JP2002361734A - 二軸延伸ポリアミドフイルムの製造法 - Google Patents

二軸延伸ポリアミドフイルムの製造法

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JP2002361734A JP2001177528A JP2001177528A JP2002361734A JP 2002361734 A JP2002361734 A JP 2002361734A JP 2001177528 A JP2001177528 A JP 2001177528A JP 2001177528 A JP2001177528 A JP 2001177528A JP 2002361734 A JP2002361734 A JP 2002361734A
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Kousuke Hama
貢介 浜
Shigenori Iwade
茂則 岩出
Osamu Furuta
修 古田
Akito Hamano
明人 濱野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅方向に延伸する際、ボーイング現象を抑制
せしめて幅方向に物性の均一な二軸延伸ポリアミドフイ
ルムを得ることができる効果的な幅方向延伸にかかわる
製造方法を提供する。 【解決手段】 実質的に無配向のポリアミドフイルムを
長手方向延伸し、ついで幅方向に延伸して得られる二軸
延伸ポリアミドフイルムを製造する方法において、幅方
向に延伸する際、フイルム温度をフイルム幅方向に変化
させることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフイルムの
製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸延伸ポリアミド
フイルムの均一な製造法に係わる。さらに詳しくは、横
延伸装置によって幅方向延伸、熱固定される際に生じる
ボーイング現象を抑制し、幅方向に均一な性質を有する
二軸延伸ポリアミドフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリアミドフイルムは、包装等
の用途に広く使用されている。使用する際、フイルムは
幅方向のどの部分でも同じ物性値である事が望ましい。
二軸延伸ポリアミドフイルムは、一般に速度の異なる複
数のロール間を通過させる事によりロールの速度差を利
用して長手方向に延伸した後、横延伸装置で幅方向に延
伸した後、熱固定を行う逐次二軸延伸法によって製造さ
れている。
【0003】しかし、従来の製造方法では製品フイルム
の幅方向の物性を均一にすることは極めて困難であっ
た。この理由は、延伸工程の横延伸装置内においてフイ
ルムの両端はクリップに把持されていて、幅方向延伸に
よって生じる長手方向の延伸応力と熱によって生じる収
縮応力、そして、熱固定工程によって発生する収縮応力
は、フイルムの端部においては把持手段であるクリップ
によって拘束されているに対し、フイルムの中央部は把
持手段の影響が低く拘束力が弱くなり、上記の応力の影
響によってクリップで把持されている端部に対してフイ
ルムの中央部分は遅れが生じるためである。
【0004】幅方向延伸と熱固定を連続に同一の横延伸
装置で行う場合において、横延伸装置に入る前のフイル
ムの面上に幅方向に沿って直線を描いておくと、この直
線は横延伸装置内で変形してフイルムの進行方向に対し
て延伸工程の始めの領域で凸型に変形し、延伸工程の終
わり直前の領域で直線に戻り、延伸工程終了後には凹型
に変形する。さらに熱固定工程の領域で凹形の変形は最
大値に達する。
【0005】横延伸装置を出たフイルムには凹形の変形
が残る。この現象はボーイング現象と称されているもの
であるが、このボーイング現象はフイルムの物性値を幅
方向に不均一にする原因となっている。ボーイング現象
によって、幅方向両端部のフイルムには長手方向に対し
