JP4759819B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、詳しくはDRAM(Dynamic Random Access Memory)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
年々加速される微細化競争によって、特に大容量のDRAMと高速ロジック素子とを1チップに搭載する複合デバイスの開発が行われている。そのDRAMの構成の一例としては、DRAMのメモリセルゲートを基板の上に積み上げ、メモリセルトランジスタの拡散層の取り出しには、いわゆるセルフアラインコンタクトを用いるという構成のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、積み上げ型のDRAMもさまざまな問題が顕在化してきている。
【0004】
トランジスタ性能を維持するため、DRAMメモリセルの縮小とともに基板濃度はますます高くなってきていて、DRAM領域の接合リークも厳しい状態に近づいている。このため、メガビット級のDRAMでの接合リークの抑制が困難になってきている。すなわち、従来は余裕を持って制御可能であったDRAMのデータ保持特性の維持が困難なものとなってきている。このままでは世代ごとにキャパシタ容量を増大させていくしか有効な手段が見当たらない。
【0005】
また、DRAMセルの縮小化にともない、拡散層と取り出し電極との接触面積が狭くなり、世代ごとに2倍の勢いでコンタクト抵抗が上昇するようになっている。0.1μm以降の世代では、このコンタクト抵抗が数キロΩになることが予想され、メモリセルのワードトランジスタのオン抵抗に匹敵してくるようになると予想される。したがって、セルトランジスタのみならず、このコンタクト抵抗のばらつきがDRAM動作に厳しく影響してくるようになり、製造上、一層の精密性が要求されるようになって来ている。
【0006】
また、DRAMセルの縮小化にともない、ワード線とその脇に形成される拡散層の取り出しコンタクトとの層間絶縁距離は世代ごとに近づきつつある。メガビット級のDRAMを製造する上で、この耐圧を確保するためには20nm〜30nmが限界の距離といわれている。そのため、0.1μm以降の世代のDRAMでは、この耐圧限界距離以下の距離で拡散層の取り出しコンタクトを形成することが必要になってしまう。
【0007】
従来は、タングステンシリサイド(WSi2 )/ドープトポリシリコンのポリサイド構造の採用で遅延を押さえてきたDRAMのワード線も、近年の微細化とともに、アスペクト比も厳しくなり、また、ワード線の遅延を抑えるための十分な低抵抗を得ることが困難となってきた。特に高速動作を要求される積み上げDRAMなどでは、このワード線遅延がDRAMのアクセスタイムに影響する深刻な問題となる。ゲートの抵抗を下げる技術として、サリサイドによる配線の低抵抗化が実用化されている。しかしながら、DRAMメモリセルのゲートに適用するためには、オフセット酸化シリコン膜を使えなくなることによるDRAMメモリセル縮小化の障害とデータ保持特性の維持のために、DRAMの拡散層にはサリサイドを形成しないプロセスを必要とするなどの困難から通常は採用できない。
【0008】
このように、現在の0.18μm世代では、何とか許容できている技術であっても、今後の0.1μm世代以降では、何らかの対策が必要となり、チップの性能トレンドを維持するためには、積み上げ型のDRAM構造の抜本的な改良が必要となると予想される。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた半導体装置の製造方法である。
【0017】
また、メモリ素子とロジック素子とを同一半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法において、半導体基板に素子分離領域を形成した後、メモリ素子領域の該半導体基板表面側に第1の拡散層を形成する工程と、前記メモリ素子領域の半導体基板および前記素子分離領域の所定の位置に溝を形成する工程と、前記溝内前記半導体基板表面にゲート絶縁膜を同時に形成する工程と、前記溝の上部を残した状態で前記溝内を埋め込むようにワード線を形成すると共に、前記ロジック素子領域の前記半導体基板上に前記ゲート絶膜を介してゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極の両側における前記半導体基板に第2の拡散層を形成する工程と、前記ワード線上の前記溝側壁にサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、前記ワード線上層前記第2の拡散層上層にシリサイド層を同時に形成する工程と、前記溝の上部を埋め込む絶縁膜を形成する工程と、前記第1の拡散層上から前記ワード線上にかけて前記絶縁膜を介して前記ワード線にオーバラップする状態で前記第1の拡散層の表面全面に達する接続孔を形成する工程と、前記接続孔内に、前記絶縁膜を介して前記ワード線にオーバラップする状態で、前記第1の拡散層の表面全面にコンタクトする取り出し電極を形成する工程とを備えている。
【0018】
上記半導体装置の製造方法では、ワード線上層にシリサイド層を形成することから、ワード線の抵抗が低減され、遅延の問題が回避される。また、ロジック素子の拡散層上にシリサイド層を形成することからこの拡散層へのコンタクト抵抗が低減される。
【0019】
また、半導体基板に形成した溝内に、その溝の上部を残して、ゲート絶縁膜を介してワード線を埋め込むように形成し、また、溝の側壁の半導体基板表面側に拡散層を形成し、さらに溝の上部を埋め込むように絶縁膜を形成し、ワード線上に絶縁膜を介してワード線にオーバラップする状態で拡散層に達する接続孔を形成することから、接続孔内に形成される取り出し電極とワード線とは絶縁膜によって離間され、しかもその絶縁膜は例えば20nm〜30nm以上の十分な膜厚を確保することが可能になる。そのため、ワード線と拡散層に接続される取り出し電極との耐圧を確保することが可能になる。
【0020】
