JP5010712B2 - 可変容量型排気ターボ過給機及び可変ノズル機構構成部材の製造方法 - Google Patents
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Description
前記レバープレートの側面と前記ノズルマウントの側面との間に、前記ドライブリングを前記レバープレート及びノズルマウントと軸方向に並設した形態で配置し、前記ドライブリングの外側面に当接可能に構成されて該ドライブリングの軸方向の移動を阻止する部位を前記ノズルマウントの側部に設け、
前記ドライブリングの軸方向の移動を阻止する部位が、前記ノズルマウントの側部に円周方向に沿って形成された環状の溝であり、該溝内に前記ドライブリングを嵌合して該溝の側面により該前記ドライブリングの軸方向移動を阻止するように構成するとともに、該軸方向移動を阻止する部位には、前記ドライブリングの内周面に周方向に沿って形成された係合凹部と、ノズルマウントの外周面に周方向に沿って形成された係合凸部とを有し、該係合凹部と係合凸部とを前記ドライブリング及びノズルマウントの軸方向相対移動によって係合させて、さらに周方向に所定量回動させて前記ドライブリングを軸方向への抜出しを阻止するように嵌合する係合部が設けられたことを特徴とする。
前記レバープレートの側面と側部に環状の溝を形成した前記ノズルマウントの側面との間に、前記ドライブリングを前記レバープレート及びノズルマウントと軸方向に並設した形態で配置し、前記ドライブリングの内周面に周方向に沿って形成された係合凹部とノズルマウントの外周面に周方向に沿って形成された係合凸部とを、該ドライブリング及びノズルマウントを軸方向に相対移動させて係合し、該ドライブリングを前記ノズルマウントの溝に嵌合した後、該ドライブリングを円周方向に所定量回動させて該ドライブリングの前記溝からの抜出しを阻止し、次いで前記レバープレートを前記ドライブリングの側部に組付けて、レバープレートを前記ノズルベーンに固定することを特徴とする。
前記連結ピン部及び該連結ピン部が嵌合される前記溝部の、少なくとも該連結ピン部と溝部のいずれか一方の接触部分に、PVD処理(物理的イオン吸着処理)による被膜またはCVD処理(化学的イオン吸着処理)による被膜を形成するのがよい。
かかる発明によれば、連結ピン部と溝部との接触部分にPVD処理による硬質被膜形成、あるいはCVD処理による硬質被膜形成をなすことにより、連結ピン部と溝部との接触部分の摩耗低減効果をさらに向上することができる。
前記連結ピン部を、前記各レバープレートまたは前記ドライブリングのいずれか一方を押出し成形、精密鋳造等の一体成形によって母材と一体に形成し、少なくとも前記連結ピン部と前記溝部のいずれか一方の接触部分に、拡散浸透処理を含む表面硬化処理を施すのがよい。
かかる発明において、具体的には、前記レバープレートの側面と前記ノズルマウントの側面との間に、前記ドライブリングを前記レバープレート及びノズルマウントと軸方向に並設した形態で配置し、前記各レバープレートまたは前記ドライブリングのいずれか一方側の部材の側面から母材と一体に前記連結ピン部を突設して、他方側の部材の側部に形成された前記溝部に該連結ピン部が係合するように構成するのが好ましい。
前記各レバープレートまたは前記ドライブリングのいずれか一方について、側面の一方側を押圧し反対側を突出せしめて前記連結ピン部を押出し成形し、あるいは精密鋳造により側面の一方側に前記連結ピン部を突設することにより、前記連結ピン部を母材と一体形成し、次いで少なくとも前記連結ピン部と前記溝部のいずれか一方の接触部分に、拡散浸透処理を含む表面硬化処理を施すことを特徴とする。
なお、表面硬化処理に関して、例えば鋼同士のような金属同士の組み合わせを用いると、両者の材料同士が凝着することにより発生する摩耗(凝着摩耗)により大きな摩耗が発生することが懸念されるが、一方の表面に処理を施すと表面がセラミックス化、ないしは金属間化合物の生成により硬化され、凝着摩耗を緩和できる。また、表面処理により硬化すると摺動にともなう面あれが防止できるため、相手面に表面処理を施していない場合でも面あれによる引っかき摩耗(アブレシブ摩耗)の発生を緩和できる。以上のような理由から、一方に表面処理を施工しただけでも摩耗低減効果が期待できる。
図5において、30はタービンケーシング、38は該タービンケーシング30の外周部に渦巻状に形成されたスクロールである。34はラジアル流型のタービンロータ、35はコンプレッサ、32は該タービンロータ34とコンプレッサ35とを連結するタービンシャフト、31はコンプレッサハウジング、36は軸受ハウジングである。
該タービンロータ34とコンプレッサ35とを連結するタービンシャフト32は、2個の軸受37,37を介して軸受ハウジング36に回転自在に支持されている。8は排ガス出口、40は該排気ターボ過給機の回転軸心である。
41はアクチュエータ、33はアクチュエータロッド、39は該アクチュエータロッド33と前記ドライブリング3とを連結する駆動機構で、該アクチュエータロッド33の往復運動をドライブリング3の回転運動に変換する。
100は前記ノズルベーン2の翼角を変化せしめる可変ノズル機構である。
