JP4766932B2 - 容量素子を用いたセンサの製造方法 - Google Patents

容量素子を用いたセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、容量素子を用いたセンサの製造方法に関し、特に、加速度や角速度を容量素子を用いて検出するタイプのセンサにおける効率的な配線方法に関する。
小型で単純な構造を有する加速度センサあるいは角速度センサとして、静電容量素子を利用したタイプのセンサが実用化されている。これらのタイプのセンサでは、通常、所定の自由度をもって変位可能となるように支持された重錘体を用意し、この重錘体に対して作用する加速度や角速度を、重錘体の変位として検出する機能を有している。変位の検出は、容量素子の静電容量値に基づいて行われる。
たとえば、下記の特許文献1〜3には、重錘体側に形成された変位電極と、装置筐体側に形成された固定電極とによって容量素子を構成し、この容量素子の静電容量値の変化に基づいて、重錘体の変位を検出し、作用した加速度を電気的に検出することができる加速度センサが開示されている。複数の容量素子を工夫して配置することにより、XYZ三次元座標系における各座標軸方向の変位が独立して検出可能になるため、比較的単純な構成にもかかわらず、多次元加速度センサを実現することが可能になる。
また、下記の特許文献4には、ほぼ同様の構造体を用いて角速度を検出するセンサが開示されている。角速度の検出は、所定の容量素子に交流信号を供給して、クーロン力により重錘体を運動させ、この運動中の重錘体に対して角速度が作用することにより生じるコリオリ力を、所定の容量素子の静電容量の変化として検出することにより行われる。やはり複数の容量素子を工夫して配置することにより、重錘体に、単振動、円運動、歳差運動など、所定の軌道に沿ったくり返し運動を行わせることができ、かつ、XYZ三次元座標系における所望の座標軸方向の変位が独立して検出可能になるため、比較的単純な構成にもかかわらず、複数の座標軸まわりの角速度を検出可能な多次元角速度センサを実現することが可能になる。
特開平4−299227号公報 特開平5−26754号公報 特開平5−215627号公報 特開平10−227644号公報
上述したように、静電容量素子を利用した加速度センサや角速度センサは、比較的単純な構成にもかかわらず、多次元成分の加速度や角速度を検出することができる特徴を有しており、半導体基板などを材料に用いることにより、量産化が行われている。しかしながら、容量素子を利用して力の検出や重錘体の駆動が行われるため、容量素子を構成する個々の電極に対する外部への配線が不可欠になる。
重錘体を導電性材料で構成しておけば、重錘体自身を複数の容量素子についての共通変位電極として利用することが可能になり、物理的な配線を低減させることができるが、容量素子の数に応じて、外部への物理的な配線を確保する必要があることに変わりはない。特に、多次元の加速度センサや角速度センサでは、用いる容量素子の数も多くなり、外部への物理的な配線が複雑になるのは避けられない。また、角速度センサでは、重錘体を駆動するための駆動用容量素子と、重錘体の変位を検出するための変位検出用容量素子とが必要になり、それだけ外部への配線数が増えることになる。
そこで本発明は、2枚の絶縁性基板の間に導電性基板を挟んだ三層構造を有し、容量素子によって重錘体の変位を検出する機能をもったセンサについて、外部に対する効率的な配線を行うことが可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る容量素子を用いたセンサの製造方法は、絶縁性材料からなる上方基板および絶縁性材料からなる下方基板の間に、主として導電性材料からなる中間部材を挟み込んだ固有の構造を有するセンサを製造することを前提とするものである。ここで、中間部材は、重錘体と、この重錘体を支持するために上端が上方基板に接合され下端が下方基板に接合された台座と、台座と重錘体との間を可撓性をもって接続する接続部と、によって構成されるセンサ本体構造体を有しており、重錘体に対して、加速度もしくは角速度に起因する力が作用すると、接続部の撓みにより重錘体に変位が生じるように構成されている。また、上方基板下面の重錘体に対向する部分には上方電極が形成され、下方基板上面の重錘体に対向する部分には下方電極が形成され、上方電極と重錘体の対向面とによって上部容量素子が形成され、下方電極と重錘体の対向面とによって下部容量素子が形成されており、重錘体に生じた変位を、上部容量素子および下部容量素子の静電容量に基づいて検出することにより、作用した加速度もしくは角速度を検出することができる。このようなセンサを製造することを前提として、本発明は次のようないくつかの態様をもっている。
なお、本願の「特許請求の範囲」の各請求項1〜21に記載された発明と、下記の各態様との対応関係は次のとおりである。
請求項1に記載された発明:下記の第3の態様に対応する。
請求項2に記載された発明:下記の第4の態様に対応する。
請求項3に記載された発明:下記の第7の態様に対応する。
請求項4に記載された発明:下記の第8の態様に対応する。
請求項5に記載された発明:下記の第9の態様の一部に対応する。
請求項6に記載された発明:下記の第10の態様の一部に対応する。
請求項7に記載された発明:下記の第11の態様の一部に対応する。
請求項8に記載された発明:下記の第12の態様の一部に対応する。
請求項9に記載された発明:下記の第13の態様の一部に対応する。
請求項10に記載された発明:下記の第1および第11の態様の組合せに対応する。
請求項11に記載された発明:下記の第2の態様の一部に対応する。
請求項12に記載された発明:下記の第12の態様の一部に対応する。
請求項13に記載された発明:下記の第5および第11の態様の組合せに対応する。
請求項14に記載された発明:下記の第6の態様の一部に対応する。
請求項15に記載された発明:下記の第12の態様の一部に対応する。
請求項16に記載された発明:下記の第13の態様の一部に対応する。
請求項17に記載された発明:下記の第14の態様の一部に対応する。
請求項18に記載された発明:下記の第15の態様の一部に対応する。
請求項19に記載された発明:下記の第16の態様の一部に対応する。
請求項20に記載された発明:下記の第17の態様の一部に対応する。
請求項21に記載された発明:下記の第18の態様の一部に対応する。
(1) 本発明の第1の態様は、図3に第1の実施形態として示す容量素子を用いたセンサの製造方法において、
上方基板として利用するための上方用ガラス基板と、下方基板として利用するための下方用ガラス基板と、中間部材として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する準備段階と、
シリコン基板を加工することにより、センサ本体構造体と、上方基板と下方基板とを連結するための柱状体と、を有する中間部材を形成する中間部材形成段階と、
下方用ガラス基板の上面に、下方電極と、下方電極と柱状体の下端とを接続するための下方配線層と、を形成して下方基板とする下方基板形成段階と、
上方用ガラス基板について、第1の位置に第1の貫通孔を形成し、柱状体の上端が接触することになる第2の位置に第2の貫通孔を形成し、第1の貫通孔および第2の貫通孔内に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1の貫通配線部および第2の貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階と、
上方用ガラス基板の下面に、上方電極と、上方電極と第1の貫通配線部とを接続するための上方配線層と、を形成して上方基板とする上方基板形成段階と、
中間部材もしくは中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、下方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する下方基板接合段階と、
中間部材もしくは中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、上方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する上方基板接合段階と、
上方基板の上面に、第1の貫通配線部に接続された第1の外部端子および第2の貫通配線部に接続された第2の外部端子を形成する外部端子形成段階と、
を行うようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係るセンサの製造方法において、
柱状体の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、第2の貫通孔の中心を、柱状体の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ離れた位置に設定したものである。
(3) 本発明の第3の態様は、図15に第2の実施形態として示す容量素子を用いたセンサの製造方法において、
上方基板として利用するための上方用ガラス基板と、下方基板として利用するための下方用ガラス基板と、中間部材として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する準備段階と、
シリコン基板を加工することにより、センサ本体構造体と、上方基板と下方基板とを連結するための柱状体と、を有する中間部材を形成する中間部材形成段階と、
下方用ガラス基板の上面に、下方電極と、下方電極と柱状体の下端とを接続するための下方配線層と、を形成して下方基板とする下方基板形成段階と、
上方用ガラス基板について、第1の位置および第2の位置に、それぞれ第1の貫通孔および第2の貫通孔を形成し、第1の貫通孔および第2の貫通孔内に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1の貫通配線部および第2の貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階と、
上方用ガラス基板の下面に、上方電極と、上方電極と第1の貫通配線部とを接続するための上方電極用上方配線層と、柱状体の上端と第2の貫通配線部とを接続するための下方電極用上方配線層と、を形成して上方基板とする上方基板形成段階と、
中間部材もしくは中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、下方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する下方基板接合段階と、
中間部材もしくは中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、上方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する上方基板接合段階と、
上方基板の上面に、第1の貫通配線部に接続された第1の外部端子および第2の貫通配線部に接続された第2の外部端子を形成する外部端子形成段階と、
を行うようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係るセンサの製造方法において、
柱状体の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、下方電極用上方配線層が、柱状体の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定したものである。
(5) 本発明の第5の態様は、図16に第3の実施形態として示す容量素子を用いたセンサの製造方法において、
上方基板として利用するための上方用ガラス基板と、下方基板として利用するための下方用ガラス基板と、中間部材として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する準備段階と、
シリコン基板を加工することにより、センサ本体構造体と、上方基板と下方基板とを連結するための柱状体と、を有する中間部材を形成する中間部材形成段階と、
下方用ガラス基板の上面に、下方電極と、下方電極と柱状体の下端とを接続するための下方配線層と、を形成して下方基板とする下方基板形成段階と、
上方用ガラス基板について、上方電極を形成予定の領域に含まれる第1の位置に第1の貫通孔を形成し、柱状体の上端が接触することになる第2の位置に第2の貫通孔を形成し、第1の貫通孔および第2の貫通孔内に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1の貫通配線部および第2の貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階と、
上方用ガラス基板の下面に、上方電極を形成して上方基板とする上方基板形成段階と、
中間部材もしくは中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、下方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する下方基板接合段階と、
中間部材もしくは中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、上方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する上方基板接合段階と、
