JP4842696B2 - フォトマスクブランクの製造方法およびフォトマスクブランク - Google Patents

フォトマスクブランクの製造方法およびフォトマスクブランク Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路、CCD(電荷結合素子)、LCD(液晶表示素子)用カラーフィルタ、および磁気ヘッドなどの微細加工に用いられるフォトマスクの製造に用いられるフォトマスクブランクの製造方法に関する。
近年では、大規模集積回路の高集積化に伴う回路パターンの微細化要求などに応えるために、高度の半導体微細加工技術が極めて重要な要素技術となってきている。例えば、大規模集積回路の高集積化は、回路を構成する配線パターンの細線化技術や、セルを構成する層間の配線のためのコンタクトホールパターンの微細化技術を必須のものとして要求する。大規模集積回路のパターン微細化が加速されるのは、その高速動作と低消費電力化のためであり、その最も有効な方法がパターンの微細化だからである。
このような高度の微細加工の殆どはフォトマスクを用いるフォトリソグラフィ技術により施されるものであるため、フォトマスクは露光装置やレジスト材料とともに微細化技術を支える基本技術となっている。このため、上述の細線化された配線パターンや微細化されたコンタクトホールパターンを有するフォトマスクを実現する目的で、より微細且つより正確なパターンをフォトマスクブランク上に形成するための技術開発が進められてきた。
高精度のフォトマスクパターンをフォトマスク基板上に形成するためには、フォトマスクブランク上に形成するレジストパターンを高精度でパターニングすることが前提となる。半導体基板を微細加工する際のフォトリソグラフィは縮小投影法により実行されるため、フォトマスクに形成されるパターンのサイズは半導体基板上に形成するパターンサイズの4倍程度の大きさとされるが、このことはフォトマスクに形成されるパターンの精度が緩和されることを意味するものではなく、むしろ露光後に半導体基板上に得られるパターン精度よりも高い精度でフォトマスクパターンを形成することが求められる。
ところで、フォトマスクパターンを形成するためには、通常は、透明基板上に遮光層を設けたフォトマスクブランクの上にフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜に電子線を照射してパターン描画を行い、フォトレジスト膜を現像してレジストパターンを得る。そして、このレジストパターンを遮光層用のエッチングマスクとして遮光層をパターニングしてフォトマスクパターンを得る。このような手法で微細なフォトマスクパターンを得るためには、フォトレジスト膜の薄膜化と遮光層の材料選択とが重要となる。
フォトレジストをエッチングマスクとしてパターニングを施す場合の遮光膜材料についてはすでに多くの材料が提案されてきた。このうち、クロム化合物膜はそのエッチングに対する情報量が多く、実用上は常にクロム化合物が遮光膜材料として用いられてきており、事実上の標準加工工程として確立されている。例えば、特許文献1乃至3には、ArF露光用のフォトマスクブランクに求められる遮光特性を有する遮光膜をクロム化合物で形成したフォトマスクブランクの構成例が開示されている。
しかし、フォトマスクブランクの遮光膜の材料を如何に適正に選択しても、実際に成膜された膜にパーティクルやピンホールといった欠陥が存在すれば、この欠陥がマスクパターンの欠陥(マスク欠陥)の発生原因となり、このようなパターンが転写されたチップは不良品となってしまう。
このようなマスク欠陥が発生する原因には、マスク製造の際のプロセスに起因するもののほか、フォトマスクブランクに元々存在している欠陥が挙げられる。そして、フォトマスクブランクの欠陥に起因するマスク欠陥は、フォトマスクブランクを製造する工程において欠陥検査を行い、所定の水準以上の欠陥レベルのブランクを選別することにより対策を施すことが可能である。
ところで、近年は、マスク欠陥の低減化要求が厳しく、例えば、120nmノード(nodes)に使用するマスクでは、直径80nm(以上)の欠陥がないことが要求される。そして、このような微小なマスク欠陥をなくすためのフォトマスクブランクの欠陥検査においては、ブランクの主面(マスクパターン形成面)に収束させた光を照射してその反射光の強度をモニタリングすることで欠陥検出する方法が有効であるとされ、フォトマスクブランク表面上に照射光を走査させて反射光強度と走査座標をモニタリングすることで欠陥存在位置を特定することができる。尚、反射光の強度変化をモニタリングする際には、明視野光を利用した方が、十分な光量を検出器に導くことが可能である。なおここで、散乱光の検知による測定を暗視野による測定と呼び、入射光軸上に検出器を置いて反射率変化を検出する測定法を明視野光による測定と呼ぶものとする。
