JP2004069484A - 液体吐出ヘッドとその液滴量測定方法、検査システム、液体吐出装置、製造システム及び液滴量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】液体吐出ヘッドの更なる高画質化を実現するため、吐出液滴の1滴1滴の量を精度良く計測することができる液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法を提供すること。
【構成】既知の気流流れ場の所定の位置にシート状の光束を形成し、該光束のシート面内を飛翔するように液滴を吐出し、前記液滴の動きが前記気流流れ場と一致する前に、前記液滴に前記光束が当り散乱する光を複数回撮像し、その撮像された画像から算出される液滴位置と、撮像したタイミング及び流れ場の気流の速度から前記液滴の液滴量を算出する。
【選択図】 図1
【構成】既知の気流流れ場の所定の位置にシート状の光束を形成し、該光束のシート面内を飛翔するように液滴を吐出し、前記液滴の動きが前記気流流れ場と一致する前に、前記液滴に前記光束が当り散乱する光を複数回撮像し、その撮像された画像から算出される液滴位置と、撮像したタイミング及び流れ場の気流の速度から前記液滴の液滴量を算出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所望の液体を吐出して媒体上に前記液体を着弾させ、所望のパターンを描く液体吐出装置の液体吐出ヘッドからの飛翔液滴の量、つまり体積を測定する液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法、液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定装置、液体吐出ヘッドの検査システム、液体吐出装置、液体吐出ヘッドの製造システム及び液体吐出ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液体吐出ヘッド(以下、ヘッドと略称)の吐出口からインク液滴(以下、液滴と略称)を吐出し、紙やOHPシート等の記録媒体に着弾させることで、画像を形成する液体吐出記録装置が知られている。液体吐出記録装置においては、高精細且つ高画質化が求められている。
【0003】
吐出された液滴量にばらつきがあると、濃度むらやカラー画像における色調ずれ等の影響を及ぼし、高精細且つ高画質化の妨げとなる。こうした問題を解決するためには、ヘッドの液滴吐出特性の解析を行う必要があり、液滴量に関しては吐出液滴1滴1滴の量を測定しその量の値と吐出ごとのばらつきが求められてきた。尚、ここで言う液滴の量とは、液滴の体積と同義にとらえている。
【0004】
又、より高品質のヘッドを出荷するために、製造されたヘッドの液滴吐出特性の検査項目の1つとして、吐出液滴1滴1滴の量を測定することが求められてきた。
【0005】
しかし、ヘッドから吐出される液滴は、例えば径が20μm弱、体積で4plと、液滴量が微小であることから、液滴1滴の量を測定するのは困難を極める。従来から、ヘッドの液滴吐出量を測定する各種の方法が提案されている。
【0006】
従来の第1の方法は、予め液体吐出記録装置のインクタンクの質量を測定しておき、その後、規定のヘッド駆動を行わせ、その後、更にそのインクタンクの質量を測定することにより、ヘッドの駆動動作前後の液滴質量差から平均的な液滴吐出量を算出するものである。
【0007】
従来の第2の方法は、染料が含まれる液滴をガラス基板上に形成した透明受容層上に着弾させ、その着弾液滴部分に光を照射し、透過した光量の計測値から着弾液滴内に含まれる染料の量を見積もる。そして、液適量とそれに含まれる染料の量との比が既知であるとすることにより液滴吐出量を算出するものである。
【0008】
従来の第3の方法は、例えば特開平5−149769号公報に記載されているように、液滴の飛翔像をカメラ等で撮影し、撮影画像を画像処理し、その画像の大きさから液滴体積を算出するものである。
【0009】
従来の第4の方法は、例えば特開2000−153603号公報に記載されているように、所定の深さと幅とを持つシャーレ形態の媒体に吐出液滴を受け、天板で覆い、天板に押し潰され変形した液滴のサイズを測定し、その測定値に基づいて、液滴の体積を算出するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例においては次のような問題があった。
【0011】
従来例の第1の方法では、算出するのは多数液滴の平均値であり、1滴1滴の液滴量ではないため、液滴間のばらつきや過渡的な液滴量の変化を測定することはできない。そのため、十分な情報が得られないという問題があった。
【0012】
又、従来例の第2の方法は、液滴を受ける受容層にばらつきがあり、そのばらつきにより液滴の受容層内での広がり方が変わり、延ては透過光量に変化する。現状では、特に、受容層の表面エネルギや表面形状むら等のばらつきが液滴量測定の精度を落としている。又、この方法では、光を吸収しない透明液滴や光の透過量が極端に落ちる顔料インク等には適用できない。又、高速で連続的に吐出される液滴量を測定しようとすると、図13に示すように基板に着弾した液と液とが分離されず、繋がってしまうため、1滴ごとの液滴量を測定することができない。
【0013】
又、従来例の第3の方法では、照明の方法、つまり照明光の強さや向き等により撮像される液滴の大きさが変ってしまう。又、20μm弱の液滴径を測定するには高倍率のレンズで撮影する必要があるが、レンズは高倍率である程、視写界深度は浅い。
【0014】
一方、この方法では飛翔する液滴を撮影するが、液滴の飛翔軌道にはばらつきがあるため、視写界深度から外れた液滴を撮影してしまうことがある。焦点からずれた位置で撮影した液滴像は、実際の大きさよりも大きく撮影される。つまり、液滴の飛翔軌道のばらつきが、計測される液滴量に誤差をもたらす。更に、この方法では、液滴径から液滴量を算出するが、液滴量は液滴径の3乗に比例するので、量の絶対誤差も径の測定絶対誤差のおよそ3乗に比例することになり、液滴径の測定誤差を小さく抑えないと、液滴量の絶対誤差が大きくなる欠点がある。
【0015】
更に、従来例の第4の方法では、基板の撓みや表面むらのため、液滴を挟む受容基板と天板面との間隔をばらつきなく一定にするのは難しい。更に、受容基板と天板面の両面の濡れの状態もばらつきなく一定にすることは難しいため、測定に誤差が生じてしまう。更に、高速で連続的に吐出される液滴量を測定しようとすると、第2の方法と同様に、基板に着弾した液と液とが分離されず、繋がってしまうため、1滴ごとの液滴量を測定することができない。
【0016】
本発明の目的は、液体吐出ヘッドの更なる高画質化を実現するため、前記従来例の欠点を無くし、吐出液滴の1滴1滴の量を精度良く計測することができる液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法、液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定装置、液体吐出ヘッドの検査システム、液体吐出装置、液体吐出ヘッドの製造システム及び液体吐出ヘッドを提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既知の気流流れ場の所定の位置にシート状の光束を形成し、該光束のシート面内を飛翔するように液滴を吐出し、前記液滴の動きが前記気流流れ場と一致する前に、前記液滴に前記光束が当り散乱する光を複数回撮像し、その撮像された画像から算出される液滴位置と、撮像したタイミング及び流れ場の気流の速度から前記液滴の液滴量を算出することを特徴とする。
【0018】
ここで、一定流れ中の球に働く抗力Fは、レイノルズ数が小さいとき、Stokesの式に従い、球の質量をm、球の半径をr、球に働く相対速度をv、雰囲気気体の粘性係数をηとすると、
F=6πηrv …(1)
と表される。これにより、球に働く運動方程式が決定される。
【0019】
球に働く加速度をa、時定数をτ=m/6πηrとおくと球に働く運動方程式は、
τ・a = v …(2)
と表される。
【0020】
液滴を球と考え、液滴の密度をρとすると、τ=m/6πηr=2r2 ρ/9ηである。
【0021】
液滴の密度ρと雰囲気気体の粘性係数ηが既知であれば、式(2)から時定数τを求めることで液滴の半径rが求められ、液滴量を算出できる。
【0022】
式(2)からτを求めるには、複数時刻での液滴位置と、その複数の時刻の間に液滴が移動する軌道上の雰囲気気体の速度場が既知であることが必要である。
【0023】
計測対象である液体吐出ヘッドから吐出される液滴は、その飛翔する軌道がばらつく。一方、液滴の通過する空間領域の気流速度場は既知だとしても、位置によらず一定に形成するのは難しい。つまり、複数時刻での液滴位置と、その複数の時刻の間に液滴が移動する軌道上の雰囲気気体の速度場を知るには、雰囲気気体の流れ場と液滴位置を3次元的に把握する必要がある。しかし、これは困難を伴う。
【0024】
そこで、本発明では、既知の気流流れ場の所定の位置にシート状の光束を形成し、更にシート面内を飛翔するように液滴を吐出する。そして、飛翔軌道のばらつく液滴のうち、選択的にシート内を飛翔する液滴をのみを計測する。この方法だと、シート光の位置は決まっているので、液滴位置を2次元的に計測すれば良い。又、雰囲気流れ場も3次元ではなく、シート光の存在する2次元的に把握しておけば良い。