また、半導体基板に形成した溝内にゲート絶縁膜を介してワード線(ゲート電極)を埋め込み、拡散層を半導体基板表面側に形成することから、チャネルはワード線(ゲート電極)が形成されている溝底部側の半導体基板を廻り込むように形成される。そのため、実効的なチャネル長が十分に確保されるため、バックバイアスを印加して、短チャネル効果が厳しいメモリ素子(DRAM)部のトランジスタ特性が安定化される。さらに、取り出し電極は拡散層の半導体基板の表面側全域に接続させることが可能になり、コンタクト抵抗の低減が図れる。
【0021】
また、メモリ素子(DRAM)部の拡散層は深さ方向に不純物濃度が薄くなるように形成することから、接合の電界を緩和することが可能になり、DRAM領域のセル縮小化で厳しくなるデータ保持特性の性能が維持される。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置に係る実施の形態の一例を、図1の概略構成断面図によって説明する。本実施の形態では一例としてロジック素子と混載されるメモリ素子(DRAM)の一例を示す。
【0023】
図1に示すように、半導体基板11には、メモリ素子領域(以下DRAMとして説明し、図面ではDRAM領域と記す)、標準電圧ロジック領域、高電圧ロジック領域等を分離する素子分離領域12が形成されている。この素子分離領域12は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation )技術によって、例えば0.1μm〜0,2μm程度の深さに形成されている。上記半導体基板11上のDRAM領域には、バッファ層72が例えば酸化シリコン膜で20nm〜30nmの厚さに形成されている。
【0024】
上記半導体基板11の上層には、DRAMのメモリセルトランジスタのソース・ドレインとなる第1の拡散層(拡散層)13が形成されている。この第1の拡散層13は、一例として、不純物にリンを用い、ドーズ量を1×1013/cm2 〜5×1013/cm2 、加速電圧を10keV〜40keVに設定したイオン注入により形成される。
【0025】
上記バッファ層72、半導体基板11および上記素子分離領域12には、溝14が例えば50nm〜100nm程度の深さに形成されている。この溝14の底部のエッジ部分はいわゆるラウンド形状に形成されている。その溝14内にはゲート絶縁膜15を介してワード線(ゲート電極も含む)16が形成されている。上記ワード線16は、下層をポリシリコン層で形成され、上層がシリサイド(例えばサリサイド)層18で形成されている。少なくとも後に説明する取り出し電極21との耐圧が確保される距離として、その表面が溝14の上部の半導体基板11表面より少なくとも30nm以上50nm以下、好ましくは40nm以上50nm以下、下がった状態に形成されている。この実施の形態では、例えば50nm程度下がった状態に形成されている。なお、半導体基板11に形成された溝14の深さと素子分離領域12に形成された溝14の深さに多少の差を生じていても差支えはない。
【0026】
さらにワード線16のポリシリコン層上の溝14の側壁には、サイドウォール絶縁膜17が例えば窒化シリコン膜で形成されている。さらに、上記ポリシリコン層16pの上層には上記シリサイド層18が形成されている。このシリサイド層18としては、例えばコバルトシリサイド(CoSi2 )、チタンシリサイド(TiSi2 )ニッケルシリサイド(NiSi2 )等を用いることができる。なお、半導体基板11に形成された溝14の深さと素子分離領域12に形成された溝14の深さに多少の差を生じていても差し支えはない。
【0027】
さらに、上記溝14の底部における半導体基板11にはチャネル拡散層(図示せず)が形成されている。上記チャネル拡散層は、高濃度(例えば1.0×1018/cm3 〜1.0×1019/cm3 )にしなければならないが、半導体基板11を掘り下げた溝14底部の半導体基板11部分に形成されているものであり、溝14の側壁や上部はほとんど基板濃度としてよく、その領域は極めて低濃度(例えば1.0×1016/cm3 〜1.0×1018/cm3 )となっている。
【0028】
上記ゲート絶縁膜15は、最先端のロジックのトランジスタよりもやや厚めの膜厚を有し、またゲート長もやや長く形成されるため、この世代であっても、熱酸化による酸化シリコン膜の適用が可能である。したがって、DRAM領域の上記ゲート絶縁膜15は、例えば1.5nm〜2nm程度の厚さの酸化シリコン膜で形成されている。
【0029】
したがって、上記溝14の側壁上部における半導体基板11表面側には、DRAM領域の第1の拡散層13が形成されている。この第1の拡散層13の底部はでき得る限り薄い濃度に設定され、半導体基板11との電界を緩和させることが望ましい。もともと半導体基板11側は、この第1の拡散層13の接合部では低濃度に設定されているため、第1の拡散層13とともに、低電界強度の接合が形成されている。この接合によってDRAMデータ保持特性が維持される。
【0030】
上記説明したように、半導体基板11にゲート絶縁膜15を介してワード線(ゲート電極)16が埋め込まれ、第1の拡散層13が半導体基板11表面側に形成されていることから、チャネルはワード線(ゲート電極)16が形成されている溝14底部側の半導体基板11を廻り込むように形成されている。そのため、実効的なチャネル長を確保することもでき、バックバイアスを印加して短チャネル効果が厳しいDRAMセルのトランジスタ特性を安定化させることもできる。
【0031】
一方、標準電圧ロジック領域には、標準電圧ロジックトランジスタが形成される。すなわち、上記半導体基板11上にはゲート絶縁膜15を介してゲート電極51が形成されている。このゲート電極51の側壁にはサイドウォール54が形成されていて、このサイドウォール54の下部における半導体基板11には低濃度拡散層52、52が形成され、この低濃度拡散層52、52を介したゲート電極51の両側の半導体基板11には第2の拡散層55、55が形成されている。この第2の拡散層55、55上層にはシリサイド層58が形成されている。このシリサイド層58は、例えば前記シリサイド層18と同時に形成されたものからなる。また、ロジック領域の素子分離領域12上には、上記ゲート電極51と同様な構造のゲート電極(ゲート配線)51が形成されている。
【0032】
