JP3605846B2 - 容量型加速度センサ及び容量型圧力センサ - Google Patents

容量型加速度センサ及び容量型圧力センサ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、容量型加速度センサ及び容量型圧力センサに関する。具体的にいうと、本発明は、加速度や振動によって生じる重り部の変位を加速度の変化として検出する容量型の加速度センサに係るものである。また、本発明は、空気等の圧力によって生じる感圧ダイアフラムの変位を圧力の変化として検知する容量型の圧力センサに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
図23に従来の容量型の加速度センサWの断面図を示す。この加速度センサWは、例えば自動車の加速度や振動、衝撃を検出する用途に用いることができるものであって、シリコン半導体基板101よりなる角枠状をした支持部102の開口部分の中央に重り部103が配設されており、重り部103は2本の梁部104によって片持ち状に支持部102に支持されている。重り部103は、梁部104の弾性変形によって重り部103の厚さ方向に自由に微小変形できるようになっており、重り部103の上下両面はそれぞれ可動電極105となっている。
【0003】
支持部102の上面及び下面にはそれぞれガラス基板106a,106bが重ねられ、ガラス基板106a,106bの周辺部は陽極接合法により、支持部102に接合されている。支持部102の上面及び下面のガラス基板106a,106bの内面には、重り部103の可動電極105と微小なギャップを隔てて固定電極107が設けられており、重り部103の可動電極105と固定電極107との間に静電容量部が形成されている。
【0004】
さらに、支持部102の上下のガラス基板106a,106bの外側には、シリコン半導体基板108a,108bが重ねられている。上下のガラス基板106a,106bにはそれぞれ接続孔109が設けられ、接続孔109に封入された導電性樹脂によって電極接続部110が形成され、電極接続部110は固定電極107と電気的に接続されている。また、シリコン半導体基板108a,108bには予めエッチングにより接続孔109の開口径より大きな開口径を有するエッチング孔111が設けられており、このエッチング孔111の内周面に金属薄膜により導電材料部112を形成して導電材料部112を電極接続部110に導通させることで、固定電極107を外部に引き出す構造となっている。
【0005】
ところで、この加速度センサWを作製するにあたっては、まずガラス基板106a,106bに接続孔109を形成し、この接続孔109に導電性樹脂を充填して電極接続部110を形成し、ガラス基板106a,106bに形成された固定電極107を電極接続部110と接続する。ついで、エッチング孔111を形成したシリコン半導体基板108a,108bとガラス基板106a,106bとを陽極接合法にて接合した後に、これを支持部102の表面に接合し、最後にエッチング孔111内に金属薄膜等からなる導電材料部112を形成し、電極接続部110及び導電材料部112を介して固定電極107を導電材料部112へ電気的に接続し、固定電極107を外部に引き出すようにしている。一方、可動電極105を形成されたシリコン半導体基板101はガラス基板106a,106bによってシリコン半導体基板108a,108bと電気的に絶縁されている。
【0006】
ここで、一体に接合されたガラス基板106a,106b及びシリコン半導体基板108a,108bを支持部102に陽極接合する場合、エッチング孔111に導電材料部112を形成して固定電極107と導通させた後に支持部102及びシリコン半導体基板108a,108b間に電圧を加えて陽極接合すると、小さなギャップを隔てて対向している可動電極105と固定電極107が静電吸引力によって電気的に短絡してしまい、加速度センサWの歩留りが低下してしまう。そこで、上述のようにシリコン半導体基板108a,108bにエッチング孔111を開口することで、電極接続部110とシリコン半導体基板101とが接触しないようにし、シリコン半導体基板108a,108bから固定電極107に至る電気的な経路を断った状態で、支持部102にガラス基板106a,106b及びシリコン半導体基板101を陽極接合し、接合し終えた後にエッチング孔111内に導電材料部112を設けてシリコン半導体基板101を固定電極107に導通させ、可動電極105と固定電極107とが短絡して歩留りが低下するのを防いでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の加速度センサWの構造のように、導電性樹脂により接続孔109を封止して形成された電極接続部110では、ゴミ等の外部からの異物の侵入を防ぐことができるが、その導電性樹脂の劣化のため、重り部103が形成されたセンサ内部を完全に、しかも、長期にわたりその気密性を保持することができない。このため、センサ内部の気密を保ちながら内部の固定電極107を外部へ取り出すことが困難となっており、腐食ガス雰囲気中で使用された場合には、重り部103や梁部104に変質や劣化が生じ、加速度センサWの安定性に問題があった。さらに、電極接続部110の樹脂からアウトガスが発生する不都合もあった。
【0008】
また、この加速度センサWの作製にあたっては、シリコン半導体基板108a,108bにエッチング孔111を開口し、陽極接合後に再びエッチング孔111に導電材料部112を形成しなければならず、固定電極107を外部に引き出すための工程に手間が掛かっていた。
【0009】
