バルブユニット210Bは、ブラック(B)のインク流路に配置された圧力室52Aと、圧力室52Aと比べてブラック(B)のインク流路の上流側に配置され圧力室52Aに連通されたインク供給室51Aと、本体450と、本体450との間で圧力室52Aを形成するフィルム22Aと、本体450との間でインク供給室51Aを形成する蓋部材23Aと、フィルム22Aの変位により圧力室52Aとインク供給室51Aとの間のインク流路を開閉する弁体53Aと、フィルム22Aの圧力室52Aと反対側に配置されフィルム22Aの変位を規制する規制部材71Aと、を有している。
バルブユニット210Cは、インク供給室51Aに隣り合いシアン(C)のインク流路に配置された圧力室52Bと、圧力室52Aに隣り合い圧力室52Bと比べてシアン(C)のインク流路の上流側に配置され圧力室52Bに連通されたインク供給室51Bと、本体450と、本体450との間で圧力室52Bを形成するフィルム22Bと、本体450との間でインク供給室51Bを形成する蓋部材23Bと、フィルム22Bの変位により圧力室52Bとインク供給室51Bとの間のインク流路を開閉する弁体53Bと、フィルム22Bの圧力室52Bと反対側に配置されフィルム22Bの変位を規制する規制部材71Bと、を有している。
本実施形態に係るバルブユニット210Bは、実施形態1に係るバルブユニット21Bと同じ構成を有し、実施形態1に係るバルブユニット21Bと同じ効果を得ることができる。本実施形態に係るバルブユニット210Cは、実施形態1に係るバルブユニット21Cと同じ構成を有し、実施形態1に係るバルブユニット21Cと同じ効果を得ることができる。
バルブユニット210Bの蓋部材23Aとバルブユニット210Cの規制部材71Bとは、例えばポリプロピレン等の合成樹脂によって一体成型されている。バルブユニット210Bの規制部材71Aとバルブユニット210Cの蓋部材23Bとは、例えばポリプロピレン等の合成樹脂によって一体成型されている。すなわち、バルブユニット210Bの蓋部材23A及びバルブユニット210Cの規制部材71Bと、バルブユニット210Bの規制部材71A及びバルブユニット210Cの蓋部材23Bとは、同一の部材で一体形成されている。
バルブユニット210Bの蓋部材23Aとバルブユニット210Cの規制部材71Bとを同一の部材で一体形成すると、バルブユニット210Bの蓋部材23Aとバルブユニット210Cの規制部材71Bとを同一の部材で別々に形成する場合(実施形態1の構成)と比べて、蓋部材23A及び規制部材71Bの占有面積を小さくし(省スペース化し)、蓋部材23A及び規制部材71Bの製造コストを低くすることができる。
バルブユニット210Bの規制部材71Aとバルブユニット210Cの蓋部材23Bとを同一の部材で一体形成すると、バルブユニット210Bの規制部材71Aとバルブユニット210Cの蓋部材23Bとを同一の部材で別々に形成する場合(実施形態1の構成)と比べて、規制部材71A及び蓋部材23Bの占有面積を小さくし(省スペース化し)、規制部材71A及び蓋部材23Bの製造コストを低くすることができる。
なお、バルブユニット210Bの蓋部材23A及びバルブユニット210Cの規制部材71Bと、バルブユニット210Bの規制部材71A及びバルブユニット210Cの蓋部材23Bとのいずれかが、同じ部材で一体形成された構成であってもよい。すなわち、バルブユニット210Bの蓋部材23A及びバルブユニット210Cの規制部材71Bと、バルブユニット210Bの規制部材71A及びバルブユニット210Cの蓋部材23Bとの少なくとも一方が、同じ部材で一体形成された構成を有していればよい。
このように、本実施形態に係るバルブユニット220Aは、実施形態1に係るバルブユニット21で得られる効果に加えて、実施形態1に係るバルブユニット21と比べて省スペース化及び低コスト化を図ることができる。
(実施形態4)
図11は、図4に対応する図であり、実施形態4に係るバルブユニットの要部断面図である。
本実施形態に係るバルブユニット240では、蓋部材23のバネ63を支持する部分に凹部23eが形成されている。この点が、本実施形態と実施形態1との相違点であり、他の構成は本実施形態と実施形態1とで同じである。
以下、図11を参照し、本実施形態に係るバルブユニット240を、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図11に示すように、蓋部材23はバネ63を支持する部分に凹部23eを有している。蓋部材23の凹部23eの開口と本体45の凹部45eの開口とは同じ形状を有し、蓋部材23の凹部23eと本体45の凹部45eとが対向配置され、蓋部材23の凹部23eと本体45の凹部45eとでインク供給室51Cが形成される。
