JP4865155B2 - 液滴量測定方法、液滴量測定装置及びそれを備えたインクジェットプリンタの製造システム - Google Patents
液滴量測定方法、液滴量測定装置及びそれを備えたインクジェットプリンタの製造システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴量測定方法、液滴量測定装置及びそれを備えたインクジェットプリンタの製造システムに関し、特に、インクジェットプリンタより吐出されたインク液滴の液滴量測定方法、液滴量測定装置及びそれを備えたインクジェットプリンタの製造システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタなどの液滴吐出装置は、液体吐出記録ヘッド(以下、記録ヘッドと記載)の吐出口から吐出した液滴を、紙やOHPシート等の記録媒体に着弾させることで画像を形成していた。
【0003】
液滴吐出装置は、高精細かつ高画質化が求められており、吐出された液滴量にばらつきがあると、濃度むらやカラー画像における色調ずれ等の影響を及ぼし、高精細かつ高画質化の妨げとなる。
【0004】
こうした問題を解決するためには、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性の解析を行う必要があり、液滴量に関しては吐出液滴1滴1滴の量のばらつきを測定することが求められてきた。
【0005】
しかし、液滴は、液滴径が20μm、量で4pl程度と微小であることから、液滴1滴の量を測定するのは困難である。このため、以下説明するような手法が採用されていた。
【0006】
(従来技術1)
予めインクタンクの質量を測定しておき、その後規定のヘッド駆動を行わせ、さらにそのインクタンクの質量を測定することにより、ヘッド駆動動作前後の液滴質量差から平均的な液滴吐出量を算出していた。
【0007】
(従来技術2)
染料の含まれる液滴をガラス基板上に形成した透明受容層上に着弾させ、その着弾滴部に光を照射し、透過した光量の計測値から着弾液滴内に含まれる染料の量を見積もる。そして液適量とそれに含まれる染料の量との比が既知であるとし液滴量を算出していた。
【0008】
(従来技術3)
特開平5−149869号公報に記載のように、液滴の飛翔像をカメラ等で撮影し、撮影画像を画像処理しその画像の大きさから液滴量を算出していた。
【0009】
(従来技術4)
特開2000−153603号公報に記載のように、所定の深さと幅とを持つシャーレ形態の媒体に吐出液滴を受け、天板で覆う。天板に押しつぶされ変形した液滴のサイズを測定し、その測定値に基づいて、液滴量を算出していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術1は、あくまで算出するのは多数滴の平均値であり、1滴1滴の液滴量ではない。そのため、液滴間のばらつきや過渡的な液適量の変化を測定することはできない。
【0011】
従来技術2は、液滴を受ける受容層の表面エネルギーむら等のばらつきが、液滴の受容層内での広がり方に影響を与えるので、透過光量を計測するセンサを高精度にする必要がある。またこの方法では、光を吸収しない透明液滴や光の透過量が極端に落ちる顔料インク等には適用できない。また高速で連続的に吐出される液滴量を測定しようとすると、図13に示すように基板に着弾した液滴と液滴とがつながり、1滴毎の液適量を測定することができない場合がある。
【0012】
従来技術3は、照明の方法、つまり照明光の強さや向き等により撮像される液滴の大きさが変ってしまう。またこの方法では液滴径から量を算出するので、量の誤差は測定する径の誤差の3/2乗に比例し、径の測定誤差を小さく抑えないと量の誤差が大きくなる場合がある。
【0013】
従来技術4は、基板のたわみや表面むらのため、液滴を挟む受容基板と天板面との間隔をばらつきなく一定にするのは難しい。さらに両面のぬれの状態もばらつきなく一定にすることは難しいため、測定に誤差が生じてしまう。さらに高速で連続的に吐出される液滴量を測定しようとすると、図13に示すように基板に着弾した液滴と液滴とがつながり、1滴毎の液適量を測定することができない場合がある。
【0014】