本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、センサ内部を完全に密封しながら内部の電極を外部へ引き出すことができると同時に、その製造工程が簡単で、しかも、回路基板当への実装が容易な容量型の加速度センサと圧力センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の容量型加速度センサは、半導体基板をエッチング加工して支持部と重り部と当該重り部を支持部に連結する梁部とを形成し、前記半導体基板の両面にそれぞれ固定基板を接合して前記重り部及び梁部を密閉空間内に封止し、前記重り部を可動電極とし、当該可動電極と対向させて少なくとも一方の固定基板に固定電極を形成し、前記可動電極と前記固定電極間の容量変化を加速度の変化として検出する容量型加速度センサにおいて、前記半導体基板の支持部から電気的に分離された独立領域を支持部内に設け、前記支持部の表面に前記密閉空間と前記独立領域とを結ぶ溝条を形成し、前記固定電極から延出させたリード部を支持部に接触させることなく当該溝条に挿通させることによって当該リード部を前記独立領域に電気的に接続し、前記固定基板に前記独立領域と対向させて接続孔を貫通させ、当該接続孔を封止する位置で独立領域を固定基板に接合させ、前記接続孔に導電体処理を施すことにより独立領域を介して前記固定電極を前記接続孔から電気的に外部へ取り出すようにしたことを特徴としている。
【0011】
本発明の容量型加速度センサの一実施態様は、前記支持部に対向させて固定基板に第2の接続孔を開口し、当該第2の接続孔を封止する箇所で前記支持部を固定基板に接合させ、当該第2の接続孔に導電体処理を施すことにより前記支持部を介して前記可動電極を当該第2の接続孔から電気的に外部へ取り出すようにしたことを特徴としている。
【0012】
本発明の容量型圧力センサは、半導体基板をエッチング加工して支持部と弾性を有する感圧ダイアフラム部を形成し、前記半導体基板の両面に固定基板を接合して前記感圧ダイアフラム部の少なくとも片側の面を密閉空間内に封止し、前記感圧ダイアフラム部を可動電極とし、前記密閉空間内で前記可動電極と対向させて少なくとも一方の固定基板に固定電極を形成し、前記可動電極と前記固定電極間の容量変化を圧力の変化として検出する容量型圧力センサにおいて、前記半導体基板の支持部から電気的に分離された独立領域を支持部内に設け、前記支持部の表面に前記密閉空間と前記独立領域とを結ぶ溝条を形成し、前記固定電極から延出させたリード部を支持部に接触させることなく当該溝条に挿通させることによって当該リード部を前記独立領域に電気的に接続し、前記固定基板に前記独立領域と対向させて接続孔を貫通させ、当該接続孔を封止する位置で独立領域を固定基板に接合させ、前記接続孔に導電体処理を施すことにより独立領域を介して前記固定電極を前記接続孔から電気的に外部へ取り出すようにしたことを特徴としている。
【0013】
本発明の容量型圧力センサの一実施態様は、前記支持部に対向させて固定基板に第2の接続孔を開口し、当該第2の接続孔を封止する箇所で前記支持部を固定基板に接合させ、当該第2の接続孔に導電体処理を施すことにより前記支持部を介して前記可動電極を当該第2の接続孔から電気的に外部へ取り出すようにしたことを特徴としている。
【0029】
【作用】
本発明の容量型加速度センサ又は容量型圧力センサにあっては、半導体基板内に形成した独立領域に固定電極を電気的に接続し、固定基板に貫通させた接続孔に導電体処理を施し、接続孔の位置で独立領域を固定基板に接合させているので、独立領域を介して固定電極を固定基板の表面側から外部へ取り出すことができる。また、固定基板に固定電極を引き出すための接続孔を貫通させたにも拘らず、接続孔を封止する位置で独立領域を固定基板に接合させているので、接続孔を独立領域によって確実に塞ぐことができ、重り部や梁部を密閉空間内に高い密閉精度で封止させることができる。
【0030】
しかも、本発明の容量型加速度センサ及び容量型圧力センサにあっては、固定電極と電気的に接続されている独立領域は重り部や感圧ダイアフラムを支持している支持部と独立して形成されているので、重り部や感圧ダイアフラムを形成されている半導体基板を用いて接続孔を塞ぐようにしたにも拘らず、独立領域を介して固定電極と可動電極とが短絡することがない構造となっている。さらに、支持部の表面に密閉空間と独立領域とを結ぶ溝条を形成しているので、固定電極から延出させたリード部を支持部に接触させることなく当該溝条に挿通させることができ、固定電極と可動電極の短絡を防止することができる。また、固定電極を固定基板と半導体基板との接合面の端部から外部へ引き出すのでなく、固定基板に貫通させた接続孔から固定基板の表面側へ引き出すことができるので、固定基板と半導体基板の接合面の周囲領域に固定電極引き出しのための電極が介在することがなく、重り部や感圧ダイアフラム等を密閉空間内に高い密閉精度で封止することができる。
【0031】
本発明の容量型加速度センサ又は容量型圧力センサのそれぞれの実施態様にあっては、支持部に対向させて固定基板に第2の接続孔を開口し、第2の接続孔を封止する箇所で前記支持部を固定基板に接合させ、第2の接続孔に導電体処理を施すことにより前記支持部を介して可動電極を第2の接続孔から電気的に外部へ取り出すようにしているので、重り部や感圧ダイアフラム部を密閉空間内に封止したままで、可動電極を固定基板の表面側から外部へ引き出すことができる。
【0047】
【実施例】
図1に示すものは本発明の一実施例による容量型加速度センサAであって、図1(a)は当該加速度センサAの断面図、図1(b)はシリコン半導体基板1の下面図、図1(c)は下の固定基板2bを示す上面図、図1(d)は上の固定基板2aの下面図である。この加速度センサAにおいては、シリコン半導体基板1をエッチング加工することによってフレーム状の支持部3、重り部4、梁部5及び一対の独立領域6a,6bが形成されている。重り部4は変位可能となるように支持部3よりも薄くなっており、弾性を有する一対の梁部5を介して支持部3の内周部中央で上下方向に変位可能に弾性的に支持されている。また、独立領域6a,6bは図示例では逆角錐台状に形成されており、同じく支持部3に角錐台状に開口された分離用孔7内に位置しており、独立領域6a,6bと支持部3とは電気的に互いに分離独立している。このシリコン半導体基板1の上下両面にはそれぞれ陽極接合法によってガラス基板等の絶縁性を有する固定基板2a,2bが接合されており、特に両固定基板2a,2bと支持部3とが外周部全周にわたってくまなく陽極接合されているので、重り部4及び梁部5は支持部3と両固定基板2a,2bによって囲まれた密閉空間8内に完全に封止されている。しかも、支持部3の上下両面と独立領域6a,6bの上下両面が各固定基板2a,2bに陽極接合されており、それによって支持部3と独立領域6a、6bとは互いの機械的関係を保ちながら互いに電気的に絶縁されている。