また、高電圧ロジック領域には、高電圧ロジックトランジスタが形成される。すなわち、上記半導体基板11上にはゲート絶縁膜15を介してゲート電極61が形成されている。このゲート電極61の側壁はサイドウォール64が形成されていて、このサイドウォール64の下部における半導体基板11には低濃度拡散層62、62が形成され、この低濃度拡散層62、62を介したゲート電極61の両側の半導体基板11には第3の拡散層65、65が形成されている。この第3の拡散層65、65上層にはシリサイド層68が形成されている。このシリサイド層68は、例えば前記シリサイド層18と同時に形成されたものからなる。
【0033】
上記半導体基板11上の全面には、第1の絶縁膜(絶縁膜)19が形成されている。この第1の絶縁膜19表面は平坦化されている。上記第1の絶縁膜19上にはDRAM領域の第1の拡散層13に達する接続孔20が形成されている。この接続孔20は、第1の拡散層13の表面全面で取り出し電極をコンタクトさせることが可能なように、接続孔20の開口径をでき得る限り大きく形成することが望ましい。それによってコンタクト抵抗の低減が図られる。また、図面では、多少アライメントずれを起こした状態をわざと記載したが、接続孔開口時に過剰なオーバエッチングを施さなければ、接続孔20内に形成されるワード線取り出し電極の物理的な距離を確保することが可能となる。なお、上部からみた投影デザインでは、この接続孔20が完全にワード線(ゲート電極)16にオーバラップする形となっている。上記接続孔20内には、例えばリンドープトポリシリコンで形成される取り出し電極21が形成されている。
【0034】
さらに、上記第1の絶縁膜19上には、取り出し電極21を覆う第2の絶縁膜22が形成されている。この第2の絶縁膜22にはビットコンタクトホール23が形成されている。また第2の絶縁膜22上にはビット線24が形成されていて、その一部は上記ビットコンタクトホール23を通じて取り出し電極21に接続されている。このビット線24は、金属配線により形成され、その下部に密着層24aが形成され、その上部にオフセット絶縁膜25が形成されている。
【0035】
上記第2の絶縁膜22上には、上記ビット線24を覆うエッチングストッパ層26および第3の絶縁膜27が形成されている。この第3の絶縁膜27表面は平坦化されている。上記第3の絶縁膜27には上記取り出し電極21に接続する接続孔28が形成され、この接続孔28内にはビット線24との絶縁を図るためにサイドウォール絶縁膜29が形成されている。さらに上記接続孔28内にプラグ30が形成されている。
【0036】
上記第3の絶縁膜27上には第4の絶縁膜31が形成されている。この第4の絶縁膜31には、キャパシタが形成される凹部32が、その底部に上記プラグ30上面が露出するように形成されている。その凹部32内には、熱処理が不要なMIM(Metal/insulator/Metal)構造のキャパシタ33が形成されている。MIM構造のキャパシタ33は0.1μm以降のDRAMでは必須になると予想され、現在では、一例として、電極にルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO)系材料が用いられ、誘電体膜にはBST(BaTiO3 とSrTiO3 との混晶)系の膜が採用される。
【0037】
上記第4の絶縁膜31上には、上記MIM構造のキャパシタ33を覆う第5の絶縁膜34が形成されている。この第5の絶縁膜34表面は平坦化されている。上記第5の絶縁膜34ないし第1の絶縁膜19には、キャパシタ取り出し電極、ワード線取り出し電極、ビット線取り出し電極、ロジック領域の拡散層取り出し電極、ロジック領域のゲート取り出し電極等を形成するための接続孔35、36、37、101,102、103,104、105等が形成され、各接続孔35、36、37、101,102、103,104、105等には、キャパシタ取り出し電極38、ワード線取り出し電極39、ビット線取り出し電極40、ロジック領域の拡散層取り出し電極105,106、107,108、ロジック領域のゲート取り出し電極109等が形成されている。
【0038】
さらに、第5の絶縁膜34上には第6の絶縁膜41が形成されている。この第6の絶縁膜41には、各電極38〜40、105〜109等に達する配線溝42が形成され、各配線溝42には第1の配線43が形成されている。この第1の配線43は例えば銅配線からなる。図示はしないが、さらに必要に応じて上層配線を形成する。なお、上記電極38〜40、105〜109および上記配線42には、電極、配線、絶縁膜の材質によって、通常知られている密着層、バリア層が形成されている。
【0039】
上記半導体装置1は、DRAMと標準電圧ロジック素子、高電圧ロジック素子とが形成されているが、DRAMのみが形成されたものであってもよい。
【0040】
上記半導体装置1では、第1の拡散層13は深さ方向に不純物濃度が薄くなっていることから、接合の電界を緩和することが可能になり、データ保持特性の性能が維持される。
【0041】
上記半導体装置1では、半導体基板11にゲート絶縁膜15を介してワード線(ゲート電極)16が埋め込まれ、第1の拡散層13が半導体基板11表面側に形成されていることから、チャネルはワード線(ゲート電極)16が形成されている溝14底部側の半導体基板11を廻り込むように形成されている。そのため、実効的なチャネル長が十分に確保されるため、バックバイアスを印加して、短チャネル効果が厳しいDRAMのトランジスタ特性が安定化される。
【0042】
上記半導体装置1では、取り出し電極21は第1の拡散層13の半導体基板11表面側全域に接続させることが可能になり、拡散層のコンタクト抵抗をそのセルデザインで実現可能な最低の抵抗に抑制できる。また、DRAM領域の拡散層全面をコンタクトとして使用されるため、実効面積を有効に使用できる。そのため、セル面積の縮小化が図れる。
【0043】
上記半導体装置1では、ゲート絶縁膜15を介して半導体基板11に埋め込まれたワード線16上に第1の絶縁膜(絶縁膜)19を介してこのワード線16にオーバラップする状態で第1の拡散層13に接続される取り出し電極21を備えていることから、ワード線16上の第1の絶縁膜19を20nm〜30nm以上の十分な膜厚を確保することが可能になり、それによって、ワード線16と第1の拡散層13に接続される取り出し電極21との耐圧が確保されるようになる。
