JP4788434B2 - 積層型セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層型セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、たとえば積層セラミックコンデンサなどの積層型セラミック電子部品の製造方法に関し、さらに詳しくは、グリーンチップの面取りにおいてクラック、割れ、欠けの発生を防止し、その結果、焼結体の研磨処理においてクラック、割れ、欠けの発生を防止し、結果として得られる電子部品のショート不良率を低くすることができる積層型セラミック電子部品の製造方法に関する。
コンデンサ、圧電素子、PTCサーミスタ、NTCサーミスタ、またはバリスタ等の積層型セラミック電子部品を製造する方法としては、たとえば下記の方法が知られている。すなわち、まず、可撓性支持体(例としてPETフィルム)上にドクターブレード法などで、セラミック粉、有機バインダ、可塑剤、溶剤等を含むセラミック塗料をシート状に成形し、グリーンシートとする。そのグリーンシートの上に、パラジウム、銀、ニッケル、銅等の電極材を含むペーストを所定パターンで印刷し、内部電極層とする。
積層構造を得る場合には、得られたグリーンシートを、所望の積層構造になるように積層し、プレス切断工程を経てグリーンチップを得る。このようにして得られたグリーンチップ中のバインダをバーンアウトし、1000℃〜1400℃で焼成し、焼結体を得る。この焼成体に、銀、銀−パラジウム、ニッケル、または銅等の外部電極を形成し、積層型セラミック電子部品を得る。
上述した製造方法において、例えば積層セラミックコンデンサを製造する場合、焼成後に得られる焼結体の端部付近(積層方向に略平行な側面)において、内部電極が酸化して、内部電極が途切れている場合がある。内部電極が途切れると、焼結体の端部に外部電極を焼き付けても、内部電極と、外部電極とが電気的に導通しない恐れがある。
従来、焼結体の端部において酸化した内部電極と、外部電極とを導通させるために、焼結体の端部を研磨処理する。この研磨処理によって、内部電極において酸化した部分を除去し、酸化していない内部電極を焼結体の端部に露出させる(特許文献1参照)。
しかしながら、焼結体の研磨処理においては、研磨時に焼結体のコーナー(角)においてクラック、割れ、欠けが生じてしまう。クラック、割れ、欠けの発生は、焼結体が、焼成前(グリーンチップの状態)に比べて、高硬度を有することに起因する。焼結体が硬度を有すると、特に、焼結体の角においてクラック、割れ、欠けが発生し易くなる。焼結体のクラック、割れ、欠けは、コンデンサにおいてショート不良の原因となる。
焼結体の研磨処理において、クラック、割れ、欠けの発生を防止する対策としては、焼成前のグリーンチップに対して面取りを施し、グリーンチップのコーナーに丸み(コーナーR)を持たせることが挙げられる。しかしながら、グリーンチップに対する面取りの最中にも、グリーンチップにクラック、割れ、欠けが生じてしまう。グリーンチップのクラック、割れ、欠けは、焼成後の焼結体におけるクラック、割れ、欠けの起点になる。従って、焼結体のクラック、割れ、欠けを防止するためには、焼成前のグリーンチップにおいて、クラック、割れ、欠けを起こすことなく面取りを行わなければならない。
グリーンチップの面取り時に、クラック、割れ、欠けの発生を防止する対策としては、グリーンチップの面取りを緩やかに行うこと(グリーンチップに働く力を小さくすること)が挙げられる。しかしながら、グリーンチップの面取りを緩やかに行うと、グリーンチップにコーナーRがつかない恐れがある。その結果、焼結体の研磨処理において、クラック、割れ、欠けを防止することができない。
グリーンチップにおけるクラック、割れ、欠けの発生は、焼結体におけるクラック、割れ、欠けの発生と同様に、グリーンチップの硬度に関係していると考えられる。特許文献2には、積層体を構成するグリーンシートの硬度(弾性率)に関する記載がある。特許文献2においては、積層体の外層部を形成するグリーンシートの弾性率を、内層部を形成するグリーンシートの弾性率より低くする製造方法が示されている。しかしながら、特許文献2においては、積層体の内部電極形成部/非形成部間で、プレス時の加圧作用を平均化することのみを目的としている。よって、特許文献2では、グリーンシートの硬度と、グリーンチップのクラック、割れ、欠けとの関係については、何ら言及されていない。
特開2006−32404号公報 特開2003−203824号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、グリーンチップの面取りにおいてクラック、割れ、欠けの発生を防止することができ、その結果、焼結体の研磨処理においてクラック、割れ、欠けの発生を防止することができ、結果として得られる電子部品のショート不良率が低くすることができる積層型セラミック電子部品の製造方法を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、グリーンチップの面取りの際、グリーンチップにおけるクラック、割れ、欠けは、特にグリーンチップの外層側(積層方向の端面側)において発生し易いことを見出した。さらには、外層側(外層用グリーンシート)の硬度が高い程、グリーンチップにクラック、割れ、欠けが生じ易くなることを見出した。そこで、本発明者は、グリーンチップにおける外層側(外層用グリーンシート)の硬度に着眼して、以下のような、積層セラミック電子部品の製造方法を発明するに至った。
本発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法は、内層用グリーンシートを形成する工程と、
外層用グリーンシートを形成する工程と、
内部電極層を形成する工程と、
前記内層用グリーンシートおよび前記内部電極層を積層して、積層体を形成する工程と、
前記積層体における積層方向の両端面の少なくともいずれかに対して、前記外層用グリーンシートを積層する工程と、
前記外層用グリーンシートを積層した前記積層体を所定の寸法に切断して、グリーンチップを形成する工程と、
前記グリーンチップを焼成して、焼結体を形成する工程と、
前記焼結体の側面を研磨する工程と、
研磨した前記焼結体の前記側面に外部電極を形成する工程と、を有する積層型セラミック電子部品の製造方法であって、
前記グリーンチップを焼成する前に、前記グリーンチップに対して面取りを施す工程を有し、
前記内層用グリーンシートが内層用バインダ樹脂を含み、
前記外層用グリーンシートが外層用バインダ樹脂を含み、
前記外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutが、前記内層用バインダ樹脂の弾性率Einより小さいことを特徴とする。
外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutを、内層用バインダ樹脂の弾性率Einより小さくすることによって、グリーンチップにおける外層側(外層用グリーンシート)の硬度が、内層側(内層用グリーンシート)の硬度より低くなる。よって、面取りの際にグリーンチップにコーナーRが掛かりやすくなり、面取りの際にグリーンチップに働く力が小さくなる。その結果、焼成前のグリーンチップに対して、クラック、割れ、欠けを起こすことなく面取りを施すことができる。よって、焼結体の研磨処理においても、クラック、割れ、欠けの発生を防止することができる。その結果、コンデンサにおけるショート不良を防止することができる。
好ましくは、前記内層用バインダ樹脂の前記弾性率Einと、前記外層用バインダ樹脂の前記弾性率Eoutとの間において、
10%≦{(Eout/Ein)×100}≦15%の関係が成り立つ。