そこで、本発明は、吐出液滴の1滴1滴の量を精度よく計測する吐出液滴測定装置を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の液滴量測定装置は、気体中の液滴の落下速度を計測する計測手段と、前記計測手段によって計測された落下速度と予め測定してある前記液滴の密度及び前記気体の粘性係数とに基づいて液滴量を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のインクジェットプリンタの製造システムは、液滴量測定装置と、前記液滴量測定装置の測定結果に基づいてインクジェットプリンタのインク液滴の吐出量を調整する調整装置とを備えることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の液滴量測定方法は、気体中の液滴の落下速度を計測し、計測した落下速度と予め測定してある前記液滴の密度及び前記気体の粘性係数とに基づいて液滴量を算出することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0019】
(実施形態1)
「構成の説明」
図1は、本発明の実施形態1の液体吐出記録ヘッドの液滴測定装置の概略構成図である。図2は、図1のブロック図である。図1,図2に示すように本実施形態の液滴測定装置は、液滴1を例えば水平方向に吐出する液体吐出記録ヘッド(以下、「ヘッド」と称する。)2と、ヘッド2を駆動するヘッドコントローラ21と、ヘッド2から吐出された液滴1を撮像するカメラ3と、液滴1を照明する照明光源5と、カメラ3に取り付けられた拡大レンズ4と、カメラ3からの画像に基づいて液滴1の落下速度を計測することにより液滴1の量を算出するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置6とを示している。
【0020】
ヘッド2は、ヘッドコントローラ21の指令に従って電気熱変換体により液滴1に熱を加え、インクの一部を発泡させその発泡の作用力により、オリフィスプレートに開いたノズルからインクを吐出させるタイプのものを用いている。ノズルの数は64個から1408個までさまざまなタイプが生産されており、いずれを用いてもよいが、本実施形態では128個のものを用いている。
【0021】
また、ヘッド2は、吐出口のオリフィス面が垂直になるように設置して液滴1が水平方向に吐出するようにしている。これは、液滴1が斜めに吐出すれば、液滴1の移動ベクトルをベクトル分解し、鉛直方向の成分を算出する作業が必要になり面倒だからである。
【0022】
ヘッド2の吐出周波数は10kHzほどまで上げることができるが、ここでは、液滴1相互の影響により雰囲気内の気体による抵抗が減少しないように、5Hz程度としている。
【0023】
カメラ3は、例えばコダック製のメガプラス(商標名)を用い、それに5倍の拡大レンズ4を装着している。カメラ3で撮像された液滴1の画像は、情報処理装置6に送られる。
【0024】
照明光源5は、例えば菅原研究所製のナノパルスライト(商標名)を使用し、ライトガイドを通して照明光が、観察光学系の光軸上にあり、液滴通過領域を通過して観察光学部に入るように設置している。照明による雰囲気温度の上昇を抑えるため、照明光はライトガイドを出射後、赤外カットフィルターを通して液滴1に照射するようにしている。
【0025】
情報処理装置6は、カメラ3で撮像された液滴1の画像から液滴位置と、照明光源5の発光時間とに基づいて液滴1の速度を算出し、その算出結果に基づいて液滴1の量を測定する。
【0026】
また、定速度後の液滴1の落下速度を測定するため、液滴1の測定領域がヘッド2の吐出口から50〜70mm下に位置するよう、観察系全体を設置している。
【0027】
さらに、液滴1の進路は、気流の乱れ等の外乱を防ぐためアクリル板で覆っている。アクリル板内に湿度計測機能が付属している加湿器を設置し、アクリル板内の雰囲気を相対湿度が70%程度になるように制御する。
【0028】
なお相対湿度が50%より低いと、吐出された液滴の一部が飛翔中に蒸発することが観察されている。また相対湿度が90%より高いと、ヘッド2の吐出口に水蒸気が凝結し、吐出する液滴量に誤差を及ぼしたり、吐出方向を変動させる悪影響を及ぼす。
【0029】
また、アクリル板内には温度計を設置し、温度が例えば25℃になるように制御する。
【0030】
「動作の説明」
図3は、図1のヘッド2の駆動、照明光源5の閃光、カメラ3の露光のタイミング図である。カメラ3の露光する毎に、照明光源5をオンして閃光を行う。カメラ3の露光及び閃光は、1滴の液滴1につき例えば30Hzの周波数で4パルス分駆動する。
【0031】