【0044】
上記半導体装置1では、DRAMのワード線16にサリサイド構造を採用していることから、ワード線16の低抵抗化が図れ、微細化で問題となるワード線16の遅延の問題を回避することができる。また、ロジック領域の第2の拡散層55上層、第3の拡散層65上層にシリサイド層58、68が形成されていることから、第2の拡散層55、第3の拡散層65へのコンタクト抵抗が低減される。
【0045】
次に、本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を、図2〜図16の概略構成断面図によって説明する。本実施の形態では一例としてロジック素子と混載されるDRAMの一例を示す。また、図2〜図16では、前記図1によって説明したのと同様なる構成部品には同一符号を付与する。
【0046】
図2の(1)に示すように、例えばSTI(Shallow Trench Isolation )技術によって、半導体基板11に、メモリ素子領域(以下DRAMとして説明し、図面ではDRAM領域と記す)、標準電圧ロジック領域、高電圧ロジック領域等を分離する素子分離領域12を形成する。
【0047】
さらにレジスト膜91を形成した後、リソグラフィー技術に用いて、ロジック領域上のレジスト膜91を残し、DRAM領域上のレジスト膜91を除去する。図面では酸化シリコンからなるバッファ層71を形成した半導体基板11を示しているが、場合によっては、上記バッファ層71は必要としない。また上記素子分離領域12は0.1μm〜0,2μm程度の深さに形成される。
【0048】
その後、上記レジスト膜91をマスクにしてDRAM領域の半導体基板11にソース・ドレインを形成するためのイオン注入を行い、第1の拡散層13を形成する。このイオン注入条件としては、一例として、イオン注入する不純物にリンを用い、ドーズ量を1×1013/cm2 〜5×1013/cm2 、加速電圧を10keV〜40keVに設定する。その後、上記レジスト膜91を除去する。このイオン注入では、後のDRAM領域のゲート形成に係る熱処理による拡散を考慮して、やや浅めにイオン注入を行うが、DRAMのゲートが基板埋め込み型であるため、DRAM領域のチャネルは埋め込みゲートを形成する溝の底部に形成されるので、何ら問題はない。また、後の熱処理によって活性化されるため、特にこの段階で熱処理を行う必要もない。
【0049】
次いで、図3の(2)に示すように、半導体基板11上にバッファ層72を例えば酸化シリコン膜で、20nm〜30nmの厚さに形成する。続いて、レジスト膜93を形成した後、リソグラフィー技術に用いて、DRAM領域上に上記レジスト膜92を残し、標準電圧ロジック領域上および高電圧ロジック領域上のレジスト膜92を除去する。その後、このレジスト膜92をエッチングマスクに用いて、上記バッファ層72をエッチング加工する。すなわち、DRAM領域上にバッファ層72を残し、標準電圧ロジック領域および高電圧ロジック領域上のバッファ層72をエッチング除去する。このエッチング加工は、酸化シリコン膜をエッチングする周知のドライエッチングもしくはウエットエッチングのいずれかの方法で行うことが可能である。その後、上記レジスト膜92を除去する。上記プロセスにおいて、DRAM領域上に残したバッファ層72は、後にDRAM領域のワード線上にサリサイドを形成する際に、DRAM領域の拡散層をこのサリサイド形成から保護する機能を有する。
【0050】
さらに、図4の(3)に示すように、リソグラフィー技術に用いるレジスト膜93を形成した後、DRAM領域のワード線(ゲート電極)となる領域上のレジスト膜93に開口部94を形成する。
【0051】
次いで、図5の(4)に示すように、上記レジスト膜93をエッチングマスクに用いて、バッファ層72、素子分離領域12および半導体基板11をエッチング(例えば連続的にエッチング)して素子分離領域12(フィールド)および半導体基板11に、DRAM領域のワード線(ゲート電極も含む)が形成される溝14を形成する。この溝14の深さは、例えば50nm〜100nm程度であり、半導体基板11に形成された溝14の深さと素子分離領域12に形成された溝14の深さとが多少の差を生じてもよい。また、この溝14はDRAM領域のみに形成されることから、溝底部のエッジ部分は、セルトランジスタの電界集中を避けるために、いわゆるラウンド形状に形成することが望ましい。なお、DRAM領域に形成されているバッファ層72は素子分離領域12をエッチングする際に同時にエッチングされる。その後、上記レジスト膜93を通常の除去技術によって除去する。
【0052】
なお、この世代で想定している電圧としては、標準ロジック領域は0.5V〜1.2V、高電圧ロジック領域は1.5V〜2.5V、DRAMセルのワード線昇圧は1.5V〜2.5Vである。
【0053】
次いで、図示はしないが、DRAM領域およびロジック領域のウエル・チャネルドーズを例えばレジストマスクを用いてイオン注入法によって行い、半導体基板11にチャネル拡散層、ウエル領域等を形成する。
【0054】
DRAM領域のワードトランジスタの上記チャネル拡散層として、高濃度(例えば1.0×1018/cm3 〜1.0×1019/cm3 )にしなければならない領域は、半導体基板11を掘り下げた溝14底部の半導体基板部分であり、溝14の側壁や上部における半導体基板11には基板濃度としてのイオン注入をほとんど行う必要はない。したがって、後述する拡散層13(図7参照)下部の半導体基板部分は、極めて低濃度(例えば1.0×1017/cm3 〜1.0×1018/cm3 )での形成が可能になる。
【0055】
その後、図6の(5)に示すように、上記溝14の内面および半導体基板11、素子分離領域12上にDRAM領域、標準電圧ロジック領域(センスアンプやその他の周辺回路)、高電圧ロジック領域(例えばワード線昇圧部等)等のゲート絶縁膜15を形成する。この世代では、ゲート絶縁膜を膜厚に応じて作り分けるのが一般的ではあり、レジストプロセスを用いて作り分けを行う。ゲート絶縁膜には酸化シリコンもしくは窒化シリコンを用いる。ただし、低コストの汎用DRAMの場合には作り分けは必ずしも必要な措置ではない。
