以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造の概略を説明する説明図である。画像形成装置1は、例えば、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリの機能を有するデジタル複合機に適用することができる。画像形成装置1は、装置本体100、原稿読取部200及び原稿給送部300を備える。
装置本体100の上には、原稿読取部200が配置されており、原稿読取部200の上には、原稿給送部300が配置されている。
原稿給送部300は、自動原稿送り装置として機能し、原稿載置部301に置かれた複数枚の原稿を連続的に原稿読取部200に送ることができる。
原稿読取部200は、露光ランプ等を搭載したキャリッジ、ガラス等の透明部材により構成された原稿台、CCD(Charge Coupled Device)センサー及び原稿読取スリット(いずれも不図示)を備える。CCDセンサーは、読み取った原稿を画像データとして出力する。
装置本体100は、用紙貯留部101、画像形成部103及び定着部105を備える。用紙貯留部101は、装置本体100の最下部に配置されており、用紙の束を貯留することができる二つの用紙カセット101a,101bを備える。
用紙カセット101a,101bのうち、選択されたカセットに貯留された用紙の束において、最上位の用紙がピックアップローラー(不図示)の駆動により、装置本体100の用紙搬送路107へ向けて送出される。用紙は、用紙搬送路107を通って、画像形成部103へ搬送される。
用紙搬送路107は、装置本体100の一方の側面(図1において右側の側面)に沿って下方から上方に向かって略垂直方向に延設され、上方で他方の側面(図1において左側の側面)に向かうように湾曲して、原稿読取部200の下方に沿って略水平方向に延びている。そして、その端部に排出トレイ131が設けられている。
画像形成装置1は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの四つの色(複数の色)のトナー像を重畳させて形成されるカラー画像を用紙の両面に印刷する。画像形成部103は、四つの色のトナー像を形成する。画像形成部103は、トナー像を転写ベルト113に転写する順番に従って配置された、イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、ブラック画像形成ユニット111BKを備える。これらのユニットは、四つの色(複数の色)のトナー像のうち割り当てられた色のトナー像を、それぞれ形成する複数の画像形成ユニットである。これらのユニットは同様の構成を有しており、イエロー画像形成ユニット111Yを例にして説明する。
イエロー画像形成ユニット111Yは、感光体ドラム115及び露光部117を備える。感光体ドラム115の周りには、帯電部119、現像部121及びクリーニング部123が配置されている。帯電部119は、感光体ドラム115の周面を帯電させる。露光部117は、画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)に対応して変調された光ビームを生成し、帯電された感光体ドラム115の周面に照射する。これにより、感光体ドラム115の周面には、イエローの画像データに対応する静電潜像が形成される。この状態で、像担持体である感光体ドラム115の周面に、現像部121からイエロートナーを供給することにより、周面にはイエローの画像データに対応するトナー像が形成される。
転写ベルト113は、感光体ドラム115と1次転写ローラー125により挟まれた状態で反時計周りに動くことができる。イエローのトナー像は、感光体ドラム115から転写ベルト113に転写される。感光体ドラム115の周面に残っているイエロートナーは、クリーニング部123によって除去される。以上がイエロー画像形成ユニット111Yの説明である。
イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、ブラック画像形成ユニット111BKの上方には、対応する色のトナーを収容したコンテナー、すなわち、イエロートナーコンテナー127Y、マゼンタトナーコンテナー127M、シアントナーコンテナー127C、ブラックトナーコンテナー127BKが配置されている。各色の現像部121には、対応するコンテナーからトナーが補給される。
上述したように転写ベルト113には、イエローのトナー像が転写され、このトナー像に重ねてマゼンタのトナー像が転写され、同様に、シアンのトナー像、ブラックのトナー像が重ねて転写される。これにより転写ベルト113にカラーのトナー画像が形成される。このように各色のパターンのトナー像を転写ベルト113に重畳して転写することにより、転写ベルト113にカラーのトナー像(カラー画像)が形成される。カラーのトナー像は、2次転写ローラー129によって、先ほど説明した用紙貯留部101から搬送されてきた用紙に転写される。転写ベルト113及び2次転写ローラー129によって、転写部が構成される。転写部は、四つの(複数の)画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKの感光体ドラム115の周面に形成されたトナー像が重畳されたカラー画像を用紙に転写する。
カラーのトナー像(カラー画像)が転写された用紙は、定着部105に送られる。定着部105は、加熱ローラーと定着ローラーとを備える。これらのローラーによって、カラーのトナー像が転写された用紙が挟まれる。これにより、カラーのトナー像と用紙に熱と圧力が加えられて、カラーのトナー像を用紙に定着させる。用紙は排紙トレイ131に排紙される。
両面印刷の場合、定着部105を通過した用紙は、スイッチバック部106に送られる。用紙は、スイッチバック部106によって、用紙搬送路108に送られる。用紙搬送路108は、装置本体100の一方の側面(図1において右側の側面)に沿って上方から下方に向かって略垂直方向に延設されている。用紙搬送路108は、2次転写ローラー129より上流側の箇所109で、用紙搬送路107と合流している。用紙搬送路108に送られた用紙は、用紙が反転した状態で用紙搬送路107に送られ、用紙搬送路107を通って、2次転写ローラー129及び定着部105に送られる。これにより、用紙の裏面にカラー画像を転写し、定着することができる。
スイッチバック部106、用紙搬送路107及び用紙搬送路108によって、搬送部が構成される。用紙の表面にカラー画像を定着させた後、用紙の裏面にカラー画像を形成するために、搬送部は、用紙を反転させて2次転写ローラー129(転写部)及び定着部105に搬送する。
図2は、図1に示す画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作部400、制御部500及び通信部600がバスによって相互に接続された構成を有する。装置本体100、原稿読取部200及び原稿給送部300に関しては、既に説明したので、説明を省略する。
操作部400は、操作キー部401と表示部403を備える。表示部403は、タッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザーは、画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
操作キー部401には、ハードキーからなる操作キーが設けられている。具体的にはスタートキー、テンキー、ストップキー、リセットキー、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリを切り換えるための機能切換キー等が設けられている。
スタートキーは、コピー、ファクシミリ送信等の動作を開始させるキーである。テンキーは、コピー部数、ファクシミリ番号等の数字を入力するキーである。ストップキーは、コピー動作等を途中で中止させるキーである。リセットキーは、設定された内容を初期設定状態に戻すキーである。
