JP4878972B2 - 発進摩擦要素制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンと無段変速機の間に介装され、発進時に締結される発進摩擦要素の制御に関するものである。
トルクコンバータに代えてクラッチ、ブレーキ等の発進摩擦要素をエンジンと変速機の間に介装し、発進時にはこの発進摩擦要素をエンジン回転速度の上昇に合わせて締結することで、エンジンの空吹けや回転速度の落込みを防止しつつ、スムーズな発進を実現することが行われている。
特許文献1はこのような発進摩擦要素を備えた車両を開示しており、発進時、発進摩擦要素の入出力回転速度の比に応じてトルク容量係数を設定し、これにエンジン回転速度の二乗値を掛けて発進摩擦要素のトルク容量を決定している。
特開昭63−305039号公報
ところで、無段変速機(以下、CVT)を備えた車両においては、停車するまでにCVTの変速比を最Loまで戻し、次回発進時の発進性を高めている。
しかしながら、車両が急停車した場合等には、停車するまでに変速比を最Loまで戻すことができず、このような場合は次回発進時、最LoよりもHi側の変速比で発進することになる。このとき、発進摩擦要素の入力側部材の回転速度はエンジン回転速度と同じくトルク容量係数に応じた回転速度まで上昇するのに対し、CVTを介して駆動輪に接続される発進摩擦要素の出力側部材の回転速度はなかなか上昇せず、入力側部材と出力側部材の回転速度差が大きくなって、発進摩擦要素の発熱量が増大し、発進摩擦要素の耐久性を低下させる。
本発明は、このような従来技術の技術的課題を鑑みてなされたもので、車両が急停車する等により最LoよりもHi側の変速比で発進する場合であっても発進摩擦要素の発熱を抑え、発進摩擦要素の耐久性が低下するのを防止することを目的とする。
本発明は、エンジンと無段変速機の間に発進摩擦要素を備え、発進時には前記発進摩擦要素をエンジン回転速度の上昇に合わせて締結し、車両を停止させる際には前記無段変速機の変速比をLo側に戻す車両の発進摩擦要素制御装置に係り、前記発進摩擦要素の入出力回転速度比に基づき前記発進摩擦要素のトルク容量係数を設定するトルク容量係数設定手段と、発進時の前記無段変速機の変速比が最LoよりもHi側にあるときに前記トルク容量係数を増大補正するトルク容量係数補正手段と、前記補正後のトルク容量係数と前記エンジン回転速度に基づき前記発進摩擦要素のトルク容量指令値を算出するトルク容量指令値算出手段と、前記発進摩擦要素のトルク容量が前記トルク容量指令値となるように前記発進摩擦要素のトルク容量を制御するトルク容量制御手段と、を備える。
本発明によれば、車両が急停車する等により無段変速機の変速比が最Loまで戻らず、発進時の変速比が最LoよりもHi側にあるときは、トルク容量係数τが増大補正されるので、発進摩擦要素のトルク容量を増大して滑り量を減らし、発進摩擦要素の発熱量を下げ、過熱による発進摩擦要素の劣化を防止することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、変速比小側ないし高速側を「Hi側」、変速比大側ないし低速側を「Lo側」と表現する。
図1はベルト式無段変速機を搭載した車両の概略構成図である。この車両において、エンジン1の回転は、トーショナルダンパ3、前後進切換機構6、ベルト式無段変速機(以下、CVT)19、出力ギヤ12、ドライブギヤ13、ディファレンシャルギヤ14及び駆動軸15を介して駆動輪16へと伝達される。
トーショナルダンパ3は、エンジン1の出力軸2に連結された入力側部材と前後進切換機構6の入力軸5に連結された出力側部材とが、トーショナルスプリングを介して相対回転可能に連結される。出力側部材にはこれと一体回転するフライホイール4が連結される。トーショナルダンパ3をエンジン1とCVT19の間に介装することで、エンジン1の回転変動がCVT19に伝達されるのを低減している。
前後進切換機構6は、遊星歯車22と、前進時に締結される前進クラッチ20(前進時の発進摩擦要素)と、後進時に締結される後進ブレーキ21(後進時の発進摩擦要素)と、を備える。
遊星歯車22は、サンギヤ22sと、サンギヤ22sに噛み合う複数のピニオン22pと、ピニオン22pに噛み合うリングギヤ22rと、ピニオン22pを回転自在に支持するキャリア22cとを備える。サンギヤ22sは前進クラッチ20のドリブン側部材及びプライマリプーリ軸7に、キャリア22cは後進ブレーキ21の被固定側部材に、リングギヤ22rは前進クラッチ20のドライブ側部材にそれぞれ連結される。
