JPH08104262A - 無限軌道履帯 - Google Patents

無限軌道履帯

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JPH08104262A
JPH08104262A JP26182194A JP26182194A JPH08104262A JP H08104262 A JPH08104262 A JP H08104262A JP 26182194 A JP26182194 A JP 26182194A JP 26182194 A JP26182194 A JP 26182194A JP H08104262 A JPH08104262 A JP H08104262A
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elastic
plate
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crawler
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JP26182194A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Nagata
芳行 永田
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な寿命を有し、弾性体履板損傷時の履板
交換性が容易な無限軌道履帯を提供する。 【構成】 履板は、芯体2と、この芯体2を埋設一体化
した弾性体1とからなる弾性体履板5であり、芯体2と
リンク15との間には、リンク15へボルト12で締結
される金属プレート6を配設し、この金属プレート6と
芯体2とを取付部材3により組付けてなる。また、芯体
2の周縁は、金属プレート6の周縁より外側に突出する
と共に、芯体2の突出周縁を弾性体1に埋設する。さら
に、弾性体履板5のリンク長手方向の側面1gには、接
地面9よりリンク取付面6a側となる部分に、逆反り初
期接触部P1 を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無限軌道履帯に係り、
特に建設機械、農業機械等の装軌車両に好適な弾性体履
板を有する無限軌道履帯に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブルドーザ等の装軌車両におい
て、遊動輪と起動輪との間にトラックフレームを配設
し、このトラックフレームの上下に複数の上転輪と下転
輪とを配設し、これら各転動輪に鉄製履帯を巻装し、起
動輪を駆動することにより、鉄製履帯を回動して車両を
走行させている。この一般的な鉄製履帯の構造に関し、
図6(a)に平面図を、図6(b)にその側面図を示
す。この鉄製履帯は、鉄履板42が、左右一対のリンク
41a、41bにボルト43により締結されると共に、
前後に隣り合うリンク41a、44aとリンク41b、
44bとが、複数のピン45により連結され、無端状に
一体化されて、無限軌道履帯を形成している。図中、4
6はナットである。
【0003】しかしながら、かかる構成の鉄製履帯は、
これを装備した車両が作業現場まで舗装路面等を自走す
る際、直接路面に接触して路面を傷める問題があり、路
面保護マット等を敷くことにより、路面を保護してい
る。したがって、移動時間が長くなり、作業効率低下の
原因となっている。また、走行時の振動・騒音も大き
く、特に都市型の工事においては、これらの低減が要求
されている。かかる上記問題を解決する履帯として、無
端状のゴムベルトに一定間隔で金属芯金を埋設し、この
芯金を起動輪と噛み合わせて駆動する一体型ゴム履帯が
採用されており、実用的な寿命も得られている。しか
し、1箇所でも亀裂等が生じると切断に至りやすく、し
かも一体型に成形されているので、ゴム履帯そのものが
使用不能になる欠点がある。
【0004】次に、鉄製履帯の路面損傷等の問題を解決