機能切換キーは、コピーキー及び送信キー等を備えており、コピー機能、送信機能等を相互に切り替えるキーである。コピーキーを操作すれば、コピーの初期画面が表示部403に表示される。送信キーを操作すれば、ファクシミリ送信及びメール送信の初期画面が表示部403に表示される。
制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び画像メモリ等により構成される。CPUは、画像形成装置1を動作させるために必要な制御を、装置本体100等の画像形成装置1の上記構成要素に対して実行する。ROMは、画像形成装置1の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMはソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。画像メモリは、画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)を一時的に記憶する。
制御部500は、機能ブロックとして、切替制御部501、第1の基準パルス生成部503、第2の基準パルス生成部505、イエロー用制御部507、マゼンタ用制御部509、シアン用制御部511、及び、ブラック用制御部513を備える。これらの機能ブロックについては、後で説明する。
通信部600は、ファクシミリ通信部601及びネットワークI/F部603を備える。ファクシミリ通信部601は、相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリ通信用の信号を変復調する変復調回路を備える。ファクシミリ通信部601は、電話回線605に接続される。
ネットワークI/F部603は、LAN(Local Area Network)607に接続される。ネットワークI/F部603は、LAN607に接続されたパソコン等の端末装置との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置1に備えられる静電潜像形成システム3のブロック図である。図1に示すイエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、ブラック画像形成ユニット111BKのそれぞれが、静電潜像形成システム3を備える。これらの画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKに備えられる静電潜像形成システム3は、同様の構成を有しているので、イエロー画像形成ユニット111Yに備えられる静電潜像形成システム3を例にして説明する。
静電潜像形成システム3は、感光体ドラム115、帯電ローラー11、帯電バイアス生成部13、光偏向器20、露光部117、及び、イエロー用制御部507を備える。
感光体ドラム115は、像担持体の具体例である。
帯電ローラー11及び帯電バイアス生成部13により、図1に示す帯電部119が構成される。帯電ローラー11は、感光体ドラム115の周面に略点接触している。帯電ローラー11には、帯電バイアス生成部13から帯電バイアスVが供給される。
帯電バイアス生成部13は、交流バイアス生成部15と直流バイアス生成部17とを備える。帯電バイアス生成部13は、交流バイアス生成部15で生成された交流バイアスと直流バイアス生成部17で生成された直流バイアスとを重畳させた帯電バイアスVを生成する。帯電ローラー11を通して帯電バイアスVを感光体ドラム115の周面に印加することにより、感光体ドラム115の周面を帯電させる。
帯電部119は、接触帯電方式で感光体ドラム115の周面を帯電させる。感光体ドラム115の周面を帯電する方式は、接触帯電方式に限らず、コロナ帯電方式でもよい。
光偏向器20は、ポリゴンミラー21及びモーター23を備える。ポリゴンミラー21は、ミラー部として機能し、モーター23により回転させられる。レーザーダイオード29から出射された光ビームLBは、ポリゴンミラー21で反射されて、感光体ドラム115の周面に主走査ラインを描画する。
光偏向器20は、ポリゴンミラー21及びモーター23で構成されるものに限らない。光偏向器20は、ミラー部を備え、ミラー部を駆動するものであればよく、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを、光偏向器20として用いることができる。
露光部117は、光ビーム検知信号生成部25、レーザーダイオード29、及び、LDドライバー31を備える。露光部117は、さらに、光ビームLBをポリゴンミラー21や感光体ドラム115に導くレンズ(不図示)を備えるが、レンズについては説明を省略する。
光ビーム検知信号生成部25は、受光素子であるフォトダイオード27を備える。ポリゴンミラー21で偏向された光ビームLBは、フォトダイオード27で受光される。光ビーム検知信号生成部25は、フォトダイオード27から出力された信号を基にして、主走査ラインの描画を開始するタイミングの基準となる光ビーム検知信号BDを生成する。光ビーム検知信号BDは、BD(Beam Detect)信号とも称される。
LDドライバー31は、レーザーダイオード29の各種制御を実行する。詳細に説明すると、LDドライバー31は、レーザーダイオード29の駆動電流を生成する。LDドライバー31には、光ビーム検知信号BD及び用紙に印刷する画像を示す画像データ信号が入力される。
主走査ラインを描画する期間において、LDドライバー31は、レーザーダイオード29を点灯する。レーザーダイオード29から出射された光ビームLBが、ポリゴンミラー21で偏向されてフォトダイオード27で受光された後、光ビームLBが感光体ドラム115の有効走査範囲Rに到達すると、画像データ信号を基にしてレーザーダイオード29を点灯制御する。これにより、主走査ラインが感光体ドラム115に描画される。主走査ラインの描画を開始するタイミングは、光ビーム検知信号BDを基準とする。そして、LDドライバー31は、光ビームLBが有効走査範囲Rを超えると、所定のタイミングでレーザーダイオード29を強制点灯する。これにより、次の主走査ラインを描画する際において、ポリゴンミラー21で偏向された光ビームLBをフォトダイオード27で受光できるようにする。
以上のように、露光部117は、ポリゴンミラー21が回転された状態で光ビームLBを出射し、ポリゴンミラー21で偏向された光ビームLBを、感光体ドラム115の周面に照射して主走査ラインを描画することを繰り返して、感光体ドラム115の周面に静電潜像を描画する。
本実施形態は、イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、ブラック画像形成ユニット111BKのそれぞれの露光部117が、光偏向器20を備えている。しかし、光偏向器20を共用してもよい。
例えば、イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、ブラック画像形成ユニット111BKの順でタンデムに配置されている場合、イエロー画像形成ユニット111Yの露光部117とマゼンタ画像形成ユニット111Mの露光部117とが、一つの光偏向器20を共用し、シアン画像形成ユニット111Cの露光部117とブラック画像形成ユニット111BKの露光部117とが、一つの光偏向器20を共用する。
このように、本実施形態は、一つ画像形成ユニットが一つの光偏向器20を備える態様、及び、二つの画像形成ユニットが一つの光偏向器20を共用する態様に適用できる。前者の態様では、光偏向器20が四つであり、後者の態様では、光偏向器20が二つである。よって、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKの露光部117は、複数の光偏向器20のうち対応する光偏向器20のポリゴンミラー21が駆動された状態で光ビームLBを出射し、ポリゴンミラー21で偏向された光ビームLBを、感光体ドラム115の周面に照射して主走査ラインを描画することを繰り返して、静電潜像を描画する。
また、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKの光ビーム検知信号生成部25は、対応する光偏向器20のポリゴンミラー21で偏向された光ビームLBを受光するフォトダイオード27を備え、フォトダイオード27から出力された信号を用いて、主走査ラインを描画するタイミングの基準となる光ビーム検知信号BDを生成する。