外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutと、内層用バインダ樹脂の弾性率Einとの間において、上記の関係を成り立たせることによって、グリーンチップにおける外層側(外層用グリーンシート)の硬度を、内層側(内層用グリーンシート)の硬度に対して、適度に低くすることができる。その結果、グリーンチップにコーナーRが掛かりやすくなり、面取りにおけるクラック、割れ、欠けの発生を防止できる。
好ましくは、前記内層用バインダ樹脂の前記弾性率Einが、30〜100MPaである。また、好ましくは、前記外層用バインダ樹脂の前記弾性率Eoutが、1〜10MPaである。
好ましくは、前記内層用バインダ樹脂がポリビニルブチラール樹脂であり、前記外層用バインダ樹脂がアクリル樹脂である。
内層用バインダ樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用い、外層用バインダ樹脂としてアクリル樹脂を用いることによって、グリーンチップにおける外層側(外層用グリーンシート)の硬度が、内層側(内層用グリーンシート)の硬度より低くなる。よって、グリーンチップにコーナーRが掛かりやすくなり、面取りにおけるクラック、割れ、欠けの発生を防止できる。
好ましくは、前記内層用グリーンシートが内層用可塑剤を含み、
前記外層用グリーンシートが外層用可塑剤を含み、
前記内層用グリーンシートにおける前記内層用可塑剤の含有量が、前記内層用バインダ樹脂100重量部に対してPin重量部であり、
前記外層用グリーンシートにおける前記外層用可塑剤の含有量が、前記外層用バインダ樹脂100重量部に対してPout重量部であるとき、
14%≦[{(Pin−Pout)/Pin}×100]≦30%である。
内層用可塑剤の含有量Pinと、外層用可塑剤の含有量Poutとの間に、上記の関係を成立させることによって、グリーンチップの外層側(外層用グリーンシート)に適度な硬度(コーナーRがかかり易い硬度)を持たせることができる。その結果、クラック、割れ、欠けを起こすことなく、グリーンチップに面取りを施すことができる。
好ましくは、前記グリーンチップを加熱した後に、前記グリーンチップに面取りを施す。
好ましくは、加熱後の前記グリーンチップに含まれる溶剤成分の含有率が、加熱後の前記グリーンチップ全体に対して、0.1〜0.5重量%である。
グリーンチップに面取りを施す前に、グリーンチップを加熱することによって、グリーンチップに含まれる溶剤成分の含有率を、加熱後のグリーンチップ全体に対して、0.1〜0.5重量%とすることができる。溶剤成分の含有率をこの範囲内に減小させることによって、グリーンチップの保形力が適切な範囲内に収まり、面取りしやすくなる。その結果、面取りの際に、グリーンチップのクラック、割れ、欠けを防止することできる。
好ましくは、120℃より高く200℃未満の雰囲気温度、より好ましくは、140〜180℃の雰囲気温度で、前記グリーンチップを加熱する。また、好ましくは、前記グリーンチップを2〜5時間加熱する。
上記の条件でグリーンチップの加熱を行うと、グリーンチップは、面取りに最適な硬度(コーナーRがかかり易い硬度)を持つようになる。また、グリーンチップの段階で、ある程度、脱バインダ処理を行うことが可能になり、後工程の焼成時において、炉への負荷が抑制出来る。ただし、グリーンチップの加熱によって、脱バインダを完全に行うことはない。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図、
図2A、図2B、図2C、図3A、図3B、図4は、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造方法の1製造過程を示す要部断面図、
図5は、本発明の一実施形態に係る、面取り前のグリーンチップの概略断面図、
図6は、本発明の一実施形態に係る、面取り後のグリーンチップの概略断面図である。
積層セラミックコンデンサの全体構成
まず、本発明に係る方法により製造される電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1外部電極6と第2外部電極8とを有する。コンデンサ素体4は、内層側誘電体層10と、内部電極層12とを有し、内層側誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。コンデンサ素体4は、その積層方向の両端面に、外層側誘電体層10bを有する。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第1端部の外側に形成してある第1外部電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第2端部の外側に形成してある第2外部電極8の内側に対して電気的に接続してある。
内層側誘電体層10および外層側誘電体層10bの材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。各内層側誘電体層10の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。特に本実施形態では、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下、特に好ましくは1μm以下に薄層化されている。また、各外層側誘電体層10bの厚みは、特に限定されないが、通常30〜100μm程度が一般的である。
外部電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、Ni,Pd,Ag,Au,Cu,Pt,Rh,Ru,Ir等の少なくとも1種、又はそれらの合金を用いることができる。通常は、Cu,Cu合金、Ni又はNi合金等や、Ag,Ag−Pd合金、In−Ga合金等が使用される。外部電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
積層セラミックコンデンサ2の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。積層セラミックコンデンサ2が直方体形状の場合は、通常、縦(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2mm)×横(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm)×厚み(0.1〜1.9mm、好ましくは0.3〜1.6mm)程度である。
積層セラミックコンデンサの製造
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
(剥離層の形成)
まず、図2Aに示すように、キャリアシート20を準備し、その上に、剥離層22を形成する。
キャリアシート20としては、たとえばPETフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、シリコンなどがコーティングしてあるものが好ましい。これらのキャリアシート20の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μmである。
剥離層22の塗布方法としては、特に限定されないが、きわめて薄く形成する必要があるために、たとえばワイヤーバーコーターまたはダイコーターを用いる塗布方法が好ましい。剥離層22は、塗布後に乾燥される。乾燥温度は、好ましくは、50〜100℃であり、乾燥時間は、好ましくは1〜10分である。
剥離層22の厚みは、内部電極層12aの厚み以下であることが好ましく、好ましくは、内部電極層12aの60%以下の厚み、さらに好ましくは30%以下の厚みに設定する。
