JP4833437B2 - 像担持体ユニット及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、帯電ローラの両端部がそれぞれ付勢部材により付勢されて、そのローラの両端部の外周にそれぞれ取り付けた所定の厚さのギャップ管理部材が像担持体に接触し、帯電ローラがその一端部に固定した伝達ギヤに像担持体の端部に固定した駆動ギヤからの回転力が伝達されて回転する像担持体ユニット及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置である複写機,プリンタ,ファクシミリ等では、像担持体である感光体の表面に静電潜像を形成するのに先立って、その感光体をいろいろな方法で均一に帯電させている。
その帯電方法の1つとして、近年では導電性の部材でローラ状に形成した帯電ローラを感光体の表面に接触させ、その状態で帯電ローラと感光体との間に電圧を印加することにより、感光体の表面を帯電させる接触帯電方式の接触帯電装置が、低オゾン化と低電力化が図れるという利点があることから、実用化されてきている。
【0003】
しかしながら、このような接触帯電装置に使用されている帯電ローラは、金属製の芯金の外側に導電性のゴムで形成した弾性ローラ部を設けたものであるため、その弾性ローラ部が感光体の表面に押し付けられた状態で長期間放置され続けると、その弾性ローラ部の中に含まれている物質(例えば可塑剤)が表面に滲み出て、それが感光体の表面を汚してしまうということがあった。
【0004】
また、接触帯電の場合には、帯電ローラ等の帯電部材が感光体等の像担持体の表面に接触した状態で帯電が行われるため、その像担持体の表面に画像転写後に残った転写残トナー等が帯電部材の表面に転移することによって汚れ、それが原因で帯電性能が低下してしまう恐れもあった。
そこで、このような問題を解決するため、帯電部材である帯電ローラのローラ部分の両端部に、そのローラ部分の中央部に比べて大径となる凸部をスペーサやテープ等で形成し、それによって帯電ローラの両端部を除く他の部分が像担持体である感光体の表面に対して非接触になるようにし、その状態で感光体を帯電するようにした非接触の帯電装置が提案されている(例えば特開平3−240076号公報,特開平4−360167号公報,特開平5−107871号公報等参照)。
【0005】
これらの非接触の帯電装置によれば、帯電ローラの帯電有効領域に対応する部分は感光体に接触しないため、接触帯電装置の欠点である帯電部材の弾性ローラ部の中に含まれている物質の感光体への付着や、感光体の表面に付着したトナー等の付着物が帯電ローラの表面に転移しやすいという問題を解決することができる。
このように、帯電ローラの帯電有効領域に対応する部分を感光体に接触させないようにした画像形成装置では、その帯電ローラの回転を確実にするため、例えば帯電ローラの芯金の一端部に伝達ギヤを固定し、その伝達ギヤをそれに対応させて感光体の一端部に固定した駆動ギヤに噛み合わせ、感光体の回転に同期して回転する駆動ギヤにより伝達ギヤを回転させ、それにより帯電ローラが感光体との間でスリップを生じないように回転するようにしたりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように帯電ローラの一端に固定した伝達ギヤを、それに噛み合う感光体側の駆動ギヤにより回転させるようにしている場合には、感光体側の駆動ギヤを回転させたときに伝達ギヤが駆動ギヤから離れる方向に分力が働くことにより、駆動ギヤから離れる方向に移動してしまい、帯電ローラの帯電有効領域部分と感光体表面との間のギャップが設定値よりも広くなってしまうという問題点があった。
すなわち、図6に示すように、例えば帯電ローラ14は、その弾性ローラ部17の両端部にギャップ管理部材であるフィルム材18a,18bを周方向にそれぞれ巻き付けて固定しており、芯金16の両端部は加圧スプリング19a,19bにより滑り軸受30a,30bを介して感光体ドラム5側に所定の加圧力で加圧され、両側のフィルム材18a,18bの部分が感光体ドラム5の表面に接触している。
【0007】