する別の履帯として、下記のように、履板を個々に取り
付け可能なゴム履板などの弾性体履板とすると共に、通
常の鉄履板と交換可能とする履帯がある。 (イ)ブロック状の芯金をゴムで包み込んだゴム履板と
し、このゴム履板とリンクとをボルトで直接締結する履
帯が知られている(例えば、実開平4−56593号公
報参照)。 (ロ)鉄履板の接地面側グローサの形状に合わせた凹凸
を有する金属板を成形し、この金属板にゴム等弾性体を
接着させ、鉄履板を介して金属板とリンクとをボルトで
締結することが知られている(例えば、実開平5−78
684号公報参照)。 (ハ)鉄履板の接地面側のみにゴムを焼き付けて接着
し、このゴム履板とリンクとを締結することが知られて
いる(例えば、特開平5−305883号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題点がある。 (イ)においては、ゴムの芯金側形状が凹凸のある接地
面側芯金の形状に沿っているため、作業時などの負荷に
よる弾性歪みがこの凹凸面に遮られて、歪みが集中し、
凹凸面近傍から疲労亀裂を生じやすく、寿命が不十分で
ある。なお、芯金を包み込む別の履板が、実開平3−4
7290号及び特開平5−286463号に開示されて
いるが、これらは、芯金とリンクを一体化したゴム履板
である。しかし、損傷等によるゴム履板交換時には、一
枚交換でもリンクピンの脱着が必要となり、多大な工数
を要する煩わしい作業のために、交換性に問題がある。
さらに、リンクを含めた交換となるので、経済性にも問
題がある。
【0006】(ロ)においては、金属板の接地面側が平
坦面でない、即ち平滑でないので、鉄履板のグローサに
よって弾性体内部の弾性歪みが不均一となり、その箇所
から疲労亀裂発生を早めて、寿命が不十分である。ま
た、弾性体と金属板との接着端部は、作業時の弾性体変
形が大きい部分にあるので、弾性体の末端部剥離を生じ
やすい。さらに、履帯逆反り時、隣接する鉄履板が逆反
りストッパとなるので、履板の回動角度(逆反り角度)
が小さい。このため、弾性体履板が突起物等を乗り越え
る際、弾性体は局部的に突起物と接触し、高面圧な負荷
を受けるので、亀裂を生じやすい。また、鉄履板、金属
板が露出しているので、ブロック等縁石を破壊しやすい
問題もある。 (ハ)においては、ゴム厚さの薄い部分があり、ゴム末
端部より亀裂、剥離等を生じ易く、寿命が不十分であ
る。なお、この末端部を改良しているものとして、実開
平4−84092号に開示されている。しかし、小石等
にゴム履帯が乗り上げた場合には、履帯は逆反りする
が、その際のストッパーとなる部分に、即ち、履板の前
後方向の末端部に、ゴムが回り込んでおり、その厚さが
不十分なために高応力となり、亀裂を生じやすい。さら
に、履板の左右末端部も、ゴムで被覆されていないの
で、亀裂、剥離等を生じ易い問題がある。また、鉄履板
露出により、縁石を破壊しやすい問題もある。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点に着目
し、弾性体履板寿命が一体型ゴム履帯と同程度を有し、
弾性体履板損傷時の履板交換性が容易な弾性体履板を有
する無限軌道履帯を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る無限軌道履帯は、履板とリンクとをボ
ルトにより締結し、前記締結された複数のリンクをピン
により連結してなる無限軌道履帯であって、前記履板
は、芯体と、前記芯体を埋設一体化した弾性体とからな
る弾性体履板であり、前記芯体と前記リンクとの間に
は、前記リンクへ前記ボルトで締結される金属プレート
を配設し、前記金属プレートと前記芯体とを取付部材に
より組付けてなることを特徴とする。また、前記芯体の
周縁は、前記金属プレートの周縁より外側に突出すると
共に、前記芯体の突出周縁を前記弾性体に埋設する。
【0009】前記弾性体履板のリンク長手方向の断面