剥離層22は、後述する内層用グリーンシート10a(図3A)を構成する誘電体と同じ誘電体粒子を含む。誘電体粒子の粒径は、内層用グリーンシート10aに含まれる誘電体粒子の粒径と同じでも良いが、より小さいことが好ましい。
剥離層22は、誘電体粒子以外に、バインダと、可塑剤と、離型剤とを含む。剥離層22に含有されるバインダ、可塑剤、離型剤としては、後述する内層用グリーンシート10a(図3A)に含まれるものと同種類のものを用いることが好ましい。
バインダは、剥離層22中に、誘電体粒子100質量部に対して、好ましくは2.5〜200質量部程度含まれる。
可塑剤は、剥離層22中に、バインダ100質量部に対して、好ましくは、0〜200質量部程度含まれる。
離型剤は、剥離層22中に、バインダ100質量部に対して、好ましくは、2〜50質量部程度含まれる。
(内部電極層の形成)
次に、図2Aに示すように、キャリアシート20上に形成した剥離層22の表面に、内部電極層12aを所定パターンで形成する。内部電極層12aは、図1に示す内部電極層12を構成することになる。
図2Aの内部電極層12aの厚さは、好ましくは、0.1〜1.5μm、より好ましくは、0.1〜1.0μm程度である。内部電極層12aは、単一の層で構成してあってもよく、あるいは2以上の組成の異なる複数の層で構成してあってもよい。
内部電極層12aの形成方法としては、スクリーン印刷法あるいはグラビア印刷法などの厚膜法、あるいは蒸着、スパッタリングなどの薄膜法などが挙げられる。
本実施形態では、印刷法により内部電極用ペーストを所定のパターン状に印刷することによって、内部電極層12aを形成する。
内部電極用ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、または焼成後に導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、若しくはレジネート等の電極材粉体と、有機ビヒクル、溶剤、分散剤、および可塑剤等とを混練して調製する。また、内部電極用ペーストには、後述するグリーンシート用ペーストに含まれるセラミック粉体と同じセラミック粉体(共材)が含まれていても良い。共材が含まれることによって、電極材粉体である金属の焼成過程における焼結を適度に抑制し、十分な有効面積を持った内部電極層12aを形成することができる。
内部電極用ペーストの製造に用いる導体材料(電極材粉体)としては、特に限定されないが、卑金属であるNiまたはNi合金等を用いる。Ni合金としては、Mn、Cr、Co、Al、Ru、Rh、Ta、Re、Os、Ir、Pt及びWなどから選ばれる1種以上とNiとの合金が例示される。これらの合金中のNi含有量は、通常、95重量%以上である。なお、NiまたはNi合金中には、P、C、Nb、Fe、Cl、B、Li、Na、K、F、S等の各種微量成分が0.1重量%以下程度含まれていてもよい。また、導電性粉末として、NiあるいはNi合金と、CuあるいはCu合金との混合物なども用いられる。導体材料は、球状、リン片状等の形状のものを用いるが、その形状に特に制限はない。また、これらの形状のものが混合したものであってもよい。導体材料の粒子径は、粒子形状が球状の場合、通常、平均粒子径が0.01〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μm程度である。
有機ビヒクルは、バインダ樹脂および溶剤を含有するものである。バインダ樹脂としては、特に限定されないが、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体などが例示される。
溶剤としては、特に限定されないが、ターピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン、アセトン、イソボニルアセテートなどが例示される。
分散剤としては、特に限定されないが、マレイン酸系分散剤、ポリエチレングリコール系分散剤、アリルエーテルコポリマー分散剤が例示される。
可塑剤としては、特に限定されないが、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。
バインダとしては、特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチルセルロース樹脂などが例示される。
(余白パターン層の形成)
図2Aに示すように、内部電極層12aを形成する前後に、剥離層22の表面において内部電極層12aのパターンが形成されない部分に、内部電極層12aと実質的に同じ厚みの余白パターン層24を形成する。
余白パターン層24は、後述する内層用誘電体ペーストを用いて形成される。また、余白パターン層24は、内部電極層12aあるいは内層用グリーンシート10a(図3A)と同様の方法によって形成することができる。
図2Aに示す、内部電極層12aおよび余白パターン層24は、形成後、必要に応じて乾燥させる。内部電極層12aおよび余白パターン層24の乾燥温度は、乾燥温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜120℃であり、乾燥時間は、好ましくは1〜10分である。
(接着層の形成)
次に、図2Aに示すように、キャリアシート26の表面に接着層28を形成する。キャリアシート26は、キャリアシート20と同様なシートで構成される。
接着層28は、バーコーター法、ダイコータ法、リバースコーター法、ディップコーター法、キスコーター法などの方法により形成される。
接着層28は、形成後、必要に応じて乾燥させる。乾燥温度は、特に限定されないが、好ましくは室温〜80℃であり、乾燥時間は、好ましくは1〜5分である。
接着層28は、バインダと、可塑剤とを含む。接着層28には、内層用グリーンシート10a(図3A)を構成する誘電体と同組成の誘電体粒子を含ませても良い。
可塑剤は、接着層28中に、バインダ100質量部に対して、好ましくは、20〜200質量部程度含まれる。
接着層28の厚みは、0.02〜0.3μm程度が好ましく、しかもグリーンシートに含まれる誘電体粒子の平均粒径よりも小さいことが好ましい。また、接着層28の厚みが、内層用グリーンシート10a(図3A)の厚みの1/10以下であることが好ましい。
次に、図2Bに示すように、内部電極層12aおよび余白パターン層24の表面に、接着層28を押し付け、加熱加圧する。その後、キャリアシート26を剥がすことにより、図2Cに示すように、接着層28が、内部電極層12aおよび余白パターン層24の表面に転写される。
転写時の加熱温度は、40〜100℃が好ましい。また、転写時の加圧力は、0.2〜15MPaが好ましい。加圧方法は、プレスによる加圧でも、カレンダロールによる加圧でも良い。
(内層用グリーンシートの形成)
次に、図3Aに示すように、キャリアシート30上に、内層用誘電体ペーストを塗布して、内層用グリーンシート10aを形成する。この内層用グリーンシート10aは、図1に示す内層側誘電体層10を構成することになる。
図3Aの内層用グリーンシート10aの形成法(塗布法)としては、ドクターブレード法あるいはダイコーター法などが挙げられる。好ましくは、0.5〜30μm、より好ましくは0.5〜10μm程度の厚みで内層用グリーンシート10aを形成する。
内層用グリーンシート10aは、キャリアシート30に形成された後に乾燥させる。内層用グリーンシート10aの乾燥温度は、好ましくは50〜100°Cであり、乾燥時間は、好ましくは1〜20分である。乾燥後の内層用グリーンシート10aの厚みは、乾燥前に比較して、5〜25%の厚みに収縮する。乾燥後のグリーンシート10aの厚みは、3μm以下が好ましい。
キャリアシート30は、前述したキャリアシート20と同様なものを用いれば良い。