また、帯電ローラ14の芯金16の一端部に伝達ギヤ62を固定し、その伝達ギヤ62を感光体ドラム5の一端部に固定されている駆動ギヤ61に噛み合わせている。
したがって、その駆動ギヤ61を回転させると、その駆動ギヤ61に噛み合う伝達ギヤ62が回転するが、その際に帯電ローラ14は滑り軸受30a,30bが感光体ドラム5から離れる方向に移動可能であるため、駆動ギヤ61の回転時に伝達ギヤ62に働く分力Faにより、一方の滑り軸受30aが加圧スプリング19aの付勢力に抗して矢示J方向に帯電ローラ14の一端部(図6で右方側の端部)と共に移動する。
それにより、帯電ローラ14の弾性ローラ部17の帯電有効領域部分(両側のフィルム材18a,18bの内側間の領域)と感光体ドラム5の表面との間のギャップGが、図6で右方側が設定値よりも広くなるので帯電性能が低下する。
【0008】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、帯電ローラがその両端部に巻き付けられたフィルム材等のギャップ管理部材を介して感光体ドラム等の像担持体に接触し、その帯電ローラが、その一端に固定された伝達ギヤが像担持体と一体で回転する駆動ギヤに噛み合って回転する構成において、帯電ローラの回転時に、その帯電ローラと像担持体との間の帯電有効領域部分におけるギャップを全域に亘って略均一に保つことができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、帯電ローラと像担持体とを備え、帯電ローラがその両端部にそれぞれ設けた付勢部材の付勢力により像担持体側に付勢され、帯電ローラの両端部の外周にそれぞれ巻き付けて取り付けた同一の厚さのギャップ管理部材を介して上記付勢力により像担持体に接触し、帯電ローラはその一端部に固定した伝達ギヤが像担持体の端部に固定した駆動ギヤに噛み合っていて、その駆動ギヤの回転により伝達ギヤが回転するようにした像担持体ユニットにおいて、
上記帯電ローラは、上記伝達ギヤ側のギャップ管理部材を取り付ける一端部の外径(D 1 )を、上記伝達ギヤとは反対側のギャップ管理部材が取り付けられる他端部の外径(D 2 )よりも小径に形成し、その帯電ローラの小径に形成した上記一端部の外径(D 1 )を、上記駆動ギヤの回転により上記伝達ギヤが回転されているときに、その伝達ギヤに上記駆動ギヤから離れる方向に働く分力により帯電ローラの伝達ギヤ側が像担持体から離れる方向に移動した位置で回転しているときの帯電ローラと像担持体との間のギャップが帯電有効領域の全域に亘って略均一になる寸法に形成したものである。
【0010】
また、上記伝達ギヤと駆動ギヤは、共にはす歯のギヤにするとよい。
さらに、上記いずれかの像担持体ユニットを備えた画像形成装置も提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態例である画像形成装置の帯電装置と感光体ドラムを示す正面図、図2は同じくその帯電装置と感光体ドラム付近を示す斜視図、図3は同じくその帯電装置と感光体ドラムを複数備えた画像形成装置であるカラーの小型プリンタを示す全体構成図である。
図3に示す画像形成装置であるカラーの小型プリンタは、4ドラムフルカラーの電子写真方式の画像形成装置であり、装置本体1内には、4個の像担持体ユニットである感光体ユニット2A,2B,2C及び2Dを、装置本体1に対してそれぞれ着脱可能に装着している。
この小型プリンタは、装置本体1内の略中央に転写ベルト3を複数のローラ間に矢示A方向に回動可能に張装している。
【0012】
そして、その転写ベルト3の図3で上側の面に、4個の感光体ユニット2A,2B,2C,2Dにそれぞれ設けられている像担持体である感光体ドラム5が接触するように、その感光体ユニット2A〜2Dをそれぞれ配設している。
そして、その感光体ユニット2A〜2Dに対応させて、それぞれ使用するトナーの色が異なる現像装置10A〜10Dを配設している。
その感光体ユニット2A〜2Dの上方には書込みユニット6を、下方には両面ユニット7をそれぞれ配設している。
さらに、この小型プリンタは、装置本体1の図3で左方に、画像形成後の転写紙Pを反転させて排出したり、両面ユニット7へ搬送したりする反転ユニット8を装着している。
【0013】