は、(イ)接地面が前記金属プレートの前記リンクへの
取付面と略平行な平面又は曲面を有し、(ロ)リンク長
手方向の弾性体履板全幅がリンクピッチより小さく、
(ハ)リンク長手方向の接地面幅が前記弾性体履板全幅
より小さく、(ニ)リンク長手方向の側面には、前記接
地面より前記リンク取付面側となる部分に、逆反り初期
に隣の弾性体履板と接触する逆反り初期接触部を形成す
る。前記逆反り初期接触部の位置は、前記リンク取付面
から前記接地面までの距離に対して、前記リンク取付面
から前記逆反り初期接触部までの距離の割合が、0.8
以下となる、前記リンク長手方向側面の位置でよい。さ
らに、前記弾性体履板の接地面側は、前記弾性体履板の
長手方向の中央部には方形接地面を形成し、前記方形接
地面の左右両側には先細りとなる台形接地面を形成し、
前記台形接地面と前記弾性体履板長手方向の側端部との
間には傾斜した台形状のステアリング面を形成してい
る。さらには、前記芯体の接地面側表面は、滑らかな面
である。
【0010】
【作用】上記構成による本発明の作用を説明する。弾性
体履板は、金属プレートとの取り付け部以外の芯体表面
を、弾性体に埋設しているので、弾性体と芯体との接触
面積が大きくなって高い接着力が得られる。しかも、作
業時に引裂の起点となりやすい接着端部は、芯体の周縁
が、金属プレートより突出すると共に、芯体周縁部を弾
性体に埋設するようにしてあるので、引裂の発生が大幅
に低減可能となる。
【0011】弾性体履板のリンク長手方向断面における
形状、寸法関係等を定めることにより、弾性体履板逆反
り時に、従来技術における接触とは異なる初期接触とな
る。即ち、従来技術では、弾性体の接地面近傍での接
触、或いは弾性体を接着する鉄履板同士での接触となる
のに対し、本発明では、接地面よりリンク取り付け側の
位置で、逆反り初期接触部同士が接触し始める。従っ
て、石等に乗り上げた場合、従来技術においては、接地
面近傍での接触により生じる変形と、乗り上げによる変
形とが相乗されたり、鉄履板同士の干渉により大きな逆
反り角度が得られなかったりして、弾性体履板は、接地
面部が局部的に変形して大きな応力が発生し、引裂等を
生じやすい。一方、本発明においては、逆反り初期接触
部がリンク取り付け方向側の側面にあるので、逆反り時
に、隣り合う弾性体履板の接触による変形が、接地面か
ら離れる部分で生じて、弾性体接地面部の局部的変形が
防止可能となる。また、逆反り角度が増大するに従っ
て、接触部は逆反り初期接触部の両側方向、即ちリンク
取り付け側方向と接地面側方向へと拡がり、隣り合う弾
性体履板同士の反発弾性力が増大するので、負荷が隣接
する弾性体履板に分散し、集中荷重による局部的変形を
生じることがない。さらにかかる構成により、比較的大
きな石等に乗り上げた場合でも、逆反りした弾性体が石
を包み込むように乗り上げるので、弾性体内部に不均一
な歪みを発生することなく、ゆるやかな弾性変形が得ら
れる。しかも、弾性体の接地面側には、弾性体履板をリ
ンクへ取付る孔がなく、平滑な面であり、この孔を起点
とする亀裂も防止される。また、逆反り初期接触部の位
置を、側面の所定域とすることで、良好な上記作用が得
られやすくなる。
【0012】さらに、弾性体履板の接地面側に関して
は、方形接地面の弾性体履板長手方向両側に、先細りの
台形接地面を有している。これにより、作業時に履板端
部が土等に乗り上げても捩じり変形を小さくすることが
可能であり、食い込み性、特に湿地などでの食い込み性
が良好となり、大きな牽引力が得られる。この台形接地
面のリンク長手方向両側に形成される傾斜面は、土を把
持して弾性体履板の横滑りを防止すると共に、噛み込ん
だ石の排出性も良い。また、接地面側の左右端部に、傾
斜した台形状のステアリング面を形成しているので、傾
斜面を形成していない場合と比べると、ステアリング抵
抗が小さくなり、良好な操作性が得られる。さらには、
芯体の接地面側を平滑な表面とすることで、突起部を有
する従来の芯金又は金属板の場合とは異なり、作業時の
