JP2006234043A - 車両の制御装置及びその制御方法 - Google Patents

車両の制御装置及びその制御方法 Download PDF

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広明 尾崎
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Abstract

【課題】 ベルト戻り不良発生時の発進性能を確保することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】 車両の駆動源の駆動状態を制御するHV・ECU19と、エンジン1と車輪との間に設けられるCVT4を制御するCVT・ECU13とを備え、HV・ECU19は、車両の発進時にはエンジン1の駆動力によって発進を行なわせるが、CVT・ECU19によってCVT4の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていない場合には、モータ・ジェネレータ15の駆動力によって車両の発進を行なわせる。通常時には、エンジンの駆動力を用いて発進させることにより駆動力不足を生じさせないようにし、変速比が発進可能変速比まで戻っていない場合にはモータの駆動力によって発進を行なうので、戻り不良の発生時にも駆動力不足の発生を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジン及び電動モータを車両走行時の動力源として備える車両の制御装置に関する。特に、変速機にCVT(Continuously Variable Transmission)などの無段変速機を使用した車両の制御装置に関する。
燃料の燃焼により作動させられて前後輪の一方を回転駆動するエンジンと、蓄積装置に備えられた電気エネルギにより動作させられて前後輪の他方を回転駆動するとともに、回生時に電気エネルギの回収を行なうモータ・ジェネレータとを有するハイブリッド車両が知られている。
このようなハイブリッド車両では、エンジンの駆動力によって走行するモード(以下、ENGモードという)と、エンジンを停止し、モータ・ジェネレータの駆動力のみで車両を走行させるモード(以下、EVモードという)と、エンジンを停止し、モータ・ジェネレータにより電気エネルギを回収する走行モード(以下、回生モードという)とが可能なものがある。
また、車両において、変速比を無段階に調整するベルト式無段変速機(以下、CVTという)が搭載されることがある。CVTは、エンジン出力を効率的に引き出すことが可能であって、燃費及び走行性能の向上に優れている。
CVTは、入力軸に連結されたプライマリプーリと出力軸に連結されたセカンダリプーリとの間にベルトを掛け回し、各プーリのシリンダに油圧を給排することで、プライマリプーリ及びセカンダリプーリの各溝幅を相対的に変化させて変速させている。そして、このようなCVTを有する車両では、ドライバが操作するアクセル開度と車両の速度とに基づいて、車両が必要とする要求出力が設定され、この要求出力が発揮されるようにCVTの変速比が設定される。
このような構成のCVTでは、ベルトが回転している時だけしか変速比を変えることができないので、急ブレーキによって急減速し、停止した場合に以下のような問題が発生する。急減速によってCVTの変速比が最大値(すなわちLowの状態)に戻りきらなかった場合(ベルト戻り不良)、発進時の駆動力が不足し、車両を再発進させることができない。
特許文献1では、急ブレーキ時に、CVTの変速比を最大変速比(Low)まで戻すための技術を開示している。
特開平6−109121号公報
エンジンとモータ・ジェネレータとを有するハイブリッド車両においては、無段変速機の変速比を最大変速比(Low)まで戻しきる必要はないが、変速比が高すぎると、発進時の駆動力を確保することができず、円滑な再発進を行なうことができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ベルト戻り不良発生時の発進性能を確保することができる車両の制御装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明の車両の制御装置は、車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御装置であって、前記車両の駆動源の駆動状態を制御するHV制御手段と、前記エンジンと車輪との間に設けられる無段変速機を制御する無段変速機制御手段とを備え、前記HV制御手段は、前記車両の発進時には前記エンジンの駆動力によって発進を行なわせるが、前記無段変速機制御手段によって前記無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていない場合には、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせるように構成している。このように本発明は、通常時には、エンジンの駆動力を用いて発進させることにより駆動力不足を生じさせないようにし、変速比が発進可能変速比まで戻っていない場合にはモータの駆動力によって発進を行なうので、戻り不良の発生時にも駆動力不足の発生を防止することができる。従って、円滑な再発進を可能とし、乗員に違和感を与えることがない。
上記車両の制御装置において、前記無段変速機制御手段は、前記HV制御手段によって車両の走行中に前記エンジンが停止された場合に、前記エンジンと前記無段変速機との間に設けられたクラッチを解放すると共に、前記無段変速機の変速比を前記発進可能変速比よりも小さい状態に制御するとよい。走行中に、変速比が大きい状態でクラッチをつなぐとエンジンの吹き上がりなどによってエンジン故障の原因となるため、エンジンの変速比を小さい状態に制御して、エンジンの故障を防ぎ、安全性を高めるようにしている。このような制御を行なっている場合には、エンジンが停止しているので変速比やクラッチ制御を行なうための油圧を機械式オイルポンプではなく出力の弱い電動式オイルポンプで供給するため、車両が急停車された場合に、変速比を発進可能変速比よりも大きい状態に制御できないケースが増えるケースが増える可能性がある。よって本発明はこのような制御を行なっている車両に適用すると特に有効である。
