JP4766119B2 - プロジェクター - Google Patents
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Description
遮蔽部材は、一方の端部に駆動ギアが取り付けられ、この駆動ギアは、ピニオンに噛合され、支持軸に回転可能に支持されている。遮蔽部材の他方の端部は、固定部材に回転可能に支持されている。そして、調光装置は、モーターが駆動されると、駆動ギアが回転されて遮蔽部材の位置が変更され、遮蔽部材の位置に応じて光源からの光束を部分的に遮蔽して光量を調整する。
これによって、遮光部材が光束を遮光することに伴って温度が上昇した際に、保持部材には、遮光部材の熱が伝わりにくく、温度上昇が抑制される。よって、保持部材を介して遮光部材が取り付けられている位置変更部の温度上昇も抑制され、位置変更部は、熱変形等が抑えられる。そして、位置変更部は、安定して形状を維持することができ、適正に遮光部材の位置を変えることが可能となる。したがって、プロジェクターは、遮光部材の温度が上昇した際にも調光装置が安定して光量を調整し、コントラスト等の画像品質を高めて投写することが可能となる。
以下、第1実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、その画像光をスクリーン等に拡大投写する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、外装筐体2、制御部(図示省略)、光源311を有する光学ユニット3、および光源311や制御部に電力を供給する電源装置4等を備えている。なお、具体的な図示は省略したが、外装筐体2内には、プロジェクター1内部を冷却する冷却ファン等が配置されるものとする。
図1に示すように、光学ユニット3は、光源装置31、照明光学装置32、色分離光学装置33、リレー光学装置34、電気光学装置35、投写光学装置としての投写レンズ36、およびこれら各光学部品31〜36を所定位置に配置する光学部品用筐体6を備える。
第1レンズアレイ321は、光源311から射出された光束の光軸L方向から見て略矩形の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有しており、光源装置31から射出された光束を複数の部分光束に分割する。第2レンズアレイ322は、第1レンズアレイ321と略同様の構成を有しており、重畳レンズ324とともに、部分光束を後述する液晶パネル352の表面に略重畳させる。偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム偏光光を液晶パネル352で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。
調光装置5は、減光部8,9が第1レンズアレイ321と第2レンズアレイ322との間に配設される。調光装置5は、制御部による制御のもと光源311から射出され、第1レンズアレイ321を透過した光束を減光して第2レンズアレイ322に入射する光量、ひいては、電気光学装置35に入射する光量を調整し、投写画像のコントラスト向上に寄与する。なお、調光装置5の構成については、後で詳細に説明する。
光学部品用筐体6は、図2に示すように、一方の端部に光源装置31が着脱可能に配置され、他方の端部近傍に投写レンズ36が配置される。なお、以下では、説明の便宜上、光源装置31から光束が射出される方向を左方向(+Z方向)、Z方向に直交し、画像光が投写される方向を前方向(+X方向)、Z方向およびX方向に直交し、図2の図面視における上を上方向(+Y方向)として記載する。
このように、光学部品用筐体6は、光軸L上の所定位置に光学部品を配置する。
図3〜図5は、調光装置5を示す斜視図である。具体的に、図3は、後方から見た図、図4は、前方から見た図、図5は、右方から見た図である。なお、図4は、第1レンズアレイ321および第2レンズアレイ322に対する調光装置5の位置を説明するために、模式的に示す第1レンズアレイ321および第2レンズアレイ322(二点鎖線で示す)を盛り込んだ図である。
調光装置5は、ベース部7、ステッピングモーター(以下「モーター」と略す)51、第1ギア52、第2ギア53、第3ギア54、センサー部55、および減光部8,9を備えている。
第1保持部711の上下左右の端部が屈曲されている部位は、調光装置5が下部筐体61に取り付けられた際に、ベース本体71と下部筐体61とで第2ギア53および第3ギア54を略包囲するように形成されており、第2ギア53、第3ギア54等に塵埃が付着することを抑制するように構成されている。
図6は、光学ユニット3の断面図であり、下部筐体61および調光装置5を示す図である。