前進クラッチ20は、前後進切換機構6の入力軸5に連結されたドライブ側部材とプライマリプーリ軸7とに連結されたドリブン側部材との間に介装された複数のプレートを有し、図示しないピストンに油圧を作用させるとプレート同士が押圧されて入出力間で動力伝達可能な締結状態となり、ピストンに作用する油圧をドレンすると出力側部材に動力を伝達できない解放状態となる。
後進ブレーキ21は、変速機ケース23の内側固定部材とキャリア22cに連結された被固定側部材との間に介装された複数のプレートを有し、図示しないピストンに油圧を作用させるとプレート同士が押圧されて被固定側部材にキャリア22cが回転不能に固定される締結状態となり、ピストンに作用する油圧をドレンすると被固定側部材及びキャリア22cが回転可能な解放状態となる。
CVT19は、入出力回転間の変速比を無段階に変更するものであり、プライマリプーリ軸7に連結されたプライマリプーリ8と、セカンダリプーリ軸11に連結されたセカンダリプーリ10と、プライマリプーリ8及びセカンダリプーリ10間に掛け渡されたベルト9とを備える。
プライマリプーリ8及びセカンダリプーリ10は、それぞれ固定シーブ8a、10a、固定シーブ8a、10aに対し接近、離反する可動シーブ8b、10bを有する。可動シーブ8b、10bの背面にはそれぞれプライマリプーリ油室33、セカンダリプーリ油室34が設けられている。プーリ油室33、34へ供給する油圧を油圧制御回路32によって制御することで、可動シーブ8b、10bを固定シーブ8a、10aに対して接近、離反させ、プーリ8、10に対するベルト9の巻き掛け円弧径を連続的に変化させて、変速を無段階に行う。
セカンダリプーリ軸11には出力ギヤ12が固定され、出力ギヤ12には出力ギヤ12より大径のドライブギヤ13に噛み合わされる。ドライブギヤ13には、ディファレンシャルギヤ14のピニオンが固定され、ピニオンには左右からサイドギヤが噛み合わされる。各サイドギヤには、駆動軸15が連結されて左右の駆動輪16を駆動する。
この車両の制御系は、エンジン1を制御するエンジンコントローラ40と、油圧制御回路32を介して前後進切換機構6、CVT19を制御する変速機コントローラ41とを備える。
エンジンコントローラ40には、エンジン1の出力軸2の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ42とアクセルペダルの位置APPを検出するアクセルペダル位置センサ43とが接続されて、エンジン回転速度情報、アクセルペダル位置情報がそれぞれ入力される。これらの情報は、エンジンコントローラ40を介して変速機コントローラ41にも入力される。
変速機コントローラ41には、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ44、プライマリプーリ8の回転速度Npriを検出するプライマリ回転速度センサ45、セカンダリプーリ10の回転速度Nsecを検出するセカンダリ回転速度センサ46が接続されており、これらからセレクトレバー位置情報、プライマリプーリ回転速度情報、セカンダリプーリ回転速度情報が入力される。
油圧制御回路32には、オイルポンプ31によってオイルタンク30から作動油が圧送され、変速機コントローラ41は、所望の変速比が実現されるように、この油圧制御回路32内に設けた変速制御弁によってプライマリプーリ油室33への供給油圧を制御し、同じく、油圧制御回路32内に設けたソレノイドバルブによってセカンダリプーリ油室への供給油圧を制御する。また、車両が停車する際には、車両が完全に停車するまでにCVT19の変速比を最Loに戻すために、プライマリプーリ油室33への供給油圧を減少させるとともに、セカンダリプーリ油室への供給油圧を増大させる。
また、変速機コントローラ41は、油圧制御回路32内に設けたソレノイドバルブによって、前進クラッチ20、後進ブレーキ21への供給油圧を制御する。前進発進時は、前進クラッチ20に油圧を供給して前進クラッチ20を締結し、後進ブレーキ21への油圧をドレンして後進ブレーキ21を解放する。逆に、後進発進時は、変速機コントローラ41は、後進ブレーキ21に油圧を供給して後進ブレーキ21を締結し、前進クラッチ20への油圧をドレンして前進クラッチ20を解放する。
前進発進時、変速機コントローラ41は、エンジン回転速度Neとプライマリ回転速度Npriに基づき、前進クラッチ20の速度比e(=Npri/Ne)を算出し、これに基づきトルク容量係数τを設定する。そして、変速機コントローラ41は、このトルク容量係数τに対して補正係数kを掛けてトルク容量係数τを補正する。