このような欠陥検出方法においては、照射光をレンズで収束させて照射径を絞り、更に、その照射光の焦点がブランク表面に結ばれるように光学系を設定することとすれば、欠陥検出の分解能(感度)が向上してより微小な欠陥の検出が可能となるが、照射光を細く絞れば絞るほど、フォトマスクブランク面上での走査量が増大することとなるため、欠陥検査に要する時間が長くなってしまう。
例えば、光照射による欠陥検査装置の代表的なものとしてレーザーテック社製MAGICS M2350が知られているが、この装置の場合、直径80nm以上の欠陥を検出する性能を有するとされるものの、フォトマスクブランクの検査領域全面に照射光を走査するためには20分程度の時間が必要とされる。
特開2003−195479号公報 特開2003−195483号公報 登録実用新案第3093632号公報
図1は、ハーフトーン位相シフトマスク用のフォトマスクブランクの膜構成を概念的に示すための断面図で、この図に示されたブランクは、石英ガラス基板11の一方主面上に、ハーフトーン位相シフト膜(HT膜)12と遮光膜(Cr層)13が順次積層されている。
一般に、フォトマスクブランクの欠陥検査は、検査に要する総時間の短縮化を目的として、遮光膜(Cr層)13を形成した後の最終段階で行われているが、本発明者らの検討によれば、遮光膜(Cr層)13を形成した後のブランクについて上述したような従来法の欠陥検査を行っても、遮光膜(Cr層)13を形成する前工程で発生した欠陥を検出することが困難であることが判明した。
従って、フォトマスクブランクの更なる低欠陥化を図るためには、石英ガラス基板11上へのHT膜12の形成後、および、HT膜12上への遮光膜13の形成後の何れにおいても欠陥検査を実行して、各成膜工程後の欠陥発生の状況を正確に把握することが理想的ではあるが、このような検査工程を採用した場合には、欠陥検査に要する総時間が長時間化してしまい、フォトマスクブランクの製造に要する工程数が増えて製造コストも上昇してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、透明基板上に成膜された光学膜の欠陥発生(フォトマスクブランクの不良率)を抑制してフォトマスクブランクの製造歩留まりを高めるために、複数の成膜工程を必要とするフォトマスクブランクの製造工程において、各成膜後に欠陥検査を行わなくても高い精度での欠陥検出を可能とするフォトマスクブランクの製造方法を提供することにある。
本発明はこのような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、フォトマスクブランクの製造方法であって、(a)透明基板上に形成された光学膜の表面に、検査光に対して高透過率を有し、かつ、屈折率が1よりも大きな透明膜であって、前記検査光に感光しないフォトレジスト膜を形成するステップ、(b)前記光学膜に前記透明膜を介して検査光を走査させながら照射し、該検査光の反射光強度の変化を検知するステップ、および、(c)前記反射光強度の変化情報に基づいて前記光学膜面内の欠陥数を求めるステップ、を有する欠陥検査工程を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記透明膜を、ポリヒドロキシスチレン共重合体、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂の少なくとも1種を含有する高分子材料で形成することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記透明膜は、マスクパターン形成時のフォトレジスト膜として利用可能なものであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記透明膜の膜厚を、50nm〜20000nm(20μm)の範囲に設定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記検査光の波長を、480〜500nmの範囲に選択することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記検査光の反射光強度変化の検知を、明視野光学系で実行することを特徴とする。