【0048】
重り部4はシリコン半導体基板1によって形成されているため、その導電性によって重り部4の上下両面は可動電極(可動電極面)9となっている。この可動電極9は、図中には示していないが、梁部5及び支持部3を介して例えばシリコン半導体基板1(すなわち、支持部3)の外周側面等から外部へ電気的に取り出される。また、この可動電極9と対向させて上下の固定基板2a,2bの内面にはそれぞれ固定電極10が設けられており、可動電極9と固定電極10とによって加速度検出用の静電容量部が構成されている。
【0049】
図1(b)に示すように支持部3の下面には密閉空間8から一方の独立領域6bに向けて溝条11が凹設されており、図1(c)に示すように下面側の固定電極10から延出されたリード部12はこの溝条11を通過して独立領域6bと電気的に接続されている。また、支持部3の上面にも密閉空間8から他方の独立領域6aに向けて溝条11が凹設されており、図1(d)に示すように上面側の固定電極10から延出されたリード部12は溝条11を通過して独立領域6aと電気的に接続されている。図2にはリード部12と独立領域6a,6bの電気的接続構造の一例を示してあり、リード部12の端部を独立領域6a,6bの端面と固定基板2a,2bとの間に挟み込むようにしてリード部12と独立領域6a,6bとを電気的に接続している。なお、図2には独立領域6aだけを示すが、独立領域6bも同様な構造である。但し、リード部12は溝条11との間にギャップを隔てていて支持部3に接触することのないようにしてあり、これによって可動電極9と固定電極10との短絡を防止している。さらに、下の固定基板2bには一方の独立領域6bと対向させて円柱状の接続孔13を貫通させてある。独立領域6bの端面はこの接続孔13の周囲で固定基板2bの上面に陽極接合されていて、接続孔13の全周を完全に封止しており、密閉空間8の気密性が接続孔13から漏れることのないようにしている。さらに、この接続孔13の内面及び固定基板2bの下面全面に導電性被膜(金属被膜)14を蒸着により形成し、接続孔13内面の導電性被膜14を独立領域6bの端面と電気的に接続している。同じく、上の固定基板2aには他方の独立領域6aと対向させて円柱状の接続孔13を貫通させてあり、この接続孔13の内面及び固定基板2aの上面全面には導電性被膜14を形成してある。独立領域6aの端面は接続孔13の周囲で固定電極2aの下面に陽極接合されていて、接続孔13の全周を完全に封止しており、密閉空間8の気密性が接続孔13から漏れることのないようにしており、さらに、接続孔13内の導電性被膜14は独立領域6aの端面と電気的に接合されている。よって、上面側の固定電極10は上の固定基板2aの上面へ引き出されており、下面側の固定電極10は下の固定基板2bの下面へ引き出されている。なお、リード部12と独立領域6a,6bとの接合箇所においては、図1及び図2に示すように、リード部12の先端が接続孔13に達しないようにしている。これはリード部12が接続孔13に接すると、その部分で固定基板2a,2bと独立領域6a,6bとの接合が妨げられ、接続孔13の全周にわたって接続孔13を封止できなくなって接続孔13における気密性が損われるためである。
【0050】
上記密閉空間8内は、真空状態に保持してもよく、減圧状態としてもよい。あるいは、密閉空間8内にガス(好ましくは、窒素等の不活性なガス)を充填しておいてもよい。
【0051】
しかして、この容量型加速度センサAにおいては、加速度や振動を検出すると、重り部4が加速度の大きさに応じて変位し、可動電極9と固定電極10との間の静電容量が変化するので、信号処理回路等によってこの静電容量の変化を検出することにより加速度の大きさを知ることができる。
【0052】
この加速度センサAにあっては、支持部3と分離して形成した独立領域6a,6bに固定電極10を電気的に接続し、固定基板2a,2bに貫通させた接続孔13に導電性被膜14を形成し、接続孔13の周囲で独立領域6a,6bを固定基板2a,2bに接合させているので、独立領域6a,6b及び導電性被膜14を介して固定電極10を固定基板2a,2bの表面へ取り出すことができる。また、固定基板2a,2bに固定電極10を引き出すための接続孔13を貫通させたにも拘らず、接続孔13を封止する位置で独立領域6a,6bを固定基板2a,2bに陽極接合させているので、接続孔13を独立領域6a,6bによって確実に塞ぐことができ、重り部4や梁部5を密閉空間8内に高い密閉精度で封止することができ、内部にゴミや腐食性のガス等が侵入するのを防止できる。
【0053】
しかも、固定電極10と電気的に接続されている独立領域6a,6bは重り部4を支持している支持部3と独立して形成されているので、重り部4等を形成されているシリコン半導体基板1を用いて接続孔13を塞ぐようにしたにも拘らず、独立領域6a,6bを介して固定電極10と可動電極9とが短絡することがない構造となっている。また、固定電極10を固定基板2a,2bとシリコン半導体基板1との接合面の端部から外部へ引き出すのでなく、固定基板2a,2bに貫通させた接続孔13から固定基板2a,2bの表面側へ引き出すことができるので、固定基板2a,2bとシリコン半導体基板1の接合面の周囲領域に固定電極10を引き出すための電極構造が介在することがなく、重り部4や梁部5を密閉空間8内に高い精度で封止することができる。
【0054】