【0056】
さらに、図7の(6)に示すように、溝14を埋め込むように、半導体基板11、素子分離領域12上に上記ゲート絶縁膜15を介してゲート電極形成膜73を例えばポリシリコン層74と金属電極形成層75とで形成する。このポリシリコン層74の膜厚は70nm〜200nm、好ましくは100nm程度とする。次いで、上記金属電極形成層75としては、例えば窒化タングステン膜とタングステン膜とを積層形成する。この材質は、周辺回路部のゲート遅延を抑制させるためのものであるから、従来から用いられているタングステンシリサイドを用いることも可能である。
【0057】
または、上記ゲート構造を単純なポリシリコンゲートとしておいて、後のDRAMのワード線を低抵抗化するために形成するサリサイドプロセス時に周辺部の拡散層と同様に周辺部のゲート電極上をサリサイドとして低抵抗化することも可能である。また、汎用DRAMとして周辺回路部の高集積化が要求されない場合には、pチャネルトランジスタも従来のn+ ゲート電極を用いることも可能である。この場合には、ゲートポリシリコンとして、予めリンドープポリシリコンを用い、ゲート電極への不純物ドーピング工程を削減することも可能である。さらに、ゲート電極形成膜73(金属電極形成層75)上にバッファ層76として、例えば酸化シリコン膜を形成する。
【0058】
ここまでの形成プロセスで、最初にイオン注入によって形成したDRAM領域の第1の拡散層13のリンの熱拡散が進行し、第1の拡散層13の底部は、濃度が薄くなり、半導体基板11との電界を緩和させることが可能となる。もともと、半導体基板11側は、この第1の拡散層13の接合部では低濃度に設定されているため、第1の拡散層13とともに、低電界強度の接合が形成される。この接合がDRAMデータ保持特性の傾向を維持する。
【0059】
次に、全面にレジスト膜を形成した後、リソグラフィー技術によってレジスト膜を加工し、ロジック領域のゲート電極を形成するためのレジストパターン95を形成する。
【0060】
次いで、図8の(7)に示すように、上記レジストパターン95をマスクに用いて、上記バッファ層76、ゲート電極形成膜73をエッチング加工して、標準電圧ロジック領域にゲート電極(ゲート配線も含む)51を形成するとともに高電圧ロジック領域にゲート電極(図示はしないがゲート配線も含む)61を形成する。上記バッファ層76は、後のサリサイド形成時にゲート電極51、61上のタングステン層にサリサイドが形成されるのを防ぐために堆積しているが、汚染や加工上の問題がない場合には、特には不要である。また、図示はしないが、周辺回路部のゲート電極にサリサイド構造を採用する場合には不要である。
【0061】
また、DRAM領域の溝14内には、上記ゲート電極形成膜73のポリシリコン層74を残すようにして、ワード線(一部がゲート電極となる)16を形成する。その際、DRAM領域のワード線16形成のためのエッチバックは半導体基板11よりも例えば50nm程度低くなるように行い、後に形成される拡散層取り出し電極との耐圧距離を確保する。このエッチングでは、DRAM領域にはドープトポリシリコン膜しか残らない。その後、上記レジストパターン95を除去する。
【0062】
上記説明したように、DRAM領域のセルトランジスタは溝14の周囲の半導体基板11をラウンドする形でチャネルを形成することになるため。実効的なチャネル長を確保することもでき、バックバイアスを印加して短チャネル効果が厳しいDRAMセルのトランジスタ特性を安定化させることもできる。
【0063】
次いで、図9の(8)に示すように、標準電圧ロジック領域のnチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、nチャネルトランジスタの低濃度拡散層52、52を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。同様にして、標準電圧ロジック領域のpチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、pチャネルトランジスタの低濃度拡散層(図示せず)を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0064】
さらに、同様にして、高電圧ロジック領域のnチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、nチャネルトランジスタの低濃度拡散層62、62を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。同様にして、高電圧ロジック領域のpチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、pチャネルトランジスタの低濃度拡散層(図示せず)を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0065】
次いで、DRAM領域のゲートを保護する保護膜78を例えば薄い窒化シリコン膜(例えば厚さが10nm〜50nm)で形成する。さらに、サイドウォール形成膜79を例えば酸化シリコン膜で形成する。このように、このサイドウォール形成膜79は、窒化シリコンよりも低応力でウエット処理による剥離性のよい酸化シリコンで形成することが好ましい。または、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜もしくは酸化窒化シリコン膜で形成することも可能である。また、上記保護膜78は、後にDRAM内で周辺回路用トランジスタのサイドウォール形成膜79を除去する際のエッチングストッパとなるとともに、後にDRAM領域のワード線16上の溝14側壁にサイドウォール状に形成され、サリサイド層を形成した時のワード線16側壁の耐圧確保に寄与する。
【0066】
その後、図10の(9)に示すように、全面にレジスト膜96を形成し、例えばリソグラフィー技術によって、標準電圧ロジック領域および高電圧ロジック領域上のレジスト膜96を除去し、DRAM領域を覆うようにレジスト膜96を残す。そして、上記サイドウォール形成膜79をエッチバックして、標準電圧ロジック領域のゲート電極51および高電圧ロジック領域のゲート電極61の各側壁にサイドウォール絶縁膜54、64を形成する。その後、レジスト膜96を除去する。
