JP4745414B2 - 磁気抵抗素子及び磁気メモリ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気抵抗素子、及びこれを用いた磁気メモリに関する。
近年、電子のスピン自由度を利用した技術(スピンエレクトロニクス)の研究が行われている。強磁性体の状態密度は、アップスピン及びダウンスピンを持つ電子についてそれぞれフェルミ面近傍で分極している。フェルミエネルギー近傍の電子が伝導を担っており、強磁性体内では伝導電子とスピンとが混成しているので、このスピンが遍歴性を有するために電流がスピン分極(spin polarization)していると考えられる。強磁性体をスピンの注入源と考えれば、スピン自由度を利用した高機能デバイスの構築の可能性は大きく膨らむ。
さらに、成膜技術、及び微細加工技術の進歩によって、現在では、ナノマテリアルデザインが可能となった。ナノスケール領域では、強磁性体を有するハイブリッド構造を人工的に作成することにより、量子干渉効果が現れ、単独物質では観測できない物理現象が数多く観測されている。中でも、磁気抵抗素子(magnetoresistive element)としてのMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子は、第1の強磁性層、トンネルバリア層、及び第2の強磁性層を基本構造とし、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistive)効果を示すことが知られており、100Mbpsi(bits per square inch)級HDD用ヘッドや磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)に応用されている。
MRAMは、MTJ素子に含まれる磁性層の磁化の相対角度の変化により情報(“1”、“0”)を記憶するという特徴があり、このため不揮発である。また、磁化反転速度は、数ナノ秒であることから、データの高速書き込み、高速読み出しが可能である。従って、MRAMは、次世代の高速不揮発性メモリとして期待されている。また、スピン分極電流により磁化を制御するスピン注入磁化反転と呼ばれる方式を利用すれば、MRAMのセルサイズを低減することで電流密度が増える。このため、容易に磁性体の磁化反転を実現でき、高密度、低消費電力のMRAMを構成することが可能である。
さらに近年では、MgOをトンネルバリア層に用いることで1000%もの磁気抵抗比が得られることが理論的に示され、これが注目を集めている(例えば、非特許文献1)。これは、MgOを結晶化させることにより、強磁性層から特定の波数を持った電子のみが波数を保存したまま選択的にトンネル伝導することが可能となる。このとき、特定の結晶方位でスピン分極率が大きな値を示すことから、巨大な磁気抵抗効果が発現する。したがって、MTJ素子の磁気抵抗効果を大きくすることが、MRAMの高密度化、低消費電力化に直結する。
一方、不揮発性メモリの高密度化を考えた場合、磁気抵抗素子の高集積化は欠かせない。しかし、磁気抵抗素子を構成する強磁性体は、素子サイズの低減化に伴い熱擾乱耐性が劣化するため、如何にして強磁性体の磁気異方性及び熱擾乱耐性を向上させるかが課題となる。面内磁化MTJ素子は、強磁性体の磁化が素子に対して面内方向を向いている。面内磁化MTJ素子を用いて高集積化を実現しようとした場合、形状磁気異方性を利用して磁気異方性を上げる試みがなされるが、熱擾乱耐性が素子形状に対して敏感であるため、加工精度が特性の分布の要因となる。また、形状磁気異方性を発現させるためには、素子の形状を面内で特定方向に引き伸ばすことが一般的であるが、この方法は素子の占有面積が大きくなってしまうために集積化には不向きである。
この問題を解決するために近年、強磁性体の磁化が膜面に垂直な方向を向く垂直磁化MTJ素子を利用したMRAMの構築が試みられている。垂直磁化MTJ素子では、一般的に結晶磁気異方性の大きな材料を強磁性体に用いる。このような材料は、磁化が特定の結晶方向を向いており、構成元素の組成比、結晶性を変化させることで結晶磁気異方性の大きさを制御することができる。よって、結晶の成長方向を変化させることにより磁化の方向を制御することができる。また、強磁性体自身が高い結晶磁気異方性を有するので素子のアスペクト比が1に設定でき、さらに熱擾乱耐性が高いので、集積化に適している。これらのことを鑑みると、MRAMの高集積化、及び低消費電力化を実現するには、大きな磁気抵抗効果を発現する垂直磁化MTJ素子を作成することが極めて需要である。
