JP4873175B2 - セルロース処理剤及びその製造方法、並びにセルロースの処理方法 - Google Patents
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Description
このような問題を解決する技術として、例えば、ゼオライトの構成成分であるケイ素化合物又はアルミニウム化合物のどちらか一方の水溶液を親水性高分子基材に含浸させ、塩基性物質と他方の水溶液を混合し、これを更に含浸させて、セルロース繊維の内部にゼオライトを担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体が提案されている(特許文献1:特開平10−120923号公報、特許文献2:特開平11−315492号公報)。
しかし、上記技術、特に特許文献1には「ケイ素化合物及びアルミニウム化合物の水溶液は、両者を混合した時点でゲルが生成するために、同時にセルロース基材に含浸はできないが、その他の順序ならば特に制限はない。」と記載されており、少なくとも2回の含浸操作が必要であることから、1回の含浸でケイ素化合物とアルミニウム化合物とをセルロースに付与可能な一液処理剤が望まれていた。
<1>ケイ素化合物とアルミニウム化合物と水酸化ナトリウムが溶解している水溶液であって、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した場合、その合計量として0.90〜2.16質量%が前記水溶液中に溶解していると共に、前記水溶液中における水酸化ナトリウム濃度が10〜25質量%であることを特徴とするシリカ・アルミナ多孔体生成用セルロース処理剤。
<2>ケイ素化合物とアルミニウム化合物と水酸化ナトリウムが溶解している水溶液であって、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した場合、その合計量として0.90〜2.16質量%が前記水溶液中に溶解していると共に、前記水溶液中における水酸化ナトリウム濃度が10〜19質量%であることを特徴とするセルロース系繊維構造物用の<1>記載のセルロース処理剤。
<3>ケイ素化合物がケイ酸ソーダであり、アルミニウム化合物がアルミン酸ソーダであり、シリカ・アルミナ多孔体がゼオライトである<1>又は<2>記載のセルロース処理剤。
<4>アルミニウム化合物の水酸化ナトリウム水溶液とケイ素化合物の水溶液とを、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した場合、その合計量が0.90〜2.16質量%であり、かつ水酸化ナトリウム濃度が10〜25質量%となるように混合することを特徴とする<1>記載のシリカ・アルミナ多孔体生成用セルロース処理剤の製造方法。
<5>アルミニウム化合物の水酸化ナトリウム水溶液と、ケイ素化合物の水溶液とを、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した場合、その合計量が0.90〜2.16質量%であり、かつ水酸化ナトリウム濃度が10〜19質量%となるように混合することを特徴とする<4>記載のセルロース処理剤の製造方法。
<6>ケイ素化合物がケイ酸ソーダであり、アルミニウム化合物がアルミン酸ソーダであり、シリカ・アルミナ多孔体がゼオライトである<4>又は<5>記載のセルロース処理剤の製造方法。
<7>セルロースに<1>記載のセルロース処理剤を含浸させた後、湿熱加熱してセルロース内部でケイ素化合物とアルミニウム化合物とを反応させてシリカ・アルミナ多孔体を生成させることを特徴とするセルロースの処理方法。
<8>セルロース系繊維構造物に<2>記載のセルロース処理剤を含浸させた後、湿熱加熱してセルロース系繊維内部でケイ素化合物とアルミニウム化合物とを反応させてシリカ・アルミナ多孔体を生成させる<7>記載のセルロースの処理方法。
<9>繊維構造物が、織布、不織布又は編物である<8>記載のセルロースの処理方法。
この場合、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した際の酸化ケイ素と酸化アルミニウムが、質量比として1:0.2〜1:2、特に1:0.2〜1:1の割合となるように使用することが好ましい。
表1,2に示す量において、成分(i),(ii),(iii),(iv)を使用し、以下の操作を行った。
1 (i)アルミン酸ソーダ(朝日化学工業(株)製:NA−170)と(iii)苛性ソーダ(日産化学工業(株)製:48質量%水溶液)をマグネティックスターラー(ユニコントロールズ(株)製:MKY−215)で数分間(約5分)撹拌し、アルミン酸ソーダを苛性ソーダ溶液に溶解した。
2 次に、(iv)水で希釈した(ii)1号ケイ酸ソーダ(東曹産業工業(株)製)を撹拌しながら、上記成分(i),(iii)の混合水溶液に添加した。
3 10分間撹拌後、小型マングルを用いて繊維生地(綿100%織物)に加工液を塗布・含浸させた。
4 処理布をビニール袋に入れて密封し、一晩静置した後、85℃に設定した恒温乾燥機中で2時間反応させた。
5 反応後、処理布を袋から取り出し、60℃温水で繰り返し湯洗いした後、吊り干し乾燥させた。
10cm×10cmのゼオライトを生成させた生地(織物)を、100gの2%クエン酸水溶液に3時間浸漬した。その後、生地を水溶液から取り出し乾燥させた後、生地の質量を測定した。生地の浸漬前の質量と浸漬後の質量の差から、ゼオライトの担持量を測定して担持率を算出した。
Claims (9)
- ケイ素化合物とアルミニウム化合物と水酸化ナトリウムが溶解している水溶液であって、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した場合、その合計量として0.90〜2.16質量%が前記水溶液中に溶解していると共に、前記水溶液中における水酸化ナトリウム濃度が10〜25質量%であることを特徴とするシリカ・アルミナ多孔体生成用セルロース処理剤。
- ケイ素化合物とアルミニウム化合物と水酸化ナトリウムが溶解している水溶液であって、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した場合、その合計量として0.90〜2.16質量%が前記水溶液中に溶解していると共に、前記水溶液中における水酸化ナトリウム濃度が10〜19質量%であることを特徴とするセルロース系繊維構造物用の請求項1記載のセルロース処理剤。
- ケイ素化合物がケイ酸ソーダであり、アルミニウム化合物がアルミン酸ソーダであり、シリカ・アルミナ多孔体がゼオライトである請求項1又は2記載のセルロース処理剤。
- アルミニウム化合物の水酸化ナトリウム水溶液とケイ素化合物の水溶液とを、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した場合、その合計量が0.90〜2.16質量%であり、かつ水酸化ナトリウム濃度が10〜25質量%となるように混合することを特徴とする請求項1記載のシリカ・アルミナ多孔体生成用セルロース処理剤の製造方法。
- アルミニウム化合物の水酸化ナトリウム水溶液と、ケイ素化合物の水溶液とを、ケイ素化合物を酸化ケイ素、アルミニウム化合物を酸化アルミニウムにそれぞれ換算した場合、その合計量が0.90〜2.16質量%であり、かつ水酸化ナトリウム濃度が10〜19質量%となるように混合することを特徴とする請求項4記載のセルロース処理剤の製造方法。
- ケイ素化合物がケイ酸ソーダであり、アルミニウム化合物がアルミン酸ソーダであり、シリカ・アルミナ多孔体がゼオライトである請求項4又は5記載のセルロース処理剤の製造方法。
- セルロースに請求項1記載のセルロース処理剤を含浸させた後、湿熱加熱してセルロース内部でケイ素化合物とアルミニウム化合物とを反応させてシリカ・アルミナ多孔体を生成させることを特徴とするセルロースの処理方法。
- セルロース系繊維構造物に請求項2記載のセルロース処理剤を含浸させた後、湿熱加熱してセルロース系繊維内部でケイ素化合物とアルミニウム化合物とを反応させてシリカ・アルミナ多孔体を生成させる請求項7記載のセルロースの処理方法。
- 繊維構造物が、織布、不織布又は編物である請求項8記載のセルロースの処理方法。
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