JP4838830B2 - 可変容量排気ガスタービンの製造方法 - Google Patents
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Description
かかる可変容量排気ガスタービンは、排気ガスにより回転駆動されるタービンロータ10を、タービンハウジング01の中央部に収容(回転軸心100a)している。
前記タービンハウジング01は、排気入口部20及び排気出口部20aを有して、該排気入口部20と内周のタービンロータ10との間に通路断面積が漸次減少するスクロール部12を有する。
前記内周スクロール部2と外周スクロール部1との間は、前記スクロール部12の境界壁2aに沿うように周方向に複数個列設されたインサートベーン6aを介して分割され、それぞれのインサートベーン6aの間には、排気通路6bが形成されている。
また、インサートベーン6aは、蓋部材6の本体部から前記周方向に複数個突設されており、図5に示すように、該インサートベーン6aにより、該内周スクロール部2と前記外周スクロール部1とを分離している。
また、図5に示すように、特許文献1では、前記蓋部材6と遮熱板6cの2枚を一体にして、該一体品を、タービンハウジング01を軸受ハウジング11に締め付けるボルト29を用いて、蓋部材6の外縁のリング円8で前記タービンハウジング01の支持部1sで挟着しつつ、締め付けられている。
また、前記外周スクロール部1の排気入口部側には、制御弁4が設置され、該制御弁4は前記タービンハウジング01の周壁4aに接脱することにより、前記内周スクロール部2への排気ガス流量および外周スクロール部1への排気ガス流量をそれぞれ制御している。
またエンジンの高回転時には、制御弁4が周壁4aから離れて開くことにより、排気ガスは外周スクロール部1をU1のように流れて、インサートベーン6aの排気通路6bを通って内周スクロール部2に流入するとともに、内周スクロール部2へもU2のように流れる。
従って、エンジンの低回転時と高回転時とで、前記制御弁4により排気ガス流量を変えることができる。
この舌部5と前記蓋部材6の本体面6pとの間隙19a、つまりタービンハウジング01に形成される舌部5と前記本体面6pとの間隙19a(間隙寸法S1)は、該本体面6pのみが素材成型面か、あるいは該本体面6pおよび舌部5の双方が素材成型面であるため、素材成型面の公差を考慮して大きめに取っている。
然るに、かかる舌部5と前記本体面6pとの間隙19aは、これが小さい程、タービン性能が良好であり、前記のように素材成型面の公差を考慮してこれを大きく取ると、かかる間隙19aからのガス漏れが多くなって、タービン性能が低下するという問題がある。
前記蓋部材と、該蓋部材の内径側に位置し前記タービンロータに対向するように軸受ハウジングとタービンロータの空隙に沿ってシャフト直交面方向に延在して前記タービンロータからの熱流を遮断する縮径板とを一体的に鋳造、射出成形、若しくは冷間鍛造のいずれかの成型にて形成するとともに、
前記蓋部材および前記縮径板の間に位置して前記蓋部材から軸受ハウジング側に突出するリング円を前記蓋部材及び前記縮径板と一体的に形成し、該リング円を軸受ハウジングに形成した円形段差部に嵌合させたことを特徴とする(請求項1)。
また、前記蓋部材の外径の外側面に切削加工を施して、前記蓋部材の外径側を軸受ハウジングとタービンハウジングとで挟着支持してもよい(請求項4)。
さらに、前記蓋部材の内周スクロール部の入口相当部分に形成される前記タービンハウジングの排気ガス通路の舌部に対応する、前記蓋部材の成型面を突起させて突出部を形成し、該突出部に切削加工を施して該切削加工面と舌部との間に間隙値を保持して組み付けてもよい(請求項5)。
前記蓋部材と、該蓋部材の内径側に位置し前記タービンロータに対向するように軸受ハウジングとタービンロータの空隙に沿ってシャフト直交面方向に延在して前記タービンロータからの熱流を遮断する縮径板とを一体的に鋳造、射出成形、若しくは冷間鍛造のいずれかの成型にて形成するとともに、
前記蓋部材および前記縮径板の間に位置して前記蓋部材から軸受ハウジング側に突出するリング円を前記蓋部材及び前記縮径板と一体的に形成し、該リング円を軸受ハウジングに形成した円形段差部に嵌合させたので(請求項1)、
図5の従来技術のように、外周のリング円で前記タービンハウジングの支持部で挟着してボルトで締め付けるものに比べて、蓋部材の取り付けを高精度で行うことができる。
素材成型にて蓋部材内径側と縮径板との間を、前記リング円を介して一体的に成型接続するにあたり、該リング円の内周側に切削加工を施して、該リング円内周側の切削加工面を高精度に加工して軸受ハウジング側の円形段部に嵌合でき、
これにより、蓋部材内径側と縮径板とを接続するリング円の内周側と、軸受ハウジング側の円形段部とが切削加工面の嵌合により、寸法の狂いがなく高精度に嵌合できる。