転写ベルト3と反転ユニット8との間には、画像が転写された転写紙の画像を定着する定着装置9が設けられている。
その定着装置9の転写紙搬送方向下流側には、反転搬送路20を分岐させて形成し、そこに搬送した転写紙Pを排紙ローラ対25により排紙トレイ26上に排出可能にしている。
また、装置本体1内の下部には、上下2段にサイズの異なる転写紙Pを収納可能な給紙カセット11と12を、それぞれ配設している。
さらに、装置本体1の右側面には、手差しトレイ13を矢示B方向に開閉可能に設け、その手差しトレイ13を開放することにより、そこから手差し給紙ができるようにしている。
【0014】
感光体ユニット2A〜2Dは、同一の構成をしたユニットであり、感光体ユニット2Aはマゼンタ色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Bはシアン色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Cはイエロー色に対応する画像を形成し、感光体ユニット2Dはブラック色に対応する画像を形成する。そして、それらを転写紙の搬送方向に間隔を置いてそれぞれ配置している。
現像装置10A〜10Dは、構成が全て同一のものであり、それらは使用するトナーの色のみが異なる。そして、現像装置10Aはマゼンタ色のトナーを使用し、現像装置10Bはシアン色のトナーを使用し、現像装置10Cはイエロー色のトナーを使用し、現像装置10Dはブラック色のトナーをそれぞれ使用する。
【0015】
書込みユニット6は、図4に示すようにレーザダイオード(LD)方式のカラー1ビーム、モノクロ2ビームで、2つの6面の回転多面鏡22a,22bを有する1ポリゴンモータの書込みユニットである。
その書込みユニット6は、光源となる図示しないレーザダイオードから射出されてポリゴンモータ21により回転される回転多面鏡22a,22bにより、マゼンタ用の走査光及びシアン用の走査光と、イエロー用の走査光及びブラック用の走査光とを右と左に分けて反射させる。
そのマゼンタ用の走査光及びシアン用の走査光は、2層fθレンズ23をそれぞれ通り、マゼンタ用の走査光はミラー27に反射されて長尺WTL24を通って、ミラー28,29を介して感光体ユニット2Aの感光体ドラム5上に照射される。
【0016】
また、シアン用の走査光は、ミラー31に反射されて長尺WTL32を通って、ミラー33,34を介して感光体ユニット2Bの感光体ドラム5上に照射される。
さらに、イエロー用の走査光及びブラック用の走査光は、2層fθレンズ35をそれぞれ通り、イエロー用の走査光はミラー36に反射されて長尺WTL37を通って、ミラー38,39を介して感光体ユニット2Cの感光体ドラム5上に照射される。
また、ブラック用の走査光は、ミラー41に反射されて長尺WTL42を通って、ミラー43,44を介して感光体ユニット2Dの感光体ドラム5上に照射される。
【0017】
図3に示す両面ユニット7は、対をなす搬送ガイド板45a,45bと、対をなす複数(この例では4組)の搬送ローラ46とからなり、転写紙の両面に画像を形成する両面画像形成モード時には、片面に画像が形成されて反転ユニット8の反転搬送路54に搬送されてスイッチバック搬送された転写紙Pを受入れて、それを感光体ユニット2A〜2Dが設けられている作像部に向けて再搬送する。
反転ユニット8は、それぞれ対をなす複数の搬送ローラと、対をなす複数の搬送ガイド板とからなり、上述したように両面画像形成する際の転写紙Pを表裏反転させて両面ユニット7へ搬出したり、画像形成後の転写紙Pをそのままの向きで機外に排出したり、表裏を反転させて機外に排出したりする働きをする。
給紙カセット11と12とが設けられている給紙部には、転写紙Pを1枚ずつ分離して給紙する分離給紙部55,56が、それぞれ設けられている。
【0018】
この小型プリンタは、転写ベルト3を使用したローラ曲率分離方式を採用しており、転写ベルト3の内側には4つの転写ブラシ57が4個の感光体ドラム5に対応してそれぞれ設けられている。
この小型プリンタは、作像動作を開始させると、各感光体ドラム5が図3で時計回り方向にそれぞれ回転する。そして、その各感光体ドラム5の表面が、その感光体ドラム5と各帯電装置の帯電ローラ14との間に電圧が印加されることにより一様に帯電される。