イエロー用制御部507を説明する前に、図2に示す切替制御部501、第1の基準パルス生成部503、及び、第2の基準パルス生成部505を説明する。
両面カラー印刷において、用紙の表面に形成されるカラー画像を表面画像、用紙の裏面に形成されるカラー画像を裏面画像とする。表面画像の形成に用いる静電潜像を描画するモードを第1の描画モードとし、裏面画像の形成に用いる静電潜像を描画するモードを第2の描画モードとする。
第1の描画モードと第2の描画モードとで、ポリゴンミラー21(図3)の回転速度を異ならせている。この理由は、背景技術で説明したように、表面画像と裏面画像との間で副走査方向の倍率を調整するためである。第1の描画モードにおいて、ポリゴンミラー21を第1の速度で回転させ、第2の描画モードにおいて、ポリゴンミラー21を第1の速度より大きい第2の速度で回転させる。第2の描画モードでのポリゴンミラー21の回転速度が、第1の描画モードでのポリゴンミラー21の回転速度より大きいので、第2の描画モードでの光ビーム検知信号BDの周期は、第1の描画モードでの光ビーム検知信号BDの周期より短くなる。
切替制御部501は、イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、ブラック画像形成ユニット111BKのそれぞれに対して、第1の描画モードから第2の描画モードへ切り替える制御、及び、第2の描画モードから第1の描画モードへ切り替える制御を実行する。詳細に説明すると、切替制御部501がLレベルの切替信号SS(Y)をイエロー用制御部507に対して出力すると、イエロー画像形成ユニット111Yが第1の描画モードとなる。切替制御部501がHレベルの切替信号SS(Y)をイエロー用制御部507に対して出力すると、イエロー画像形成ユニット111Yが第2の描画モードとなる。
切替制御部501がLレベルの切替信号SS(M)をマゼンタ用制御部509に対して出力すると、マゼンタ画像形成ユニット111Mが第1の描画モードとなる。切替制御部501がHレベルの切替信号SS(M)をマゼンタ用制御部509に対して出力すると、マゼンタ画像形成ユニット111Mが第2の描画モードとなる。
切替制御部501がLレベルの切替信号SS(C)をシアン用制御部511に対して出力すると、シアン画像形成ユニット111Cが第1の描画モードとなる。切替制御部501がHレベルの切替信号SS(C)をシアン用制御部511に対して出力すると、シアン画像形成ユニット111Cが第2の描画モードとなる。
切替制御部501がLレベルの切替信号SS(BK)をブラック用制御部513に対して出力すると、ブラック画像形成ユニット111BKが第1の描画モードとなる。切替制御部501がHレベルの切替信号SS(BK)をブラック用制御部513に対して出力すると、ブラック画像形成ユニット111BKが第2の描画モードとなる。
第1の描画モードにおいて、切替制御部501から出力される切替信号SS(Y),SS(M),SS(C),SS(BK)をLレベルとし、第2の描画モードにおいて、切替制御部501から出力される切替信号SS(Y),SS(M),SS(C),SS(BK)をHレベルとしているが、この逆でもよい。
切替制御部501、並びに、イエロー用制御部507、マゼンタ用制御部509、シアン用制御部511、及び、ブラック用制御部513のそれぞれに備えられるモータードライバー55(図3)によって、駆動制御部が実現される。モータードライバー55は、図3を用いて後で説明するように、モーター23の回転を制御して、ポリゴンミラー21の回転を制御する。
駆動制御部は、表面画像と裏面画像との間で副走査方向の倍率を調整するために、第1の描画モードにおいて、イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、及び、ブラック画像形成ユニット111BKのそれぞれに対応する光偏向器20のポリゴンミラー21の回転速度と、第2の描画モードにおいて、それらのユニットのそれぞれに対応する光偏向器20のポリゴンミラー21の回転速度と、を異ならせる。
本実施形態では、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKが光偏向器20を備える。従って、第1の描画モードにおいて、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKに備えられる光偏向器20のポリゴンミラー21の回転速度と、第2の描画モードにおいて、それらのユニットに備えられる光偏向器20のポリゴンミラー21の回転速度と、を異ならせる。
すなわち、表面画像の形成に用いる静電潜像を描画する第1の描画モードにおいて、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKに備えられる光偏向器20のポリゴンミラー21の回転速度を第1の速度、裏面画像の形成に用いる静電潜像を描画する第2の描画モードにおいて、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKに備えられる光偏向器20のポリゴンミラー21の回転速度を、第1の速度と異なる第2の速度とする。駆動制御部は、第2の速度を第1の速度より大きくすることにより、表面画像と裏面画像との間で副走査方向の倍率を一致させる。
第1の基準パルス生成部503は、予め設定された第1の周期を有する第1の基準パルスP1を生成する。第1の基準パルスP1は、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKのそれぞれに備えられる光ビーム検知信号生成部25(図3)が、第1の描画モードにおいて生成する光ビーム検知信号BDの周期と同じ周期を有するパルスである。
第2の基準パルス生成部505は、予め設定された第2の周期を有する第2の基準パルスP2を生成する。第2の基準パルスP2は、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKのそれぞれに備えられる光ビーム検知信号生成部25が、第2の描画モードにおいて生成する光ビーム検知信号BDの周期と同じ周期を有するパルスである。
第1の基準パルス生成部503及び第2の基準パルス生成部505は、パルス生成回路である。第1の描画モードよりも第2の描画モードの方が、ポリゴンミラー21の回転速度が大きいので、第1の描画モードよりも第2の描画モードの方が、光ビーム検知信号BDの周期は短い。従って、第1の基準パルスP1の周期よりも第2の基準パルスP2の周期の方が短い。
イエロー用制御部507は、イエロー画像形成ユニット111Yにおいて、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング等を制御する。マゼンタ用制御部509は、マゼンタ画像形成ユニット111Mにおいて、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング等を制御する。シアン用制御部511は、シアン画像形成ユニット111Cにおいて、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング等を制御する。ブラック用制御部513は、ブラック画像形成ユニット111BKにおいて、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング等を制御する。これらの制御部は、同じ構成を有しており、イエロー用制御部507を例にして説明する。
イエロー用制御部507は、図3に示すように、光ビーム検知信号入力部41、光ビーム検知信号調整部43、クロック調整部47、クロック生成部51、及び、マルチプレクサ45を備えるASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
