以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置及びその制御方法について説明をする。
図1は、本発明の実施例としてのカラー複写機100の構成例を示す概念図である。
図1に示すカラー複写機100はカラー画像形成装置の一例であり、ポリゴンモータの回転速度及び駆動クロック信号の位相を制御して画像の倍率を調整してカラー画像を形成する場合に、固定周期を有する所定の擬似主走査基準信号とポリゴンモータの回転速度及び位相の制御によって周期が変動する主走査基準信号との位相差を検出する手段と、位相差に基づいてポリゴンモータの駆動クロック信号の位相を制御してポリゴンモータを加速及び減速させる手段とを有した装置である。
本発明に係るカラー画像形成装置は、カラー複写機100の他に、カラープリンタや、ファクシミリ装置、これらの複合機等に適用してもよい。
カラー複写機100は、複写機本体101と画像読取装置102から構成される。複写機本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿30は搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ画像信号は、図示しない画像処理手段において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルの画像データDinとなる。画像データDinは、Y,M,C,BK色用の画像データDy,Dm,Dc,Dkに変換された後に、画像形成手段60を構成する画像書込みユニット(画像書込みユニット)3Y,3M,3C,3Kへ送られる。
上述の自動原稿給紙装置201は、原稿載置台上から給送される多数枚の原稿30の内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、あるいはファクシミリ機能により多数枚の原稿30を送信する場合等に便利に使用される。
複写機本体101は、タンデム型のカラー画像形成装置を構成し、4つの画像形成ユニット(画像形成系)10Y,10M,10C,10Kと、無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17と、画像形成系へ転写材(以下用紙という)Pを給紙する給紙手段20とを備えている。給紙手段20は画像形成系の下方に設けられる。給紙手段20は、例えば、3つの給紙トレイ20A、20B、20Cから構成される。給紙手段20から繰り出された用紙Pは、画像形成ユニット10K下に搬送される。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは画像形成手段60を構成し、各色毎にポリゴンミラー及び感光体ドラムを有すると共に、主走査基準信号(以下インデックス信号という)及び擬似主走査基準信号(以下擬似インデックス信号という)に基づいて所定の用紙Pに色画像を形成するようになされる。例えば、画像形成ユニット10Yは、ポリゴンミラー42Y及び感光体ドラム(像形成体)1Yを有し、画像形成ユニット10Mは、ポリゴンミラー42M及び感光体ドラム1Mを有し、画像形成ユニット10Cは、ポリゴンミラー42C及び感光体ドラム1Cを有し、画像形成ユニット10Kは、ポリゴンミラー42K及び感光体ドラム1Kを有している。
この例で、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー像を形成する感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、画像書込みユニット3Y、現像手段4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。
マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色のトナー像を形成する感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、画像書込みユニット3M、現像手段4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色のトナー像を形成する感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、画像書込みユニット3C、現像手段4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。黒(BK)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、BK色のトナー像を形成する感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、画像書込みユニット3K、現像手段4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。
帯電手段2Yと画像書込みユニット3Y、帯電手段2Mと画像書込みユニット3M、帯電手段2Cと画像書込みユニット3C及び帯電手段2Kと画像書込みユニット3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像手段4Y,4M,4C,4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施例においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持され、各々の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたY色、M色、C色、BK色の各トナー像を転写するようになされる。
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明をする。画像形成ユニット10Y,10M,10C及び10Kにより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施例においては正極性)の一次転写バイアス(不図示)が印加される一次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写され(一次転写)、カラートナー像が重合(合成)されてカラー画像(色画像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
給紙トレイ20A,20B,20C内に収容された用紙Pは、給紙トレイ20A,20B,20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21及び給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B,22C,22D、レジストローラ23及び28等を経て、二次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(二次転写)。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y,8M,8C,8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23及び28を経て、再度二次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。一方、二次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙、83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