【0067】
次いで、図11の(10)に示すように、標準電圧ロジック領域のnチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、ゲート電極51側に低濃度拡散層52を介してnチャネルトランジスタの第2の拡散層55、55を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。同様にして、標準電圧ロジック領域のpチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、pチャネルトランジスタの拡散層(図示せず)を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0068】
さらに、同様にして、高電圧ロジック領域のnチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、ゲート電極61側に低濃度拡散層62を介してnチャネルトランジスタの第3の拡散層65、65を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。同様にして、高電圧ロジック領域のpチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、ゲート電極側に低濃度拡散層を介してpチャネルトランジスタの拡散層(図示せず)を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0069】
次いで、全面にレジスト膜97を形成した後、リソグラフィー技術によって、DRAM領域のレジスト膜97を除去し、上記レジスト膜97でロジック領域を覆うようにパターニングを行う。次いで、上記レジスト膜97をマスクに用いて例えばウエット処理によって、DRAM領域の酸化シリコンからなるサイドウォール形成膜79のエッチバックを行う。このエッチングでは、先に形成されているDRAMのワード線16直上に形成されている窒化シリコンからなる保護膜78〔前記図9参照〕がエッチングストッパとなる。
【0070】
また、上記レジスト膜97をそのまま利用して、DRAM領域の窒化シリコン膜からなる保護膜78を例えば反応性イオンエッチング(RIE)によりエッチングして、DRAM領域のワード線16を露出させる。その際、ワード線16上の溝14側壁にサイドウォール17が形成される。このサイドウォール17は溝14の側壁保護の機能とともに、後に形成されるシリサイド層と第1の拡散層13との耐圧確保の機能を有する。なお、上記反応性イオンエッチングでは、DRAM領域の第1の拡散層13が露出しないようにすることが重要である。その後、上記レジスト膜91を除去する。
【0071】
さらに、図12の(11)に示すように、通常のシリサイド化技術を用いて、上記DRAM領域のワード線(ゲート電極)16上、標準電圧ロジック領域の第2の拡散層55上、高電圧ロジック領域の第3の拡散層65上に、選択的にシリサイド(例えばサリサイド)層18、58、68を形成する。このとき、各ロジック領域のゲート電極51、61には、酸化シリコン膜からなるバッファ層76、サイドウォール54、64が形成されているので、シリサイド層は形成されない。このようにして、低抵抗を実現する必要が有るロジック領域の第2の拡散層55、65上、DRAM領域のワード線16上に選択的にシリサイド層58、68、18が形成される。
【0072】
上記シリサイド層18、58、68としては、例えばコバルトシリサイド(CoSi2 )、チタンシリサイド(TiSi2 )ニッケルシリサイド(NiSi2 )等を用いることができる。なお、先に記述したように、周辺回路部のトランジスタのゲート電極上にもシリサイド層を形成してサリサイド構造として、ゲート電極の低抵抗化を図っても差し支えはない。その後、全面にキャップ絶縁膜80を例えば窒化シリコン膜で形成する。このキャップ絶縁膜80は、サリサイド形成部の接合リークを抑えるのに効果的ではあるが、キャップ絶縁膜80が無くとも接合リークを抑制することができるならば形成する必要はない。
【0073】
次いで、図13の(12)に示すように、全面に第1の絶縁膜(絶縁膜)19を形成した後、CMPによって、第1の絶縁膜19表面を平坦化する。上記第1の絶縁膜19表面を平坦化する方法は、平坦化を実現することができる方法であればCMPに限定されることはなく、例えばエッチバック法等を用いることも可能である。その後、上記第1の絶縁膜19上にレジスト膜93を形成した後、リソグラフィー技術によって、上記レジスト膜99にDRAM領域の拡散層取り出しコンタクト用の接続孔パターン100を形成する。
【0074】
次いで、図14の(13)に示すように、上記レジスト膜〔図13参照〕をエッチングマスクに用いて、第1の絶縁膜19を貫通してDRAM領域の第1の拡散層13に達する接続孔20を形成する。このとき、DRAM領域のワード線(ゲート電極)16はコンタクトを取るべき第1の拡散層13よりも半導体基板11表面下に配置されているので、セルフアラインコンタクト等の特別な技術を用いる必要はない。またDRAMの第1の拡散層13全面が取り出し電極とコンタクトできるように、接続孔20の開口径をでき得る限り大きく形成することが望ましい。それによってコンタクト抵抗の低減が図られる。また、図面では、多少アライメントずれを起こした状態をわざと記載したが、接続孔開口時に過剰なオーバエッチングを施さなければ、後の工程で接続孔20内に形成されるワード線取り出し電極の物理的な距離を確保することが可能となる。なお、上部からみた投影デザインでは、この接続孔20が完全にワード線(ゲート電極)16にオーバラップする形となっている。
【0075】