上方基板の上面に、第1の貫通配線部に接続された第1の外部端子および第2の貫通配線部に接続された第2の外部端子を形成する外部端子形成段階と、
を行うようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第5の態様に係るセンサの製造方法において、
柱状体の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、第2の貫通孔の中心を、柱状体の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ離れた位置に設定したものである。
(7) 本発明の第7の態様は、図17に第4の実施形態として示す容量素子を用いたセンサの製造方法において、
上方基板として利用するための上方用ガラス基板と、下方基板として利用するための下方用ガラス基板と、中間部材として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する準備段階と、
シリコン基板を加工することにより、センサ本体構造体と、上方基板と下方基板とを連結するための柱状体と、を有する中間部材を形成する中間部材形成段階と、
下方用ガラス基板の上面に、下方電極と、下方電極と柱状体の下端とを接続するための下方配線層と、を形成して下方基板とする下方基板形成段階と、
上方用ガラス基板について、上方電極を形成予定の領域に含まれる第1の位置に第1の貫通孔を形成し、第1の位置とは別の第2の位置に第2の貫通孔を形成し、第1の貫通孔および第2の貫通孔内に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1の貫通配線部および第2の貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階と、
上方用ガラス基板の下面に、上方電極と、柱状体の上端と第2の貫通配線部とを接続するための下方電極用上方配線層と、を形成して上方基板とする上方基板形成段階と、
中間部材もしくは中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、下方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する下方基板接合段階と、
中間部材もしくは中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、上方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する上方基板接合段階と、
上方基板の上面に、第1の貫通配線部に接続された第1の外部端子および第2の貫通配線部に接続された第2の外部端子を形成する外部端子形成段階と、
を行うようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第7の態様に係るセンサの製造方法において、
柱状体の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、下方電極用上方配線層が、柱状体の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定したものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第1〜第8の態様に係るセンサの製造方法において、
貫通配線部形成段階に、上方用ガラス基板における「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる第3の位置に第3の貫通孔を形成し、この第3の貫通孔内に導電性材料を充填することにより第3の貫通配線部を形成する工程を付加し、
外部端子形成段階に、上方基板の上面に第3の貫通配線部に接続された第3の外部端子を形成する工程を付加するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第9の態様に係るセンサの製造方法において、
「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、第3の貫通孔の中心を、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ離れた位置に設定するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第1〜第8の態様に係るセンサの製造方法において、
貫通配線部形成段階に、上方用ガラス基板における第3の位置に第3の貫通孔を形成し、この第3の貫通孔内に導電性材料を充填することにより第3の貫通配線部を形成する工程を付加し、
上方基板形成段階に、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端と第3の貫通配線部とを接続するための台座用上方配線層を形成する工程を付加するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第11の態様に係るセンサの製造方法において、
「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、台座用上方配線層が、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定したものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第2,4,6,8,10,12の態様に係るセンサの製造方法において、
貫通孔配線部の形成位置、下方電極用上方配線層の終端位置、もしくは台座用上方配線層の終端位置が、柱状体の幅または「台座もしくは台座と等電位となる部分」の接触部分の幅をDとしたときに、柱状体または「台座もしくは台座と等電位となる部分」の接触部分の輪郭位置から内側方向に向かってD/3以内にくるように設定したものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第1〜第13の態様に係るセンサの製造方法において、
中間部材形成段階を、シリコン基板に対してその下面側から加工を行い、加工途中体を形成する前半段階と、加工途中体に対してその上面側から加工を行い、中間部材を形成する後半段階と、に分けて行い、
前半段階を行った後に下方基板接合段階を行い、その後に、後半段階を行い、更にその後に、上方基板接合段階を行うようにし、
下方基板接合段階では、下方基板の上面に加工途中体を載せ、加工途中体の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、下方基板の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、第1の陽極接合用電極と第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行い、
上方基板接合段階では、中間部材の上面に上方基板を載せ、この上方基板の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、下方基板の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、第1の陽極接合用電極と第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行うようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第1〜第13の態様に係るセンサの製造方法において、
中間部材形成段階を、シリコン基板に対してその上面側から加工を行い、加工途中体を形成する前半段階と、加工途中体に対してその下面側から加工を行い、中間部材を形成する後半段階と、に分けて行い、
前半段階を行った後に上方基板接合段階を行い、その後に、後半段階を行い、更にその後に、下方基板接合段階を行うようにし、
上方基板接合段階では、加工途中体の上面に上方基板を載せ、この上方基板の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、加工途中体の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、第1の陽極接合用電極と第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行い、
下方基板接合段階では、中間部材の下面に下方基板を配置し、上方基板の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、下方基板の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、第1の陽極接合用電極と第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行うようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述した第1〜第15の態様に係るセンサの製造方法において、
中間部材形成段階で、重錘体および柱状体を密閉した空間内に封止できるように、台座および外壁部を形成し、
貫通配線部形成段階で、貫通孔を密封する機能をもった貫通配線部を形成し、
上方基板接合段階および下方基板接合段階で、重錘体が密閉した空間内に封止されるように、台座および外壁部の上面および下面を上方基板および下方基板に接合するようにしたものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述した第16の態様に係るセンサの製造方法において、
上方基板接合段階および下方基板接合段階のうち、少なくとも後に行われる一方の接合段階を、真空中で行うことにより、重錘体が真空中に密閉されるようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述した第1〜第17の態様に係るセンサの製造方法において、
中間部材として利用するためのシリコン基板として、絶縁層を挟んだSOI基板を用いるようにし、この絶縁層を跨いで導通させる必要がある部分については、この絶縁層を貫通する導通部を形成するようにしたものである。
本発明に係る容量素子を用いたセンサの製造方法によれば、2枚のガラス基板と1枚のシリコン基板とを用意し、上方に配置するガラス基板には、予め貫通孔を形成して貫通配線部を形成しておくようにし、この貫通配線部をシリコン基板に接触させるようにして三層を接合するようにしたため、外部に対する効率的な配線を行うことが可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §0. 適用対象となるセンサの基本構造 >>>
本発明に係る容量素子を用いたセンサの製造方法は、絶縁性材料からなる上方基板および絶縁性材料からなる下方基板の間に、主として導電性材料からなる中間部材を挟み込んだ固有の構造を有するセンサを製造することを前提とするものである。そこで、ここでは、本発明の適用対象となるセンサの基本的な構造および基本動作を説明する。
図1は、本発明に係る製造方法の適用対象となる三層構造をもった一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。図示のとおり、このセンサは、上方基板10、中間部材20、下方基板30の三層構造を有している。上方基板10および下方基板30は、絶縁性材料からなる基板であり、この例ではガラス基板を用いている。中間部材20は、導電性材料からなり、この例ではシリコン基板に加工を施したものを用いている。図示のとおり、中間部材20は、重錘体21と、この重錘体21を支持するために上端が上方基板10に接合され下端が下方基板30に接合された台座23と、台座23と重錘体21との間を可撓性をもって接続する接続部22と、によって構成されている。
重錘体21は、加速度検出に必要な質量をもった塊であり、台座23は、この重錘体21の周囲を取り囲む筒状の構造体である。接続部22は、重錘体21と台座23とを接続する構成要素であるが、図示のとおり、その厚みが薄いために可撓性を有している。結局、重錘体21は、上方基板10、台座23、下方基板30によって形成される内部空間内に、接続部22によって宙吊りの状態で支持されている。この内部空間の壁面と重錘体21との間には、空隙部SP1,SP2が形成されており、重錘体21は、この空隙部SP1,SP2の範囲内で変位することが可能である。このセンサ全体に加速度が作用すると、重錘体21には、作用した加速度に応じた力が加わることになり、接続部22が撓みを生じ、重錘体21が変位する。この変位を検出することにより、作用した加速度を求めることができる。
重錘体21の変位を検出するために、上方基板10の下面に上方電極E1、下方基板30の上面に下方電極E2が設けられている。上方電極E1は、重錘体21の上面に対向する電極であり、この重錘体21の上面と上方電極E1とにより上部容量素子C1が形成される。一方、下方電極E2は、重錘体21の下面に対向する電極であり、この重錘体21の下面と下方電極E2とにより下部容量素子C2が形成される。