複写機本体101には制御手段15が設けられ、所定の用紙Pの両面に画像を形成する場合に、ポリゴンミラー42Y等の回転速度変更時及び位相制御時に周期が変動されるインデックス信号と、このインデックス信号に対して周期を固定した複数の擬似インデックス信号とに基づいて用紙Pの所定の面における作像制御を実行する。
図2は、カラー複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。図2に示すカラー複写機100は、二以上の擬似インデックス信号に基づいて用紙Pの所定の面における作像開始タイミングを決定する制御手段15を有している。この制御手段15には、擬似インデックス作成回路12、画像メモリ13、画像処理手段16、通信手段19、給紙手段20、操作パネル48、画像形成手段60及び画像読取装置102が接続される。
制御手段15は、ROM(Read Only Memory)53、ワーク用のRAM(Random Access Memory)54及びCPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)55を有している。ROM53は、当該複写機全体を制御するためのシステムプログラムデータや、ポリゴンミラー42Y等の回転速度を制御するデータ、ポリゴンミラー42Y等の位相をシフトする位相差基準値の一例である閾値Dwが格納される。RAM54には、各種モード実行時の制御コマンド等を一時記憶するようになされる。
CPU55は電源がオンされると、ROM53からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、当該複写機全体を制御するようになされる。CPU55は、所定の用紙Pに色画像を形成する場合に、ポリゴンミラー42Y等の回転速度制御及び位相制御によって周期が変動するインデックス信号と、固定周期を有する擬似インデックス信号とに基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行する。例えば、CPU55は、単一の擬似インデックス信号に基づいて用紙Pの表面から裏面への色作像処理における作像開始トリガ(VTOP)信号を決定するようになされる。
操作パネル48は制御手段15に接続され、図示しないが、タッチパネルから構成される操作手段14と、液晶表示パネルから構成される表示手段18とを有している。操作パネル48にはGUI(Graphic User Interface)方式の入力手段が使用される。電源スイッチ等は、操作パネル48に設けられる。表示手段18は、例えば、操作手段14と連動して表示動作する。
操作パネル48は、画像形成条件や給紙トレイ20A〜20Cを選択する際に操作される。例えば、普通紙、再生紙、コート紙、OHT紙等の用紙Pの種類(紙種)を選択したり、当該用紙Pが収納されている給紙トレイ20A〜20Cを選択する際に操作手段14が操作され、画像形成条件が設定される。なお、操作パネル48で設定された画像形成条件や給紙トレイ選択情報等は、操作データD3となってCPU55に出力される。
上述の制御手段15は、操作手段14から出力される操作データD3又は通信手段19を介して受信した情報に基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行する。例えば、制御手段15は、設定された用紙Pの種類又は設定された給紙トレイ20A〜20Cに対応して当該用紙Pの表裏の画像サイズ及び当該用紙Pの表裏の位置合わせ処理を実行する。
画像読取手段102は、制御手段15に接続され、図1に示した原稿30から画像を読み取ったデジタルのカラー用の画像データDin(R,G,Bの各色成分データ)を制御手段15に出力するようになされる。制御手段15では画像データDinを画像メモリ13に記憶するようになされる。画像処理手段16は、画像メモリ13から画像データDinを読み出し、R,G,Bの各色成分データをY色用の画像データDy,M色用の画像データDm,C色の画像データDc,BK色用の画像データDkに色変換処理をする。色変換処理後のY,M,C,K色用の画像データDy,Dm,Dc,Dkは、画像メモリ13又は図示しないY,M,C,K色用の画像メモリに記憶するようになされる。
通信手段19は、LAN等の通信回線に接続され、外部のコンピュータ等と通信処理する際に使用される。当該カラー複写機100をプリンタとして使用する場合に、そのプリント動作モード時に、通信手段19は外部のコンピュータからプリントデータDin’を受信するように使用される。なお、プリントデータDin’には、画像形成条件や給紙トレイ選択情報等も含まれている。給紙手段20は、給紙トレイ20A〜20Cを駆動するための、図示しないモータに接続され、給紙制御信号Sfに基づいてモータの回転を制御し、当該給紙トレイ20A、20B又は20Cから繰り出した用紙Pを画像形成系に搬送するように動作する。給紙制御信号Sfは、制御手段15から給紙手段20に供給される。
画像形成手段60は、Y,M,C,K色用の画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kを有しており、Y,M,C,K色用の画像メモリからY,M,C,K色用の画像データDy,Dm,Dc,Dkを入力し、Y,M,C,K色用のインデックス信号及び擬似インデックス信号に基づいて用紙Pの所定の面に画像を形成するように動作する。Y,M,C,K色用の画像データDy,Dm,Dc,Dkは、通信手段19を介して外部のコンピュータ等から受信したものでもよい。
また、制御手段15には擬似インデックス作成回路12が接続されている。擬似インデックス作成回路12は、カラー画像形成時の基準信号であって、ポリゴンミラー42Y等の回転速度変更時及び位相制御時に周期が変動するインデックス信号(スレーブインデックス信号;以下IDX信号という)に対して、所定の周期が任意に設定可能な第1及び第2の擬似インデックス信号を作成するようになされる。以下で第1の擬似インデックス信号(第1のマスタインデックス信号)をMST−IDX1信号といい、第2の擬似インデックス信号(第2のマスタインデックス信号)をMST−IDX2信号という。
この例で、擬似インデックス作成回路12は、例えば、第1の周期を有した第1のMST−IDX1信号と、第1の周期よりも短い第2の周期を有した第2のMST−IDX2信号とを作成する。このMST−IDX2信号を使用して用紙Pの裏面の作像をするようにすると、表面画像形成後に用紙Pが縮んでも、用紙Pの表面と裏面とで画像サイズを一致させることができる。
IDX信号は各色毎に存在する。YIDX信号は、Y色用のポリゴンミラー42Yの回転速度及び位相を制御して感光体ドラム1Yにレーザビームを走査するときの基準信号であり、ポリゴンミラー42Yを反射したレーザビームを検出することにより得られる信号である。MIDX信号は、M色用のポリゴンミラー42Mの回転速度及び位相を制御して感光体ドラム1Mにレーザビームを走査するときの基準信号であり、ポリゴンミラー42Mを反射したレーザビームを検出することにより得られる信号である。CIDX信号は、C色用のポリゴンミラー42Cの回転速度及び位相を制御して感光体ドラム1Cにレーザビームを走査するときの基準信号であり、ポリゴンミラー42Cを反射したレーザビームを検出することにより得られる信号である。KIDX信号は、K色用のポリゴンミラー42Kの回転速度及び位相を制御して感光体ドラム1Mにレーザビームを走査するときの基準信号であり、ポリゴンミラー42Kを反射したレーザビームを検出することにより得られる信号である。