そして、感光体ユニット2Aの感光体ドラム5の帯電面には、書込みユニット6によりマゼンタ色の画像に対応するレーザ光が照射される。
【0019】
また、感光体ユニット2Bの感光体ドラム5の帯電面には、書込みユニット6によりシアン色の画像に対応するレーザ光が、感光体ユニット2Cの感光体ドラム5の帯電面にはイエロー色の画像に対応するレーザ光が、さらに感光体ユニット2Dの感光体ドラム5の帯電面にはブラック色の画像に対応するレーザ光がそれぞれ照射され、そこに各色に対応した潜像がそれぞれ形成される。
そして、その各潜像は、感光体ドラム5が回転することにより現像装置10A,10B,10C及び10Dの位置に達すると、そこでマゼンタ,シアン,イエロー及びブラックの各トナーにより現像されて、4色のトナー像となる。
【0020】
一方、給紙カセット11あるいは12のうち、選択された給紙段から転写紙Pが分離給紙部55あるいは56により給紙され、それが感光体ユニット2Aの直前に設けられているレジストローラ対59により、各感光体ドラム5上に形成されているトナー像と一致する正確なタイミングで、それが感光体ユニット2Aの感光体ドラム5と転写ベルト3との間に向けて搬送される。
その際、転写紙Pは、転写ベルト3の入口付近に配設している紙吸着ローラ58によりプラスの極性に帯電され、それにより転写ベルト3の表面に静電的に吸着される。
【0021】
そして、転写紙Pは、転写ベルト3に吸着した状態で、その転写ベルト3の矢示A方向への回動により同方向に搬送されながら、図3で上側の面にマゼンタ,シアン,イエロー及びブラック色の各トナー像が順次転写されていき、感光体ユニット2Dを通過したときには4色重ね合わせのフルカラーのトナー画像が形成される。
その転写紙Pは、定着装置9で熱と加圧力が加えられることによりトナー像が溶融定着され、その後は指定されたモードに応じた排紙系を通って、装置本体上部の排紙トレイ26に反転排紙されたり、定着装置9から直進して反転ユニット8内を通ってストレート排紙されたりする。
【0022】
あるいは、両面画像形成モードが選択されているときには、前述した反転ユニット8内の反転搬送路54に送り込まれた後にスイッチバックされて両面ユニット7に搬送され、そこから再給紙されて感光体ユニット2A〜2Dが設けられている作像部で、裏面に画像が形成された後に排出される。
以後、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した作像プロセスが繰り返される。
【0023】
次に、感光体ユニット2A〜2Dについて詳しく説明する。
感光体ユニット2A〜2Dは、図5に示すようにそれぞれ帯電装置4の帯電ローラ14と、その帯電ローラ14によって表面が帯電され、露光により静電潜像が形成されるOPCドラム方式の像担持体である感光体ドラム5と、その感光体ドラム5の表面をクリーニングするクリーニング装置を構成するブラシローラ15とを一体のユニットに構成し、それを装置本体1(図3参照)に対して着脱可能にしたものである。
その各感光体ユニット2A〜2Dは、感光体ドラム5の表面に先端を摺接させて転写残トナーを掻き落とすクリーニングブレード47を備えており、そのクリーニングブレード47により掻き落としたトナーを、ブラシローラ15でトナー搬送オーガ48側に移動させ、そのトナー搬送オーガ48を回転させることにより回収した廃トナーを、所定の廃トナー収納部に搬送するようにしている。
【0024】
また、この感光体ユニット2A〜2Dは、帯電ローラ14の弾性ローラ部17の表面にも、例えばスポンジからなる帯電ローラクリーナ49を接触させ、機内に浮遊するトナーやゴミ等が弾性ローラ部17の表面に付着したときでも、それをクリーニングできるようにしている。
なお、この感光体ユニット2A〜2Dには、それを装置本体1(図3参照)に対して着脱する際の基準として、位置決め主基準部51を設けると共に、手前側位置決め従基準部52と奥側位置決め従基準部53とをブラケット50にそれぞれ一体に設け、その感光体ユニット2A〜2Dを装置本体1に装着する際に、それらの基準部により、感光体ユニット2A〜2Dを所定の装着位置に確実に位置決めできるようにしている。