【0025】
尚、本発明は計測を行う領域での気流が既知の層流になっていることが計測の必要条件である。つまり、計測開始前或は後の領域の気流が未知であったり、乱流であっても計測は可能である。
【0026】
時定数τは、液滴が雰囲気気流流れと一致するまでに掛かる時間に関与する指数なので、液滴が気流の動きに一致して移動する段階で液滴位置を測定しても、式(2)からτを解くのには利用できない。つまり、液滴の気流流れ方向の速度が気流の速度と一致する前に、液滴の位置を測定しなければならない。よって、本発明では、液滴の動きが気流流れ場と一致する前に、液滴を複数回撮像し液滴の位置を測定する。
【0027】
又、本発明では、撮像部の焦点はシート状の光束の光軸上に位置することを特徴とする。これにより液滴で散乱する光を効率良く撮像に利用できる。
【0028】
又、本発明では、シート状の光束とともに、光束の進行方向とほぼ逆に進行する第2のシート状の光束を形成することを特徴とする。液滴に当り散乱する光の散乱位置と、液滴中心位置とは異なる。しかし、本発明のように第2のシート状の光束を形成すれば、シート光の進行方向と散乱光の位置及び撮像系の光軸位置から液滴の中心位置を精度良く計測できる。
【0029】
更に、2つのシート状の光束をその光軸が互いにほぼ一致するように形成すれば、同一液滴からの散乱光位置の平均を取ることで液滴の中心位置を簡便に精度良く決定できる。
【0030】
又、本発明では、光束のシート厚の最小位置が撮像領域に含まれていることを特徴とする。
【0031】
光束のシート厚が絞られている部分ではエネルギー密度が高いので、液滴から散乱される光量もより大きい。よって、撮像部で、散乱光をよりSN良くとらえることができ、測定精度の向上を図ることができる。
【0032】
又、本発明では、先述した第2のシート状の光束は、第1の光束をミラーで反射させることで形成することを特徴とする。これにより複数のレーザーを使用しなくても済み、装置の簡素化、コスト低下を図ることができる。
【0033】
又、本発明では、所定の間隔をおいて平行に配置した少なくとも2枚の平面板を平行方向に同じ回転軸にて回転することで、隣接平板間に既知の気流流れ場を形成し、該平面板の間の所定の位置に前記シート状の光束を該平面板に平行に形成することを特徴とする。
【0034】
この気流生成法では、平板に平行な回転方向に支配的な気流流れ場が生じる。液滴は気流流れ方向、つまり平板の回転方向に力を受け移動していく。よって、シート状の光束が平板に平行であれば、液滴を複数回撮像する間にシート光束から液滴が外れる可能性が小さくなる。つまり、撮像した画像から液滴量を算出し易くなり、又、算出に使用できる画像の割合も増える。これは計測精度の向上、計測時間の向上に繋がる。
【0035】
更に、本発明は、シート状の光束は隣接平板の中央に位置することを特徴とする。
【0036】
本方法では、平板の面近傍の気流速度は平板の移動速度と一致するが、平板から離れるに従い気流速度は落ちる。つまり、平板間の空間で気流速度は一定ではない。そして、平板回転方向気流速度の平板間における勾配は、図2に示すように平板中央部は小さい。よって、シート状の光束を隣接平板の中央に配置することで、測定部での気流速度をより精度良く決めることができるとともに、飛翔する液滴軌道の安定性も高いため、計測精度の向上を期待できる。
【0037】
更に、本発明は、液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法を用いて、液体吐出ヘッドの各ノズルの特性を測定し、その測定値に基づいて、各ノズルで常に所定の液滴量での吐出が行われるようにヘッドの駆動制御を行う。これにより、液滴量が常に一定で、高品質な描画を可能とする液体吐出装置ができる。
【0038】
更に、本発明は、液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法を用いて、製造済みの液体吐出ヘッドの各ノズルの諸特性を測定し、そのデータを製造装置にフィードバックし、目標性能を得るべく製造パラメータの調整を行う。これにより、液滴量が一定で高品質な液体吐出ヘッドを効率良く生産することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
(1)構成の説明
図1は本発明の第1実施形態の液体吐出ヘッド1の液滴量測定装置の一例を示す概略構成図である。液滴量測定装置は、平行に配置された2枚のガラス円板2、カラー3、円板を収納する透明アクリルケース4、CCDカメラ5、観察系拡大レンズ6、レーザー7、整形レンズ8、ヘッド駆動制御系9、ディレイジェネレータ10、画像取込み用のパソコン11を備えている。
【0041】
本実施の形態で用いた液体吐出ヘッド1(以下、ヘッドと略称)は、電気熱変換体により液滴に熱を加え、インクの一部を発泡させ、その発泡の作用力により、オリフィスプレートに開いたノズルからインクを吐出させるタイプのものである。ヘッド1のノズルの数は64個から1408個まで様々なタイプが生産されているが、本実施の形態では128個のものを用いた。又、吐出液滴としてブラックインクを用いた。
【0042】
平行に並べた2枚のガラス円板2を両円板の中心を同一の軸として同速度で回転し、速度が既知である層流気流場を作る。ガラス円板2は厚さ1mm、径は3インチで、回転軸をガラス円板と同一にする厚さ3mm、径60mmのカラー3を挟むようにして固定される。ガラス円板2はカラー3と共に、400rpmの等速で回転する。
【0043】
本実施の形態では、計測面を2枚のガラス板2の中間面としている。計測面での気流速度は、粒子像速度法(PIV法)により計測され、ガラス円板平板方向の速度は、v=cRωで表せることが確かめられている。ここで、cは定数、Rは回転中心からの距離、ωはガラスの回転角速度である。又、熱線流速計により計測領域の乱流強度の評価も行われ、計測領域に関しては十分層流になっていることが確かめられている。尚、計測面をガラス板2の中間面にする必要は必ずしもない。
【0044】
しかし、平板間での気流速度勾配が中間面程小さいので、計測面をガラス板2の中間面にすることで、より高精度に気流速度の決定ができる。
【0045】
又、ガラス円板2とカラー3は、生成気流の安定化のため透明アクリルケース4に収納されている。透明アクリルケース4の上面には穴があけられている。穴の中心軸は、2枚のガラス円板2の中央に位置している。
【0046】
ヘッド1は透明アクリルケース4の上部に配置されており、計測対象のノズルから吐出された液滴はこの穴を通り、計測域である層流流れ場に入る。ヘッド1の位置出しは、ヘッド1を固定しているステージ類(不図示)によりなされる。
【0047】
液滴の気流流れ方向の速度が気流の速度と一致する前に、液滴の位置を測定しなければならないため、液滴の軌道が大きく曲がる領域を観察できるように、CCDカメラ5、観察系拡大レンズ6から成る撮像系は位置合わせされる。尚、液滴の大きさが異なれば、時定数τが異なるため、液滴の通る飛翔軌道も変わる。よって、実際の計測を行う前にヘッド1から実計測時と同じ吐出条件で液滴を吐出させ、飛翔する液滴を撮像系で撮像しながら、撮像系を固定しているステージ類(不図示)を移動させることで撮像系の位置合わせを行う。
【0048】
尚、撮像系の光軸がガラス円板2の面に垂直になるように配置される。又、撮像系の焦点は、ガラス円板2の中間面に一致するように位置合わせされる。
【0049】
撮像部としては、露光時間0.1μsからの多重露光が可能な、1280×1024画素を持つ12bitのCCDカメラ6を接続して使用する。観察系拡大レンズ5としては、倍率10倍の対物レンズを使用した。
【0050】
レーザー7から出射されたレーザー光は整形レンズ8でシート状に整形され、計測域に導入される。整形レンズとしては、例えば複数のシリンドリカルレンズを使用する。レーザー7は、波長532nmのYAG2倍高調波のCWグリーンレーザーで出力は200mWである。シート状の光は、ガラス円板2の回転軸方向に最小厚さが20μmまで絞られる。又、シート光の厚さが最小になる位置と、撮像域の中心とが一致するように整形レンズ8の位置が調整される。ガラス面と平行な方向にはレーザー光は拡大され、撮像域では2mm以上に調整される。又、シート光は、シートの中央面が、平行に位置する2枚のガラス円板の中間面に一致するように導入される。
【0051】
ヘッド駆動制御系9はヘッド1とディレイジェネレータ10に接続され、液滴吐出のための駆動信号を送信する。ディレイジェネレータの出力部はCCDカメラ5のトリガ入力部と接続されている。又、CCDカメラ5は画像取込み用のパソコン11と接続されている。
【0052】
装置を設置している部屋は、温度は25℃、相対湿度70%に保たれている。
【0053】
図3は本発明の実施の形態1の液滴の飛翔と雰囲気気体の乱れを示す説明図である。
【0054】
本測定では、液滴の軌道が大きく曲がる領域を観察する。ヘッド1の吐出液滴の測定領域では、図3のように、液滴が移動することによる気流の乱れは、気流の流れ方向に飛散し、液滴の軌道上には残らないため、液滴が移動することで生じた雰囲気内の気体乱れが、次に、ヘッド1から吐出される液滴の移動に影響を与えることはないと考えられる。よって、雰囲気気体の粘性係数ηは、その気体固有の一定値と考えることができる。