該ドライブリング3の回転により、後述する連結ピン部10(あるいは11)を介してレバープレート1が前記ノズル軸2a廻りに回動せしめられ、該ノズル軸2aの回動によりノズルベーン2が回動して前記アクチュエータ41にて設定された翼角に変化せしめられる。
本発明はかかる可変容量タービンの容量を制御する可変ノズル機構100の改良に係るものである。
100は前記ノズルベーン2の翼角を変化せしめる可変ノズル機構100で、次のように構成されている。
3は円盤状に形成されたドライブリングで、前記ノズルマウント5に回転可能に支持されるとともに、外周側に後述する連結ピン部10が係合される溝3yが円周方向等間隔に形成されている。3zは前記駆動機構39のリンクが係合する駆動溝である。
1はレバープレートで、前記ドライブリング3の溝3yと同数円周方向等間隔に設置されている。各レバープレート1の外周側には連結ピン部10が形成され、内周側には前記ノズルベーン2のノズル軸2aが固定されている。
6は環状に形成された支持プレート、7は該支持プレート6と前記ノズルマウント5とを連結する複数のノズルサポートである。
前記連結ピン部10は、前記各レバープレート1の一側面をプレスによって加圧して、該一側面側に円状の凹部10aを形成するとともに、反対側の側面を円柱状に突出させる押出し成形によって母材と一体で形成される。
また、前記各レバープレート1を精密鋳造品で構成する場合には、鋳造時に前記連結ピン部10をレバープレート1母材と一体成形する。
そして、該連結ピン部10の外周面及び該連結ピン部10が係合する前記ドライブリング3の溝3yの一方ないしは両方に、クロム拡散浸透処理、アルミニウム拡散浸透処理、バナジウム拡散浸透処理、ニオブ拡散浸透処理、ボロン拡散浸透処理等の拡散浸透処理、あるいは窒化処理、前記拡散浸透処理と浸炭処理との併合処理、等の表面硬化処理を施す。
次いで、前記連結ピン部10の外周面及び該連結ピン部10が係合する前記ドライブリング3の溝3yの一方ないしは両方に、前記のような表面硬化処理を施す。
この第2実施例においては、前記ドライブリング3側に、円周方向等間隔に、該ドライブリング3の一側面をプレスによって加圧して、該一側面側に、前記第1実施例と同様な円状の凹部3aを形成するとともに反対側の側面を円柱状に突出させる押出し成形によって連結ピン部11を母材と一体で形成している。また、各レバープレート1の外周部を二股状に形成して、前記連結ピン部11が係合される溝1bを設けている。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
それとともに、前記連結ピン部10(あるいは11)と該連結ピン部が嵌合される溝3y(あるいは1b)との接触部分の一方ないしは両方に拡散浸透処理を含む表面硬化処理を施すことにより、該接触部分の硬度を増大、ないしは材料間の凝着防止ができて、該連結ピン部(あるいは11)と溝3y(あるいは1b)との接触部分の摩耗を低減することができる。
(参考例1)
この参考例1においては、前記第1、第2実施例と同様に、前記レバープレート1の側面と前記ノズルマウント5の側面との間に、前記ドライブリング3を前記レバープレート1及びノズルマウント5と軸方向に並設した形態で配置し、前記ドライブリング3の外側面3aに当接可能にされて該ドライブリング3の軸方向移動つまり前記レバープレート1側への抜出しを阻止する複数個(この例では円周方向等間隔に4個)の鋲12を前記ノズルマウント5の側部に固定している。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
この第3実施例においては、前記第1、第2実施例と同様に、前記レバープレート1の側面と前記ノズルマウント5の側面との間に、前記ドライブリング3を前記レバープレート1及びノズルマウント5と軸方向に並設した形態で配置し、前記ノズルマウント5の側部に円周方向に沿って環状の溝15を設け、該溝15内に前記ドライブリング3を嵌合して、該溝15の側面により該前記ドライブリング3のレバープレート1側への抜出しを阻止している。
そして、図4(A)のように、前記ドライブリング3及びノズルマウント5の側部5zに、該ドライブリング3に形成した係合凹部14aと該ノズルマウント5の側部5zに形成した係合凸部14bとを係合する係合部14を設けている。
次いで、該ドライブリング3を円周方向に所定量回動させて、前記係合凹部14aと係合凸部14bとを円周方向にずらして、該ドライブリング3の前記溝15からの抜出しを阻止する。さらに、前記レバープレート1を前記ドライブリング3の側部に組付けて、該レバープレート1を前記ノズルベーン2に固定する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第4実施例によれば、連結ピン部10(あるいは11)と溝3y(あるいは1b)との接触部分にPVD処理による硬質被膜形成、あるいはCVD処理による硬質被膜形成をなすことにより、該連結ピン部10(あるいは11)と溝3y(あるいは1b)との接触部分の摩耗低減効果をさらに向上することができる。
2 ノズルベーン
2a ノズル軸
3 ドライブリング
3y、1b 溝
5 ノズルマウント
10、11 連結ピン部
14 係合部
15 溝
30 タービンケーシング
34 タービンロータ
