JP4886331B2 - 回転電機におけるアーマチュアコア - Google Patents
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Description
請求項2の発明は、各コア材に形成されるティースは、放射方向に突出する脚片と、該脚片の突出端部から周回り方向に延出する爪片とにより構成され、渦電流防止用スロットを構成する凹溝部は、脚片の周回り方向両側縁と爪片の内径側縁との境界から凹溝部の溝底部までの最短距離をそれぞれA、Bと設定し、脚片の周回り方向幅をCと設定したとき、
式 A=B≒C/2
を満たし、かつ、凹溝部の溝深さをH、脚片の側縁と爪片の内径側縁との境界において、脚片の側縁に沿う直線と爪片の内径側縁に沿う直線との交点から爪片の外径側縁までの最短距離をRとしたとき、
式 H≒R
を満たす形状に設定されている請求項1に記載の回転電機におけるアーマチュアコアである。
図中、1は車両に搭載する電装品の駆動源となる電動モータ(回転電機)であって、該電動モータ1を構成する有底筒状に形成されたヨーク(モータハウジング)2の内周面には、周回り方向に二対のN、S極(磁極)が形成されるべく永久磁石3が固定されており、これによって、同極同士が径方向に対向する四極型の電動モータ1に構成されている。4はアーマチュアであって、該アーマチュア4を構成するアーマチュア軸5には、リング状板材であるコア材6を複数枚積層して構成されたアーマチュアコア7が一体的に外嵌されており、さらに、アーマチュアコア7の先端部に位置してコンミテータ(整流子)8が外嵌固定されている。そして、アーマチュア軸5は、基端部がヨーク2の筒底部2aに設けられた軸受2bを介して軸承される一方、先端部がヨーク2の開口端に設けたカバー2cに設けられた軸受2dに軸承されており、これによって、アーマチュア5は、ヨーク2内において回動自在な状態で内装されている。また、前記カバー2cとヨーク2とのあいだには、ホルダステー9が挟持状に支持されており、該ホルダステー9には、周回り方向四箇所に位置してブラシホルダ9aが形成されており、該ブラシホルダ9aに、それぞれブラシ9bが出没自在に内装され、該ブラシ9bの突出先端部(内径側先端部)がコンミテータ8に弾圧状に当接(接触)することによって、外部からの電源がブラシ9bを介してコンミテータ8に供給され構成となっているが、これらの基本構成は従来通りとなっている。
尚、12、13はアーマチュアコア7の軸方向先端側と基端側とに位置して設けられた一対インシュレータである。
さらに、凹溝部10j、11jの周回り方向両側部位に位置する溝入口部には、図3(B)から明らかなように、溝奥側よりも大きい開口となるよう、溝入口部となるコーナー部を切り欠く(切り落とす)状態で補助凹部10k、11kが段差状に形成されており、凹溝部10j、11jの溝奥側の周回り方向溝幅よりも、溝入口部における溝幅が広くなるように設定されており、これによって、磁束を低下させることなく、磁束の変化を緩和してコギングトルクを低減できるようにしている。
尚、10m、11mは、第一コア材外径側本体部10bと第二コア材本体部11bとのそれぞれの内径側に、各ティース10e、11eの脚片10c、11cと同一放射線上に位置し、第一、第二コア材10、11の板面を一方の面側に押し出すことにより形成されるカシメ用突起10k、11kであって、該カシメ用突起10m、11mは、それぞれ周回り方向に十個づつ形成されている。
式 A=B≒C/2
で示される条件を満足しており、しかも、凹溝部10j、11jの溝深さHは、脚片10c、11cの側縁と爪片10d、11dの内径側縁との境界部位において、脚片側縁に沿う直線L1と爪片内径側縁に沿う直線L2との交点Qから爪片10c、11cの外径側縁までの最短距離R(爪片10d、11dの外径側円となる第一円弧と、交点Qを通り、前記第一円弧と同芯状の第二円弧とのあいだの距離で設定される)と略同じ長さ、即ち、
式 H≒R
で示される条件を満足するように設定されている。