本発明は、車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御装置であって、前記車両の駆動源の駆動状態を制御するHV制御手段と、前記エンジンと車輪との間に設けられる無段変速機を制御する無段変速機制御手段とを備え、前記HV制御手段は、前記車両の発進時には前記エンジンの駆動力及び前記モータの駆動力によって発進を行なわせるが、前記無段変速機制御手段によって前記無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていない場合には、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせると共に、前記モータの駆動力が大きくなるように制御する構成を備えている。このように本発明は、通常時には、エンジンとモータの駆動力を用いて発進させることにより駆動力不足を生じさせないようにし、変速比が発進可能変速比まで戻っていない場合にはモータの駆動力によって発進を行なうので、戻り不良の発生時にも駆動力不足の発生を防止することができる。従って、円滑な再発進を可能とし、乗員に違和感を与えることがない。
本発明は、車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御装置であって、前記車両の駆動源の駆動状態を制御するHV制御手段を備え、前記HV制御手段は、前記車両の発進時には前記エンジンの駆動力によって発進を行なわせるが、前記エンジンと車輪との間に設けられた無段変速機の変速比が所定の変速比よりも大きい状態になっていない場合には、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせる構成を備えている。このように本発明は、通常時には、エンジンの駆動力を用いて発進させることにより駆動力不足を生じさせないようにし、変速比が発進可能変速比まで戻っていない場合にはモータの駆動力によって発進を行なうので、戻り不良の発生時にも駆動力不足の発生を防止することができる。従って、円滑な再発進を可能とし、乗員に違和感を与えることがない。
上記車両の制御装置において、前記無段変速機制御手段は、前記無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できない場合には、前記エンジンと前記無段変速機との間に設けられたクラッチの係合を禁止し、エンジンを制御するエンジン制御手段は、前記クラッチを解放したままで前記エンジンを始動させるとよい。このようにクラッチを解放したままでエンジンを始動させることにより、油圧を確保し、無段変速機のベルト戻り不良を解消させることができる。
上記車両の制御装置において、前記エンジンの始動から前記クラッチが再係合されるまでの間、前記エンジンのアイドル回転数が所定値となるように制御するエンジン制御手段を有するとよい。エンジンのアイドル回転数を所定値に保つことで油圧を安定的に確保し、無段変速機のベルト戻り不良を早急に解消することができる。
上記車両の制御装置において、前記無段変速機制御手段は、アクセルペダル開度センサによって検出したアクセルペダル開度、又は車速センサの検出した車速に応じて、前記クラッチを再係合させる変速比を変更するとよい。車速に応じた最適な変速比でクラッチを再係合させることができる。
上記車両の制御装置において、前記エンジン制御手段は、前記無段変速機制御手段による前記クラッチの再係合時に、前記エンジンの回転数が前記無段変速機の現在の入力軸回転数または目標の入力軸回転数と一致しないように前記エンジンを制御するとよい。クラッチの再係合時に、エンジンの回転数が無段変速機の現在の入力軸回転数または目標の入力軸回転数と一致しないようにエンジンを制御するので、クラッチの再係合をスムーズに行なうことができる。
上記車両の制御装置において、前記エンジン制御手段は、前記クラッチの再係合時に、前記無段変速機の現在の変速比、又は目標変速比に応じて、前記エンジンのアイドル回転数を変更するとよい。従って、エンジンの回転数が無段変速機の入力軸回転数と異なるように制御することができ、クラッチの再係合をスムーズに行なうことができる。
上記車両の制御装置において、前記エンジン制御手段は、前記クラッチの再係合時に、前記車両の速度に応じて、前記エンジンのアイドル回転数を変更するとよい。従って、エンジンの回転数が無段変速機の入力軸回転数と異なるように制御することができ、クラッチの再係合をスムーズに行なうことができる。
上記車両の制御装置において、前記HV制御手段は、前記クラッチ係合の進行度に応じて前記モータの駆動力を低下させるとよい。エンジン駆動力の発生によって駆動力に急激な変化が生じないようにし、ドライバに違和感を与えないようにすることができる。
上記車両の制御装置において、前記HV制御手段は、前記車両が急停止状態となる可能性があると判定した場合に、前記エンジンを駆動させるとよい。車両が急停止状態となる可能性があると判定した場合に、エンジンを駆動させて油圧を確保し、ベルト戻り不良の発生を防止することができる。
上記車両の制御装置において、前記無段変速機制御手段は、前記エンジンの始動から車両が完全停止するまでの間に、前記無段変速機の備えるセカンダリプーリの圧力を所定量増加させるとよい。セカンダリプーリの圧力を所定量増加させることで、セカンダリプーリの押し付け圧力をプライマリプーリに対して高めることができ、セカンダリプーリ側でダウンシフトすることができる。
上記車両の制御装置において、前記無段変速機制御手段は、前記無段変速機の変速比が所定値よりも大きくなった場合に、前記セカンダリプーリへの圧力の増加を停止するとよい。従って、不必要にセカンダリプーリに圧力をかけることがない。
