JP4896150B2 - 電子式電力量計 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、A/D(アナログ/デジタル)変換手段で変換されたデジタル信号に基づいて被計測対象の使用電力量を演算する電子式電力量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子式電力量計の計測精度保証範囲は、一般的に、電圧が定格値の±10%程度であるのに対して、電流が定格値の6倍〜1/40倍と広範囲である。このため、この計測精度保証範囲内にある電流を±1%の精度で計測するには、1/240×1%=1/24,000、すなわち、24,000分の1の分解能が必要となり、A/Dコンバータには約15ビットの分解能が必要となる。しかしながら、演算処理装置として汎用されるマイクロコンピュータ(以下、マイコンと記す)に内蔵されるA/Dコンバータは、分解能が一般的に10ビット、多くても12ビットであり、このような汎用のマイコンを使用する電子式電力量計では分解能が不足してしまう。このため、従来の電子式電力量計では、マイコン内蔵A/Dコンバータで不足する分解能を補うため、計測する電流をその大きさに応じた増幅率で増幅している。例えば、特許文献1に開示される従来の電子式電力量計では、整流・平均化された計測電流のレベルと増幅手段の定格レベルとに基づいて増幅率が自動的に調節され、増幅手段では、この調節された増幅率に基づいて電流センサの出力が増幅される。また、計測電流をその大きさに応じて種々の増幅率で増幅できるように、複数の増幅器が図1に示すように多段に設けられた従来の電子式電力量計もある。
【0003】
この電子式電力量計は、汎用のマイコン1を備えて構成されている。マイコン1には、逐次比較型のA/Dコンバータ2、およびこのA/Dコンバータ2で変換されたデジタルデータに基づいて演算を行なうソフトウェア処理部3が設けられている。A/Dコンバータ2には、選択スイッチ7を介して、入力信号を5倍に増幅する増幅器9,10,11,12が4段に接続されている。1段目の増幅器9には、選択スイッチ8を介して電圧センサ13および電流センサ14が接続されている。選択スイッチ8は、端子8a,8b,8cの中のいずれかの端子に接続が択一的に切り換えられる。端子8aに切り換えられると電圧センサ13からの電圧信号、端子8bに切り換えられると電流センサ14からの電流信号、端子8cに切り換えられると各センサ13,14の検出出力の基準電位が選択されて計測される。選択スイッチ7は、電流センサ14で検出された電流信号の増幅に用いる増幅器の段数を選択する際に、端子7a,7b,7c,7dの中のいずれかの端子に接続が択一的に切り換えられる。端子7aに切り換えられると1段の増幅器9が選択され、入力信号は5倍に増幅される。また、端子7bに切り換えられると2段の増幅器9,10、端子7cに切り換えられると3段の増幅器9〜11、端子7dに切り換えられると4段の増幅器9〜12が選択され、入力信号はそれぞれ5倍,5倍,5倍に増幅される。
【0004】
ソフトウェア処理部3には、LED(発光ダイオード)15および液晶表示部6の表示を制御する液晶ドライバ5が接続されている。ソフトウェア処理部3は、A/Dコンバータ2でデジタルデータに変換された電圧値および電流値を乗算して電力を算出し、この電力を累積加算して電力量を算出する。算出した電力量は液晶表示部6に表示され、また、算出した電力量に基づいて、使用電力量に比例したパルス信号が生成されてLED15が点滅される。
【0005】
図2は、上記のソフトウェア処理部3における電力量の算出処理の概略を示すフローチャートである。
【0006】
この電力量の算出処理では、始めに、電流ダミーA/D変換処理が行なわれる(図2,ステップ(以下、Sと記す)1参照)。この処理では、選択スイッチ8が端子8bに切り換えられてA/Dコンバータ2によって最初に変換される電流値のデジタルデータが、電流計測精度を上げるために捨てられる。次に、電流プリA/D変換処理が行なわれる(S2)。この処理では、増幅器9〜12の中から電流信号の増幅に用いる増幅器の最適な段数を決定するための測定処理が行なわれる。次に、電流本番A/D変換処理が行なわれる(S3)。この処理では、S2で決定した段数の増幅器を選択スイッチ7の切り換えによって選択し、選択した増幅器で電流センサ14から出力される検出信号を増幅した後、A/Dコンバータ2によりデジタルデータに変換する処理が行なわれる。次に、電圧ダミーA/D変換処理が行なわれる(S4)。この処理では、S1の電流ダミーA/D変換処理と同様、選択スイッチ8が端子8aに切り換えられてA/Dコンバータ2によって最初に変換される電圧値のデジタルデータが、電圧計測精度を上げるために捨てられる。次に、電圧本番A/D変換処理が行なわれる(S5)。この処理では、選択スイッチ7の切り換えによって1段の増幅器9を選択し、この増幅器9で電圧センサ13から出力される検出信号を増幅した後、A/Dコンバータ2によりデジタルデータに変換する処理が行なわれる。
【0007】
次に、S3で得られた電流値およびS5で得られた電圧値から、前回の後述するS13の処理で得られたオフセットが除去され、電力(瞬時電力)が計算される(S6)。オフセットは、各増幅器9〜12において入力が零であるときにA/Dコンバータ2から出力される電圧であり、S6における電力計算式は、(電圧値−オフセット)×(電流値−オフセット)と表わされる。
【0008】
次に、ゲイン(利得)調整処理(S7)が行なわれる。すなわち、S6で得られる電力計算結果を、S2で決定された段数の増幅器による増幅率に応じて所定倍することで、ゲイン調整が行なわれる。続いて、ゲインエラー補正処理が行なわれる(S8)。すなわち、各増幅器9〜12における増幅率を決める内部抵抗の誤差によって電力計算結果に生じる誤差を取り除く処理が行なわれる。次に、S6〜S8の処理によって得られた電力データを累積(積算)して電力量を算出する処理が行なわれる(S9)。この電力累積処理で算出された電力量に基づいて、使用電力量に比例したパルス信号がLED15へ出力され(S10)、液晶表示部6には、算出された電力量が表示される。
【0009】
次に、オフセットダミーA/D変換処理が行なわれる(S11)。この処理では、選択スイッチ8が端子8cに切り換えられてA/Dコンバータ2によって最初に得られるオフセットデータが、各増幅器9〜12のオフセット計測精度を上げるために捨てられる。次に、オフセット本番A/D変換処理が行なわれる(S12)。この処理では、選択スイッチ7の切り換えにより、増幅器9〜12の各段毎のオフセットが順番に計測され、この計測されたオフセットがA/Dコンバータ2によってデジタルデータに変換される。このオフセットの計測は数回行なわれ、この計測結果に基づいてオフセットの平均値が算出される(S13)。このようにして得られたオフセットに基づいて、次回の電力計算処理(S6)が上述したように行なわれる。
【特許文献1】
特開2004−177228号公報(段落[0025]〜[0031])
【発明の開示】
【0010】
しかしながら、上記の図1に示す従来の電子式電力量計では、増幅器9〜12を多段に接続した構成であるため、S2の電流プリA/D変換処理によって増幅器の最適な段数を決定したり、S11のオフセットダミーA/D変換処理によって各段の増幅器9〜12のオフセットを計測したり、S12のオフセット本番A/D変換処理によって計測した数回分のオフセット値を増幅器9〜12の各段毎に記憶しなければならない。さらに、S7のゲイン調整処理によって各段の増幅器9〜12毎にゲイン調整をしたり、S8のゲインエラー補正処理によって各段の増幅器9〜12についての抵抗誤差を補正する必要がある。従って、上記の図1に示す従来の電子式電力量計では、多くの処理が必要になってソフトウェアの規模が大きくなり、大きなデータ記憶容量も必要になるので、メモリサイズの大きなマイコンが必要となる。