弾性体変形が均一となって、亀裂発生が低減できる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係る無限軌道履帯の実施例
につき、図面を参照しつつ詳述する。図1、図2、及び
図4に、本実施例の無限軌道履帯の要部について、それ
ぞれ接地面側からの平面図、図1のX−X断面図、及び
図1のY−Y断面図を示す。無限軌道履帯10は、弾性
体履板5が金属プレート6を介してリンク15へ取り付
けられ、複数のリンク15がピン16により回動可能に
連結され、無端状の履帯となっている。
【0014】弾性体履板5は、芯体2と、この芯体2を
包み込むように埋設する弾性体1とから構成され、一体
化されている。この埋設される略長方形板状の芯体2
は、ほぼ中央部には、金属プレート6とリンク15とを
締結するボルト12の頭部埋設孔2aを4ヶ所備えてい
る。また、芯体2は、頭部埋設孔2aより外側となる、
弾性体履板長手方向の左右端部側には、4ヶ所に取付部
材3のボルト3aを有している。即ち、本実施例の取付
部材3は、螺子式取付部材、より具体的にはボルト及び
ナットであり、ボルト3a頭部が、溶接3bにより芯体
2の接地面9側に固着されると共に、ボルト3a螺子部
が、リンク15側に突出している。前記弾性体履板5
は、取付部材3のナット3cにより、略長方形板状なる
金属プレート6へ着脱可能に取り付けられている。ま
た、芯体2の周縁が、金属プレート6の周縁より外側に
突出すると共に、弾性体1が、金属プレート6の周縁の
近傍まで芯体2を埋設している。この芯体2の長さは、
弾性体履板長手方向において、接地面9の長さより大き
くしてある。
【0015】上述の取付部材3の取り付けに関し、図3
に他の取付例を示す。図3(a)の例は、芯体2の孔部
内面にナット3eを溶接3bして、着脱可能なボルト3
dにより締結してあり、芯体2の接地面側表面は、平滑
面となっている。また、図3(b)は、芯体2に座ぐり
を形成し、この座ぐり部にナット3gを溶接3bし、ボ
ルト3fで締結する場合である。なお、図2及び図3の
場合は、芯体2にボルト3a、ナット3e、3gを溶接
3bしているが、ボルトとナットは逆でよいことは勿論
である。これらボルト、ナットは、一般的なものでよい
が、袋状のナットを使用することにより、螺子部の錆防
止に有効である。また、芯体2への取り付けは、溶接に
限定するものでなく、接着材等による接合、芯体2への
螺子加工等、一般的な取付方法でよい。さらに、所謂I
ボルトの一端面を芯体2のリンク15側面に固着して、
ナットで締結してもよい。
【0016】一方、弾性体1の接地面側は、図1に示す
ように、弾性体履板長手方向の中央部には方形接地面1
aが、この方形接地面1aの左右両側には台形接地面1
b(方形接地面1aと台形接地面1bとの図形上の境界
を二点鎖線で示す)が、この台形接地面1bから両端面
にはリンク取付面側に傾斜する台形状のステアリング面
1cが、それぞれ形成されている。また、リンク長手方
向において、台形接地面1b及びステアリング面1cの
端部から、弾性体1の側端部までは、傾斜面1fが形成
されている。さらに、リンク長手方向において、方形接
地面1aの端部から、弾性体1の側端部までは、リンク
取付面側に傾斜する第2側面1eが形成される。この第
2側面1eからリンク取付面端部には、第1側面1dが
形成されている。本実施例では、側面1gは(図4参
照)、第1側面1dと第2側面1eとから形成すると共
に、履帯10の逆反り時において、隣り合う弾性体履板
5同士の初期接触部が、第1側面1dと第2側面1eと
の境界部8となるようにしてある。
【0017】次に、図4において、弾性体履板5は、接
地面9がリンク取付面6aとほぼ平行な平面あるいは曲
面であり、弾性体履板全幅L2 がリンクピッチL1 より
小さく、接地面幅L3 が弾性体履板全幅L2 より小さ
い。この全幅L2 は、リンクピッチL1 より小さくして
あるが、接地面圧が高くなる場合には、全幅L2 をリン