インク供給室51Cには、バネ63が配置されている。バネ63の一方の端は弁体53の本体部54に支持され、バネ63の他方の端は蓋部材23の凹部23eの底面23cに支持されている。詳しくは、凹部23eの底面23cには、バネ63の他方の端を支持する部分に凸部を有し、バネ63の他方の端は凹部23eの底面23cの凸部に嵌め込まれている。
Y方向における面23aと底面23cとの間の寸法はY3であり、Y方向における底面23cと面23bとの間の寸法(凹部23eの深さ)はY2である。面23aと底面23cとの間の寸法Y3と、底面23cと面23bとの間の寸法Y2とを足した寸法が、面23aと面23bとの間の寸法Y1になる。
凹部23eの底面23cは蓋部材23の面23aに対してY3の高さに配置され、バネ63の他方の端は蓋部材23の面23aに対してY3の高さに配置されている。
本実施形態では、バネ63の他方の端と蓋部材23の面23aとの間の寸法がY3であり、実施形態1では、バネ63の他方の端と蓋部材23の面23aとの間の寸法がY1である。よって、本実施形態では、実施形態1と比べて、バネ63の他方の端と蓋部材23の面23aとの間の寸法が、凹部23eの深さに相当する寸法Y2分小さくなる。従って、本実施形態に係るバルブユニット240は、実施形態1に係るバルブユニット21と比べて、Y方向の寸法が凹部23eの深さに相当する寸法Y2分小さくなり、バルブユニット240を薄型化することができる。
(実施形態5)
図12は、図8に対応する図であり、実施形態5に係るバルブユニットの状態を示す部分拡大図である。
本実施形態に係るバルブユニット250では、実施形態2に係るバルブユニット200と比べて部品数が削除され、低コスト化が図られている。
以下、図12を参照し、本実施形態に係るバルブユニット250を、実施形態2との相違点を中心に説明する。また、実施形態2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図12に示すように、規制部材71の周縁部73を貫く貫通孔78に、配管213が接続されている。配管213の一方の端は貫通孔78に接続され、配管213の他方の端はポンプ212に接続されている。さらに、貫通孔78によって空気流路79が形成され、配管213によって図中で網掛けされた第2の空気流路211が形成される。ポンプ212は、空気流路79と第2の空気流路211とを介して空気室76に接続されている。
本実施形態に係るバルブユニット250では、第2の空気流路211が空気流路79に接続され、ポンプ212が空気流路79と第2の空気流路211とを介して空気室76に接続されている。実施形態2に係るバルブユニット200では、空気流路79と第2の空気流路211とは別々に形成され、ポンプ212は第2の空気流路211を介して空気室76に接続されている。
さらに、本実施形態に係るバルブユニット250は、空気流路79及び第2の空気流路211を開閉するバルブを有していない。実施形態2に係るバルブユニット200は、空気流路79を開閉する第1のバルブ218と第2の空気流路211を開閉する第2のバルブ214とを有している。
これらの点が、本実施形態に係るバルブユニット250と実施形態2に係るバルブユニット200との相違点である。すなわち、本実施形態に係るバルブユニット250は、実施形態2に係るバルブユニット200と比べて部品数が少なく、低コスト化が図られている。
本実施形態に係るバルブユニット250では、ポンプ212が非駆動状態にある場合、空気室76は空気流路79と第2の空気流路211とポンプ212とを介して、大気開放される。さらに、ポンプ212を駆動させて、空気室76を加圧または減圧し、空気室76の圧力を調整し、実施形態2に係るバルブユニット200と同等の効果を得ることができる。
従って、本実施形態に係るバルブユニット250は、実施形態2に係るバルブユニット200と比べて低コストを図りつつ、実施形態2に係るバルブユニット200と同等の効果を得ることができる。
なお、本実施形態に係るバルブユニット250は、ポンプ212の第2の空気流路211側(配管213側)及びポンプ212の第2の空気流路211と反対側(配管213と反対側)の少なくとも一方に、第2の空気流路211を開閉するバルブが設けられた構成であってもよい。
1…プリンター、2…本体ケース、3…プラテン、4…ガイド軸、5…キャリッジ、6…パルスモーター、7…駆動プーリー、8…従動プーリー、9…タイミングベルト、13,13Y,13M,13C,13B…インクカートリッジ、14…カートリッジホルダー、16…インク供給路、17,17Y,17M,17C,17B…インク供給チューブ、18,18Y,18M,18C,18B…空気供給チューブ、19…加圧ポンプ、20…記録ヘッド、21,21Y,21M,21C,21B…バルブユニット、22…フィルム、23…蓋部材、23a,23b…蓋部材の面、23c…蓋部材に設けられた凹部の底面、23e…蓋部材に設けられた凹部、25…ヘッドケース、26…振動子ユニット、27…流路ユニット、31…圧電振動子、33…固定板、34…ケース流路、36…ノズル形成基板、37…流路形成基板、38…振動板、39…パッキン、40…共通インク室、41…インク供給口、42…圧力室、43…ノズル、44…凹部、45…本体、45d,45e…凹部、45f…隔壁、47…孔、51…インク供給室、52…圧力室、53…弁体、54…本体部、54a…板状部、54b…軸部、55…シール部材、57…受圧板、62,63…バネ、64…バイパス配管、65…開閉バルブ、71…規制部材、72…底部、73…周縁部、74…凹部、75…面、76…空気室、77…大気開放口、78…貫通孔、79…空気流路、91…メンテナンスユニット、92…キャップ、97…吸引ポンプ、96…廃液タンク。