本発明によれば、試料最表面に、検査光に対して高透過率を有し、かつ、屈折率が1よりも大きな「透明膜」を設けることとしたので、幾何学的な凹凸の程度(d)に対応する光学的凹凸の程度(光学距離:dopt)が大きくなり、欠陥検出感度が高くなることになる。この結果、フォトマスクブランクの品質評価の精度が向上すると共に欠陥検査回数を減らすことが可能となり、高品質なフォトマスクブランクの低コストでの生産に寄与することが可能となる。
以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明するが、先ず、本発明者らによる、フォトマスクブランク製造工程中で生じる「潜在欠陥」についての検討およびそこから得られた知見について説明する。
図2は、光照射による欠陥検査装置(レーザーテック社製MAGICS M2350)を用いて、図1に示した膜構成のフォトマスクブランク製造の各成膜工程後に表面上の欠陥を検査した結果を説明するための図で、図2(A)は予め石英ガラス基板上に微細な異物を付着させた後に膜厚70nmのMoSiONからなるHT膜を成膜させた試料の検査結果を示し、図2(B)は上記HT膜上に膜厚53nmの遮光膜(Cr層)を成膜した後の検査結果を示しており、各図の上図はブランク上に検出された欠陥のマップであり、下図は欠陥サイズの分布(ピクセルヒストグラム)を示している。
図2に示した検査結果によれば、HT膜の成膜後に検出された総欠陥数が175であるのに対して、遮光膜(Cr層)の成膜後に検出された総欠陥数は18であり、遮光膜(Cr層)の成膜後には1桁少ない欠陥数と評価されている。しかし、このブランクにはHT膜の成膜後に洗浄等の欠陥除去が施されているわけでもなく、遮光膜(Cr層)の成膜中に欠陥が消滅したわけでもない。
図3は、各成膜後に得られる欠陥検出数が大きく変化する現象、すなわち、得られた欠陥情報が真値とは異なる現象を検証するために行った実験結果を説明するための図である。この実験では、石英ガラス基板上に数水準(異物数)の微細な異物を予め付着させ、これらの石英ガラス基板上に上述したのと同様の条件でHT膜を形成し、各試料を評価して得られた欠陥検出数を求めた。そして、これらのHT層上に上述の条件で遮光膜(Cr層)を形成し、再度、欠陥検出数を求めている。なお、この図の横軸はHT膜の欠陥検出数、縦軸は遮光膜(Cr層)の欠陥検出数である。
図3に示した結果によれば、遮光膜(Cr層)の成膜後試料から得られる欠陥検出数は、HT層の成膜後試料から得られる欠陥検出数とは無関係に、概ね20個前後(14〜28個)である。この事実は、遮光膜(Cr層)の成膜後試料から得られる欠陥検出数は、それ以前の欠陥情報を繁栄するものではないことを意味している。
このような本発明者らの検討によれば、遮光膜(Cr層)の成膜後に欠陥数が少なく評価されている原因は、遮光膜(Cr層)の成膜後にもHT膜中やHT膜と遮光膜(Cr層)との界面などに存在している欠陥が、単に、光照射による欠陥検査では検知されない状態となっているに過ぎないこと、そして、このような欠陥検査では検出されない欠陥が「潜在欠陥」となり、フォトマスクの製造プロセス中に顕在化してマスク欠陥の発生原因となるとの知見が得られる。
本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、遮光膜(Cr層)などの成膜後であっても、それ以前の工程で発生した欠陥を精度良く検出する方法を検討した結果、最表層の表面に更に「透明膜」を設けることが有効であることを見出すに至ったものである。
図4は、フォトマスクブランクの最表層(ここでは、遮光膜(Cr層)である)の表面に設けられる「透明膜」の効果を説明するための図で、図4(A)および図4(B)は既に説明した図2(A)および図2(B)と同じ図であり、図4(C)は、図4(B)の欠陥検査を行った遮光膜(Cr層)の上に、「透明膜」として、ポリヒドロキシスチレン共重合体を主成分とするポジレジスト(信越化学工業製 SEBP-8332)を240nmの厚みで形成して欠陥検査を実施した結果である。なお、欠陥検査に用いた装置は、レーザーテック社製MAGICS M2350である。
既に図2を参照して説明したように、HT膜の成膜後に検出された総欠陥数が175であるのに対して、遮光膜(Cr層)の成膜後に検出された総欠陥数は18であり、遮光膜(Cr層)の成膜後には1桁少ない欠陥数と評価されているが、遮光膜(Cr層)の上に「透明膜」を設けて欠陥検査を行うと、図4(C)に示したように、検出された総欠陥数は252個となってHT膜の成膜後に検出された総欠陥数175よりも多い欠陥が検出されている。そして、その欠陥面内分布(図4(C)上図)は、図4(A)のそれと極めて類似するものであることが確認できる。