内層用誘電体ペーストは、誘電体原料(セラミック粉体)、有機ビヒクル(内層用バインダ樹脂と溶剤の混合物)、分散剤、内層用可塑剤等を混練して得られる。
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、これらを混合して用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が0.4μm以下、好ましくは0.1〜0.3μm程度の粉体として用いられる。なお、きわめて薄いグリーンシートを形成するためには、グリーンシート厚みよりも細かい粉体を使用することが望ましい。
有機ビヒクルに用いられる内層用バインダ樹脂としては、一般的に、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等が用いられる。本実施形態においては、好ましくは、内層用バインダ樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用いる。内層用誘電体ペーストにおける内層用バインダ樹脂の含有量は、内層用誘電体ペーストに含まれるセラミック粉体100重量部に対して、好ましくは、3〜8重量部である。
有機ビヒクルに用いられる溶剤としては、特に限定されるものではなく、グリコール類、アルコール、ケトン類、エステル類、芳香族類などの有機溶剤が例示される。
分散剤としては、特に限定されないが、マレイン酸系分散剤、ポリエチレングリコール系分散剤、アリルエーテルコポリマー分散剤が例示される。
内層用可塑剤としては、特に限定されないが、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。内層用グリーンシート10aにおける内層用可塑剤の含有量Pinは、内層用バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、50〜114重量部(以下単位をPHRと記す)である。
なお、内層用誘電体ペースト中には、必要に応じて、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。内層用誘電体ペースト中に、これらの添加物を添加する場合には、総含有量を、約10質量%以下にすることが望ましい。
(積層体ユニットの形成、積層)
次に、図3Bに示すように、キャリアシート20上に形成された内部電極層12aおよび余白パターン層24を、接着層28を介して、内層用グリーンシート10aの表面に押し付け、加熱加圧する。その結果、積層体ユニットUが得られる。この積層体ユニットUを複数形成する。
加熱および加圧時の温度、圧力、および加圧方法は、内部電極層12aおよび余白パターン層24の表面に対する、接着層28の転写(図2B)の場合と同様である。
次に、一方の積層体ユニットUから、キャリアシート30を剥離する。また、他方の積層体ユニットUからキャリアシート20を剥離する。そして、1方の積層体ユニットUにおける内層用グリーンシート10aが、他方の積層体ユニットUにおける内部電極層12aおよび余白パターン層24の上面に接するような位置関係で、両積層体ユニットUを積層する。また、積層体ユニットUは、接着層を介して、積層してもよい。このような積層を複数回繰り返すことによって、図4の積層体40を形成する。積層体40の厚さt1は、特に限定されないが、好ましくは、0.7〜2.0mmである。
(外層用グリーンシートの形成)
次に、図4に示すように、積層体40の上面および/または下面(積層方向の端面)に、外層用グリーンシート10c(電極層が形成されていないグリーンシート)を積層する。外層用グリーンシート10cは、図1に示す外層側誘電体層10bを構成することになる。
図4に示す外層用グリーンシート10cの形成法としては、特に限定されないが、ドクターブレード法あるいはダイコーター法などが挙げられる。これらの形成法によって、まず、キャリアシート表面に外層用誘電体ペーストを塗布して、外層用グリーンシート10cを形成する。次に、この外層用グリーンシート10cを、接着層28を介して、積層体40の端面に転写する。あるいは、外層用誘電体ペーストを、積層体40における積層方向の端面に直接塗布して、外層用グリーンシート10cを形成してもよい。外層用グリーンシート10cは、形成後、必要に応じて、乾燥させる。
外層用グリーンシート10cの厚さt2は、特に限定されないが、好ましくは、10〜30μm程度である。外層用グリーンシート10cは、単一のシートで構成してあってもよく、あるいは複数の外層用グリーンシートで構成してあってもよい。
外層用誘電体ペーストは、誘電体原料(セラミック粉体)、有機ビヒクル(外層用バインダ樹脂と溶剤の混合物)、分散剤、外層用可塑剤を混練して得られる。また、外層用誘電体ペースト中には、必要に応じて、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。
有機ビヒクルに用いられる外層用バインダ樹脂としては、一般的に、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等が用いられる。本実施形態においては、好ましくは、外層用バインダ樹脂としてアクリル樹脂を用いる。外層用誘電体ペーストにおける外層用バインダ樹脂の含有量は、外層用誘電体ペーストに含まれるセラミック粉体100重量部に対して、好ましくは、6〜10重量部である。
外層用可塑剤としては、特に限定されないが、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。外層用グリーンシート10cにおける外層用可塑剤の含有量Poutは、外層用バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、35〜80重量部(PHR)である。
外層用誘電体ペーストに含まれる誘電体原料、溶剤、分散剤、および添加物の組成および含有量は、前述の内層用誘電体ペーストと同様であってよい。
(グリーンチップの形成)
次に、外層用グリーンシート10cを積層した積層体40に対して、加熱しながら最終加圧を行う。最終加圧時の圧力は、好ましくは10〜200MPaである。また、加熱温度は、40〜100℃が好ましい。その後に、積層体40を所定の寸法に切断し、図5に示すグリーンチップ50aを形成する。なお、図5は、グリーンチップ50aを積層方向に切断して得られる断面の概略図である。また、図5においては、簡略化のため、内層用グリーンシート10a、外層用グリーンシート10c、および内部電極層12a(すなわち内部電極層12b、12c)のみを示す。
グリーンチップ50aの寸法は、特に限定されないが、通常、縦(0.6〜5.6mm)×横(0.3〜5.0mm)×厚み(0.1〜1.9mm)程度である。
(グリーンチップの加熱)
次に、グリーンチップ50aを加熱する。好ましくは、120℃より高く200℃未満の雰囲気温度、より好ましくは、140〜180℃の雰囲気温度で、グリーンチップ50aを加熱する。また、好ましくは、グリーンチップ50aを2〜5時間加熱する。
加熱後のグリーンチップ50aに含まれる溶剤成分の含有率は、加熱後のグリーンチップ50a全体に対して、好ましくは、0.1〜0.5重量%である。
(グリーンチップの面取り)
次に、グリーンチップ50aに対して、面取りを施す。面取りによって、グリーンチップ50aの側面全域を所定の深さまで削り取り、グリーンチップ50aの角(コーナー)に丸み(コーナーR)をつける。
面取りの方法は、特に限定されないが、ボールミル、あるいはシェイカーミキサーによる遠心分離法などが例示される。
ボールミルによって、グリーンチップ50aに対して面取りを施す場合、グリーンチップ50aおよびメディア(窒化珪素等、粒径は2mm以下)を、水中で混合、回転させる。