Claims (9)

  1. 液体流路に配置された第1流路室と、
    前記第1流路室と比べて前記液体流路の上流側に配置され前記第1流路室に連通された第2流路室と、
    本体と、
    前記本体との間で前記第1流路室を形成する可撓性部材と、
    前記本体との間で前記第2流路室を形成する蓋部材と、
    前記可撓性部材の変位により、前記第1流路室と前記第2流路室との間の前記液体流路を開閉する弁体と、
    前記第2流路室に設けられ、一方の端が前記弁体に支持され他方の端が前記蓋部材に支持された付勢部材と、
    を備えていることを特徴とするバルブユニット。
  2. 前記蓋部材は、凹部を有し、
    前記付勢部材の他方の端は、前記凹部で支持されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブユニット。
  3. 前記本体と前記蓋部材とが接する部分には、前記本体と前記蓋部材とを位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブユニット。
  4. 前記可撓性部材の前記第1流路室と反対側には、前記可撓性部材の変位を規制する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバルブユニット。
  5. 前記第2流路室に隣り合い、第2の液体流路に配置された第3流路室と、
    前記第1流路室に隣り合い、前記第3流路室と比べて前記第2の液体流路の上流側に配置され前記第3流路室に連通された第4流路室と、
    前記本体との間で前記第3流路室を形成する第2の可撓性部材と、
    前記本体との間で前記第4流路室を形成する第2の蓋部材と、
    前記第2の可撓性部材の変位により、前記第3流路室と前記第4流路室との間の前記第2の液体流路を開閉する第2の弁体と、
    前記第4流路室に設けられ、一方の端が前記第2の弁体に支持され他方の端が前記第2の蓋部材に支持された第2の付勢部材と、
    前記第2の可撓性部材の前記第3流路室と反対側に設けられ、前記第2の可撓性部材の変位を規制する第2の規制部材と、
    をさらに含み、
    前記蓋部材及び前記第2の規制部材と、前記第2の蓋部材及び前記規制部材との少なくとも一方は、同一の部材で一体形成されていることを特徴とする請求項4に記載のバルブユニット。
  6. 液体流路に配置された第1流路室と、
    前記第1流路室と比べて前記液体流路の上流側に配置され前記第1流路室に連通された第2流路室と、
    本体と、
    前記本体との間で前記第1流路室を形成する可撓性部材と、
    前記可撓性部材の変位により、前記第1流路室と前記第2流路室との間の前記液体流路を開閉する弁体と、
    前記可撓性部材の前記第1流路室と反対側に配置され、前記可撓性部材の変位を規制する規制部材と、
    を備えていることを特徴とするバルブユニット。
  7. 前記可撓性部材と前記規制部材との間に配置され、空気流路によって大気開放された空気室をさらに含み、
    前記空気流路によって、空気の流動抵抗が高められていることを特徴とする請求項6に記載のバルブユニット。
  8. 前記空気流路を開閉する第1のバルブと、
    圧力変化手段と、
    前記空気室と前記圧力変化手段とを連通する第2の空気流路と、
    前記第2の空気流路を開閉する第2のバルブと、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載のバルブユニット。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のバルブユニットと、
    前記バルブユニットから供給される液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体を加圧する加圧機構と、
    を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
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