制御手段15は、ROM53,RAM54及びCPU55を有している。この例で、擬似インデックス作成回路12が、MST−IDX1及びMST−IDX2信号を作成する場合であって、CPU55は、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号に基づいて用紙P1の他方の面、あるいは、次の用紙P2の一方の面における作像開始タイミングを決定する。例えば、CPU55は、MST−IDX1及びMST−IDX2信号と、用紙Pの先端検出とに基づいて用紙P1の裏面における作像開始トリガ(VTOP)信号や、次ページの用紙P2の表面における作像開始トリガ(VTOP)信号を立ち上げるようになされる。
CPU55は、所定の用紙Pの両面に画像を形成する場合に、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号を交互に選択して当該MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号とIDX信号とに基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行する。例えば、CPU55は、画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kにおける画像形成処理をする際に、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号を交互に選択し、その後、用紙Pの先端を当該MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号に基づいて検出することにより、VTOP(作像開始トリガ)信号を発生する。これにより、例えば、用紙表裏面に色画像を形成する場合に、表面画像形成後に用紙Pが縮んでも、用紙Pの表面と裏面とで画像サイズを一致させることができる。
この例で、擬似インデックス作成回路12には信号源の一例となる水晶発振器11が接続され、水晶発振器11は基準クロック信号(以下CLK1信号という)を発生する。CLK1信号は、擬似インデックス作成回路12と、Y,M,C,K色用の画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kに各々出力される。
図3は、図2から抽出したY色用の画像書込みユニット3Y及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。図3に示すY色用の画像書込みユニット3Yは、水晶発振器11、擬似インデックス作成回路12及びCPU55に接続される。
擬似インデックス作成回路12は、Y色用のポリゴン駆動クロック信号(以下YP−CLK信号という)を作成するためのCLK1信号に基づいてMST−IDX1信号及びMST−IDX2信号を作成するように動作する。CLK1信号は、水晶発振器11から擬似インデックス作成回路12及びポリゴン駆動CLK生成回路39Yに出力される。
ここでYP−CLK(ポリゴン駆動クロック)信号の周期をTpとし、MST―IDX1信号及びMST−IDX2信号の周期をTiとし、自然数をn,mとしたとき、ポリゴン駆動クロック信号の1周期とMST−IDX1信号,MST−IDX2信号の1周期との関係をTp×n=Ti×m(但しn≦m)に設定される。この例で、擬似インデックス作成回路12は、水晶発振器11から得られるCLK1信号を上述の設定条件を満たすように信号処理してMST−IDX1信号,MST−IDX2信号を作成する。
ポリゴン駆動CLK生成回路39Yは、判定手段、位相制御手段及び位相制御幅設定手段の一例を構成し、CPU55により提供された閾値Dwと検出した位相差を比較して判定し、ポリゴンモータ36の位相を制御する。また、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号における位相制御幅を加速と減速で異なる値に設定する。
また、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yは、CLK1信号を上述の設定条件を満たすように信号処理してYP−CLK信号を生成する。このように水晶発振器11を共通にして、実際に作成するYIDX信号の周期に対して確実に周期が一致するMST−IDX1信号及びMST−IDX2信号を作成できるようになる。
このような擬似インデックス作成回路12には、CPU55が接続され、シーケンスプログラムに基づいて選択制御信号SS1をポリゴン駆動CLK生成回路39Yに出力する。選択制御信号SS1は、ポリゴンミラー42Y等の位相制御の開始前に設定される。また、CPU55は、同様にして、シーケンスプログラムに基づいて選択制御信号SS2をY−VV作成回路41Yに出力する。選択制御信号SS2は、裏面作像を指示する画像先端信号(以下VTOP信号という)が立ち上がる前に設定される。VTOP信号は、用紙Pの搬送タイミングと作像タイミングとを合わせるための信号である。
上述の選択制御信号SS1及びSS2は、ロー・レベル(以下「L」レベルという)で第1の選択を示し、ハイ・レベル(以下「H」レベルという)で裏面用選択を各々示している。このようにすると、Y色用のポリゴンモータ36に供給するYP−CLK信号の周波数を他のM,C,BK色用の画像形成ユニット10M,10C,10K毎に独立してCPU55で制御できるようになる。
画像書込みユニット3Yは、例えば、水晶発振器31、画像CLK生成回路32、水平同期回路33、PWM信号生成回路34、レーザ(LD)駆動回路35、ポリゴンモータ36、モータ駆動回路37、インデックスセンサ38、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y、タイミング発生器40及びY−VV(Valid)生成回路41Yから構成される。
水晶発振器31には画像CLK生成回路32が接続され、基準クロック信号(以下CLK2信号という)を発振して画像CLK生成回路32に出力する。画像CLK生成回路32は、CPUより出力された周波数制御信号Sgに基づいてY色用画素クロック信号(以下G−CLK信号という)を生成して水平同期回路33に出力するように動作する。例えば、表面作像時のG−CLK信号の周波数f0に(L/L')・(W/W')を乗じた値が裏面作像時のY色用画素CLK周波数fとして設定される。
水平同期回路33は画像CLK生成回路32及びPWM信号生成回路34に接続され、YIDX信号に基づいて水平同期信号Shを検出してPWM信号生成回路34に出力する。Y色用のインデックスセンサ38は、ポリゴンミラー42Yからのレーザビームを検出し、検出したレーザビームをYIDX信号とし、水平同期回路33へ出力する他に、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yに出力する。