このように形成することにより、凹溝部10j、11jは、各ティース10e、11eの爪片10d、11dの外径側縁において、周回り方向中間部から内径側に向けて形成され、かつ、その溝深さHが爪片10d、11dの径方向長さに相当するように形成されている。これによって、隣接するティース10e、11eのあいだに形成されるコイル巻装用スロット10f、11fの面積を、巻線14cの巻装に必要な広さに確保でき、しかも、アーマチュア4における渦電流の発生を防止して鉄損を低減できるように構成されている。
これによって、本発明が実施された電動モータ1は、渦電流の発生を防止できて鉄損を防止することができるうえ、有効磁束を低下させることがないものでありながらコギングトルクの低減を図ることができ、もって、モータ特性の優れたものとなっている。
このものは、コア材15に形成される複数のティース15aの外周縁部に形成される凹溝部15bの溝底形状が四角になるように形成されている。そして、このものにおいても、凹溝部15bの形状は、脚片15cの周回り方向両側縁と爪片15dの内径側縁との境界点X1、Y1から凹溝部の溝底部までの最短距離をそれぞれA1、B1と設定し、脚片の周回り方向幅をC1と設定したとき、
式 A1=B1≒C1/2
を満たし、かつ、凹溝部15bの溝深さをH1、脚片15cの側縁と爪片15dの内径側縁との境界部位において、脚片15cの側縁に沿う直線と爪片15dの内径側縁に沿う直線との交点Q1から爪片15dの外径側縁までの最短距離をR1としたとき、
式 H1≒R1
を満たす形状に設定されている。そして、このものにおいても、凹溝部15bの溝入口部に段差状の補助凹部15eが形成されており、このように構成されたコア材15を用いてアーマチュアコアを形成することにより、軸方向に長い渦電流防止用スロットが形成されて、各ティース15aにおける渦電流の発生が防止されて、鉄損の低減を図ることができ、しかも、電動モータのコギングトルクが低減された高性能な電動モータを提供することができる。
4 アーマチュア
5 アーマチュア軸
6 コア材
10 第一コア材
10e ティース
10f コイル巻装用スロット
10h ブリッジ片
10i 内側スロット
10j 凹溝部
10k 補助凹部
11 第二コア材
Claims (2)
- リング状板材の外周縁に周回り方向複数のティースが放射方向に突出するコア材の複数枚を、アーマチュア軸に貫通してなるアーマチュアコアにおいて、各コア材のティースの外周縁の周回り方向中間部を内径側に切り欠いて凹溝部を形成し、アーマチュアコアの外周に、隣接するティースのあいだに位置し、コイルが巻装されるコイル巻装用スロットと、ティースに生じる渦電流の発生を防止する渦電流防止用スロットとが軸方向に長く形成されていると共に、前記凹溝部の溝入口部の周回り方向少なくとも一方の端部には、該溝入口部の周回り方向の溝幅を前記凹溝部の溝奥側の周回り方向の溝幅よりも幅広にするための補助凹部が段差状に形成されている回転電機におけるアーマチュアコア。
- 各コア材に形成されるティースは、放射方向に突出する脚片と、該脚片の突出端部から周回り方向に延出する爪片とにより構成され、渦電流防止用スロットを構成する凹溝部は、脚片の周回り方向両側縁と爪片の内径側縁との境界から凹溝部の溝底部までの最短距離をそれぞれA、Bと設定し、脚片の周回り方向幅をCと設定したとき、
式 A=B≒C/2
を満たし、かつ、凹溝部の溝深さをH、脚片の側縁と爪片の内径側縁との境界において、脚片の側縁に沿う直線と爪片の内径側縁に沿う直線との交点から爪片の外径側縁までの最短距離をRとしたとき、
式 H≒R
を満たす形状に設定されている請求項1に記載の回転電機におけるアーマチュアコア。
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JP2006085067A JP4886331B2 (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 回転電機におけるアーマチュアコア |
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JP2006085067A JP4886331B2 (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 回転電機におけるアーマチュアコア |
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