Butler W. H., Zhang X. G., Schulthess T. C., MacLaren J. M., "Spin-dependent tunneling conductance of Fe|MgO|Fe sandwiches", Phys. Rev. B Vol. 63, 054416-054427(2001) Patrick Bruno, "Tight-binding approach to the orbital magnetic moment and magnetocrystalline anisotropy of transition-metal monolayers", Phys. Rev. B, Vol. 39, 865-868(1989) Till Burkert et al., "Giant Magnetic Anisotropy in Tetragonal FeCo Alloys", Phys. Rev. Let., Vol. 93, No. 2, 027203-1-027203-4, 9 JULY 2004 R. People and J.C. Bean, "Calculation of critical layer thickness versus lattice mismatch for GexSi1-x/Si strained-layer heterostructures", Appl. Phys. Lett. 47 (1985), pp. 322-324 J.W. Mathews and A.E. Blakeslee, "Defects in epitaxial multilayers. I. Misfit dislocations", J. Cryst. Growth 27 (1974), pp. 118-125
本発明は、垂直磁気異方性を有し、かつより大きな磁気抵抗効果を発現することが可能な磁気抵抗素子、及びこれを用いた磁気メモリを提供する。
本発明の一態様に係る磁気抵抗素子は、第1の安定化層と、非磁性層と、前記第1の安定化層と前記非磁性層との間に設けられ膜面に垂直な方向の磁気異方性を有する第1のスピン分極層と、前記非磁性層に対して前記第1のスピン分極層とは反対側に設けられた磁性層とを具備する。前記第1の安定化層は、前記第1のスピン分極層より膜面内方向の格子定数が小さく、前記第1のスピン分極層は、コバルト(Co)及び鉄(Fe)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を含み、かつBCT(body-centered tetragonal)構造を有し、かつ膜面に垂直な方向をc軸、膜面内方向をa軸とした場合の格子定数の比c/aが1.10以上1.35以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る磁気メモリは、上記磁気抵抗素子をメモリセルに備えることを特徴とする。
本発明によれば、垂直磁気異方性を有し、かつより大きな磁気抵抗効果を発現することが可能な磁気抵抗素子、及びこれを用いた磁気メモリを提供することができる。
スピン分極層の単位格子が変化する様子を説明する図。 本発明の第1の実施形態に係るMTJ素子10の構成を示す断面図。 MTJ素子10の他の構成例を示す断面図。 第2の実施形態に係るMRAMの構成を示す回路図。 MRAMの構成を示す断面図。 第2の実施形態に係る磁気ディスク装置の構造を示す概略図。 TMRヘッドを搭載した磁気ヘッドアセンブリ部の構造を示す概略図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
[第1の実施形態]
[1.原理]
TMR効果は、トンネルバリア層と強磁性層との界面のスピン分極率に敏感である。なぜなら、トンネルするのは界面近傍の電子であり、したがって、スピン分極率は界面電子状態と関係する。このため、大きなTMR効果を発現するには、トンネルバリア層と強磁性層との界面に高いスピン分極率を持つ材料を挿入することが考えられる。高いスピン分極率を持つスピン分極層に接する強磁性層の磁化が膜面に対して垂直方向を向いており、かつスピン分極層が十分に薄い場合、強磁性層の磁気的相互作用をうけるため、スピン分極層の磁化は膜面に垂直な方向に揃う。しかし、スピン分極層が薄いと、界面スピン分極率が下がるために磁気抵抗比は小さくなってしまう。
一方、界面スピン分極率を上げるためにスピン分極層の膜厚を増やすと、強磁性層からの磁気的相互作用の影響が小さくなるのでスピン分極層の磁化が膜面内方向を向いてしまう。本発明は、高いスピン分極率を持つスピン分極層自身に高い結晶磁気異方性を持たせることで、スピン分極層の膜厚を増やすことを可能とする。これにより、垂直磁化を維持しつつ高い磁気抵抗比を有する垂直磁化MTJ素子を構成することが可能となる。
