JP4810747B2 - 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は均一な二軸延伸熱可塑性フィルムな製造方法に係わる。さらに詳しくは、横延伸装置によって幅方向延伸、熱固定される際に生じるボーイング現象を抑制し、幅方向に均一な性質を有する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルム、特に二軸延伸されたポリエステルフィルムは、機械的強度や熱寸法安定性などが優れていることから磁気記録用の基材、電子・電気材料、各種包装材料などに広く使用されており、フィルムの幅方向のどの部分でも同じ物性値である事が望ましい。
【0003】
しかし、従来の製造方法では製品フィルムの幅方向の物性を均一にすることは極めて困難であった。この理由は、延伸工程の横延伸装置内においてフィルムの両端はクリップに把持されていて、幅方向延伸によって生じる長手方向の延伸応力と熱によって生じる収縮応力、そして、熱固定工程によって発生する収縮応力は、フィルムの端部においては把持手段であるクリップによって拘束されているに対し、フィルムの中央部は把持手段の影響が低く拘束力が弱くなり、上記の応力の影響によってクリップで把持されている端部に対してフィルムの中央部分は遅れが生じるためである。
【0004】
そして、幅方向延伸と熱固定を連続に同一の横延伸装置で行う場合において、横延伸装置に入る前のフィルムの面上に幅方向に沿って直線を描いておくと、この直線は横延伸装置内で変形してフイルムの進行方向に対して延伸工程の始めの領域で凸型に変形し、延伸工程の終わり直前の領域で直線に戻り、延伸工程終了後には凹型に変形する。さらに熱固定工程の領域で凹形の変形は最大値に達し、このまま曲線は変化しないでその後の横延伸装置を通過し、横延伸装置を出たフィルムには凹形の変形が残る。この現象はボーイング現象と称されているものであるが、このボーイング現象はフィルムの物性値を幅方向に不均一にする原因となっている。ボーイング現象によって、幅方向両端部のフィルムには長手方向に対して傾斜した配向主軸が生じ、その配向主軸の角度は幅方向で異なる傾向がある。
【0005】
この結果、例えば熱収縮率の縦方向から±45°方向の物性値の差がフィルムの幅方向で異なってくる。このボーイング現象は、包装用途を一例とすると、印刷ラミネート加工、製袋工程等において印刷ピッチずれ、斑の発生、カーリング、蛇行などのトラブルの原因になっている。さらに詳しく述べると、幅方向延伸と熱固定間に冷却工程を設ける従来技術としては、特公昭35−11774号公報には幅方向延伸と熱固定工程の間に20℃〜150℃の弛緩工程を介在させ、実質冷却工程を設けた製造方法が提案されている。しかし、この冷却工程の長さについては全く記載されていないばかりか、ボーイング現象の抑制の効果も全く不明である。
【0006】
さらに、ボーイング現象を抑制ないし解消する技術として、特開昭50−73978号公報には延伸工程と熱固定工程との間にニップロール群を設置するフィルムの製造方法が提案されている。しかし、この技術ではニップロールを設置する中間帯の温度がガラス転移点以上なので、ニップ点でのフイルムの剛性が低いため改良効果が少ない。
【0007】
また、特公昭63−24459号公報には横延伸完了後のフイルムの両端部を把持しながら中央付近の狭い範囲のみをニップロールによって強制的な前進をもたらす工程が提案されている。しかし、この技術ではニップロールを横延伸装置内の高温領域に設置する必要があり、ロール及びその周辺装置を冷却する必要があり、またフィルムが高温であるためロールによる傷が発生するおそれあり、実用面で制約される。
【0008】
また、特公昭62−43856号公報には、横延伸直後のフイルムをガラス転移点以下に冷却した後、多段に熱固定を行ない熱固定と同時に幅方向に伸張する技術が提案されている。しかし、この技術では冷却工程でボーイング現象の抑制が少ないためか、又は熱固定でボーイング現象が再発生しやすいためか冷却工程に加えて多段に熱固定する工程と再延伸との複雑な工程となっている。そのため横延伸装置内の雰囲気湿度やフィルム温度を長時間にわたり安定して制御することが困難ではないかと懸念される。また、この技術も特公昭35−11774号公報と同様に冷却工程の長さなどは記載されていない。
【0009】