て傾斜した配向主軸が生じ、その配向主軸の角度は幅方
向で異なる傾向がある。この結果、例えば吸湿伸び率の
縦方向から±45°方向の物性値の差がフイルムの幅方
向で異なってくる。このボーイング現象は、包装用途を
一例とすると、印刷ラミネート加工、製袋工程等におい
て印刷ピッチずれ、斑の発生、カーリング、蛇行などの
トラブルの原因になっている。
【0006】かかる問題に対する従来技術としては、特
公昭35−11774号公報には幅方向延伸と熱固定工
程の間に20℃〜150℃の弛緩工程を介在させ、実質
冷却工程を設けた製造方法が提案されている。しかし、
この冷却工程の長さについては全く記載されていないば
かりか、ボーイング現象の抑制の効果も全く不明であ
る。さらに、ボーイング現象を抑制ないし解消する技術
として、特開昭50−73978号公報には延伸工程と
熱固定工程との間にニップロール群を設置するフイルム
の製造方法が提案されている。しかし、この技術ではニ
ップロールを設置する中間帯の温度がガラス転移点以上
なので、ニップ点でのフイルムの剛性が低いため改良効
果が少ない。
【0007】また、特公昭63−24459号公報には
横延伸完了後のフイルムの両端部を把持しながら中央付
近の狭い範囲のみをニップロールによって強制的な前進
をもたらす工程が提案されている。しかし、この技術で
はニップロールを横延伸装置内の高温領域に設置する必
要があり、ロール及びその周辺装置を冷却する必要があ
り、またフイルムが高温であるためロールによる傷が発
生するおそれあり、実用面で制約される。
【0008】また、特公昭62−43856号公報に
は、横延伸直後のフイルムをガラス転移点以下に冷却し
た後、多段に熱固定を行ない熱固定と同時に幅方向に伸
張する技術が提案されている。しかし、この技術では冷
却工程でボーイング現象の抑制が少ないためか、又は熱
固定でボーイング現象が再発生しやすいためか冷却工程
に加えて多段に熱固定する工程と再延伸との複雑な工程
となっている。そのため横延伸装置内の雰囲気湿度やフ
イルム温度を長時間にわたり安定して制御することが困
難ではないかと懸念される。また、この技術も特公昭3
5−11774号公報と同様に冷却工程の長さなどは記
載されていない。
【0009】また、特開平1−165423号公報には
幅方向延伸後のフイルムを幅方向延伸温度以下に冷却し
た後、多段に昇温しながら幅方向に再度伸張する技術が
提案されている。しかし、この技術では、特公昭62−
43856号公報の場合と同様に冷却工程でのボーイン
グ現象の抑制効果が少ないためか、また、熱固定工程で
ボーイングが発生しやすいためか、冷却工程に加えて多
段に熱固定する工程と再延伸する工程との複雑な工程と
なっている。そのため横延伸装置内の雰囲気温度やフイ
ルム温度を長時間にわたり安定して制御することが困難
ではないかと懸念される。また、冷却温度はガラス転移
点以上延伸温度以下が好ましいとの記載がある。しか
し、この程度の冷却工程の長さや冷却工程の温度がガラ
ス転移点以上では、ボーイング現象の抑制効果が少ない
ことが危惧され、上記のような複雑な工程を採用せざる
を得なかったと推測される。
【0010】また、特公平1−25694号公報、特公
平1−25696号公報には、フイルムの走行方向を逆
転させて横延伸、熱固定をする技術が提案されている。
しかし、この技術ではフイルムの走行方向を逆転させる
のにフイルムを一旦巻き取る必要があり、オンラインで
の製造方法であるため生産性の面で制約を受けるなどの
問題点がある。
【0011】さらに、特開昭32−183327号公報
には縦延伸後、横延伸装置で横延伸、熱固定する際に、
横延伸工程と熱固定工程との間に側端部分のみガラス転
移点以上熱固定温度以下の温度の予熱工程を設置する技
術が提案されている。しかし、この技術では、予熱工程
の温度を幅方向に温度勾配を持たせながら制御しなけれ
ばならないため、フイルム温度を長時間にわたり制御す
ることが困難ではないかと懸念される。なお、この技術
の実施例ではこの予熱工程の長さがフイルム幅の半分と
