JP4877003B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
ウェーハをダイシングする工程では、ウェーハの裏面をダイシングテープを介してダイシングリングに固定し、ダイシングリングに固定したウェーハをステージに固定し、ウェーハに形成されている半導体装置同士の間を通過するダイシングラインに沿ってウェーハをダイシングする。
ウェーハの裏面を凍結した氷でステージに固定した状態でウェーハの表面にダイシング用のレーザを照射すると、ウェーハの表裏に大きな温度差が生じ、レーザ照射によってウェーハ表面に形成された初期亀裂が温度差方向に成長する。この結果、精度のよいダイシングが可能となると報告されている。
中削りウェーハ2の裏面を凍結した氷でステージ16に固定する技術を用いても、中削りウェーハ2の中央部の裏面は薄板化されているのでステージ16に固定されない。ダイシングされた半導体装置22が飛散する現象には効果がない。
(1)中削りウェーハを通常に固定して通常にダイシングすると、ダイシングした半導体装置が飛び散ってしまう。
(2)中削りウェーハの表面を固定すると、ダイシングラインが観測しづらくなる。
(3)中削りウェーハの中央部に入り込む形状のステージを別途用意する必要がない。
(4)ダイシングテープを利用して短時間のうちにウェーハを脱着することができる。
本発明の製造方法は、下記の工程を備えている。
(1)ウェーハに、複数個の半導体装置を形成する。
(2)ウェーハの裏面の中央部を研磨することによって、ウェーハの中央部を半導体装置に必要とされる性能が得られる厚みとなるまで薄板化するとともに、周辺部にリング状の厚肉部を残す。
(3)リング状厚肉部で取り囲まれている薄板化された領域のみに凝固性の液体を注入する。
(4)ウェーハと液体を冷却して液体を凝固させる。
(5)ウェーハのリング状の厚肉部の裏面と液体が凝固した凝固物の裏面側の露出面を、ダイシングテープを介してダイシングリングに固定する。
(6)ダイシングリングをステージに固定する。
(7)ダイシングリングに固定されたウェーハを、隣接する半導体装置の間を通過するダイシングラインに沿ってダイシングする。
上記の(5)の工程では、ウェーハのリング状の厚肉部の裏面と、液体が凝固した凝固物の裏面側の露出面とが同一平面に位置している。
上記の方法によると、ウェーハの裏面をダイシングリングに固定し、ダイシングリングをステージに固定し、ウェーハの表面が露出している状態でダイシングすることができる。ダイシングラインが観測しづらくなることもない。
上記の方法では、薄板化した中央部に注入した液体を凝固させる工程と、凝固した液体を溶融させる工程をダイシング装置外で実施することができる。ダイシング装置では、ダイシングテープを利用して短時間のうちにウェーハを脱着することができる。ダイシング装置の稼働率を低下させることがない。
例えば、凝固性の液体に純水を用いる場合、純水は凝固する際に容積が1.09倍に膨張する。よって薄板化された領域の容積を容積膨張率で除した量、即ち、薄板化された領域の容積の91.75%の純水を注入して凍結させることが好ましい。リング状の厚肉部で取り囲まれている範囲に注入する液体は純水に限られない。他の凝固性の液体を用いることもできる。
尚、リング状の厚肉部の裏面と凝固物の裏面を事後的に同一面に調整することも可能であり、上記の量的関係は好ましいものではあっても、不可欠ではない。
(8)ダイシングテープとダイシングリングにウェーハと凝固物が貼り付いた状態で、ダイシングリングをステージから外す。
(9)分離壁が形成されているスペーサをウェーハに重ね合わせることによって、スペーサに形成されている分離壁をダイシング工程で形成されたダイシング溝に挿入する。
(10)ダイシングテープの凝固物に密着している範囲内に開口を形成する。
(11)ウェーハと凝固物を加熱して凝固物を溶融する。
ダンシングされた半導体装置群は、通常のウェーハ(裏面が平坦なウェーハ)をダイシングしたのと同じ位置関係で整列している。既存のダイピック装置を使用して半導体装置を回収することができる。
(特徴1)リング状の厚肉部の内側に純水を注入する。
(特徴2)その際に、流量計で注入量を測定し、フィードフォワード制御することによって所定量の純水を注入する。
(特徴3)ダイシング後に、ダイシングリングを利用して通常のウェーハと同様にステージから外す。
中削りウェーハ2は、(1)均一な厚みのウェーハの周辺部以外の領域(中央部)に、複数個の半導体装置10a,10b,10c・・を形成する工程と、(2)均一な厚みのウェーハの裏面の中央部を研磨することによって、ウェーハの中央部を、半導体装置10a,10b,10c・・に必要とされる特性が得られる厚みにまで薄板化する工程を経て製造されている。中削りウェーハ2は、中央部に形成されている薄板部4と、その周囲をリング状に取り囲んでいる厚肉部8を備えている。中削りウェーハ2は、薄板部4を底面とし、リング状の厚肉部8を側壁とする窪み6を備えている。以下ではその窪み6を中削り領域6という。薄板部4の周辺部に形成されているリング状の厚肉部8は厚肉であって機械的強度が高く、薄板部4の板厚を非常に薄くしても、中削りウェーハ2が破壊されないだけの強度を備えている。
リング状の厚肉部の測定方法は、特定の方法に限られない。ウェーハ2の厚み分布を測定してもよい。あるいは触針式の形状測定装置によってリング状の厚肉部の形状を測定してもよい。