また、特開平1−165423号公報には幅方向延伸後のフィルムを幅方向延伸温度以下に冷却した後、多段に昇温しながら幅方向に再度伸張する技術が提案されている。しかし、この技術では、特公昭62−43856号公報の場合と同様に冷却工程でのボーイング現象の抑制効果が少ないためか、また、熱固定工程でボーイングが発生しやすいためか、冷却工程に加えて多段に熱固定する工程と再延伸する工程との複雑な工程となっている。そのため横延伸装置内の雰囲気温度やフィルム温度を長時間にわたり安定して制御することが困難ではないかと懸念される。また、冷却温度はガラス転移点以上延伸温度以下が好ましいとの記載がある。しかし、この程度の冷却工程の長さや冷却工程の温度がガラス転移点以上では、ボーイング現象の抑制効果が少ないことが危惧され、上記のような複雑な工程を採用せざるを得なかったと推測される。
【0010】
また、特公平1−25694号公報、特公平1−25696号公報には、フィルムの走行方向を逆転させて横延伸、熱固定をする技術が提案されている。しかし、この技術ではフィルムの走行方向を逆転させるのにフィルムを一旦巻き取る必要があり、オンラインでの製造方法であるため生産性の面で制約を受けるなどの問題点がある。
【0011】
さらに、特開昭32−183327号公報には縦延伸後、横延伸装置で横延伸、熱固定する際に、横延伸工程と熱固定工程との間に側端部分のみガラス転移点以上熱固定温度以下の温度の予熱工程を設置する技術が提案されている。しかし、この技術では、予熱工程の温度を幅方向に温度勾配を持たせながら制御しなければならないため、フィルム温度を長時間にわたり制御することが困難ではないかと懸念される。なお、この技術の実施例ではこの予熱工程の長さがフイルム幅の半分と短いことからボーイング現象の抑制の効果が少ないと推測される。
【0012】
また、特公平2−45976号公報には、熱固定工程を2段階に分けて、第2段階目でフイルム幅方向に温度分布を付与する熱処理方法が提案されている。しかし、この技術では熱処理工程で発現するボーイング現象の抑制に効果があるものの、延伸工程で発現するボーイング現象の抑制効果がなく、最終的に得られるボーイング現象の抑制効果が少ないことが推測される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
かかる課題に対し、ボーイング現象を抑制せしめて幅方向に物性の均一なポリエステルフイルムを得ることができる効果的な幅方向延伸にかかわる製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明者らは、横延伸装置内におけるボーイング線の変化を観察し、種々の研究からボーイング現象の発生過程を解明し、このボーイング現象を抑制する手段を検討して本発明に到達した。すなわち本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法は、実質的に無配向のポリエステルフィルムを長手方向に延伸し、ついで幅方向に延伸する二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する方法であって、熱風を出す装置の中央部に遮蔽板を設置してフィルムにかかる熱風の風量を幅方向端部増加させることによって、フィルム幅方向端部のフィルム温度を中央部のフィルム温度より高くして幅方向に延伸することを特徴とする。この場合において、中央より端部の方スリット幅が1.1倍〜5.0倍大きい、スリット状の熱風を出す装置を用いて加熱することが好適である。さらにまた、この場合において、フィルム幅方向に全幅加熱することができ、かつ、中央より端部の方が熱風を出す穴の総面積が1.1倍〜5.0倍大きい、多孔穴状の熱風を出す装置を用いて加熱することが好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明に使用されるポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類であり、これらの混合物あるいは共重合ポリエステルでも構わない。該ポリエステルは、上記ポリエステル以外に本発明の効果を損なわない範囲で、有機もしくは無機の滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの添加物を含むポリエステル組成物を用いることができる。
【0017】