また、PWM信号生成回路34はY色用の画像メモリ83からY色用の画像データDyを入力し、この画像データDyをパルス幅変調してY色用のレーザ駆動信号SyをLD駆動回路35に出力する。上述のPWM信号生成回路34にはLD駆動回路35が接続される。LD駆動回路35には、図示しないレーザダイオードが接続される。LD駆動回路35は、レーザ駆動信号Syに基づいてレーザダイオードを駆動し、所定強度のY色用のレーザビームLYを発生し、ポリゴンミラー42Yに向けて輻射するようになされる。
擬似インデックス作成回路12には、Y色用の作像開始タイミングを決定するためのタイミング信号発生器40が接続される。タイミング信号発生器40は、更に、CPU55に接続され、例えば、表面作像時に、CPU55から出力されるVTOP信号及び選択制御信号SS2に基づいて、擬似インデックス作成回路12から出力されるMST−IDX1信号を選択すると共に、そのMST−IDX1信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色用の作像開始タイミングを決定する。このY色用の作像開始タイミングの決定と共に、作像開始信号(以下STT信号という)がY−VV作成回路41Yに出力される。
Y−VV作成回路41Yは、タイミング信号発生器40から出力されるSTT信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面又は用紙裏面におけるY色用の副走査有効領域信号(以下YVV信号という)を作成する。YVV信号は、Y色用の画像メモリ83等に出力される。
上述のPWM信号生成回路34には、Y色用の画像メモリ83が接続され、用紙表面及び用紙裏面の画像形成時に、YVV信号に基づいてY色用の画像データDyを読み出すようになされる。画像データDyは、画像処理手段16で図2に示した画像メモリ13からR,G,B色の画像データが読み出され、そのR,G,B色の画像データが色変換処理された、そのY,M,C,BK色の画像データのうちの1つである。
また、水晶発振器11、擬似インデックス作成回路12及びCPU55には、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yが接続され、YIDX信号、CLK1信号、MST−IDX1信号、MST−IDX2信号、速度設定信号Sv、選択制御信号SS1に基づいてY色用のポリゴン駆動クロック信号(YP−CLK信号)を生成するように動作する。
速度設定信号Sv及び選択制御信号SS1は、表裏面切り替え時、CPU55からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。更に、表裏面切り替え時、CPU55は、例えば、ROM53から閾値Dwを取得しポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力する。また、YIDX信号は、インデックスセンサ38からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。CLK1信号は水晶発振器11からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号は、擬似インデックス生成回路12からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。ポリゴン駆動CLK生成回路39Yの内部構成例については、図4で説明をする。
ポリゴン駆動CLK生成回路39Yには、モータ駆動回路37が接続される。モータ駆動回路37はポリゴンモータ36に接続され、YP−CLK信号に基づいてポリゴンモータ36を駆動する。ポリゴンモータ36にはポリゴンミラー42Yが取り付けられ、ポリゴンモータ36の駆動力によって主走査方向に回転するように動作する。
上述のLD駆動回路35で図示しないダイオードから輻射されたレーザビームLYは、副走査方向に回転する図1で示した感光体ドラム1Yに対して、ポリゴンミラー42Yが回転されることで主走査され、静電潜像が感光体ドラム1Yに書き込まれる。感光体ドラム1Yに書き込まれた静電潜像は、Y色用のトナー部材により現像される。感光体ドラム1Y上のY色トナー画像は、副走査方向に回転する中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。
なお、他の色用の画像書込みユニット3M,3C,3Kについても同様な構成及び機能を有するので、その説明は省略する。この例で、水晶発振器31、画像CLK生成回路32、水平同期回路33、PWM信号生成回路34、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y、タイミング発生器40及びY−VV生成回路41Yを画像書込みユニット3Yに含めて説明したが、これに限られることはなく、これらの回路要素を画像処理手段16あるいは制御手段15内に含めて構成してもよい。
その場合、タイミング発生器40の機能をCPU55に持たせ、用紙表面作像時、MST−IDX1信号に基づいて画像先端信号VTOPを立ち上げ、このVTOP信号に基づいてMST−IDX1信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面における最初のY色の作像開始タイミングを決定するようにしてもよい。ここで決定されたSTT信号(作像開始信号)に基づいてY色用のYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色用のYVV信号を作成するように画像書込みユニット3Y等を制御する。
また、用紙裏面作像時、CPU55は、MST−IDX2信号に基づいて画像先端信号VTOPを立ち上げ、このVTOP信号に基づいてMST−IDX2信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面における最初のY色の作像開始タイミングを決定する。
CPU55は、決定された作像開始タイミングに基づいて各色用のYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面におけるY色用のYVV信号を作成するように擬似インデックス作成回路12、画像書込みユニット3Y等の入出力を制御するようにしてもよい。
また、この例でCPU55は、YVV信号の作成制御とは別に、ポリゴンミラー42Y等を位相制御する際に、各色毎に、MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号のうちいずれか1つを選択した後、当該MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号に基づいてポリゴンミラー42Y等の位相制御を実行するようにしてもよい。
図4は、Y色用のポリゴン駆動CLK生成回路39Y及びその周辺回路を抜き出した構成例を示すブロック図である。
図4に示す擬似インデックス作成回路12、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yは、CPU55に接続されると共に水晶発振器11に接続され、このCPU55には、タイミング信号発生器40を介して、Y−VV生成回路41Y等が接続される。
擬似インデックス作成回路12は、例えば、PLL&分周回路71及び第1の擬似インデックス生成回路72と、PLL&分周回路73及び第2の擬似インデックス生成回路74から構成される。