本発明は、車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御方法であって、前記車両の発進時に、前記エンジンの駆動力によって発進を行なわせるステップと、前記エンジンと車輪との間に設けられる無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていない場合に、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせるステップとを有している。このように本発明は、通常時には、エンジンの駆動力を用いて発進させることにより駆動力不足を生じさせないようにし、変速比が発進可能変速比まで戻っていない場合にはモータの駆動力によって発進を行なうので、戻り不良の発生時にも駆動力不足の発生を防止することができる。従って、円滑な再発進を可能とし、乗員に違和感を与えることがない。
本発明は、車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御方法であって、前記車両の発進時に、前記エンジンの駆動力及び前記モータの駆動力によって発進を行なわせるステップと、前記エンジンと車輪との間に設けられる無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できない場合に、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせるステップとを有している。このように本発明は、通常時には、エンジンとモータの駆動力を用いて発進させることにより駆動力不足を生じさせないようにし、変速比が発進可能変速比まで戻っていない場合にはモータの駆動力によって発進を行なうので、戻り不良の発生時にも駆動力不足の発生を防止することができる。従って、円滑な再発進を可能とし、乗員に違和感を与えることがない。
本発明は、ベルト戻り不良発生時の発進性能を確保することができる。
添付図面を参照しながら本発明の最良の実施例を説明する。
まず、図1を参照しながら本実施例の構成を説明する。図1は、本発明の車両の制御装置を適用するハイブリッド車両の全体構成を示す図であり、エンジン1はトルクコンバータ2、前後進クラッチ3、CVT4、ギア9を介してフロント駆動輪8を駆動し、モータ・ジェネレータ(以下、M・Gとも表記する)15はリア駆動輪16を駆動する。
トルクコンバータ2、前後進クラッチ3及びCVT4にはCVT・ECU13により制御される油圧制御装置10が付設されている。この油圧制御装置10にはエンジン1により駆動される機械式オイルポンプ11と、エンジン停止時に油圧を供給する電動オイルポンプ12とが接続される。これらのオイルポンプ11、12がトルクコンバータ2、前後進クラッチ3、CVT4の作動用のライン圧を生成する。電動オイルポンプ12を備えることにより、エンジン1の停止状態でも前後進クラッチ3の係合等を行なうことができる。
機械式オイルポンプ11はエンジン1の出力軸に連結されており、エンジン1の駆動力によって作動する。機械式オイルポンプ11は、エンジン1の回転数が所定値を超えないと、油圧を安定して供給することができない。
電動オイルポンプ12は、エンジン1が停止していて、機械式オイルポンプ11を作動できないときに作動するように制御される。すなわち、CVT・ECU13からエンジン停止指令信号を受けると、油圧制御装置10は、電動オイルポンプ12を始動し、その後、所定の条件で電動オイルポンプ12を停止する。また、電動オイルポンプ12は、エンジン1が始動し、機械式オイルポンプ11の作動圧が加わり、ライン圧が閾値以上になった場合に停止する。
油圧制御装置10は、電磁切換弁やリニアソレノイドバルブ等を備えており、それらのソレノイドを制御し、油路を切り替えたり、油圧を制御することで、CVT4の変速比の切り換えや前後進クラッチ3の係合・解放を行なう。
トルクコンバータ2はロックアップクラッチを備えると共に、タービン翼車が前後進クラッチ3の入力軸に接続され、油圧制御装置10からの油圧PLUによりロックアップクラッチの係合・解放を行なう。このトルクコンバータ2の出力軸に、前後進の切り換え及び駆動量の伝達を切断し、ニュートラル状態を形成することが可能な前後進クラッチ3が接続され、油圧制御装置10からの油圧PC1により前後進クラッチ3の係合・解放が行なわれる。
また、前後進クラッチ3の出力軸に接続されたCVT4は、プライマリプーリ5と、セカンダリプーリ6とに駆動ベルト7が掛け渡された構成を備え、入力軸に入力された回転が同軸一体のプライマリプーリ5から駆動ベルト7を介してセカンダリプーリ6に伝達され、出力軸に出力されるようになっている。そして、油圧制御装置10からの油圧PINをプライマリプーリ5のシリンダに給排することによりプーリの溝幅を変更して所定の変速比を得ることができ、その時点の車速やアクセル開度などの走行状態に基づいて決定される変速比に設定される。また、セカンダリプーリ6のシリンダには油圧制御装置10からのベルトクランプ力の調整用油圧POUTが給排される。
モータ・ジェネレータ15は、インバータ20を介してHV(ハイブリッド)バッテリ17に接続され、HVバッテリ17から電気エネルギが供給されて所定のトルクで回転駆動される状態(EVモード)と、回生制御により発電機として機能することによりHVバッテリ17に電気エネルギを充電する状態(回生モード)と、モータ軸が自由回転することを許容する無負荷状態(フリー)とに切り換えられる。回生モードでは、モータ・ジェネレータ15を強制的に回転させるトルクが制動トルクとなり、いわゆるエンジンブレーキを効かせることができる。この場合、出力軸とエンジン1との間のトルクの伝達を遮断することにより、エンジン1を連れまわすことがなく、従って、動力の損失を最小限に抑えて効率よくエネルギ回生を行なうことができる。
インバータ20は、HVバッテリ17の直流とモータジェネレータの交流の変換を行う電力変換装置であり、DCDCコンバータ21(変圧器)や、その他の各種インバータ22を備えている。インバータ20は、HVバッテリ17からの高電圧直流電流を3相交流電流に変換してモータ・ジェネレータ15に供給するとともに、発電モータ・ジェネレータ23からの3相交流電流を直流電流に変換してHVバッテリ17の充電を行なう。また、HVバッテリ17からの高電圧直流電流は、DCDCコンバータ21(変圧器)により低電圧直流電流に変換されて、補機バッテリ25へ入力される。これにより、補機バッテリ25の充電が行われる。補機バッテリ25は、図示されていない前照灯、ワイパ等の補機に電力を供給する。