マルチプレクサ45には、第1の基準パルスP1と第2の基準パルスP2とが入力される。切替信号SS(Y)がLレベル、すなわち、イエロー用画像形成ユニット111Yが第1の描画モードのとき、マルチプレクサ45は、第1の基準パルスP1を出力する。切替信号SS(Y)がHレベル、すなわち、イエロー用画像形成ユニット111Yが第2の描画モードのとき、マルチプレクサ45は、第2の基準パルスP2を出力する。
光ビーム検知信号生成部25で生成された光ビーム検知信号BDは、光ビーム検知信号入力部41に入力し、光ビーム検知信号入力部41は、入力した光ビーム検知信号BDを光ビーム検知信号調整部43に送る。
光ビーム検知信号調整部43は、フィードバック制御により、第1の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相を第1の基準パルスP1の位相と一致させ、第2の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相を第2の基準パルスP2の位相と一致させる。本実施形態では、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミングが、光ビーム検知信号BDの生成されるタイミングとなる。光ビーム検知信号BDのパルス幅は狭いので、光ビーム検知信号BDの位相を光ビーム検知信号BDの生成されるタイミングと見なすことができる。
光ビーム検知信号調整部43について、詳しく説明する。光ビーム検知信号調整部43は、位相比較部53及びモータードライバー55を備える。モータードライバー55は、モーター23の回転を制御して、ポリゴンミラー21の回転を制御する。
位相比較部53には、光ビーム検知信号BDが入力する。また、位相比較部53には、マルチプレクサ45が第1の基準パルスP1を出力している場合、第1の基準パルスP1が入力し、マルチプレクサ45が第2の基準パルスP2を出力している場合、第2の基準パルスP2が入力する。
位相比較部53は、第1の基準パルスP1が入力している場合、すなわち、イエロー用画像形成ユニット111Yが第1の描画モードの場合、第1の基準パルスP1の位相と光ビーム検知信号BDの位相とを比較し、位相差を示すデータをモータードライバー55に送る。モータードライバー55は、そのデータを基にしてモーター23の回転を調整することにより、ポリゴンミラー21の回転を調整する。位相比較部53とモータードライバー55とがこれを繰り返すことにより、光ビーム検知信号BDの位相を第1の基準パルスP1の位相と一致させる。
また、位相比較部53は、第2の基準パルスP2が入力している場合、すなわち、イエロー用画像形成ユニット111Yが第2の描画モードの場合、第2の基準パルスP2の位相と光ビーム検知信号BDの位相とを比較し、位相差を示すデータをモータードライバー55に送る。モータードライバー55は、そのデータを基にしてモーター23の回転を調整することにより、ポリゴンミラー21の回転を調整する。位相比較部53とモータードライバー55とがこれを繰り返すことにより、光ビーム検知信号BDの位相を第2の基準パルスP2の位相と一致させる。
クロック生成部51は、交流バイアスの周期となる予め定められた周期を有するクロックCKを生成する。交流バイアス生成部15は、クロック生成部51で生成されたクロックCKを用いて交流バイアスを生成する。詳しくは、交流バイアス生成部15は、クロックCKを正弦波に変えて、その正弦波の電圧を上げることにより、交流バイアスを生成する。
クロック生成部51は、光ビーム検知信号BDの周期と同じ周期を有するクロックCKを生成する。光ビーム検知信号BDの周期は、第1の描画モードよりも第2の描画モードの方が短いので、クロックCKの周期は、第1の描画モードよりも第2の描画モードの方が短くなる。
クロック調整部47には、マルチプレクサ45が第1の基準パルスP1を出力している場合、第1の基準パルスP1が入力し、マルチプレクサ45が第2の基準パルスP2を出力している場合、第2の基準パルスP2が入力する。
クロック調整部47は、第1の基準パルスP1が入力している場合、すなわち、イエロー用画像形成ユニット111Yが第1の描画モードの場合、第1の基準パルスP1が立下がるタイミングで、帯電バイアスVが予め定められた値となるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。言い換えれば、クロック調整部47は、第1の基準パルスP1の所定の基準位相と同期したタイミングでの帯電バイアスVの値(第1の基準パルスP1の位相と同じ位相での帯電バイアスVの値)が予め定められた値V3となるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。
クロック調整部47は、第2の基準パルスP2が入力している場合、すなわち、イエロー用画像形成ユニット111Yが第2の描画モードの場合、第2の基準パルスP2が立下がるタイミングで、帯電バイアスVが予め定められた値となるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。言い換えれば、クロック調整部47は、第2の基準パルスP2の所定の基準位相と同期したタイミングでの帯電バイアスVの値(第2の基準パルスP2の位相と同じ位相での帯電バイアスVの値)が予め定められた値V3となるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。帯電バイアスVの予め定められた値は、第1の描画モードの場合と第2の描画モードの場合とで同じである。
マゼンタ用制御部509、シアン用制御部511、及び、ブラック用制御部513に備えられる光ビーム検知信号調整部43及びクロック調整部47でも、イエロー用制御部507に備えられる光ビーム検知信号調整部43及びクロック調整部47と同様の調整がされる。
本実施形態には、実施形態1、実施形態2及び実施形態3が含まれる。実施形態1から説明する。
(実施形態1)
実施形態1によれば、表面画像(用紙の表面に形成されるカラー画像)と裏面画像(用紙の裏面に形成されるカラー画像)との間で副走査方向の倍率を調整することができ、かつ、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの四つの色のトナー像を重畳させてカラー画像を形成したときに副走査方向にトナー像がずれるのを、表面画像及び裏面画像において防止できる。
表面画像と裏面画像との間で副走査方向の倍率を調整できることについては、既に説明した。すなわち、駆動制御部は、切替制御部501(図2)、並びに、イエロー用制御部507、マゼンタ用制御部509、シアン用制御部511、及び、ブラック用制御部513のそれぞれに備えられるモータードライバー55(図3)によって構成される。第1の描画モード(表面画像の形成に用いる静電潜像を描画するモード)において、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKに備えられる光偏向器20のポリゴンミラー21の回転速度を第1の速度、第2の描画モード(裏面画像の形成に用いる静電潜像を描画するモード)において、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKに備えられる光偏向器20のポリゴンミラー21の回転速度を、第1の速度と異なる第2の速度とする。駆動制御部は、第2の速度を第1の速度より大きくすることにより、表面画像と裏面画像との間で副走査方向の倍率を一致させる。
次に、四つの色のトナー像を重畳させてカラー画像を形成したときに副走査方向にトナー像がずれるのを、表面画像及び裏面画像において防止できることを説明する。
カラー画像を形成する場合、複数の光ビーム検知信号BDが用いられる。カラー画像は、複数の色のトナー画像を重畳させて形成される。複数の色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの場合、イエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、ブラックのトナー像を重畳させてカラー画像が形成される。この場合、光ビーム検知信号BDが、四つある。すなわち、イエローのトナー像に対応する静電潜像の描画に用いる光ビーム検知信号BD、マゼンタのトナー像に対応する静電潜像の描画に用いる光ビーム検知信号BD、シアンのトナー像に対応する静電潜像の描画に用いる光ビーム検知信号BD、ブラックのトナー像に対応する静電潜像の描画に用いる光ビーム検知信号BDである。