PLL&分周回路71は、水晶発振器11に接続され、当該発振器11から出力されるCLK1信号を速度設定信号Sv1に基づいて分周し、マスタ分周クロック信号(以下MST−CK1信号という)を擬似インデックス生成回路72に出力するように動作する。擬似インデックス生成回路72は、PLL&分周回路71及びCPU55に接続され、CPU55から出力される速度設定信号Svに基づいてMST−CK1信号発生用の速度設定信号Sv1をPLL&分周回路71に出力してその発振制御をする。この発振制御によって、擬似インデックス生成回路72は、MST−CK1信号に基づいて第1の周期のMST−IDX1信号を生成するように動作する。
PLL&分周回路73も、水晶発振器11に接続され、当該発振器11から出力されるCLK1信号を速度設定信号Sv2に基づいて分周し、マスタ分周クロック信号(以下MST−CK2信号という)を擬似インデックス生成回路74に出力するように動作する。擬似インデックス生成回路74は、PLL&分周回路73及びCPU55に接続され、CPU55から出力される速度設定信号Svに基づくMST−CK2信号発生用の速度設定信号Sv2をPLL&分周回路73に出力してその発振制御をする。この発振制御によって、擬似インデックス生成回路74は、MST−CK2信号に基づいて第2の周期のMST−IDX2信号を生成するように動作する。
ポリゴン駆動CLK生成回路39Yは、Y−PLL&分周回路61及びY−ポリゴン位相制御回路62から構成される。Y−PLL&分周回路61は、Y−ポリゴン位相制御回路62から出力される速度設定信号Svyに基づいて、水晶発振器11から出力されるCLK1信号を分周し、分周クロック信号(以下Y−CK信号という)をY−ポリゴン位相制御回路62に出力するように動作する。
Y−ポリゴン位相制御回路62は、CPU55及びY−PLL&分周回路61に接続され、CPU55から出力される速度設定信号Sv及び選択制御信号SS1に基づくY−CK信号発生用の速度設定信号SvyをY−PLL&分周回路61に出力してその発振制御をする。例えば、CPU55は、表面作像から裏面作像に移行するとき、ROM53内のN個の分周データテーブルから速度移行用のデータを参照して速度設定信号SvをY−ポリゴン位相制御回路62に供給するように動作する。
Y−ポリゴン位相制御回路62は、判定手段を有しており、ポリゴンミラー42Yの一面分の位相移動量に対してポリゴンモータ36の加速及び減速方向の安定時間が等しくなる閾値Dwと、例えば、MST−IDX2信号及びYIDX信号の位相差とを比較してその大小を判定する。また、Y−ポリゴン位相制御回路62は、位相制御手段を有しており、その判定結果に基づきポリゴンモータ36の回転速度を加速及び減速して位相を制御する。
ここに、閾値Dwは次のように設定される。まず、ポリゴンモータ36を加速してポリゴンミラー42Y一面分の位相移動量を移動するのに要した時間と、ポリゴンモータ36を減速してポリゴンミラー42Y一面分の位相移動量を移動するのに要した時間とが計測される。次に、計測された各々の時間から、加速及び減速方向の安定時間が等しくなるように設定される。
上述の閾値Dwが設定されたY−ポリゴン位相制御回路62では、位相差が閾値Dw以上の場合には、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を減少させ、ポリゴンモータ36の回転速度を加速して、MST−IDX2における所定の周期から位相差を減算した値だけ位相を移動し、位相差が閾値Dwより小さい場合には、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を増加させ、ポリゴンモータ36の回転速度を減速して、位相を移動するように制御する。これにより、YP−CLK信号における位相の制御時間を少なくすることができる。
また、Y−ポリゴン位相制御回路62は、位相制御幅設定手段を有しており、ポリゴンモータ36の加速及び減速におけるYP−CLK信号の位相制御幅Dxを異なる値に設定する。例えば、位相制御幅Dxは、ポリゴンモータ36の加速時より減速時のほうが大きくなるように設定する。これにより、加速及び減速時のYP−CLK信号における位相の制御時間の差を縮めることができるので、位相の制御時間を少なくすることができる。
また、CPU55は、画像書込みユニット3Yによる表面作像を終了したと判断すると、表面作像時のYP−CLK信号のポリゴン駆動CLK周波数にL/L'を乗じた値が、裏面作像時のYP−CLK信号のポリゴン駆動CLK周波数として設定され、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yに速度設定信号(周波数制御信号)Svが出力される。
Y−ポリゴン位相制御回路62は、インデックスセンサ38で検出されたYIDX信号の立ち上がりエッジと、選択制御信号SS1で選択されるMST−IDX1又はMST−IDX2の何れかの立ち上がりエッジとに基づいてその位相差を検出し、この位相差に基づいて当該YP−CLK信号の位相制御を行う。
これにより、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yでは、CPU55から出力された速度設定信号Svに従って、例えば、裏面作像用のYP−CLK信号が生成され、周波数と位相が調整されたYP−CLK信号を図示しない画像書込みユニット3Y内のポリゴンモータ36に出力するように動作する。
図示していないが、同様にして、M−画像書込みユニット3M、C−画像書込みユニット3C及びK−画像書込みユニット3Kについても処理が行われる。
図5(A)〜(H)は、Y色の表裏倍率調整時の動作例を示すタイムチャートである。
図5(F)において、ポリゴンミラー42Y等の位相制御時の基準IDX信号には、MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号を例えば、交互に使用するようになされる。裏面作像時のポリゴンミラー42Y等の位相制御時の基準IDX信号には、MST−IDX2信号を使用する。
画像書込みユニット3Y等では、擬似的なMST−IDX1信号及びMST−IDX2信号を基準にして位相制御を実行する。表面作像時のY色用のSTT信号(作像開始信号)は、MST−IDX1信号でラッチしたものを画像書込みユニット3YのY−VV作成回路41Yに入力し、これをカウントすることでYVV信号の開始タイミングを決定する。このY色用のSTT信号(作像開始信号)を基準にして、画像書込みユニット3YのYIDX信号をカウントしてYVV信号を作成する。以下、表裏面切り替え時の動作を説明する。
これらを動作条件にして、図5(H)に示す時刻t1において、MST−IDX1信号に同期して、図5(A)で表面作像を示すVTOP信号(画像先端信号)が立ち上がり、そのVTOP信号がCPU55からタイミング信号発生器40、Y−VV生成回路41Y等へ出力される。
その後、タイミング信号発生器40では図5(H)に示したMST−IDX1信号のパルス数がカウントされ、時刻t2で図5(D)に示すY色用のSTT信号(以下SST−Y信号という)が立ち上がる。このSTT−Y信号は、Y色用の画像形成ユニット10Yの表面作像開始を指示する作像開始信号である。このSTT−Y信号が時刻t3で立ち下がり、更に、Y−VV生成回路41Yで、STT−Y信号に基づいてMST−IDX1信号のパルス数がカウントされ、Y−VV生成回路41Yは、時刻t4でYVV信号を立ち上げる。