【0011】
また、処理量が増大することで、マイコン1の動作クロック周波数を高めにして処理速度を向上させなければならず、マイコン1の消費電流が大きくなってしまう。また、増幅器9〜12を多段に接続した構成であるため、アナログ回路部分の規模も大きくなって基板サイズが大型化すると共に、アナログ回路部分における消費電流も大きなものとなってしまう。従って、図1に示す従来の電子式電力量計では、小型電源を使用することができない。また、消費電流の増加に伴い、電源からの出力電圧の変動幅も大きくなるため、図1に示す従来の電子式電力量計では、電源の出力電圧を安定させるための回路部品が必要となり、コストアップを招いてしまう。また、マイコン1の動作クロック周波数を高くすると、マイコン1から発生する電磁ノイズによる放射電界強度の影響が大きくなる。このため、図1に示す従来の電子式電力量計では、耐ノイズ性能(EMC)を高めるための電磁シールドなどの対策が必要となり、この点においてもコストがかかってしまう。
【0012】
この結果、図1に示す従来の電子式電力量計では、製品の小型化およびコストダウンを十分に図ることができなかった。
【0013】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
被計測対象の電圧を検出する電圧センサと、
被計測対象の電流を検出する電流センサと、
電圧センサの検出出力、電流センサの検出出力、および、この検出出力の基準電位のそれぞれを順次繰り返して、かつ、それぞれを択一的に選択して出力する選択スイッチと、
選択スイッチの出力信号の電位と基準電位とを差動増幅する差動増幅手段と、
差動増幅手段から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段、およびこのA/D変換手段から出力されたデジタル信号に基づいて被計測対象の使用電力量を演算する演算手段を内蔵した演算処理装置と、
を備えた電子式電力量計であって、
A/D変換手段は、選択スイッチが切り換わるごとに、ΔΣ変調によるA/D変換を行うとともに、該変換の完了後に動作を停止し、かつ、
演算手段は、選択スイッチが電圧センサの検出出力および電流センサの検出出力のうち少なくとも一方の検出出力を選択したときのA/D変換手段の出力から、選択スイッチが基準電位を選択したときのA/D変換手段の出力を除去したデジタル信号に基づいて、被計測対象の使用電力量を算出することを特徴とする。
[0014]
この構成によれば、電圧センサの検出出力、電流センサの検出出力、およびこれら検出出力の基準電位は、A/D変換手段においてΔΣ変調によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された電圧センサおよび電流センサの各検出出力のうち少なくとも一方から、演算手段により、デジタル信号に変換された基準電位が除去されることにより、電圧センサおよび電流センサの各検出出力から差動増幅手段およびA/D変換手段のオフセットが除去される。被計測対象の使用電力量は、オフセットが除去された電圧センサおよび電流センサの各検出出力を用いて算出される。
[0015]
A/D変換手段におけるアナログ信号からデジタル信号への変換は、ΔΣ変調の際のオーバーサンプリングによって細かくサンプリングされて高い分解能で行なわれるので、従来の電子式電力量計のように、A/D変換手段の分解能を補うために増幅手段を多段に構成する必要がなくなる。このため、増幅手段を多段に構成しなくても、広範囲の計測精度保証範囲を必要とする電流センサの検出出力を広範囲にわたって高精度に計測することができるようになる。また、増幅手段を多段に構成する必要がなくなるので、従来の電子式電力量計のように、増幅器の最適な段数を決定したり、各段の増幅器のオフセットを計測したり、計測した数回分のオフセット値を増幅器の各段毎に記憶する必要がなくなる。さらに、ゲイン調整処理によって各段の増幅器毎にゲイン調整をしたり、ゲインエラー補正処理によって各段の増幅器についての抵抗誤差を補正する必要が無くなる。従って、処理の量が少なくなってソフトウェアの規模が小さくなり、データ記憶容量も小さくなるので、演算処理装置に必要とされるメモリサイズが小さくて済むようになる。また、処理量が減少するので、演算処理装置の動作クロック周波数を低く抑えて、その消費電流を小さくすることができる。また、増幅手段を多段に構成する必要がないので、アナログ回路部分の規模も小さくなって基板サイズが小型化すると共に、アナログ回路部分における消費電流も小さくすることができる。従って、電子式電力量計の電源として小型電源を用いることが可能となる。また、消費電流を小さくして電源からの出力電圧の変動幅を小さくすることができるので、従来の電子式電力量計のような電源の出力電圧を安定させるための回路部品が不要となり、コストを抑えることができる。また、演算処理装置の動作クロック周波数を低く抑えることができるので、演算処理装置から発生する電磁ノイズによる放射電界強度の影響を小さくして、耐ノイズ性能の対策に係るコストを抑えることもできる。この結果、本発明による電子式電力量計によれば、製品の小型化およびコストダウンを十分に図ることが可能になる。
[0016]
また、増幅手段に差動増幅手段を用いているため、増幅手段から出力される少なくとも電流センサからの検出信号にバイアス電圧を印加することができる。このため、電流センサの検出信号が負の範囲に振れるものであっても、バイアス電圧を印加することによって正の範囲で変動する信号にして、電流センサの検出信号を増幅手段によって増幅し、A/D変換手段によってデジタル信号に変換できる。また、増幅手段に差動増幅手段を用いているため、その入力端子に雑音が乗っても相殺されて雑音の影響を排除できるので、入力信号を高い精度で増幅することができる。
また、電圧センサおよび電流センサの検出出力ならびにこの検出出力の基準電位に対する各変換が完了すると、A/D変換手段の動作が停止し、A/D変換手段による次の変換の開始準備が行なわれる。このため、A/D変換手段による各変換は、A/D変換手段が停止した状態から速やかに実行されるようになる。従って、A/D変換手段の動作を停止させずに継続して変換する場合には、変換開始時にA/D変換手段の前の変換動作の完了を待つことなどにより次の変換の開始が遅延して、各変換の開始を一定周期で行なうことができないが、この構成によれば、一定周期で行なうことができる。この結果、被計測対象の電圧および電流の計測タイミングならびにオフセットの計測タイミングが一定周期で行なわれて、被計測対象の使用電力量の算出処理が正確に行なえるようになる。
[0017]
また、本発明は、演算手段が、使用電力量を所定倍することで、または、使用電力量に応じたパルス出力のしきい値を調整することで、使用電力量の絶対誤差を補正することを特徴とする。
[0018]
この構成によれば、算出した使用電力量を増幅手段の増幅率に応じて所定倍することで、算出した使用電力量の絶対誤差が補正される。また、算出した使用電力量に応じたパルス出力のしきい値を調整することによっても、パルス出力のタイミングが調整されて、パルスは実際の使用電力量に応じて出力されるようになり、算出した使用電力量の絶対誤差が補正される。このため、算出した使用電力量は、所定倍することによっても、パルス出力のしきい値を調整することによっても、その絶対誤差の補正が可能となり、電子式電力量計の設計の自由度が増す。
[0019]
また、本発明は、
演算手段が、
電圧センサの検出出力の基準電位が電流センサの検出出力の基準電位とは異なる電位に設定されている場合に、
