JP4163637B2 - 電子部品、積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
電子部品、積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 Download PDFInfo
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内部電極層と誘電体層とを有する電子部品であって、
前記内部電極層が、
ニッケルを主成分とする主導電層と、
前記主導電層と前記誘電体層との間に形成してある副導電層とを有し、
前記副導電層が、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)およびオスミウム(Os)から選ばれる少なくとも1種の元素を有する金属層または合金層であることを特徴とする。
内部電極層と誘電体層とが交互に積層してある素子本体を有する積層セラミックコンデンサであって、
前記内部電極層が、
ニッケルを主成分とする主導電層と、
前記主導電層と前記誘電体層との間に形成してある副導電層とを有し、
前記副導電層が、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)およびオスミウム(Os)から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として有する金属層または合金層であることを特徴とする。
内部電極層と誘電体層とを有する電子部品を製造する方法であって、
ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)およびオスミウム(Os)から選ばれる少なくとも1種の元素を有する金属層または合金層で構成される副導電層を形成する工程と、
前記副導電層に積層させて、ニッケルを主成分とする主導電層を形成する工程と、
前記副導電層および主導電層を有する内部電極層を、焼成後に誘電体層となるグリーンシートと積層させる工程と、
前記グリーンシートと前記内部電極層との積層体を焼成する工程とを有する。
内部電極層と誘電体層とが交互に積層してある素子本体を有する積層セラミックコンデンサを製造する方法であって、
ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)およびオスミウム(Os)から選ばれる少なくとも1種の元素を有する金属層または合金層で構成される副導電層を形成する工程と、
前記副導電層に積層させて、ニッケルを主成分とする主導電層を形成する工程と、
前記副導電層および主導電層を有する内部電極層を、焼成後に誘電体層となるグリーンシートと交互に積層させる工程と、
前記グリーンシートと前記内部電極層との積層体を焼成する工程とを有する。
まず、本発明に係る電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1端子電極6と、第2端子電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、内部電極層12とを有し、誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第1端部4aの外側に形成してある第1端子電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第2端部4bの外側に形成してある第2端子電極8の内側に対して電気的に接続してある。
誘電体ペーストは、通常、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペースト、または水系ペーストで構成される。
まず、薄膜法により内部電極層用膜12aを形成する場合を説明する。
次に、印刷法により内部電極層用膜12aを形成する場合を説明する。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
各ペーストの作製
まず、BaTiO3 粉末(BT−005/堺化学工業(株))と、MgCO3 、MnCO3 、Li2 SiO3 、SrO−B2 O3−SiO2−ZnO−Al2 O3 および希土類(Gd2 O3 、Tb4 O7 、Dy2 O3 、Ho2 O3 、Er2 O3 、Tm2 O3 、Yb2 O3 、Lu2 O3 、Y2 O3 )から選択された粉末とを、ボールミルにより16時間、湿式混合し、乾燥させることにより誘電体材料とした。これら原料粉末の平均粒径は0.1〜1μmであった。SrO−B2 O3−SiO2−ZnO−Al2 O3は、SrO、B2 O3 、SiO2 、ZnOおよびAl2 O3 をボールミルにより湿式混合し、乾燥後に空気中で焼成したものを、ボールミルにより湿式粉砕して作製した。
まず、上記の誘電体グリーンシート用ペーストを用いて、PETフィルム(第2支持シート)上に、ワイヤーバーコーターを用いて、厚み1.0μmのグリーンシートを形成した。
上記の剥離層用ペーストを、別のPETフィルム(第1支持シート)上に、ワイヤーバーコーターにより塗布乾燥させて、厚み0.3μmの剥離層を形成した。
上記の接着層用ペーストを、別の、表面にシリコーン系樹脂による剥離処理を施したPETフィルム(第3支持シート)の上に、ワイヤーバーコーターにより塗布乾燥させて、厚み0.2μmの接着層28を形成した。
まず、内部電極層用膜12aの表面に、図3に示す方法で接着層28を転写した。転写時には、一対のロールを用い、その加圧力は0.1MPa、温度は80℃とした。
次いで、最終積層体を所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニール(熱処理)を行って、チップ形状の焼結体を作製した。
昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜50℃/時間、
保持温度:200〜400℃、特に250〜350℃、
保持時間:0.5〜20時間、特に1〜10時間、
雰囲気ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス、
で行った。
昇温速度:5〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
保持温度:950℃、
保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス、
酸素分圧:10−11Pa、
で行った。