またエンジン1には、インバータ20を介してHVバッテリ17の充電を行なう発電モータ・ジェネレータ23と、補機バッテリ充電用の発電機(以下、オルタネータと呼ぶ)24とが接続されている。
また、この車両の制御装置として、ハイブリッドシステム電子装置(以下、HV・ECUという)19、エンジン1を制御するエンジン電子制御装置(以下、エンジン・ECUという)26、CVT4を制御するCVT電子制御装置(以下、CVT・ECU)13、ABSの作動状態を制御するスキッド電子制御装置(以下、スキッド・ECU)14、HV(ハイブリッド)バッテリ17を制御するバッテリ電子制御装置(以下、バッテリ・ECU)18をそれぞれ備えている。HV・ECU19は、ハイブリッド車両全体の制御を行い、ハイブリッド車両を最適な状態で走行できるように制御する。HV・ECU19とその他のECUとは、相互に情報の交換を行いつつ動作している。なお、各ECUには、各種センサからの情報が提供され、各制御に利用されている。例えば、スキッド・ECU14は、駆動輪に取り付けられたセンサによって駆動輪のロック状態を検出可能となっている。
なお、各ECU間は、通信によって信号が送受信される。また、各ECUは、制御対象の装置を電気信号によって制御する。例えば、CVT・ECU13は、油圧制御装置10の油路を電気信号によって切り換える。また、エンジン・ECU26は、エンジン1を電気信号によって制御する。
図2に、CVT・ECU13と、このCVT・ECU13に接続された各種センサを示す。CVT・ECU13は、マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行なうことにより、CVT4の変速制御や挟圧制御を行なうものである。
図2に示すようにCVT・ECU13には、シフトポジションを検出するシフトポジションセンサ31、トルクコンバータ2のタービン回転速度を検出するタービン回転速度センサ32、アクセルペダルの開度を検出するアクセル操作量センサ33、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサ34、出力軸62の回転速度Noutを検出する出力軸回転速度センサ35、入力軸61の回転速度Ninを検出する入力軸回転速度センサ36、CVT4に供給される油の油温を検出する油温センサ37、セカンダリプーリ6の油圧POUT、すなわち実際のベルト挟圧力を検出する圧力センサ38、ライン圧を測定する油圧センサ39、セカンダリプーリ6の油圧POUTを制御し、ベルト挟圧力を制御するための挟圧力制御弁40、プライマリプーリ5の油圧を制御し、CVT4の変速比を制御するための変速制御弁41、ドライブシャフトに取り付けられ、車速を検出する車速センサ42、ブレーキシリンダのシリンダ圧を検出するブレーキ圧センサ43などが接続されている。
図3は、CVT4を制御するための油圧制御装置10の構成を示す図であり、CVT・ECU13は、油圧制御装置10に備えられたDUTYソレノイドDS1及びDS2にDUTY指令を行なうことでCVT4の変速比を制御する。油圧制御装置10は、エンジン1の駆動時には機械式オイルポンプ11からの油圧供給を受ける。またモータ・ジェネレータ15の駆動時には、電動オイルポンプ12からの油圧供給を受ける。機械式オイルポンプ11又は電動オイルポンプ12からの油圧は、ライン圧バルブ54に導かれ、ソレノイドバルブSLSによって調圧されてライン圧(元圧)としてアップシフト用バルブ51、ベルト挟圧バルブ53に出力される。図3において、DUTYソレノイドDS1を駆動すると、アップシフト(増速変速)用油圧バルブ51が駆動されてプライマリプーリ5に作動油が供給され、プライマリ油室に作動油が充満し、プーリの溝幅が狭められることにより、駆動ベルト7の掛径が変化し、結果としてアップシフト(増速変速)する。
一方、DUTYソレノイドDS2を駆動すると、ダウトシフト(減速変速)用油圧バルブ52が駆動されてプライマリプーリ油室内の作動油が排出され、プーリの溝幅が広がることにより、駆動ベルト7の掛径が変化し、結果としてダウンシフト(減速変速)する。また、セカンダリプーリ6のセカンダリプーリ油室にはセカンダリプーリ6が挟む駆動ベルト7をクランプするためのセカンダリプーリ圧POUTが供給されている。この油圧POUTは、ベルト挟圧バルブ53を切り換えるソレノイドバルブSLSの制御によって調圧される。
CVT4を備えた車両において、車両が急停車した場合、CVT4の変速比が最ロー変速比まで戻りきらない、いわゆるベルト戻り不良が発生する。このような場合、変速比が小さいままなので発進時の駆動力を確保することができなかった。そこで、本実施例では、急停車等によって、停止時にCVT4の変速比が発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていない場合に、再スタート時にはモータ・ジェネレータ15の駆動力によって発進する。CVT・ECU13は車両の停止時に、CVT4の変速比が発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていないことを検出すると、その旨をHV・ECU19に通知する。HV・ECU19は、CVT・ECU13からの通知を受けると、再スタート時にモータ・ジェネレータ15の駆動力で発進するように各部を制御する。このようにして、CVT4の変速比が発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていなくても、発進時の駆動力を確保することができる。