図1の上下方向に加速度が作用すると、重錘体21には上下方向の力が加わり、各容量素子C1,C2の電極間隔が変化し、その静電容量値が変わることになる。たとえば、重錘体21が図の上方へ変位すると、上方電極E1と重錘体21の上面との距離は小さくなり、上部容量素子C1の静電容量値は増加するが、下方電極E2と重錘体21の下面との距離は大きくなり、下部容量素子C2の静電容量値は減少する。重錘体21が図の下方へ変位すると、これとは逆の現象が起こる。結局、図の上下方向に作用した加速度は、上部容量素子C1の静電容量値と下部容量素子C2の静電容量値との差を検出することにより求めることが可能である。
図2は、図1に示すセンサに含まれる容量素子の等価回路である。上述したように、上部容量素子C1は、上方電極E1と重錘体21の上面によって構成され、下部容量素子C2は、下方電極E2と重錘体21の下面によって構成されている。ここで、重錘体21は、主として導電性材料からなる1つの塊であるため、この等価回路に示すとおり、上部容量素子C1の下側の電極(重錘体21の上面)と下部容量素子C2の上側の電極(重錘体21の下面)とは等電位となる。したがって、このセンサについて外部への配線を行うためには、図示のとおり、3つの外部端子T1,T2,T3を設けておけばよい。
したがって、図1に示す構造の場合、上方電極E1を外部端子T1へと配線し、下方電極E2を外部端子T2へと配線し、重錘体21を外部端子T3へと配線する必要がある。利用上の便宜を考慮すると、これら3つの外部端子T1〜T3は、たとえば、上方基板10の上面など、同一面上に配置するのが好ましい。本発明は、このような外部端子への配線を効率的に行うための製造方法を提供するものである。
なお、以下の実施形態では、説明の便宜上、図1に示すような一次元加速度センサを製造するプロセスに本発明を適用した例を述べるが、本発明は、必ずしも一次元加速度センサへの適用に限定されるものではなく、多次元加速度センサへも同様に適用可能である。多次元の加速度を検出するためには、より多数の電極を設け、重錘体21の変位形態をより詳細に検出できるようにすればよい。このような多次元加速度センサについての電極配置は、前掲の各特許文献などに開示されているため、ここでは具体的な説明は省略する。
また、本発明は、一次元もしくは多次元の角速度センサを製造するプロセスにも適用可能である。たとえば、XYZ三次元座標系上で、X軸まわりの角速度を検出するためには、重錘体21をY軸方向に振動させた状態において、Z軸方向に作用するコリオリ力を検出すればよい。この場合、重錘体21を振動させるために、励振用の電極を配置し、コリオリ力を重錘体21の変位として検出するために、検出用の電極を配置することになるので、やはりより多数の電極を形成する必要がある。このような多次元角速度センサについての電極配置も、前掲の各特許文献などに開示されているため、ここでは具体的な説明は省略する。
このように、本発明は、一次元か多次元かに拘わらず、あるいは、加速度センサか角速度センサかに拘わらず、絶縁性材料からなる上方基板および絶縁性材料からなる下方基板の間に、主として導電性材料からなる中間部材を挟み込んだ三層構造を有し、上方基板の下面に1枚もしくは複数枚の上方電極が形成され、下方基板の上面に1枚もしくは複数枚の下方電極が形成されたセンサについて共通して適用可能な技術である。
本発明に係る製造方法は、上述したように、配線の効率化を目的としたものであり、次の3つの重要な特徴を有している。第1の特徴は、上方基板10および下方基板30としてガラス基板を用い、中間部材20としてシリコン基板を加工したものを用い、これら三層を陽極接合により互いに接合するようにした点にある。陽極接合は、半導体デバイスの製造で広く用いられている技術であり、ガラス基板とシリコン基板との接合に特に適した接合方法である。第2の特徴は、下方基板30側に形成された下方電極E2に対する配線を行うために、シリコン基板の一部から形成した柱状体を用いるようにした点にある。そうすることにより、中間部材20の一構成要素である柱状体を、そのまま配線の用に供することが可能になる。そして第3の特徴は、予め上方基板10に貫通孔を開け、この貫通孔内に導電性材料を充填することにより貫通配線部を形成しておき、そのような準備がなされた上方基板10を中間部材20へと接合するようにする点にある。中間部材20に対する接合を行う前に、上方基板10側に貫通配線部を形成するようにしたため、断線などが生じることのない良好な配線形成が可能になる。
以下、本発明の具体的な実施形態のいくつかを、図を参照しながら説明する。なお、以下に述べる個々の実施形態は、それぞれセンサの製造プロセスの手順を示すものであるが、個々の実施形態ごとに、配線の方法が異なるため、それぞれ完成品としてのセンサの構造も異なったものとなる。もっとも、これらの構造の相違は、配線に係る部分についての相違であり、センサとしての本質的な機能に係る部分についての相違ではない。
<<< §1. 第1の実施形態 >>>
まず、ここで述べる第1の実施形態に係る方法で製造されたセンサの基本形態を、図3の縦断面図を参照しながら説明する。この図3に示すセンサは、一次元加速度センサであり、その基本原理は図1に示したセンサと全く同様である。すなわち、基本的には、絶縁性材料からなる上方基板100および絶縁性材料からなる下方基板300の間に、導電性材料からなる中間部材200を挟み込んだ三層構造を有している。ここで、上方基板100および下方基板300はガラス基板からなり、中間部材200はシリコン基板を加工することによって構成されている。
中間部材200のうち、図の右半分に示されている部分が、センサ本体構造体をなす部分(図1の中間部材20に対応する部分)である。すなわち、図3に示すセンサの場合、センサ本体構造体は、重錘体210と、この重錘体210を支持するために上端が上方基板100に接合され下端が下方基板300に接合された台座230と、台座230と重錘体210との間を可撓性をもって接続する接続部220と、によって構成される。このセンサ本体構造体の機能は、図1に示すセンサにおける中間部材20の機能と全く同様であり、重錘体210に対して、加速度もしくは角速度に起因する力が作用すると、接続部220の撓みにより重錘体210に変位が生じるように構成されている。
また、上方基板100下面の重錘体210に対向する部分には上方電極E1が形成され、下方基板300上面の重錘体210に対向する部分には下方電極E2が形成され、上方電極E1と重錘体210の対向面(上面)とによって上部容量素子C1が形成され、下方電極E2と重錘体210の対向面(下面)とによって下部容量素子C2が形成されている点も、図1に示すセンサと全く同様である。もちろん、重錘体210に生じた変位を、上部容量素子C1および下部容量素子C2の静電容量に基づいて検出することにより、作用した加速度もしくは角速度を検出する点も、図1に示すセンサと全く同様である。
ここでは、この図3に示すセンサの製造プロセスを説明する便宜上、その構造をより詳細に説明しておく。図4は、図3に示すセンサを切断線4−4に沿って切断した横断面図である。前述したように、重錘体210、接続部220、台座230によって構成されるセンサ本体構造体は、図4の右側半分を占めている。この例では、重錘体210は、横断面が正方形をなす角柱によって構成され、台座230は、その周囲を取り囲む「ロ」の字型の構造体からなる。接続部220は、重錘体210と台座230との間に形成された肉厚の薄い部分であり、その上方の空間に空隙部SP1が形成されることになる。なお、図3に示すように、重錘体210の下方には、空隙部SP2が形成されている。
一方、図4の左側半分には、配線の役割を果たすための柱状体240と、これを囲う外壁部235とが設けられている。柱状体240は、下方電極E2に対する配線を行うためのものである。すなわち、図3に示すとおり、下方電極E2には、下方配線層L2が接続されており、この下方配線層L2は、柱状体240の下端に接触した状態となっている。結局、下方電極E2は柱状体240に電気的に接続された状態となっており、下方電極E2についての外部端子T2を上方基板100側に配置するための配線路が形成されている。
この柱状体240も、重錘体210と同様に、横断面が正方形をなす角柱によって構成されている。ただし、図3に示されているとおり、柱状体240の上端は上方基板100の下面に接合されており、下端は下方基板300の上面に接合されており、完全に固定された状態となっている。また、重錘体210は、加速度や角速度の検出を行うのに十分な質量を有している必要があるが、柱状体240は、配線として機能するのに十分な太さを有していれば足りる。
柱状体240と外壁部235との間には、空隙部SP3が形成されているが、これは、柱状体240が外壁部235に対して電気的に接触しないようにするための配慮である。外壁部235は、構造上、台座230に連なっており、電気的には、重錘体210と等電位となる。空隙部SP3を設けて、柱状体240を外壁部235から隔絶する構造にすることにより、柱状体240を重錘体210と電気的に絶縁状態に維持することが可能になる。なお、図4において、下方配線層L2は、台座230(図の右半分と左半分との仕切りとして機能している部分)の下を通り抜けているが、図3に示すように、この通り抜け部分に相当する台座230の下面側には、空隙部SP4を形成するためのトンネルが設けられているため、下方配線層L2と台座230とは電気的に隔絶されている。
図3に示すとおり、上方基板100には、3カ所に貫通孔が形成されており、これらの貫通孔内に、それぞれ貫通配線部H1,H2,H3が形成されており、上方基板100の上面には、各貫通配線部H1,H2,H3に接合するように、外部端子T1,T2,T3が形成されている。また、上方基板100の下面には、上方電極E1と貫通配線部H1とを接続するための上方配線層L1が形成されている。
結局、上方電極E1は、上方配線層L1および貫通配線部H1を介して外部端子T1へと配線され、下方電極E2は、下方配線層L2、柱状体240、貫通配線部H2を介して外部端子T2へと配線され、重錘体210は、接続部220、台座230、貫通配線部H3を介して外部端子T3へと配線されることになる。その結果、図2に示す等価回路に必要な3つの外部端子T1,T2,T3が、いずれも上方基板100の上面に配置されることになる。
続いて、この図3に示す構造を有するセンサの製造工程を順に説明する。まず、準備段階として、上方基板100として利用するための上方用ガラス基板と、下方基板300として利用するための下方用ガラス基板と、中間部材200として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する。上方用ガラス基板および下方用ガラス基板は、いずれも中間部材200として利用するためのシリコン基板に対して陽極接合するのに適したガラス(可動イオンを含むガラス)を用いた基板にする。
次に、用意した下方用ガラス基板の上面に、下方電極E2および下方配線層L2を形成して下方基板300とする下方基板形成段階を行う。図5は、このようにして形成された下方基板300の上面図である。下方電極E2は、重錘体210の下面に対向する位置に形成され、下方配線層L2は、この下方電極E2と柱状体240の下端とを接続するのに適した位置に形成される。下方電極E2および下方配線層L2は、どのような材質で形成してもかまわないが、実用上は、下方用ガラス基板の上面全面にアルミニウムやクロムなどの金属層を形成した後、これをパターニングすることにより形成するのが好ましい。
続いて、用意したシリコン基板を加工することにより、センサ本体構造体および柱状体を有する中間部材200を形成する中間部材形成段階を行う。前述したとおり、センサ本体構造体は、重錘体210、接続部220、台座230から構成され、柱状体240は、上方基板100と下方基板300とを連結する構造体によって構成される。ただ、図3に示すとおり、この中間部材200は若干複雑な構造を有しており、特に、センサ本体構造体を構成するためには、用意したシリコン基板の上面側からの加工と、下面側からの加工が必要になる。
そこで、ここで述べる実施形態では、この中間部材形成段階を、用意したシリコン基板に対してその下面側から加工を行い、加工途中体200′を形成する前半段階と、加工途中体に対してその上面側から加工を行い、中間部材200を形成する後半段階と、に分けて行うようにしている。図6は、この前半段階によって形成された加工途中体200′の縦断面図である。図示のとおり、この加工途中体200′は、シリコン基板の下面に、空隙部SP2およびSP4′を形成したものである。ここで、空隙部SP2は、図3に示す空隙部SP2であり、下方電極E2と重錘体210との間に必要な空間を確保するためのものである。一方、空隙部SP4′は、図3に示す空隙部SP4に、更に、空隙部SP3となるべき部分を加え、図5に示す下方配線層L2の配置空間を確保するようにしたものである。
シリコン基板の下面に、このような空隙部SP2,SP4′を形成するには、たとえば、下面側からのエッチング工程を行えばよい。このようなシリコン基板に対するエッチング工程は、種々の方法が公知であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