短いことからボーイング現象の抑制の効果が少ないと推
測される。
【0012】また、特公平2−45976号公報には、
熱固定工程を2段階に分けて、第2段階目でフイルム幅
方向に温度分布を付与する熱処理方法が提案されてい
る。しかし、この技術では熱処理工程で発現するボーイ
ング現象の抑制に効果があるものの、延伸工程で発現す
るボーイング現象の抑制効果がなく、最終的に得られる
ボーイング現象の抑制効果が少ないことが推測される。
【0013】さらに、特開平10−44230と特開平
10−235630においてはテンター式同時二軸延伸
方法において熱処理工程の温度勾配を特定の条件にする
ことによってボーイング現象を抑制する方法が提案され
ている。しかし、テンター式同時二軸延伸方法は本発明
の逐次二軸延伸方法に比べ生産性の悪い製造方法と言わ
れており、逐次二軸延伸方法でのボーイング現象の抑制
が強く望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】かかる課題に対し、ボ
ーイング現象を抑制せしめて幅方向に物性の均一なポリ
アミドフイルムを得ることができる効果的な幅方向延伸
にかかわる製造法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、横延伸装
置内におけるボーイング線の変化を観察し、種々の研究
からボーイング現象の発生過程を解明し、このボーイン
グ現象を抑制する手段を検討して本発明に到達した。す
なわち本発明は、実質的に無配向のポリアミドフイルム
を長手方向に延伸し、ついで幅方向に延伸する二軸延伸
ポリアミドフイルムを製造する方法において、幅方向に
延伸する際、フイルムの温度をフイルム幅方向に変化さ
せることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフイルムの製
造法である。
【0016】この場合において幅方向に延伸する際、フ
イルム幅方向のフイルム端部の温度をフイルム中央部よ
り1℃〜25℃高くして幅方向に延伸すると好適であ
る。
【0017】また、この場合において幅方向に延伸する
際のフイルム温度をフイルム幅方向に変化させる手段と
して、熱風ファンを設置することが好適である。
【0018】また、この場合において幅方向に延伸する
際のフイルム温度をフイルム幅方向に変化させる手段と
して、遠赤外線ヒーターおよび/または近赤外線ヒータ
ーを使用することも好適である。
【0019】また、この場合において幅方向に延伸後の
フイルム端部の吸湿伸び率斜め差2.0%以下であると好適
である。
【0020】またこの場合において幅方向に延伸直後、
幅方向にフイルム温度を測定することができる非接触赤
外線式の放射温度計を設置し、幅方向にフイルム温度差
を設けるように端部加熱手段の出力を制御する装置を備
えると好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明に使用されるポリアミド樹脂として
は、ナイロン−6、ナイロン−11、ナイロン−12、
ナイロン−6・6、ナイロン−6・9、ナイロン−6・1
0等の脂肪族ポリアミド樹脂、及びポリメタキシリレン
アジパミド等の半芳香族ナイロン等の単体、共重合体、
混合体、複合体等が挙げられる。本発明におけるポリア
ミド樹脂は押出機に代表される周知の溶融押出装置に供
給し、該ポリアミドの軟化点以上の温度で加熱溶融し、
溶融した該組成物は、Tダイなどのスリット状ダイから
押し出し、冷却ロール上に密着せしめ冷却固化し、実質
的に無配向のポリアミドフイルムを得る。
【0023】該実質的に無配向のポリアミドフイルムは
複数のロール間に供給することにより、連続的に長手方
向に延伸し一軸延伸ポリアミドフイルムを得る。すなわ
ち低周速回転に設定した複数の加熱ロール(以下、ロー
ル群という)と高周速回転に設定した冷却ロール群を通
過させることにより、各ロール群の速度差によってフイ
ルムに張力を与えて長手方向に延伸する。長手方向の延
伸温度はポリアミドのガラス転移温度からガラス転移温