選択スイッチが電圧センサの検出出力および電流センサの検出出力のうちいずれか一方の検出出力を選択したときのA/D変換手段の出力のみから、選択スイッチが基準電位を選択したときのA/D変換手段の出力を除去したデジタル信号に基づいて、被計測対象の使用電力量を算出することを特徴とする。
[0020]
この構成によれば、各センサの検出出力から算出される電力値は直流成分からなるが、基準電位の除去が行なわれなかった方の検出出力に現れる増幅手段およびA/D変換手段のオフセットは、電圧の正負均等に現れる交流成分となって、使用電力量の積算処理過程における積分処理で除去される。従って、A/D変換手段で変換された基準電位の除去が、電流センサの検出出力または電圧センサの検出出力のいずれか一方に対してのみ行なわれるだけで、算出する使用電力量から増幅手段およびA/D変換手段のオフセットを除去することができる。このため、被計測対象の使用電力量の算出処理が簡略化されるようになり、ソフトウェアの規模がさらに小さくなって演算処理装置のメモリサイズがさらに小さくなると共に、動作クロック周波数をさらに低くして消費電流をさらに減少させることができる。
[0021]
また、本発明は、演算処理装置が、電圧センサおよび電流センサの検出出力ならびにこの検出出力の基準電位のいずれかに対するA/D変換手段による変換の完了後即座に選択スイッチを切り換えて次の選択を行なわせた後、時間をおいてA/D変換手段による次の変換を行なわせることを特徴とする。
[0022]
この構成によれば、電圧センサおよび電流センサの検出出力ならびにこの検出出力の基準電位のいずれかに対するA/D変換手段による変換が完了すると、即座に選択スイッチが切り換えられ、その後時間をおいて、切り換えられた選択スイッチによって入力される信号に対し、A/D変換手段による変換が行なわれる。このため、A/D変換手段による各変換は、選択スイッチが切り換えられてからある程度の時間が経過して、A/D変換手段に入力される信号が安定した状態で開始されるようになる。従って、計測誤差の発生要因が取り除かれて、A/D変換手段による各変換は正確に行なわれるようになる。
[0023]
[0024]
[0025]
また、本発明は、A/D変換手段の参照電圧が演算処理装置の動作電圧と同電位に設定されていることを特徴とする。
[0026]
この構成によれば、A/D変換手段にその参照電圧を供給する電源と、演算処理装置にその動作電圧を供給する電源とを共通化することができる。このため、A/D変換手段にその参照電圧を供給する電源を別個に用意する必要がなくなり、さらに製品の小型化およびコストダウンを図ることができる。
[0027]
本発明によれば、上記のように、製品の小型化およびコストダウンを十分に図ることができる電子式電力量計を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来の電子式電力量計の回路構成の概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電子式電力量計における電力量の算出処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態による電子式電力量計の回路構成の概略を示すブロック図である。
【図4】図3に示すブロック図の一部詳細回路図である。
【図5】図3に示す電子式電力量計における電力量の算出処理の概略を示すフローチャートである。
【図6】図5に示す電力量の算出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の変形例による電子式電力量計の回路構成の概略を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の変形例による電子式電力量計の回路構成の概略を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の変形例による電子式電力量計の回路構成の概略を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の変形例による電子式電力量計における、累積加算される使用電力量と生成されるパルス信号との関係を示す図である。
【図11】本発明の第5の変形例による電子式電力量計に用いられるA/Dコンバータの内部回路図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0030】
図3は、本実施形態による単相2線式の電子式電力量計の回路構成の概略を示すブロック図である。また、図4は、図3に示すブロック図の一部詳細回路図である。なお、図3および図4において図1と同一または相当する部分には同一の符号を付して説明する。
【0031】
本実施形態による電子式電力量計は、電圧センサ13、電流センサ14、汎用のマイコン21、および液晶表示部6を備えて構成されている。演算処理装置を構成しているマイコン21は、選択スイッチ22、差動増幅器23、A/Dコンバータ24、ソフトウェア処理部25、液晶ドライバ5、およびLED15を備えており、回路グランド(GND)は0[V]の基準電位VSSに接続されている。
【0032】
電圧センサ13は、電源端子P0,P1間に入力される電圧V・sinωtを抵抗13a,13b,13cで分圧する分圧回路から構成されており、抵抗13cの両端に現れる分圧電圧E・sinωtを被計測対象の電圧として検出し、出力する。抵抗13cが接続される信号グランドは、マイコン21の動作電圧VDD(3.6[V])の1/2の電圧であるバイアス電圧VCOM(1.8[V])が図4に示すように基準電位VSSに印加された電位にされている。電流センサ14は、シャント抵抗14aから構成されており、負荷端子1S,1L間を流れる負荷電流I・sinωtによってシャント抵抗14aの両端間に現れる電圧E・sinωtを被計測対象の電流として検出し、出力する。電源端子P1および負荷端子1Sはマイコン21の基準電位VSSと同じ0[V]に接続されており、この0[V]は、電流センサ14の検出出力の基準電位となっている。このように、本実施形態では、電流センサ14の検出出力の基準電位と電圧センサ13の検出出力の基準電位とは、それぞれ0[V]と1.8[V]に設定されて異なっている。
【0033】
選択スイッチ22は、端子22a,22b,22cの中のいずれかの端子に接続が択一的に切り換えられる。端子22aに切り換えられると電圧センサ13の検出出力、端子22bに切り換えられると電流センサ14の検出出力、端子22cに切り換えられると電流センサ14の基準電位が選択される。従って、選択スイッチ22は、電圧センサ13もしくは電流センサ14の検出出力またはこの検出出力の基準電位のいずれかを択一的に選択して出力する。
【0034】
差動増幅器23は、選択スイッチ22を介して上記各センサ13,14と接続されており、その増幅出力をA/Dコンバータ24へ出力する。差動増幅器23およびA/Dコンバータ24は、電源26が発生するバイアス電圧VCOM(1.8[V])が回路グランド(0[V])に加算された電位を基準電位としており、それぞれ、マイコン21の動作電圧VDD(3.6[V])が供給されて動作する。
【0035】
図4に示すように、差動増幅器23の反転入力端子(−)は、抵抗23aを介して選択スイッチ22の出力端子と接続されており、選択スイッチ22によって選択された各センサ13,14からの検出出力およびその基準電位が入力される。また、非反転入力端子(+)は、抵抗23bを介して電流センサ14の0[V]の基準電位、抵抗23cを介して電源26に接続されている。また、差動増幅器23の反転入力端子(−)と出力端子との間には抵抗23dが設けられて負帰還がかけられている。差動増幅器23は、選択スイッチ22によって選択された少なくとも電流センサ14の検出出力を増幅する増幅手段を構成しており、反転入力端子(−)および非反転入力端子(+)に入力される入力信号を差動増幅する差動増幅手段を構成している。