また本実施例は、CVT4のベルト戻り不良を早急に解消させるために、前後進クラッチ3を解放状態にしたままでエンジン1を始動させる。CVT4は、ベルトが回転していないと変速比を変更することができないので、前後進クラッチ3を解放状態にしたままでエンジン1を始動させ、ベルト戻り不良を解消する。また、ハイブリッド車両にはモータ・ジェネレータ15の駆動時に使用する電動オイルポンプ12が備えられているが、電動オイルポンプ12では高い油圧を確保することができない。このため、CVT4のベルト戻り不良を解消するのに十分な油圧を確保することができない。そこで、エンジン1を前後進クラッチ3につながない状態で始動させ、エンジン1の回転数を通常よりも高い目標アイドル回転数となるように制御する。これにより、機械式オイルポンプ11からの油圧を確保してベルト戻り不良を早急に解消することができる。CVT・ECU13は、CVT4の変速比が発進可能変速比よりも小さい状態にあることを検出すると、CVT4の前後進クラッチ3を解放状態にしたまま維持する。この状態でHV・ECU19、エンジン・ECU26の制御によってエンジン1を始動させることで、ベルト戻り不良を早急に解消させる。なお、目標アイドル回転数は、機械式オイルポンプ11で一定の油圧を確保できる回転数である。この目標アイドル回転数は、油温センサ37によって測定された油温に応じて変更できるようにするとよい。油温によってオイルの特性が変化するため、CVT・ECU13は、油温に応じてエンジン1の目標回転数を変更し、エンジン・ECU26に通知する。
さらに、車両がモータ・ジェネレータ15の駆動力でスタートした後に、前後進クラッチ3の再係合を行なって、エンジン1を車両の駆動に使用する場合には、CVT・ECU13は、アクセルペダル開度や車速に応じて前後進クラッチ3を再係合させる変速比を決定する。CVT・ECU13には、アクセルペダル開度や車速に応じて、前後進クラッチ3の再係合を許可する変速比を記録したマップが登録されている。CVT・ECU13は、このマップを参照して、アクセルペダル開度や車速に応じた変速比で前後進クラッチ3の再係合を行なう。
本実施例のCVT・ECU13の制御手順を図4に示すフローチャート及び図5を参照しながら説明する。
CVT・ECU13は、車両の急減速を検出すると(ステップS1/YES)、CVT4の変速比が発進可能変速比よりも大きい状態になっているか否かを確認する(以下では、発進可能変速比を最ロー変速比として説明を行なう)。急減速の検出方法として、図5のA点に示すようにブレーキシリンダのシリンダ圧が所定値以上になることで、車両の急減速(B点)を検出ことができる。この他の検出方法として、車両の減速度が所定値以上であることを加速度センサで検出した場合、ABSの作動状態、駆動輪の回転数を検出するセンサからの信号が出力されなくなり、駆動輪がロックされたことを検出した場合などが挙げられる。このようなセンサによって車両の急減速を検出すると、CVT4の変速比が最ロー変速比になっているか否かを確認する。最ロー変速比になっている場合には(ステップS2/YES)、そのまま特別な処理は行なわずに、通常通り、エンジン1による再発進を行なう。また、図5のC点に示すようにCVT4の変速比が最ロー変速比になっていない場合には(ステップS2/NO)、再発進時に(ステップS3/YES)、前後進クラッチ3のエンジン1への係合を禁止する(ステップS4)。
車両が一端停止してからアクセルペダルが踏み込まれると(図5のD点)、モータ・ジェネレータ15からの駆動力によって車両が再スタートする(図5のE点)。車両発進時と同時に、エンジン・ECU26によりエンジンを始動させる。このとき前後進クラッチ3は切り離したままである。
次に、CVT・ECU13は、油温センサ37によって測定された油温を入力して(ステップS5)、この油温に基づいてエンジン目標回転数を算出する。機械式オイルポンプ11が所定の油圧を供給できる、油温に応じたエンジン目標回転数がCVT・ECU13のメモリに記録されている。CVT・ECU13は、目標エンジン回転数をエンジン・ECU26に通知し、エンジン・ECU26はエンジン1の回転数がこの回転数となるようにエンジン1を制御する(図5に示すF点)。エンジン1が回転駆動されることで機械式オイルポンプ11からの油圧が供給され、CVT4の変速比が大きくなるように制御される(図5のG点)。
次に、CVT・ECU13は、出力軸回転速度センサ35で測定した車速、又はアクセル操作量センサ33で検出したアクセルペダル開度が、予め設定した設定値となっているか否かを判定する(ステップS7)。予め決められた設定値となっていた場合には(ステップS7/YES)、前後進クラッチ3の再係合を開始し、クラッチ圧を徐々に高めてエンジン1と前後進クラッチ3とが係合する(図5に示すH点)。このようにして本実施例では、急停車後の駆動力を確保し、円滑な再発進を行なうことができる。
なお、車両の走行中にエンジン1が停止させられた場合には、CVT・ECU13は、前後進クラッチ3を解放すると共に、CVT4の変速比を発進可能変速比よりも小さい状態(ハイギア)に制御するとよい。走行中に、変速比が大きい状態でクラッチをつなぐとエンジンの吹き上がりなどによってエンジン故障の原因となるため、エンジンの変速比を小さい状態に制御しておくことで、エンジンの故障を防ぎ、安全性を高めることができる。
また、上述した実施例では、ベルト戻り不良が発生していない通常時にはエンジン1でスタートし、ベルト戻り不良によりCVT4の変速比が高変速比の時にはモータ・ジェネレータ15の駆動力によってスタートする場合を例に説明しているが、ハイブリッド車両のスタートモードには、図6に示すように複数のモードがある。モード1は、上述した実施例のように通常時にはエンジンの駆動力でスタートし、ベルト戻り不良時にはモータ・ジェネレータ15の駆動力でスタートする。例えば、モータ・ジェネレータ15の発生する駆動力が小さい場合(モータ・ジェネレータ15の性能が低い場合)に、通常時にはエンジン1の駆動力によって発進することで、駆動力不足が生じないようにすることができる。また、変速比が小さい状態に戻っていない場合にモータ・ジェネレータ15の駆動力によって発進することで、最低限発進は可能にする。このとき、HV・ECU19は、モータ・ジェネレータ15の駆動力が最大限大きくなるように制御することで、駆動力不足により乗員に違和感を感じさせてしまうことがない。