度より60℃高い温度の間で行う。長手方向の延伸倍率
は、好ましくは2.5倍から5.0倍であり、更に好ま
しくは3.0から4.0倍である。長手方向の延伸は多
段に分割しても良い。長手方向に延伸して得られた一軸
延伸フイルムは予熱、延伸、熱固定、冷却の工程からな
る横延伸装置を用いて幅方向に延伸し,フイルムワイン
ダー等でによって巻き取る。
【0024】本発明の特徴である二軸延伸ポリアミドフ
イルムの幅方向延伸方法を詳細に説明する。 長手方向
に延伸された一軸延伸ポリアミドフイルムを横延伸装置
によって幅方向に延伸する。幅方向延伸倍率は、2.5倍
以上5.0倍未満が好ましい。幅方向延伸倍率が2.5倍未満
では、横方向の強度の低下や横方向の厚み斑の増大が起
こり好ましくない。5.0倍以上では破断が多くなり製膜
が困難であるとともにフイルムの縦方向の配向に対して
横方向の配向が強くなりすぎて横方向の吸湿伸び率が大
きくなり好ましくない。
【0025】延伸する際のフイルム温度は、フイルムの
幅方向中央部でガラス転移温度〜融点未満の温度、好ま
しくは110℃〜180℃であり、さらに好ましくは1
30〜160℃であり、かつフイルムの幅方向両端部
は、中央部に比べ1℃〜25℃の温度差分高温にするこ
とが必要である。フイルム温度を中央部より高温にする
フイルム両端部割合は、フイルム全幅に対して5%以上
40%以下が好ましい。フイルムの幅方向延伸温度はガ
ラス転移温度未満の低温では、幅方向延伸性が悪く破断
が多発する。逆に融点近傍の高温でも破断が多発するの
で好ましくない。
【0026】また、フイルムの幅方向両端部の温度差を
中央部に比べ1℃未満にすると、本発明によるフイルム
幅方向の物性差を均一化する効果が低減し好ましくな
く、フイルムの幅方向両端部の温度差が中央部に比べ2
5℃を越えるとフイルム幅方向両端部の熱結晶化が進行
し破断が多発し、かつ、横方向の厚み斑が増大し好まし
くない。また、フイルム温度を中央部より高温にするフ
イルム両端部のフイルム全幅に対する割合が5%未満で
ある場合および全幅に対する割合が30%を越える場合
は本発明によるフイルム幅方向の物性差を均一化する効
果が低減するので好ましくない。
【0027】幅方向延伸工程でフイルムの幅方向に温度
分布を付与するには、フイルム幅方向の全幅にスリット
状および/または多孔状の熱風を出すダクトでフイルム
全幅を加熱するとともに、更にフイルムの上面および/
または下面より、熱風を吹き付ける方法、遠赤外線ヒー
ターおよび/または近赤外線ヒーターを用いて加熱する
方法、およびこれらの組み合わせる方法等から選択する
ことが好ましい。
【0028】また、上記加熱方法によるフイルム幅方向
の温度の制御は、テンター内にフイルム幅方向またはフ
イルム流れ方向に対し仕切り板を設けることでより精度
の高い制御が可能となる。また、赤外線ヒーターを用い
て加熱する方法の場合、ヒーターの裏面と側面に反射板
を設けることにより、効率の良い加熱が可能となる。ま
た、フイルム幅方向に全幅加熱することができるスリッ
ト状の熱風を出す装置の中央部に遮蔽板を設置し、幅方
向で風速を変える事で温度分布を付与する方法を用いる
事もできる。
【0029】また、上記加熱方法によって幅方向に延伸
直後、幅方向にフイルム温度を測定することができる非
接触赤外線式の放射温度計を設置し、幅方向にフイルム
温度差を設けるように端部加熱手段の出力を制御する装
置を備えると好適である。
【0030】横延伸したフイルムは、熱に対する寸法安
定性を高めるために融点近傍から融点より50℃低い温
度で熱固定する。熱固定工程におけるフイルムの幅は横
延伸の幅に固定した後、1〜10%幅を狭めてリラック
ス処理を行う。ついで冷却して横延伸機から取り出し巻
き取る。
【0031】
【作用】本発明によれば、ポリアミドフイルムを幅方向
に延伸する際、横方向延伸装置内で幅方向フイルム端部
の延伸温度を中央部より高くすることで、フイルム端部
の幅方向延伸応力を強制的に減少させる事により、長手
方向一軸延伸後の一軸延伸フイルムで生じていた幅方向