この結果は、最表層の表面に「透明膜」を設けて欠陥検査を行うと、最表層(ここでは、遮光膜(Cr層))の成膜後であっても、それ以前の工程で発生した欠陥を精度良く検出することができることを示している。
図5は、「透明膜」を設けて欠陥検査を行うことによる欠陥検出感度の向上効果を検証するために行った実験結果を説明するための図である。この実験においても、石英ガラス基板上に数水準(異物数)の微細な異物を予め付着させ、これらの石英ガラス基板上に上述したのと同様の条件でHT膜を形成し、各試料を評価して得られた欠陥検出数を求めた。そして、これらのHT層上に上述の条件で遮光膜(Cr層)を形成し、更に「透明膜」を設けた状態で、再度、欠陥検出数を求めている。なお、この図の横軸はHT膜の欠陥検出数、縦軸は「透明膜」が設けられた遮光膜(Cr層)の欠陥検出数である。
この図に示されるように、HT層形成後の試料から得られた欠陥検出数と、遮光膜(Cr層)上に「透明膜」を設けた試料から得られた欠陥検出数との間には、高い相関が認められる。また、相関を示す直線の傾きは、1.38であり、HT層形成後の試料で欠陥検出した場合の欠陥検出感度よりも、約4割の高感度化が図られていることがわかる。
「透明膜」を形成することによって欠陥検出感度が向上するメカニズムとして、本発明者らは、以下のように解釈している。すなわち、光照射による欠陥検査装置(例えば、レーザーテック社製MAGICS M2350)では、試料面に照射した光の反射光強度をモニタリングし、その反射光の強弱(強度変化)に基づいて欠陥検出を行うが、反射光強度の強弱を決める要因のひとつとして試料面の凹凸があり、この凹凸の存在を欠陥として評価している。そして、この凹凸の程度(試料面と垂直な方向成分)が大きいほど、反射光強度に影響を与え易い。
ところで、この欠陥検査は光の反射現象に基づいているから、欠陥評価を行う場合の凹凸の程度(試料面と垂直な方向成分)は、単に幾何学的な凹凸の程度ではなく、光学的意味での凹凸の程度が問題となる。つまり、仮に幾何学的な凹凸が同じであっても、当該凹凸の周りの媒質の屈折率が異なれば、光学的には異なる凹凸の程度となり、欠陥検出感度は異なる結果となる。
図6は、「透明膜」を設けることで欠陥検出感度が向上するメカニズムを模式的に説明するための図で、図6(A)は試料最表面に「透明膜」を設けていない試料、図6(B)は試料最表面に「透明膜」を設けた試料の断面概略図である。これらの図において、符号10はフォトマスクブランク、符号20は欠陥、そして符号30は「透明膜」を示している。
試料最表面に「透明膜」を設けていない試料(従来の被検査試料)は、空気中で測定されるため、欠陥20の周りの屈折率nは1.0である。一方、試料最表面に「透明膜」を設けた試料では、欠陥20の周りの屈折率nは「透明膜」の屈折率となり、例えば1.5である。そして、空気の屈折率よりも大きな屈折率(n>1.0)の「透明膜」を最上層に設けた場合には、光学的凹凸の程度(光学距離:dopt)は欠陥20の幾何学的な凹凸の程度(d)よりも大きくなり、その分だけ欠陥検出感度が高くなることになる。
このような「透明膜」は、検査光に対して高透過率を有し、かつ、屈折率が1よりも大きな膜とされるが、MoSiON膜などの無機材料からなる膜や、ポリヒドロキシスチレン共重合体、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂などの高分子材料からなる膜が例示され、これらのうちの少なくとも1種を含む材料とすることもできる。なお、これらの高分子材料は、半導体デバイス製造用のフォトレジスト組成物であるため、異物の混入が少なく、安定した「透明膜」を形成する技術が確立している。また、この「透明膜」を、単に欠陥検査用のものとせず、上記材料からなるフォトレジスト膜とするようにしてもよい。
また、「透明膜」の厚みに関しては、検査波長と同程度の厚さの場合には、干渉や多重反射の効果も重畳されることとなって検出感度向上が期待できるが、薄すぎると(検査波長よりも著しく薄いと)上述した光学的効果を得ることが困難となり、欠陥検出感度の向上が期待できなくなる。このような理由から、50nm以上の膜厚とすることが好ましい。
一方、「透明膜」を厚くしすぎると、光学的に均一な「透明膜」を形成することが困難となる。例えば、「透明膜」をスピンコータで塗布形成する場合には、「透明膜」の膜厚を厚くするためには塗布する樹脂の粘度を高くすることが必要となるが、高い粘度の樹脂中の異物をろ過したり気泡を除去することは容易ではない。従って、上述したような「透明膜」材料で形成される透明膜の膜厚を、20000nm(20μm)以下とすることが好ましい。