【0025】
この感光体ユニット2A〜2Dの各感光体ドラム5は、前述したようにそれぞれ矢示C方向に回転するが、それらの線速はモノクロ速度優先モード、モノクロ画質優先モード、カラー速度優先モード、カラー画質優先モード、厚紙・OHP通紙モードなどいくつかのモードによって185mm/sec、125mm/sec、62.5mm/secの三段階に調整することができるようになっている。
なお、この感光体ユニットは、ブラシローラ15を構成から外して、帯電ローラ14と感光体ドラム5とで一体のユニットに構成するようにしてもよい。
【0026】
帯電装置4は、例えば外径をφ9mmに形成し、SUM−Niメッキ(鋼の表面をニッケルメッキ仕上げ)で形成した芯金16の外周に、例えばエピクロルヒドリンゴムからなり、体積固有抵抗値を1×103〜1×108Ω・cmとした導電性を有し、肉圧を1.5mmとした弾性ローラ部17を設けた帯電ローラ14を有している。
そして、その帯電装置4は、帯電ローラ14の図1に示す帯電有効領域Acが、感光体ドラム5の表面に対して非接触(ギャップGを形成)となる非接触帯電装置であり、弾性ローラ部17の両端部の外周にそれぞれ所定の厚さのギャップ管理部材であるフィルム材18a,18bを巻き付けて固定することにより、帯電有効領域Acが感光体ドラム5の表面に対して非接触になるようにしている。
【0027】
すなわち、帯電ローラ14の弾性ローラ部17の両端部の外周に、例えばポリプロピレン、ポリエステル又はポリエチレンテレフタレートからなる片面が粘着面に形成されたフィルム材18a,18bを、粘着面側が弾性ローラ部17に接するように巻き付け、その両側の各フィルム材18a,18bのそれぞれ両端を斜めにカット(図2参照)して、それらが互いに重なり合わないように貼着固定している。
そして、帯電ローラ14を、図2に示したように芯金16の両端部にそれぞれ対応させて設けた付勢部材である加圧スプリング19a,19bにより滑り軸受30a,30bを介して感光体ドラム5側に所定の加圧力で付勢し、両側のフィルム材18a,18bを介して感光体ドラム5の表面に接触させている。
【0028】
その帯電ローラ14は、芯金16の一端部に固定した伝達ギヤ62が感光体ドラム5の一端部に固定した駆動ギヤ61に噛み合っていて、その駆動ギヤ61の回転により伝達ギヤ62が回転するようになっている。
そして、その駆動ギヤ61に、図示しないモータからの駆動力を伝達し、それにより駆動ギヤ61と感光体ドラム5とが一体で図2の矢示E方向に回転するようにしている。その駆動ギヤ61が矢示E方向に回転すると、その駆動ギヤ61には伝達ギヤ62が噛み合っているので、伝達ギヤ62が帯電ローラ14と一体で矢示K方向に回転する。
【0029】
帯電ローラ14の両端部にそれぞれ設けたフィルム材18a,18bは、その厚さを例えば共に60μmとする。その際、粘着面の粘着層の厚さを20μmとする。なお、帯電ローラ14の両端部が加圧スプリング19a,19bの付勢力により感光体ドラム5の表面に押し当てられた状態では、フィルム材18a,18bの上記粘着層は若干潰れた状態になる。
また、帯電ローラ14の弾性ローラ部17は、図1に示したように、伝達ギヤ62側のフィルム材18aを取り付ける一端部の外径D1を伝達ギヤ62とは反対側のギャップ管理部材が取り付けられる他端部の外径D2よりも小径に形成している。
【0030】
そして、この実施の形態では、その小径に形成した部分の外径D1は、図2に示した駆動ギヤ61の回転により伝達ギヤ62が回転されているときに、その伝達ギヤ62に駆動ギヤ61から離れる方向に働く分力Faにより帯電ローラ14の伝達ギヤ62側が感光体ドラム5から離れる方向に移動した位置で回転しているときの帯電ローラ14と感光体ドラム5との間の図1に示すギャップGが、帯電有効領域Acの全域に亘って略均一になる寸法に形成している。
具体的には、外径D1は外径D2よりも20〜40μm(D2とD1の部分の段差H)小さくしている。
【0031】
そして、この状態で帯電ローラ14の芯金16と感光体ドラム5との間に、例えばDC−700Vを定電圧制御で印加すると共に、AC電圧を定電流制御で印加して、感光体ドラム5の表面を所定の電位に一様に帯電する。