【0036】
差動増幅器23の出力端子にはA/Dコンバータ24が接続されている。マイコン21は、選択スイッチ22を一定時間間隔毎に切り換えて、電圧センサ13および電流センサ14の検出出力ならびにこの検出出力の基準電位に対する各変換をA/Dコンバータ24に一定時間間隔毎に行なわせる。A/Dコンバータ24は、差動増幅器23から入力される信号を、参照電圧Vrefを参照してΔΣ変調によってアナログ信号からデジタル信号に変換する。A/Dコンバータ24は、電圧センサ13および電流センサ14の検出出力ならびに電流センサ14の基準電位を、ΔΣ変調によってアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換手段を構成している。
【0037】
A/Dコンバータ24の出力側には、ソフトウェア処理部25が接続されている。ソフトウェア処理部25には、使用電力量に比例したパルス信号が出力されるLED15および液晶表示部6の表示を制御する液晶ドライバ5が接続されている。ソフトウェア処理部25は、A/Dコンバータ24でデジタル信号に変換された電圧センサ13の検出出力および電流センサ14の検出出力を乗算して電力を計算し、この計算した電力を累積加算して被計測対象の使用電力量を算出する。算出した使用電力量は、液晶ドライバ5の制御によって液晶表示部6に表示される。また、ソフトウェア処理部25は、算出した使用電力量に比例したパルス信号を生成する。この生成したパルス信号が出力されているときにLED15に電流が流れ、LED15が発光する。このLED15で発光する光は受光センサで検出され、使用電力量に比例したパルス信号が用いられて電力量計測精度の検定処理が行なわれる。ソフトウェア処理部25は、A/Dコンバータ24で変換されたデジタル信号に基づいて被計測対象の使用電力量を演算する演算手段を構成している。
【0038】
図5は、上記のソフトウェア処理部25による使用電力量の算出処理の概略を示すフローチャートである。
【0039】
本実施形態における使用電力量の算出処理では、まず始めに、電流A/D変換処理が行なわれる(図5,S21参照)。この処理では、選択スイッチ22が端子22bに接続を切り換えられ、差動増幅器23で増幅された電流センサ14の検出出力が、A/Dコンバータ24のΔΣ変調によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。続いて、電圧A/D変換処理が行なわれる(S22)。この処理では、選択スイッチ22が端子22aに接続を切り換えられ、差動増幅器23で増幅された電圧センサ13の検出出力が、A/Dコンバータ24のΔΣ変調によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0040】
次に、S21でデジタル信号に変換された電流値およびS22でデジタル信号に変換された電圧値から、前回の後述するS27の処理でデジタル信号に変換されたオフセットが除去され、オフセットが除去された電流値および電圧値から電力が計算される(S23)。オフセットは、差動増幅器23の入力が零のときにA/Dコンバータ24の出力に現れる電圧であり、上記S23の処理における電力計算式は、(電圧値−オフセット)×(電流値−オフセット)として表わされる。
【0041】
次に、ゲイン調整処理が行なわれる(S24)。この処理では、S23で計算された電力データを、差動増幅器23の増幅率に応じて予め決められた倍率で所定倍することで、瞬時電力の絶対誤差が補正される。次に、S23およびS24の処理で得られた電力データが累積加算されて使用電力量が算出され(S25)、この算出された使用電力量が液晶表示部6に表示される。また、算出された使用電力量に比例したパルス信号が生成され、この生成されたパルス信号がLED15へ出力される(S26)。
【0042】
次に、オフセットA/D変換処理が行なわれる(S27)。この処理では、選択スイッチ22が端子22cに接続を切り換えられ、差動増幅器23に0[V]の基準電位が入力されて差動増幅される。そして、差動増幅された基準電位がA/Dコンバータ24のΔΣ変調によってデジタル信号に変換されて、差動増幅器23およびA/Dコンバータ24のオフセットが算出される。次回のS23の電力計算処理では、このS27のオフセットA/D変換処理で得られたオフセットが上述したように電圧値および電流値から除去されて、電力が計算される。
【0043】
図6は、上記の使用電力量の算出処理の詳細を示すフローチャートである。使用電力量の算出処理は、マイコン21のタイマ割込処理として行なわれる。
【0044】
タイマ割込処理の割込タイミングを計時するタイマの計時時間がTSS(=500[μs])に達すると、タイマ割込処理が開始される。このタイマ割込処理で、マイコン21は、まず始めに、TS2フラグがセットされているか否かを判別する(図6,S31参照)。TS2フラグは、電圧A/D変換処理(図5,S22参照)が行なわれる間、後述するようにS39でセットされる。この判別が“No”である場合、次に、VOFF中フラグがセットされているか否か、すなわち、差動増幅器23およびA/Dコンバータ24のオフセットを計測している最中か否かを判別する(S32)。VOFF中フラグは、オフセットA/D変換処理(図5,S27参照)が行なわれる間後述するようにS45でセットされる。オフセットA/D変換処理が行なわれていなくて、S32の判別が“No”である場合、マイコン21は、タイマにTS1(=93[μs])の時間をセットし(S33)、時間TS1の計時を開始させる。この時間TS1の計時が行なわれる間に、以下に示すS39までの一連の処理が行なわれる。また、S33のタイマセットにより、TS1の時間経過後、次のタイマ割込が発生してS41の電圧ΔΣA/D変換が開始される。次に、マイコン21は、電流A/D変換処理(図5,S21参照)を開始させる(S34)。この際、選択スイッチ22は、後述するS56の処理で、電流センサ14の検出出力がA/Dコンバータ24へ出力される端子22bに既に切り換えられている。次に、マイコン21は、S34で開始させた電流A/D変換処理が完了したか否かを判別し(S35)、この判別が“Yes”になると、A/Dコンバータ24の動作を即座に停止させる(S36)。そして、選択スイッチ22を端子22aに切り換えて、電圧センサ13の検出出力が差動増幅器23に入力される状態にセットし(S37)、次の電圧ΔΣA/D変換(S41参照)の開始準備を行なう。
【0045】
次に、S34およびS35の処理でデジタル信号に変換された電流センサ14の検出出力値(AD値)から、後述するS55で既にデジタル信号に変換してあるオフセット値(VOFF値)を除去した値(電流値−オフセット)を、電力計算に用いる電流値としてマイコン21が内蔵するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)の図示しない作業データ格納領域にセットする(S38)。次に、マイコン21は、TS2フラグをセットして(S39)、タイマ割込処理を終了する。
【0046】