【0055】
ヘッド1の吐出液滴の測定では、ヘッド1の駆動、ディレイジェネレータ10から発信し、CCDカメラ5へ送信する撮像開始信号、CCDカメラ5の露光のタイミングを図4に示すように制御した。
【0056】
ヘッド駆動制御系9で作られたヘッド駆動信号により、ヘッド1は周波数100Hzで吐出駆動された。
【0057】
又、ヘッド駆動信号はディレイジェネレータ10に送信され、一定時間後にカメラにトリガ信号を出力する。尚、この出力周波数は8Hzで、入力100Hzの信号を間引きして出力される。ヘッド1で駆動信号が印加されてから、その駆動により吐出された液滴が撮像エリアに到達するまでには、一定の時間が必要である。このヘッド駆動信号とカメラトリガ信号の時間差を調整するため、ディレイジェネレータ10で遅延時間の調整がされる。
【0058】
CCDカメラ5は、フレーム速度を8Hz、1回の撮影中に露光が4回行われる。1回の露光時間は1μs、露光と露光の間隔は250μsに設定された。CCDカメラ5はトリガが入ると、1回目の露光を開始するように設定される。尚、露光時間長と露光時間間隔は、液滴画像が撮像されるように、測定エリアと液滴のスピード、又、液滴の大きさとシート光強度に応じて適宜調整されなければならない。これら機器のタイミング調整は、本測定前に、測定条件と同じ吐出条件で液滴を吐出し撮像を行いながらなされる。
【0059】
CCDカメラ5で撮像された画像データは、パソコン11に送られ、パソコン11内部のメモリに記憶される。画像データは、実験後、メモリから読み出され、画像処理ソフトにより液滴の重心位置座標が算出される。尚、実験前に、規定の間隔の格子パターンを描いたガラス基板を測定領域に設置し、上記構成でCCDカメラ5により撮像され画像が取得される。その画像上の画素単位での格子間隔と、ガラス基板上での実格子間隔とから、画像データの1画素が実空間でどれだけの長さに相当するかというキャリブレーションが行われる。このキャリブレーションデータは、パソコン11のメモリに記憶され、画像処理により液滴重心位置が算出される際に用いられる。
【0060】
(2)動作の説明
次に、本発明の実施の形態1の動作について詳細に説明する。
【0061】
本実施の形態では、CCDカメラ5の露光ごとに液滴を反射した光が観察系拡大レンズ6に入射するので、図5に示すように1画像データには同一液滴の光像が、露光回数と同じ4点表示される。ここで、x軸は水平軸、y軸は垂直軸で両軸ともガラス円板2の回転軸に垂直である。尚、ヘッドや駆動法によって液滴の飛翔ルートがばらつき、撮影した画像全てで明瞭な液滴像が取れる訳ではない。画像処理により明瞭な画像を選択処理し、4つの光像重心位置を算出する。
【0062】
次に、数値的に式(2)
τ・a=v …(2)
を解く。式(2)をx、y軸方向に対して各々解くと、
x=f(C1、C2、C3、C4、x0 、τ、t)
y=f(C1、C2、C3、C4、y0 、τ、t)
ここで、C1〜C4は定数、時刻t=Tが撮像時の4回の露光タイミングの最初の時刻に対応し、t=Tでの液滴座標を(x0 、y0 )とする。t=T+n・Δtでの液滴座標を(x0 +xn 、y0 +yn )(n=1〜3)として上式に代入する。t=Tでの液滴座標(x0 、y0 )が未知だとしても、Δt時間内で液滴が移動する長さxn 、yn (n=1〜3)は、取得した液滴画像の液滴の座標位置の差であり、算出済みの光像重心位置から計算できる。
【0063】
代入したことでできる式は8つ、未知数はC1、C2、C3、C4、τ、x0 、y0 の7つなので、8つの連立方程式を解きτを算出する。次に、τ=m/6πηr=2r2 ρ/9ηから液滴の半径rが算出できる。ここで、ρは液滴の密度で、本実施の形態で用いたブラックインクの密度値を用いる。ηは雰囲気気体の粘性係数で、気温25℃の空気の粘性係数を用いた。
【0064】
こうして算出された液滴径は約φ20μmになり、従来法によるインクタンクの液滴の減り量と吐出回数から求めた平均液滴径とほぼ等しい値になった。
【0065】
尚、本実施の形態では、定速気流の雰囲気環境を、平行に配置した2枚のガラス円板2を回転させることで作り出したが、例えば風洞装置を使用する等の別方法も考えられる。更に、液滴の位置や速度を計測するにも、本実施の形態の方法のみならず、ハイスピードカメラの使用等、多種多様な手段を採用することができる。
【0066】
本実施の形態では、更に、本発明の液滴量測定方法及び液滴量測定装置を利用することで、高精度なヘッドをより効率良く生産する方法を説明する。
【0067】
工場で生産されたヘッドは、上記説明してきた液滴量測定方法及び液滴量測定装置により全ノズルの液滴量測定がなされる。そのデータはLAN等によりリアルタイムで工場の各製造工程部に送信される。
【0068】
規格外の液滴量が計測された場合は、各工程内の検査結果と併せて解析され、不良原因の早期探索がなされる。例えば、或るヘッドの一部のノズルで液滴吐出量が規格以上に大きいという計測結果が得られると、そのヘッドノズルの径や、そのヘッドノズルに対応する熱変換素子の抵抗値が調べられる。そこで、例えば、液滴吐出量が規格以上に大きいノズルに対応するノズル径が、設計値よりも大きかった場合は、ノズル形成工程において製造パラメータの再チェックがなされ、設計値のノズル径が製造できるようにノズル形成工程の調整がなされる。こうした最終製品から各製造工程へ計測データのフィードバックを掛けることで、高精度なヘッドがより効率良く生産される。又、製品立ち上げ時の歩留まり向上を早めることができる。
【0069】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。
【0070】
(1)構成の説明
図6は本発明の実施の形態2のヘッド1の液滴量測定装置の一例を示す概略構成図である。本実施の形態が実施の形態1の構成と異なるところは、実施の形態1の構成に加えて、第2のレーザー7とレーザー7から出射される光を整形する整形レンズ8及びレーザー7と7の出射口の先にアイソレータ12,12を備えていることである。
【0071】
レーザー7から出射された光は、アイソレータ12を通過後、実施の形態1と同様に整形レンズ8でシート光に整形され、計測領域に導かれる。レーザー7から出射された光も同様にアイソレータ12を通過後、整形レンズ8でシート光に整形され、計測領域に導かれる。ここで、両レーザー光とも光軸は水平で、ほぼ一致するように調整される。他の構成は実施の形態1と同様で、詳細は上述したので省略する。
【0072】
(2)動作の説明
実施の形態1と同様に調整を行い、液滴の画像を撮影する。
【0073】
本実施の形態で得られる画像の一例を図7に示す。水平方向に対抗して進行する2つのレーザー光が液滴に当り反射する光を撮影しているため、図7のように1回の露光で1つの液滴から2つの水平に並ぶ光像が得られる。得られた画像において、この2つの光像間の重心位置を画像処理で算出する。その重心位置を、各露光時の液滴位置とする。
【0074】
本実施の形態では、吐出液としてブラックインクを用いているが、ブラックインクはレーザー光を透過しないので撮像系に入る光は、液滴の表面で反射した光だけである。
【0075】
一方、水や透明インク等はレーザー光を透過するので、撮像系には液滴表面で反射した光だけでなく、内面で反射した光も入射する。よって、透明インク等の計測の場合は、1回の露光で1つの液滴から2つ以上の輝点が見える。この場合も1回の露光で1つの液滴から得られる複数光像間の重心位置を画像処理で算出し、その位置を各露光時の液滴位置とする。
【0076】
尚、本実施の形態では、両シート光とも光軸は水平でほぼ一致するようにしたが、光軸は一致しなくても計測は可能である。この場合、各シート光が液滴に当り得られる光像の重心を画像処理により算出する。そして、図8のように、各シート光軸の方向に、そのシート光により得られた光像の重心位置を延長し、互いに交わる位置を液滴位置とすれば良い。
【0077】
他の処理は実施の形態1と同様であるので、詳細は省略する。
【0078】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図面を参照して詳細に説明する。
【0079】
(1)構成の説明
図9は本発明の実施の形態3のヘッド1の液滴量測定装置の一例を示す概略構成図である。本実施の形態が実施の形態1の構成と異なるところは、実施の形態1の構成に加えて、アイソレータ12と整形レンズ13、反射ミラー14を備えていることである。
【0080】
レーザー7から出射された光は、アイソレータ12を通過後、実施の形態1と同様に整形レンズ8でシート光に整形され、計測領域に導かれる。レーザー光軸上には、ケース4に対してレーザー7とは反対側の光軸上に、整形レンズ13と反射ミラー14が設置されている。
【0081】
図10に本実施の形態で整形されたシート光をヘッド側から見た概略図を示す。ケース4を出たレーザー光は、整形レンズ13で1点に縮小され、反射ミラー14のミラー面で焦点を結ぶ。反射ミラー14で反射したシート光は、再度整形レンズ13を通過し、計測域で平面ガラス回転軸方向のシート光厚は極小になり、ケース4の外へ出ていく。
【0082】
他の構成は実施の形態1と同様で、詳細は上述したので省略する。
【0083】
(2)動作の説明