四つの光ビーム検知信号BDの位相を一致させなければ、四つの色のトナー像を重畳させたときに、最大で、1主走査ラインの幅に相当する副走査方向にズレが生じる。このため、四つの光ビーム検知信号BDの位相を一致させて、各色のトナー像に対応する静電潜像を描画する必要がある。例えば、一つの光ビーム検知信号BD(ブラック用の光ビーム検知信号BD)の位相に、残りの光ビーム検知信号BDの位相を一致させる技術(技術1)がある。
上述したポリゴンミラー21の回転速度を調整して、表面画像と裏面画像との間で副走査方向の倍率を調整する技術(技術2)では、第2の描画モードでのポリゴンミラー21の回転速度を、第1の描画モードでのポリゴンミラー21の回転速度より大きくする。よって、第1の描画モードと第2の描画モードとで光ビーム検知信号BDの周期が異なる。このため、技術2と技術1とを組み合わせた場合、光ビーム検知信号BDの周期が異なることが原因で、一つの光ビーム検知信号BDの位相に、残りの光ビーム検知信号BDの位相を一致させることができない。これについて詳細に説明する。
図4は、実施形態1において、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKの描画モードの遷移を説明する説明図である。カラー画像の両面印刷を複数の用紙に対して実行する印刷ジョブにおいて、(1)1枚目の用紙の表面に形成されるカラー画像に対応する静電潜像を描画し、(2)2枚目の用紙の表面に形成されるカラー画像に対応する静電潜像を描画し、(3)1枚目の用紙の裏面に形成されるカラー画像に対応する静電潜像を描画し、(4)3枚目の用紙の表面に形成されるカラー画像に対応する静電潜像を描画し、(5)2枚目の用紙の裏面に形成されるカラー画像に対応する静電潜像を描画し、(6)4枚目の用紙の表面に形成されるカラー画像に対応する静電潜像を描画し、(7)3枚目の用紙の裏面に形成されるカラー画像に対応する静電潜像を描画している。
(1)と(2)との間に、第2の描画モードがないのは、1枚目の用紙の表面に形成されるカラー画像に対応する静電潜像が描画された時点において、用紙の表面にカラー画像が形成された用紙がないからである。
タンデム方式の画像形成装置では、各色の画像形成ユニットがタンデムに配置されている。本実施形態では、図1に示すように、上流から順に、イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、ブラック画像形成ユニット111BKが、転写ベルト113の長手方向に沿って、タンデムに配置されている。
一つのカラー画像の形成に用いる静電潜像は、イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C、ブラック画像形成ユニット111BKの順で描画が終了する。従って、(2),(4),(6)に示すように、イエロー画像形成ユニット111Yでは、第1の描画モードが終了すれば、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C及びブラック画像形成ユニット111BKでの第1の描画モードの終了を待たずに、直ちに、第2の描画モードに切り替わる。マゼンタ画像形成ユニット111Mでは、第1の描画モードが終了すれば、シアン画像形成ユニット111C及びブラック画像形成ユニット111BKでの第1の描画モードの終了を待たずに、直ちに、第2の描画モードに切り替わる。シアン画像形成ユニット111Cでは、第1の描画モードが終了すれば、ブラック画像形成ユニット111BKでの第1の描画モードの終了を待たずに、直ちに、第2の描画モードに切り替わる。
同様に、(3),(5)に示すように、イエロー画像形成ユニット111Yでは、第2の描画モードが終了すれば、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C及びブラック画像形成ユニット111BKでの第2の描画モードの終了を待たずに、直ちに、第1の描画モードに切り替わる。マゼンタ画像形成ユニット111Mでは、第2の描画モードが終了すれば、シアン画像形成ユニット111C及びブラック画像形成ユニット111BKでの第2の描画モードの終了を待たずに、直ちに、第1の描画モードに切り替わる。シアン画像形成ユニット111Cでは、第2の描画モードが終了すれば、ブラック画像形成ユニット111BKでの第2の描画モードの終了を待たずに、直ちに、第1の描画モードに切り替わる。
以上の順次切替制御は、切替制御部501(図2)によって実行される。すなわち、切替制御部501は、イエロー画像形成ユニット111Y、マゼンタ画像形成ユニット111M、シアン画像形成ユニット111C及びブラック画像形成ユニット111BKのうち、第1の描画モードが終了した画像形成ユニットから順次、第2の描画モードに切り替え、第2の描画モードが終了した画像形成ユニットから順次、第1の描画モードに切り替える。
タンデム方式の画像形成装置1において、四つの画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKの全てが第1の描画モードを終了するまで、これらの画像形成ユニットを第1の描画モードにする制御をし、かつ、四つの画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKの全てが第2の描画モードを終了するまで、これらの画像形成ユニットを第2の描画モードにする制御をする方式も可能である。しかし、この方式では、複数枚の両面印刷を実行する場合に印刷速度の向上を図れない。そこで、順次切替制御が使用される。
順次切替制御によれば、第1の描画モードの画像形成ユニットと第2の描画モードの画像形成ユニットとが同時に存在する。よって、ブラック画像形成ユニット111BKが第2の描画モードのときに、他の色の画像形成ユニットが第1の描画モードの場合や、その逆の場合がある。第1の描画モードと第2の描画モードとでは、光ビーム検知信号BDの周期が異なる。このため、四つの光ビーム検知信号BDの位相を一致させるために、一つの光ビーム検知信号BDの位相に、残りの光ビーム検知信号BDの位相を一致させることができない。
そこで、実施形態1では、第1の描画モードの場合、四つの光ビーム検知信号BDの位相を、第1の基準パルスP1の位相に一致させる。第2の描画モードの場合、四つの光ビーム検知信号BDの位相を、第2の基準パルスP2の位相に一致させる。これを、イエロー用制御部507を例にして説明する。
図5は、イエロー用制御部507において、第1の描画モードから第2の描画モードに遷移する過程での光ビーム検知信号BD、第1の基準パルスP1及び第2の基準パルスP2を示す波形図である。第1の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの周期は第1の基準パルスP1の周期と同じであり、第2の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの周期は第2の基準パルスP2の周期と同じである。
光ビーム検知信号調整部43(図3)は、第1の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相が第1の基準パルスP1の位相と一致するように、光偏向器20を制御してポリゴンミラー21の回転を調整する。そして、イエロー用画像形成ユニット111Yの描画モードが第1の描画モードから第2の描画モードに切り替わると、光ビーム検知信号調整部43は、光ビーム検知信号BDの位相が第2の基準パルスP2の位相と一致するように、光偏向器20を制御してポリゴンミラー21の回転を調整する。