なお、図3に示すタイミングの制御は、図1,図2に示すように、情報処理装置6に接続されている制御部によって行っており、カメラ3、ヘッド2、照明光源5のそれぞれに制御信号を同期合わせして出力している。
【0032】
また、測定前に、カメラ3で露光等を4回行う際の1回目で、モニタの上方に液滴1が位置するように設定したり、カメラ3上方であって液滴1の経路に液滴1の通過を検知するセンサを設け、このセンサの検知結果に基づいて1回目の駆動のトリガ信号を生成するようにしている。
【0033】
また、ヘッド2から吐出された液滴1は、測定領域に達するまでにかかる時間にほとんどバラツキがなくほぼ一定になる。そのため、一連の実験を何時間にもわたって行うことでもなければ、情報処理装置6の画面に表示される液滴1の画像が一つになるほど、液滴1のスピードが速くならない。
【0034】
カメラ3で撮像された画像データは、情報処理装置6のメモリに記憶される。画像データをメモリから読み出し、画像処理ソフトなどにより液滴1の重心位置座標を算出する。
【0035】
なお、実際の測定に先だって、所定の間隔の格子パターンを描いたガラス基板を測定領域に設置した状態で、カメラ3により撮像を行い、画像上の画素単位での格子間隔と、ガラス基板上での実際の格子間隔とから、画像データの1画素が実空間でどれだけの長さに相当するかというキャリブレーションを行っておく。
【0036】
このキャリブレーションデータは情報処理装置6に記憶しておき、画像処理により液滴重心位置が算出される際に用いる。連続する複数の画像データに対して液滴重心位置を算出し、その重心位置の差を撮影された時刻の差で割ることで速度が求められる。
【0037】
液滴1はヘッド2から水平に吐出されると、10mmほどほぼ直進し、その後垂直に落下する軌道を描く。測定視野が1.8mm角で液滴1の落下速度は、およそ12mm/sほどのため、撮影周波数を30Hzとすることで1滴あたり3枚か4枚の画像を取得できる。
【0038】
液滴の落下速度は、最低2枚の画像があれば上記方法で求めることができる。1滴あたり3枚か4枚の画像を取得できた場合は、そのうち2枚の画像を複数の組み合わせで選択し、その選択した2枚の画像から求めた落下速度の平均をとり、それを計測した液滴の落下速度とする。
【0039】
実際に、後述する数式(1)〜数式(3)より計算される液滴1の直径は、約φ20μmになる。
【0040】
ところで、ヘッド2から吐出させた液滴1の水平方向の移動速度は、雰囲気内の気体による抵抗により減少し、やがて0になる。また、重力の影響により鉛直方向にも液滴1は移動するが、一定時間後に重力と雰囲気内の気体による抵抗とが釣り合い、液滴1の大きさに応じた一定速度になる。その後、落下速度vを測定する。
【0041】
ちなみに、液滴1を水平方向に向けて吐出すると、水平方向及び鉛直方向とも液滴の落下速度vの変化具合を支配する時定数は同じであるため、水平方向も鉛直方向も速度が一定とみなせる速度になるのにかかる時間は同等と考えられる。
【0042】
ここで、液滴1の落下速度vは、液滴1の密度をρ、重力加速度をg、気体の粘性係数をη、液滴1の半径をa、抗力係数をCd、レイノルズ数をReとしたときに、以下の数式(1)〜(3)を用いて算出することが可能であり、ひいては液滴1の半径aを算出することができる。
【0043】
Cd=8ag/3v2 …(1)
Cd=f(Re) …(2)
Re=2avρ/η …(3)
また、レイノルズ数Reが1以下の場合には、一定速度後の液滴の落下速度vは、液滴質量をmとすると、ストークスの法則により、以下の数式(4)が成り立つ。
【0044】
v=mg/6πηa …(4)
落下速度vを測定し、液滴1の密度と気体の粘性係数を前もって求めておけば、数式(1)〜(3)あるいは数式(4)より液滴半径aが求まる点に着目して1滴毎の液滴1の量を測定する。
【0045】
本実施形態では液滴1として水を用いたため、液滴1の密度は1g/cm3である。また気体の粘性係数は、例えば25℃の空気中では18.2×10-6Pa・Sである。
【0046】
なお、数式(1)〜(4)は、球状の物体に対して成り立つ。液滴吐出直後の液滴の形状は球ではなく弾丸状だが、液滴1の表面張力の作用で吐出後100μs以内には球になるので、その後にカメラ3で液滴1の画像を撮像するようにしている。
【0047】