こうして、図6に示す加工途中体200′が準備できたら、その下面に、図5に示す下方基板300を接合する下方基板接合段階を行う。この接合は、陽極接合(Anodic bonding)によって行われる。図7は、下方基板300上に加工途中体200′を載せて両者を陽極接合している状態を示す縦断面図である。加工途中体200′の下面には、既に、空隙部SP2,SP4′が形成されているので、下方基板300の上面に形成されている下方電極E2および下方配線層L2は、この空隙部内に収容された状態になる。ただし、下方配線層L2の終端位置(図7の左端)は、空隙部SP4′から更に左方へ食み出している。このため、下方配線層L2の終端部は、加工途中体200′の下面によって踏みつけられ、若干、押し潰された状態になる。
陽極接合は、半導体製造プロセスなどにおいて、ガラス基板とシリコン基板との接合に利用されている接合方法であり、接合対象となる両基板を物理的に接触させた状態にし、所定の温度条件下で両基板間に電界をかけることにより行われる。ここに示す実施形態では、図7に示すように、下方基板300の上面に加工途中体200′を載せ、加工途中体200′の上面に第1の陽極接合用電極EE1を接触させ、下方基板300の下面に第2の陽極接合用電極EE2を接触させ、第1の陽極接合用電極EE1と第2の陽極接合用電極EE2との間に電界をかけながら陽極接合を行っている。具体的には、ここで述べる実施形態の場合、第1の陽極接合用電極EE1側が正、第2の陽極接合用電極EE2側が負となるように両電極間に1000V程度の電界を加え、シリコンからなる加工途中体200′側が陽極となるようにしている。このとき、ガラス基板がパイレックス(登録商標)ガラスの場合、温度400°C程度の加熱環境下におくことにより、ガラス側を軟化させるようにすれば、両者が固相で接合される。下方配線層L2の終端部は、互いに陽極接合された柱状体240(現時点では、加工途中体200′の一部分)の下面と下方基板300の上面との間に挟まれた状態になり、柱状体240に対する良好な導通状態が確保される。
こうして、下方基板接合段階が完了したら、陽極接合用電極EE1,EE2を取り外し、中間部材形成段階の後半段階を行う。すなわち、加工途中体200′に対して、その上面側から加工を行い、中間部材200を形成する。図8は、加工途中体200′に対して、加工の後半段階を実行することにより、中間部材200を形成した状態を示す縦断面図である。上面側からの加工により、空隙部SP1,SP3となる溝が掘られ、図示のとおり、重錘体210、接続部220、台座230、外壁部235、柱状体240をもった中間部材200が形成される。加工途中体200′の上面に、このような空隙部SP1,SP3を形成するには、やはり公知の方法を利用して、上面側からのエッチング工程を行えばよい。
続いて、用意した上方用ガラス基板の3カ所に、貫通孔を形成し、各貫通孔内に導電性材料を充填することにより、貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階を行う。図9は、上方基板100の上面図であり、3つの貫通配線部H1,H2,H3が形成された状態が示されている。ここで、第1の貫通配線部H1は、図3に示すように、上方配線層L1を介して上方電極E1に対する配線を行うのに適した位置であれば、任意の位置に形成することができる。一方、第2の貫通配線部H2は、柱状体240の上端が接触することになる位置に形成するようにし、第3の貫通配線部H3は、台座230の上端が接触することになる位置に形成するようにする。なお、図4に示すように、外壁部235は、台座230と等電位となる部分であるので、第3の貫通配線部H3は、必ずしも台座230の上端が接触することになる位置に形成する必要はなく、外壁部235のように、台座230と等電位となる部分の上端が接触することになる位置に形成することも可能である。
ガラス基板に貫通孔を形成するには、ブラスト法、超音波法、そしてドリルを用いた機械的加工など、一般的な方法を用いればよい。貫通孔に充填する導電性材料は、どのような材料でもかまわないが、一般的には、アルミニウムや銅などの金属を充填し、金属からなる貫通配線部を形成すればよい。ただ、貫通孔へ金属を充填する場合に、溶融金属を流し込んだり、蒸発させた金属を貫通孔内に堆積させる一般的な方法を採ると、充填むらが生じ、形成した貫通配線部が断線を生じる可能性があるので、できるだけ充填むらが生じないような方法を採るのが好ましい。たとえば、金属を樹脂に溶かして、比較的粘性の低い溶融物を作成し、この溶融物を貫通孔に流し込んでむらなく充填した後、樹脂を蒸発させて除去するような手法を用いると効果的である。
次に、上方用ガラス基板の下面に、上方電極E1および上方配線層L1を形成して上方基板とする上方基板形成段階を行う。図10は、上方基板100の下面図であり、上方電極E1および上方配線層L1の平面形状および位置が明瞭に示されている。上方電極E1は、重錘体210の上面に対向する位置に形成され、上方配線層L1は、この上方電極E1と第1の貫通配線部H1とを接続するのに適した位置に形成される。図示の例では、上方配線層L1の右端は、ちょうど第1の貫通配線部H1の直下まで伸びている。上方電極E1および上方配線層L1は、どのような材質で形成してもかまわないが、実用上は、上方用ガラス基板の下面全面にアルミニウムや銅などの金属層を形成した後、これをパターニングすることにより形成するのが好ましい。
ここで重要な点は、図9に示す貫通配線部H1,H2,H3を形成した後に、図10に示す上方電極E1および上方配線層L1を形成する点である。この順序を逆にすると、貫通孔内に導電性材料を充填する工程を十分に行うことができなくなり、貫通配線部に断線が生じるおそれがある。もちろん、理論的には、貫通孔を形成し、更に、下面に上方電極E1および上方配線層L1を形成した上方基板100を、中間部材200に接合し、その後に各貫通配線部H1,H2,H3を形成するようなことも可能であるが、既に上方電極E1および上方配線層L1を形成した状態、あるいは更に中間部材200に接合した状態において、貫通孔内に導電性材料をむらなく充填する処理は比較的困難であり、形成された貫通配線部に断線が生じる可能性が高い。そこで、上述したように、両面に何も形成されていない状態のガラス基板に、まず、貫通配線部H1,H2,H3を形成しておき、その後で、このガラス基板の下面に、上方電極E1および上方配線層L1を形成するようにすれば、断線が生じることのない貫通配線部を形成しやすくなる。
こうして、上方基板100が作成できたら、これを図8に示す中間部材200の上面に陽極接合する上方基板接合段階を行う。図11は、この陽極接合を行っている状態を示す縦断面図である。図示のとおり、この上方基板接合段階では、中間部材200の上面に上方基板100を載せ、この上方基板100の上面に第1の陽極接合用電極EE1を接触させ、下方基板300の下面に第2の陽極接合用電極EE2を接触させ、第1の陽極接合用電極EE1と第2の陽極接合用電極EE2との間に電界をかけながら陽極接合が行われる。具体的には、この実施形態の場合、第1の陽極接合用電極EE1側が負、第2の陽極接合用電極EE2側が正となるように両電極間に1000V程度の電界を加え、温度400°C程度の加熱環境下において接合を行っている。
なお、中間部材200に対しては、下方基板300を挟んで間接的に第2の陽極接合用電極EE2からの電界が加わることになるが、中間部材200側が正、上方基板100側が負となるような電界がかかり、中間部材200の上面と上方基板100の下面とが固相で接合される。このとき、第2の貫通配線部H2の下端は柱状体240の上面に接合され、両者間には良好な電気的接触が確保される。同様に、第3の貫通配線部H3の下端は台座230の上面に接合され、両者間には良好な電気的接触が確保される。
こうして、上方基板接合段階が完了したら、陽極接合用電極EE1,EE2を取り外し、上方基板100の上面に、各貫通配線部H1,H2,H3に接続された外部端子T1,T2,T3を形成する外部端子形成段階を行う。図12は、こうして外部端子T1,T2,T3を形成した後の上方基板100の状態を示す上面図である。なお、この図には、説明の便宜上、各貫通配線部H1,H2,H3の位置も示してあるが、実際には、これら各貫通配線部H1,H2,H3は、各外部端子T1,T2,T3の下層に隠れ、上面からは見えない。図示の例では、各外部端子T1,T2,T3は、いずれも円形の端子であり、外周部付近で各貫通配線部H1,H2,H3に接触する位置に配置されているが、これら外部端子は各貫通配線部H1,H2,H3に電気的に接続されていれば、形状や位置は任意でかまわない。
かくして、図3に示すような三層構造からなる一次元加速度センサが得られることになる。実用上は、図12に示されている各外部端子T1,T2,T3をそれぞれ所定の検出用電気回路に配線し、図2の等価回路に示されているとおり、外部端子T1,T3間の静電容量を上部容量素子C1の静電容量として検出し、外部端子T2,T3間の静電容量を下部容量素子C2の静電容量として検出すればよい。
ところで、図3において、第2の貫通配線部H2は、柱状体240の中心位置ではなく、中心から若干ずれた位置に配置されている。同様に、第3の貫通配線部H3も、台座230の接触部分の中心位置ではなく、中心から若干ずれた位置に配置されている。このように、貫通配線部を、その電気的な接合相手である柱状体240や台座230の接触部分の中心位置からずらして配置しているのは、上方基板接合段階における陽極接合を妨げないようにするための配慮である。
たとえば、上方基板接合段階において、図13(a) に示すように、柱状体240の上面と上方基板100の下面とを陽極接合することを考える。このとき、上方基板100側に形成されている第2の貫通配線部H2は、柱状体240に対して良好な電気的な接触を確保する必要があるので、本来であれば、図13(a) に示す例のように、第2の貫通配線部H2の中心位置を、柱状体240の中心位置に揃えるようにするのが好ましい。このように、両者の中心位置を揃えておけば、多少の位置合わせ誤差が生じたとしても、両者間に良好な電気的接触が確保される可能性が高いからである。
しかしながら、本発明のように、上方基板100と中間部材200とを陽極接合することを前提とした場合、第2の貫通配線部H2の中心位置と柱状体240の中心位置とを揃えると、陽極接合に固有の弊害が生じる可能性がある。前述したとおり、陽極接合を行うには、接合対象となる2枚の基板間に電界を加える必要がある。図13(a) に示す例の場合、上方基板100の上面には、第1の陽極接合用電極EE1が載せられ、上方基板100と柱状体240との間に所定の電界が加えられる。ところが、第2の貫通配線部H2は導電性を有しているため、その下端までもが第1の陽極接合用電極EE1と等電位になってしまう。
そもそも陽極接合は、可動イオンを含むガラス基板の厚み方向に電界を加え、ガラス基板中のイオンを移動させることを利用した接合方法であり、本来であれば、上方基板100の厚み方向に所定の電界が加わらねばならない。ところが、第2の貫通配線部H2の存在により、その近傍には、上方基板100の厚み方向への有効な電界が加わらなくなる。その結果、図13(a) に×印を示したように、貫通配線部H2の近傍部分では、柱状体240と上方基板100との間の陽極接合の強度が不十分になる可能性がある。その結果、柱状体240と第2の貫通配線部H2との間の電気的な接触も不完全になる可能性がある。
そこで、ここで述べる実施形態では、図13(b) に示すように、第2の貫通配線部H2の中心位置を、柱状体240の中心位置から若干ずらすような設定を行っている。この場合、やはり図13(b) に×印を示したように、貫通配線部H2の近傍部分(図の右側部分)では、柱状体240と上方基板100との間の陽極接合の強度が不十分になる可能性があるが、貫通配線部H2から離れた部分(図の左側部分)では、上方基板100の厚み方向について有効な電界が加わり、十分な接合強度が得られることになる。かくして、全体としてみれば、柱状体240の上端が上方基板100に対して十分な強度をもって陽極接合されるようになる。
このように、第2の貫通配線部H2の配置を、柱状体240の中心位置から若干ずらすには、貫通配線部形成段階でガラス基板に貫通孔を形成する際に、この第2の貫通配線部H2のための貫通孔の中心を、柱状体240の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ離れた位置に設定すればよい。柱状体240の中心からどの程度離せばよいかは、上方基板100の厚み、柱状体240の幅、貫通配線部H2の幅、加える電圧値などに依存した値になると考えられるが、本願発明者が行った実験によると、図13(b) に示すように、柱状体240の上方基板100に対する接触部分の幅をDとしたときに、この柱状体240の輪郭位置から内側方向に向かってD/3以内の範囲に貫通配線部H2が含まれるような設定を行うと、陽極接合により、柱状体240と上方基板100との間に十分な接合強度が確保できることが確認できた。
なお、図13では、柱状体240と上方基板100との間で良好な陽極接合を行うために、第2の貫通配線部H2の好ましい配置を説明したが、第3の貫通配線部H3の配置に関しても同じことが言える。すなわち、図3に示すように、第3の貫通配線部H3は、台座230の接触部分の中心位置ではなく、中心から左側に若干ずれた位置に配置されているが、これも、台座230の上面と上方基板100の下面との間に、十分な強度をもった陽極接合がなされるようにするための配慮である。