シェイカーミキサーによる遠心分離法によって、グリーンチップ50aに対して面取りを施す場合、グリーンチップ50a、メディア(窒化珪素等)、および水の混合物を、三次元揺動させる。
なお、図5のグリーンチップ50aにおいて、側面52に露出する内部電極層12a(以下、第1内部電極層12bと呼ぶ)は、後工程において、側面52に形成される第1外部電極6(図1)と電気的に接続する。また、側面54(図5)に露出する内部電極層12a(以下、第2内部電極層12cと呼ぶ)は、後工程において、側面54に形成される第2外部電極8(図1)と電気的に接続する。
図5のグリーンチップ50aにおいて、側面52から第2内部電極層12cまでの深さd1(側面54から第1内部電極層12bまでの深さd2)は、通常、40〜130μm程度である。本実施形態では、面取り、および後工程の研磨によって除去する側面52の深さ(厚さ)は、深さd1未満であることが好ましい。その結果、本来接続してはならない第2内部電極層12cと、第1外部電極6(図1)とが、接続することを防止することができる。よって、コンデンサにおけるショート不良を防止することができる。図5の側面54に対する面取り、研磨についても、側面52の場合と同様のことが言える。
面取り後のグリーンチップ50bにおいては、図6に示すように、その角(コーナー)において、丸み(コーナーR60)が形成される。
(グリーンチップの脱バインダ、焼成、熱処理)
次に、面取り後のグリーンチップ50bに対して、脱バインダ処理、焼成処理、および誘電体層を再酸化するための熱処理を行う。
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、内部電極層の導電体材料にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜50℃/時間、
保持温度:200〜800℃、特に350〜600℃、
保持時間:0.5〜20時間、特に1〜10時間、
雰囲気 :加湿したNとHとの混合ガス。
焼成条件は、下記の条件が好ましい。
昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
保持温度:1100〜1300℃、特に1150〜1250℃、
保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したNとHとの混合ガス等。
ただし、焼成時の空気雰囲気中の酸素分圧は、10−2Pa以下、特に10−2〜10−8 Paにて行うことが好ましい。前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にあり、また、酸素分圧があまり低すぎると、内部電極層の電極材料が異常焼結を起こし、途切れてしまう傾向にある。
このような焼成を行った後の熱処理は、保持温度または最高温度を、好ましくは1000℃以上、さらに好ましくは1000〜1100℃として行うことが好ましい。熱処理時の保持温度または最高温度が、前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために絶縁抵抗寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。熱処理の際の酸素分圧は、焼成時の還元雰囲気よりも高い酸素分圧であり、好ましくは10−3Pa〜1Pa、より好ましくは10−2Pa〜1Paである。前記範囲未満では、誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲をこえると内部電極層が酸化する傾向にある。そして、そのほかの熱処理条件は下記の条件が好ましい。
保持時間:0〜6時間、特に2〜5時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300℃/時間、
雰囲気用ガス:加湿したNガス等。
なお、Nガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は0〜75℃程度が好ましい。また脱バインダ処理、焼成および熱処理は、それぞれを連続して行っても、独立に行ってもよい。これらを連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行ない、次いで冷却し、熱処理の保持温度に達したときに雰囲気を変更して熱処理を行なうことが好ましい。一方、これらを独立して行なう場合、焼成に際しては、脱バインダ処理時の保持温度までNガスあるいは加湿したNガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、熱処理時の保持温度まで冷却した後は、再びNガスあるいは加湿したNガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。また、熱処理に際しては、Nガス雰囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、熱処理の全過程を加湿したNガス雰囲気としてもよい。
(焼結体の研磨)
得られた焼結体(図1のコンデンサ素体4)の側面52、54(内部電極層12が露出した側面)に対して、例えばバレル研磨、サンドプラスト等にて研磨を施す。この研磨によって、焼成処理、あるいは熱処理において酸化した内部電極層12の端部を除去し、酸化していない内部電極層12を焼結体の側面に露出させる。その結果、内部電極層12と、後工程で形成される各外部電極6、8との間に、導通不良が発生することを防止できる。
(外部電極の形成)
次に、バレル処理後の焼結体の側面に、外部電極用ペーストを焼きつけて、図1の外部電極6、8を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極6、8上にめっき等を行うことによりパッド層を形成する。なお、外部電極用ペーストは、上記した内部電極用ペーストと同様にして調製すればよい。
このようにして製造された積層セラミックコンデンサ2は、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
本実施形態においては、図5のグリーンチップ50aにおける内層用グリーンシート10aが、内層用バインダ樹脂を含み、外層用グリーンシート10cが外層用バインダ樹脂を含む。そして、好ましくは、外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutを、前記内層用バインダ樹脂の弾性率Einより小さくする。
外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutを、内層用バインダ樹脂の弾性率Einより小さくすることによって、グリーンチップ50aにおける外層用グリーンシート10cの硬度が、内層用グリーンシート10aの硬度より低くなる。よって、面取りの際にグリーンチップ50aにコーナーR60(図6)が掛かりやすくなり、面取りの際にグリーンチップ50aに加える力を小さくすることができる。その結果、焼成前のグリーンチップ50a(図5)に対して、クラック、割れ、欠けを起こすことなく面取りを施すことができる。よって、焼結体の研磨処理においても、クラック、割れ、欠けの発生を防止することができる。その結果、図1の積層セラミックコンデンサ2におけるショート不良を防止することができる。