クピッチL1 に近い値とすることで、接地面圧を低減
し、弾性マスも大きくなり好ましいことが多い。また、
リンクピン中心P0 からの接地面方向垂線Pと、リンク
ピン中心P0 から側面1gの逆反り初期接触部P1 への
接線とのなす角度θ1 は、接地面方向垂線Pと、リンク
ピン中心P0 から次期接触面となる第2側面1eの任意
の点P2とを結ぶ直線とのなす角度θ2 より、小さい。
本実施例では、上述のように、逆反り初期接触部P1
は、第1側面1dと第2側面1eとの境界部8に対応す
る。この逆反り初期接触部P1 の位置は、接地面9より
もリンク取り付け面側の位置であればよいが、接地面9
近傍での局部的変形防止を考慮すると、L5 /L4 ≦
0.8程度が好ましい。ここで、L4 は、リンク取り付
け面6aと接地面9との距離、L5 は、リンク取り付け
面6aと逆反り初期接触部P1 との距離である。さらに
好ましくは、隣り合う弾性体1の全体的にゆるやかな変
形等を考慮して、L5 /L4 は、0.6程度以下であ
る。
【0018】上記無限軌道履帯10は、弾性体履板5が
交換可能である。即ち、図2を参照して組立概要を説明
すると、予め取付部材3のボルト3aが溶接3bしてあ
る芯体2を、弾性体1に埋設(例えば、加硫接着等によ
る)し、弾性体履板5を製造しておく。組立は、先ず、
金属プレート6をボルト12及びナット(図示せず)に
よりリンク15へ締結する。次に、ボルト3a螺子部を
金属プレート6の取付孔に挿入後、ナット3cにより、
弾性体履板5を金属プレート6に締結する。尚、リンク
15とピン16との連結による一体化は、従来と同様で
ある。以上のように、弾性体履板5は着脱可能な組立式
であり、弾性体1の摩耗、損傷等に応じて、弾性体履板
5の交換が容易に行われる。
【0019】かかる構成において、先ず、金属プレート
6との組付け部分以外の芯体2は、弾性体1に埋設され
ているので、芯体2と弾性体1との接触面積が大きくな
り、高い接着力が得られる。また、作業時には、牽引
力、旋回抵抗力等の負荷が加わって弾性体1が変形し、
芯体2と弾性体1との接着端縁が剥離し易いが、芯体2
を弾性体1で包み込んであるため、剥離の発生が大幅に
低減可能となる。また、弾性体履板長手方向において、
芯体2の長さを、接地面9の長さより大きくしてあるの
で、側方作業時あるいは突起物乗り越え時に、芯体2で
荷重が支持され、弾性体履板5の損傷を防止している。
【0020】弾性体履板5の接地面9側に関しては、端
面に向かって幅が小さくなる台形接地面1bにより、弾
性体履板5の端部が土等に乗り上げても、捩じり変形が
小さく、また湿地などでの食い込み性も良好で、大きな
牽引力が得られる。また、傾斜面1fは、土を把持して
履板の横滑りを防止すると共に、噛み込んだ石の排出性
も良い。更に、傾斜した台形状のステアリング面1cに
より、傾斜面を形成していない場合と比べて、ステアリ
ング抵抗が小さくなり、良好な操作性が得られる。
【0021】図5は、隣り合う弾性体履板の逆反りの模
式的な図である。本実施例では、上述のように(図4参
照)、弾性体履板全幅L2 がリンクピッチL1 より小さ
いと共に、逆反り初期接触部P1 における角度θ1 が、
第2側面1eの任意点の一例である端部P2 における角
度θ2 より、小さいとしてある。これにより、逆反り開
始時は、隣り合う弾性体履板5の逆反り初期接触部P1
で接触し、続いて図5(a)に示すように、逆反り角度
θ3 の状態では、逆反り初期接触部P1 近傍が接触し、
弾性体1が少し変形する。逆反りが進んで、逆反り角度
θ3 より更に大きくなると、隣り合う弾性体履板5の第
1側面1dの大部分が接触するとともに、第2側面1e
も逆反り初期接触部P1 から接触が増加するが、弾性体
1の撓みは、接地面側に開放され易い。
【0022】また、逆反り角度θ3 が大きくなるに従っ
て、弾性体1は全体的に撓むようになる。さらに、逆反
り角度θ4 と大きくなると、弾性体1の全体的撓みはよ