本発明におけるポリエステルを押出機に代表される周知の溶融押出装置に供給し、該ポリエステルの軟化点以上の温度で加熱溶融する。溶融した該組成物は、Tダイなどのスリット状ダイから押し出し、冷却ロール上に密着せしめ冷却固化し、実質的に無配向のポリエステルフイルムを得る。
【0018】
前記実質的に無配向のポリエステルフイルムを複数のロール間に供給することにより、連続的に長手方向に延伸した一軸延伸フイルムを得る。すなわち 低周速回転に設定した複数のロール(以下、ロール群という)と高周速回転に設定したロール群を通過させることにより、各ロール群の速度差によってフィルムに張力を与えて長手方向に延伸する。
長手方向に延伸して得られた一軸延伸フィルムを予熱、延伸、熱固定、冷却工程からなる横延伸装置を用いて幅方向に延伸し,フィルムワインダー等でによって巻き取られることは公知である。
【0019】
本発明では、製膜・延伸条件として、このような樹脂の溶融・押出し条件、キャスティング条件、長手方向延伸条件、幅方向延伸条件、熱固定条件、巻き条件等を適宣選択できる。また本発明では、幅方向延伸、冷却、熱固定工程が連接している場合や、上記工程間に長手方向あるいは幅方向あるいは長手/幅両方向の再延伸工程 及び弛緩 または定長熱処理工程が含まれる場合は当然含まれる。さらに、長手方向へ延伸後幅方向に延伸する製造方法以外の延伸方式も本発明に含まれる。例えば、長手方向に延伸後 幅方向に延伸してフイルムを更に再長手方向に延伸する方式、長手方向の多段延伸方式、などその要旨を越えない限り上記に限定されるものではない。
【0020】
本発明の特徴である二軸延伸ポリエステルフィルムの幅方向延伸方法を詳細に説明する。
【0021】
本願発明では、長手方向に延伸された一軸延伸ポリエステルフィルムを横延伸装置を用いて幅方向に延伸する際、フィルムを熱風で加熱し、さらにフィルムにかかる熱風の風量を幅方向で変化させることが必要である。
【0022】
このとき、幅方向延伸工程でフィルムの幅方向に温度分布を付与するのが好ましい。
【0023】
長手方向に延伸された一軸延伸ポリエステルフィルムを横延伸装置を用いて幅方向に延伸する際、横延伸装置のフイルム温度は、フィルムの幅方向中央部でガラス転移温度〜融点未満の温度、好ましくは110℃〜180℃であり、さらに好ましくは、140℃〜160℃である。さらに、フィルムの幅方向両端部は、中央部に比べ1℃以上30℃以下の温度差分熱風の風量が多くなるようにするのが好ましい。
【0024】
フィルム温度を中央部より高温にするフィルム両端部割合は、フィルム全幅に対して5%以上30%以下が好ましい。フィルムの幅方向中央部の温度がガラス転移温度未満の低温では、幅方向延伸性が悪く破断が多発し、かつ、幅方向延伸に起因する幅方向の厚み斑が増大し好ましくなく、また、フィルムの幅方向中央部の温度が融点近傍以上の高温では、厚み斑が増加し好ましくない。また、フィルムの幅方向両端部の温度差を中央部に比べ1℃未満にすると、本発明によるフィルム幅方向の物性差を均一化する効果が低減し好ましくなく、フィルムの幅方向両端部の温度差が中央部に比べ30℃を越えるとフィルム幅方向両端部の熱結晶化が進行し破断が多発し、かつ、横方向の厚み斑が増大し好ましくない。また、フィルム温度を中央部より高温にするフィルム両端部のフィルム全幅に対する割合が5%未満では、本発明による、フィルム幅方向の物性差を均一化する効果が低減し、かつ 幅方向延伸による変化がクリップの極近傍に極度に集中するため破断が多発し好ましくなく、フィルム温度を中央部より高温にするフィルム両端部のフィルム全幅に対する割合が30%を越えると、フィルム幅方向の物性差が均一化される幅方向の割合が低減し好ましくない。
【0025】
フィルムを熱風で加熱し、さらにフィルムにかかる熱風の風量を幅方向で変化させる方法としては、フィルム幅方向に全幅加熱することができるスリット状の熱風を出す装置の中央より端部のスリット幅を1.1倍〜2.5倍に広げる方法、フィルム幅方向に全幅加熱する事ができる多孔穴状の熱風を出す装置の中央より端部の熱風を出す穴の総面積が1.1倍〜2.5倍になるよう穴をあける方法、フィルム幅方向に全幅加熱する事ができるスリット状または多孔穴状の熱風を出す装置の中央部に遮蔽板を設置する方法が好ましい。
【0026】
幅方向延伸倍率は、2.5倍以上である。幅方向延伸倍率が2.5倍未満では、横方向の強度が低くなり、かつ、幅方向延伸に起因する横方向の厚み斑が増大し好ましくない。より好ましくは3.0倍以上である。
【0027】