吐出液がブラックインクの場合、実施の形態2と同様の画像が得られる。得られた画像から液滴位置を決定し、更に液滴量を求める動作は実施の形態2と同様なため、詳細は省略する。
【0084】
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について図面を参照して詳細に説明する。
【0085】
(1)構成の説明
図11は本発明の実施の形態4の液滴量測定機能を備えた液体吐出記録装置の構成を示す概略斜視図である。液体吐出記録装置は、印字領域部15、液滴量測定機能を備えたヘッド計測領域部16、材料搬入口17、搬送機構18、パソコン19、シャッタ20を備えている。
【0086】
(2)動作の説明
次に、本発明の実施の形態4の動作について図11及び図12を参照して詳細に説明する。
【0087】
本実施の形態では、液滴量測定機能を備えた液体吐出記録装置について説明する。
【0088】
液体吐出記録装置の記録媒体には、紙やOHPシート等の民生用品、例えばカラーフィルタ基板等の産業用品等の多数種の媒体が挙げられるが、本実施の形態ではカラーフィルタ向けガラス基板を対象とする。液体吐出記録装置には、印字領域部15とヘッド計測領域部16が別々に存在する。記録媒体であるガラス基板は、材料搬入口17より出し入れされる。
【0089】
液体吐出記録装置の電源投入直後や一定時間ヘッド駆動がなされた後、或はユーザがヘッド計測の指示を液体吐出記録装置に入力した場合、ヘッドが搬送機構18によりヘッド計測領域部16に運ばれる。尚、全ての制御はパソコン19と接続している制御部(図示略)で行われる。ヘッドが移動する際には、シャッタ20が開閉される。
【0090】
図12のフローチャートにおいて、液滴量の計測処理が開始され(ステップS1)、ヘッドをヘッド計測領域部16の液滴量測定位置に移動した後(ステップS2)、ヘッドの駆動対象となるノズルを選択し(ステップS3)、その選択されたノズルから吐出される液滴量を計測する(ステップS4)。そして、液滴量が規格値内か規格値外を判定する(ステップS5)。
【0091】
液滴量が規格値外の場合は、駆動パラメータの調節を行った後(ステップS6)、再度、液滴量を計測する(ステップS4)。この場合、駆動パラメータの調整とは、例えば、計測された液滴量が規格値より小さければ駆動電圧をより大きくし、逆に計測された液滴量が規格値より大きければ駆動電圧を小さくする、というものである。駆動パラメータの調整と液滴量計測は、液滴量が規格値内になるまで繰り返し行われる。
【0092】
こうして決定された駆動パラメータは、制御器内のメモリに書き込まれる(ステップS7)。この動作を全てのノズルに対して行った後(ステップS8)、ヘッドを印字位置に移動させる(ステップS9)。ヘッドによる印字を行う時には、上記方法で決定された駆動パラメータによりヘッド駆動がなされる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下のような効果が得られる。
【0094】
素性が既知の雰囲気気流に流される液滴の位置を計測し、液滴量を算出することで、液滴1滴1滴の液滴量測定が可能となる。
【0095】
又、液滴が移動することによって生じる気体の乱れが雰囲気の強制気流により気流の下流方向に拡散されるので、次に続く液滴に影響を与えることはない。従って、液体吐出ヘッドの液滴吐出周波数が高周波数の液滴吐出時でも、液体吐出ヘッドの液滴吐出周波数が低周波数の液滴吐出時と同様に液滴量測定を行うことができる。
【0096】
又、本発明では、照明にシート光を用いており、シート光の存在する領域の気流速度は既知である。よって、飛翔軌道のばらつく液滴の体積を計測する場合も、シート光上に飛翔する液滴を選択的に計測することで精度良く計測ができる。
【0097】
そして、本発明の液滴量測定方法により得られるデータをヘッドの開発過程で利用することで、より高品位な液体吐出ヘッドの開発を迅速に行うことが可能となる。
【0098】
又、本発明の液滴量測定方法により得られたデータから、吐出特性を補正するよう駆動パラメータを調整し、吐出を行うことで、より高品位な液体吐出装置(インクジェットプリンタ)を提供することができる。それにより、従来の民生向けのインクジェットプリンタとしての用途だけではなく、より高精度、高信頼性を必要とするカラーフィルタ製造等、産業用途向けとしての製造装置を提供することができる。
【0099】
更に、製造した液体吐出ヘッドを本発明の液滴量測定方法で測定し、そのデータを製造装置にフィードバックすることで、液体吐出ヘッドの生産時における良品率を効率良く上げることができ、製造コストを低減することもできる。
【0100】
更に、本発明の液滴量測定方法を使えば、液体吐出ヘッドの吐出液滴に限らず、微小液体、微小固体の大きさを計測することが可能であり、例えば球状粉体や噴霧滴の量測定が可能と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の液体吐出ヘッドの吐出液滴量を計測するための液滴量測定装置の構成例を示す概略構成図である。
【図2】平板間の平板回転方向の気流速度分布とシート光を示す説明図である。
【図3】液滴の飛翔と雰囲気気体の乱れを示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1のヘッド駆動、ディレイジェネレータの発信信号、カメラ露光を示すタイミング図である。
【図5】本発明の実施の形態1の撮像した液滴撮像光像の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2の液体吐出ヘッドの吐出液滴量を計測するための液滴量測定装置の構成例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の実施の形態2の撮像した液滴撮像光像の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2の液滴位置の決定方法を説明するための液滴撮像光像とシート光軸及び算出される液滴中心を示す概略説明図である。
【図9】本発明の実施の形態3の液体吐出ヘッドの吐出液滴量を計測するための液滴量測定装置の構成例を示す概略構成図である。
【図10】本発明の実施の形態3のヘッド側から見たシート光の概略形状図である。
【図11】本発明の実施の形態4の液滴量計測機能を備えた液体吐出装置の構成例を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施ま形態4の液滴量測定時の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】従来例の液滴の着弾状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ヘッド
2 平面ガラス円板
3 カラー
4 ケース
5 CCDカメラ
6 レンズ
7,7’ レーザー
8,8’ 整形レンズ
9 ヘッド駆動制御系
10 ディレイジェネレータ
11 パソコン
12,12’ アイソレータ
13 整形レンズ
14 反射ミラー
15 印字領域部
16 ヘッド計測領域部
17 材料搬入口
18 搬送機構
19 パソコン
20 シャッタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、所望の液体を吐出して媒体上に前記液体を着弾させ、所望のパターンを描く液体吐出装置の液体吐出ヘッドからの飛翔液滴の量、つまり体積を測定する液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法、液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定装置、液体吐出ヘッドの検査システム、液体吐出装置、液体吐出ヘッドの製造システム及び液体吐出ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液体吐出ヘッド(以下、ヘッドと略称)の吐出口からインク液滴(以下、液滴と略称)を吐出し、紙やOHPシート等の記録媒体に着弾させることで、画像を形成する液体吐出記録装置が知られている。液体吐出記録装置においては、高精細且つ高画質化が求められている。
【0003】
吐出された液滴量にばらつきがあると、濃度むらやカラー画像における色調ずれ等の影響を及ぼし、高精細且つ高画質化の妨げとなる。こうした問題を解決するためには、ヘッドの液滴吐出特性の解析を行う必要があり、液滴量に関しては吐出液滴1滴1滴の量を測定しその量の値と吐出ごとのばらつきが求められてきた。尚、ここで言う液滴の量とは、液滴の体積と同義にとらえている。
【0004】
又、より高品質のヘッドを出荷するために、製造されたヘッドの液滴吐出特性の検査項目の1つとして、吐出液滴1滴1滴の量を測定することが求められてきた。
【0005】
しかし、ヘッドから吐出される液滴は、例えば径が20μm弱、体積で4plと、液滴量が微小であることから、液滴1滴の量を測定するのは困難を極める。従来から、ヘッドの液滴吐出量を測定する各種の方法が提案されている。
【0006】
従来の第1の方法は、予め液体吐出記録装置のインクタンクの質量を測定しておき、その後、規定のヘッド駆動を行わせ、その後、更にそのインクタンクの質量を測定することにより、ヘッドの駆動動作前後の液滴質量差から平均的な液滴吐出量を算出するものである。
【0007】