り増大するが、局部的変形は生じない。この状態を図5
(b)に示すが、例えば凸程度の大きい突起物18を乗
り越えるような場合には、接地面側は突起物18を包み
込むようにして、広い面積で接触すると共に、隣り合う
弾性体1は、第1側面1dと、第2側面1eとがほぼ全
面で接触し、弾性反発し合って荷重を分担するようにな
る。なお、逆反りが逆反り角度θ4 と大きい場合でも、
隣り合う弾性体履板5の芯体2と金属プレート6とは、
干渉したり、芯体2間の弾性体1が薄くなることがない
ように、芯体2と金属プレート6とのリンク長手方向サ
イズが共に設定されている。このように、大きな逆反り
角が得られつつ、局部的集中荷重も防止される。さら
に、接触面部に土砂などを噛み込んだ場合でも、巻き上
げ時に容易に排出するので、異物の排出性がよい。
【0023】以上、本発明に係る無限軌道履帯について
詳述したが、上記実施例に限定されるものではない。本
実施例では図1に示すように、方形接地面1aとステア
リング面1cとの間に台形接地面1bを形成してある
が、方形接地面1aの弾性体履板長手方向を延長してス
テアリング面1cと接するように形成し、ステアリング
面1cの接地面端部もこれに合わせて長く形成した弾性
体履板としてもよい。次に、本発明の弾性体履板に使用
される芯体2は、従来芯金と同様に、接地面側表面に凸
部等の突起部を有する形状でも適用されるが、図1〜図
4に示すように、接地面側表面は滑らかな面である方が
好ましい。この滑らかな面を有することにより、弾性体
1に発生する内部応力は均一になり、芯体2近傍から発
生しやすい亀裂起点を防止できる。ここで、接地面側の
滑らかな面とは、この芯体2近傍の弾性体1に歪みが集
中しない形状、即ち凹凸等の急変しない形状を意味し、
平面、曲面、凹状或いは凸状の傾斜面等は勿論のこと、
ゆるやかな凹凸を有する面でもよい。さらに、芯体2の
端部、コーナは、応力集中を防止するため、一般的な
R、面取り等を施して良い。
【0024】また、側面1g(図4参照)については、
第1側面1dと第2側面1eとの2面からなる場合で説
明したが、この側面は、一曲面、複数の曲面からなる複
合曲面、複数の平面からなる複合平面、或いは曲面と平
面とからなる複合面でよい。これは、本発明の一つであ
る逆反り初期接触部P1 の形成に関しては、逆反り初期
接触部P1 を適切な位置にすることが重要であり、その
結果、局部的な大変形を防止し、有用な寿命が得られ
る。さらに、弾性体には、ゴム、ウレタン、樹脂、エラ
ストマー、非金属系複合材等の比較的軟質な材料が用い
られ、芯体には、鋼、鋳鋼、鋳鉄等の一般的な従来芯金
材質、並びに金属系複合材、非金属系複合材等の強度を
有する材料が用いられる。この芯体を弾性体に埋設して
いるが、例えばゴムの場合に行われる一般的な加硫接着
など、一般的な接着、接合等を施して埋設してある。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。金
属プレート組付け部以外の芯体表面を、弾性体に埋設す
ることで、両者の接触面積が大きくなって高い接着力が
得られると共に、剥離の発生が大幅に低減可能となり、
従来の一体型ゴム履帯と同程度の寿命が得られる。この
芯体及び弾性体の接地面側が、平滑面を有することも寿
命向上に有用である。また、弾性体履板の脱着は、ボル
ト、ナット等の取付部材を取付・取外すだけであり、短
時間で容易に行えるので、鉄履板と同様に、摩耗、損傷
時等での交換性が良い。
【0026】突起物乗り越えに伴う逆反り時には、隣り
合う弾性体同士の側面が、接地面よりもリンク取り付け
側から接触し始めて、大きい接触面積となるので、弾性
体の疲労亀裂発生が少ない。この接触面部に土砂などを
噛み込んだ場合でも、巻き上げ時に容易に排出し、排出
性がよい。また、台形接地面により、弾性体履板の端部
が土等に乗り上げても、捩じり変形が小さく、しかも湿
地などでの食い込み性も良好で、大きな牽引力が得られ