補正係数kは発進時のCVT19の変速比にかかわらず、発進時の前進クラッチ20の発熱量を一定にするためのもので、発進時のCVT19の変速比がHi側にあるほど大きな値が設定される。ただし、発進時のエンジン回転速度Neがエンスト限界回転速度(例えば900rpm)以下になるのを防止するために、補正係数kには上限値kmaxが設定され、上限値kmaxよりも大きな補正係数kが設定されることはない。
また、発進時の変速比が所定のLo側変速比、例えば2よりも大きいときは、発進時の前進クラッチ20の発熱は問題にならないので、補正係数kに1を設定し、トルク容量係数τの補正を行わないようにする。
変速機コントローラ41は、補正後のトルク容量係数τとエンジン回転速度Neに基づきトルク容量指令値Twcを算出し、トルク容量指令値Twcが実現されるよう、前進クラッチ20に供給される油圧を制御する。これにより、前進発進時、エンジン回転速度Neの上昇に合わせて前進クラッチ20が締結されるようにしている。
後進発進時は、変速機コントローラ41は、後進ブレーキ21に対して同様の制御を行う。ただし、後進ブレーキ21は出力側の回転速度が常にゼロであり、後進ブレーキ21の速度比を算出することができないので、前後進切換機構6を等価な減速リバースギヤとクラッチからなる構成に置き換えて速度比相当の値を算出し、これに基づき上記処理を行うようにする。
図2は、前進発進時に前進クラッチ20への供給油圧を制御する際の制御内容を示したフローチャートであり、変速機コントローラ41において所定時間ごとに実行される。なお、ここでは説明を省略するが、後進発進時は後進ブレーキ21に対して同様の制御が行われるものとする。
これについて説明すると、まず、ステップS1では、アクセルペダル位置APP、エンジン回転速度Ne、プライマリ回転速度Npriを読み込む。
ステップS2では、エンジン回転速度Ne、プライマリ回転速度Npriをそれぞれ前進クラッチ20の入力回転速度、出力回転速度とみなし、前進クラッチ20の速度比eを算出する(e=Npri/Ne)。
ステップS3では、図3に示すマップを検索して、アクセルペダル位置APP、速度比eに応じたトルク容量係数τを設定する。
図3に示すマップによれば、アクセルペダル位置APPが4/8よりも大きいときはエンジン回転速度Neが高くなってトルク容量が増大するので、トルク容量係数τをアクセルペダル位置APPが0から4/8の間にあるときよりも小さくして、前進クラッチ20のトルク容量が過大になるのを防止する。また、アクセルペダル位置APPが0のときは、トルク容量係数τをアクセルペダル位置APPが0から4/8の間にあるときよりも小さくして前進クラッチ20を滑らせ、アクセルペダル位置APPがゼロになってエンジントルクが落ち込むことによるショックを抑える。また、アクセルペダル位置APPが0から4/8の間にあるときは、前進クラッチ20の滑り量を少なくして、燃費を向上させる。
また、速度比eが1近傍のときは、速度比eが1に近づくにつれトルク容量係数τを小さくし、速度比eが1のときに極小値をとるようにする。これは、前進クラッチ20がスリップ状態から完全締結状態になるときに伝達トルクを減少させることで、ショックが発生するのを抑えるためである。
ステップS4では、図4に示すテーブルを参照して発進時のCVT19の変速比ipに応じた補正係数kを設定し、ステップS3で設定されたトルク容量係数τにこの補正係数kを掛けてトルク容量係数τを補正する。発進時のCVT19の変速比ipは、例えば、車両が停車する直前のプライマリ回転速度Npriとセカンダリ回転速度Nsecを変速機コントローラ41内のメモリに記憶しておき、これらの値から演算によって求めるようにすればよい。
ステップS5では、ステップS4で補正されたトルク容量係数τにエンジン角速度ωe(=(2π/60)・Ne)の二乗値を掛けて、トルク容量指令値Twcを算出する。
ステップS6では、前進クラッチ20のトルク容量がステップS5で補正されたトルク容量指令値Twcとなるように、油圧制御回路32により前進クラッチ20への供給油圧を制御する。
続いて、ステップS4でトルク容量係数τを補正するのに用いる補正係数kの設定方法について説明する。
上記の通り、補正係数kは、発進時の前進クラッチ20の発熱量が発進時のCVT19の変速比に関係なく一定になるように設定される。発進時の前進クラッチ20の発熱量は、前進クラッチ20の伝達トルクに、前進クラッチ20の入力側部材と出力側部材の角速度差を掛けた値を、発進から角速度差がゼロになるまでについて時間積分した値に比例する。