の中央部と端部の物性差を小さくするとともに幅方向延
伸過程で発生する長手方向の熱収縮応力を抑制できるの
で熱固定工程でのボーイング現象を抑制することが出来
るものと思われる。
【0032】
【実施例】次に 本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた測定方法
は次の通りである。
【0033】1.ボーイング 本発明の効果確認のためボーイングを評価した。ボーイ
ングは、横延伸装置に入る前の長手方向一軸延伸フイル
ムの表面に幅方向に直線を描き、最終的に得られた弓形
の状況を、 B=b/W×100 (%) ここで、B=ボーイング(%) W=フイルム幅(mm) b=ボーイング線の最大凹量(mm) によって算出した。この線に沿って横方向に分子が配向
しているので、この値が小さいほど歪みが少さく、フイ
ルムから作った包装袋を横方向に切り裂く時にまっすぐ
切れるので商品価値が高い。
【0034】2.沸騰水収縮率の斜め差 フイルムの幅方向の端部すなわち中央から両側にそれぞ
れ幅方向に45%(フイルムの全幅を100%として)
離れた位置から210mm×210mmの正方形のフイ
ルムを切り出し、200mmの円を描き流れ方向(縦方
向)を0°とした時、斜め45°と135°方向に円の
中心を通る直線を引く。そのサンプルを23℃、50%
相対湿度の雰囲気で3時間以上シーズニングした後、直
線と円との交点間の長さ(直径)を正確に測定してお
く。次にこの正方形のフイルムを沸騰水中で30分間加
熱処理した後取り出して、表面の水を除去してから23
℃、50%相対湿度の雰囲気で3時間以上シーズニング
した後に再び直線と円との交点間の長さ(直径)を正確
に測定する。沸騰水処理前後の長さから45°と135
°の方向の沸騰水収縮率を計算し、その差の絶対値を沸
騰水収縮率の斜め差として求めた。 (沸騰水収縮率)=(処理前の長さ−処理後の長さ)/
(処理前の長さ)×100(%) 沸騰水収縮率の斜め差が大きいフイルムほど沸騰水処理
された時にカールしやすいなどの不具合が生じる。
【0035】3.製膜状況 2時間、同一条件で二軸延伸し、破断回数を調べた。
【0036】(実施例1)十分に乾燥した無機滑剤を
0.4重量%含むナイロン−6 (相対粘度2.8)を押し
出し機に供給し、270℃で溶融し、Tダイよりフイル
ム状に押し出し、直流高電圧を印加した電極を用いて冷
却ロールに静電密着させ冷却固化せしめて厚さ200μ
mの無配向フイルムを得た。横延伸工程でフイルムをク
リップに把持しやすいようにするため、この無配向フイ
ルムの端部の厚さは中央部の厚さの1.5倍にした。
【0037】次いでこの無配向フイルムをロール延伸機
によって長手方向に75℃で3.5倍に延伸した。次い
でテンター式の横延伸装置によって幅方向に4.0倍延
伸し、熱固定および5%の幅方向弛緩処理を施した後に
冷却し二軸延伸ポリアミドフイルムとした。横延伸装置
内における温度は、予熱温度を熱風吹き付けによりフイ
ルム全幅で100℃、延伸温度を熱風吹き付けによりフ
イルム中央部で140℃、幅方向フイルム端部(全幅の
両端部10%ずつ)は、遠赤外線ヒーターで加熱し14
5℃とした。幅方向延伸後のフイルム温度は横延伸工程
後、赤外線放射温度計を用いて測定した。熱固定温度
は、熱風吹き付けによりフイルム全幅で215℃とし
た。熱固定および横方向の弛緩処理(5%)は、フイル
ム全幅215℃で行った。次いでフイルムをワインダー
で巻き取った。
【0038】(実施例2)横延伸装置内で幅方向延伸温
度を熱風吹き付けによりフイルム中央部で140℃、幅
方向フイルム端部(全幅の両端部10%ずつ)は、遠赤
外線ヒーターで加熱し150℃とした以外は実施例1と
同様にして二軸延伸ポリアミドフイルムを得た。
【0039】(実施例3)横延伸装置内で幅方向延伸温
度を熱風吹き付けによりフイルム中央部で140℃、幅
方向フイルム端部(全幅の両端部10%ずつ)は、電熱
熱風ヒーターで加熱し150℃とした以外は実施例1と
同様にして二軸延伸ポリアミドフイルムを得た。