スピン磁気モーメントと軌道磁気モーメント(orbital magnetic moment)とはスピン軌道相互作用により結合しているため、磁性層の磁気異方性は、軌道磁気モーメントの異方性に直接依存する。スピン分極層をCoFe合金とした場合、単位格子内でd電子は異方性を有するため、d電子の空間分布がCoFe合金の磁気異方性に直接関係する。非特許文献2が指摘しているように、磁気異方性エネルギーは、占有されるdXY軌道及びdX2−Y2の空軌道のエネルギー差に反比例する。dXY軌道及びdX2−Y2軌道はそれぞれt2g軌道及びe軌道に属し、それらのエネルギーはE(t2g)<E(e)の大小関係にある。それぞれの軌道は三重、二重に縮退しているが、結晶格子が歪むことで縮退が解ける。ここで、x軸方向の格子定数をa、z軸方向の格子定数をcとすると、dXY軌道及びdX2−Y2軌道は格子定数の比c/aが大きくなるにつれそれぞれ単調増加、単調減少するので、c/a≒1.2でエネルギーレベルは一致する。
一方、CoFe合金のフェルミレベルは電子数に依存する。CoFe合金の組成がCoFe1−X(X≒0.5)で、フェルミレベルはdXY軌道及びdX2−Y2軌道の中間のエネルギーレベルを横切るので、d電子の分布としては、dXY軌道は電子に占有され、一方でdX2−Y2軌道は電子に占有されない状態になる。したがって、このとき、CoFeの磁気異方性が最大になる。
スピン分極層に高い垂直磁気異方性を発現させるためには、正方晶構造を実現させる必要があり、したがって、z軸方向に歪ませることが重要となる。結晶構造を制御する方策としては、構成元素の組成を調整することが一般的である。例えばCoFe1−X合金では、Co濃度の増加に対し、X=0.75付近でBCC(body-centered cubic)構造からFCC(face-centered cubic)構造に変化する。このようにCoFe合金の組成を変化させることにより結晶構造及び格子定数を制御することは可能ではあるが、立方格子を維持する。
これに対して本実施形態では、図1に示すように、スピン分極層より小さな格子定数を有する安定化層をスピン分極層に接触させて、スピン分極層の結晶格子をx軸及びy軸方向に縮ませる。これにより、単位格子あたりの原子密度を一定に保つために、スピン分極層は膜面に垂直な方向に伸びる。すなわち、BCC構造がz軸方向に伸びたBCT(body-centered tetragonal)構造としてCoFe合金を安定化させ、c/a>1を実現する。このように、本実施形態では、スピン分極層の格子定数の比c/a、及びその組成を制御することで、SRT(Spin Reorientation Transition)効果によってスピン分極層自身に垂直磁気異方性を発現させる。
[2.磁気抵抗素子(MTJ素子)の構成]
図2は、本発明の第1の実施形態に係るMTJ素子10の構成を示す断面図である。MTJ素子10は、第1の安定化層11、第1のスピン分極層12、非磁性層13、第2のスピン分極層14、第2の安定化層15が順に積層されて構成されている。
スピン分極層12及び14はそれぞれ、膜面に垂直な方向の磁気異方性を有し、それらの容易磁化方向は膜面に対して垂直である。すなわち、MTJ素子10は、第1のスピン分極層12及び第2の第2のスピン分極層14の磁化方向がそれぞれ膜面に対して垂直方向を向く、いわゆる垂直磁化MTJ素子である。なお、容易磁化方向とは、あるマクロなサイズの強磁性体を想定して、外部磁界のない状態で自発磁化がその方向を向くと最も内部エネルギーが低くなる方向である。困難磁化方向とは、あるマクロなサイズの強磁性体を想定して、外部磁界のない状態で自発磁化がその方向を向くと最も内部エネルギーが大きくなる方向である。
このようにスピン分極層12及び14の各々に高い垂直磁気異方性を発現させるために、スピン分極層をz軸方向に歪ませる。これにより、スピン分極層12及び14はそれぞれ、BCC構造がz軸方向に伸びたBCT構造を有するようになる。同時に、スピン分極層12及び14の各々の組成比を、その結晶磁気異方性が大きくなる範囲に設定する。この組成比については後述する。この結果、スピン分極層12及び14はそれぞれ、垂直磁気異方性を発現する。したがって、スピン分極層12及び14を、垂直磁化MTJ素子10を構成する磁性層として用いることが可能となる。
また、スピン分極層12及び14はそれぞれ、高スピン分極材料によって構成される。これにより、非磁性層(トンネルバリア層)13とスピン分極層12との界面のスピン分極率を大きくすることができる。同様に、非磁性層(トンネルバリア層)13とスピン分極層14との界面のスピン分極率を大きくすることができる。この結果、MTJ素子10は、大きなTMR効果を発現することが可能となり、磁気抵抗比を大きくすることができる。