モード2では、通常時にはエンジン1の駆動力でスタートし、ベルト戻り不良時にはエンジン1とモータ・ジェネレータ15の駆動力でスタートする。ベルト戻り不良によりCVT4の変速比が小さい状態になっているので、エンジン1の駆動力不足をモータ・ジェネレータ15の駆動力で補う。これにより、駆動力不足により乗員に違和感を感じさせてしまうことがない。
モード3では、通常時にはエンジン1とモータ・ジェネレータ15の駆動力でスタートし、ベルト戻り不良時にはモータ・ジェネレータ15の駆動力でスタートする。モード4では、通常時にはエンジンとモータ・ジェネレータ15の駆動力でスタートし、ベルト戻り不良時にもエンジン1とモータ・ジェネレータ15の駆動力でスタートする。モード3、4では、通常モード時でもエンジン1とモータ・ジェネレータ15の両方の駆動力を使用してスタートするので、通常時に駆動力不足を生じさせることがない。また、ベルト戻り不良発生時にもエンジン1とモータ・ジェネレータ15の駆動力でスタートするので、エンジン1の駆動力不足をモータ・ジェネレータ15で補うことができる。
本実施例では、前後進クラッチ3の再係合時に、エンジン回転数とプライマリプーリ5の回転数とが一致しないようにエンジン回転数を制御する。エンジン回転数がプライマリプーリ5の回転数に一致してしまうと、CVT・ECU13でクラッチ係合状態の判定が困難となり、円滑なクラッチ係合が行なわれなくなる。
本実施例のCVT・ECU13の制御手順を図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。CVT・ECU13は、入力軸回転速度センサ36でプライマリプーリ5の実回転数を測定し(ステップS11)、エンジン回転速度センサ34でエンジンの回転数を測定する(ステップS12)。これらの値を比較し、エンジン回転数とプライマリプーリ5の回転数(入力軸61の回転数)との差が所定範囲にない場合には(ステップS13/NO)、エンジン・ECU26によりエンジン回転数を調整する(ステップS14)。例えば、エンジン回転数が、プライマリプーリ5の回転数に対して±100回転程度の回転数となるように制御される。
この他に、CVT4の目標変速比や実変速比からプライマリプーリ5の目標回転数を割り出し、エンジン回転数がこのプライマリプーリ5の回転数(入力軸61の回転数)に一致しないように制御することもできる。図8に示すフローチャートを参照しながらこのときのCVT・ECU13の制御手順を説明する。CVT・ECU13は、エンジン回転速度センサ34でエンジン回転数を測定する(ステップS21)。次に、CVT4の目標変速比からプリマリプーリ5の目標回転数を割り出す(ステップS22)。割り出したプライマリプーリ5の目標回転数とエンジン1の回転数との差が所定範囲となるように目標エンジン回転数をエンジン・ECU26に指示する(ステップS23)。エンジン・ECU26は、指示された目標回転数となるようにエンジン1の回転数を制御する。
さらに、出力軸回転速度センサ35で測定した車速(プライマリプーリ回転数)と、現在の変速比からプライマリプーリ5の回転数を求め、エンジン回転数と、プライマリプーリ5の回転数との差が所定範囲となるようにエンジン回転数を制御することもできる。
本実施例では、実測により求めたCVT4の変速比と目標とする変速比との偏差によって、フィードバック制御を行なう。このとき、通常時と、ベルト戻り不良を解消するためのベルト戻し制御時とで、フィードバック制御に使用するフィードバック係数を違うものを使用する。ベルト戻り不良発生時には、できるだけ早くベルトを戻し、目標の変速比となるようにしたいので、フィードバック係数を通常時よりも大きな値のものを使用する。
図9に示すフローチャートを参照しながらCVT・ECU13の制御手順を説明する。CVT・ECU13は、通常のフィードバック制御には(ステップS31/NO)、まず、プライマリプーリ5とセカンダリプーリ6の回転数をセンサ入力する(ステップS32)。次に、各プーリの回転数から求めたCVT4の変速比と、目標の変速比との偏差を求める。この偏差と、通常時の補正係数とから、CVT4の実際の変速比が目標の変速比となるように調整するプライマリプーリ5の油圧調整量を求める(ステップS33)。CVT・ECU13は、油圧調整量を求めると、プライマリプーリ5に供給される油圧が求めた油圧調整量となるように油圧制御装置10を制御する(ステップS34)。油圧制御装置10を制御すると、プライマリプーリ5とセカンダリプーリ6の回転数をセンサ入力し、測定した変速比が目標とする変速比に一致したか否かを判定する(ステップS36)。測定した変速比が目標とする変速比に一致していない場合には(ステップS36/NO)、ステップS33からの処理を繰り返し、測定した変速比を目標変速比に近づける。測定した変速比が目標とする変速比に一致した場合には(ステップS36/YES)、この処理を終了する。
次に、CVT4のベルト戻しのためのフィードバック制御である場合にも(ステップS31/YES)、各プーリの回転数から求めたCVT4の変速比と、目標の変速比との偏差を求める(ステップS38)。この偏差と、ベルト戻しのための補正係数とから、CVT4の実際の変速比が目標の変速比となるように調整するプライマリプーリ5の油圧調整量を求める(ステップS38)。ベルト戻り不良を解消するためのベルト戻し制御時には、できるだけ早くベルトを戻し、目標の変速比となるように制御したいため、補正係数を通常時よりも大きな値のものを使用する。なお、補正係数には、比例ゲインや、積分時間などの係数が含まれる。この後、CVT・ECU13は、プライマリプーリ5に供給される油圧が求めた油圧調整量となるように油圧制御装置10を制御し(ステップS39)、測定した変速比が目標とする変速比に一致したか否かを判定する(ステップS41)。測定した変速比が目標とする変速比に一致していない場合には(ステップS41/NO)、ステップS38からの処理を繰り返し、測定した変速比を目標変速比に近づける。測定した変速比が目標とする変速比に一致した場合には(ステップS41/YES)、この処理を終了する。