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2の液体吐出記録ヘッドの液滴測定装置の概略構成図である。図5は、図4のブロック図である。図4,図5には、ヘッド2から吐出される液滴1の間隔が狭いときに液滴1の進路に直交する方向に電界を生じさせるワイヤ電極7と、ワイヤ電極7に電力を供給する給電回路20と、給電回路20による電界を生じさせていないときの液滴1を収納するガター8と、液滴1の水平方向の移動を制御する偏向板9とを示している。なお、図4,図5では、図1,図2に示した部分と同様の部分には同一符号を付している。
【0048】
また、ワイヤ電極7とヘッド2とは、2つのワイヤ電極7間の真ん中を液滴1が通過するように、位置合わせしてある。
【0049】
実施形態1で説明したように、数式(3),数式(4)には、雰囲気内の気体による粘性抵抗係数ηが含まれている。そのため、ヘッド2の吐出周波数が小さい場合は、液滴1間の間隔が広いため、ある液滴1が移動することで生じた雰囲気内の気体による乱れが、次に吐出された液滴1の移動に影響を与えることはない。
【0050】
しかし、ヘッド2の吐出周波数が大きい場合は、液滴1間の間隔が狭いため、ある液滴1が移動することで生じた雰囲気内の気体による乱れが、次に吐出された液滴1の移動に影響を与えることがある。
【0051】
ところで、ヘッド2から吐出された液滴1は帯電しているので、給電回路20によってワイヤ電極7に電圧を印加したときに、ちょうどワイヤ電極7間を通過する液滴1が偏向する。
【0052】
そこで、本実施形態では、ヘッド2から吐出される液滴1の間隔が狭いときに、ワイヤ電極7によって液滴1の進路に直交する方向に電界を生じさせ、偏向板9側に進路が変更された液滴1をカメラ3で撮像することによって、液滴1の量を測定するようにしている。
【0053】
なお、ワイヤ電極7に電圧を印加していないときには、液滴1はガター8に回収される。
【0054】
図6は、図4のヘッド2の駆動、カメラ3の露光、照明光源5の閃光、ワイヤ電極7の電圧印加のタイミング図である。図6に示すように、給電回路20から一時的にワイヤ電極7に例えば2.4kVで20μs間電圧を印加し、液滴1の中のいくつかを偏向させ、実施形態1と同様のタイミングでカメラ3の露光、照明光源5の閃光を行う。
【0055】
ちなみに、ヘッド2を10kHzで駆動しながら、ワイヤ電極7に5Hzの周波数で図5のように電圧を印加すると、液滴1の間隔は2mになり、互いに影響しあうこともなく、雰囲気内の気体による粘性抵抗係数ηも実施形態1と同様に一定と考えることができる。
【0056】
さらに、本実施形態では液滴1の進路に、観察系の光学軸と鉛直軸に直角に弱い定常電磁場を生じさせている。具体的には、ヘッド2の吐出口より水平方向に10mm程度離したところに偏向板9を相互に数100mm離して配置し、これらの100V程度の電圧をかけている。
【0057】
この電場域に液滴1が入ると、液滴1は静電力により水平方向にひかれ、真下ではなく斜め下に移動する。よって落下速度vを算出する際には、実施形態1の場合のように規定時間内に移動した液滴1の距離から計算するのではなく、移動距離の垂直成分を用いて計算をする。
【0058】
これは、電場をかけないことで、液滴1が時折外乱の影響を受けて進路が斜めになって落下速度vの計測ができなくなることを防止するためである。
【0059】
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3の液体吐出記録ヘッドの液滴測定装置の一例を示す概略構成図である。図8は、図7のブロック図である。図7,図8には、吐出された液滴1のいくつかを蒸発させるレーザ光を出射する数W級のグリーン連続発光レーザなどのレーザ10と、レーザ10から発せられたレーザ光を変調する音響光学変調器(AOM)11と、AOM11で変調されたレーザ光を反射する反射ミラー12と、反射ミラー12の反射光を集める縮小レンズ13と、縮小レンズ13によって集められた反射光を液滴1に照射する集光部14とを示している。
【0060】
なお、図7,図8において図4,図5と同様の部分には同一符号を付しているが、本実施形態では、ヘッド2を、吐出した液滴1の直径が平均φが30μmで、ノズルの数が64個のヘッドを用いている。また、液滴1の画像がきちんと取り込めるようにヘッド2とカメラ3との位置合わせしている。
【0061】
図9は、図7の集光部14付近の上面図である。図9に示すように、液滴1の進路と集光レンズ13を通過した反射光の光路とは直交するようにしている。一方、液滴1の進路と集光部14の中心を結ぶ線とは直交しないようにして液滴1の進路を反射光が数往復するようにしている。