また、TS2フラグがセットされていてS31の判別が“Yes”である場合、マイコン21は、タイマにTS2(=TSS−TS1=500−93=407[μs])の時間をセットし(S40)、この時間TS2の計時を開始させる。この時間TS2の計時が行なわれる間に、以下に示すS49までの一連の処理が行なわれる。また、S40のタイマセットにより、TS2の時間経過後、次のタイマ割込が発生してS52のVOFFΔΣA/D変換が開始される。次に、マイコン21は、電圧A/D変換処理(図5,S22参照)を開始させる(S41)。この際、選択スイッチ22は、S37の処理で、電圧センサ13の検出出力がA/Dコンバータ24へ出力される端子22aに既に切り換えられている。次に、マイコン21は、S41で開始させた電圧A/D変換処理が完了したか否かを判別し(S42)、この判別が“Yes”になると、A/Dコンバータ24の動作を即座に停止させる(S43)。そして、選択スイッチ22を端子22cに切り換えて、電流センサ14の基準電位が差動増幅器23に入力される状態にセットし(S44)、VOFF中フラグをセットして(S45)、次のVOFFΔΣA/D変換(S52参照)の開始準備を行なう。
【0047】
次に、S41およびS42の処理でデジタル信号に変換された電圧センサ13の検出出力値(AD値)から、後述するS55で既にデジタル信号に変換してあるオフセット値(VOFF値)を除去した値(電圧値−オフセット)を、電力計算に用いる電圧値としてマイコン21が内蔵するRAMの図示しない作業データ格納領域にセットする(S46)。次に、S39でセットしたTS2フラグをクリアし(S47)、引き続いて、S38で作業データ格納領域にセットした電流値とS46で作業データ格納領域にセットした電圧値とを乗算して電力を計算する(S48)。このS48で算出した電力データに対しては、上述したゲイン調整処理(図5,S24参照)および電力累積処理(図5,S25参照)が行なわれ、使用電力量が算出されると共にその絶対誤差が補正される。次に、算出した使用電力量に基づいて、使用電力量に比例したパルス信号を生成し(S49)、タイマ割込処理を終了する。生成したパルス信号は上述したようにLED15へ出力される(図5,S26参照)。
【0048】
また、VOFF中フラグがセットされていてS32の判別が“Yes”である場合、マイコン21は、タイマにTSS(=500[μs])の時間をセットし(S51)、時間TSSの計時を開始させる。この時間TSSの計時が行なわれる間に、以下に示すS57までの一連の処理が行なわれる。また、S51のタイマセットにより、TSSの時間経過後、次のタイマ割込が発生してS34の電流ΔΣA/D変換が開始される。次に、マイコン21は、オフセットA/D変換処理(図5,S27参照)を開始させる(S52)。この際、選択スイッチ22は、S44の処理で、電流センサ14の基準電位がA/Dコンバータ24へ出力される端子22cに既に切り換えられている。次に、マイコン21は、S52で開始させたオフセットA/D変換処理が完了したか否かを判別し(S53)、この判別が“Yes”になると、A/Dコンバータ24の動作を即座に停止させる(S54)。続いて、S52およびS53の処理でデジタル信号に変換されたオフセット値(VOFF値)を、マイコン21が内蔵するRAMの作業データ格納領域にセットする(S55)。そして、選択スイッチ22を端子22bに切り換えて、電流センサ14の検出出力が差動増幅器23に入力される状態にセットし(S56)、次の電流ΔΣA/D変換(S34参照)の開始準備を行なう。次に、S45でセットしたVOFF中フラグをクリアして(S57)、タイマ割込処理を終了する。
【0049】
本実施形態による電子式電力量計によれば、上述したように、電圧センサ13の検出出力、電流センサ14の検出出力、およびこれら検出出力の基準電位は、A/Dコンバータ24においてΔΣ変調によってアナログ信号からデジタル信号に変換される(図5,S21,S22,S27、図6,S34,S41,S52参照)。そして、ソフトウェア処理部25における演算により、デジタル信号に変換された電圧センサ13および電流センサ14の各検出出力から、デジタル信号に変換された基準電位が除去されることにより(図6,S38,S46参照)、電圧センサ13および電流センサ14の各検出出力から差動増幅器23およびA/Dコンバータ24のオフセットが除去される。被計測対象の使用電力量は、オフセットが除去された電圧センサ13および電流センサ14の各検出出力を用いて算出される(図5,S23,S25、図6,S48参照)。
【0050】
A/Dコンバータ24におけるアナログ信号からデジタル信号への変換は、ΔΣ変調の際のオーバーサンプリングによって細かくサンプリングされて高い分解能で行なわれるので、従来の電子式電力量計のように、A/Dコンバータ24の分解能を補うために増幅手段を多段に構成する必要がなくなる。このため、増幅手段を多段に構成しなくても、広範囲の計測精度保証範囲を必要とする電流センサ14の検出出力を広範囲にわたって高精度に計測することができるようになる。また、増幅手段を多段に構成する必要がなくなるので、従来の電子式電力量計のように、増幅器の最適な段数を決定したり、各段の増幅器のオフセットを計測したり、計測した数回分のオフセット値を増幅器の各段毎にRAMに記憶する必要がなくなる。さらに、ゲイン調整処理によって各段の増幅器毎にゲイン調整をしたり、ゲインエラー補正処理によって各段の増幅器についての抵抗誤差を補正する必要が無くなる。従って、処理の量が少なくなってソフトウェア処理部25におけるソフトウェアの規模が小さくなり、マイコン21に内蔵されるRAMのデータ記憶容量も小さくなるので、マイコン21に必要とされるRAMのメモリサイズが小さくて済むようになる。また、処理量が減少するので、マイコン21の動作クロック周波数を低く抑えて、その消費電流を小さくすることができる。また、増幅手段を多段に構成する必要がないので、アナログ回路部分の規模も小さくなって電子式電力量計に内蔵する電子回路基板の基板サイズが小型化すると共に、アナログ回路部分における消費電流も小さくすることができる。従って、電子式電力量計の電源として小型電源を用いることが可能となる。また、消費電流を小さくして電源からの出力電圧の変動幅を小さくすることができるので、従来の電子式電力量計のような電源の出力電圧を安定させるための回路部品が不要となり、コストを抑えることができる。また、マイコン21の動作クロック周波数を低く抑えることができるので、マイコン21から発生する電磁ノイズによる放射電界強度の影響を小さくして、耐ノイズ性能の対策に係るコストを抑えることもできる。この結果、本実施形態による電子式電力量計によれば、製品の小型化およびコストダウンを十分に図ることが可能になる。
【0051】
また、増幅手段に差動増幅器23を用いているため、差動増幅器23から出力される電圧センサ13および電流センサ14からの検出信号にバイアス電圧VCOMを印加することができる。このため、電圧センサ13および電流センサ14の検出信号が電圧の負の範囲に振れるものであっても、バイアス電圧VCOMを印加することによって正の範囲で変動する信号にして、電圧センサ13および電流センサ14の検出信号を差動増幅器23によって増幅し、A/Dコンバータ24によってデジタル信号に変換できる。また、増幅手段に差動増幅器23を用いているため、その反転入力端子(−)および非反転入力端子(+)に雑音が乗っても相殺されて雑音の影響を排除できるので、各センサ13,14の検出信号を高い精度で増幅することができる。
【0052】
また、本実施形態では、図6,S34の電流ΔΣA/Dスタート、S41の電圧ΔΣA/Dスタート、S52のVOFFΔΣA/Dスタートは、それぞれ、TS1+TS2+TSS(=1000[μs])の一定時間間隔で行なわれる。そして、電圧センサ13および電流センサ14の検出出力ならびにこの検出出力の基準電位のいずれかに対するA/Dコンバータ24による変換が完了すると、即座に選択スイッチ22が切り換えられ(図6,S37,S44,S56参照)、その後時間をおいて、切り換えられた選択スイッチ22によって入力される信号に対し、A/Dコンバータ24による変換が行なわれる(図6,S34,S41,S52参照)。このため、A/Dコンバータ24による各変換は、選択スイッチ22が切り換えられてからある程度の時間が経過して、A/Dコンバータ24に入力される信号が安定した状態で開始されるようになる。従って、計測誤差の発生要因が取り除かれて、A/Dコンバータ24による各変換は正確に行なわれるようになる。