また、図3は独立領域6a,6bとリード部12との間の別な構成を示す部分拡大断面図である。図3に示すように(独立領域6aだけを示すが、独立領域6bも同様な構造となっている)、独立領域6a,6bの端部ないし全体には、不純物拡散もしくはイオン打込みによって導電率の高い高濃度不純物層16を形成してある。導電率の高い高濃度不純物層16を設けることにより独立領域6a,6bとリード部12との導通を確実にすると共に固定電極10の引き出し抵抗を小さくすることができる。また、同じく図3の実施例では、独立領域6a,6bの端面外周部にはリード部12の端部が納まるような凹溝17を形成しておいてもよい。但し、この凹溝17は固定基板2a,2bの接合孔と接しないよう離れた位置に設けてある。また、凹溝17を形成しておけば、リード部12の厚みによって独立領域6a,6bと固定基板2a,2bとの接合が妨げられにくくなる。もっとも、リード部12と独立領域6a,6bとが圧接する必要もあるので、凹溝17の深さはリード部12の厚みよりも浅いことが好ましい。
【0055】
また、図4は独立領域6a,6bとリード部12との間のまた別な構成を示す部分拡大断面図である。この実施例においては、独立領域6a,6bの端面に設けた凹溝17の内面に蒸着法等によって電極膜18を形成してある。このような構成によれば、当該電極膜18とリード部12の端部とが圧接することによってリード部12と独立領域6a,6bとの電気的接続を確実にさせることができる。
【0056】
図5及び図6は本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサBを示す斜視図及び分解斜視図である。この加速度センサBにあっては、支持部3の独立領域6a,6bの中間領域に対向させて上の固定基板2aに円錐状の接続孔19を開口してあり、固定基板2a下面の接続孔19全周は固定基板2aとシリコン半導体基板1とを陽極接合する際に支持部3に接合されており、これによって接続孔19の下面周囲が気密的に封止されている。さらに、この接続孔19の内面にも導電性被膜20が形成されている。従って、可動電極9は、密閉空間8を完全に封止したままで支持部3及び導電性被膜20を介して固定基板2aの上面へ電気的に引き出されている。
【0057】
また、下の固定基板2bの下面には、接続孔13の導電性被膜14と連続的に外部電極パッド15を設けてある。そして、加速度センサAは回路基板21上に載置され、下面の外部電極パッド15を回路基板21の接続パッド22に電気的及び機械的に接合される。回路基板21には接続パッド22とつながったボンディングパッド23が設けられている。この結果、両固定電極10及び可動電極9が加速度センサBの上面ないし回路基板21の上面へ取り出され、信号処理回路等との接続を容易にすることができる。
【0058】
図7は本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサCを示す分解斜視図である。この加速度センサCにおいては、上の固定基板2aに設けた接続孔13,19の周囲に各導電性被膜14,20と導通した外部電極パッド15を設けている。また、下の固定基板2bに設けた接続孔13の周囲にも導電性被膜14と導通した外部電極パッド15を設けている。この実施例では、全ての接続孔13,19に外部電極パッド15を設けているから、ワイヤボンディング等による回路基板21の電極パッドや信号処理回路(図示せず)等との接合をより一層容易にすることができる。例えば、下面の外部電極パッド15は回路基板21の接続パッド22に半田接合し、上面の外部電極パッド15と信号処理回路とをワイヤボンディングによって接続することができる。
【0059】
図8は本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサDを示す分解斜視図である。この実施例では、上の固定基板2aに設けられた2つの接続孔13,19のうち一方の接続孔、例えば13の周囲にのみ外部電極パッド15を設けたものである。外部電極パッドを有していない接続孔19では、例えば導電性接着剤を用いてボンディングワイヤの端部を導電性被膜20に結線することができる。
【0060】
図9は本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサEを示す分解斜視図である。この加速度センサEにおいては、上の固定基板2aが支持部3よりも短くなっており、支持部3と固定基板2a,2bを重ねて接合した状態で支持部3の端部が上の固定基板2aからはみ出すようになっている。この支持部3上面の露出部分には蒸着金属膜等によって可動電極パッド24が設けられている。この加速度センサEにあっても、可動電極パッド24によって固定基板2aと支持部3との陽極接合が妨げられないので、密閉空間8の気密性を損うことなく、上面側に配置した可動電極パッド24へ可動電極9を電気的に引き出すことができる。しかも、図6〜図8の実施例のように固定基板2aに接続孔19や導電体被膜20等を形成する必要がなく、センサ製作プロセスを簡単にすることができる。また、上下の固定基板2a,2bの接続孔13の周囲に導電性被膜14と導通した外部電極パッド15を設けている。
【0061】
図10は本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサFを示す断面図である。この加速度センサFにあっては、導電性被膜14を形成された接続孔13の内部にエポキシ樹脂等の封止部材25を充填している。このように接続孔13の内部に封止部材25を充填することにより接続孔13での封止性を向上させることができ、また、封止部材25によって導電性被膜14の浮き上がりを防止できるので、導電性被膜14が独立領域6a,6bから剥離して導通不良となることを防げる。
【0062】