従来の第2の方法は、染料が含まれる液滴をガラス基板上に形成した透明受容層上に着弾させ、その着弾液滴部分に光を照射し、透過した光量の計測値から着弾液滴内に含まれる染料の量を見積もる。そして、液適量とそれに含まれる染料の量との比が既知であるとすることにより液滴吐出量を算出するものである。
【0008】
従来の第3の方法は、例えば特開平5−149769号公報に記載されているように、液滴の飛翔像をカメラ等で撮影し、撮影画像を画像処理し、その画像の大きさから液滴体積を算出するものである。
【0009】
従来の第4の方法は、例えば特開2000−153603号公報に記載されているように、所定の深さと幅とを持つシャーレ形態の媒体に吐出液滴を受け、天板で覆い、天板に押し潰され変形した液滴のサイズを測定し、その測定値に基づいて、液滴の体積を算出するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例においては次のような問題があった。
【0011】
従来例の第1の方法では、算出するのは多数液滴の平均値であり、1滴1滴の液滴量ではないため、液滴間のばらつきや過渡的な液滴量の変化を測定することはできない。そのため、十分な情報が得られないという問題があった。
【0012】
又、従来例の第2の方法は、液滴を受ける受容層にばらつきがあり、そのばらつきにより液滴の受容層内での広がり方が変わり、延ては透過光量に変化する。現状では、特に、受容層の表面エネルギや表面形状むら等のばらつきが液滴量測定の精度を落としている。又、この方法では、光を吸収しない透明液滴や光の透過量が極端に落ちる顔料インク等には適用できない。又、高速で連続的に吐出される液滴量を測定しようとすると、図13に示すように基板に着弾した液と液とが分離されず、繋がってしまうため、1滴ごとの液滴量を測定することができない。
【0013】
又、従来例の第3の方法では、照明の方法、つまり照明光の強さや向き等により撮像される液滴の大きさが変ってしまう。又、20μm弱の液滴径を測定するには高倍率のレンズで撮影する必要があるが、レンズは高倍率である程、視写界深度は浅い。
【0014】
一方、この方法では飛翔する液滴を撮影するが、液滴の飛翔軌道にはばらつきがあるため、視写界深度から外れた液滴を撮影してしまうことがある。焦点からずれた位置で撮影した液滴像は、実際の大きさよりも大きく撮影される。つまり、液滴の飛翔軌道のばらつきが、計測される液滴量に誤差をもたらす。更に、この方法では、液滴径から液滴量を算出するが、液滴量は液滴径の3乗に比例するので、量の絶対誤差も径の測定絶対誤差のおよそ3乗に比例することになり、液滴径の測定誤差を小さく抑えないと、液滴量の絶対誤差が大きくなる欠点がある。
【0015】
更に、従来例の第4の方法では、基板の撓みや表面むらのため、液滴を挟む受容基板と天板面との間隔をばらつきなく一定にするのは難しい。更に、受容基板と天板面の両面の濡れの状態もばらつきなく一定にすることは難しいため、測定に誤差が生じてしまう。更に、高速で連続的に吐出される液滴量を測定しようとすると、第2の方法と同様に、基板に着弾した液と液とが分離されず、繋がってしまうため、1滴ごとの液滴量を測定することができない。
【0016】
本発明の目的は、液体吐出ヘッドの更なる高画質化を実現するため、前記従来例の欠点を無くし、吐出液滴の1滴1滴の量を精度良く計測することができる液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法、液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定装置、液体吐出ヘッドの検査システム、液体吐出装置、液体吐出ヘッドの製造システム及び液体吐出ヘッドを提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既知の気流流れ場の所定の位置にシート状の光束を形成し、該光束のシート面内を飛翔するように液滴を吐出し、前記液滴の動きが前記気流流れ場と一致する前に、前記液滴に前記光束が当り散乱する光を複数回撮像し、その撮像された画像から算出される液滴位置と、撮像したタイミング及び流れ場の気流の速度から前記液滴の液滴量を算出することを特徴とする。
【0018】
ここで、一定流れ中の球に働く抗力Fは、レイノルズ数が小さいとき、Stokesの式に従い、球の質量をm、球の半径をr、球に働く相対速度をv、雰囲気気体の粘性係数をηとすると、
F=6πηrv …(1)
と表される。これにより、球に働く運動方程式が決定される。
【0019】
球に働く加速度をa、時定数をτ=m/6πηrとおくと球に働く運動方程式は、
τ・a = v …(2)
と表される。
【0020】
液滴を球と考え、液滴の密度をρとすると、τ=m/6πηr=2r2 ρ/9ηである。
【0021】
液滴の密度ρと雰囲気気体の粘性係数ηが既知であれば、式(2)から時定数τを求めることで液滴の半径rが求められ、液滴量を算出できる。
【0022】
式(2)からτを求めるには、複数時刻での液滴位置と、その複数の時刻の間に液滴が移動する軌道上の雰囲気気体の速度場が既知であることが必要である。
【0023】
計測対象である液体吐出ヘッドから吐出される液滴は、その飛翔する軌道がばらつく。一方、液滴の通過する空間領域の気流速度場は既知だとしても、位置によらず一定に形成するのは難しい。つまり、複数時刻での液滴位置と、その複数の時刻の間に液滴が移動する軌道上の雰囲気気体の速度場を知るには、雰囲気気体の流れ場と液滴位置を3次元的に把握する必要がある。しかし、これは困難を伴う。
【0024】
そこで、本発明では、既知の気流流れ場の所定の位置にシート状の光束を形成し、更にシート面内を飛翔するように液滴を吐出する。そして、飛翔軌道のばらつく液滴のうち、選択的にシート内を飛翔する液滴をのみを計測する。この方法だと、シート光の位置は決まっているので、液滴位置を2次元的に計測すれば良い。又、雰囲気流れ場も3次元ではなく、シート光の存在する2次元的に把握しておけば良い。
【0025】
尚、本発明は計測を行う領域での気流が既知の層流になっていることが計測の必要条件である。つまり、計測開始前或は後の領域の気流が未知であったり、乱流であっても計測は可能である。
【0026】
時定数τは、液滴が雰囲気気流流れと一致するまでに掛かる時間に関与する指数なので、液滴が気流の動きに一致して移動する段階で液滴位置を測定しても、式(2)からτを解くのには利用できない。つまり、液滴の気流流れ方向の速度が気流の速度と一致する前に、液滴の位置を測定しなければならない。よって、本発明では、液滴の動きが気流流れ場と一致する前に、液滴を複数回撮像し液滴の位置を測定する。
【0027】
又、本発明では、撮像部の焦点はシート状の光束の光軸上に位置することを特徴とする。これにより液滴で散乱する光を効率良く撮像に利用できる。
【0028】
又、本発明では、シート状の光束とともに、光束の進行方向とほぼ逆に進行する第2のシート状の光束を形成することを特徴とする。液滴に当り散乱する光の散乱位置と、液滴中心位置とは異なる。しかし、本発明のように第2のシート状の光束を形成すれば、シート光の進行方向と散乱光の位置及び撮像系の光軸位置から液滴の中心位置を精度良く計測できる。
【0029】
更に、2つのシート状の光束をその光軸が互いにほぼ一致するように形成すれば、同一液滴からの散乱光位置の平均を取ることで液滴の中心位置を簡便に精度良く決定できる。
【0030】
又、本発明では、光束のシート厚の最小位置が撮像領域に含まれていることを特徴とする。
【0031】
光束のシート厚が絞られている部分ではエネルギー密度が高いので、液滴から散乱される光量もより大きい。よって、撮像部で、散乱光をよりSN良くとらえることができ、測定精度の向上を図ることができる。
【0032】
又、本発明では、先述した第2のシート状の光束は、第1の光束をミラーで反射させることで形成することを特徴とする。これにより複数のレーザーを使用しなくても済み、装置の簡素化、コスト低下を図ることができる。
【0033】
又、本発明では、所定の間隔をおいて平行に配置した少なくとも2枚の平面板を平行方向に同じ回転軸にて回転することで、隣接平板間に既知の気流流れ場を形成し、該平面板の間の所定の位置に前記シート状の光束を該平面板に平行に形成することを特徴とする。
【0034】
この気流生成法では、平板に平行な回転方向に支配的な気流流れ場が生じる。液滴は気流流れ方向、つまり平板の回転方向に力を受け移動していく。よって、シート状の光束が平板に平行であれば、液滴を複数回撮像する間にシート光束から液滴が外れる可能性が小さくなる。つまり、撮像した画像から液滴量を算出し易くなり、又、算出に使用できる画像の割合も増える。これは計測精度の向上、計測時間の向上に繋がる。
【0035】
更に、本発明は、シート状の光束は隣接平板の中央に位置することを特徴とする。
【0036】
本方法では、平板の面近傍の気流速度は平板の移動速度と一致するが、平板から離れるに従い気流速度は落ちる。つまり、平板間の空間で気流速度は一定ではない。そして、平板回転方向気流速度の平板間における勾配は、図2に示すように平板中央部は小さい。よって、シート状の光束を隣接平板の中央に配置することで、測定部での気流速度をより精度良く決めることができるとともに、飛翔する液滴軌道の安定性も高いため、計測精度の向上を期待できる。
【0037】