支持軸73,74は、図6に示すように、ベース本体71の面71B側に取り付けられる。具体的に、支持軸73,74は、金属製で円柱状に形成され、図6に示すように、一方の端部がベース本体71の軸取付孔7111,7112にそれぞれ圧入され、他方の端部が前方(+X方向)に突出するように取り付けられている。支持軸73,74は、第2ギア53、第3ギア54が安定して回転するように軸径および長さが設定されている。また、支持軸73,74の長さは、第2ギア53、第3ギア54がそれぞれ挿入された際に、先端面が第2ギア53、第3ギア54のそれぞれの表面と同程度の高さになるような長さに設定されている。
モーター51は、図3、図4に示すように、支持軸であるスピンドルを有するモーター本体511と、このスピンドルの先端に設けられたピニオン512とを備えている。モーター51は、図3、図4に示すように、ネジSCによってベース本体71の面71Aに取り付けられる。具体的に、モーター51は、モーター本体511がベース本体71の面71A側(−X側)に配置され、丸孔7121からピニオン512が前方(+X方向)に飛び出すように取り付けられる。
具体的に、第1ギア52は、合成樹脂製であり、図4に示すように、同軸上に積層されて形成された大ギア部521および小ギア部522を備えている。大ギア部521の径寸法は、ピニオン512および小ギア部522の径寸法より大きく設定されている。また、第1ギア52には、回転中心軸を中心軸とする中心孔が形成されており、この中心孔は、支持軸72の外径寸法より僅かに大きな内径寸法に設定されている。
第1ギア52は、中心孔に支持軸72が挿入され、大ギア部521がピニオン512に噛合されてベース本体71の面71B側に配置される。そして、第1ギア52は、ピニオン512の回転を減速して第2ギア53に伝達する。
また、第2ギア53には、周縁突起部532、減光部取付部533、係止突起部534および検知用突起部535が形成されている。
周縁突起部532は、図4に示すように、半円状の外周に沿って面53Cから突出して形成されており、その外形は、歯型の外形より外側に突出している。
また、第3ギア54には、減光部9を取り付けるための減光部取付部542が形成されている。減光部取付部542は、図4に示すように、第3ギア54の右側(−Z側)の端部に面54Cより突出した部位を有して形成されている。減光部取付部542には、右方に開口するネジ穴(図示せず)が設けられており、減光部9は、図5に示すように、このネジ穴にネジSCが挿通されて第3ギア54に取り付けられる。
センサー部55は、第2ギア53が回転されて所定の位置に達した際に、検知用突起部535がフォトセンサー551から照射される光を遮蔽する。そして、センサー部55は、光の検出状態が変化することにより、第2ギア53によって保持される減光部8の位置を検出する。そして、センサー部55は、減光部8の位置の検出状態に係る検出信号を制御部に出力する。
遮光部材81,91は、アルミニウム等の板材で形成され、光源光束の一部を遮光する部材である。
図7、図8は、減光部9の斜視図であり、図7は、図4の調光装置5における減光部9を+Z方向から見た図、図8は、図4の調光装置5における減光部9を−Z方向から見た図である。遮光部材91は、図7に示すように、X方向に長手方向を有して形成され、遮光本体部911および取付部912を有している。
遮光本体部911は、光源光束の一部を遮光するための部位である。遮光本体部911は、長手方向の寸法が第2レンズアレイ322における各小レンズが形成された領域における同方向の寸法に応じて設定され、短手方向の寸法が、同じく各小レンズが形成された領域における同方向の寸法の略半分に設定されている。
保持部材82,92は、熱伝導率が遮光部材81,91の熱伝導率より低い材料、例えばステンレス等の板材で形成されている。
保持部材92は、図8に示すように、X方向に長手方向を有して形成され、短手方向の一方の端部が屈曲されている。保持部材92には、+X側の端部近傍に取付部912の大突起部9121と嵌合可能な孔921、および孔921の−X方向に取付部912の小突起部と嵌合可能な孔922が形成されている。また、保持部材92には、−X側の端部近傍に丸孔923が設けられている。
保持部材82は、保持部材92と同様に構成されて遮光部材81に固定される。そして、減光部8は、図5に示すように、ネジSCによって、第2ギア53に取り付けられる。
減光部8,9は、モーター51が駆動されると、第1ギア52を介して第2ギア53および第3ギア54が回転することよって互いに近接離間するように回動され、透過領域内に挿入される量が変更される。そして、減光部8,9は、透過領域内に挿入される量に応じて光源光束の一部を遮光し、遮光されずに通過した光束を第2レンズアレイ322に射出する。
具体的に、図4に示すように、減光部8,9が互いに接近するように透過領域内に挿入されている場合には、光源光束は、遮光部材81,91によって大部分が反射され、遮光部材81,91同士が隣接する隙間から通過した僅かな光束が第2レンズアレイ322に入射する。