ここで、前進クラッチ20の伝達トルクについて考える。トルク容量係数がτのときにエンジン角速度がωe0まで上昇して定常状態になるとすると、このときの前進クラッチ20の伝達トルクはτ・ωe02となる。さらに、トルク容量係数をk・τに補正した場合は、エンジン角速度はωe0よりも低い(1/√k)ωe0で定常状態になるので、このときの前進クラッチ20の伝達トルクはk・τ・{(1/√k)ωe0}2=τ・ωe02となる。つまり、トルク容量係数の補正前後で前進クラッチ20の伝達トルクには変化がない。
したがって、発進時の伝達トルク20の発熱量を発進時のCVT19の変速比に関係なく一定にするには、前進クラッチ20の入力側部材と出力側部材の角速度差を、発進から角速度差がゼロになるまでについて時間積分した値が、発進時のCVT19の変速比に関係なく一定になるようにすればよい。
図5は、発進時のCVT19の変速比ipが、Lo側の場合(ip=ip0、実線)、Hi側の場合(ip=ip1<ip0、破線)、それぞれについて、エンジン角速度ωe(=前進クラッチ20の入力側部材の角速度)、プライマリプーリ角速度ωpri(=前進クラッチ20の出力側部材の角速度)の時間変化を示している。
図中ハッチングした領域A、Bの面積SA、SBが、発進時の変速比ipがLo側、Hi側の場合の角速度の時間積分になるので、発進時の伝達トルク20の発熱量をCVT19の変速比に関係なく一定にするには、両領域の面積SA、SBが等しくなるように補正係数kを設定すればよい。
まず、発進時のCVT19の変速比がLo側のip0である領域Aについて考える。発進後のプライマリプーリ角速度ωpriは、発進からの経過時間をtとすると、次式(1)、
で表すことができる。αは車両の質量、ファイナルギヤ比、タイヤ半径、発進クラッチ伝達トルク容量によって決まる定数である。
トルク容量係数がτのときにエンジン角速度ωeがωe0まで上昇して定常状態になるとすると、プライマリプーリ角速度ωpriがωe0に達し、角加速度差がゼロになるのまでの時間t0は、次式(2)、
により求めることができる。
したがって、領域Aの面積SAは、発進直後のエンジン角速度ωeの立ち上がり遅れを無視すれば、次式(3)、
により求めることができる。
同様にして、発進時のCVT19の変速比がHi側のip1である領域Bについて考えると、発進後のプライマリプーリ角速度ωpriは、発進からの経過時間をtとすると、次式(4)、
で表すことができる。補正係数kによりトルク容量係数をk・τに補正すると、エンジン角速度ωeはωe0よりも低い(1/√k)ωe0に落ち着くので、プライマリプーリ角速度ωpriが(1/√k)ωe0に達し、角速度差がゼロになるまでの時間t1は、次式(5)、
により求めることができる。
したがって、領域Bの面積SBは、発進直後のエンジン角速度ωeの立ち上がり遅れを無視すれば、次式(6)、
により求めることができる。
したがって、領域Aの面積SAと領域Bの面積SBを等しくする補正係数kは、式(3)、(6)より、
と求めることができる。
上記実施形態では、発進時の変速比ipが2のときの前進クラッチ20の発熱量を基準発熱量とし、発進時の変速比ipがこれよりも小さくても前進クラッチ20の発熱量が基準発熱量となるように、式(7)にip0=2、ip1=ipを代入して得られる次式(8)、
により補正係数kを算出している。
式(8)を用いて各変速比ipについて補正係数kを求めれば、図4に示したテーブルを作成することができる。
ただし、補正係数kを大きくすると補正後のトルク容量係数τが大きくなってエンジン回転速度Neが低下し、エンジン回転速度Neがエンスト限界回転速度(例えば900rpm)よりも低くなるとエンジン1がストールする可能性がある。このため、補正係数kにはエンジン回転速度Neがエンスト限界回転速度よりも低くならないよう上限値kmaxを設定し、上記演算式によりこれを超える演算されても上限値kmaxに制限するようにしている。
また、発進時の変速比ipが所定のLo側変速比、例えば2よりも大きいときは、発進時の前進クラッチ20の発熱は問題にならないので、補正係数kに1を設定し、トルク容量係数τの補正を行わないようにしている。
続いて、上記制御を行うことによる本発明の作用効果について説明する。