安定化層11及び15はそれぞれ、スピン分極層12及び14の結晶構造を安定化する機能を果たす。すなわち、安定化層11は、スピン分極層12より膜面内方向の格子定数が小さく設定され、この安定化層11上に形成されかつ膜面内方向に縮んだスピン分極層12をBCT構造として安定化させる。同様に、安定化層15は、スピン分極層14より膜面内方向の格子定数が小さく設定され、この安定化層15の下に形成されかつ膜面内方向に縮んだスピン分極層14をBCT構造として安定化させる。
図3は、MTJ素子10の他の構成例を示す断面図である。MTJ素子10は、安定化層11、スピン分極層12、非磁性層13、磁性層16が順に積層されて構成されている。
磁性層16は、垂直磁気異方性を有する。磁性層16としては、強磁性合金、或いはL1合金を形成しうる金属が用いられる。磁性層16の材料としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)からなる第1のグループから選ばれる1つ以上の元素と、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及び金(Au)からなる第2のグループから選ばれる1つ以上の元素とを含む合金を主成分とする。具体的には、FeRh、FePt、FePd、CoPt、或いはNiPtなどの強磁性合金が挙げられる。
図3のMTJ素子10では、垂直磁気異方性を有する磁性層16自体が強磁性電極の役割を担うので、これと隣接するスピン分極層は挿入しなくてもよい。図3のような構成を用いた場合でも、磁気抵抗比が大きな垂直磁化MTJ素子10を実現することができる。なお、図3のMTJ素子10の積層順を上下反対とした構造のMTJ素子を採用することも可能である。これらの場合もBCT構造の安定化により大きなTMR効果を発現することが可能となり、磁気抵抗比を大きくすることができる。
以下に、MTJ素子10に含まれる各層の具体的な構成を、スピン分極層12及び14、安定化層11及び15、非磁性層13の順に説明する。
[3.スピン分極層12及び14の構成]
例えばCoFe合金をスピン分極層に用いた場合、CoFe合金の格子定数の比c/aが1.10以上1.35以下であり、かつその組成がCoFe1−X(0.4≦X≦0.6)のとき結晶磁気異方性は大きくなる(非特許文献3の図1を参照)。この結晶磁気異方性は大きい条件において、歪みが生成されるためのBCT構造のCoFe合金の格子定数aを見積もる。ここでaCoFeをBCC構造のCoFe合金の格子定数とする。
x軸、y軸、z軸(a軸、b軸、c軸ともいう)方向の格子定数をそれぞれa、b、cとすると、BCC構造は3つの軸の格子定数はすべて等しいので、a=b=c=aCoFeの関係が成り立つ。ここで、膜面内方向に圧力を加えるなどして単位格子を均等に縮めると、格子定数a及びbは小さくなりかつ等しくなるので、a=b=a1の関係が成り立つ。ここで、a1は、単位格子が縮んだ後のx軸方向の格子定数である。
その一方、圧力を加えられた単位格子は、格子あたりの体積を一定に保とうとするためにz軸方向に伸びると考えられ、その伸び率をdとすると、c=d×a1の関係が成り立つ。結晶磁気異方性が最大となるのは格子定数の比c/aが1.10≦c/a≦1.35の場合であるので、伸び率dは1.10≦d≦1.35である。したがって、体積一定の条件(aCoFe)×(aCoFe)×(aCoFe)=a1×a1×(d×a1)から、a1の値はa1=aCoFe/d1/3と見積もられる。したがって、結晶磁気異方性が最大となるa1の値は、aCoFe×0.905Å≦a1≦aCoFe×0.969Åである。
一方、BCT構造のCoFe合金の結晶磁気異方性はその組成比に依存し、CoFe1−X(0.4≦X≦0.6)のとき最大になる。CoFe合金の格子定数は、0.4≦X≦0.6において2.843Å≦aCoFe≦2.854Åであることから、BCT構造のCoFe合金の格子定数を2.573Å≦a≦2.766Åに設定することにより、スピン分極層は大きな磁気異方性が発現する。