また、前述したとおり、第3の貫通配線部H3は、必ずしも台座230と接続する必要はなく、台座230と等電位となる部分(たとえば、外壁部235)に接続してもかまわない。この場合も、第3の貫通配線部H3は、台座230と等電位となる接触部分の中心位置ではなく、中心から若干ずれた位置に配置すればよい。
第3の貫通配線部H3についてのずれ量の目安は、第2の貫通配線部H2についてのずれ量の目安と同様に、「台座230もしくは台座と等電位となる部分(たとえば、外壁部235)」の接触部分の幅をDとしたときに、「台座230もしくは台座と等電位となる部分(たとえば、外壁部235)」の接触部分の輪郭位置から内側方向に向かってD/3以内にくるように設定すればよい。
<<< §2. 第2の実施形態 >>>
続いて、本発明の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態における柱状体240と第2の貫通配線部H2との接続方法を若干変更したものである。図14は、この変更された接続方法を示す縦断面図である。図13(a) ,(b) に示す第1の実施形態では、第2の貫通配線部H2の下端を、柱状体240の上端に直接的に接続させる方法をとっているのに対し、図14に示す第2の実施形態では、第2の貫通配線部H2′を下方電極用上方配線層L2′を仲介して間接的に柱状体240に接続させている。図示の例では、下方電極用上方配線層L2′の右端は第2の貫通配線部H2′の直下に位置し、左端は、柱状体240と上方基板100との間に挟まった状態となっている。このように、下方電極用上方配線層L2′を仲介して柱状体240と第2の貫通配線部H2′とを接続するようにしても、前掲の第1の実施形態とほぼ同様に、効率的な配線が可能になる。
なお、図14に示す構造において、柱状体240の上面と上方基板100の下面とを陽極接合するには、上方基板100の上面に第1の陽極接合用電極EE1を載せ、上方基板100と柱状体240との間に所定の電界を加える必要がある。したがって、ここでも、第2の貫通配線部H2′が導電性を有しているため、下方電極用上方配線層L2′の左端までもが第1の陽極接合用電極EE1と等電位になってしまう現象が生じる。このため、下方電極用上方配線層L2′の左端があまり左方まで伸びていると、柱状体240と上方基板100との接触部分に関して、上方基板100の厚み方向に加えられる電界が不十分になり、十分な強度をもった陽極接合が行われない可能性がある。
そこで、この第2の実施形態の場合は、柱状体240の上端が上方基板100に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、下方電極用上方配線層L2′が、柱状体240の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定すればよい。図14に示す例の場合、図に×印を示したように、下方電極用上方配線層L2′の終端部近傍では、上方基板100の厚み方向に十分な電界が加わらなくなり、柱状体240と上方基板100との間の陽極接合の強度が不十分になる可能性がある。しかしながら、下方電極用上方配線層L2′の終端部分から離れた部分(図の左側部分)では、上方基板100の厚み方向について有効な電界が加わり、十分な接合強度が得られることになる。かくして、全体としてみれば、柱状体240の上端が上方基板100に対して十分な強度をもって陽極接合されるようになる。
下方電極用上方配線層L2′の終端を、柱状体240の上端が接触することになる領域の中心からどの程度離せばよいかは、上方基板100の厚み、柱状体240の幅、下方電極用上方配線層L2′の幅、加える電圧値などに依存した値になると考えられるが、本願発明者が行った実験によると、図14に示すように、柱状体240の上方基板100に対する接触部分の幅をDとしたときに、この柱状体240の輪郭位置から内側方向に向かってD/3以内の範囲に下方電極用上方配線層L2′の終端がくるようにすれば(別言すれば、柱状体240の輪郭位置から内側方向に向かってD/3を越える領域に、下方電極用上方配線層L2′が侵入しないようにすれば)、陽極接合により、柱状体240と上方基板100との間に十分な接合強度が確保できた。
図15は、この第2の実施形態に係る製造方法を適用することにより得られた一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。図3に示すセンサとの相違は、第2の貫通配線部H2′、外部端子T2′、下方電極用上方配線層L2′の部分だけであり、その他の構造は、図3に示す第1の実施形態に係るセンサと全く同様である。この図15に示すセンサの場合、下方電極E2に対する外部への配線は、下方配線層L2、柱状体240、下方電極用上方配線層L2′、第2の貫通配線部H2′、外部端子T2′という経路を経ることになる。
ここで述べる第2の実施形態に係る製造方法は、次のとおりである。まず、準備段階において、上方用ガラス基板、下方用ガラス基板、シリコン基板、をそれぞれ用意する点は、前述の第1の実施形態と全く同じである。そして、下方用ガラス基板の上面に、下方電極E2および下方配線層L2を形成して下方基板300とする下方基板形成段階を行い、シリコン基板に対して下方側からの加工を行い、図6に示す加工途中体200′を作成し、下方基板接合段階を行い、図8に示す構造体を得る点も、前述の第1の実施形態と全く同じである。
続いて、上方用ガラス基板について、3つの貫通孔を形成し、各貫通孔内に導電性材料を充填することにより、3つの貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階も、前述の第1の実施形態とほぼ同じである。ただし、ここで形成する3つの貫通配線部は、H1,H2′,H3ということになる。貫通配線部H2′は、第1の実施形態における貫通配線部H2と同様に、下方電極E2に対する配線機能を有しているが、その形成位置は、柱状体240の上端が接触することになる位置ではなく、下方電極用上方配線層L2′による配線が可能な位置であれば、任意の位置でよい。
次に、上方用ガラス基板の下面に、上方電極E1、上方配線層L1(この実施形態では、L2′と区別するために、上方電極用上方配線層L1と呼ぶ)、下方電極用上方配線層L2′を形成する。ここで、下方電極用上方配線層L2′は、第2の貫通配線部H2′と柱状体240とを接続するのに適した位置に形成すればよい。ただし、前述したように、柱状体240の上端が上方基板100に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、下方電極用上方配線層L2′が、柱状体240の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ離れた位置で終端するように設定するのが好ましく、より具体的には、柱状体240の上方基板100に対する接触部分の幅をDとしたときに、この柱状体240の輪郭位置から内側方向に向かってD/3以内の範囲に下方電極用上方配線層L2′の終端がくるように設定するのが好ましい。
こうして、上方基板100の準備ができたら、これを中間部材200の上面に接合する上方基板接合段階を行う。この上方基板接合段階も、前述した第1の実施形態とほぼ同様のプロセスで行われる。すなわち、中間部材200の上に、上方基板100を載せ、第1の陽極接合用電極EE1と第2の陽極接合用電極EE2とにより上下方向に電界をかけ、所定温度に加熱することにより、中間部材200の上面と上方基板100の下面とを陽極接合する。なお、このとき、下方電極用上方配線層L2′の終端部は、柱状体240と上方基板100との間に挟まれ、若干潰れた状態になる。図14に示すように、図に×印を付した右側部分の接合は不十分になる可能性があるが、左側部分では、柱状体240と上方基板100とが十分な強度で接合されることになり、両者に挟まれた下方電極用上方配線層L2′の終端部は、柱状体240に対して良好な電気的接触を確保する。
最後に、上方基板100の上面に、外部端子T1,T2′,T3を形成し、各貫通配線部H1,H2′,H3に接続させる。以上で、図15に示す構造をもったセンサを製造することができる。
<<< §3. 第3の実施形態 >>>
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態は、前述した第1の実施形態における上方電極E1と第1の貫通配線部H1との接続方法を若干変更したものである。図3に示す第1の実施形態に係る構造では、第1の貫通配線部H1は、上方電極E1の近傍に配置され、両者間は上方配線層L1によって接続されていた。これに対して、ここで述べる第3の実施形態では、第1の貫通配線部H1を上方電極E1の直上に配置することにより、上方配線層L1を省略できるようにしたものである。
図16は、この第3の実施形態に係る製造方法を適用することにより得られた一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。第1の実施形態に係る製造方法で得られるセンサの構造との唯一の相違点は、図3に示す第1の貫通配線部H1の位置を、図16に示す第1の貫通配線部H1′の位置に変更し、上方配線層L1を省略するようにした点のみである。図16を見れば明らかなように、貫通配線部H1′,H2,H3は、それぞれ上方電極E1,柱状体240,台座230の真上に配置されているため、上方基板100の下面には、上方電極E1のみを形成すれば足り、配線層は一切不要になる。この点において、ここで述べる第3の実施形態は、本願実施形態の中でも、非常に単純な配線によって構成される実施形態と言うことができる。
この第3の実施形態に係る製造方法は、前述した第1の実施形態に係る製造方法と、次の2つの相違点を除いて全く同様である。第1の相違点は、貫通配線部形成段階において、上方用ガラス基板に形成する3つの貫通孔の位置である。すなわち、第2の貫通配線部H2および第3の貫通配線部H3の形成位置は、第1の実施形態と全く同じであるが、第1の貫通配線部H1′を、上方電極E1を形成する予定の領域に含まれる位置に形成するようにする点が異なる。その結果、図16に示すように、第1の貫通配線部H1′は、上方電極E1の真上に形成されることになる。一方、第2の相違点は、上方基板形成段階において、上方用ガラス基板の下面に形成する導電層が、上方電極E1のみになるという点である。上述したように、上方配線層L1を形成する必要はない。
<<< §4. 第4の実施形態 >>>
続いて、本発明の第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態は、前述した第2の実施形態における上方電極E1と第1の貫通配線部H1との接続方法を若干変更したものである。すなわち、図15に示す第2の実施形態に係る構造では、第1の貫通配線部H1は、上方電極E1の近傍に配置され、両者間は上方配線層L1によって接続されていた。これに対して、ここで述べる第4の実施形態では、第1の貫通配線部H1を上方電極E1の直上に配置することにより、上方配線層L1を省略できるようにしたものである。
図17は、この第4の実施形態に係る製造方法を適用することにより得られた一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。第2の実施形態に係る製造方法で得られるセンサの構造との唯一の相違点は、図15に示す第1の貫通配線部H1の位置を、図17に示す第1の貫通配線部H1′の位置に変更し、上方配線層L1を省略するようにした点のみである。図17を見れば明らかなように、貫通配線部H2′は、下方電極用上方配線層L2′を介して柱状体240に接続されているが、貫通配線部H1′,H3は、それぞれ上方電極E1,台座230の真上に配置されている。このため、上方基板100の下面には、上方電極E1と下方電極用上方配線層L2′を形成すれば足り、上方電極用上方配線層L1は不要になる。
この第3の実施形態に係る製造方法は、前述した第2の実施形態に係る製造方法と、次の2つの相違点を除いて全く同様である。第1の相違点は、貫通配線部形成段階において、上方用ガラス基板に形成する3つの貫通孔の位置である。すなわち、第2の貫通配線部H2′および第3の貫通配線部H3の形成位置は、第2の実施形態と全く同じであるが、第1の貫通配線部H1′を、上方電極E1を形成する予定の領域に含まれる位置に形成するようにする点が異なる。その結果、図17に示すように、第1の貫通配線部H1′は、上方電極E1の真上に形成されることになる。一方、第2の相違点は、上方基板形成段階において、上方用ガラス基板の下面に形成する導電層が、上方電極E1および下方電極用上方配線層L2′になるという点である。上述したように、上方電極用上方配線層L1を形成する必要はない。
<<< §5. その他の変形例 >>>
これまで、本発明に係る容量素子を用いたセンサの製造方法を4つの実施形態に基づいて説明したが、ここでは、これら4つの実施形態に対する更なる変形例を述べる。
(1) これまで述べた4つの実施形態では、いずれも第3の貫通配線部H3を台座230の真上に設け、第3の貫通配線部H3の底部を台座230の上面に直接的に接合する形態をとっているが、両者は必ずしも直接的に接合する必要はなく、上方基板100の下面に形成した台座用上方配線層を介して間接的に接合するようにしてもかまわない。この場合、第3の貫通配線部H3は、台座230の真上ではなく、その近傍の任意の位置に形成すればよく、上方基板形成段階において、上方基板100の下面に、第3の貫通配線部H3と台座230とを接続するための台座用上方配線層を形成すればよい。