本発明によれば、変速機コントローラ41が、発進摩擦要素(前進クラッチ20、後進ブレーキ21)の入出力回転速度比eに基づき発進摩擦要素のトルク容量係数τを設定し(S2、S3、図3)、発進時のCVT19の変速比ipが最LoよりもHi側にあるときにトルク容量係数τを増大補正し(S4)、補正後のトルク容量係数τとエンジン回転速度Ne(エンジン角速度ωe)に基づき発進摩擦要素のトルク容量指令値Twcを算出し(S5)、発進摩擦要素のトルク容量がトルク容量指令値Twcとなるように発進摩擦要素のトルク容量を制御する(S6、請求項1に記載の発明)。
したがって、車両が急停車する等によりCVT19の変速比が最Loまで戻らず、発進時の変速比が最LoよりもHi側にあるときは、トルク容量係数τが増大補正されるので、発進摩擦要素のトルク容量を増大して滑り量を減らし、発進摩擦要素の発熱量を下げ、過熱による発進摩擦要素の劣化を防止することができる。
トルク容量係数τの増大補正は、例えば、発進時のCVT19の変速比がHi側になるほど大きな補正係数kを設定し(図4)、この補正係数kをトルク容量係数τに掛けてトルク容量係数τを補正するようにする(請求項2に記載の発明)。このとき、発進時のCVT19の変速比に関係なく発進時の発進摩擦要素の発熱量が一定になるように、補正係数kを設定すれば、Hi側変速比で発進する場合であっても、発進時の発進摩擦要素の発熱量、すなわち、発進摩擦要素の劣化度合いをLo側変速比で発進する場合と同じにすることができる(請求項3に記載の発明)。
また、発進時のエンジン回転速度Neがエンスト限界回転速度よりも低くならないように、補正係数kの上限値kmaxを設定する(図4、請求項4に記載の発明)。これにより、発進摩擦要素の発熱量を抑えるために補正係数kが大きくなりすぎてトルク容量が過大になり、エンジン回転速度が低くなりすぎてエンジン1がストールするのを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
ベルト式無段変速機を搭載した車両の概略構成図である。 前進発進時に変速機コントローラが前進クラッチへの供給油圧を制御する際の制御内容を示したフローチャートである。 アクセルペダル位置、速度比に応じてトルク容量係数を設定するためのマップである。 発進時の変速比から補正係数kを設定するためのテーブルである。 発進時の前進クラッチの発熱量を一定にする補正係数kの設定方法を説明するための図である。
符号の説明
1 エンジン
6 前後進切換機構
16 駆動輪
19 ベルト式無段変速機(CVT)
20 前進クラッチ(発進摩擦要素)
21 後進ブレーキ(発進摩擦要素)
40 エンジンコントローラ
41 変速機コントローラ
43 アクセルペダル位置センサ
44 インヒビタスイッチ
45 プライマリ回転速度センサ
46 セカンダリ回転速度センサ

Claims (4)

  1. エンジンと無段変速機の間に発進摩擦要素を備え、発進時には前記発進摩擦要素をエンジン回転速度の上昇に合わせて締結し、車両を停止させる際には前記無段変速機の変速比をLo側に戻す車両の発進摩擦要素制御装置において、
    前記発進摩擦要素の入出力回転速度比に基づき前記発進摩擦要素のトルク容量係数を設定するトルク容量係数設定手段と、
    発進時の前記無段変速機の変速比が最LoよりもHi側にあるときに前記トルク容量係数を増大補正するトルク容量係数補正手段と、
    前記補正後のトルク容量係数と前記エンジン回転速度に基づき前記発進摩擦要素のトルク容量指令値を算出するトルク容量指令値算出手段と、
    前記発進摩擦要素のトルク容量が前記トルク容量指令値となるように前記発進摩擦要素のトルク容量を制御するトルク容量制御手段と、
    を備えたことを特徴とする発進摩擦要素制御装置。
  2. 前記トルク容量係数補正手段は、発進時の前記無段変速機の変速比がHi側になるほど大きな補正係数を設定し、この補正係数を前記トルク容量係数に掛けて前記トルク容量係数を補正することを特徴とする請求項1に記載の発進摩擦要素制御装置。
  3. 前記トルク容量係数補正手段は、発進時の前記無段変速機の変速比に関係なく発進時の前記発進摩擦要素の発熱量が一定になるように、前記補正係数を設定することを特徴とする請求項2に記載の発進摩擦要素制御装置。
  4. 前記トルク容量係数補正手段は、発進時の前記エンジン回転速度がエンスト限界回転速度よりも低くならないように、前記補正係数の上限値を設定することを特徴とする請求項3に記載の発進摩擦要素制御装置。
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