BCT構造のCoFe合金の組成を調整させることによりスピン分極層の結晶磁気異方性を制御することができる。したがって、スピン分極層12及び14でそれぞれ組成比の異なるCoFe合金を用いることで異なる保磁力を持つスピン分極層12及び14を有する磁気抵抗素子となる。また、安定化層に隣接させることでスピン分極層をBCT構造化させた場合、スピン分極層の結晶磁気異方性はスピン分極層の膜厚に強く依存する。これは、スピン分極層が結晶磁気異方性を発現しつづける膜厚がスピン分極層がBCT構造を保持できる膜厚に対応するからである。この観点から、スピン分極層12及び14でそれぞれ膜厚を調整することで異なる保磁力を持つスピン分極層12及び14を有する磁気抵抗素子となる。なお、CoFe合金の格子定数を制御するために、CoFe合金に、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、ホウ素(B)、リン(P)、炭素(C)、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、及びジルコニウム(Zr)のうち1つ以上を添加してもよい。
スピン分極層12及び14それぞれの膜厚があまりに薄いとスピン分極層はバルクの電子状態を維持することはできない。したがって、スピン分極層12及び14は少なくとも単位格子1個分に相当する膜厚が必要となる。例えば、鉄(Fe)BCC構造の単位格子は2原子層に相当し、その格子定数は0.28nmである。したがって、スピン分極層12及び14の下限値は、望ましくは0.28nm以上である。
スピン分極層と安定化層間とに格子ミスフィットがある場合、スピン分極層が十分に薄い際は安定化層の格子に追従し、スピン分極層は擬似格子整合する。しかし、スピン分極層の膜厚が厚くなると格子の歪みのエネルギーを緩和させるためにスピン分極層と安定化層との界面に転位が生じてしまう。したがって、転位を発生せず、擬似格子整合を維持することができる臨界膜厚が、スピン分極層が歪みを保持できる厚さであり、スピン分極層12及び14それぞれの膜厚の上限値に対応する。スピン分極層が安定化層と接触し歪むことで垂直磁気異方性が発現するために必要な格子ミスフィットは、約3%以上である。転位に作用する力をエネルギー平衡理論(非特許文献4)及び力学的平衡理論(非特許文献5)で計算すると、格子ミスフィット3%における臨界膜厚は、おおよそ3nmである。この観点から、スピン分極層12及び14それぞれの膜厚の上限値は、望ましくは3nmである。
このように、本実施形態では、CoFe合金の結晶構造を歪ませ、さらにCo及びFeの組成を調整して電子数を制御することで、結晶磁気異方性によって垂直磁気異方性を発現させている。一方、Ni、Fe、Co等を含む強磁性層と、Pt、Cu、Pd等を含む非磁性層とを10層程度を交互に積層した多層膜からなる人工格子において垂直磁気異方性を有することが確認されているが、人工格子の垂直磁気異方性の起源は、強磁性層及び非磁性層の界面異方性及び表面異方性である。したがって、例えばCoとPtとを交互に積層させることで垂直磁気異方性が確認されているが、CoとPtとの人工格子では強磁性層Coの膜厚は1nm以下にしなければ垂直磁気異方性は消失してしまう。
これに対して本実施形態は、CoFe合金の歪みが垂直磁気異方性の起源であるために、CoFe合金の歪みが維持できる約3nm程度の膜厚においても垂直磁気異方性を発現させつづけることができる。このように、本実施形態のスピン分極層と人工格子とでは、垂直磁気異方性の起源が本質的に異なる。
安定化層の膜厚があまりに薄いと不連続膜になってしまうので、スピン分極層を歪ませることが出来ず安定化層として機能しない。また、厚くなりすぎると表面平坦性が悪くなる。したがって、安定化層は、1〜10nm程度の膜厚が望ましい。
(スピン分極層12及び14の材料)
本実施形態のスピン分極層12及び14としては、コバルト(Co)、鉄(Fe)を主成分とする強磁性体が用いられる。さらに、スピン分極層の格子定数を制御するために、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、ホウ素(B)、リン(P)、炭素(C)、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、及びジルコニウム(Zr)のうち1つ以上の元素を25原子%以下の濃度で添加してもよい。このような材料をスピン分極層として用いることで、スピン分極率を制御することができる。
また、スピン分極層自体の磁気異方性を大きくするために、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及び金(Au)のうち1つ以上の元素を添加してもよい。
また、スピン分極層は、非磁性層13と接する界面が(001)面となる配向性を有することが望ましい。すなわち、スピン分極層12は、その上面が(001)面となる配向性を有することが望ましい。また、スピン分極層14は、その底面が(001)面となる配向性を有することが望ましい。