図11は本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサGにおける独立領域6a,6bの構造を示す拡大断面図である。このように独立領域6a,6bの接続孔13と対向する端面に、不純物拡散やイオン打込み等によって接続孔13よりも小さな面積で高濃度不純物層16を形成すれば、接続孔13内の導電性被膜14との電気的な接続を向上させることができ、導電性被膜14との間における電気的な断線を確実に防止することができる。
【0063】
図12は本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサHにおける独立領域6a,6bの構造を示す拡大断面図である。この実施例では、独立領域6a,6bの接続孔13と対向する端面に接続孔13よりも小さな面積で高濃度不純物層16を形成し、さらに、高濃度不純物層16の上に接続孔13の開口面積よりも小さな金属薄膜パッド26を形成している。従って、接続孔13内の導電性被膜14との電気的な接続をより向上させ、導電性被膜14との間における電気的な断線をなくすことができる。
【0064】
図13は本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサJの分解斜視図である。この実施例では、下の固定基板2bに3つの接続孔13,19,13を開口してある。上面側の固定電極10と上面を導通させられた一方の独立領域6aは下面を一つの接続孔13の周囲に接合されて接続孔13を封止しており、その接続孔13内の導電性被膜14に導通している。また、下面側の固定電極10と下面を導通させられた別な独立領域6bは同じく下面で別な接続孔13の周囲に接合されて当該接続孔13を封止しており、その接続孔13内の導電性被膜14と導通している。さらに、接続孔19の周囲には支持部3が接合されて接続孔19が封止されており、当該接続孔19内の導電性被膜20には可動電極9が導通している。これら下の固定電極2bに設けられた各接続孔13,19,13の下面周囲にはそれぞれ外部電極パッド15が設けられており、これらの外部電極パッド15を回路基板21の接続パッド22に半田接合することにより加速度センサAを回路基板21上に機械的に固定すると共に各固定電極10及び可動電極9を回路基板21のボンディングパッド23に電気的に接続している。このような構造によれば、全ての外部電極パッド15を下面に配置して回路基板21の接続パッド22に半田接合させることができ、ワイヤボンディングによる接合を無くすことができる。
【0065】
図14(a)(b)(c)は本発明による容量型加速度センサKの製造方法を示す断面図である。なお、図14では図1の容量型加速度センサAと同様な構造を例にとって説明しているが、他の実施例の加速度センサであってもよいことはいうまでもない(以下同じ)。まず、シリコン半導体基板1の重り部4下面及び溝条11となる領域(また、不要部分27となる領域を含んでいてもよい)を浅くエッチングした後、支持部3、重り部4及び独立領域6a,6bとなる領域の下面をエッチング用マスクで覆い、電気化学エッチングによって下面側からシリコン半導体基板1を深くエッチングして梁部5及び不要部分27の各下面を形成する。ついで、支持部3及び独立領域6a,6bとなる領域の上面をエッチング用マスクで覆って上面側からシリコン半導体基板1をウエットエッチング法又はドライエッチング法(例えば、RIE法)によってエッチングして重り部4、梁部5及び不要部分27の各上面と溝条11を形成し、重り部4、梁部5、独立領域6a,6b及び支持部3が薄い不要部分27でつながったシリコン半導体基板1を作製する。ここで、不要部分27全体及び梁部5の厚みは同じ厚み(一定厚み)となっている。ついで、固定電極10と接続孔13を設けた固定基板2bの上面に当該シリコン半導体基板1を載置し、図14(a)に示すように支持部3及び独立領域6a,6bの下面を固定基板2bに陽極接合法で接合し、固定電極10のリード部12を独立領域6bの下面に導通させ、接続孔13を独立領域6bの下面で封止すると同時に各独立領域6a,6bの周囲の分離用孔7の下面を固定基板2bによって封止し、さらに接続孔13の内面及び固定基板2bの下面に導電性被膜14と外部電極パターン15を形成する。この後、図14(a)に示すように支持部3、重り部4及び梁部5の上面をエッチング用マスク28で覆い、シリコン半導体基板1の不要部分27をエッチングによって除去し、図14(b)のように重り部4及び梁部5を上下方向に弾性的に変位可能にすると同時に、独立領域6a,6bを支持部3から電気的に分離する。ここで、不要部分27を除去するエッチングは、ウエットエッチング法でもドライエッチング法(例えば、RIE法)でもよい。ついで、図14(c)に示すように、固定電極10と接続孔13を形成された上の固定基板2aをシリコン半導体基板1の上面に陽極接合法によって接合し、その固定電極10のリード部12を独立領域6aの上面に導通させ、その接続孔13を独立領域6aの上面によって封止すると同時に各独立領域6a,6bの周囲の分離用孔7の上面を固定基板2aで封止し、さらに接続孔13の内面及び固定基板2aの上面に導電性被膜14と外部電極パターン15を形成し、加速度センサKを完成する。
【0066】
このようにして加速度センサKを作製すれば、独立領域6a,6bがまだ支持部3から完全に分離されていない状態で支持部3及び独立領域6a,6bを固定基板2bに接合させ、その後独立領域6a,6bを支持部3から分離させているので、支持部3と独立領域6a,6bとの位置関係を精度よく一定位置に保ちながら独立領域6a,6bを支持部3から島状に分離させることができ、センサ製造プロセスを簡便にすることができる。また、シリコン半導体基板1の下面を電気化学エッチングによって深くエッチングすれば、そのエッチング深さをシリコン半導体基板1に印加した電位によって制御することができるので、梁部5の厚み精度を得ることができ、この結果重り部4も梁部5も厚み精度を得ることができ、センサ製造の歩留りが向上する。さらに、不要部分27と梁部5の厚みを均一にしているので、シリコン半導体基板1の上面側からのエッチング加工を一度で行なうことができる。