る。傾斜面は、土を把持して履板の横滑りを防止すると
共に、噛み込んだ石の排出性も良い。さらに、傾斜した
ステアリング面により、ステアリング抵抗が小さくな
り、良好な操作性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る無限軌道履帯を接地面側
から見た平面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】図2に示す取付部材の他の取付例を示す要部断
面図である。
【図4】図1のY−Y断面図である。
【図5】実施例に係る無限軌道履帯の逆反りを示し、
(a)は逆反り初期接触部近傍が接触する時の説明図、
(b)は突起物を乗り越える時の説明図である。
【図6】従来技術に係る一般的な鉄製履帯の構造を示
し、(a)は平面図、(b)はその側面図である。
【符号の説明】
1 弾性体、2 芯体、3 取付部材、5 弾性体履
板、6 金属プレート、6a リンク取付面、9 接地
面、10 無限軌道履帯、1a 方形接地面、1b 台
形接地面、1c ステアリング面、1d 第1側面、1
e 第2側面、1g 側面、L1 リンクピッチ、L2
弾性体履板全幅、P0 リンクピン中心、P1 逆反
り初期接触部、θ1 、θ2 角度、θ3 、θ4 逆反り
角度。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 履板とリンクとをボルトにより締結し、
    前記締結された複数のリンクをピンにより連結してなる
    無限軌道履帯であって、前記履板は、芯体と、前記芯体
    を埋設一体化した弾性体とからなる弾性体履板であり、
    前記芯体と前記リンクとの間には、前記リンクへ前記ボ
    ルトで締結される金属プレートを配設し、前記金属プレ
    ートと前記芯体とを取付部材により組付けてなることを
    特徴とする無限軌道履帯。
  2. 【請求項2】 前記芯体の周縁は、前記金属プレートの
    周縁より外側に突出すると共に、前記芯体の突出周縁を
    前記弾性体に埋設することを特徴とする請求項1記載の
    無限軌道履帯。
  3. 【請求項3】 前記弾性体履板のリンク長手方向の断面
    は、(イ)接地面が前記金属プレートの前記リンクへの
    取付面と略平行な平面又は曲面を有し、(ロ)リンク長
    手方向の弾性体履板全幅がリンクピッチより小さく、
    (ハ)リンク長手方向の接地面幅が前記弾性体履板全幅
    より小さく、(ニ)リンク長手方向の側面には、前記接
    地面より前記リンク取付面側となる部分に、逆反り初期
    に隣の弾性体履板と接触する逆反り初期接触部を形成す
    る、ことを特徴とする請求項1又は2記載の無限軌道履
    帯。
  4. 【請求項4】 前記逆反り初期接触部の位置は、前記リ
    ンク取付面から前記接地面までの距離に対して、前記リ
    ンク取付面から前記逆反り初期接触部までの距離の割合
    が、0.8以下となる、前記リンク長手方向側面の位置
    であることを特徴とする請求項3記載の無限軌道履帯。
  5. 【請求項5】 前記弾性体履板の接地面側は、前記弾性
    体履板の長手方向の中央部には方形接地面を形成し、前
    記方形接地面の左右両側には先細りとなる台形接地面を
    形成し、前記台形接地面と前記弾性体履板長手方向の側
    端部との間には傾斜した台形状のステアリング面を形成
    していることを特徴とする請求項3又は4記載の無限軌
    道履帯。
  6. 【請求項6】 前記芯体の接地面側表面は、滑らかな面
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の無限軌道履帯。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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