従って、図5の従来技術のように、外周のリング円で前記タービンハウジングの支持部で挟着してボルトで締め付けるものに比べて、蓋部材の取り付けを高精度で行うことができる。
素材成型の状態で蓋部材の外径の外側面に切削加工を施して、上述したような構成とすることにより、前記縮径板(遮熱板)の熱膨張を許容することになって熱拘束の発生を防止して、縮径板(遮熱板)の破損を防止できる。
さらに、前記蓋部材の内周スクロール部の入口相当部分に形成される前記タービンハウジングの排気ガス通路の舌部に対応する、前記蓋部材の成型面を突起させて突出部を形成し、該突出部に切削加工を施して該切削加工面と舌部との間に間隙値を保持して組み付けるように構成すれば(請求項5)、
タービンハウジングに形成される前記舌部と前記本体面との間隙は、前記舌部に対応して蓋部材の素材成型面を突起させて突出部を形成しておいてから、該突出部に切削加工を施して、該切削加工面と舌部との間に間隙値を形成するので、前記舌部との間に間隙値を保持して組み付けることとなり、前記間隙値を機械加工面によって形成することができる。従って、かかる舌部と前記本体面との間隙値は機械加工面であるため、これを最小限度に小さく取ることができ、かかる間隙値からのガス漏れが少なくなって、タービン性能が向上する。また、蓋部材の素材成型面を突出させ、該突出部に切削加工を施すのみであるので、加工および構造が簡単で低コストである。
図1において、かかる可変容量排気ガスタービンは、タービンハウジング01内に、排気ガスにより回転駆動されるタービンロータ10を、該タービンハウジング01の中央部に配置し、該タービンロータ10は該タービンシャフト10aを介して、コンプレッサハウジング13内に収納されたコンプレッサ10bを直結駆動している(100aは回転軸心)。
また、前記コンプレッサハウジング13は軸受ハウジング11を介して前記タービンハウジング01に連結されている。
前記スクロール部12は、前記タービンロータの径方向に、内周スクロール部2および外周スクロール部1に、2分割して形成されている。後述する制御弁は符号4で示されている。
本発明は、蓋部材6及び縮径板62からなるインサート部材60の素材成型および加工仕上げに関するものである。
前記蓋部材6及び縮径板62からなるインサート部材60は、本実施例では精密鋳造により素材成型を行うものとする。尚、前記素材成型は、ロストワックス成形、金属射出成形、もしくは冷間鍛造のいずれかの成型でもよい。
前記蓋部材6及び縮径板62からなるインサート部材60は、素材成型時には、前記蓋部材6については、前記内周スクロール部2と外周スクロール部1とを区画形成し、該内周スクロール部2と外周スクロール部1との間は、図3(A)に示す該スクロール部12の境界壁2aが設けられ、該境界壁2aに沿うように後述する複数のインサートベーン6aが設置されている。
そして、前記複数個のインサートベーン6aを、それぞれ排気側に一体にほぼ軸方向に突設して排気ガスの流動を制御するように構成している。そして、それぞれのインサートベーン6aの間には、排気通路6bが該インサートベーン6aの周方向に沿って形成されている。
この縮径板62は、タービンロータ10に対向させて、該タービンロータ10からの熱流を遮断する遮熱板として用いられる。
そして、前記リング円7の内周の切削加工面7eを、軸受ハウジング11側の円形段部11aに嵌合して、該インサート部材60を前記軸受ハウジング11に支持せしめる。即ち、リング円7の内周側(径D1)に切削加工を施こすことにより、該リング円7内周側の切削加工面(径D1)を高精度に加工して、軸受ハウジング11側の円形段部11a(図1参照)に嵌合することができる。
従って、図5の従来技術のように、外周のリング円で前記タービンハウジング01の支持部で挟着してボルトで締め付けるものに比べて、蓋部材6の取り付けを高精度で行うことができる。
このように構成すれば、素材成型の状態で蓋部材6の外径の外側面6uに切削加工を施して、蓋部材6を軸受ハウジング11とタービンハウジング01の間に挟着支持させておき、高温になる縮径板(遮熱板)62をフリーの状態にて中空保持することにより、縮径板(遮熱板)62の熱膨張を許容することになって熱拘束の発生を防止して、縮径板(遮熱板)62の破損を防止できる。
そこで、かかる実施例では、図3(B)に示すように、タービンハウジング01の前記舌部5に対応して、前記蓋部材6の成型面6sから突起させて厚さtなる突出部19sを形成しておく。
そして、該突出部19sに切削加工を施して、該切削加工面19と舌部5との間に間隙値Sを保持して組み付ける。
従って、かかる舌部5と前記突出部19sの切削加工面19との間隙値Sは、機械加工面であるためこれを最小限度に小さく取ることができ、かかる間隙値Sからのガス漏れが少なくなって、タービン性能が良好となる。