【0040】(比較例1)横延伸装置内の幅方向にフイ
ルムを延伸する際、熱風吹き付けによりフイルム中央部
と端部を140℃にして、端部は赤外ヒーターを使用せ
ずに幅方向の温度差を意図的にはつけなかった以外は実
施例1と同様にして2軸配向ポリアミドフイルムを得
た。
【0041】(比較例2)横延伸装置内の幅方向にフイ
ルムを延伸する際、熱風吹き付けによりフイルム中央部
と端部を150℃にして、端部は赤外ヒーターを使用せ
ずに幅方向の温度差を意図的にはつけなかった以外は実
施例1と同様にして2軸配向ポリアミドフイルムを得
た。(放射温度計によるフイルムの実測温度は中央部は
150℃、端部は149℃であった)
【0042】実施例と比較例における製膜条件とフイル
ム評価結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、幅方向延伸でのボーイ
ング現象が抑制され、沸騰水収縮率の斜め差が小さな二
軸延伸ポリアミドフイルムを破断の少ない状態で製造で
きることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱野 明人 愛知県犬山市木津字前畑344番地 東洋紡 績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 4F210 AA29 AG01 AR06 QA02 QA03 QC06 QD32 QD36 QD39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に無配向のポリアミドフイルムを
    長手方向に延伸し、ついで幅方向に延伸する二軸延伸ポ
    リアミドフイルムを製造する方法において、幅方向に延
    伸する際、フイルムの温度をフイルム幅方向に変化させ
    ることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフイルムの製造
    法。
  2. 【請求項2】 幅方向に延伸する際、フイルム幅方向の
    フイルム端部の温度をフイルム中央部より1℃〜25℃
    高くして幅方向に延伸することを特徴とする請求項1記
    載の二軸延伸ポリアミドフイルムの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2項記載の二軸延伸ポ
    リアミドフイルムの製造法であって、幅方向に延伸する
    際のフイルム温度をフイルム幅方向に変化させる手段と
    して、熱風ファンを設置することを特徴とする二軸延伸
    ポリアミドフイルムの製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは2項記載の二軸延伸ポ
    リアミドフイルムの製造法であって、幅方向に延伸する
    際のフイルム温度をフイルム幅方向に変化させる手段と
    して、遠赤外線ヒーターおよび/または近赤外線ヒータ
    ーを使用することを特徴とする二軸延伸ポリアミドフイ
    ルムの製造法。
  5. 【請求項5】 幅方向に延伸後のフイルム端部の吸湿伸
    び率斜め差2.0%以下である事を特徴とする請求項1
    〜4記載の二軸延伸ポリアミドフイルムの製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の二軸延
    伸ポリアミドフイルムの製造法であって、幅方向に延伸
    直後、幅方向にフイルム温度を測定することができる非
    接触赤外線式の放射温度計が設置され、その測定値によ
    って幅方向にフイルム温度差を設けるように端部加熱手
    段の出力を制御することを特徴とする二軸延伸ポリアミ
    ドフイルムの製造法。
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Cited By (3)

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