昇温速度:200〜300℃/時間、
保持温度:850℃、
保持時間:2時間、
冷却速度:300℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したN2 ガス、
酸素分圧:10−2Pa、
で行った。なお、雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用い、水温0〜75℃にて行った。
図3に示す膜42aを形成することなく、ニッケル膜で構成された膜40aを0.4μmで形成し、0.4μmのニッケル膜の単独層で構成される主導電層40のみを誘電体層10の間に形成した以外は、実施例1と同様にしてコンデンササンプルを作製し、実施例1と同様な測定を行った。結果を表1に示す。
副導電層42を構成することになる一対の膜42aを、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)およびオスミウム(Os)のそれぞれの金属膜(純度約100%)で構成した以外は、実施例1と同様にしてコンデンササンプルを作製し、実施例1と同様な測定を行った。結果を表1に示す。
副導電層42を、主導電層40の片側のみに形成した以外は、実施例1と同様にしてコンデンササンプルを作製し、実施例1と同様な測定を行った。結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の有効性が確認された。
4… コンデンサ素体
6,8… 端子電極
10… 誘電体層
10a… グリーンシート
12… 内部電極層
12a… 内部電極層用膜(合金膜または導電性ペースト膜)
20… キャリアシート(第1支持シート)
22… 剥離層
26… キャリアシート(第3支持シート)
28… 接着層
30… キャリアシート(第2支持シート)
40… 主導電層
42… 副導電層
Claims (15)
- 内部電極層と誘電体層とを有する電子部品であって、
前記内部電極層が、
ニッケルを主成分とする主導電層と、
前記主導電層と前記誘電体層との間に形成してある副導電層とを有し、
前記副導電層が、レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を有する金属層または合金層であることを特徴とする電子部品。 - 前記主導電層は、一対の前記副導電層の間に挟まれており、前記内部電極層が三層以上の積層構造である請求項1に記載の電子部品。
- 前記主導電層と前記副導電層との間には、前記主導電層を構成する主成分金属と前記副導電層を構成する主成分金属との合金層が形成されている請求項1または2に記載の電子部品。
- 前記誘電体層が、還元雰囲気焼成が可能な誘電体材料で構成してある請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品。
- 前記副導電層の厚みが、0μmより大きく、0.1μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品。
- 前記主導電層の厚みが、0.1〜1.0μmである請求項5に記載の電子部品。
- 内部電極層と誘電体層とが交互に積層してある素子本体を有する積層セラミックコンデンサであって、
前記内部電極層が、
ニッケルを主成分とする主導電層と、
前記主導電層と前記誘電体層との間に形成してある副導電層とを有し、
前記副導電層が、レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を有する金属層または合金層であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 内部電極層と誘電体層とを有する電子部品を製造する方法であって、
レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を有する金属層または合金層で構成される副導電層を形成する工程と、
前記副導電層に積層させて、ニッケルを主成分とする主導電層を形成する工程と、
前記副導電層および主導電層を有する内部電極層を、焼成後に誘電体層となるグリーンシートと積層させる工程と、
前記グリーンシートと前記内部電極層との積層体を焼成する工程とを有する
電子部品の製造方法。 - 前記内部電極層における前記主導電層と前記グリーンシートとの間に前記副導電層が位置するように、前記内部電極層を前記グリーンシートに積層することを特徴とする請求項8に記載の電子部品の製造方法。
- 前記内部電極層と前記グリーンシートとの間には、接着層を介在させることを特徴とする請求項8または9に記載の電子部品の製造方法。
- 前記内部電極層は、支持シートの上に形成され、その後に、前記支持シートから剥離されて前記グリーンシートに対して積層される請求項8〜10のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
- 前記副導電層は、薄膜形成法により形成され、前記主導電層は、印刷法または薄膜形成法により形成されることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
- 前記積層体を、10−14 〜10−6Paの酸素分圧を持つ雰囲気中で、900℃以上、1000℃未満の温度で焼成する請求項8〜12のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
- 前記積層体を焼成した後に、10−3〜100Paの酸素分圧を持つ雰囲気中で、950℃以下の温度でアニールする請求項8〜13のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
- 内部電極層と誘電体層とが交互に積層してある素子本体を有する積層セラミックコンデンサを製造する方法であって、
レニウム(Re)および白金(Pt)から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として有する金属層または合金層で構成される副導電層を形成する工程と、
前記副導電層に積層させて、ニッケルを主成分とする主導電層を形成する工程と、
前記副導電層および主導電層を有する内部電極層を、焼成後に誘電体層となるグリーンシートと交互に積層させる工程と、
前記グリーンシートと前記内部電極層との積層体を焼成する工程とを有する
積層セラミックコンデンサの製造方法。
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