なお、既に述べたとおり、第3の貫通配線部H3は、必ずしも台座230に対して電気的に接続する必要はなく、「台座230と等電位となる部分」(たとえば、外壁部235)に接続してもかまわない。しかも、この場合も、第3の貫通配線部H3を、「台座230と等電位となる部分」の真上に形成して、第3の貫通配線部H3を「台座230と等電位となる部分」に直接的に接合してもよいし、第3の貫通配線部H3を任意の位置に形成して、第3の貫通配線部H3と「台座230と等電位となる部分」との間を、上方基板100の下面に形成した台座用上方配線層を介して間接的に接合してもかまわない。
また、既に述べたとおり、台座230もしくは「台座230と等電位となる部分」と、上方基板100との間に、良好な陽極接合を確保するためには、陽極接合時に、上方基板100の厚み方向に必要な電界を加える必要がある。したがって、実用上は、「台座230もしくは台座と等電位となる部分」の上端が上方基板100に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、台座用上方配線層が、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定するのが好ましい。より具体的には、台座用上方配線層の終端位置が、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の接触部分の幅をDとしたときに、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の接触部分の輪郭位置から内側方向に向かってD/3以内にくるように設定するのが好ましい。
(2) これまで述べた4つの実施形態では、外部端子T3を上方基板100上に形成するために、いずれも第3の貫通配線部H3を設けているが、外部端子T3は、必ずしも上方基板100の上面に形成する必要はない。そもそも、外部端子T3は、重錘体210に対する配線であるが、前述した実施形態の場合、図4の横断面図からも明らかなように、重錘体210、接続部220、台座230、外壁部235は、いずれも電気的には等電位となる部材であるので、これらの各部材のいずれもが、外部端子T3と同等の機能を果たすことができる。したがって、上方基板100の上面に必ずしも外部端子T3を設けなくても、大きな支障は生じない。
図18は、図16に示す第3の実施形態に係るセンサ構造から、貫通配線部H3および外部端子T3を除いた変形例を示す縦断面図である。これらを除いたことにより、この図18に示す配線形態は、本願の中で最も単純な配線形態となっている。上方基板100の上面には、上方電極E1に対する外部端子T1および下方電極E2に対する外部端子T2しか形成されていないので、重錘体210に対する配線を別途確保する必要があるが、たとえば、台座230や外壁部235は、重錘体210と等電位であるので、台座230や外壁部235の外面を重錘体210に対する外部端子T3として代用することが可能である。
たとえば、図2に示す等価回路において、外部端子T3を接地端子として利用することにすれば、図18に示すセンサにおける中間部材200の外周面を、そのまま接地して用いることができる。もちろん、この図18に示す例のように、第3の貫通配線部H3および外部端子T3を省略する場合、貫通配線部形成段階では、第3の貫通配線部H3の形成プロセスを省略することができ、外部端子形成段階では、外部端子T3の形成プロセスを省略することができる。
(3) これまで述べた4つの実施形態では、シリコン基板から中間部材200を形成する中間部材形成段階を、シリコン基板に対してその下面側から加工を行い、加工途中体200′を形成する前半段階と、この加工途中体200′に対してその上面側から加工を行い、中間部材を形成する後半段階と、に分けて行い、前半段階を行った後に、図7に示すような陽極接合プロセスによる下方基板接合段階を行い、その後に、後半段階を行い、更にその後に、図11に示すような陽極接合プロセスによる上方基板接合段階を行うようにしているが、前半段階と後半段階の内容を入れ替えるようにしてもかまわない。
具体的には、中間部材形成段階を、シリコン基板に対してその上面側から加工を行い、加工途中体を形成する前半段階と、加工途中体に対してその下面側から加工を行い、中間部材を形成する後半段階と、に分けて行い、前半段階を行った後に上方基板接合段階(上面側からの加工が完了した加工途中体の上に上方基板を接合する段階)を行い、その後に、後半段階を行い、更にその後に、下方基板接合段階(下面側からの加工を終えて形成された中間部材の下に下方基板を接合する段階)を行うようにしてもかまわない。
この場合、上方基板接合段階では、加工途中体の上面に上方基板を載せ、この上方基板の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、加工途中体の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、第1の陽極接合用電極と第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行うようにし、下方基板接合段階では、中間部材の下面に下方基板を配置し、上方基板の上面に第1の陽極接合電極を接触させ、下方基板の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、第1の陽極接合用電極と第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行うようにすればよい。
もちろん、中間部材形成段階は、シリコン基板を加工することにより、センサ本体構造体(重錘体210、接続部220、台座230)と、上方基板と下方基板とを連結するための柱状体240と、を有する中間部材200を形成することができれば、どのような形態で行ってもかまわないので、上述した例のように、必ずしも前半段階と後半段階とに分けて行う必要はない。ただ、中間部材200の形態まで加工が完了してしまうと、柱状体240がセンサ本体構造体から物理的に分離した形になってしまうため、量産を行う上では好ましくない。したがって、実用上は、これまで述べてきた例のように、シリコン基板に対してその下面側もしくは上面側からの加工を行う前半段階を行い、加工途中体の形態にした後、これを下方基板もしくは上方基板のいずれかに接合し、その後に、加工途中体に対して反対の面側からの加工を行う後半段階を行うようにするのが好ましい。
(4) これまで述べた4つの実施形態では、中間部材形成段階で、図4の横断面図に示すように、重錘体210の周囲を取り囲むような台座230が形成され、柱状体240の周囲を取り囲むような外壁部235が形成されている。また、中間部材200の下面と下方基板300との間は陽極接合され、中間部材200の上面と上方基板100との間も陽極接合されている。この陽極接合は、極めて密閉性の高い接合であるので、貫通配線部形成段階において、貫通孔を密封する機能をもった貫通配線部を形成するようにすれば、重錘体210および柱状体240は、上方基板100および下方基板300と、中間部材200の外周部とによって囲まれた空間内に完全に密封された状態になる。
前述したように、本発明では、上方電極や上方配線層などを形成したり、陽極接合を行ったりする前に、予め上方用ガラス基板に貫通配線部を形成する工程を行っておくようにしている。そのため、ガラス基板に貫通孔を形成し、その中に導電性材料を充填する、という処理を、何の制約もなしに行うことができる。したがって、貫通孔を完全に密封する機能をもった貫通配線部を、比較的容易に形成することができ、センサ内部を密閉状態に維持することが可能になる。たとえば、図3に示す例の場合、空隙部SP2と空隙部SP3とは、トンネル状の空隙部SP4を介して連結されているが、外部とは完全に遮断された状態となる。同様に、空隙部SP1も、外部と完全に遮断された状態となっている。
このように、重錘体が密閉した空間内に封止されるように、台座230および外壁部235の上面および下面を上方基板100および下方基板300に接合するようにすると、センサの内部が外部から完全に遮断された状態となるので、外部からの水の侵入などを防ぐことができ、センサの信頼性、耐久性を向上する上で好ましい。また、このセンサを量産する場合、ウエハ上に多数のセンサチップを形成し、最終的にダイシング工程を行って、個々のセンサチップごとに切り離すことになるが、このダイシング工程では、通常、水が用いられるので、センサ内部が密閉された状態になっていれば、ダイシング工程時における水の侵入を防ぐ効果も得られる。
このような密閉性を利用すれば、センサ内部を真空にし、重錘体210が真空中に密閉されるようにすることも可能である。具体的には、上方基板接合段階および下方基板接合段階のうち、少なくとも後に行われる一方の接合段階を、真空中で行うようにすればよい。たとえば、前述した第1の実施形態の場合、図11に示す上方基板接合段階を真空チャンバ内で行うようにすれば、重錘体210を真空中に密閉することができる。重錘体210の変位空間を真空に維持することは、センサの検出精度を高める上でメリットがある。特に、角速度センサの場合、重錘体210を振動させる必要があるが、変位空間に空気が存在すると、重錘体210に空気によるダンパー効果が加えられることになり好ましくない。したがって、実用上は、角速度センサを製造する場合、上方基板接合段階および下方基板接合段階のうち、少なくとも後に行われる一方の接合段階を、真空チャンバ内で行うのが極めて好ましい。
(5) これまで述べた例では、いずれも中間部材200として利用するためのシリコン基板として、全体が導電性をもったシリコンのみの基板を用いた例であるが、本発明において、中間部材200の材料として利用する「シリコン基板」とは、必ずしも全体がすべてシリコンから構成されている基板である必要はない。たとえば、シリコン層/酸化シリコン層/シリコン層という3層構造をもったSOI(Silicon On Insulator)基板は、半導体デバイスの製造に多用される基板であるが、本発明を実施する上では、このように、間に酸化シリコン層などの絶縁層を挟んだシリコン基板を加工して、中間部材200を構成することも可能である。
別言すれば、本発明に係るセンサにおける中間部材200は、主として導電性材料からなる基板を加工して構成されたものであればよく、全体がすべて導電性材料で構成されている必要はない。本発明にいう「シリコン基板」とは、主としてシリコンの層から構成されている基板を広く意味するものであり、上述したSOI基板なども含むものである。
もっとも、SOI基板のように、間に絶縁層を含むシリコン基板を中間部材200の材料として用いた場合は、この絶縁層を跨いで導通させる必要がある部分については、この絶縁層を貫通する導通部を形成する工程を行うようにする。たとえば、柱状体240は、下方電極E2に対する配線として機能する構成要素であるので、上端から下端までが電気的に導通している必要がある。したがって、SOI基板を用いて中間部材200を構成する場合には、この柱状体240を構成する部分に関しては、絶縁層を貫通する導通部を形成しておき、上端から下端までを導通させる必要がある。
(6) これまで述べてきた個々の実施形態を構成する各段階は、必ずしも上述のとおりの順序で行う必要はなく、発明の本質を損なわない範囲内で、その順序を入れ替えてもかまわない。たとえば、前述した第1の実施形態では、下方基板300を形成する下方基板形成段階を、上方基板100を形成する上方基板形成段階より先に行うような説明を行ったが、これらの各段階の順序を逆にしても、発明の本質には何ら変わりはなく、両段階を行う順序は任意でかまわない。
(7) 本願明細書では、説明の便宜上、一次元加速度センサを製造するプロセスに本発明を適用した例を述べたが、前述したとおり、本発明は、一次元加速度センサへの適用に限定されるものではなく、多次元加速度センサへも同様に適用可能であり、また、一次元もしくは多次元の角速度センサへも同様に適用可能である。すなわち、上方電極の枚数が増えた場合には、第1の貫通配線部H1の数をそれに応じて増加させればよく、下方電極の枚数が増えた場合には、柱状体240および第2の貫通配線部H2の数をそれに応じて増加させればよい。