35 コンプレッサ
41 アクチュエータ
100 可変ノズル機構
Claims (6)
- タービンケーシングを含むケースに固定されたノズルマウントに回動可能に支持される複数のノズルベーンと、アクチュエータに連動される環状のドライブリングと、円周方向に沿って前記ノズルベーンと同数配設され、一端側を該ドライブリングに連結ピン部及び該連結ピン部が嵌合される溝部を介して連結されるとともに他端側を前記ノズルベーンに連結されるレバープレートとをそなえ、前記ドライブリングの回動により前記各レバープレートを揺動させ、該レバープレートの揺動により前記複数のノズルベーンの翼角を変化せしめる可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機において、
前記レバープレートの側面と前記ノズルマウントの側面との間に、前記ドライブリングを前記レバープレート及びノズルマウントと軸方向に並設した形態で配置し、前記ドライブリングの外側面に当接可能に構成されて該ドライブリングの軸方向の移動を阻止する部位を前記ノズルマウントの側部に設け、
前記ドライブリングの軸方向の移動を阻止する部位が、前記ノズルマウントの側部に円周方向に沿って形成された環状の溝であり、該溝内に前記ドライブリングを嵌合して該溝の側面により該ドライブリングの軸方向移動を阻止するように構成するとともに、該軸方向移動を阻止する部位には、
前記ドライブリングの内周面に周方向に沿って形成された係合凹部と、ノズルマウントの外周面に周方向に沿って形成された係合凸部とを有し、該係合凹部と係合凸部とを前記ドライブリング及びノズルマウントの軸方向相対移動によって係合させて、さらに周方向に所定量回動させて前記ドライブリングを軸方向への抜出しを阻止するように嵌合する係合部が設けられたことを特徴とする可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機。 - 前記連結ピン部及び該連結ピン部が嵌合される前記溝部の、少なくとも該連結ピン部と溝部のいずれか一方の接触部分に、PVD処理(物理的イオン吸着処理)による被膜またはCVD処理(化学的イオン吸着処理)による被膜を形成したことを特徴とする請求項1記載の可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機。
- 前記連結ピン部を、前記各レバープレートまたは前記ドライブリングのいずれか一方を押出し成形若しくは精密鋳造によって母材と一体に形成し、少なくとも前記連結ピン部と前記溝部のいずれか一方の接触部分に、拡散浸透処理を含む表面硬化処理を施したことを特徴とする請求項1記載の可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機。
- 前記レバープレートの側面と前記ノズルマウントの側面との間に、前記ドライブリングを前記レバープレート及びノズルマウントと軸方向に並設した形態で配置し、前記各レバープレートまたは前記ドライブリングのいずれか一方側の部材の側面から母材と一体に前記連結ピン部を突設して、他方側の部材の側部に形成された前記溝部に該連結ピン部が係合するように構成したことを特徴とする請求項1記載の可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機。
- 請求項1記載の可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機を製造する製造方法であって、
前記レバープレートの側面と側部に環状の溝を形成した前記ノズルマウントの側面との間に、前記ドライブリングを前記レバープレート及びノズルマウントと軸方向に並設した形態で配置し、前記ドライブリングの内周面に周方向に沿って形成された係合凹部とノズルマウントの外周面に周方向に沿って形成された係合凸部とを、該ドライブリング及びノズルマウントを軸方向に相対移動させて係合し、該ドライブリングを前記ノズルマウントの溝に嵌合した後、該ドライブリングを円周方向に所定量回動させて該ドライブリングの前記溝からの抜出しを阻止し、次いで前記レバープレートを前記ドライブリングの側部に組付けて、レバープレートを前記ノズルベーンに固定することを特徴とする可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機の製造方法。 - 請求項1乃至4いずれか1記載の可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機を製造する製造方法であって、
前記各レバープレートまたは前記ドライブリングのいずれか一方について、側面の一方側を押圧し反対側を突出せしめて前記連結ピン部を押出し成形し、あるいは精密鋳造により側面の一方側に前記連結ピン部を突設することにより、前記連結ピン部を母材と一体形成し、次いで少なくとも前記連結ピン部と前記溝部のいずれか一方の接触部分に、拡散浸透処理を含む表面硬化処理を施すことを特徴とする可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機の製造方法。
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