【0067】
図15(a)(b)(c)は本発明による容量型加速度センサKの別な製造方法を示す図である。シリコン半導体基板1を固定基板2bに接合した後、不要部分27をエッチングによって除去する際、エッチング槽内は真空ないし減圧されているので、重り部4及び梁部5の周囲の不要部分27を除去した瞬間に重り部4と固定基板2bの間の空間に密閉されていた空気が瞬間的に外部へ噴出し、その衝撃が重り部4に加わって梁部5が破損する恐れがある。この実施例はこのような不都合を防止し、加速度センサKの歩留りを向上させるものである。すなわち、この実施例では、不要部分27と梁部5とが同じ厚みのシリコン半導体基板1を作製した後、もう一度シリコン半導体基板1をエッチングして独立領域6a,6bの周囲の不要部分27の少なくとも一部領域27aの厚みを薄くしている。図15(a)のように当該シリコン半導体基板1を固定基板2aに接合した後、当該シリコン半導体基板1をエッチングすると、まず独立領域6a,6b周囲の不要部分27のうち比較的厚みの薄い領域27aがエッチング除去され、図15(b)に示すように重り部4と固定基板2bの間の空間に密閉されていた空気は溝条11を通じて独立領域6a,6bの周囲の開口から排気され、重り部4と固定基板2bの間の空間が外部と同じ真空ないし減圧状態となる。従って、遅れて残りの厚みの比較的厚い不要部分27が除去された時に空気の噴出によって梁部5等が破損されるのを防止することができる。この後、図15(c)のようにシリコン半導体基板1の上面には固定基板2aが接合される。
【0068】
図14の構成でも、2種のエッチング用マスクを用いてエッチングによる不要部分27の除去工程を2度に分けることによってエア噴き出しによる梁部5等の破損を防止できるが、図15の方法によればエッチング工程は1度で済み、エッチング時のエッチング用マスクが1種で足りることになる。
【0069】
図16(a)(b)(c)は本発明のさらに別な製造方法を示す断面図である。この実施例では、不要部分27と梁部5とが同じ厚みのシリコン半導体基板1を作製した後、もう一度シリコン半導体基板1をエッチングして重り部4又は梁部5の周囲の不要部分27の一部を開口している。図16(a)のように当該シリコン半導体基板1を固定基板2aに接合した後、これをエッチング槽に入れてエッチング槽内を減圧した時点で既に重り部4と固定基板2bの間の空間は真空ないし減圧状態となるので、図16(b)のように当該シリコン半導体基板1をエッチングして不要部分27を除去しても、空気の噴出によって梁部5等が破損することがない。こうしてエッチングによって全ての不要部分27を除去して重り部4及び梁部5を可動状態とした後、支持部3の上面に固定基板2aを陽極接合する(図16(c))。
【0070】
上記実施例ではいずれも容量型加速度センサの場合について説明したが、上記各実施例はそれぞれ容量型圧力センサにも適用することができる。
【0071】
図17(a)は本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサLを示す断面図、図17(b)はシリコン半導体基板31の下面図、図17(c)は上の固定基板32aの下面図、図17(d)は下の固定基板32bの平面図である。この圧力センサLにあっては、シリコン半導体基板31によって支持部33、感圧ダイアフラム34及び独立領域36を形成してあり、薄膜状の感圧ダイアフラム34は支持部33に支持されており、独立領域36は分離用孔37によって支持部33と電気的に分離されている。すなわち、独立領域36は支持部33に開口された分離用孔37内に島状に配置されている。また、シリコン半導体基板31の上面及び下面には固定基板32a,32bが陽極接合法によって接合されている。感圧ダイアフラム34の上面は可動電極39となっており、可動電極39と対向させて固定基板32aの内面には固定電極40が設けられ、可動電極39及び固定電極40によって圧力検出用の静電容量部が形成されている。支持部33上面の固定基板32aから露出した領域には、可動電極39を電気的に外部へ引き出すための可動電極パッド47が設けられている。また、固定電極40から延出されたリード部42は、支持部33と接触することなく支持部33の上面に凹設された溝条41を通過して独立領域36と導通させられている。固定基板32aの独立領域36と対向する位置には円柱状の接続孔43が開口されており、接続孔43周囲の固定基板32a下面には独立領域36の上端面が陽極接合されており、独立領域36によって接続孔43が完全に封止されている。この場合も、リード部42は接続孔43の位置まで達しないようにしている(図3参照)。また、独立領域36には高濃度不純物層を形成したり、リード部42の納まる凹溝を設けたりしても差し支えない。さらに、接続孔43の内面及び固定基板32aの上面には導電性被膜44が形成されており、接続孔43内の導電性被膜44は独立領域36と電気的に接合されており、したがって固定電極40と電気的に導通している。こうして、固定電極40と感圧ダイアフラム34の間の密閉空間38は完全密閉されており、この密閉空間38は真空にしたり、減圧したり、ガスを封入して一定圧力に保ち、基準圧力を得られるようにしている。下面側の固定基板32bには圧力導入口35が開口されている。しかして、圧力導入口35の内側の圧力導入室46へ流体が導かれると、感圧ダイアフラム34がその圧力によって撓み、それによって可動電極39と固定電極40との間の静電容量が変化するので、その静電容量値を検出することによって流体の圧力を知ることができる。また、密閉空間38の周囲は支持部33と固定基板32a,32bの陽極接合と独立領域36による接続孔43の封止によって完全に密閉されており、真空漏れやガス漏れ、あるいはゴミ等の侵入を確実に防止することができる。なお、上記実施例では、固定電極40は一方の固定基板32aにのみ設けたが、他方の固定基板32bの内面にも感圧ダイアフラム34と対向させて固定電極を設けても差し支えない。また、下面側の固定基板32bは少なくとも独立領域36の周囲の分離用孔37を密閉できるだけあれば差し支えない。