更に、本発明は、液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法を用いて、液体吐出ヘッドの各ノズルの特性を測定し、その測定値に基づいて、各ノズルで常に所定の液滴量での吐出が行われるようにヘッドの駆動制御を行う。これにより、液滴量が常に一定で、高品質な描画を可能とする液体吐出装置ができる。
【0038】
更に、本発明は、液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法を用いて、製造済みの液体吐出ヘッドの各ノズルの諸特性を測定し、そのデータを製造装置にフィードバックし、目標性能を得るべく製造パラメータの調整を行う。これにより、液滴量が一定で高品質な液体吐出ヘッドを効率良く生産することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
(1)構成の説明
図1は本発明の第1実施形態の液体吐出ヘッド1の液滴量測定装置の一例を示す概略構成図である。液滴量測定装置は、平行に配置された2枚のガラス円板2、カラー3、円板を収納する透明アクリルケース4、CCDカメラ5、観察系拡大レンズ6、レーザー7、整形レンズ8、ヘッド駆動制御系9、ディレイジェネレータ10、画像取込み用のパソコン11を備えている。
【0041】
本実施の形態で用いた液体吐出ヘッド1(以下、ヘッドと略称)は、電気熱変換体により液滴に熱を加え、インクの一部を発泡させ、その発泡の作用力により、オリフィスプレートに開いたノズルからインクを吐出させるタイプのものである。ヘッド1のノズルの数は64個から1408個まで様々なタイプが生産されているが、本実施の形態では128個のものを用いた。又、吐出液滴としてブラックインクを用いた。
【0042】
平行に並べた2枚のガラス円板2を両円板の中心を同一の軸として同速度で回転し、速度が既知である層流気流場を作る。ガラス円板2は厚さ1mm、径は3インチで、回転軸をガラス円板と同一にする厚さ3mm、径60mmのカラー3を挟むようにして固定される。ガラス円板2はカラー3と共に、400rpmの等速で回転する。
【0043】
本実施の形態では、計測面を2枚のガラス板2の中間面としている。計測面での気流速度は、粒子像速度法(PIV法)により計測され、ガラス円板平板方向の速度は、v=cRωで表せることが確かめられている。ここで、cは定数、Rは回転中心からの距離、ωはガラスの回転角速度である。又、熱線流速計により計測領域の乱流強度の評価も行われ、計測領域に関しては十分層流になっていることが確かめられている。尚、計測面をガラス板2の中間面にする必要は必ずしもない。
【0044】
しかし、平板間での気流速度勾配が中間面程小さいので、計測面をガラス板2の中間面にすることで、より高精度に気流速度の決定ができる。
【0045】
又、ガラス円板2とカラー3は、生成気流の安定化のため透明アクリルケース4に収納されている。透明アクリルケース4の上面には穴があけられている。穴の中心軸は、2枚のガラス円板2の中央に位置している。
【0046】
ヘッド1は透明アクリルケース4の上部に配置されており、計測対象のノズルから吐出された液滴はこの穴を通り、計測域である層流流れ場に入る。ヘッド1の位置出しは、ヘッド1を固定しているステージ類(不図示)によりなされる。
【0047】
液滴の気流流れ方向の速度が気流の速度と一致する前に、液滴の位置を測定しなければならないため、液滴の軌道が大きく曲がる領域を観察できるように、CCDカメラ5、観察系拡大レンズ6から成る撮像系は位置合わせされる。尚、液滴の大きさが異なれば、時定数τが異なるため、液滴の通る飛翔軌道も変わる。よって、実際の計測を行う前にヘッド1から実計測時と同じ吐出条件で液滴を吐出させ、飛翔する液滴を撮像系で撮像しながら、撮像系を固定しているステージ類(不図示)を移動させることで撮像系の位置合わせを行う。
【0048】
尚、撮像系の光軸がガラス円板2の面に垂直になるように配置される。又、撮像系の焦点は、ガラス円板2の中間面に一致するように位置合わせされる。
【0049】
撮像部としては、露光時間0.1μsからの多重露光が可能な、1280×1024画素を持つ12bitのCCDカメラ6を接続して使用する。観察系拡大レンズ5としては、倍率10倍の対物レンズを使用した。
【0050】
レーザー7から出射されたレーザー光は整形レンズ8でシート状に整形され、計測域に導入される。整形レンズとしては、例えば複数のシリンドリカルレンズを使用する。レーザー7は、波長532nmのYAG2倍高調波のCWグリーンレーザーで出力は200mWである。シート状の光は、ガラス円板2の回転軸方向に最小厚さが20μmまで絞られる。又、シート光の厚さが最小になる位置と、撮像域の中心とが一致するように整形レンズ8の位置が調整される。ガラス面と平行な方向にはレーザー光は拡大され、撮像域では2mm以上に調整される。又、シート光は、シートの中央面が、平行に位置する2枚のガラス円板の中間面に一致するように導入される。
【0051】
ヘッド駆動制御系9はヘッド1とディレイジェネレータ10に接続され、液滴吐出のための駆動信号を送信する。ディレイジェネレータの出力部はCCDカメラ5のトリガ入力部と接続されている。又、CCDカメラ5は画像取込み用のパソコン11と接続されている。
【0052】
装置を設置している部屋は、温度は25℃、相対湿度70%に保たれている。
【0053】
図3は本発明の実施の形態1の液滴の飛翔と雰囲気気体の乱れを示す説明図である。
【0054】
本測定では、液滴の軌道が大きく曲がる領域を観察する。ヘッド1の吐出液滴の測定領域では、図3のように、液滴が移動することによる気流の乱れは、気流の流れ方向に飛散し、液滴の軌道上には残らないため、液滴が移動することで生じた雰囲気内の気体乱れが、次に、ヘッド1から吐出される液滴の移動に影響を与えることはないと考えられる。よって、雰囲気気体の粘性係数ηは、その気体固有の一定値と考えることができる。
【0055】
ヘッド1の吐出液滴の測定では、ヘッド1の駆動、ディレイジェネレータ10から発信し、CCDカメラ5へ送信する撮像開始信号、CCDカメラ5の露光のタイミングを図4に示すように制御した。
【0056】
ヘッド駆動制御系9で作られたヘッド駆動信号により、ヘッド1は周波数100Hzで吐出駆動された。
【0057】
又、ヘッド駆動信号はディレイジェネレータ10に送信され、一定時間後にカメラにトリガ信号を出力する。尚、この出力周波数は8Hzで、入力100Hzの信号を間引きして出力される。ヘッド1で駆動信号が印加されてから、その駆動により吐出された液滴が撮像エリアに到達するまでには、一定の時間が必要である。このヘッド駆動信号とカメラトリガ信号の時間差を調整するため、ディレイジェネレータ10で遅延時間の調整がされる。
【0058】
CCDカメラ5は、フレーム速度を8Hz、1回の撮影中に露光が4回行われる。1回の露光時間は1μs、露光と露光の間隔は250μsに設定された。CCDカメラ5はトリガが入ると、1回目の露光を開始するように設定される。尚、露光時間長と露光時間間隔は、液滴画像が撮像されるように、測定エリアと液滴のスピード、又、液滴の大きさとシート光強度に応じて適宜調整されなければならない。これら機器のタイミング調整は、本測定前に、測定条件と同じ吐出条件で液滴を吐出し撮像を行いながらなされる。
【0059】
CCDカメラ5で撮像された画像データは、パソコン11に送られ、パソコン11内部のメモリに記憶される。画像データは、実験後、メモリから読み出され、画像処理ソフトにより液滴の重心位置座標が算出される。尚、実験前に、規定の間隔の格子パターンを描いたガラス基板を測定領域に設置し、上記構成でCCDカメラ5により撮像され画像が取得される。その画像上の画素単位での格子間隔と、ガラス基板上での実格子間隔とから、画像データの1画素が実空間でどれだけの長さに相当するかというキャリブレーションが行われる。このキャリブレーションデータは、パソコン11のメモリに記憶され、画像処理により液滴重心位置が算出される際に用いられる。
【0060】
(2)動作の説明
次に、本発明の実施の形態1の動作について詳細に説明する。
【0061】
本実施の形態では、CCDカメラ5の露光ごとに液滴を反射した光が観察系拡大レンズ6に入射するので、図5に示すように1画像データには同一液滴の光像が、露光回数と同じ4点表示される。ここで、x軸は水平軸、y軸は垂直軸で両軸ともガラス円板2の回転軸に垂直である。尚、ヘッドや駆動法によって液滴の飛翔ルートがばらつき、撮影した画像全てで明瞭な液滴像が取れる訳ではない。画像処理により明瞭な画像を選択処理し、4つの光像重心位置を算出する。
【0062】
次に、数値的に式(2)
τ・a=v …(2)
を解く。式(2)をx、y軸方向に対して各々解くと、
x=f(C1、C2、C3、C4、x0 、τ、t)
y=f(C1、C2、C3、C4、y0 、τ、t)
ここで、C1〜C4は定数、時刻t=Tが撮像時の4回の露光タイミングの最初の時刻に対応し、t=Tでの液滴座標を(x0 、y0 )とする。t=T+n・Δtでの液滴座標を(x0 +xn 、y0 +yn )(n=1〜3)として上式に代入する。t=Tでの液滴座標(x0 、y0 )が未知だとしても、Δt時間内で液滴が移動する長さxn 、yn (n=1〜3)は、取得した液滴画像の液滴の座標位置の差であり、算出済みの光像重心位置から計算できる。
【0063】