また、蓋部材6の素材成型面6sを突出させ、該突出部19sに切削加工を施すのみであるので、加工および構造が簡単で低コストとなる。
前記インサート部材60を構成する蓋部材6は、図1のように、前記タービンハウジング01と軸受ハウジング11との間に、該タービンハウジング01と軸受ハウジング11とを締着するボルト29によって、前記該タービンハウジング01と軸受ハウジング11間に、止めピン30を介して挟着されている。
また、外側に位置するリング円8は、図2(A)のように、内径D2なるリング円8であり、該リング円8は、蓋部材6に形成された凸部8aと該凸部8aに嵌合するようにタービンハウジング01に形成された凹部1s(図1参照)を嵌着している。
即ち、エンジンの低回転時には、制御弁4が周壁4aに接して閉じることにより外周スクロール部1が閉じて、排気ガスはU2のように内周スクロール部2側にのみ流れる。
またエンジンの高回転時には、制御弁4が周壁4aから離れて開くことにより、排気ガスは外周スクロール部1をU1のように流れて、インサートベーン6aの排気通路6bを通って内周スクロール部2に流入するとともに、内周スクロール部2へもU2のように流れる。
従って、エンジンの低回転時と高回転時とで、前記制御弁4により排気ガス流量を変えることができる。
1 外周スクロール部
2 内周スクロール部
2a 境界壁
4 制御弁
4a 周壁
5 舌部
60 インサート部材
6 蓋部材
6a インサートベーン
6b 排気通路
8 リング円
10 タービンロータ
11 軸受ハウジング
12 スクロール部
20 排気入口部
20a 排気出口部
29 ボルト
30 止めピン
62 縮径板(遮熱板)
100b 開孔端面
Claims (5)
- 軸受ハウジングにより軸支されるシャフトと、該シャフトの一端に固定され排気ガスにより回転駆動されるタービンロータと、該タービンロータを中央部に収容するとともに排気入口部及び排気出口部を有し、前記排気入口部とタービンロータとの間に通路断面積が漸次減少するスクロール部を有するタービンハウジングと、前記スクロール部を前記タービンロータの径方向に分割して形成された内周スクロール部および外周スクロール部とを備えるとともに、該タービンロータの周方向に複数個列設されたインサートベーンにより、内周スクロール部へ直接流入する排気ガスの流動と前記外周スクロール部を流れる排気ガスを内周スクロール部に流入させる排気ガスの流動とを制御するように構成し、
前記外周スクロール部の排気入口部側に配設され前記内周スクロール部への排気ガス流量および外周スクロール部への排気ガス流量をそれぞれ制御する制御弁を備えるとともに、
前記タービンハウジングの開口端面に前記内、外周スクロール部を画成する蓋部材が配設され、該蓋部材の排気通路側に前記インサートベーンが突設されて構成されている可変容量排気ガスタービンの製造方法において、
前記蓋部材と、該蓋部材の内径側に位置し前記タービンロータに対向するように軸受ハウジングとタービンロータの空隙に沿ってシャフト直交面方向に延在して前記タービンロータからの熱流を遮断する縮径板とを一体的に鋳造、射出成形、若しくは冷間鍛造のいずれかの成型にて形成するとともに、
前記蓋部材および前記縮径板の間に位置して前記蓋部材から軸受ハウジング側に突出するリング円を前記蓋部材及び前記縮径板と一体的に形成し、該リング円を軸受ハウジングに形成した円形段差部に嵌合させたことを特徴とする可変容量排気ガスタービンの製造方法。 - 前記リング円を前記蓋部材及び前記縮径板とともに成型し、該リング円の内周側に切削加工を施して、前記リング円の内周と軸受ハウジング側の円形段部とを嵌合させることを特徴とする請求項1記載の可変容量排気ガスタービンの製造方法。
- 前記蓋部材の外径側を軸受ハウジングとタービンハウジングとで挟着支持することで、前記蓋部材と一体的に形成された前記縮径板を前記軸受ハウジングには接触させずフリーの状態で中空保持するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の可変容量排気ガスタービンの製造方法。
- 前記蓋部材の外径の外側面に切削加工を施して、前記蓋部材の外径側を軸受ハウジングとタービンハウジングとで挟着支持するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の可変容量排気ガスタービンの製造方法。
- 前記蓋部材の内周スクロール部の入口相当部分に形成される前記タービンハウジングの排気ガス通路の舌部に対応する、前記蓋部材の成型面を突起させて突出部を形成し、該突出部に切削加工を施して該切削加工面と舌部との間に間隙値を保持して組み付けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可変容量排気ガスタービンの製造方法。
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