このように、この小型プリンタは、図2に示した感光体ドラム5からの回転力を駆動ギヤ61により伝達ギヤ62に強制的にギヤの噛み合いを利用した確実な方法で伝達し、それにより帯電ローラ14を矢示K方向に回転させる。
【0032】
したがって、帯電ローラ14の回転を、仮に両側のフィルム材18a,18bと感光体ドラム5との摩擦力だけで行う構成(連れ回り回転のみの構成)にしている場合には、僅かなフィルム幅の部分に生じる摩擦力だけて帯電ローラ14が回転されるため、その帯電ローラ14が帯電ローラクリーナ49(図5参照)から受ける負荷や、滑り軸受30a,30bの部分における摩擦負荷等により感光体ドラム5の表面に対してスリップすることにより、画像に縦スジができたりして画像品質が低下する恐れがあるが、この実施の形態によれば、上述したギヤを用いた確実な駆動により帯電ローラ14を確実に回転させることができるので、上記スリップを防止して良好な画像を得ることができる。
【0033】
ところで、図2に示した感光体ドラム5を回転させて駆動ギヤ61を矢示E方向に回転させると、その駆動ギヤ61の伝達ギヤ62と噛み合っている歯が伝達ギヤ62の歯を回転方向(矢示K方向)に押し回すように力を加える。
その際に、前述したように伝達ギヤ62には駆動ギヤ61から離れる方向に分力Faが働くため、この実施の形態のように駆動ギヤ61と伝達ギヤ62を感光体ドラム5と帯電ローラ14の片側のみに設けている場合には、伝達ギヤ62は軸受等により許容されるガタ、及び滑り軸受30aが加圧スプリング19aの付勢力に抗して感光体ドラム5から離れる方向に移動可能な範囲で、駆動ギヤ61から離れる方向(図1に示す分力Faの作用方向)に移動しようとする。
【0034】
したがって、この場合には、帯電ローラ14は駆動ギヤ61と伝達ギヤ62が設けられている片側、すなわちフィルム材18aが取り付けられている側のみについて、帯電ローラ14と感光体ドラム5との間のギャップ(図1のGを参照)が大きくなるので、帯電ローラ14の図1に示した帯電有効領域Ac内でギャップに偏差が生じてしまうようになる。
【0035】
しかしながら、この実施の形態による画像形成装置では、図1を参照して先に説明したように、帯電ローラ14はその弾性ローラ部17の伝達ギヤ62側のフィルム材18aを取り付ける一端部の外径D1を、伝達ギヤ62とは反対側のギャップ管理部材が取り付けられる他端部の外径D2よりも小径に形成し、しかもその外径D1は図2に示した駆動ギヤ61により伝達ギヤ62が回転された際に、その伝達ギヤ62に働く分力Faにより帯電ローラ14の伝達ギヤ62側が感光体ドラム5から離れる方向に移動した位置で回転しているときの帯電ローラ14と感光体ドラム5との間の図1に示したギャップGが、帯電有効領域Acの全域に亘って略均一になる寸法に形成しているので、ギャップGは帯電有効領域Acの全域で略均一になる。
【0036】
すなわち、図2の伝達ギヤ62が駆動ギヤ61により回転されているときには、伝達ギヤ62に働く分力Faにより帯電ローラ14の伝達ギヤ62側が感光体ドラム5から離れる方向に移動するため、帯電ローラ14はその伝達ギヤ62側が分力Faに応じて感光体ドラム5から離れる方向に移動する。
ところが、帯電ローラ14は、その回転時において感光体ドラム5から伝達ギヤ62側が離れる方向に移動するのを予め考慮して、弾性ローラ部17のフィルム材18aを取り付ける一端部の外径D1を、伝達ギヤ62とは反対側のギャップ管理部材が取り付けられる他端部の外径D2よりも小径に形成しているので、両側のフィルム材18a,18bの厚さは共に60μmであるが、外径D1と外径D2の外径差が帯電ローラ14の回転時における伝達ギヤ62側の感光体ドラム5から離れる方向への移動量に略一致するので、結果的に帯電ローラ14と感光体ドラム5との間のギャップGが帯電有効領域Acの全域に亘って略均一になる。
したがって、良好な帯電性能が得られる。
【0037】