図6は、イエロー用制御部507において、第2の描画モードから第1の描画モードに遷移する過程での光ビーム検知信号BD、第1の基準パルスP1及び第2の基準パルスP2を示す波形図である。光ビーム検知信号調整部43は、第2の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相が第2の基準パルスP2の位相と一致するように、光偏向器20を制御してポリゴンミラー21の駆動を調整する。そして、イエロー用画像形成ユニット111Yの描画モードが第2の描画モードから第1の描画モードに切り替わると、光ビーム検知信号調整部43は、光ビーム検知信号BDの位相が第1の基準パルスP1の位相と一致するように、光偏向器20を制御してポリゴンミラー21の回転を調整する。
マゼンタ用制御部509、シアン用制御部511及びブラック用制御部513も同様であり、光ビーム検知信号調整部43は、第1の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相が第1の基準パルスP1の位相と一致するように、ポリゴンミラー21の回転を調整することにより、光ビーム検知信号BDの位相を調整し、第2の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相が第2の基準パルスP2の位相と一致するように、ポリゴンミラー21の回転を調整することにより、光ビーム検知信号BDの位相を調整する。
イエロー用制御部507、マゼンタ用制御部509、シアン用制御部511、及び、ブラック用制御部513に備えられる光ビーム検知信号調整部43により、位相調整部が構成される。図4で説明したように、同じ時間において、第1の描画モードの画像形成ユニットと第2の描画モードの画像形成ユニットとが混在する。位相調整部は、ポリゴンミラー21の回転を調整することにより、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKのうち第1の描画モードの画像形成ユニットに備えられる光ビーム検知信号生成部25で生成される光ビーム検知信号BDの位相を、第1の基準パルスP1の位相と一致させる調整をし、かつ、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKのうち第2の描画モードの画像形成ユニットに備えられる光ビーム検知信号生成部25で生成される光ビーム検知信号BDの位相を第2の基準パルスP2の位相と一致させる調整をする。
このように、実施形態1によれば、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKにおいて、第1の描画モードの場合、第1の基準パルスP1と位相を一致させた光ビーム検知信号BDを基準にして主走査ラインを描画することを繰り返して静電潜像を描画する。よって、表面画像を形成したときに副走査方向にトナー像がずれるのを防止できる。また、実施形態1によれば、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKにおいて、第2の描画モードの場合、第2の基準パルスP2と位相を一致させた光ビーム検知信号BDを基準にして主走査ラインを描画することを繰り返して静電潜像を描画する。よって、裏面画像を形成したときに副走査方向にトナー像がずれるのを防止できる。
従って、実施形態1によれば、四つの色のトナー像を重畳させてカラー画像を形成したときに副走査方向にトナー像がずれるのを、表面画像及び裏面画像において防止できる。
(実施形態2)
実施形態2によれば、交流バイアスを含む帯電バイアスVを用いて感光体ドラム115の周面を帯電させる方式において、交流バイアスが原因となる画質の低下を防止することができる。まず、交流バイアスが原因で画質が低下する現象について説明する。
図7は、光ビーム検知信号BDと帯電バイアスVとの関係の第1例を示す波形図である。図8は、それの第2例を示す波形図であり、図9は、それの第3例を示す波形図である。符号Vdcは、帯電バイアスVに含まれる直流バイアスの大きさを示している。帯電バイアスVの周期的変化は、交流バイアスにより生じ、交流バイアスの周期が帯電バイアスVの周期となる。
帯電バイアスVは、周期的に変化するので、感光体ドラム115の周面の位置に応じて電荷量が周期的に変化している。本実施形態では、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミングが、光ビーム検知信号BDの生成されるタイミングであり、これは、図3に示すポリゴンミラー21で偏向された光ビームLBが、フォトダイオード27によって検知されたタイミングである。光ビーム検知信号BDは、主走査ラインを描画するタイミングの基準となる。一つの光ビーム検知信号BDの立下がるタイミングが、一つの主走査ラインを描画するタイミングの基準となる。
図7に示す第1例では、光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期とが異なっているので、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミングにおいて、帯電バイアスVの値が、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミング毎に異なっている。よって、感光体ドラム115の周面において、主走査ラインが描画される箇所の電荷量の変化状態が、主走査ライン毎に異なることになる。言い換えれば、主走査方向において画像濃度の変動パターンが主走査ライン毎に異なる。これは、光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期(交流バイアスの周期)とが同じ場合や近い場合、人間の目には、画像濃度の周期的変化として見え、画質が低下する原因となる。
図8に示す第2例及び図9に示す第3例では、光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期とが同じである。このため、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミングにおいて、帯電バイアスVの値が、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミング毎に異なっておらず、同じになっている。よって、いずれも、画像濃度の周期的変化が発生しない。
しかし、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミングにおいて、帯電バイアスVの値は、図8に示す第2例ではV1であり、図9に示す第3例ではV2であり、互いに異なっている。このため、図8に示す第2例と図9に示す第3例とは、主走査方向において、画像濃度の変動のパターンが異なり、同じ画像でも、両者を比較すると画像濃度が変動して見える。このように、光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期とが同じでも、光ビーム検知信号BDが立下がるタイミングでの帯電バイアスVの値が異なる理由を説明する。
画像形成装置1において、印刷ジョブが終了し、次の印刷ジョブがなければ、次の印刷ジョブが発生するまで、制御部500(図2)は、ポリゴンミラー21の回転や帯電バイアスVの生成を停止する制御をする。次の印刷ジョブが発生することにより、ポリゴンミラー21の回転や帯電バイアスVの生成が再開される。このときに、これらの間で何ら調整がされていないと、光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期とが同じでも、光ビーム検知信号BDが立下がるタイミング(光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング)において、帯電バイアスVの値が帯電バイアスVの生成の停止前と同じにできない。
従って、例えば、ポリゴンミラー21の回転や帯電バイアスVの生成を停止する前は、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミングにおいて、帯電バイアスVの値がV1(図8)である。ポリゴンミラー21の回転や帯電バイアスVの生成を再開した場合、光ビーム検知信号BDの立下がるタイミングにおいて、帯電バイアスVの値がV2(図9)となる。