好ましくは、内層用バインダ樹脂の弾性率Einと、外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutとの間において、10%≦{(Eout/Ein)×100}≦15%の関係を成り立たせる。すなわち、外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutを、内層用バインダ樹脂の弾性率Einの10〜15%とする。その結果、図5のグリーンチップ50aにおける外層用グリーンシート10cの硬度を、内層用グリーンシート10aの硬度より低くすることができる。よって、面取り工程において、グリーンチップ50aにコーナーR60(図6)が掛かりやすくなり、面取りにおけるクラック、割れ、欠けの発生を防止することができる。
好ましくは、内層用バインダ樹脂の弾性率Einが、30〜100MPaである。また、好ましくは、外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutが、1〜10MPaである。
好ましくは、内層用バインダ樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂を用い、外層用バインダ樹脂として、アクリル樹脂を用いる。その結果、内層用バインダ樹脂の弾性率Einと、外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutとの間において、10%≦{(Eout/Ein)×100}≦15%の関係が成り立たせることができる。
好ましくは、図5のグリーンチップ50aにおける内層用グリーンシート10aにおける内層用可塑剤の含有量Pinと、外層用グリーンシート10cにおける外層用可塑剤の含有量Poutとの間に、14%≦[{(Pin−Pout)/Pin}×100]≦30%となる関係を成り立たせる。その結果、グリーンチップ50aにコーナーR60(図6)が掛かりやすくなり、面取りにおけるクラック、割れ、欠けの発生を防止できる。
本実施形態では、図5のグリーンチップ50aを加熱した後に、グリーンチップ50aに面取りを施す。また、好ましくは、加熱後のグリーンチップ50aに含まれる溶剤成分の含有率が、加熱後のグリーンチップ50a全体に対して、0.1〜0.5重量%となるように、グリーンチップ50aを加熱する。加熱により溶剤成分の含有率をこの範囲内に減小させることによって、グリーンチップの保形力50aが適切な範囲内に収まり、面取りしやすくなる。その結果、面取りにおけるクラック、割れ、欠けを防止することできる。加熱後のグリーンチップ50aに含まれる溶剤成分の含有率が少な過ぎる状態(乾燥した状態)で面取りを行うと、摩擦熱が出過ぎて、グリーンチップ50aが破損する恐れがあるが、加熱後の溶剤成分の含有率を、上記の範囲内とすることによって、これを防止できる。
好ましくは、120℃より高く200℃未満の雰囲気温度で、より好ましくは、140〜180℃の雰囲気温度で、グリーンチップ50aを加熱する。また、好ましくは、グリーンチップ50aを2〜5時間加熱する。
上記の条件でグリーンチップ50aの加熱を行うと、グリーンチップ50aは、面取りに最適な硬度を有することができる。また、グリーンチップ50aの段階で、ある程度、脱バインダ処理を行うことが可能になり、焼成時において、炉への負荷が抑制出来る。ただし、グリーンチップの加熱50aによって、脱バインダを完全に行うことはない。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
例えば、上述した実施形態では、図3A、3Bに示すように、接着層28を介して、内部電極層12aを内層用グリーンシート10aに転写したが、内層用グリーンシート10aの表面に、内部電極層12aを直接印刷してもよい。つまり、転写法の代わりに、印刷法を用いて、内部電極層12aを内層用グリーンシート10aの表面に形成しても良い。この場合においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図5のグリーンチップ50aにおいて、外層用グリーンシート10cの硬度を、外層側へ向かって、段階的あるいは連続的に低くしてもよい。例えば、図4に示す積層体40の両端面に、外層用グリーンシート10cを形成する際、まず、複数のグリーンシートを準備する。これら複数のグリーンシートには、それぞれ弾性率の異なる外層用バインダ樹脂を含有させる。次に、外層側へ向かうほど、弾性率の低いバインダ樹脂を含有するグリーンシートが位置するように、複数のグリーンシートを積層体40の両端面に対して順々に積層する。このようにして得られる積層体を所定の寸法に切断して、図5のグリーンチップ50aを形成する。このグリーンチップ50aにおいては、外層用グリーンシート10cが複数のグリーンシートから構成されている。そして、外層側へ向かうほど、グリーンシートの硬度が段階的に低くなる。よって、面取りの際に、コーナーRがかかりやすくなる。
本発明の方法は、積層セラミックコンデンサの製造方法に限らず、インダクタ、バリスタなどにも適用することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
(試料1)
積層体ユニットの形成
まず、以下の成分を所定の比率で混合して、誘電体原料を得た。BaTiO(平均粒径0.2μm/堺化学工業社製BT02粉):100mol%、Y:2.0mol%、MgO:2.0mol%、MnO:0.4mol%、V:0.1mol%、(Ba0.6Ca0.4)SiO:3.0mol%。
次に、誘電体原料100重量部と、分散剤(高分子系分散剤/サンノプコ社SN5468)1.0重量部と、エタノール100重量部とを、ジルコニアボール(2mmφ)とともにポリエチレン容器に投入し、16時間混合して誘電体混合溶液を得た。次に、誘電体混合溶液を、乾燥温度120℃で12時間乾燥し、誘電体粉末を得た。
次に、誘電体粉末100重量部と、溶剤のメチルエチルケトン(MEK)50重量部およびトルエン20重量部と、ブロック型分散剤1.0重量部(ユニケマ(株)社製JP4)とを、ボールミルで4時間混合して、各成分を一次分散させた。
次に、一次分散後の分散物に、内層用バインダ樹脂であるポリビニルブチラール樹脂を含む有機ビヒクル(積水化学工業(株)社製 BH6/アルコール混合15%溶剤)と、内層用可塑剤であるフタル酸ジオクチル(DOP)とを添加した。これらをボールミルで16時間混合し、各成分を二次分散させて、内層用誘電体ペーストを得た。
なお、ポリビニルブチラール樹脂の弾性率Einは、60MPaであった。また、内層用誘電体ペーストにおけるポリビニルブチラール樹脂の含有量は、内層用誘電体ペーストに含まれるセラミック粉体100重量部に対して、6重量部とした。
また、内層用誘電体ペースト(すなわち内層用グリーンシート)における内層用可塑剤(DOP)の含有量Pinは、内層用バインダ樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)100重量部に対して、50重量部(50PHR)とした。
次に、ダイコート塗布により、PETフィルム上に、内層用誘電体ペーストを0.5μmの厚さに塗布し、内層用グリーンシートを形成した。次に、PETフィルム上に形成された内層用グリーンシートを、乾燥炉内に連続的に送り込み、内層用グリーンシートに含まれる溶剤を乾燥させた。乾燥時の温度は75℃で、乾燥時間は2分間であった。
次に、PETフィルム上に形成された内層用グリーンシートの表面に、内部電極用ペースト(内層用誘電体ペーストに対して、非相溶な溶剤種等から構成されたNiペースト)をスクリーン印刷法により塗布し、内部電極層を形成した。次に、内層用グリーンシート上に形成された内部電極層を、乾燥炉内に連続的に送り込み、90℃で、10分間乾燥させた。
次に、内層用グリーンシートの表面において、内部電極層が形成されていない余白部分に、内層用誘電体ペーストをスクリーン印刷法により塗布し、余白パターン層を形成した。次に、内層用グリーンシート上に形成された余白パターン層を、乾燥炉内に連続的に送り込み、90℃で、10分間乾燥させた。乾燥後に、積層体ユニットを得た。この積層体ユニットを複数作製した。