また、上記加熱方法によるフイルム幅方向の温度の制御は、テンター内にフィルム幅方向またはフィルム流れ方向に対し仕切り板を設けることでより精度の高い制御が可能となる。また、上記加熱方法によって加熱されたフィルムを計測するには、赤外線放射温度計を用いて測定する方法、熱電対を横延伸装置内でフィルムに接触させながら測定する方法等を選択することで行うことが出来る。
【0028】
【作用】
本発明によれば、ポリエステルフィルムを幅方向に延伸する際、横方向延伸装置内で幅方向フィルム端部の温度を中央部より高温にすることで、フィルム端部の幅方向延伸応力を強制的に減少させる事により、本来 長手方向一軸延伸後の長手方向一軸延伸フィルムで生じていた幅方向の中央部と端部の物性差を小さくし 均一に幅方向に延伸することによって、幅方向延伸過程に発生するボーイングを抑制することが出来る。
【0029】
【実施例】
次に 本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた測定方法は次の通りである。
【0030】
1.ボーイング
本発明の効果確認のためボーイングを評価した。ボーイングは、横延伸装置に入る前の長手方向一軸延伸フィルムの表面に幅方向に直線を描き、最終的に得られた弓形の状況を、
B=b/W×100 (%)
ここで、B=ボーイング(%)
W=フィルム幅(mm)
b=ボーイング線の最大凹量(mm)
によって算出した。
【0031】
2.厚みムラ
本発明の効果確認のため厚み斑を評価した。厚み斑は、二軸延伸ポリエステルフィルムを長手方向、幅方向にそれぞれ2m×5cmの短冊状に切断し、安立電機(株)製厚さ計K306Cを用い厚み形状を測定し、下記式により1m当たりの厚み斑を算出し、これを5回繰り返して平均値を厚み斑とした。
厚み斑(%)=(最大厚み−最小厚み)/平均厚み×100
【0032】
3.熱収縮率
フィルムの中央部、及び 中央から両側にそれぞれ幅方向に45%(フィルムの全幅を100%として) 離れた位置のフィルムを,23℃×65%RHの雰囲気中で、幅方向に15mm、長さ方向に200mmの寸法にカットし、標線間の寸法(L0)を読取顕微鏡によって正確に測定した後、150℃のオーブン内30分間入れ、オーブンからフィルムを出した後、23℃×65%RHの雰囲気中に15分以上 放置して平衡に達してから前期標線間の寸法(L1)を測定し、次式より求めた。
熱収縮率(%)= [(L0−L1)/L0] × 100
【0033】
4.熱収縮率の斜め差
フィルムの中央部、及び端部すなわち中央から両側にそれぞれ幅方向に45%(フィルムの全幅を100%として) 離れた位置のフイルムについてフィルム幅方向に対して斜め45°と135°方向の熱収縮率を測定し、その差を求めた。
測定サンプルは上記斜め方向に沿って幅15mm×長さ200mmの寸法にカットし、150℃のオーブン内に30分間入れ、オーブンからフィルムを出した後、23℃×65%RHの雰囲気中に15分以上放置してから寸法を測定し、処理前の寸法に対する収縮率を求めた。各斜め方向の収縮率の差の絶対値を熱収縮率の斜め差とした。
熱収縮率の斜め差が大きいフィルムほど高温に晒された時にカールしやすいなどの不具合が生じる。
【0034】
5.熱収縮応力
フィルムの中央部、及び端部すなわち中央から両側にそれぞれ幅方向に45%(フィルムの全幅を100%として) 離れた位置の幅方向延伸直後フィルムを、23℃×65%RHの雰囲気中で,幅方向に4mm,長手方向に10mmの寸法にカットし、厚みT(mm)を測定した。それをセイコー電子工業(株) SSC-5200型を用いて長さを固定したまま 5℃/分で昇温して熱収縮力 G(N)を測定し、次式より熱収縮応力を求めた。
熱収縮応力(N/mm2)= G/(4×T)
【0035】
製膜状況は、2時間、同一条件で二軸延伸し、破断回数を調べた。
【0036】
(実施例1)
十分に乾燥した無機滑剤を0.1重量%含むポリエチレンテレフタレートペレット(極限粘度0.62)を押し出し機に供給し、285℃で溶融し、Tダイよりフィルム状に押し出し、直流高電圧を印加した電極を用いて冷却ロールに静電密着させ冷却固化せしめて厚さ200μmの無配向フィルムを得た。横延伸工程でフィルムをクリップに把持しやすいようにするため、この無配向フィルムの端部の厚さは中央部の厚さの1.5倍にした。