実施形態2によれば、ポリゴンミラー21の回転や帯電バイアスVの生成を停止させても、光ビーム検知信号BDが立下がるタイミングでの帯電バイアスVの値を、帯電バイアスVの生成の停止前と同じ値である予め定められた値V3にすることができる。基準パルスが第1の基準パルスP1を例にして説明するが、第2の基準パルスP2でも同じことが言える。
第1の基準パルス生成部503(図2)、第2の基準パルス生成部505(図2)、光ビーム検知信号調整部43(図3)、及び、クロック調整部47(図3)によって、調整部が構成される。調整部は、以下に説明するように、帯電バイアスVが予め定められた値V3のときに、光ビーム検知信号BDが生成されるように、光偏光器20によるポリゴンミラー21の回転及び帯電バイアスVのうち、少なくとも一方を調整する。言い換えれば、帯電バイアスVが予め定められた値V3のときに、光ビーム検知信号BDが立下がるように調整をする。
図10は、実施形態2での光ビーム検知信号BD、第1の基準パルスP1、クロックCK及び帯電バイアスVの関係を示す波形図である。図3の光ビーム検知信号調整部43は、ポリゴンミラー21の回転が停止された後、ポリゴンミラー21の回転が再開される場合に、光ビーム検知信号BDの位相が、第1の基準パルスP1の位相と一致するように、モーター23の回転を調整する。光ビーム検知信号BDの位相と第1の基準パルスP1の位相とが一致する状態は、第1の基準パルスP1の位相が、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングとなる。
図3のクロック調整部47は、帯電バイアスVの生成が停止された後、帯電バイアスVの生成が再開される場合、第1の基準パルスの所定の基準位相と同期したタイミングでの帯電バイアスVの値(言い換えれば、第1の基準パルスP1の位相と同じ位相での帯電バイアスVの値)が、帯電バイアスVの生成の停止前と同じ値である予め定められた値V3になるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。
このように、ポリゴンミラー21の回転や帯電バイアスVの生成を停止させても、光ビーム検知信号BDが立下がるタイミング(すなわち、光ビーム検知信号が生成されるタイミング)での帯電バイアスVの値を、帯電バイアスVの生成の停止前と同じ予め定められた値V3にすることができる。このため、実施形態2によれば、図8及び図9で示すように、光ビーム検知信号BDが立下がるタイミングでの帯電バイアスVの値が異なることはなく、常に、予め定められた値V3にすることができる。従って、実施形態2によれば、交流バイアスを含む帯電バイアスVを用いて感光体ドラム115の周面を帯電させる方式において、交流バイアスが原因となる画質の低下を防止することができる。
実施形態2は、カラー画像の印刷に限らず、モノクロ画像の印刷にも適用できる。また、実施形態2は、両面印刷に限らず、片面印刷にも適用できる。
実施形態2では、図10に示すように、光ビーム検知信号の周期と帯電バイアスの周期との比率が1:1である。このため、クロック生成部51は、第1の描画モードの場合、第1の基準パルスP1の周期とクロックCKの周期との比率が1:1となるクロックCKを生成する。図示はしないが、クロック生成部51は、第2の描画モードの場合、第2の基準パルスP2の周期とクロックCKの周期との比率が1:1となるクロックCKを生成する。クロック調整部47(図3)は、第1の基準パルスP1が1周期毎かつクロックCKが1周期毎において、第1の基準パルスP1の所定の基準位相と同期したタイミングでの帯電バイアスVの値(第1の基準パルスP1が立下がるタイミングでの帯電バイアスVの値)が、予め定められた値V3となるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。
このように、実施形態2では、光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期との比率が、1:1である。しかしながら、光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期との比率は、必ずしも、1:1とは限らない。光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期との比率が、m:n(m,nは互いに異なる値の整数)の場合でも、本発明を適用できる。変形例1として説明する。
図11は、変形例1での光ビーム検知信号BD、第1の基準パルスP1、第3の基準パルス、クロックCK及び帯電バイアスVとの関係を示す波形図である。光ビーム検知信号BDの周期と帯電バイアスVの周期との比率は、3:4である。
クロック生成部51(図3)は、第1の描画モードの場合、第1の基準パルスP1を用いて、第3の基準パルスを生成する。第1の基準パルスP1の周期と第3の基準パルスの周期との比率は3:4である。クロック調整部47は、第3の基準パルスが立下がるタイミングで、帯電バイアスVの値が予め定められた値V3となるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。この結果、第1の基準パルスP1が3周期毎かつクロックCKが4周期毎において、第1の基準パルスP1の所定の基準位相と同期したタイミングでの帯電バイアスVの値が予め定められた値V3となる。
図示はしないが、第2の描画モードでも同様の処理がされる。すなわち、クロック生成部51は、第2の基準パルスP2を用いて、第3の基準パルスを生成する。第2の基準パルスP2の周期と第3の基準パルスの周期との比率は3:4である。クロック調整部47は、第3の基準パルスが立下がるタイミングで、帯電バイアスVの値が予め定められた値V3となるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。この結果、第2の基準パルスP2が3周期毎かつクロックCKが4周期毎において、第2の基準パルスP2の所定の基準位相と同期したタイミングでの帯電バイアスVの値が予め定められた値V3となる。
変形例1では、光ビーム検知信号BDの毎回の立下がるタイミングにおいて、帯電バイアスVの値が予め定められた値V3とならず、光ビーム検知信号BDの3回に1回の立下がるタイミングでしか、帯電バイアスVの値を予め定められた値V3にすることができない。従って、図7に示す第1例と同様に、画像濃度の周期的変化が現れる。
光ビーム検知信号BDの数十回に一回の立下がるタイミングでしか、帯電バイアスVの値を予め定められた値V3にすることができないと、図7に示す第1例と同様に、画像濃度の周期的変化が人間の目で認識できる。しかし、変形例1のように、光ビーム検知信号BDの三回(数回)に一回の立下がるタイミングで、帯電バイアスVの値を予め定められた値V3にできれば、画像濃度の周期的変化は人間の目で認識できない。
変形例2について説明する。実施形態2では、図3及び図10に示すように、第1の描画モードにおいて、帯電バイアスVが予め定められた値V3のときに、光ビーム検知信号BDが生成されるようにするために、第1の基準パルスP1を用いて光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングを調整する。また、図示をしていないが、第2の描画モードにおいて、帯電バイアスVが予め定められた値V3のときに、光ビーム検知信号BDが生成されるようにするために、第2の基準パルスP2を用いて光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングを調整する。
変形例2では、第1の基準パルスP1や第2の基準パルスP2の替わりに、光ビーム検知信号BDをクロック調整部47(図3)に入力させる。これにより、クロック調整部47は、光ビーム検知信号BDが生成されるときに(光ビーム検知信号BDが立下がるときに)、帯電バイアスVが予め定められた値V3になるように、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。