図9に示すように、減光部8,9が互いに接近する状態から離間するように回動されると、つまり、透過領域内に挿入される量が小さくなるように回動されると、遮光部材81,91によって遮光される光束の光量は減少し、より多くの光量の光束が第2レンズアレイ322に入射する。
(1)遮光部材81,91は、保持部材82,92を介して第2ギア53、第3ギア54に取り付けられ、保持部材82,92は、熱伝導率が遮光部材81,91の熱伝導率より低い材料で形成されている。これによって、遮光部材81,91が光束を遮光することに伴って温度が上昇した際に、保持部材82,92には、遮光部材81,91の熱が伝わりにくく、温度上昇が抑制される。そして、保持部材82,92がそれぞれ取り付けられている第2ギア53および第3ギア54の温度上昇も抑制される。よって、第2ギア53、第3ギア54は、熱変形等が抑えられ、安定して形状を維持することができ、適正に遮光部材81,91の位置を変えることが可能となる。したがって、プロジェクター1は、遮光部材81,91の温度が上昇した際にも調光装置5が安定して光量を調整し、コントラスト等の画像品質を高めて投写することが可能となる。
また、アルミニウム等の部材は、曲げや絞り等の複雑な形状の加工が容易にできるので、カシメ加工等によって、容易に遮光部材81,91を保持部材82,92に取り付けることが可能となり、調光装置5の組立工数の簡素化や低コスト化が図れる。
次に、第2実施形態に係るプロジェクター1について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、第1実施形態と同様の構造および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクター1は、第1実施形態の遮光部材81,91とそれぞれ形状の異なる一対の遮光部材を備えている。一対の遮光部材は、遮光部材81,91と同様に、アルミニウム等の板材で互いに略対称となるように形成され、保持部材82,92を介して第2ギア53、第3ギア54にそれぞれ取り付けられている。
図10は、減光部9の斜視図である。
遮光部材191は、図10に示すように、遮光本体部1911、取付部1913および橋架部1912を有している。
遮光本体部1911は、光源光束の一部を遮光するための部位であり、第1実施形態の遮光本体部911と略同一の形状を有している。取付部1913は、保持部材92に取り付けられる部位であり、第1実施形態の取付部912と略同一の形状を有し、遮光本体部1911に対して離間して設けられている。
そして、遮光部材191は、第1実施形態の遮光部材91と同様に、カシメ加工によって、保持部材92に取り付けられ、保持部材92は、第3ギア54にネジ固定される。
また、遮光部材191と略対称となるように形成された図示しないもう一方の遮光部材は、遮光部材191と同様に、橋架部を有して形成され、カシメ加工によって保持部材82に取り付けられ、保持部材82は、第2ギア53にネジ固定される。
橋架部1912は、断面積が遮光本体部1911および取付部1913の断面積より小さく形成されているので、遮光本体部1911が光束を遮光することに伴って温度が上昇した際に、遮光本体部1911から取付部1913への熱が伝わりにくく、取付部1913は、温度上昇が抑制される。したがって、取付部1913が取り付けられる保持部材92の温度上昇、ひいては第3ギア54の温度上昇がさらに抑制され、第3ギア54は、熱変形等がさらに抑えられる。同様に、第2ギア53の温度上昇もさらに抑制され、第2ギア53は、熱変形等がさらに抑えられる。
次に、第3実施形態に係るプロジェクター1について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、第1実施形態と同様の構造および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクター1は、第1実施形態の遮光部材81,91とそれぞれ形状の異なる一対の遮光部材を備えている。一対の遮光部材は、遮光部材81,91と同様に、アルミニウム等の板材で互いに略対称となるように形成され、保持部材82,92を介して第2ギア53、第3ギア54にそれぞれ取り付けられている。
図11は、減光部9の断面図である。
遮光部材291は、図11に示すように、遮光本体部2911および取付部2912を有している。
遮光本体部2911は、第1実施形態の遮光本体部911と同様に形成されている。取付部2912は、第1実施形態の取付部912に対し、同一面側に突出する突起部2913,2915を有することが異なる。
突起部2913は、同様に、プレス加工によって形成されており、外径寸法が保持部材92の孔922の内径寸法より僅かに大きく形成されている。さらに突起部2913の中央部には、孔922と嵌合可能な小突起部2914が形成されている。
また、遮光部材291と略対称となるように形成された図示しないもう一方の遮光部材は、遮光部材291と同様に、2つの突起部を有して形成され、2つの突起部を介して保持部材82に当接している。