CPU55は、時刻t5でYVV信号の立ち下がりを検出して、図5(B)に示す時刻t6で選択制御信号SS1を「H」レベルに立ち上げる。この「H」レベルの選択制御信号SS1は、CPU55からポリゴン駆動CLK生成回路39Y等に出力される。
この時刻t5でY色作像が完了して、図5(E)に示すYVV信号が立ち下がると、画像書込みユニット3Yでは、用紙裏面のY色作像に対して、図5(F)に示すYIDX信号に基づいて回転速度変更が実施され、その後、図9及び図10で説明する位相変更制御がなされる。
時刻t7でCPU55は、シーケンスプログラムに基づいて選択制御信号SS2をタイミング信号発生器40出力する。時刻t8でCPU55は、位相変更制御が完了したのを検出し、同時に、MST−IDX2信号に基づいて用紙裏面作像信号(VTOP信号)を立ち上げ、このVTOP信号に基づいてMST−IDX2信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面における作像開始タイミングを決定し、この作像開始タイミングから後段の用紙裏面の作像処理が実施される。
CPU55は、表裏切り替え時に、ROM53内のN個の分周データテーブルから速度移行用のデータを参照して速度設定信号SvをY−PLL&分周回路61に供給するように動作する。例えば、CPU55は、画像書込みユニット3Yによる表面作像を終了したと判断すると、表面作像時のYP−CLK信号のポリゴン駆動CLK周波数にL’/Lを乗じた値が、裏面作像時のYP−CLK信号のポリゴン駆動CLK周波数として設定され、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yに速度設定信号(周波数制御信号)Svが出力される。
ポリゴン駆動CLK生成回路39Yでは、CPU55から出力された速度設定信号Svに従って、例えば、裏面作像用のYP−CLK信号が生成され、周波数と位相が調整されたYP−CLK信号を画像書込みユニット3Y内のモータ駆動回路37に出力するように動作する。モータ駆動回路37は、YP−CLK信号に基づいてポリゴンモータ36を駆動する。ポリゴンモータ36は、ポリゴンミラー42Yを回転するように動作する。LD駆動回路35に接続されたレーザダイオードは、レーザビームLYを輻射し、レーザビームLYは、副走査方向に回転する感光体ドラム1Yに対して、ポリゴンミラー42Yが回転されることで主走査される。この主走査で、静電潜像が感光体ドラム1Yに書き込まれる。感光体ドラム1Yに書き込まれた静電潜像は、Y色用のトナー部材により現像される。感光体ドラム1Y上のY色トナー画像は、副走査方向に回転する中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。
CPU55は、表裏切り替え時に、画素CLK生成回路32に周波数制御信号Sgを供給し、画素CLK生成回路32は、周波数制御信号Sgに基づいてG−CLK信号(Y色用画素クロック信号)を生成して水平同期回路33に出力するように動作する。例えば、表面作像時のG−CLK信号の周波数f0に(L’/L)・(W/W')を乗じた値が裏面作像時のY色用画素CLK周波数fとして設定される。水平同期回路33は、図5(E)に示すYVV信号が、Y色用の画像メモリ83等に出力されると、YIDX信号に基づいて水平同期信号Shを検出してPWM信号生成回路34に出力するように動作する。図5(F)に示すYIDX信号は、Y色用のインデックスセンサ38から水平同期回路33へ出力される他に、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yに出力される。PWM信号生成回路34は、水平同期信号Sh及びY色用の画像データDyを入力し、画像データDyをパルス幅変調してY色用のレーザ駆動信号SyをLD駆動回路35に出力するように動作する。LD駆動回路35は、レーザ駆動信号Syに基づいてレーザダイオードを駆動し、所定強度のY色用のレーザビームLYを発生し、ポリゴンミラー42Yに向けて輻射するようになされる。
図6は、表裏面作像切り替え時のポリゴンモータ36の速度特性例を示すグラフである。
図6において、横軸は時間tであり、縦軸は、ポリゴンミラー42Y等の回転速度Vである。この例で、用紙表面作像時のポリゴンミラー42Y等の回転速度をV1とし、用紙裏面作像時のポリゴンミラー42Y等の回転速度をV2とする。回転速度V1とV2との関係はV2>V1に設定される。
従って、1枚目の用紙表面作像時からその用紙裏面作像に移行するとき(以下速度移行時という)に、例えば、徐々に回転速度を上昇するような速度制御が実行できる。図中、波線円で示した速度移行時の速度データは、ROM53に分周データテーブルとして格納され、この分周データテーブルが参照される。分周データテーブルはN種類準備され、図4に示したROM53等に格納される。分周データDvは、例えば、CPU55でデコードされて、速度設定信号Svとして、図4に示した各々のY−ポリゴン位相制御回路62,64,66,68に出力される。
また、1枚目の両面の作像が終了し、2枚目の用紙の両面を作像する場合であって、1枚目の用紙裏面作像時から2枚目の用紙表面作像に移行するときに、徐々に回転速度を降下するような速度制御がなされる。この場合の速度移行時の分周データDvも、ROM53に分周データテーブルとして格納され、この分周データテーブルが参照される。これにより、表裏面作像切り替え時に、ポリゴンミラー42Y等の回転速度を制御することができる。
図7(A)〜(D)は、Y−ポリゴン位相制御回路62等における位相制御例を示すタイムチャートである。図7において、横軸は時間tであり、縦軸は、ポリゴン駆動クロック信号(YP−CLK信号等)の振幅である。図7(A)のYP−CLK信号の分周値(=6CLK1信号)を大きく又は小さくしてYP−CLK信号の位相を制御して位相を反転する例を示す。
図7(A)に示すYP−CLK信号は、図7(D)に示す基準クロック信号(CLK1信号)を6分周(分周値=6CLK1信号)したものである。つまり、図7(A)のYP−CLK信号の1周期は、CLK1信号の6周期分であり、YP−CLK信号の1周期は、6CLK1信号となる。以下同様に、CLK1信号をn分周したYP−CLK信号の1周期は、nCLK1信号となる。図7(A)に示すYP−CLK信号の周波数は、t1の位相変更開始からt2の位相変更終了までに3周波数である。
図7(B)に示すYP−CLK’信号は、CLK1信号を5分周(分周値=5CLK1信号)したものである。図7(B)のYP−CLK’信号の1周期は、図7(A)に示したYP−CLK信号よりも1CLK1信号だけ小さい5CLK1信号である。図7(B)のYP−CLK’信号は、1CLK1信号だけ小さく分周したことにより、ポリゴンモータ36を加速させて位相を制御したものである。t1の位相変更開始からt2の位相変更終了までに、YP−CLK’信号の周波数は3.5周波数であり、YP−CLK信号の周波数と比較して0.5周波数ほど進み、位相が反転している。
図7(C)に示すYP−CLK’’信号は、CLK1信号を7分周(分周値=7CLK1信号)したものである。図7(C)のYP−CLK’’信号の1周期は、図7(A)に示したYP−CLK信号よりも1CLK1信号だけ大きい7CLK1信号である。図7(C)のYP−CLK’’信号は、1CLK1信号だけ大きく分周したことにより、ポリゴンモータ36を減速させて位相を制御したものである。t1の位相変更開始からt2の位相変更終了までに、YP−CLK’’信号の周波数は2.5周波数であり、YP−CLK信号の周波数と比較して0.5周波数ほど後退し、位相が反転している。