尚、「透明膜」をフォトレジスト膜で形成し、かつ、当該フォトレジスト膜を感光させない波長の光を検査光として用いることとすれば、当該「透明膜」は欠陥検査用の膜であることの他に、マスクパターン形成時のフォトレジスト膜としても利用可能となるという利点がある。そして、この場合には、マスク製造プロセス投入前に「透明膜」をわざわざ除去する必要がなくなるから、マスク製造コストの上昇を抑え、且つ、歩留まり低下を防止できる。
検査光の波長は短いほど検査検出感度の向上に有利であるが、「透明膜」をフォトレジスト膜としても利用可能とする場合には、検査光がフォトレジスト膜にダメージを与えないことが要求される。フォトレジスト膜(特に電子線用フォトレジスト膜)にダメージを及ぼさず、かつ、高い欠陥検出感度が得られる検査光波長としては、480〜500nmが好ましい。
このように、本発明のフォトマスクブランクの製造方法においては、フォトマスクブランクの主面に必要とされる各種の光学膜(位相シフト膜、ハーフトーン膜、遮光膜、反射防止膜など)を積層させた状態で、その最表面に上述の「透明膜」を形成して光照射による欠陥検査を実施し、所定の選別基準により良品・不良品の選別を行う。つまり、(a)透明基板上に形成された光学膜の表面に検査光に対して高透過率を有し、かつ、屈折率が1よりも大きな透明膜を形成し、(b)光学膜に透明膜を介して検査光を走査させながら照射して検査光の反射光強度の変化を検知し、(c)得られた反射光強度の変化情報に基づいて光学膜面内の欠陥数が求められることとなる。
尚、被検査試料の表面に照射される検査光は、欠陥検出感度を高めるためにレンズにより収束させて試料表面に焦点を結ぶようにし、反射光強度のモニタリングは、検出器に十分な光量の反射光を導くために、明視野光を利用する(明視野光学系とする)ことが好ましい。また、高い欠陥検出感度を得るためには、微分干渉型の光学系とすることが望ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
実験1(欠陥評価用試料1の作成):吸気部に微小なオリフィスを装着した真空チャンバ内に、152mm角、厚み6.35mmの石英ガラス基板を置き、オリフィスを通じて吸気することで、石英基板上に直径60nm以下のパーティクルを付着させた試料を20検体作成し、これらを欠陥評価用試料1とした。
(比較例1):上記欠陥評価用試料1(20検体)をレーザーテック社製MAGICS M2350で欠陥検査(検査波長488nm)したところ、検出できた欠陥数は、1検体当たり2〜5個であった。
(実施例1):上記の欠陥評価用試料1の5検体を採り、それぞれに、「透明膜」としてMoSiON膜を70nmの厚みでスパッタリング成膜して欠陥評価用試料2を作製した。なお、このMoSiON膜の透過率は、検査波長488nmで60%であった。この欠陥評価用試料2を欠陥検査したところ、欠陥検出数は、1検体当たり180〜230個であった。
(実施例2):上記の欠陥評価用試料1の5検体を採り、それぞれに、「透明膜」としてMoSiON膜を50nmの厚みでスパッタリング成膜して欠陥評価用試料3を作製した。なお、このMoSiON膜の透過率は、検査波長488nmで70%であった。この欠陥評価用試料3を欠陥検査したところ、欠陥検出数は、1検体当たり150〜200個であった。
(比較例2):上記の欠陥評価用試料1の5検体を採り、それぞれに、「不透明膜」としてCr膜を33nmの厚みでスパッタリング成膜し、さらに、「透明膜」としてCrON膜20nmを成膜して欠陥評価用試料4を作製した。この「不透明膜」と「透明膜」の積層体である「Cr層」(総厚53nm)の透過率は、検査波長488nmで1.8%であった。なお、「透明膜」であるCrON膜(20nm)単独での透過率は60%であった。この欠陥評価用試料4を欠陥検査したところ、欠陥検出数は、1検体当たり10〜30個であった。
(比較例3):上記の欠陥評価用試料1の5検体を採り、それぞれに、「透明膜」としてMoSiON膜を70nmの厚みでスパッタリング成膜し、さらに、比較例2の「Cr層」(「不透明膜」としての33nmのCr膜と「透明膜」として20nmのCrON膜)をスパッタリング成膜して欠陥評価用試料5を作製した。なお、上記MoSiON膜の透過率は、検査波長488nmで60%であり、波長193nmで透過率6%かつ位相差177°に調整されている。また、「Cr層」の透過率は検査波長488nmで1.8%、「透明膜」であるCrON膜単独での透過率は60%である。この欠陥評価用試料5を欠陥検査したところ、欠陥検出数は、1検体当たり10〜30個であった。