次いで、上記接続孔20内を埋め込むように、第1の絶縁膜19上に、取り出し電極形成膜81を形成する。この取り出し電極形成膜81は、従来通り、DRAM領域に接合リークの低減を考慮してリンドープトポリシリコンが選択されることが望ましい。その後、リンドープトポリシリコンを活性化するための熱処理を行う。この熱処理としては900℃程度の急速加熱処理(以下RTAという、RTAはRapid Thermal Annealing の略)が必要になる。その後は、ロジック領域のゲート電極を形成する工程となるため、一切の高温熱処理を行わないようにする必要がある。
【0076】
その後、図15の(14)に示すように、例えばCMPによって、第1の絶縁膜19上の余剰な取り出し電極形成膜81(リンドープトポリシリコン)を除去して、接続孔20内に取り出し電極形成膜81からなる取り出し電極21を形成するとともに、第1の絶縁膜19を研磨してその表面を平坦化させる。
【0077】
次いで、図16の(15)に示すように、通常のDRAMプロセスを経る。すなわち、上記第2の絶縁膜22を形成した後、ビットコンタクトホール23を形成する。次いで、金属電極によるビット線24を形成する。このビット線23は、その下部に密着層24aを成膜して形成され、その上部にオフセット絶縁膜25を成膜して形成される。その後、ビット線24を覆うエッチングストッパ層26および第3の絶縁膜27を形成する。そして、第3の絶縁膜27表面を平坦化する。次に、第3の絶縁膜27に上記取り出し電極21に接続する接続孔28を、自己整合コンタクトを形成する技術によって形成する。この接続孔28内にはビット線24との絶縁を図るためにサイドウォール絶縁膜29を形成する。さらに上記接続孔28内にプラグ30を形成する。その後、上記第3の絶縁膜27上に、第4の絶縁膜31を形成する。
【0078】
次いで、第4の絶縁膜31にキャパシタが形成される凹部32を、その底部に上記プラグ30上面が露出するように形成する。その後、凹部32内に、熱処理が不要なMIM(Metal/insulator/Metal)構造のキャパシタ33を形成する。MIM構造のキャパシタ33は0.1μm以降のDRAMでは必須になると予想され、現在では、一例として、電極にルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO)系材料が用いられ、誘電体膜にはBST(BaTiO3 とSrTiO3 との混晶)系の膜が採用される。
【0079】
次いで、上記第4の絶縁膜31上に、上記MIM構造のキャパシタ33を覆う第5の絶縁膜34を形成する。その後、CMPによって上記第5の絶縁膜34表面を平坦化する。次いで、第5の絶縁膜34ないし第1の絶縁膜19に、キャパシタ取り出し電極、ワード線取り出し電極、ビット線取り出し電極、ロジック領域の拡散層取り出し電極、ロジック領域のゲート取り出し電極等を形成するための接続孔35、36、37、101,102、103,104、105等を形成する。さらに、接続孔35、36、37、101,102、103,104、105等に、キャパシタ取り出し電極38、ワード線取り出し電極39、ビット線取り出し電極40、ロジック領域の拡散層取り出し電極105,106、107,108、ロジック領域のゲート取り出し電極109等を形成する。さらに、第5の絶縁膜34上に第6の絶縁膜41を形成する。次いで、この第6の絶縁膜41に各電極38〜40、105〜109等に達する各配線溝42を形成し、配線溝42に第1の配線43を形成する。この第1の配線43は例えば銅配線からなる。図示はしないが、さらに必要に応じて上層配線を形成する。なお、上記電極38〜40、105〜109および上記配線42には、電極、配線、絶縁膜の材質によって、通常知られている密着層、バリア層が形成される。
【0080】
上記半導体装置1の製造方法は、DRAM2と標準電圧ロジック素子3、高電圧ロジック素子4とを形成しているが、DRAM2のみを形成する製造方法であってもよい。その場合、標準電圧ロジック素子3、高電圧ロジック素子4の各構成部品のみを形成するプロセスは省略される。代表的には、バッファ層52、ゲート電極金属膜74、バッファ層75、ゲート電極51、61、低濃度拡散層52、62、第2の拡散層55、65、サイドウォール形成膜77、ロジック領域の電極105〜109等を形成するプロセスである。
【0081】
上記半導体装置1の製造方法では、半導体基板11に形成した溝14内に、その溝14の上部を残して、ゲート絶縁膜15を介してワード線(ゲート電極)16を埋め込むように形成し、また、溝14の側壁の半導体基板11表面側に第1の拡散層13を形成し、さらに溝14の上部を埋め込むように第1の絶縁膜(絶縁膜)19を形成し、ワード線(ゲート電極)16上に第1の絶縁膜19を介してワード線(ゲート電極)16にオーバラップする状態で第1の拡散層13に達する接続孔20を形成することから、接続孔20内に形成される取り出し電極20とゲート電極16とはサイドウォール17、第1の絶縁膜19等によって離間され、しかもその間は例えば30nm以上の十分な膜厚を確保することが可能になる。そのため、ゲート電極(ワード線16と第1の拡散層13に接続される取り出し電極20との耐圧を確保することが可能になる。
【0082】
また、半導体基板11に形成した溝14内にゲート絶縁膜15を介してワード線(ゲート電極)16を埋め込み、第1の拡散層13を半導体基板11表面側に形成することから、チャネルはワード線(ゲート電極)16が形成されている溝14底部側の半導体基板11を廻り込むように形成される。そのため、実効的なチャネル長が十分に確保されるため、バックバイアスを印加して、短チャネル効果が厳しいDRAMのトランジスタ特性が安定化される。さらに、取り出し電極21は第1の拡散層13の半導体基板11の表面側全域に接続させることが可能になり、コンタクト抵抗の低減が図れる。
【0083】
また、第1の拡散層13は深さ方向に不純物濃度が薄くなるように形成することから、接合の電界を緩和することが可能になり、データ保持特性の性能が維持される。
【0084】
また、DRAMのワード線16上層にシリサイド層18を形成することから、ワード線16の低抵抗化が図れ、微細化で問題となるワード線16の遅延の問題が回避される。また、ロジック領域の第2の拡散層55上層、第3の拡散層65上層にシリサイド層58、68を形成することから、第2の拡散層55、第3の拡散層65へのコンタクト抵抗が低減される。
【0085】