【0062】
図10は、図7のヘッド2の駆動、カメラ3の露光、照明光源5の閃光、AOM11の駆動のタイミング図である。実施形態2と同様に、1回のカメラ露光時間内に、1回閃光を行い、カメラ3及び照明光源5は1滴の液滴1につき30Hzの周波数で4パルス分駆動する。
【0063】
なお、測定前には、実施形態1と同様に、AOM11の駆動信号、カメラ3の露光信号及び照明光源5の閃光制御信号のタイミングを調整している。
【0064】
ヘッド2から吐出された液滴1は、レーザ光の集光部14を通過する際に、レーザ光を吸収して蒸発する。一方、例えば5Hzの周波数で、1回当たりの偏向時間が50μsになるように外部パルスを入力してAOM11を駆動し、レーザ光を偏向する。
【0065】
レーザ光が偏向されると、液滴1の軌道上には達しないので、その間の液滴1は、レーザ光を吸収することなく進行する。このように進行した液滴1の落下速度vを、実施形態2と同様の手法により測定する。
【0066】
(実施形態4)
本発明の実施形態4では、カラーフィルタの製造装置に係る液滴測定装置と、液滴測定装置の測定結果に基づいてカラーフィルタの製造装置の液滴の吐出量を調整する調整装置である制御部を有する情報処理装置6とを備えた製造システムについて説明する。
【0067】
図11は、本発明の実施形態4の製造システムの模式的な構成図である。図11には、カラーフィルタが形成される基板の載置される印字領域15と、液滴量の測定を行う測定領域16と、印字領域15と測定領域16との間でヘッド2を搬送する搬送機構18と、印字領域15に基板を搬入する搬入口17と、計測領域16内での計測時の外乱を少なくするためのシャッター19とを示している。なお、図11において図1で示した部分と同様の部分には同一符号を付している。
【0068】
図12は、図11の動作を示すフローチャートである。ヘッド2は、通常時には、印字領域16に備えられている高精度ステージに載置されている。この状態で、システムの電源が投入されたり、ユーザの指示があると、これらを契機にヘッド2が計測領域16に搬送機構18によって搬送される(ステップS1)。
【0069】
計測領域16では、まず、ヘッド2の各ノズルを順次選択する(ステップS2)。
【0070】
そして、実施形態1等で説明したような手法によって選択したノズルから液滴を吐出させて、その量を測定する(ステップS3)。
【0071】
つぎに、計測結果に基づいて、吐出される液滴量が所定の設計範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS4)。
【0072】
判別の結果、吐出される液滴量が所定の設計範囲内にない場合には、それを是正するように、ヘッド2の駆動電圧などの駆動パラメータを情報処理装置6の制御部によって調整する(ステップS5)。
【0073】
具体的には、測定された液滴量が所定設計値より小さければ、駆動電圧を大きくし、逆に設計値より大きければ、駆動電圧を小さくする。
【0074】
それから、調整時のデータを情報処理装置6内のメモリに記憶する(ステップS6)。
【0075】
そして、ヘッド2の全てのノズルの液滴量の計測が終了したか判別される(ステップS7)。
【0076】
全てのノズルの液滴量の計測が終了していなければ、ステップS2に戻り、終了していればヘッド2を印字領域15に戻す(ステップS8)。
【0077】
液滴量が調整されたヘッド2によってカラーフィルタの印字を行うときには、情報処理装置6でメモリ内のデータを読み出して、そのデータに従ってヘッド2を駆動する。
【0078】
なお、本実施形態では、カラーフィルタの製造装置を例に説明したが、液滴を吐出するヘッドを備えていればこれに限定されず、実施形態1等で説明したようにインクジェットプリンタの製造装置や、電子放出素子の製造装置にも適用することができる。
【0079】
(実施形態5)
本実施形態では、本発明の計測方法及び装置を利用することで、高精度なヘッドをより効率良く生産する方法を説明する。
【0080】
生産されたヘッドは、上記説明してきた計測方法及び装置により全ノズルの液滴量測定がなされる。そのデータはLAN等によりリアルタイムで工場の各工程部に送信される。
【0081】
規格外の液滴量が計測された場合は、各工程内の検査結果と併せて解析され、不良原因の早期探索がなされる。例えば、あるヘッドの一部のノズルで吐出量が規定以上に大きいという計測結果が得られると、そのヘッドノズルの径や、そのヘッドノズルに対応する熱変換素子の抵抗値が調べられる。