代入したことでできる式は8つ、未知数はC1、C2、C3、C4、τ、x0 、y0 の7つなので、8つの連立方程式を解きτを算出する。次に、τ=m/6πηr=2r2 ρ/9ηから液滴の半径rが算出できる。ここで、ρは液滴の密度で、本実施の形態で用いたブラックインクの密度値を用いる。ηは雰囲気気体の粘性係数で、気温25℃の空気の粘性係数を用いた。
【0064】
こうして算出された液滴径は約φ20μmになり、従来法によるインクタンクの液滴の減り量と吐出回数から求めた平均液滴径とほぼ等しい値になった。
【0065】
尚、本実施の形態では、定速気流の雰囲気環境を、平行に配置した2枚のガラス円板2を回転させることで作り出したが、例えば風洞装置を使用する等の別方法も考えられる。更に、液滴の位置や速度を計測するにも、本実施の形態の方法のみならず、ハイスピードカメラの使用等、多種多様な手段を採用することができる。
【0066】
本実施の形態では、更に、本発明の液滴量測定方法及び液滴量測定装置を利用することで、高精度なヘッドをより効率良く生産する方法を説明する。
【0067】
工場で生産されたヘッドは、上記説明してきた液滴量測定方法及び液滴量測定装置により全ノズルの液滴量測定がなされる。そのデータはLAN等によりリアルタイムで工場の各製造工程部に送信される。
【0068】
規格外の液滴量が計測された場合は、各工程内の検査結果と併せて解析され、不良原因の早期探索がなされる。例えば、或るヘッドの一部のノズルで液滴吐出量が規格以上に大きいという計測結果が得られると、そのヘッドノズルの径や、そのヘッドノズルに対応する熱変換素子の抵抗値が調べられる。そこで、例えば、液滴吐出量が規格以上に大きいノズルに対応するノズル径が、設計値よりも大きかった場合は、ノズル形成工程において製造パラメータの再チェックがなされ、設計値のノズル径が製造できるようにノズル形成工程の調整がなされる。こうした最終製品から各製造工程へ計測データのフィードバックを掛けることで、高精度なヘッドがより効率良く生産される。又、製品立ち上げ時の歩留まり向上を早めることができる。
【0069】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。
【0070】
(1)構成の説明
図6は本発明の実施の形態2のヘッド1の液滴量測定装置の一例を示す概略構成図である。本実施の形態が実施の形態1の構成と異なるところは、実施の形態1の構成に加えて、第2のレーザー7とレーザー7から出射される光を整形する整形レンズ8及びレーザー7と7の出射口の先にアイソレータ12,12を備えていることである。
【0071】
レーザー7から出射された光は、アイソレータ12を通過後、実施の形態1と同様に整形レンズ8でシート光に整形され、計測領域に導かれる。レーザー7から出射された光も同様にアイソレータ12を通過後、整形レンズ8でシート光に整形され、計測領域に導かれる。ここで、両レーザー光とも光軸は水平で、ほぼ一致するように調整される。他の構成は実施の形態1と同様で、詳細は上述したので省略する。
【0072】
(2)動作の説明
実施の形態1と同様に調整を行い、液滴の画像を撮影する。
【0073】
本実施の形態で得られる画像の一例を図7に示す。水平方向に対抗して進行する2つのレーザー光が液滴に当り反射する光を撮影しているため、図7のように1回の露光で1つの液滴から2つの水平に並ぶ光像が得られる。得られた画像において、この2つの光像間の重心位置を画像処理で算出する。その重心位置を、各露光時の液滴位置とする。
【0074】
本実施の形態では、吐出液としてブラックインクを用いているが、ブラックインクはレーザー光を透過しないので撮像系に入る光は、液滴の表面で反射した光だけである。
【0075】
一方、水や透明インク等はレーザー光を透過するので、撮像系には液滴表面で反射した光だけでなく、内面で反射した光も入射する。よって、透明インク等の計測の場合は、1回の露光で1つの液滴から2つ以上の輝点が見える。この場合も1回の露光で1つの液滴から得られる複数光像間の重心位置を画像処理で算出し、その位置を各露光時の液滴位置とする。
【0076】
尚、本実施の形態では、両シート光とも光軸は水平でほぼ一致するようにしたが、光軸は一致しなくても計測は可能である。この場合、各シート光が液滴に当り得られる光像の重心を画像処理により算出する。そして、図8のように、各シート光軸の方向に、そのシート光により得られた光像の重心位置を延長し、互いに交わる位置を液滴位置とすれば良い。
【0077】
他の処理は実施の形態1と同様であるので、詳細は省略する。
【0078】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図面を参照して詳細に説明する。
【0079】
(1)構成の説明
図9は本発明の実施の形態3のヘッド1の液滴量測定装置の一例を示す概略構成図である。本実施の形態が実施の形態1の構成と異なるところは、実施の形態1の構成に加えて、アイソレータ12と整形レンズ13、反射ミラー14を備えていることである。
【0080】
レーザー7から出射された光は、アイソレータ12を通過後、実施の形態1と同様に整形レンズ8でシート光に整形され、計測領域に導かれる。レーザー光軸上には、ケース4に対してレーザー7とは反対側の光軸上に、整形レンズ13と反射ミラー14が設置されている。
【0081】
図10に本実施の形態で整形されたシート光をヘッド側から見た概略図を示す。ケース4を出たレーザー光は、整形レンズ13で1点に縮小され、反射ミラー14のミラー面で焦点を結ぶ。反射ミラー14で反射したシート光は、再度整形レンズ13を通過し、計測域で平面ガラス回転軸方向のシート光厚は極小になり、ケース4の外へ出ていく。
【0082】
他の構成は実施の形態1と同様で、詳細は上述したので省略する。
【0083】
(2)動作の説明
吐出液がブラックインクの場合、実施の形態2と同様の画像が得られる。得られた画像から液滴位置を決定し、更に液滴量を求める動作は実施の形態2と同様なため、詳細は省略する。
【0084】
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について図面を参照して詳細に説明する。
【0085】
(1)構成の説明
図11は本発明の実施の形態4の液滴量測定機能を備えた液体吐出記録装置の構成を示す概略斜視図である。液体吐出記録装置は、印字領域部15、液滴量測定機能を備えたヘッド計測領域部16、材料搬入口17、搬送機構18、パソコン19、シャッタ20を備えている。
【0086】
(2)動作の説明
次に、本発明の実施の形態4の動作について図11及び図12を参照して詳細に説明する。
【0087】
本実施の形態では、液滴量測定機能を備えた液体吐出記録装置について説明する。
【0088】
液体吐出記録装置の記録媒体には、紙やOHPシート等の民生用品、例えばカラーフィルタ基板等の産業用品等の多数種の媒体が挙げられるが、本実施の形態ではカラーフィルタ向けガラス基板を対象とする。液体吐出記録装置には、印字領域部15とヘッド計測領域部16が別々に存在する。記録媒体であるガラス基板は、材料搬入口17より出し入れされる。
【0089】
液体吐出記録装置の電源投入直後や一定時間ヘッド駆動がなされた後、或はユーザがヘッド計測の指示を液体吐出記録装置に入力した場合、ヘッドが搬送機構18によりヘッド計測領域部16に運ばれる。尚、全ての制御はパソコン19と接続している制御部(図示略)で行われる。ヘッドが移動する際には、シャッタ20が開閉される。
【0090】
図12のフローチャートにおいて、液滴量の計測処理が開始され(ステップS1)、ヘッドをヘッド計測領域部16の液滴量測定位置に移動した後(ステップS2)、ヘッドの駆動対象となるノズルを選択し(ステップS3)、その選択されたノズルから吐出される液滴量を計測する(ステップS4)。そして、液滴量が規格値内か規格値外を判定する(ステップS5)。
【0091】
液滴量が規格値外の場合は、駆動パラメータの調節を行った後(ステップS6)、再度、液滴量を計測する(ステップS4)。この場合、駆動パラメータの調整とは、例えば、計測された液滴量が規格値より小さければ駆動電圧をより大きくし、逆に計測された液滴量が規格値より大きければ駆動電圧を小さくする、というものである。駆動パラメータの調整と液滴量計測は、液滴量が規格値内になるまで繰り返し行われる。
【0092】
こうして決定された駆動パラメータは、制御器内のメモリに書き込まれる(ステップS7)。この動作を全てのノズルに対して行った後(ステップS8)、ヘッドを印字位置に移動させる(ステップS9)。ヘッドによる印字を行う時には、上記方法で決定された駆動パラメータによりヘッド駆動がなされる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下のような効果が得られる。
【0094】
素性が既知の雰囲気気流に流される液滴の位置を計測し、液滴量を算出することで、液滴1滴1滴の液滴量測定が可能となる。
【0095】
又、液滴が移動することによって生じる気体の乱れが雰囲気の強制気流により気流の下流方向に拡散されるので、次に続く液滴に影響を与えることはない。従って、液体吐出ヘッドの液滴吐出周波数が高周波数の液滴吐出時でも、液体吐出ヘッドの液滴吐出周波数が低周波数の液滴吐出時と同様に液滴量測定を行うことができる。
【0096】