無配向フィルムを長手方向に75℃で3.8倍に延伸し、その後 横延伸装置によって幅方向に4.0倍延伸し、熱固定および5%の幅方向弛緩処理を施した後に冷却し二軸延伸ポリエステルフィルムとした。横延伸装置内における温度は、予熱温度を熱風吹き付けによりフイルム全幅で100℃、延伸温度を熱風吹き付けによりフイルム中央部で140℃、また幅方向にスリット状から熱風を吹き出す装置の中央に遮蔽率80%の遮蔽板を設置。フィルム幅方向中央部と端部で5℃の温度差がつくようにした。幅方向延伸後のフィルム幅方向温度は横延伸工程後、赤外線放射温度計を用いて測定した。熱固定温度は、熱風吹き付けによりフイルム全幅で235℃とした。
また この横延伸装置は幅方向延伸と熱固定の間に中間ゾーンが設置されている。そこにフィルムを巻き取るロールが設置されてあり、そこで幅方向延伸直後のフィルムを採取することができる。またここでの幅方向フィルム端部とは、全幅に対して20%の幅を左右両クリップより中央部に均等に分割した幅を示す。つまりフィルム幅方向中央位置に60%遮蔽した事になる。その後、通常のようにしてフィルムを巻き取った。
【0037】
(実施例2)
横延伸装置内で幅方向延伸温度を150℃とする以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0038】
(実施例3)
横延伸装置内で幅方向延伸温度を150℃とし、幅方向にスリット状から熱風を吹き出す装置の中央に遮蔽率100%の遮蔽板を設置。フィルム幅方向中央部と端部で7℃の温度差がつくようにした以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0039】
(実施例4)
横延伸装置内で幅方向に遮蔽する位置を、フィルム幅方向全幅の中央位置20%とする以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0040】
(比較例1)
横延伸装置内の幅方向にフィルムを延伸する際、中央に遮蔽板を使用せずに幅方向で温度差を設けない以外は実施例1と同様にして2軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0041】
実施例と比較例における製膜条件とフィルム評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004810747
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、幅方向延伸でのボーイング現象が抑制し、熱収縮率の斜め差が小さく、厚み斑も小さな二軸延伸ポリエステルフィルムを破断の少ない状態で製造できることがわかる。

Claims (4)

  1. 実質的に無配向のポリエステルフィルムを長手方向に延伸し、ついで幅方向に延伸する二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する方法であって、熱風を出す装置の中央部に遮蔽板を設置してフィルムにかかる熱風の風量を幅方向端部増加させることによって、フィルム幅方向端部のフィルム温度を中央部のフィルム温度より高くして幅方向に延伸することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 請求項1に記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、フィルム幅方向に全幅加熱することができ、かつ、中央より端部の方スリット幅が1.1倍〜5.0倍大きい、スリット状の熱風を出す装置を用いて加熱することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 請求項1に記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、フィルム幅方向に全幅加熱することができ、かつ、中央より端部の方が熱風を出す穴の総面積が1.1倍〜5.0倍大きい、多孔穴状の熱風を出す装置を用いて加熱することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、熱風を出す装置の中央部の20〜60%を遮蔽率が80〜100%の遮蔽板で遮蔽することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
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