本実施例では、クラッチ係合の進行度に応じてリアのモータ・ジェネレータ15の駆動力を低下させ、エンジン1とモータ・ジェネレータ15のトータルでの駆動力のバランスを取る。エンジン1の駆動力とモータ・ジェネレータ15の駆動力とのバランスを取ることで、運転中のドライバに違和感を与えないようにする。前後進クラッチ3の係合の進行度は、以下の式に従って算出される。
Figure 2006234043
トルクコンバータ2の出力軸回転数、すなわちタービン回転数とプライマリプーリ回転数の制御開始時の偏差(Nt−Nin)を分母とし、タービン回転数とプライマリプーリ回転数の現在の偏差(Nt−Nin)の偏差を分子とする値を1から引いて算出する。
図10に示すようにタービンの回転数Ntとプライマリプーリ5の回転数Ninとの差で、クラッチ係合の進行度を判定することができる。また、予めクラッチの係合にかかる時間を測定しておいて、目標の係合時間を分母、係合開始から現在までの経過時間を分子とすることでクラッチ係合度を判定することもできる。さらに、クラッチ係合完了時のクラッチ圧を事前に測定しておいて、この係合完了時のクラッチ圧を分母に、現在のクラッチ圧を分子にとってクラッチ係合度を判定してもよい。
このようにして本実施例では、クラッチ係合の進行度を正確に判定し、進行度に応じてリアのモータ・ジェネレータ15の駆動力を低下させる。エンジン1の駆動力とモータ・ジェネレータ15の駆動力とのバランスを取ることで、運転中のドライバに違和感を与えないようにすることができる。
本実施例は、リアのモータ・ジェネレータ15で走行中に、車両が緊急停止状態となる可能性があると判断した場合に、エンジン1を始動して機械式オイルポンプ11の油圧を油圧制御装置10に供給する。これによってCVT4のベルト戻り不良の発生を防止する。電動オイルポンプ12では、高い油圧を確保することができないので、エンジン1を始動して機械式オイルポンプ11の油圧を使用して、CVT変速比を最ロー状態に戻す。
緊急停止を判定する方法として、加速度センサによって測定した車両の減速度が所定値よりも大きい場合、セカンダリプーリ6の回転数や、車速の微分値が所定値よりも大きい場合、ブレーキのシリンダ圧が所定値以上となった場合、ABSが作動した場合や、駆動輪のロック状態を検知した場合などが挙げられる。
通常、CVT4の変速は、ベルト滑りが発生しないようにセカンダリプーリ6には所定の油圧をかけてベルトを絞め、プライマリプーリ5の作動油を抜くことで変速を行なっている。ここでは、CVT4の変速を早く完了させるため、セカンダリプーリ6の圧力を通常時よりも所定量増加させる。これによりセカンダリプーリ6の押し付け圧力をプライマリプーリ5に対して高め、セカンダリプーリ6側でダウンシフトさせる。なお、このような制御によってCVT4の変速比が所定の変速比以上になった場合にはセカンダリプーリ6の圧力を増加させる制御は終了する。
本実施例の動作手順を図11に示すフローチャートと、図12を参照しながら説明する。CVT・ECU13は、ブレーキ圧センサ43によって測定したブレーキ圧から車両の急減速を検出すると(ステップS51)(図12に示すA、B点)、エンジン・ECU26にエンジン1の駆動を指示する。エンジン・ECU26は、CVT・ECU13の指示に従って、エンジン1を駆動する(図12に示すC点)。次に、CVT・ECU13は、セカンダリプーリ6の圧力を通常時よりも所定量増加させる(ステップS53)(図12に示すE点)。これによりセカンダリプーリ6の押し付け圧力をプライマリプーリ5に対して高め、セカンダリプーリ6側でダウンシフトさせる(図12に示すD点)。その後、CVT・ECU13は、入力軸回転速度センサ36で測定したプライマリプーリ5の回転数と、出力軸回転速度センサ35で測定したセカンダリプーリ6の回転数とからCVT4の変速比を求める。CVT4の変速比が最大となった場合には(ステップS54/YES)(図12に示すF点)、セカンダリプーリ6に対する圧力増量を終了させる(ステップS55)(図12に示すG点)。
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
車両の制御装置が搭載されるハイブリッド車両の構成を示す図である。 CVT・ECU13と各種センサとの接続構成を示す図である。 油圧制御装置10の構成を示す図である。 CVT・ECU13の制御手順を示すフローチャートである。 急停止から再発進までの状態を示す図である。 通常発進時と高変速比発進時に使用する駆動源をモードごとに示す図である。 エンジンの再係合時の手順を示すフローチャートである。 エンジンの再係合時の手順を示すフローチャートである。 CVTの変速比のフィードバック制御時の手順を示すフローチャートである。 クラッチ係合の進行度を説明するための図である。 車両の急停止時の動作手順を示すフローチャートである。 急停止時の状態を示す図である。
符号の説明
1 エンジン 2 トルクコンバータ
3 前後進クラッチ 4 CVT
5 プライマリプーリ 6 セカンダリプーリ
7 駆動ベルト 8 駆動輪(フロント)
9 ギア 10 油圧制御装置
11 機械式オイルポンプ 12 電動オイルポンプ
13 CVT・ECU 14 スキッド・ECU
15 モータ・ジェネレータ 16 駆動輪(リア)
17 HVバッテリ 18 バッテリECU
19 HV・ECU 20 インバータ
21 DCDCコンバータ 23 発電モータ・ジェネレータ
24 オルタネータ 25 補機バッテリ
26 エンジン・ECU 31 シフトポジションセンサ
32 タービン回転速度センサ 33 アクセル操作量センサ
34 エンジン回転速度センサ 35 出力軸回転速度センサ
36 入力軸回転速度センサ 37 油温センサ
38 圧力センサ 39 油圧センサ
40 挟圧力制御弁 41 変速制御弁
42 車速センサ 43 ブレーキ圧センサ
51 アップシフト用バルブ 52 ダウンシフト用油圧バルブ
53 ベルト挟圧バルブ 54 ライン圧バルブ

Claims (16)

  1. 車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御装置であって、
    前記車両の駆動源の駆動状態を制御するHV制御手段と、
    前記エンジンと車輪との間に設けられる無段変速機を制御する無段変速機制御手段とを備え、