次に、各積層体ユニットから、キャリアシートを剥離した後、一方の積層体ユニットにおける内層用グリーンシートが、それと隣接する他方の積層体ユニットにおける内部電極層および余白パターン層と接する位置関係で、積層体ユニット同士を次々と積層、熱圧着し、積層体を得た。
外層用グリーンシートの形成
次に、誘電体粉末100重量部と、溶剤のメチルエチルケトン(MEK)50重量部およびトルエン20重量部と、石油系スピリット6重量部と、ブロック型分散剤1重量部(ユニケマ(株)社製JP4)とを、ボールミルで4時間混合して、各成分を一次分散させた。
次に、一次分散後の分散物に、外層用バインダ樹脂であるアクリル樹脂を含む有機ビヒクルと、外層用可塑剤であるフタル酸ジオクチル(DOP)とを添加した。これらをボールミルで16時間混合し、各成分を二次分散させて、外層用誘電体ペーストを得た。
なお、アクリル樹脂の弾性率Eoutは、6MPaであった。また、外層用誘電体ペーストにおけるアクリル樹脂の含有量は、外層用誘電体ペーストに含まれるセラミック粉体100重量部に対して、6重量部とした。
また、外層用誘電体ペースト(すなわち外層用グリーンシート)における外層用可塑剤(DOP)の含有量Poutは、外層用バインダ樹脂(アクリル樹脂)100重量部に対して、40重量部(40PHR)とした。
次に、積層体における積層方向の両端面に、外層用誘電体ペーストから成る外層用グリーンシートを積層した。外層用グリーンシートの厚みは、10μmであった。
次に、この積層体を所定の寸法に切断して、グリーンチップを得た。グリーンチップの寸法は、縦2mm×横1mm×厚み1mmであった。
なお、内層用バインダ樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)の弾性率Einと、外層用バインダ樹脂(アクリル樹脂)の弾性率Eoutとの間において、{(Eout/Ein)×100}=10%の関係を成り立たせた。
また、内層用可塑剤の含有量Pin重量部(PHR)と、外層用可塑剤の含有量Pout重量部(PHR)との間に、[{(Pin−Pout)/Pin}×100]=20%の関係を成り立たせた。
グリーンチップの加熱
次に、グリーンチップを、160℃の雰囲気温度(加熱温度)で、4時間加熱した。加熱後のグリーンチップに含まれる溶剤成分の含有率(残留溶剤量)は、加熱後のグリーンチップ全体に対して、0.4重量%であった。
グリーンチップの面取り
次に、グリーンチップを、微小サイズメディアと、水と混合し、遠心分離手法によってグリーンチップの面取りを行った。
次に、グリーンチップを加熱して、脱バインダ処理した。次に、グリーンチップを、1000℃〜1400℃で焼成して、焼結体を得た。次に、焼結体における誘電体層を再酸化するために、焼結体を加熱処理した。
次に、焼成体の両側面に対して、バレル研磨を行い、酸化してしない内部電極層を両側面に露出させた。バレル研磨後の焼結体の両側面に対して、外部電極を形成し、試料1の積層セラミックコンデンサを得た。
積層セラミックコンデンサ大きさは、L寸法で1.6mm、W寸法で0.8mmであった。積層数(電極パターン層の数)は100層であった。
(評価)
面取り量の測定
面取り後のグリーンチップのサンプルに対して、面取りによって除去されたグリーンチップ側面の深さ(厚さ)(面取り量:μm)を測定し、全サンプルの平均値を求めた。
面取り後クラック率の測定
面取り後のグリーンチップのサンプルに対して、クラックの有無を調べた。全サンプル数に対する、クラックを起こしたサンプル数の割合(面取り後クラック率:ppm)を求めた。
バレル研磨後クラック率の測定
バレル研磨後の焼結体のサンプルに対して、クラックの有無を調べた。全サンプル数に対する、クラックを起こしたサンプル数の割合(バレル研磨後クラック率:ppm)を求めた。
ショート不良率の測定
積層セラミックコンデンサのサンプル100個に対して、ショート不良率を測定した。測定では、絶縁抵抗計(HEWLETT PACKARD社製E2377Aマルチメーター)を使用した。測定においては、各サンプルの抵抗値を測定し、抵抗値が100kΩ以下となったサンプルを、ショート不良を起こしたサンプルとした。全測定サンプルに対する、ショート不良を起こしたサンプルの比率を、ショート不良率(%)とした。
(試料2)
試料2においては、内層用バインダ樹脂として、樹脂弾性率Einが40MPaであるポリビニルブチラール樹脂を用いた。よって、{(Eout/Ein)×100}=15%であった。それ以外は試料1と同様の条件で、試料2の積層セラミックコンデンサを作製した。また、試料2のグリーンチップ、焼結体、積層セラミックコンデンサに対して、試料1の場合と同様の評価を行った。
(試料3、4)
試料3、4では、面取り前のグリーンチップに対する加熱を、表1に示す雰囲気温度で行った。それ以外は試料1と同様の条件で、試料3、4の積層セラミックコンデンサを作製した。また、試料3、4のグリーンチップ、焼結体、積層セラミックコンデンサに対して、試料1の場合と同様の評価を行った。
(試料5、6)
試料5、6では、外層用可塑剤の含有量Pout、および[{(Pin−Pout)/Pin}×100]を、表1に示す値とした。それ以外は試料1と同様の条件で、試料5、6の積層セラミックコンデンサを作製した。また、試料5、6のグリーンチップ、焼結体、積層セラミックコンデンサに対して、試料2の場合と同様の評価を行った。
(試料7)
試料7では、外層用バインダ樹脂として、樹脂弾性率Eoutが60MPaであるポリビニルブチラール樹脂を用いた。つまり、内層用バインダ樹脂の樹脂弾性率Einと、外層用バインダ樹脂の樹脂弾性率Eoutとを等しくした。よって、{(Eout/Ein)×100}=100%であった。それ以外は試料1と同様の条件で、試料7の積層セラミックコンデンサを作製した。また、試料7のグリーンチップ、焼結体、積層セラミックコンデンサに対して、試料1の場合と同様の評価を行った。
試料1〜7の作成条件を表1に示す。また、試料1〜7に対する各評価結果を、表2に示す。
Figure 0004788434
Figure 0004788434
外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutが、内層用バインダ樹脂の弾性率Einより小さい試料1〜6においては、試料7に比べて、面取り量が大きく、面取り後クラック率、バレル処理後クラック率、およびショート不良率が低いことが確認された。
一方、外層用バインダ樹脂の樹脂弾性率Eoutと、内層用バインダ樹脂の樹脂弾性率Einとが等しい試料7においては、試料1〜6に比べて、グリーンチップが硬く、コーナーRを充分につけることができなかった。(面取り量が小さかった)。その結果、試料7においては、試料1〜6に比べて、面取り後クラック率、バレル処理後クラック率、およびショート不良率が高かった。
試料1〜6に示すように、10%≦ {(Eout/Ein)×100}≦15%の範囲において、面取り量が大きく、面取り後クラック率、バレル研磨後クラック率、およびショート不良率が低くなることが確認された。
試料1〜6に示すように、14%≦[{(Pin−Pout)/Pin}×100]≦30%の範囲において、面取り量が大きく、面取り後クラック率、バレル研磨後クラック率、およびショート不良率が低くなることが確認された。
(試料8〜10)
試料8〜10では、外層用可塑剤の含有量Pout、および[{(Pin−Pout)/Pin}×100]を、表3に示す値とした。それ以外は試料1と同様の条件で、試料8〜10の積層セラミックコンデンサを作製した。た、試料8〜10のグリーンチップ、焼結体、積層セラミックコンデンサに対して、試料1の場合と同様の評価を行った。