【0053】
また、本実施形態では、電圧センサ13および電流センサ14の検出出力ならびにこの検出出力の基準電位に対する各変換が完了すると、A/Dコンバータ24の動作が即座に停止し(図6,S36,S43,S54参照)、A/Dコンバータ24による次の変換の開始準備が行なわれる。このため、A/Dコンバータ24による各変換は、A/Dコンバータ24が停止した状態から速やかに実行されるようになる。従って、A/Dコンバータ24の動作を停止させずに継続して変換する場合には、変換開始時にA/Dコンバータ24の前の変換動作の完了を待つことなどにより次の変換の開始が遅延して、各変換の開始を一定周期で行なうことができないが、本実施形態によれば、1000(=93+407+500)[μs]毎の一定周期で行なうことができる(図6,S34,S41,S52参照)。この結果、被計測対象の電圧および電流の計測タイミングならびにオフセットの計測タイミングが一定周期で行なわれて、被計測対象の使用電力量の算出処理が正確に行なえるようになる。
【0054】
なお、上記実施形態では、電力計算が、式(電圧値−オフセット)×(電流値−オフセット)によって行なわれる場合を説明したが(図5,S23、図6,S38,S46,S48参照)、本発明はこれに限られるものではない。上記実施形態のように、電流センサ14の検出出力の基準電位(0[V])と電圧センサ13の検出出力の基準電位(1.8[V])とを異ならせた場合に、ソフトウェア処理部25における演算が、A/Dコンバータ24で変換された電流センサ14の検出出力の基準電位を、A/Dコンバータ24で変換された電流センサ14の検出出力のみから除去(オフセットキャンセル)する構成とすることも可能である。
【0055】
つまり、この構成では、電圧センサ13で検出した電圧値からオフセットを除去する図6,S46の処理は行なわれず、電力は、式(電圧値)×(電流値−オフセット)によって計算される。このように電流側のオフセットキャンセルのみ行ない、電圧側のオフセットキャンセルを行なわなくても、以下に示すように、使用電力量は正確に算出される。
【0056】
図4における電源端子P0,P1間の電圧をV・sinωt、電圧センサ13の信号グランドをVCOM、差動増幅器23およびA/Dコンバータ24によるオフセットをVOFF、抵抗13a,13b,13cの抵抗値をそれぞれR,R,R、α=R/(R+R+R)とすると、抵抗13cの両端に現れる電圧E・sinωtに基づいて電圧センサ13で計測される電圧のA/D変換結果は、
・sinωt + VOFF
=(V・sinωt − VCOM)×α + VOFF
となる。また、負荷端子1L,1S間を流れる電流I・sinωtによってシャント抵抗14aの両端に電圧E・sinωtが現れるので、電流センサ14で計測される電流のA/D変換結果は、
・sinωt + VOFF
となる。従って、電力は、以下に示すように計算される。
電力
=(電圧値)×(電流値−オフセット)
=(E・sinωt + VOFF)×(E・sinωt + VOFF − VOFF
={(V・sinωt − VCOM)×α + VOFF}×(E・sinωt + VOFF − VOFF
=(α・V・sinωt − α・VCOM + VOFF)×E・sinωt
=α・V・E・sinωt − E(α・VCOM − VOFF)sinωt
【0057】
この場合、各センサ13,14の検出出力から算出される電力値は、第1項の直流成分(α・V・E・sinωt)からなるが、基準電位の除去が行なわれなかった電圧センサ13の検出出力に現れる差動増幅器23およびA/Dコンバータ24のオフセットVOFFは、第2項の正負に振れる交流成分E(α・VCOM − VOFF)sinωtとなって、図5,S25の電力累積処理における積分処理により零になる。従って、電圧側のオフセットキャンセルを行なわなくとも、VOFFの影響は電力計算の際に自動的に除去されることになる。つまり、上記の式でα・V=Eとすると、時刻0〜tの間に算出される使用電力量は、以下の式で計算される。ここで、sinωt=−(cos2ωt−1)/2と変換される。また、ω=2πf=2π/tであるので、t=2π/ωと変換される。
【数1】
Figure 0004896150
【0058】
ここで、E,Eはピーク値であるので、実効値で上記の使用電力量を表わすと以下の式となる。
【数2】
Figure 0004896150
【0059】
このように、電圧側のオフセットキャンセルを行なわなくとも、VOFFの影響は電力計算の際に自動的に除去される。
【0060】
上記の構成によれば、A/Dコンバータ24で変換された基準電位の除去が、電流センサ14の検出出力に対してのみ行なわれるだけで、算出する使用電力量から差動増幅器23およびA/Dコンバータ24のオフセットを除去することができる。このため、被計測対象の使用電力量の算出処理が簡略化されるようになり、ソフトウェアの規模がさらに小さくなってマイコン21のメモリサイズがさらに小さくなると共に、動作クロック周波数をさらに低くして消費電流をさらに減少させることができる。
【0061】
また、上記構成では、図3および図4に示すように、電流センサ14の検出出力の基準電位と電圧センサ13の検出出力の基準電位とが、それぞれ0[V]と1.8[V]に設定され、A/Dコンバータ24で変換された電流センサ14の検出出力の基準電位を、A/Dコンバータ24で変換された電流センサ14の検出出力のみから除去する場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、電流センサ14の検出出力の基準電位を信号グランドの基準電位(例えば1.8[V])、電圧センサ13の検出出力の基準電位を回路グランドの基準電位VSS(例えば0[V])に設定すると共に、選択スイッチ22の端子22cをこの回路グランドの基準電位VSSに接続して、A/Dコンバータ24で変換された電圧センサ13の検出出力の基準電位を、A/Dコンバータ24で変換された電圧センサ13の検出出力のみから除去する構成とすることもできる。
【0062】
上記のように、各センサ13,14の検出出力から算出される電力値は直流成分からなるが、基準電位の除去が行なわれなかった方の検出出力に現れる差動増幅器23およびA/Dコンバータ24のオフセットは、電圧の正負均等に現れる交流成分となって、使用電力量の積算処理過程における積分処理(図5,S25参照)で除去される。従って、A/Dコンバータ24で変換された基準電位の除去が、電流センサ14の検出出力または電圧センサ13の検出出力のいずれか一方に対してのみ行なわれるだけで、算出する使用電力量から差動増幅器23およびA/Dコンバータ24のオフセットを除去することができる。このため、被計測対象の使用電力量の算出処理が簡略化されるようになり、ソフトウェアの規模がさらに小さくなってマイコン21のメモリサイズがさらに小さくなると共に、動作クロック周波数をさらに低くして消費電流をさらに減少させることができる。
【0063】
また、上記の実施形態においては、1組の電圧センサ13および電流センサ14が選択スイッチ22を介して差動増幅器23に接続されて構成されている場合を説明したが、複数組の電圧センサおよび電流センサを備えた多素子計器の構成とすることも可能である。
【0064】