又、本発明では、照明にシート光を用いており、シート光の存在する領域の気流速度は既知である。よって、飛翔軌道のばらつく液滴の体積を計測する場合も、シート光上に飛翔する液滴を選択的に計測することで精度良く計測ができる。
【0097】
そして、本発明の液滴量測定方法により得られるデータをヘッドの開発過程で利用することで、より高品位な液体吐出ヘッドの開発を迅速に行うことが可能となる。
【0098】
又、本発明の液滴量測定方法により得られたデータから、吐出特性を補正するよう駆動パラメータを調整し、吐出を行うことで、より高品位な液体吐出装置(インクジェットプリンタ)を提供することができる。それにより、従来の民生向けのインクジェットプリンタとしての用途だけではなく、より高精度、高信頼性を必要とするカラーフィルタ製造等、産業用途向けとしての製造装置を提供することができる。
【0099】
更に、製造した液体吐出ヘッドを本発明の液滴量測定方法で測定し、そのデータを製造装置にフィードバックすることで、液体吐出ヘッドの生産時における良品率を効率良く上げることができ、製造コストを低減することもできる。
【0100】
更に、本発明の液滴量測定方法を使えば、液体吐出ヘッドの吐出液滴に限らず、微小液体、微小固体の大きさを計測することが可能であり、例えば球状粉体や噴霧滴の量測定が可能と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の液体吐出ヘッドの吐出液滴量を計測するための液滴量測定装置の構成例を示す概略構成図である。
【図2】平板間の平板回転方向の気流速度分布とシート光を示す説明図である。
【図3】液滴の飛翔と雰囲気気体の乱れを示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1のヘッド駆動、ディレイジェネレータの発信信号、カメラ露光を示すタイミング図である。
【図5】本発明の実施の形態1の撮像した液滴撮像光像の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2の液体吐出ヘッドの吐出液滴量を計測するための液滴量測定装置の構成例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の実施の形態2の撮像した液滴撮像光像の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2の液滴位置の決定方法を説明するための液滴撮像光像とシート光軸及び算出される液滴中心を示す概略説明図である。
【図9】本発明の実施の形態3の液体吐出ヘッドの吐出液滴量を計測するための液滴量測定装置の構成例を示す概略構成図である。
【図10】本発明の実施の形態3のヘッド側から見たシート光の概略形状図である。
【図11】本発明の実施の形態4の液滴量計測機能を備えた液体吐出装置の構成例を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施ま形態4の液滴量測定時の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】従来例の液滴の着弾状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ヘッド
2 平面ガラス円板
3 カラー
4 ケース
5 CCDカメラ
6 レンズ
7,7’ レーザー
8,8’ 整形レンズ
9 ヘッド駆動制御系
10 ディレイジェネレータ
11 パソコン
12,12’ アイソレータ
13 整形レンズ
14 反射ミラー
15 印字領域部
16 ヘッド計測領域部
17 材料搬入口
18 搬送機構
19 パソコン
20 シャッタ
Claims (20)
- 既知の気流流れ場の所定の位置にシート状の光束を形成し、該光束のシート面内を飛翔するように液滴を吐出し、前記液滴の動きが前記気流流れ場と一致する前に、前記液滴に前記光束が当り散乱する光を複数回撮像し、その撮像された画像から算出される液滴位置と、撮像したタイミング及び流れ場の気流の速度から前記液滴の液滴量を算出することを特徴とする液体吐出ヘッドの液滴量測定方法。
- 前記撮像の撮像部の焦点は前期光束の光軸上に位置することを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定方法。
- 前記シート状の光束とともに、前記光束の進行方向とほぼ逆に進行する第2のシート状の光束を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定方法。
- 前記2つのシート状の光束の光軸は、互いにほぼ一致することを特徴とする請求項3記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定方法。
- 前記シート状の光束のシート厚の最小位置が撮像領域に含まれていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定方法。
- 前記第2のシート状の光束は、第1の光束をミラーで反射させることで形成することを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定方法。
- 所定の間隔をおいて平行に配置した少なくとも2枚の平面板を平行方向に同じ回転軸にて回転することで、隣接平板間に前記既知の気流流れ場を形成し、該平面板の間の所定の位置に前記シート状の光束を該平面板に平行に形成することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定方法。
- 前記シート状の光束は前記隣接平板の中央に位置することを特徴とする請求項7記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定方法。
- 前記請求項1〜8の何れかに記載の液滴量測定方法を用いて液体吐出ヘッドの各ノズルの特性を測定し、その測定値に基づいて、各ノズルで常に所定の液滴量での吐出が行われるようにヘッドの駆動制御を行うことを特徴とする液体吐出ヘッドの検査システム。
- 前記請求項1〜8の何れかに記載の液滴量測定方法を用いて液体吐出ヘッドの各ノズルの特性を測定し、その測定値に基づいて、各ノズルで常に所定の液滴量での吐出が行われるようにヘッドの駆動制御を行うことを特徴とする液体吐出装置。
- 前記請求項1〜8の何れかに記載の液滴量測定方法を用いて製造済みの液体吐出ヘッドの各ノズルの諸特性を測定し、そのデータを製造装置にフィードバックし、目標性能を得るべく製造パラメータの調整を行うことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造システム。
- 前記請求項1〜8の何れかに記載の液滴量測定方法を用いて製造済みの液体吐出ヘッドの各ノズルの諸特性を測定し、そのデータを製造装置にフィードバックし、目標性能を得るべく製造パラメータの調整を行う製造システムで製造されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 既知の気流流れ場の所定の位置にシート状の光束を形成する光束生成手段と、該光束のシート面内を飛翔するように液滴を吐出し、前記液滴の動きが前記気流流れ場と一致する前に、前記液滴に該光束が当り散乱する光を複数回撮像する撮像手段と、その撮像された画像から算出される液滴位置と、撮像したタイミング及び流れ場の気流の速度から前記液滴の液滴量を算出する測定手段と、を備えることを特徴とする液体吐出ヘッドの液滴量測定装置。
- 前記撮像の撮像部の焦点は前期光束の光軸上に位置することを特徴とする請求項13記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定装置。
- 前記シート状の光束とともに、前記光束の進行方向とほぼ逆に進行する第2のシート状の光束を形成する手段を備えることを特徴とする請求項13又は14記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定装置。
- 前記2つのシート状の光束の光軸は、互いにほぼ一致することを特徴とする請求項15記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定装置。
- 前記シート状の光束のシート厚の最小位置が撮像領域に含まれていることを特徴とする請求項13〜16の何れかに記載の液体吐出ヘッドの吐出液滴量測定装置。
- 前記第2のシート状の光束は、第1の光束をミラーで反射させることで形成することを特徴とする請求項15〜17の何れかに記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定装置。
- 所定の間隔をおいて平行に配置した少なくとも2枚の平面板を平行方向に同じ回転軸にて回転することで、隣接平板間に既知の気流流れ場を形成する手段を備え、該平面板の間の所定の位置に前記シート状の光束を該平面板に平行に形成することを特徴とする請求項13〜18の何れかに記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定装置。
- 前記シート状の光束は、記載の隣接平板の中央に位置することを特徴とする請求項19記載の液体吐出ヘッドの液滴量測定装置。
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