変形例2は、第1の基準パルスP1や第2の基準パルスP2を不要にできる点で実施形態2に比べて優れている。一方、実施形態2は変形例2に比べて、以下の点で優れている。
図3に示すように、帯電バイアスVに含まれる交流バイアスは、クロックCKを用いて生成する。クロック調整部47は、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整することにより、帯電バイアスVの位相を調整する。光ビーム検知信号BDの位相(すなわち、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング)を直接の基準にして、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整することにより、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングでの帯電バイアスVの値を予め定められた値V3にすることができる(変形例2)。
しかし、変形例2では、ポリゴンミラー21の回転が安定してから(すなわち、光ビーム検知信号BDの周期が安定してから)、クロックCKを生成するタイミングを調整することにより、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングでの帯電バイアスVの値を予め定められた値V3にする。ポリゴンミラー21の回転を停止した後、ポリゴンミラー21の回転を再開した場合、ポリゴンミラー21の回転が安定するまで、比較的時間を要するので、変形例2では、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングでの帯電バイアスVの値を、迅速に予め定められた値V3にできない。
これに対して、実施形態2によれば、ポリゴンミラー21の回転を停止した後、ポリゴンミラー21の回転を再開した場合、光ビーム検知信号BDの周期と同じ周期を有する第1の基準パルスP1を用いて、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングでの帯電バイアスVの値を予め定められた値V3にする。すなわち、図10に示すように、光ビーム検知信号BDの位相(光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング)が第1の基準パルスP1の位相と一致するように、ポリゴンミラー21の回転を調整し、かつ、第1の基準パルスP1の位相と同じ位相での帯電バイアスVの値が予め定められた値V3となるように、クロックCKを生成するタイミングを調整する。このため、ポリゴンミラー21の回転が安定する前に(すなわち、光ビーム検知信号BDの周期が安定する前に)、クロックCKを生成するタイミングを調整できる。
従って、実施形態2によれば、ポリゴンミラー21の回転を停止した後、ポリゴンミラー21の回転を再開した場合、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングでの帯電バイアスVの値を、迅速に予め定められた値V3にすることができる。
(実施形態3)
実施形態3は、実施形態1と実施形態2とを組み合わせたものである。実施形態3は、実施形態1において、図5及び図6を用いて説明したように、第1の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相が第1の基準パルスP1の位相と一致するようにされ、第2の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相が第2の基準パルスP2の位相と一致するようにされる。これは、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKに備えられる光ビーム検知信号調整部43(図3)によって実行される。
また、実施形態3は、実施形態2において説明したように、第1の描画モードの場合、図10に示すように、光ビーム検知信号BDの位相が第1の基準パルスP1の位相と一致するように、光ビーム検知信号調整部43は、ポリゴンミラー21の回転を調整することにより、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングを調整する。また、第1の描画モードの場合、第1の基準パルスP1が立下がるタイミング(光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング)で、帯電バイアスVが予め定められた値V3となるように、クロック調整部47(図3)は、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。言い換えれば、第1の描画モードの場合、第1の基準パルスP1の所定の第1の基準位相と同期したタイミングでの帯電バイアスVが予め定められた値V3となるように、クロック調整部47は、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。
図示をしていないが、第2の描画モードの場合、光ビーム検知信号BDの位相が第2の基準パルスP2の位相と一致するように、光ビーム検知信号調整部43は、ポリゴンミラー21の回転を調整することにより、光ビーム検知信号BDが生成されるタイミングを調整する。また、第2の描画モードの場合、第2の基準パルスP2が立下がるタイミング(光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング)で、帯電バイアスVが予め定められた値V3となるように、クロック調整部47は、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。言い換えれば、第2の描画モードの場合、第2の基準パルスP2の所定の第2の基準位相と同期したタイミングでの帯電バイアスVが予め定められた値V3となるように、クロック調整部47は、クロック生成部51がクロックCKを生成するタイミングを調整する。
このような光ビーム検知信号調整部43及びクロック調整部47による調整が、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKにおいて実行される。
従って、実施形態3によれば、例えば、第2描画モードから第1の描画モードに遷移する場合、各画像形成ユニット111Y,111M,111C,111BKにおいて、図12に示す調整が実行される。光ビーム検知信号調整部43は、光ビーム検知信号BDの位相が第2の基準パルスP2の位相と一致している状態から、光ビーム検知信号BDの位相が第1の基準パルスP1の位相と一致した状態に切り替える。クロック調整部47は、第2の基準パルスP2が立下がるタイミング(光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング)で帯電バイアスVの値が予め定められた値V3となる状態から、第1の基準パルスP1が立下がるタイミング(光ビーム検知信号BDが生成されるタイミング)で帯電バイアスVの値が予め定められた値V3となる状態に切り替える。
実施形態3によれば、実施形態1と同様の理由により、カラー画像の両面印刷において、表面画像と裏面画像との間で副走査方向の倍率を調整することができ、かつ、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの四つの色のトナー像を重畳させたときに副走査方向にトナー像がずれるのを、表面画像及び裏面画像において防止できる。また、実施形態3によれば、実施形態2と同様の理由により、交流バイアスを含む帯電バイアスVを用いて感光体ドラム115の周面を帯電させる方式において、交流バイアスが原因で画質が低下することを防止できる。
実施形態3での第1の基準パルスP1及び第2の基準パルスP2は、実施形態1での第1の基準パルスP1及び第2の基準パルスP2と同じ役割を有すると共に、実施形態2での第1の基準パルスP1及び第2の基準パルスP2と同じ役割を有する。従って、実施形態3によれば、基準パルスの数を増やすことなく、実施形態1の効果と実施形態2の効果とを達成できる。