上記DRAM領域に用いた技術は、汎用DRAMのメモリチップの製造にも適用することが可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の半導体装置の製造方法によれば、メモリ素子(DRAM)領域の拡散層下部の基板濃度をセルトランジスタに要求されるほど濃くする必要がないので接合の電界を緩和することが可能になり、メモリ素子領域のセル縮小化でますます厳しくなるデータ保持特性の性能を維持することが可能になる。
【0087】
また、メモリ素子領域のセルトランジスタの実効的なチャネル長が延びるため、短チャネル効果を抑制し、トランジスタ特性の安定化を図ることができる。
【0088】
また、メモリ素子領域の拡散層全面を取り出し電極とのコンタクトに使用するため、実効面積を有効に使用することができるので、拡散層のコンタクト抵抗を、そのセルデザインで実現可能な最低の抵抗値に抑制することが可能となる。
【0089】
また、上部投影デザイン的に、メモリ素子領域の拡散層の取り出し電極と、ワード線(ゲート電極)とがオーバラップすることが可能となり、セルの微細化が可能になる。現在のDRAM構造では、ワード線と取り出し電極間は20nm〜30nm程度の距離の確保が必要とされているが、本発明のメモリ素子(DRAM)構造では、この距離の確保が必要なくなる。また、DRAMのメモリセル形成のネックとなっていたワード線と拡散層取り出しコンタクトとの層間耐圧確保も容易となる。
【0090】
また、メモリ素子のワード線の上層にシリサイド層を形成することによって、ワード線の低抵抗化を実現し、微細加工化で問題となるワード線の遅延の問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(1)である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(2)である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(3)である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(4)である。
【図6】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(5)である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(6)である。
【図8】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(7)である。
【図9】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(8)である。
【図10】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(9)である。
【図11】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(10)である。
【図12】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(11)である。
【図13】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(12)である。
【図14】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(13)である。
【図15】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(14)である。
【図16】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(15)である。
【符号の説明】
1…半導体装置、11…半導体基板、12…素子分離領域、13…第1の拡散層、14…溝、15…ゲート絶縁膜、16…ワード線、18…シリサイド層、19…第1の絶縁膜、21…取り出し電極

Claims (3)

  1. メモリ素子とロジック素子とを同一半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法において、
    半導体基板に素子分離領域を形成した後、メモリ素子領域の該半導体基板表面側に第1の拡散層を形成する工程と、
    前記メモリ素子領域の半導体基板および前記素子分離領域の所定の位置に溝を形成する工程と、
    前記溝内前記半導体基板表面にゲート絶縁膜を同時に形成する工程と、
    前記溝の上部を残した状態で前記溝内を埋め込むようにワード線を形成すると共に、前記ロジック素子領域の前記半導体基板上に前記ゲート絶膜を介してゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極の両側における前記半導体基板に第2の拡散層を形成する工程と、
    前記ワード線上の前記溝側壁にサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、
    前記ワード線上層前記第2の拡散層上層にシリサイド層を同時に形成する工程と、
    前記溝の上部を埋め込む絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の拡散層上から前記ワード線上にかけて前記絶縁膜を介して前記ワード線にオーバラップする状態で前記第1の拡散層の表面全面に達する接続孔を形成する工程と、
    前記接続孔内に、前記絶縁膜を介して前記ワード線にオーバラップする状態で、前記第1の拡散層の表面全面にコンタクトする取り出し電極を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記拡散層は深さ方向に不純物濃度が薄くなるように形成することを特徴とする請求項記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記ワード線はゲート電極を含むことを特徴とする請求項記載の半導体装置の製造方法。
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