(実施例3):上記の欠陥評価用試料5(比較例3の5検体)のそれぞれに、「透明膜」としてポリヒドロキシスチレン共重合体を主成分とするポジレジスト(信越化学工業製 SEBP-8332)を240nmの厚みで形成して欠陥評価用試料6を作製した。なお、この「透明膜」単独の透過率は、検査波長488nmで90%であった。この欠陥評価用試料6を欠陥検査したところ、欠陥検出数は、1検体当たり250〜300個であった。
実験2(欠陥評価用試料7の作成):パーティクル付着を行わない石英基板3検体を用い、上記比較例3に記述した方法によりMoSiON膜70nm及びCr膜33nm、次いでCrON膜20nmを成膜した後、実施例3に記述した方法によりポジレジスト膜240nmを成膜してバックグラウンド確認用の欠陥評価用試料7とした。この欠陥評価用試料7を欠陥検査したところ、欠陥検出数は、1検体当たり10〜20個であった。
表1は、これら欠陥評価用試料1〜7の構成と欠陥検出数を纏めたものである。この表に示した結果から明らかなように、欠陥検出感度は、試料の最表面に「透明膜」を形成することによって飛躍的に向上している。また、欠陥評価用試料2(比較例2)において欠陥検出数が10〜30個という実験事実に基づけば、「透明膜」の厚みは20nmでは不十分であること、望ましい「透明膜」の厚みは50nm以上であることが確認できる。
以上、実施例により本発明のフォトマスクブランクの製造方法について説明したが、上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内にあり、更に本発明の範囲内において他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
本発明は、透明基板上に成膜された光学膜の欠陥発生(フォトマスクブランクの不良率)を抑制し、フォトマスクブランクの製造歩留まりを高めるために有効な製造方法を提供する。
ハーフトーン位相シフトマスク用のフォトマスクブランクの膜構成を概念的に示すための断面図である。 光照射による欠陥検査装置を用いて、図1に示した膜構成のフォトマスクブランク製造の各成膜工程後に表面上の欠陥を検査した結果を説明するための図である。 各成膜後に得られる欠陥検出数が大きく変化する現象を検証するために行った実験結果を説明するための図である。 フォトマスクブランクの最表層の表面に設けられる「透明膜」の効果を説明するための図である。 「透明膜」を設けて欠陥検査を行うことによる欠陥検出感度の向上効果を検証するために行った実験結果を説明するための図である。 「透明膜」を設けることで欠陥検出感度が向上するメカニズムを概念的に説明するための図である。
符号の説明
10 フォトマスクブランク
11 石英ガラス基板
12 ハーフトーン位相シフト膜
13 遮光膜
20 欠陥
30 透明膜

Claims (6)

  1. 下記の各ステップを有する欠陥検査工程を備えていることを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
    (a)透明基板上に形成された光学膜の表面に、検査光に対して高透過率を有し、かつ、屈折率が1よりも大きな透明膜であって、前記検査光に感光しないフォトレジスト膜を形成するステップ
    (b)前記光学膜に前記透明膜を介して検査光を走査させながら照射し、該検査光の反射光強度の変化を検知するステップ
    (c)前記反射光強度の変化情報に基づいて前記光学膜面内の欠陥数を求めるステップ
  2. 前記透明膜を、ポリヒドロキシスチレン共重合体、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂の少なくとも1種を含有する高分子材料で形成することを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  3. 前記透明膜は、マスクパターン形成時のフォトレジスト膜として利用可能なものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  4. 前記透明膜の膜厚を、50nm〜20000nm(20μm)の範囲に設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  5. 前記検査光の波長を、480〜500nmの範囲に選択することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  6. 前記検査光の反射光強度変化の検知を、明視野光学系で実行することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
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