上述した図7(B)のYP−CLK信号’は、図7(A)のYP−CLK信号の分周値を少なくしてポリゴンモータ36を加速させて位相を制御した例であり、図7(C)のYP−CLK信号’’は、YP−CLK信号の分周値を大きくしてポリゴンモータ36を減速させて位相を制御した例である。図7(B)及び(C)に示した位相制御例の方法を用いて図9及び図10に位相制御の応用例を示す。
図8は、Y−ポリゴン位相制御回路62による位相制御時間例を示す波形図である。図8に示す波形は、例えば、オシロスコープを用いて加速及び減速時のポリゴンモータ36の回転方向及び制御時間を測定したものである。図8の横軸は時間(S)であり、縦軸はタイムインターバル(μsec)である。例えば、加速及び減速時のポリゴンモータ36の位相シフト量は、YP−CLK信号の半周期とする。
図8に示すQ1は、ポリゴンモータ36を加速させて位相を制御するときの波形である。波形Q1は、ポリゴンモータ36がタイムインターバルの値=142.7まで加速方向に回転し、その後、加速方向の回転力が弱まり、通常時の回転数である141.9まで戻り、141.9から141.7まで減速方向に回転し、その後、減速方向の回転力が弱まり、若干の加減速のブレを要して通常時の回転数に戻っている。T1=235msecは、ポリゴンモータ36を加速して位相シフト制御するのに要した時間を示している。
図8に示すQ2は、ポリゴンモータ36を減速させて位相を制御するときの波形である。波形Q2は、ポリゴンモータ36がタイムインターバルの値=141.0まで減速方向に回転し、その後、加速方向の回転力が強くなり、通常時の回転数である141.9まで戻り、更に、141.9から142.5まで加速方向に回転し、その後、加速方向の回転力が弱まり、若干の加減速のブレを要して通常時の回転数に戻っている。T2=365msecは、ポリゴンモータ36を減速して位相シフト制御するのに要した時間を示している。
ここで、ポリゴンモータ36の位相シフト制御時間であるT1とT2を比較すると、T2のほうが130msecほど時間が多くかかっている。これは、ポリゴンモータ36を一旦加速して位相シフト制御を行い、位相シフト制御が完了した後、再びポリゴンモータ36を減速する場合に比べて、ポリゴンモータ36を一旦減速して位相シフト制御を行い、位相シフト制御が完了した後、再びポリゴンモータ36を加速する場合のほうが130msecほど時間が多くかかっていることを示している。
続いて、この位相シフト制御時間の差である130msecを短縮する実施例として実施例1及び実施例2を以下に示す。実施例1では、所定の位相シフト量におけるポリゴンモータ36の加速及び減速方向の安定時間が等しくなる閾値Dwを用いたポリゴン駆動CLK信号の位相シフト制御について説明する。実施例2では、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号における位相制御幅Dxを加速と減速で異なる値に設定する位相シフト制御について説明する。
図9(A)〜(E)は、画像書込みユニット3Y等におけるポリゴン駆動CLK信号の位相制御例(加速)を示すタイムチャートである。図9において、横軸は時間tであり、縦軸は、ポリゴン駆動クロック信号(YP−CLK信号等)の振幅である。この例は、図7に示した位相制御を応用した例を示している。また、疑似インデックス信号は、裏面作像時に使用されるMST−IDX2を用いて説明する。図9(A)に示す基準クロック信号(CLK1信号)は、図4に示した水晶発振器11によって出力されたものである。Y−ポリゴン位相制御回路62は、位相制御の場合に、図9(B)に示すMST−IDX2信号と図9(C)に示すYIDX信号との位相差を計測する。
閾値Dwは、例えば、位相シフト量をポリゴンミラー42Yの一面分とし、ポリゴンモータ36を加速してこの位相シフト量を移動するのに要した時間と、ポリゴンモータ36を減速してこの位相シフト量を移動するのに要した時間とが計測され、計測された各々の時間から、加速及び減速方向の安定時間が等しくなるように設定される。
具体的には、CLK1信号を10分周したYP−CLK信号を用い、YP−CLK信号の1周期(10CLK1信号)でポリゴンミラー42Yの一面分を駆動する場合に、仮に、ポリゴンモータ36を加速してポリゴンミラー42Yの一面分を移動するのに要した時間が200msecであり、ポリゴンモータ36を減速してポリゴンミラー42Yの一面分を移動するのに要した時間が300msecであったとする。このとき、計測された各々の時間から、加速及び減速方向の安定時間が等しくなる閾値Dwは、加速時の位相シフト量が6CLK信号となり、減速時の位相シフト量が4CLK信号となる地点である。算出された閾値Dwは、例えば、当該装置が出荷される前にROM53に保存される。ROM53に保存された閾値Dwは、例えば、MST−IDX2信号及びYIDX信号の位相差と大小を比較する基準値として使用される。
Y−ポリゴン位相制御回路62は、ポリゴンミラー42Yの一面分の位相シフト量に対してポリゴンモータ36の加速及び減速方向の安定時間が等しくなるこの閾値Dwと、例えば、MST−IDX2信号及びYIDX信号の位相差との大小を比較して判定する。そして、Y−ポリゴン位相制御回路62は、判定結果に基づきポリゴンモータ36の回転速度を加速及び減速して位相を制御する。
例えば、Y−ポリゴン位相制御回路62は、位相差が閾値Dw(=4CLK1信号)以上の場合には、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を減少させ、ポリゴンモータ36の回転速度を加速して、MST−IDX2信号における所定の周期から位相差を減算した値だけ位相を移動する。位相差が閾値Dwより小さい場合には、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を増加させ、ポリゴンモータ36の回転速度を減速して位相を移動するように制御する。これにより、YP−CLK信号における位相の制御時間を少なくすることができる。
図9(C)に示すYIDX信号のc地点と図9(B)に示すMST−IDX2信号のb地点との位相差は、8CLK1信号となる。ここで計測した閾値Dw(=4CLK1信号(α))用いると、閾値Dwと位相差(β)の関係は、β>αとなるので、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を小さくし、ポリゴンモータ36を加速させて、YIDX信号のc地点をMST−IDX2のa地点に位相シフトするように制御する。
つまり、ポリゴンモータ36の回転速度を加速させて、MST−IDX2信号における1周期(=10CLK1信号)から位相差(=8CLK1信号)を減算した2CLK1信号だけ位相をシフトさせるように制御する。これにより、YP−CLK信号における位相のシフト時間を少なくすることができる。
従来では、閾値Dwが設定されておらず位相差と閾値Dwとを比較するような手段が無いために、ポリゴンモータ36を加速又は減速の一定方向へ移動して位相制御を行っていた。その為、例えば、ポリゴンモータ36を減速して位相シフトを8CLK1信号ほど行っていた。