【0072】
図18は本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサMを示す分解斜視図である。これは図5及び図6の加速度センサBに対応するものであって、固定基板32aに開口した円錐状の接続孔48の下面に支持部33を陽極接合して接続孔48を封止し、接続孔48の内面に導電性被膜49を形成して支持部33と接続し、この導電性被膜49を可動電極39と導通させて可動電極39を固定基板32aの上面へ引き出している。
【0073】
図19は本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサNを示す分解斜視図である。これは図7の加速度センサCに対応するものであって、固定基板32a上面の接続孔43,48の周囲にそれぞれ外部電極パッド45を設け、各外部電極パッド45を導電性被膜44,49に電気的に接続させ、固定電極40及び可動電極39を固定基板32aの表面の各外部電極パッド45へ引き出すようにしている。
【0074】
図20は本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサPを示す分解斜視図である。これは図9の加速度センサEに対応するものであって、固定基板32aよりもシリコン半導体基板31の長さを長くして支持部33の端部上面を固定基板32aから露出させ、当該露出部分に可動電極39を外部へ引き出すための可動電極パッド47を設けたものである。
【0075】
図21は本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサQを示す分解斜視図である。これは図13の加速度センサJに対応するものであって、下の固定基板32bに2つの接続孔43,48を開口し、独立領域36の上面を固定電極40のリード部42に接続すると共に独立領域36の下面で接続孔43を封止し、当該接続孔43の内面に導電性被膜44を形成し、その周囲に外部電極パッド45を形成している。また、もう一方の接続孔48を支持部33の陽極接合によって封止し、接続孔48の導電性被膜49を可動電極39に導通させると共にその周囲に外部電極パッド45を形成している。しかして、この下面の外部電極パッド45を回路基板51上面の接続パッド52に半田接合させることにより回路基板51上に圧力センサQを機械的に固定すると共に固定電極40及び可動電極39を回路基板51のボンディングパッド53へ引き出すことができる。
【0076】
図22(a)(b)(c)は上記圧力センサRの製造方法の一例を示すものであって、シリコン半導体基板31の下面を電気化学エッチングして感圧ダイアフラム34と、不要部分54により支持部33につながった独立領域36とを形成し、さらにシリコン半導体基板31をエッチングして不要部分54の厚みを感圧ダイアフラム34よりも薄くした後、図22(a)に示すように当該シリコン半導体基板31を固定基板32bに陽極接合する。ついで、シリコン半導体基板31をエッチングすると、独立領域36の周囲の不要部分54が除去され、図22(b)に示すように独立領域36が支持部33から分離される。この後、真空中、減圧雰囲気下もしくはガス雰囲気中において図22(c)のようにシリコン半導体基板31の上面に固定基板32aを接合する。
【0077】
このようにして不要部分54の厚みを感圧ダイアフラム34よりも薄くしておいてエッチングを行なえば、エッチング用マスクを用いることなくエッチングを行なうことができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の容量型加速度センサ又は容量型圧力センサにあっては、固定基板に設けた導電体処理された接続孔によって固定電極等を外部へ取り出すことができるが、この接続孔は独立領域を接合させることによって封止されているので、接続孔を独立領域によって確実に塞ぐことができる。そして、固定電極を固定基板に貫通させた接続孔から外部へ引き出しているので、固定基板と半導体基板の接合面の周囲領域に固定電極引き出しのための電極が介在することがなく、固定基板と半導体基板とを隙間なく確実に接合させることができる。従って、固定電極や重り部等を空間内に高い密閉精度で封止することができ、ゴミや腐食性ガスなどが内部に侵入することがなく、センサの耐久性を向上させることができる。
【0079】
しかも、固定電極と電気的に接続されている独立領域は重り部や感圧ダイアフラムを支持している支持部と独立して形成されているので、重り部や感圧ダイアフラムを形成されている半導体基板を用いて接続孔を塞ぐようにしたにも拘らず、独立領域を介して固定電極と可動電極とが短絡することがない。さらに、支持部の表面に密閉空間と独立領域とを結ぶ溝条を形成しているので、固定電極から延出させたリード部を支持部に接触させることなく当該溝条に挿通させることができ、固定電極と可動電極の短絡を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例による容量型加速度センサを示す断面図である。(b)はそのシリコン半導体基板の構造を示す下面図、(c)は下の固定基板を示す上面図、(d)は上の固定基板を示す下面図である。
【図2】同上の独立領域の近傍の構造を示す拡大断面図である。
【図3】独立領域の近傍の別な構造を示す拡大断面図である。
【図4】独立領域の近傍のさらに別な構造を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の別な実施例による容量型加速度センサを示す斜視図である。
【図6】同上の分解斜視図である。
【図7】本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサを示す分解斜視図である。
【図8】本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサを示す分解斜視図である。