本発明に係る製造方法の適用対象となる三層構造をもった一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。 図1に示すセンサに含まれる容量素子の等価回路である。 本発明の第1の実施形態に係る製造方法を適用することにより得られた一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。 図3に示すセンサを切断線4−4に沿って切断した横断面図である。 図3に示すセンサの下方基板300の上面図である。 図3に示すセンサにおける中間部材200を形成するプロセスの前半段階で得られる加工途中体200′の縦断面図である。 図5に示す下方基板300上に図6に示す加工途中体200′を載せて両者を陽極接合している状態を示す縦断面図である。 図7に示す加工途中体200′に対して、加工の後半段階を実行することにより、中間部材200を形成した状態を示す縦断面図である。 図3に示すセンサの上方基板100の上面図である。 図3に示すセンサの上方基板100の下面図である。 図8に示す中間部材200上に図9および図10に示す上方基板100を載せて両者を陽極接合している状態を示す縦断面図である。 図9に示す上方基板100上に外部配線用の端子を形成した状態を示す上面図である。 本発明における貫通配線部の好ましい配置を示すための縦断面図である。 本発明における貫通配線部の好ましい別な配置を示すための縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る製造方法を適用することにより得られた一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る製造方法を適用することにより得られた一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る製造方法を適用することにより得られた一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。 本発明の変形例に係る製造方法を適用することにより得られた一次元加速度センサの基本形態を示す縦断面図である。
符号の説明
10…上方基板
20…中間部材
21…重錘体
22…接続部
23…台座
30…下方基板
100…上方基板(ガラス基板)
200…中間部材(導電性をもったシリコン基板を加工したもの)
200′…加工途中体
210…重錘体(導電体)
220…接続部(導電体)
230…台座(導電体)
235…外壁部(導電体)
240…柱状体(導電体)
300…下方基板(ガラス基板)
C1…上部容量素子
C2…下部容量素子
D…柱状体240の幅
E1…上方電極
E2…下方電極
EE1…第1の陽極接合用電極
EE2…第2の陽極接合用電極
H1,H1′…第1の貫通配線部
H2,H2′…第2の貫通配線部
H3…第3の貫通配線部
L1…上方配線層(上方電極用上方配線層)の
L2…下方配線層
L2′…下方電極用上方配線層
L3…台座用上方配線層
SP1〜SP4,SP4′…空隙部
T1,T2,T2′,T3…外部端子

Claims (21)

  1. 絶縁性材料からなる上方基板および絶縁性材料からなる下方基板の間に、主として導電性材料からなる中間部材を挟み込んだ構造を有し、
    前記中間部材は、重錘体と、この重錘体を支持するために上端が前記上方基板に接合され下端が前記下方基板に接合された台座と、前記台座と前記重錘体との間を可撓性をもって接続する接続部と、によって構成されるセンサ本体構造体を有し、前記重錘体に対して、加速度もしくは角速度に起因する力が作用すると、前記接続部の撓みにより前記重錘体に変位が生じるように構成され、
    前記上方基板下面の前記重錘体に対向する部分には上方電極が形成され、前記下方基板上面の前記重錘体に対向する部分には下方電極が形成され、前記上方電極と前記重錘体の対向面とによって上部容量素子が形成され、前記下方電極と前記重錘体の対向面とによって下部容量素子が形成され、
    前記重錘体に生じた変位を、前記上部容量素子および前記下部容量素子の静電容量に基づいて検出することにより、作用した加速度もしくは角速度を検出することができるセンサについて、当該センサを製造する方法であって、
    前記上方基板として利用するための上方用ガラス基板と、前記下方基板として利用するための下方用ガラス基板と、前記中間部材として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する準備段階と、
    前記シリコン基板を加工することにより、前記センサ本体構造体と、前記上方基板と前記下方基板とを連結するための柱状体と、を有する中間部材を形成する中間部材形成段階と、
    前記下方用ガラス基板の上面に、前記下方電極と、前記下方電極と前記柱状体の下端とを接続するための下方配線層と、を形成して下方基板とする下方基板形成段階と、
    前記上方用ガラス基板について、第1の位置および第2の位置に、それぞれ第1の貫通孔および第2の貫通孔を形成し、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔内に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1の貫通配線部および第2の貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階と、
    前記上方用ガラス基板の下面に、前記上方電極と、前記上方電極と前記第1の貫通配線部とを接続するための上方電極用上方配線層と、前記柱状体の上端と前記第2の貫通配線部とを接続するための下方電極用上方配線層と、を形成して上方基板とする上方基板形成段階と、
    前記中間部材もしくは前記中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、前記下方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する下方基板接合段階と、
    前記中間部材もしくは前記中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、前記上方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する上方基板接合段階と、
    前記上方基板の上面に、前記第1の貫通配線部に接続された第1の外部端子および前記第2の貫通配線部に接続された第2の外部端子を形成する外部端子形成段階と、
    を有することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法において、
    柱状体の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、下方電極用上方配線層が、柱状体の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  3. 絶縁性材料からなる上方基板および絶縁性材料からなる下方基板の間に、主として導電性材料からなる中間部材を挟み込んだ構造を有し、
    前記中間部材は、重錘体と、この重錘体を支持するために上端が前記上方基板に接合され下端が前記下方基板に接合された台座と、前記台座と前記重錘体との間を可撓性をもって接続する接続部と、によって構成されるセンサ本体構造体を有し、前記重錘体に対して、加速度もしくは角速度に起因する力が作用すると、前記接続部の撓みにより前記重錘体に変位が生じるように構成され、
    前記上方基板下面の前記重錘体に対向する部分には上方電極が形成され、前記下方基板上面の前記重錘体に対向する部分には下方電極が形成され、前記上方電極と前記重錘体の対向面とによって上部容量素子が形成され、前記下方電極と前記重錘体の対向面とによって下部容量素子が形成され、
    前記重錘体に生じた変位を、前記上部容量素子および前記下部容量素子の静電容量に基づいて検出することにより、作用した加速度もしくは角速度を検出することができるセンサについて、当該センサを製造する方法であって、
    前記上方基板として利用するための上方用ガラス基板と、前記下方基板として利用するための下方用ガラス基板と、前記中間部材として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する準備段階と、
    前記シリコン基板を加工することにより、前記センサ本体構造体と、前記上方基板と前記下方基板とを連結するための柱状体と、を有する中間部材を形成する中間部材形成段階と、
    前記下方用ガラス基板の上面に、前記下方電極と、前記下方電極と前記柱状体の下端とを接続するための下方配線層と、を形成して下方基板とする下方基板形成段階と、
    前記上方用ガラス基板について、前記上方電極を形成予定の領域に含まれる第1の位置に第1の貫通孔を形成し、前記第1の位置とは別の第2の位置に第2の貫通孔を形成し、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔内に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1の貫通配線部および第2の貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階と、
    前記上方用ガラス基板の下面に、前記上方電極と、前記柱状体の上端と前記第2の貫通配線部とを接続するための下方電極用上方配線層と、を形成して上方基板とする上方基板形成段階と、
    前記中間部材もしくは前記中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、前記下方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する下方基板接合段階と、
    前記中間部材もしくは前記中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、前記上方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する上方基板接合段階と、
    前記上方基板の上面に、前記第1の貫通配線部に接続された第1の外部端子および前記第2の貫通配線部に接続された第2の外部端子を形成する外部端子形成段階と、
    を有することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  4. 請求項3に記載の製造方法において、
    柱状体の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、下方電極用上方配線層が、柱状体の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法において、
    貫通配線部形成段階に、上方用ガラス基板における「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる第3の位置に第3の貫通孔を形成し、この第3の貫通孔内に導電性材料を充填することにより第3の貫通配線部を形成する工程を付加し、
    外部端子形成段階に、上方基板の上面に前記第3の貫通配線部に接続された第3の外部端子を形成する工程を付加したことを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法において、
    「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、第3の貫通孔の中心を、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ離れた位置に設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法において、
    貫通配線部形成段階に、上方用ガラス基板における第3の位置に第3の貫通孔を形成し、この第3の貫通孔内に導電性材料を充填することにより第3の貫通配線部を形成する工程を付加し、
    上方基板形成段階に、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端と前記第3の貫通配線部とを接続するための台座用上方配線層を形成する工程を付加したことを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法において、
    「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、台座用上方配線層が、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  9. 請求項2,4,6,8のいずれかに記載の製造方法において、
    貫通孔配線部の形成位置、下方電極用上方配線層の終端位置、もしくは台座用上方配線層の終端位置が、柱状体の幅または「台座もしくは台座と等電位となる部分」の接触部分の幅をDとしたときに、柱状体または「台座もしくは台座と等電位となる部分」の接触部分の輪郭位置から内側方向に向かってD/3以内にくるように設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  10. 絶縁性材料からなる上方基板および絶縁性材料からなる下方基板の間に、主として導電性材料からなる中間部材を挟み込んだ構造を有し、
    前記中間部材は、重錘体と、この重錘体を支持するために上端が前記上方基板に接合され下端が前記下方基板に接合された台座と、前記台座と前記重錘体との間を可撓性をもって接続する接続部と、によって構成されるセンサ本体構造体を有し、前記重錘体に対して、加速度もしくは角速度に起因する力が作用すると、前記接続部の撓みにより前記重錘体に変位が生じるように構成され、
    前記上方基板下面の前記重錘体に対向する部分には上方電極が形成され、前記下方基板上面の前記重錘体に対向する部分には下方電極が形成され、前記上方電極と前記重錘体の対向面とによって上部容量素子が形成され、前記下方電極と前記重錘体の対向面とによって下部容量素子が形成され、
    前記重錘体に生じた変位を、前記上部容量素子および前記下部容量素子の静電容量に基づいて検出することにより、作用した加速度もしくは角速度を検出することができるセンサについて、当該センサを製造する方法であって、