中削り領域6の容積を測定した後、その測定結果に基づいて純水34の量を計算する。純水は凝固して氷になるときに容積が1.09倍に膨張する。中削り領域6の容積を凝固時の膨張率(純水の場合は1.09)で除した量(純水の場合は、中削り領域6の容積の91.75%となる)の純水34を注入して凍結させれば、リング状厚肉部8の裏面8bと、氷36の裏面側の露出面36bの高さが一致し、中削りウェーハ2の裏面2bが平坦化される。
純水を注入する場合には、注入しながら注入量を計測し、計測した注入量に基づいてフィードフォワード制御法を実施し、予め算出しておいた量の純水が注入された時点で注入をとめることが好ましい。
この工程は、ダイシング装置と無関係に実施することができる。ダイシング装置外で純水34を凍結させておいた中削りウェーハ2をダイシング装置にセットすればよいことから、ダイシング装置の使用効率が低下することがない。
中削り領域6に注入する液体は純水に限られない。冷却すると凝固し、加熱すると溶融する液体であればよい。
リング状の厚肉部8の裏面8bと氷36の裏面側の露出面36bは同一平面に位置しているために、両者を全面的に固定することができる。これにより複数の半導体装置10が形成されている薄板部4が、氷36とダイシングテープ14を介してダイシングリング12に固定される。
その後、ダイシングにより形成されたダイシング溝38にスペーサ40をはめ込む。スペーサ40にはダイシング溝38に入り込む分離壁40aが形成されており、中削りウェーハ2にスペーサ40を重ね合わせると、分離壁40aがダイシング溝38に入り込む。
さらにダイシングテープ14のうち、氷36が貼り付いている範囲に開口42を形成する。この状態でウェーハ2と氷36を加熱して約80度まで昇温させる。すると、氷36は溶解して純水34にもどり、開口42から放出44される。ダイシングされている半導体装置22は、スペーサ40の分離壁40aによって案内されて、ダイシングテープ14に直接接触する位置に移動する。ダイシング後の半導体装置22の位置がずれ、半導体装置22同士が接触し、損傷することがない。
2a・・・・中削りウェーハの表面
2b・・・・中削りウェーハの裏面
4・・・・・薄板部
4a・・・・薄板部の表面
4b・・・・薄板部の裏面
6・・・・・中削り領域
8・・・・・リング状の厚肉部
8a・・・・リング状の厚肉部の表面
8b・・・・リング状の厚肉部の裏面
8c・・・・リング状の厚肉部の幅
8d・・・・リング状の厚肉部の高さ
8e・・・・リング状の厚肉部のR形状
10・・・・半導体装置
10a、10b、10c、10d、10e・・・半導体装置
12・・・・ダイシングリング
14・・・・ダイシングテープ
16・・・・ステージ
18・・・・ダイシングブレード
20・・・・冷却水
22・・・・ダイシング後の半導体装置
24・・・・ダイシングラインの計測装置
26・・・・不凍液
32・・・・形状測定装置
34・・・・純水
36・・・・氷
36b・・・氷の裏面
38・・・・ダイシング溝
40・・・・スペーサ
40a・・・スペーサの分離壁
42・・・・開口
44・・・・純水の放出
48・・・・トレー
Claims (4)
- ウェーハをダイシングする工程を経て、複数個の半導体装置を製造する方法であり、
前記ウェーハに、前記複数個の半導体装置を形成する工程と、
前記ウェーハの裏面の中央部を研磨することによって、前記ウェーハの中央部を前記半導体装置に必要な厚みにまで薄板化して周辺部にリング状の厚肉部を残す工程と、
前記リング状の厚肉部で取り囲まれている薄板化された領域のみに凝固性の液体を注入する工程と、
前記ウェーハと前記液体を冷却して前記液体を凝固させる工程と、
前記ウェーハの前記リング状の厚肉部の裏面と前記液体が凝固した凝固物の裏面側の露出面を、ダイシングテープを介してダイシングリングに固定する工程と、
前記ダイシングリングをステージに固定する工程と、
前記ダイシングリングに固定された前記ウェーハを、隣接する半導体装置の間を通過するダイシングラインに沿ってダイシングする工程と、
を備えており、
前記ウェーハを前記ダイシングリングに固定する工程では、前記ウェーハの前記リング状の厚肉部の裏面と、前記液体が凝固した凝固物の裏面側の露出面とが同一平面に位置していることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 液体を注入する工程の前に、前記リング状の厚肉部で取り囲まれている薄板化された領域の容積を特定する工程を備えており、
液体を注入する工程では、前記工程で特定された容積を当該液体の凝固時の容積膨張率で除した量の液体を注入することを特徴とする請求項1の半導体装置の製造方法。 - 前記ダイシング工程では、ダイシングブレードによってダイシングが行われるとともに、前記液体の凝固温度以下の凝固温度を有する不凍液を使用することを特徴とする請求項1又は2の製造方法。
- 前記ダイシング工程後に、
前記ダイシングテープと前記ダイシングリングに前記ウェーハと前記凝固物が貼り付いた状態で、前記ダイシングリングを前記ステージから剥がす工程と、
分離壁が形成されているスペーサを前記ウェーハに重ね合わせることによって、前記スペーサの分離壁を前記ダイシング工程で形成されたダイシング溝に挿入する工程と、
前記ダイシングテープの前記凝固物に密着している範囲内に開口を形成する工程と、
前記ウェーハと前記凝固物を加熱して前記凝固物を溶融する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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