【0082】
そこで例えば、吐出量が規定以上に大きいノズルのノズル径が、設計値よりも大きかった場合は、ノズル形成工程において製造パラメータの再チェックがなされ、設計規定値のノズル径が製造できるようにノズル形成工程の調整がなされる。こうした最終製品から各製造工程へ計測データのフィードバックをかけることで、高精度なヘッドをより効率良くできる。また製品立ち上げ時の歩留まり向上を早めることができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、吐出液滴の1滴1滴の量を精度よく計測し、その計測結果に基づいて液体吐出装置の吐出量の解析が可能となるので、吐出された液滴量のばらつきがなくなるように調整することによって、形成する画像を高詳細かつ高画質にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の液体吐出記録ヘッドの液滴測定装置の概略構成図である。
【図2】図1のブロック図である。
【図3】図1のヘッド2の駆動、カメラ3の露光、照明光源5の閃光のタイミング図である。
【図4】本発明の実施形態2の液体吐出記録ヘッドの液滴測定装置の概略構成図である。
【図5】図4のブロック図である。
【図6】図4のヘッド2の駆動、カメラ3の露光、照明光源5の閃光、ワイヤ電極7の電圧印加のタイミング図である。
【図7】本発明の実施形態3の液体吐出記録ヘッドの液滴測定装置の一例を示す概略構成図である。
【図8】図7のブロック図である。
【図9】図7の集光部14付近の上面図である。
【図10】図7のヘッド2の駆動、カメラ3の露光、照明光源5の閃光、AOM11の駆動のタイミング図である。
【図11】本発明の実施形態4の製造システムの模式的な構成図である。
【図12】図11の動作を示すフローチャートである。
【図13】従来技術に係る液滴の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 液滴
2 ヘッド
3 カメラ
4 拡大レンズ
5 照明光源
6 情報処理装置
7 ワイヤ電極
8 ガター
9 偏向板
10 レーザ
11 AOM
12 反射ミラー
13 縮小レンズ
14 集光部
15 印字領域
16 測定領域
17 搬入口
18 搬送機構
19 シャッター
20 給電回路
21 ヘッドコントローラ
Claims (7)
- 気体中の液滴の落下速度を計測する計測手段と、前記計測手段によって計測された落下速度と予め測定してある前記液滴の密度及び前記気体の粘性係数とに基づいて液滴量を算出する算出手段とを備え、前記液滴の落下速度が一定である位置に、前記計測手段の測定領域が定められていて、
かつ複数の前記液滴のうち、計測対象の液滴を取り出す機構を備えることを特徴とする液滴量測定装置。 - 前記液滴の進路に直交する方向に電界を生じさせる電界発生手段を前記液滴の進路で前記測定領域の前に備えることを特徴とする請求項1記載の液滴量測定装置。
- 前記液滴を蒸発させるレーザを照射する照射手段を備え、前記レーザの集光部が前記液滴の進路で前記測定領域の前にあることを特徴とする請求項1記載の液滴量測定装置。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の液滴量測定装置と、前記液滴量測定装置の測定結果に基づいてインクジェットプリンタのインク液滴の吐出量を調整する調整装置とを備えることを特徴とするインクジェットプリンタの製造システム。
- 気体中の液滴の落下速度を前記液滴の落下速度が一定である位置にて計測し、計測した落下速度と予め測定してある前記液滴の密度及び前記気体の粘性係数とに基づいて液滴量を算出するにあたり、
複数の前記液滴のうち、計測対象の液滴を取り出したのち、取り出した前記液滴の落下速度を計測することを特徴とする液滴量測定方法。 - 前記液滴の進路に直交する方向に電界を生じさせ、前記進路から取り出された液滴の落下速度を計測することを特徴とする請求項5記載の液滴量測定方法。
- 前記液滴を蒸発させるレーザを照射し、非計測対象の液滴を蒸発した後に計測対象の液滴の落下速度を計測することを特徴とする請求項5記載の液滴量測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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