なお、この実施の形態では、伝達ギヤ62と駆動ギヤ61を、共にはす歯のギヤにしている。それにより、駆動ギヤ61と伝達ギヤ62の噛み合いは滑らかなものとなるので、歯と歯の噛み合い時に起きやすい振動により上記ギャップGが変動するのも防止することができる。また、ギヤの噛み合いによる騒音や画像ムラの発生も低減することができる。それにより、ギャップGを安定した状態で略一定に維持し続けることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、次に記載する効果を奏する。
請求項1及び2の像担持体ユニット及び請求項3の画像形成装置によれば、帯電ローラの伝達ギヤ側のギャップ管理部材を取り付ける一端部の外径を伝達ギヤ62とは反対側のギャップ管理部材が取り付けられる他端部の外径よりも小径に形成することにより、帯電ローラと像担持体との間のギャップが帯電ローラの回転を停止しているときには伝達ギヤ側が予め小さくなるようにしてあるので、帯電ローラの回転時に伝達ギヤ側に働く分力により帯電ローラと像担持体との間の伝達ギヤ側のギャップが大きくなっても、結果的にそのギャップは帯電有効領域の全域に亘って略均一になる。それにより、良好な帯電性能が得られる。
【0039】
請求項2の像担持体ユニットによれば、伝達ギヤと前記駆動ギヤは共にはす歯のギヤであるので、駆動ギヤと伝達ギヤの噛み合いは滑らかであるため、歯と歯の噛み合い時に起きやすい振動により帯電ローラと像担持体との間のギャップが変動するのを防止することができる。また、ギヤの噛み合いによる騒音や画像ムラの発生も低減することができる。それにより、上記ギャップを安定した状態で略一定に維持し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例である画像形成装置の帯電装置と感光体ドラムを示す正面図である。
【図2】同じくその帯電装置と感光体ドラム付近を示す斜視図である。
【図3】同じくその帯電装置と感光体ドラムを複数備えた画像形成装置であるカラーの小型プリンタを示す全体構成図である。
【図4】図3の小型プリンタに設けられている書込みユニットを示す構成図である。
【図5】同じくその小型プリンタが備えている感光体ユニットを示す構成図である。
【図6】従来の感光体ドラム側からの回転力をギヤを介して得て帯電ローラが回転する構成の感光体ユニットにおける問題点を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
2A,2B,2C,2D:感光体ユニット(像担持体ユニット)
5:感光体ドラム(像担持体) 14:帯電ローラ
18:フィルム材(ギャップ管理部材)
19a,19b:加圧スプリング(付勢部材)
61:駆動ギヤ 62:伝達ギヤ
Claims (3)
- 帯電ローラと像担持体とを備え、前記帯電ローラがその両端部にそれぞれ設けた付勢部材の付勢力により前記像担持体側に付勢され、前記帯電ローラの両端部の外周にそれぞれ巻き付けて取り付けた同一の厚さのギャップ管理部材を介して前記付勢力により前記像担持体に接触し、前記帯電ローラはその一端部に固定した伝達ギヤが前記像担持体の端部に固定した駆動ギヤに噛み合っていて、該駆動ギヤの回転により前記伝達ギヤが回転するようにした像担持体ユニットにおいて、
前記帯電ローラは、前記伝達ギヤ側のギャップ管理部材を取り付ける一端部の外径(D 1 )を、前記伝達ギヤとは反対側のギャップ管理部材が取り付けられる他端部の外径(D 2 )よりも小径に形成し、
前記帯電ローラの小径に形成された前記一端部の外径(D 1 )は、前記駆動ギヤの回転により前記伝達ギヤが回転されているときに、その伝達ギヤに前記駆動ギヤから離れる方向に働く分力により前記帯電ローラの伝達ギヤ側が前記像担持体から離れる方向に移動した位置で回転しているときの前記帯電ローラと前記像担持体との間のギャップが帯電有効領域の全域に亘って略均一になる寸法に形成されていることを特徴とする像担持体ユニット。 - 前記伝達ギヤと前記駆動ギヤは、共にはす歯のギヤであることを特徴とする請求項1に記載の像担持体ユニット。
- 請求項1又は2に記載の像担持体ユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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