遮光部材291は、突起部2913,2915を介して保持部材92に当接しているので、遮光部材291と保持部材92とが当接する面積が狭く、また、両部材が当接している部位の周囲は、空気の流通が可能となる。よって、保持部材92には、遮光部材291からの熱がさらに伝わりにくくなり、第3ギア54の温度上昇がさらに抑制され、第3ギア54は、熱変形等がさらに抑えられる。同様に、第2ギア53の温度上昇もさらに抑制され、第2ギア53は、熱変形等がさらに抑えられる。
次に、第4実施形態に係るプロジェクター1について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、第1実施形態と同様の構造および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクター1は、保持部材82と第2ギア53との間、および保持部材92と第3ギア54との間にそれぞれ熱の移動を抑制する断熱部材を配置した構成を有している。
図12は、減光部9および第3ギア54を示す側面図であり、減光部取付部542近傍を示す図である。
図12に示すように、保持部材92と減光部取付部542との間には、断熱部材15が配置されている。
断熱部材15は、ポリイミド樹脂等の断熱性を有する材料で、シート状に形成されている。また、断熱部材15には、ネジSCが挿通される孔が設けられている。そして、断熱部材15は、保持部材92と第3ギア54との間に配置され、保持部材92と共に第3ギア54に取り付けられる。同様に、保持部材82と第2ギア53との間にも断熱部材15が配置される。なお、断熱部材15は、シート状に限らず、発泡状や不織布状に形成してもよい。
保持部材82と第2ギア53との間、および保持部材92と第3ギア54との間にそれぞれ断熱部材15が配置されているので、保持部材82,92から第2ギア53、第3ギア54へ熱がそれぞれ伝わりにくくなる。よって、第2ギア53、第3ギア54には、遮光部材81,91からの熱がさらに伝わりにくくなり、第2ギア53、第3ギア54は、熱変形等がさらに抑えられる。
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
遮光部材81,91は、磨き加工やメッキ等によって光沢処理された部材を用いてもよい。これによって、光沢処理されていない部材を用いる場合に比べて、遮光部材81,91が遮光する光束の反射率が大きくなるので、遮光部材81,91の温度上昇が小さく、さらに第2ギア53、第3ギア54等の温度上昇が抑制される。
Claims (5)
- 光源から射出された光束の通過光量を調整する調光装置、前記調光装置を通過した光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成する電気光学装置、および前記画像光を投写する投写光学装置を有するプロジェクターであって、
前記調光装置は、
前記光源から射出された光束の一部を遮光する遮光部材と、
前記遮光部材を保持する保持部材と、
合成樹脂で形成され、前記遮光部材の位置を変えるために移動または回転する位置変更部と、
を備え、
前記遮光部材は、
前記光束の一部を遮光するための遮光本体部、前記保持部材に取り付けられる取付部、
および前記遮光本体部と前記取付部との間に橋架され、前記遮光本体部から前記取付部に向かう方向に略直交する断面において、前記遮光本体部および前記取付部の断面積より小さな断面積を有する橋架部、を有し、前記保持部材を介して前記位置変更部に取り付けられ、
前記保持部材は、熱伝導率が前記遮光部材の熱伝導率より低いステンレスで形成されていることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記遮光部材は、前記遮光本体部の一方の端部側に設けられた前記取付部で片持ち支持されていることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1または請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記遮光部材は、前記遮光部材および前記保持部材の少なくともいずれか一方に設けられた突起部を介して前記保持部材に当接していることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記遮光部材と前記保持部材との間、および前記保持部材と前記位置変更部との間のうち、少なくともいずれか一方の間に熱の移動を抑制する断熱部材が配置されていることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記遮光部材は、熱伝導率が100W/m・K以上の材料であることを特徴とするプロジェクター。
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