    前記HV制御手段は、前記車両の発進時には前記エンジンの駆動力によって発進を行なわせるが、前記無段変速機制御手段によって前記無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていない場合には、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記無段変速機制御手段は、前記HV制御手段によって車両の走行中に前記エンジンが停止された場合に、前記エンジンと前記無段変速機との間に設けられたクラッチを解放すると共に、前記無段変速機の変速比を前記発進可能変速比よりも小さい状態に制御することを特徴とする車両の制御装置。
  3. 車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御装置であって、
    前記車両の駆動源の駆動状態を制御するHV制御手段と、
    前記エンジンと車輪との間に設けられる無段変速機を制御する無段変速機制御手段とを備え、
    前記HV制御手段は、前記車両の発進時には前記エンジンの駆動力及び前記モータの駆動力によって発進を行なわせるが、前記無段変速機制御手段によって前記無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できていない場合には、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせると共に、前記モータの駆動力が大きくなるように制御することを特徴とする車両の制御装置。
  4. 車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御装置であって、
    前記車両の駆動源の駆動状態を制御するHV制御手段を備え、
    前記HV制御手段は、前記車両の発進時には前記エンジンの駆動力によって発進を行なわせるが、前記エンジンと車輪との間に設けられた無段変速機の変速比が所定の変速比よりも大きい状態になっていない場合には、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせることを特徴とする車両の制御装置。
  5. 前記無段変速機制御手段は、前記無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できない場合には、前記エンジンと前記無段変速機との間に設けられたクラッチの係合を禁止し、
    前記エンジンを制御するエンジン制御手段は、前記クラッチを解放したままで前記エンジンを始動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の車両の制御装置。
  6. 前記エンジンの始動から前記クラッチが再係合されるまでの間、前記エンジンのアイドル回転数が所定値となるように制御するエンジン制御手段を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の車両の制御装置。
  7. 前記無段変速機制御手段は、アクセルペダル開度センサによって検出したアクセルペダル開度、又は車速センサの検出した車速に応じて、前記クラッチを再係合させる変速比を変更することを特徴とする請求項6記載の車両の制御装置。
  8. 前記エンジン制御手段は、前記無段変速機制御手段による前記クラッチの再係合時に、前記エンジンの回転数が前記無段変速機の現在の入力軸回転数または目標の入力軸回転数と一致しないように前記エンジンを制御することを特徴とする請求項6記載の車両の制御装置。
  9. 前記エンジン制御手段は、前記クラッチの再係合時に、前記無段変速機の現在の変速比、又は目標変速比に応じて、前記エンジンのアイドル回転数を変更することを特徴とする請求項6記載の車両の制御装置。
  10. 前記エンジン制御手段は、前記クラッチの再係合時に、前記車両の速度に応じて、前記エンジンのアイドル回転数を変更することを特徴とする請求項6記載の車両の制御装置。
  11. 前記HV制御手段は、前記クラッチ係合の進行度に応じて前記モータの駆動力を低下させることを特徴とする請求項6から10のいずれか1項記載の車両の制御装置。
  12. 前記HV制御手段は、前記車両が急停止状態となる可能性があると判定した場合に、前記エンジンを駆動させることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の車両の制御装置。
  13. 前記無段変速機制御手段は、前記エンジンの始動から車両が完全停止するまでの間に、前記無段変速機の備えるセカンダリプーリの圧力を所定量増加させることを特徴とする請求項12記載の車両の制御装置。
  14. 前記無段変速機制御手段は、前記無段変速機の変速比が所定値よりも大きくなった場合に、前記セカンダリプーリへの圧力の増加を停止することを特徴とする請求項12記載の車両の制御装置。
  15. 車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御方法であって、
    前記車両の発進時に、前記エンジンの駆動力によって発進を行なわせるステップと、
    前記エンジンと車輪との間に設けられる無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できない場合に、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせるステップとを有することを特徴とする車両の制御方法。
  16. 車両の駆動源としてエンジンとモータとを備える車両の制御方法であって、
    前記車両の発進時に、前記エンジンの駆動力及び前記モータの駆動力によって発進を行なわせるステップと、
    前記エンジンと車輪との間に設けられる無段変速機の変速比が所定の発進可能変速比よりも大きい状態に制御できない場合に、前記モータの駆動力によって前記車両の発進を行なわせるステップとを有することを特徴とする車両の制御方法。
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