図10(A)〜(E)は、画像書込みユニット3Y等におけるポリゴン駆動CLK信号の位相制御例(減速)を示すタイムチャートである。図10において、横軸は時間tであり、縦軸は、ポリゴン駆動クロック信号(YP−CLK信号等)の振幅である。この例は、図7に示した位相制御をY色用のYP−CLK信号に応用した例を示している。また、疑似インデックス信号は、裏面作像時に使用されるMST−IDX2を用いて説明する。図10(A)に示す基準クロック信号(CLK1信号)は、水晶発振器11によって出力されたものである。Y−ポリゴン位相制御回路62は、位相制御の場合に、図10(B)に示すMST−IDX2信号と図10(C)に示すYIDX信号との位相差を計測する。
図10(C)に示すYIDX信号のc地点と図10(B)に示すMST−IDX2信号のb地点の位相差は2CLK1信号となる。例えば、図9で算出したように、閾値Dwを4CLK1信号(α)とすると、閾値Dwと位相差(β)の関係は、β<αとなるので、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を増加させることで、ポリゴンモータを減速し、YIDX信号のc地点をMST−IDX2のb地点に位相シフトするように制御する。これにより、YP−CLK信号における位相のシフト時間を少なくすることができる。図10(D)に示すYP−CLK信号は、ポリゴンモータ36を減速することにより2CLK1信号だけ位相シフトされ、位相シフトされたYP−CLK信号は、図10(E)に示すYP−CLK’信号である。
次に、カラー画像形成装置の制御方法についてカラー複写機100の制御例を用いて説明する。
図11は、第1の実施例における位相シフト量変更による位相制御例を示すフローチャートである。
この実施例では、ポリゴンモータ36の回転速度及びYP−CLK信号の位相を制御して画像の倍率を調整してカラー画像を形成する際に、MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号とYIDX信号等との位相差を検出し、位相差に基づいてポリゴンモータ36のYP−CLK信号等の位相を制御してポリゴンモータ36を加速及び減速させるようになされる。
カラー複写機100は、用紙Pの一方の面(表面)におけるカラー画像を形成しており、他方の面(裏面)にカラー画像の形成を行う場合であって、速度調整処理を終了し、続いて位相制御を行う状態とする。また、CPU55は、ROM53に格納されている閾値Dwを読み出しY−ポリゴン位相制御回路62に供給しているものとする。また更に、フローチャート内で使用するMST−IDX2信号及びYIDXの分周値、閾値Dwは、図9又は図10で使用した値を用いる。更にまた、Y−画像書込みユニット3Yにおけるポリゴンミラー42Yの位相制御について記述するが、M−画像書込みユニット3M、C−画像書込みユニット3C及びK−画像書込みユニット3Kのについても同様の処理が行われる。
これらを表裏倍率調整時の位相制御の条件として、図11に示すフローチャートのステップS1で、Y−ポリゴン位相制御回路62は、擬似インデックス作成回路12により作成されたMST−IDX2信号とインデックスセンサ38により検出されたYIDX信号との位相差をCLK1信号を用いて測定する。図9で示したように、例えば、MST−IDX2信号の1周期を10CLK1信号とし、位相差を8CLK1信号とする。
続いてステップS2で、Y−ポリゴン位相制御回路62は、例えば、図9で示した閾値Dw(=4CLK1信号)に対して位相差の大小を比較して判定する。図9で示したように、例えば、位相差が8CLK1信号である場合は、閾値Dw(=4CLK1信号)に対して位相差が大きいのでステップS3に移行する。ステップS3では、ポリゴンモータ36のYP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を小さくし、ポリゴンモータ36の回転速度を加速させて、MST−IDX2信号における1周期(10CLK1信号)から位相差(8CLK1信号)を減算した2CLK1信号だけ位相をシフトするように制御する。これにより、YP−CLK信号における位相のシフト時間を少なくすることができる。
ステップS4に移行し、Y−ポリゴン位相制御回路62は、YP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を少なくし、ポリゴンモータ36を加速させて位相シフトするように制御する。
例えば、図9で示したように、CLK1信号を10分周したものをYP−CLK信号とし、YP−CLK信号の1周波数を1ステップとする。そして、YP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を1CLK1信号少なくして分周値=9CLK1信号とし、求めた位相シフト量(2CLK1信号)を位相シフトする。1ステップ目で位相が1CLK1信号進み、残りの位相シフト量は1CLK1信号となって、ステップS5に移行する。
ステップS5では、位相シフト量がゼロであるか判断されゼロであれば位相制御処理フローは終了となるゼロでなければ、ステップS4に戻って上記に示した位相シフトの処理が行われる。2ステップ目で、YP−CLK信号の残りの位相シフト量は0CLK1信号となって位相が合致し、ステップS5で示したように処理が終了する。
また、ステップS2で、図10で示したように、例えば、位相差が2CLK1信号である場合は、閾値Dw(=4CLK1信号)に対して位相差が小さいのでステップS6に移行する。ステップS6では、図10で示したように、閾値Dw(=4CLK1信号)よりも位相差(=2CLK1信号)が小さいので、位相シフト量は2CLK1信号となる。
続いて、ステップS7に移行し、Y−ポリゴン位相制御回路62は、YP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を増加して、ポリゴンモータ36を減速させて位相シフトするように制御する。例えば、図10で示したように、CLK1信号を10分周したものをYP−CLK信号とし、YP−CLK信号の1周波数を1ステップとする。そして、YP−CLK信号を生成しているCLK1信号の分周値を1CLK1信号増加して分周値=11CLK1信号とし、求めた位相シフト量(2CLK1信号)を位相シフトする。1ステップ目で位相が1CLK1信号遅れ、残りの位相シフト量は1CLK1信号となって、ステップS8に移行する。
ステップS8では、位相シフト量がゼロであるか判断され、ゼロであれば位相制御処理フローは終了となる。ゼロなければ、ステップS7に戻って上記に示した位相シフトの処理が行われる。
2ステップ目で、YP−CLK信号の残りの位相シフト量は0CLK1信号となって位相が合致し、ステップS8で示したように処理が終了する。
このように、第1の実施例に係るカラー複写機100及びその制御方法によれば、ポリゴンモータ36の回転速度及びYP−CLK信号の位相を制御して画像の倍率を調整してカラー画像を形成する場合に、ポリゴンミラー42Y一面分に対してポリゴンモータ36の加速及び減速方向の安定時間が等しくなる閾値Dwと、MST−IDX2信号及びYIDX信号の位相差との大小を比較して判定し、判定結果に基づき、ポリゴンモータ36の回転速度を加速及び減速して位相を制御する。
これにより、YP−CLK信号における位相の制御時間を少なくすることができる。従って、ポリゴンモータ36が安定回転するまでの時間が短くなり、高速に色画像を形成することができるようになる。これにより、単位時間当たりのカラー画像形成枚数が増加し生産性が向上する。