図7は、3組の電圧センサおよび電流センサを備えた電子式電力量計の回路構成の概略を示すブロック図である。なお、同図において図3と同一または相当する部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0065】
本構成による多素子の電子式電力量計では、マイコン41に内蔵された差動増幅器23に、選択スイッチ42を介して電圧センサ13A,13B,13C、および電流センサ14A,14B,14Cが接続されている。各電流センサ14A〜14Cは電流トランスまたはロゴスキーコイルで構成されており、ソフトウェア処理部25aによる電力計算は各組の素子毎に行なわれる。これらの点以外については、上記実施形態と同一の構成となっている。この構成においても、上記実施形態における電子式電力量計と同様の作用効果が奏される。
【0066】
また、上記実施形態においては、電圧センサ13および電流センサ14の両方のセンサの検出出力が差動増幅器23によって増幅される場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。被計測対象となる電圧は、被計測対象となる電流と比べて計測精度保証範囲は広範囲ではなく、また、被計測対象となる電流と比べて検出信号の振幅も大きい。このため、図8に示すように、電圧センサ13を差動増幅器23を介さずに直接A/Dコンバータ24に接続する構成とすることも可能となる。なお、同図において図3と同一または相当する部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0067】
本構成においては、2つの選択スイッチ22,52を使って電圧センサ13が差動増幅器23を介さずにA/Dコンバータ24に接続される点、これら構成に応じてソフトウェア処理部25bにおける処理が異なっている点以外、上記実施形態と同一の構成となっている。
【0068】
電圧センサ13の検出出力がA/Dコンバータ24に入力されてデジタル信号に変換される際には、選択スイッチ22,52が、それぞれ図8に示すように端子22a,52aに切り換えられ、電圧センサ13の検出出力は、選択スイッチ22,52を介して直接A/Dコンバータ24に入力される。また、電流センサ14の検出出力がA/Dコンバータ24に入力されてデジタル信号に変換される際には、選択スイッチ22,52が、端子22b,52bに切り換えられ、電流センサ14の検出出力は、差動増幅器23で増幅されてからA/Dコンバータ24に入力される。また、電流センサ14の基準電位がA/Dコンバータ24に入力されてデジタル信号に変換される際には、選択スイッチ22,52が、それぞれ端子22c,52bに切り換えられ、電流センサ14の基準電位は、差動増幅器23において差動増幅されてからA/Dコンバータ24に入力される。従って、この構成においても、上記実施形態における電子式電力量計と同様の作用効果が奏される。
【0069】
また、上記実施形態においては、差動増幅器23が、マイコン21の内部の、A/Dコンバータ24の前段に内蔵されている場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。差動増幅器23は、マイコン21に内蔵されていても、また、マイコン21の外部に設けられていても構わない。
【0070】
図9は、差動増幅器23がマイコン21の外部に設けられて構成された電子式電力量計の回路構成の概略を示すブロック図である。なお、同図において図3と同一または相当する部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0071】
本構成におけるマイコン61は、増幅器63を備えた汎用のマイコンであり、増幅器63は、選択スイッチ62を介してA/Dコンバータ24と接続されている。また、電流センサ14は、マイコン61の外部に設けられた選択スイッチ65および差動増幅器64を介してマイコン61内部の選択スイッチ22に接続されている。これらの点、およびこれら構成に応じてソフトウェア処理部25cにおける処理が異なっている点以外については、上記実施形態と同一の構成となっている。
【0072】
電圧センサ13の検出出力がA/Dコンバータ24に入力されてデジタル信号に変換される際には、選択スイッチ22,62が、それぞれ図9に示すように端子22a,62aに切り換えられる。電圧センサ13の検出出力は、選択スイッチ22,62を介して直接A/Dコンバータ24に入力される。また、電流センサ14の検出出力がA/Dコンバータ24に入力されてデジタル信号に変換される際には、選択スイッチ65,22,62がそれぞれ端子65a,22b,62bに切り換えられる。電流センサ14の検出出力は、差動増幅器23および増幅器63でそれぞれ増幅されてからA/Dコンバータ24に入力される。また、電流センサ14の基準電位がA/Dコンバータ24に入力されてデジタル信号に変換される際には、選択スイッチ65,22,62が、それぞれ端子65b,22c,62bに切り換えられる。電流センサ14の基準電位は、差動増幅器23および増幅器63でそれぞれ増幅されてからA/Dコンバータ24に入力される。従って、この構成においても、上記実施形態における電子式電力量計と同様の作用効果が奏される。
【0073】
また、上記実施形態においては、ゲイン調整処理(図5,S24参照)において瞬時電力を所定倍することで使用電力量の絶対誤差を補正する場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0074】
図10は、累積加算される使用電力量(図5,S25参照)とソフトウェア処理部25からLED15へ出力されるパルス信号との関係を示す図である。同図(a)は、時間の経過に応じて累積加算される使用電力量、同図(b)は、同図(a)に示す使用電力量が一定値(しきい値)に達すると出力されるパルス信号の出力タイミングを、それぞれ示している。なお、同図(a),(b)において横軸は時間軸を表している。
【0075】
使用電力量の絶対誤差を補正する必要がない場合には、同図(a)において実線で示すように、パルス出力のしきい値がαに設定されている。ソフトウェア処理部25において累積加算される使用電力量がαに達すると、同図(b)に示すようにパルス信号が出力され、累積加算された使用電力量が“0”にリセットされる。以後同様に、時間tが経過して使用電力量がしきい値αに達する度にパルス信号が出力される。しきい値αは、電子式電力量計に定格電圧および定格電流が印加された場合、時間tが一定になってパルス信号周波数が例えば6.4[Hz]になるように調整される。しかしながら、実際に累積加算される使用電力量の増加率は、各センサ13,14の感度や内部抵抗の値、A/Dコンバータ24に印加される参照電圧Vrefの値、差動増幅器23におけるゲインエラーといった、各部品の精度などに応じて、同図(a)に点線や一点鎖線で示すのこぎり歯状波形のように小さくなったり、大きくなったりして変化する。このように増加率が変化すると使用電力量がしきい値αに達するタイミングも変化してしまうため、使用電力量に応じたパルス出力のしきい値を調整することで、使用電力量の絶対誤差を補正する。具体的には、同図(a)において点線で示すように使用電力量の増加率が小さくなる場合には、しきい値をαからβ(α>β)に変更する。また、一点鎖線で示すように使用電力量の増加率が大きくなる場合には、しきい値をαからγ(α<γ)に変更する。このように、しきい値を調整することで、パルス出力のタイミングが調整されるので、パルス信号は実際の使用電力量に応じて出力されるようになり、算出した使用電力量の絶対誤差が補正される。
【0076】
算出した使用電力量の絶対誤差は、図5,S24のゲイン調整によって差動増幅器23の増幅率に応じて所定倍することで補正されるが、上記のように、パルス出力のしきい値を調整することによっても、補正される。このため、電子式電力量計の設計の自由度は増す。