(試料11、12)
試料11、12では、面取り前のグリーンチップに対する加熱を、表1に示す雰囲気温度で行った。それ以外は試料1と同様の条件で、試料11、12の積層セラミックコンデンサを作製した。た、試料11、12のグリーンチップ、焼結体、積層セラミックコンデンサに対して、試料1の場合と同様の評価を行った。
試料8〜12の作成条件を表3に示す。また、試料8〜12に対する各評価結果を、表4に示す。
Figure 0004788434
Figure 0004788434
試料8では、外層用可塑剤の含有量Poutが、内層用可塑剤の含有量Pinより多く、[{(Pin−Pout)/Pin}×100]は、負の値であった。その結果、試料8では、ゴム状にしなるグリーンチップが得られた。よって、面取り時にグリーンチップにクラックが生じることはなかった。しかし、試料8では、面取り時にグリーンチップがゴム状にしなるため、グリーンチップに対してコーナーRがかかり難かった(面取り量が小さかった)。その結果、バレル処理において、クラックを生じる焼結体の数が多かった。よって、試料8においては、試料1に比べて、ショート不良率が高かった。
試料9では、試料1と比べて、外層用可塑剤の含有量Poutが少なく、[{(Pin−Pout)/Pin}×100]=60であった。よって、試料9では、試料1に比べて、グリーンチップが硬く、コーナーRを充分につけることができなかった。その結果、試料9では、試料1に比べて、面取り量が小さく、面取り後クラック率が高かった。よって、バレル研磨後クラック率、およびショート不良率も高かった。
試料10では、内層用可塑剤の含有量Pinと、外層用可塑剤の含有量Poutとが等しく、[{(Pin−Pout)/Pin}×100]=0であった。その結果、試料10では、試料1に比べて、面取り量が小さく、面取り後クラック率、バレル研磨後クラック率、およびショート不良率が高かった。
試料11では、試料1に比べて、グリーンチップ加熱時の雰囲気温度が低かった。よって、残留溶剤量が多くなり、グリーンチップが、面取りに必要な保形力を持たなかった。その結果、試料11では、試料1に比べて、面取り量が小さく、面取り後クラック率、バレル研磨後クラック率、およびショート不良率が高かった。
試料12では、試料1に比べて、グリーンチップ加熱時の雰囲気温度が高かった。よって、残留溶媒量が少なくなり、グリーンチップが過剰に面取りされてしまった(面取り量が多かった)。その結果、グリーンチップの側面に、本来露出してはならない内部電極層(本来は、対極側に露出すべき内部電極層)が露出してしまった。よって、試料12のコンデンサでは、ショート不良が多発した。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図である。 図2A、図2B、図2Cは、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造方法の1製造過程を示す要部断面図である。 図3A、図3Bは、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造方法の1製造過程を示す要部断面図である。 図4は、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造方法の1製造過程を示す要部断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る、面取り前のグリーンチップの概略断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る、面取り後のグリーンチップの概略断面図である。
符号の説明
2… 積層セラミックコンデンサ
4… コンデンサ素体
6… 第1外部電極
8… 第2外部電極
10… 内層側誘電体層
10a… 内層用グリーンシート
10b… 外層側誘電体層
10c… 外層用グリーンシート
12、12a… 内部電極層
12b… 第1内部電極層
12c… 第2内部電極層
U… 積層体ユニット
40… 積層体
50a… 面取り前のグリーンチップ
50b… 面取り後のグリーンチップ
60… コーナーR

Claims (7)

  1. 内層用グリーンシートを形成する工程と、
    外層用グリーンシートを形成する工程と、
    内部電極層を形成する工程と、
    前記内層用グリーンシートおよび前記内部電極層を積層して、積層体を形成する工程と、
    前記積層体における積層方向の両端面の少なくともいずれかに対して、前記外層用グリーンシートを積層する工程と、
    前記外層用グリーンシートを積層した前記積層体を所定の寸法に切断して、グリーンチップを形成する工程と、
    前記グリーンチップを焼成して、焼結体を形成する工程と、
    前記焼結体の側面を研磨する工程と、
    研磨した前記焼結体の前記側面に外部電極を形成する工程と、を有する積層型セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記グリーンチップを焼成する前に、前記グリーンチップに対して面取りを施す工程を有し、
    前記内層用グリーンシートが内層用バインダ樹脂および内層用可塑剤を含み、
    前記外層用グリーンシートが外層用バインダ樹脂および外層用可塑剤を含み、
    前記外層用バインダ樹脂の弾性率Eoutが、前記内層用バインダ樹脂の弾性率Einより小さく、
    前記内層用バインダ樹脂の前記弾性率Einと、前記外層用バインダ樹脂の前記弾性率Eoutとの間において、
    10%≦{(Eout/Ein)×100}≦15%の関係が成り立ち、
    前記内層用グリーンシートにおける前記内層用可塑剤の含有量が、前記内層用バインダ樹脂100重量部に対してPin重量部であり、
    前記外層用グリーンシートにおける前記外層用可塑剤の含有量が、前記外層用バインダ樹脂100重量部に対してPout重量部であるとき、
    14%≦[{(Pin−Pout)/Pin}×100]≦30%であり、
    140〜180℃の雰囲気温度で前記グリーンチップを加熱した後に、前記グリーンチップに面取りを施すことを特徴とする積層型セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記内層用バインダ樹脂の前記弾性率Einが、30〜100MPaであることを特徴とする請求項1に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記外層用バインダ樹脂の前記弾性率Eoutが、1〜10MPaであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記内層用バインダ樹脂がポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記外層用バインダ樹脂がアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記グリーンチップを2〜5時間加熱することを特徴とする請求項のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
  7. 加熱後の前記グリーンチップに含まれる溶剤成分の含有率が、加熱後の前記グリーンチップ全体に対して、0.1〜0.5重量%であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
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