    前記上方基板として利用するための上方用ガラス基板と、前記下方基板として利用するための下方用ガラス基板と、前記中間部材として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する準備段階と、
    前記シリコン基板を加工することにより、前記センサ本体構造体と、前記上方基板と前記下方基板とを連結するための柱状体と、を有する中間部材を形成する中間部材形成段階と、
    前記下方用ガラス基板の上面に、前記下方電極と、前記下方電極と前記柱状体の下端とを接続するための下方配線層と、を形成して下方基板とする下方基板形成段階と、
    前記上方用ガラス基板について、第1の位置に第1の貫通孔を形成し、前記柱状体の上端が接触することになる第2の位置に第2の貫通孔を形成し、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔内に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1の貫通配線部および第2の貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階と、
    前記上方用ガラス基板の下面に、前記上方電極と、前記上方電極と前記第1の貫通配線部とを接続するための上方配線層と、を形成して上方基板とする上方基板形成段階と、
    前記中間部材もしくは前記中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、前記下方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する下方基板接合段階と、
    前記中間部材もしくは前記中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、前記上方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する上方基板接合段階と、
    前記上方基板の上面に、前記第1の貫通配線部に接続された第1の外部端子および前記第2の貫通配線部に接続された第2の外部端子を形成する外部端子形成段階と、
    を有し、
    前記貫通配線部形成段階に、前記上方用ガラス基板における第3の位置に第3の貫通孔を形成し、この第3の貫通孔内に導電性材料を充填することにより第3の貫通配線部を形成する工程を付加し、
    前記上方基板形成段階に、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端と前記第3の貫通配線部とを接続するための台座用上方配線層を形成する工程を付加したことを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  11. 請求項10に記載の製造方法において、
    柱状体の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、第2の貫通孔の中心を、柱状体の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ離れた位置に設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  12. 請求項10または11に記載の製造方法において、
    「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、台座用上方配線層が、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  13. 絶縁性材料からなる上方基板および絶縁性材料からなる下方基板の間に、主として導電性材料からなる中間部材を挟み込んだ構造を有し、
    前記中間部材は、重錘体と、この重錘体を支持するために上端が前記上方基板に接合され下端が前記下方基板に接合された台座と、前記台座と前記重錘体との間を可撓性をもって接続する接続部と、によって構成されるセンサ本体構造体を有し、前記重錘体に対して、加速度もしくは角速度に起因する力が作用すると、前記接続部の撓みにより前記重錘体に変位が生じるように構成され、
    前記上方基板下面の前記重錘体に対向する部分には上方電極が形成され、前記下方基板上面の前記重錘体に対向する部分には下方電極が形成され、前記上方電極と前記重錘体の対向面とによって上部容量素子が形成され、前記下方電極と前記重錘体の対向面とによって下部容量素子が形成され、
    前記重錘体に生じた変位を、前記上部容量素子および前記下部容量素子の静電容量に基づいて検出することにより、作用した加速度もしくは角速度を検出することができるセンサについて、当該センサを製造する方法であって、
    前記上方基板として利用するための上方用ガラス基板と、前記下方基板として利用するための下方用ガラス基板と、前記中間部材として利用するためのシリコン基板と、をそれぞれ用意する準備段階と、
    前記シリコン基板を加工することにより、前記センサ本体構造体と、前記上方基板と前記下方基板とを連結するための柱状体と、を有する中間部材を形成する中間部材形成段階と、
    前記下方用ガラス基板の上面に、前記下方電極と、前記下方電極と前記柱状体の下端とを接続するための下方配線層と、を形成して下方基板とする下方基板形成段階と、
    前記上方用ガラス基板について、前記上方電極を形成予定の領域に含まれる第1の位置に第1の貫通孔を形成し、前記柱状体の上端が接触することになる第2の位置に第2の貫通孔を形成し、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔内に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1の貫通配線部および第2の貫通配線部を形成する貫通配線部形成段階と、
    前記上方用ガラス基板の下面に、前記上方電極を形成して上方基板とする上方基板形成段階と、
    前記中間部材もしくは前記中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、前記下方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する下方基板接合段階と、
    前記中間部材もしくは前記中間部材を形成する途中段階の加工途中体と、前記上方基板との間に電界をかけながら、両者を陽極接合する上方基板接合段階と、
    前記上方基板の上面に、前記第1の貫通配線部に接続された第1の外部端子および前記第2の貫通配線部に接続された第2の外部端子を形成する外部端子形成段階と、
    を有し、
    前記貫通配線部形成段階に、前記上方用ガラス基板における第3の位置に第3の貫通孔を形成し、この第3の貫通孔内に導電性材料を充填することにより第3の貫通配線部を形成する工程を付加し、
    前記上方基板形成段階に、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端と前記第3の貫通配線部とを接続するための台座用上方配線層を形成する工程を付加したことを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  14. 請求項13に記載の製造方法において、
    柱状体の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、第2の貫通孔の中心を、柱状体の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ離れた位置に設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  15. 請求項13または14に記載の製造方法において、
    「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が上方基板に対して十分な強度をもって陽極接合されるように、台座用上方配線層が、「台座もしくは台座と等電位となる部分」の上端が接触することになる領域の中心から所定距離だけ手前の位置で終端するように設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  16. 請求項11,12,14,15のいずれかに記載の製造方法において、
    貫通孔配線部の形成位置、下方電極用上方配線層の終端位置、もしくは台座用上方配線層の終端位置が、柱状体の幅または「台座もしくは台座と等電位となる部分」の接触部分の幅をDとしたときに、柱状体または「台座もしくは台座と等電位となる部分」の接触部分の輪郭位置から内側方向に向かってD/3以内にくるように設定することを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法において、
    中間部材形成段階を、シリコン基板に対してその下面側から加工を行い、加工途中体を形成する前半段階と、前記加工途中体に対してその上面側から加工を行い、中間部材を形成する後半段階と、に分けて行い、
    前記前半段階を行った後に下方基板接合段階を行い、その後に、前記後半段階を行い、更にその後に、上方基板接合段階を行うようにし、
    下方基板接合段階では、下方基板の上面に前記加工途中体を載せ、前記加工途中体の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、前記下方基板の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、前記第1の陽極接合用電極と前記第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行い、
    上方基板接合段階では、前記中間部材の上面に上方基板を載せ、この上方基板の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、前記下方基板の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、前記第1の陽極接合用電極と前記第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行うことを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  18. 請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法において、
    中間部材形成段階を、シリコン基板に対してその上面側から加工を行い、加工途中体を形成する前半段階と、前記加工途中体に対してその下面側から加工を行い、中間部材を形成する後半段階と、に分けて行い、
    前記前半段階を行った後に上方基板接合段階を行い、その後に、前記後半段階を行い、更にその後に、下方基板接合段階を行うようにし、
    上方基板接合段階では、前記加工途中体の上面に上方基板を載せ、この上方基板の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、前記加工途中体の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、前記第1の陽極接合用電極と前記第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行い、
    下方基板接合段階では、前記中間部材の下面に下方基板を配置し、前記上方基板の上面に第1の陽極接合用電極を接触させ、前記下方基板の下面に第2の陽極接合用電極を接触させ、前記第1の陽極接合用電極と前記第2の陽極接合用電極との間に電界をかけながら陽極接合を行うことを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の製造方法において、
    中間部材形成段階で、重錘体および柱状体を密閉した空間内に封止できるように、台座および外壁部を形成し、
    貫通配線部形成段階で、貫通孔を密封する機能をもった貫通配線部を形成し、
    上方基板接合段階および下方基板接合段階で、重錘体が密閉した空間内に封止されるように、台座および外壁部の上面および下面を上方基板および下方基板に接合するようにしたことを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  20. 請求項19に記載の製造方法において、
    上方基板接合段階および下方基板接合段階のうち、少なくとも後に行われる一方の接合段階を、真空中で行うことにより、重錘体が真空中に密閉されるようにしたことを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載の製造方法において、
    中間部材として利用するためのシリコン基板として、絶縁層を挟んだSOI基板を用いるようにし、前記絶縁層を跨いで導通させる必要がある部分については、前記絶縁層を貫通する導通部を形成するようにすることを特徴とする容量素子を用いたセンサの製造方法。
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