【0077】
また、上記実施形態においては、差動増幅器23を用いて各センサ13,14の検出信号や基準電位を増幅する場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図3および図4に示す電子式電力量計において、差動増幅器23の代わりにA/Dコンバータ24の入力コンデンサ比によって各センサ13,14の検出信号や基準電位を増幅するようにしてもよい。図11は、A/Dコンバータ24の内部に構成されるスイッチトキャパシタ積分回路を示す回路図である。
【0078】
A/Dコンバータ24は、演算増幅器71およびその出力側に接続されたコンパレータ72を備えて構成されている。演算増幅器71の入力側と出力側とは、ホールドコンデンサ79,80によって帰還接続されている。また、演算増幅器71の入力側には、入力信号のサンプリングを行なう容量Ciのサンプリングコンデンサ73,74、およびフィードバックを行なう容量Crのフィードバックコンデンサ75,76が、接続されている。フィードバックコンデンサ75,76には、切換スイッチ77,78がそれぞれ接続されており、これらスイッチ77,78はコンパレータ72の出力によって切り換えられ、フィードバックコンデンサ75,76に参照電圧+Vrefまたは−Vrefが印加される。サンプリングコンデンサ73は上述した選択スイッチ22に接続され、サンプリングコンデンサ73には選択スイッチ22の切り換えに応じて各センサ13,14の検出出力や基準電位が入力される。また、サンプリングコンデンサ74は電流センサ14の基準電位に接続され、サンプリングコンデンサ74には0[V]の基準電位が入力される。
【0079】
上記構成において、サンプリングコンデンサ73,74に入力される信号は、それぞれ入力コンデンサ比Ci/Crの増幅率で差動増幅されてΔΣ変調され、アナログ信号からデジタル信号に変換される。従って、この構成においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏されることになる。
【0080】
また、上記の実施形態においては、電圧センサ13が分圧抵抗13a〜13cから構成され、電流センサ14がシャント抵抗14aから構成される場合を説明したが、電圧センサ13や電流センサ14の種類は適宜変更可能である。例えば、電流センサ14として、図7に示した電流トランス(CT)やロゴスキーコイルなどを用いることも可能である。
【0081】
また、上記実施形態においては、選択スイッチ22の切り換えにより、電流センサ14の検出出力、電圧センサ13の検出出力、および電流センサ14の基準電位の順番で、A/Dコンバータ24においてA/D変換処理が行なわれる場合を説明したが(図5,S21,S22,S27参照)、これら各信号に対するA/D変換処理の順番は適宜変更可能である。
【0082】
また、上記実施形態においては、A/Dコンバータ24に印加される参照電圧Vrefがマイコン21の動作電圧VDDとは別に用意される場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、A/Dコンバータ24の参照電圧Vrefをマイコン21の動作電圧VDDと同電位に設定し、A/Dコンバータ24に参照電圧Vrefを供給する電源と、マイコン21に動作電圧VDDを供給する電源とを共通化することができる。この構成によれば、A/Dコンバータ24に参照電圧Vrefを供給する電源を別個に用意する必要がなくなり、さらに製品の小型化およびコストダウンを図ることができる。
【0083】
また、上記実施形態のタイマ割込処理においては、TS1,TS2,TSSの時間を、それぞれ、93[μs],407[μs],500[μs]とすると共に、バイアス電圧VCOM,マイコン21の動作電圧VDDを、それぞれ、1.8[V],3.6[V]として説明したが、TS1,TS2,TSSやVCOM,VDDはこれらの値に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0084】
また、上記実施形態においては、電圧センサ13の耐電圧性能の向上を図るため、電源端子P0と抵抗13cとの間に2つの抵抗13a,13bを直列に接続した場合を説明したが、電源端子P0と抵抗13cとの間に接続される抵抗は1つでもよく、その個数は適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
上記実施形態においては、本発明を単相2線式の電子式電力量計に適用した場合を説明したが、A/D変換手段で変換されたデジタル信号に基づいて被計測対象の使用電力量を演算する、単相3線式や三相3線式などの種々の電子式電力量計に適用することも可能である。このような種々の電子式電力量計に本発明を適用した場合においても、上記実施形態と同様な作用効果が奏される。

Claims (5)

  1. 被計測対象の電圧を検出する電圧センサと、
    被計測対象の電流を検出する電流センサと、
    前記電圧センサの検出出力、前記電流センサの検出出力、および、この検出出力の基準電位のそれぞれを順次繰り返して、かつ、それぞれを択一的に選択して出力する選択スイッチと、
    前記選択スイッチの出力信号の電位と前記基準電位とを差動増幅する差動増幅手段と、
    前記差動増幅手段から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段、およびこのA/D変換手段から出力されたデジタル信号に基づいて被計測対象の使用電力量を演算する演算手段を内蔵した演算処理装置と、
    を備えた電子式電力量計であって、
    前記A/D変換手段は、前記選択スイッチが切り換わるごとに、ΔΣ変調によるA/D変換を行うとともに、該変換の完了後に動作を停止し、かつ、
    前記演算手段は、前記選択スイッチが前記電圧センサの検出出力および前記電流センサの検出出力のうち少なくとも一方の検出出力を選択したときの前記A/D変換手段の出力から、前記選択スイッチが前記基準電位を選択したときの前記A/D変換手段の出力を除去したデジタル信号に基づいて、被計測対象の使用電力量を算出することを特徴とする電子式電力量計。
  2. 前記演算手段は、前記使用電力量を所定倍することで、または、前記使用電力量に応じたパルス出力のしきい値を調整することで、前記使用電力量の絶対誤差を補正することを特徴とする請求項1に記載の電子式電力量計。
  3. 前記演算手段は、
    前記電圧センサの検出出力の基準電位が前記電流センサの検出出力の基準電位とは異なる電位に設定されている場合に、
    前記選択スイッチが前記電圧センサの検出出力および前記電流センサの検出出力のうちいずれか一方の検出出力を選択したときの前記A/D変換手段の出力のみから、前記選択スイッチが前記基準電位を選択したときの前記A/D変換手段の出力を除去したデジタル信号に基づいて、被計測対象の使用電力量を算出することを特徴とする請求項1に記載の電子式電力量計。
  4. 前記演算処理装置は、前記電圧センサおよび前記電流センサの検出出力ならびにこの検出出力の基準電位のいずれかに対する前記A/D変換手段による変換の完了後即座に前記選択スイッチを切り替えて次の選択を行わせた後、時間をおいて前記A/D変換手段による次の変換を行わせることを特徴とする請求項1に記載の電子式電力量計。
  5. 前記A/D変換手段の参照電圧は前記演算処理装置の動作電圧と同電位に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子式電力量計。
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