【図9】本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサを示す分解斜視図である。
【図10】本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサを示す断面図である。
【図11】本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサの独立領域の近傍の構造を示す部分拡大断面図である。
【図12】本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサの独立領域の近傍の構造を示す部分拡大断面図である。
【図13】本発明のさらに別な実施例による容量型加速度センサを示す分解斜視図である。
【図14】(a)(b)(c)は本発明による容量型加速度センサの製造方法を示す断面図である。
【図15】(a)(b)(c)は本発明による容量型加速度センサの別な製造方法を示す断面図である。
【図16】(a)(b)(c)は本発明による容量型加速度センサのさらに別な製造方法を示す断面図である。
【図17】(a)は本発明の一実施例による容量型圧力センサを示す断面図である。(b)はそのシリコン半導体基板の構造を示す下面図、(c)は上の固定基板を示す下面図、(d)は下の固定基板を示す平面図である。
【図18】本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサを示す分解斜視図である。
【図19】本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサを示す分解斜視図である。
【図20】本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサを示す分解斜視図である。
【図21】本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサを示す分解斜視図である。
【図22】(a)(b)(c)は本発明のさらに別な実施例による容量型圧力センサの製造方法を示す断面図である。
【図23】従来の加速度センサを示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン半導体基板
2a,2b 固定基板
3 支持部
4 重り部
5 梁部
6a、6b 独立領域
8 密閉空間
9 可動電極
10 固定電極
11 溝条
12 固定電極のリード部
13 接続孔
14 導電性薄膜
16 高濃度不純物層
31 シリコン半導体基板
32a,32b 固定基板
33 支持部
34 感圧ダイアフラム
36a,36b 独立領域
38 密閉空間

Claims (4)

  1. 半導体基板をエッチング加工して支持部と重り部と当該重り部を支持部に連結する梁部とを形成し、前記半導体基板の両面にそれぞれ固定基板を接合して前記重り部及び梁部を密閉空間内に封止し、前記重り部を可動電極とし、当該可動電極と対向させて少なくとも一方の固定基板に固定電極を形成し、前記可動電極と前記固定電極間の容量変化を加速度の変化として検出する容量型加速度センサにおいて、
    前記半導体基板の支持部から電気的に分離された独立領域を支持部内に設け、
    前記支持部の表面に前記密閉空間と前記独立領域とを結ぶ溝条を形成し、
    前記固定電極から延出させたリード部を支持部に接触させることなく当該溝条に挿通させることによって当該リード部を前記独立領域に電気的に接続し、
    前記固定基板に前記独立領域と対向させて接続孔を貫通させ、
    当該接続孔を封止する位置で独立領域を固定基板に接合させ、
    前記接続孔に導電体処理を施すことにより独立領域を介して前記固定電極を前記接続孔から電気的に外部へ取り出すようにしたことを特徴とする容量型加速度センサ。
  2. 前記支持部に対向させて固定基板に第2の接続孔を開口し、
    当該第2の接続孔を封止する箇所で前記支持部を固定基板に接合させ、
    当該第2の接続孔に導電体処理を施すことにより前記支持部を介して前記可動電極を当該第2の接続孔から電気的に外部へ取り出すようにした
    ことを特徴とする請求項に記載の容量型加速度センサ。
  3. 半導体基板をエッチング加工して支持部と弾性を有する感圧ダイアフラム部を形成し、前記半導体基板の両面に固定基板を接合して前記感圧ダイアフラム部の少なくとも片側の面を密閉空間内に封止し、前記感圧ダイアフラム部を可動電極とし、前記密閉空間内で前記可動電極と対向させて少なくとも一方の固定基板に固定電極を形成し、前記可動電極と前記固定電極間の容量変化を圧力の変化として検出する容量型圧力センサにおいて、
    前記半導体基板の支持部から電気的に分離された独立領域を支持部内に設け
    前記支持部の表面に前記密閉空間と前記独立領域とを結ぶ溝条を形成し、
    前記固定電極から延出させたリード部を支持部に接触させることなく当該溝条に挿通させることによって当該リード部を前記独立領域に電気的に接続し、
    前記固定基板に前記独立領域と対向させて接続孔を貫通させ、
    当該接続孔を封止する位置で独立領域を固定基板に接合させ、
    前記接続孔に導電体処理を施すことにより独立領域を介して前記固定電極を前記接続孔から電気的に外部へ取り出すようにした
    ことを特徴とする容量型圧力センサ。
  4. 前記支持部に対向させて固定基板に第2の接続孔を開口し、
    当該第2の接続孔を封止する箇所で前記支持部を固定基板に接合させ、
    当該第2の接続孔に導電体処理を施すことにより前記支持部を介して前記可動電極を当該第2の接続孔から電気的に外部へ取り出すようにした
    ことを特徴とする請求項3に記載の容量型圧力センサ。
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