上面が(001)面となっているスピン分極層12(CoFe)上に非磁性層13(MgO)を成長させると、膜面に垂直な方向に(001)配向したMgOを形成することができる。例えば、第1のスピン分極層12(CoFe)、非磁性層13(MgO)、第2のスピン分極層14(CoFe)とした場合に、CoFe(001)/MgO(001)/CoFe(001)のエピタキシャル関係を作ることができる。この場合、トンネル電子の波数選択性を向上させることができるため、大きな磁気抵抗比を得ることが可能となる。
[4.安定化層11及び15の構成]
本実施形態のスピン分極層を実現するためには、図1に示すように、スピン分極層より小さい格子定数を有する安定化層をスピン分極層に接触させる。これにより、安定化層との界面エネルギーを低減させるために、スピン分極層の膜面内方向の格子定数は本来の値に対して小さくなる。さらに、このとき、単位格子あたりの原子密度を一定に保つためにスピン分極層は膜面に垂直な方向に伸びるので、BCT構造が安定化する。
安定化層11及び15はそれぞれ、立方晶、又は正方晶を基本格子とし、膜面に垂直な方向に(001)配向する。なお、安定化層11は、その全体が膜面に垂直な方向に(001)配向している必要はなく、少なくともスピン分極層12に接するその上面が膜面に垂直な方向に(001)配向していればよい。同様に、安定化層15は、少なくともスピン分極層14に接するその底面が膜面に垂直な方向に(001)配向していればよい。
スピン分極層の結晶粒は、上面が膜面に垂直な方向に(001)配向した安定化層上に、膜面に垂直な方向に(001)配向する。これに対して、スピン分極層の結晶粒は、膜面内方向には安定化層の膜面内方向、すなわち[001]方向に対して45°回転して成長する。よって、安定化層及びスピン分極層は、(001)//(001)、[001]//[110]なるエピタキシャル関係を維持する。
スピン分極層として、組成がCoFe1−X(0.4≦X≦0.6)、格子定数の比c/aが1.10以上1.35以下であるBCT構造のCoFe合金を用いた場合に、スピン分極層を安定化させるために必要な安定化層の膜面内方向(x軸方向)の格子定数a0を見積もる。安定化層は最終的には膜面内方向に縮んだスピン分極層と格子整合するため、格子定数a0は、スピン分極層の格子定数a1を用いて算出することができる。ここで、前述したように、スピン分極層の結晶磁気異方性が最大となるa1の値は、aCoFe×0.905Å≦a1≦aCoFe×0.969Åである。
スピン分極層の結晶粒は、上面が膜面に垂直な方向に(001)配向した安定化層上に、膜面に垂直な方向に(001)配向し、かつ、膜面内方向には安定化層の膜面内方向、すなわち[001]方向に対して45°回転して成長することから、CoFe合金の[110]方向の格子定数を考える必要がある。したがって、BCT構造のCoFe合金を安定化させるために必要な安定化層の膜面内方向の格子定数a0は、CoFe合金の格子定数a1を2の平方根倍して得られる。すなわち、格子定数a0は、aCoFe×0.905×1.414Å≦a0≦aCoFe×0.969×1.414Åであり、CoFe1−X(0.4≦X≦0.6)の格子定数が2.843Å≦aCoFe≦2.854Åであることから、3.637Å≦a0≦3.911Åと見積もられる。
(安定化層11及び15の材料)
安定化層11及び15としてはそれぞれ、以下の(1)乃至(8)で示した材料を用いることができる。これら(1)乃至(8)で示した材料を用いることで、スピン分極層12及び14をBCT構造として安定化させる。
(1)非磁性金属
白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及びイリジウム(Ir)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を主成分とする非磁性金属が挙げられる。
(2)強磁性合金、又はL1合金を形成しうる金属
鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)からなる第1のグループから選ばれる1つ以上の元素と、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及び金(Au)からなる第2のグループから選ばれる1つ以上の元素とを含む合金を主成分とする強磁性合金が挙げられる。具体的には、FeRh、FePt、FePd、CoPt、又はNiPtなどの強磁性合金が挙げられる。
(3)酸化物
亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)、ルテニウム(Ru)、バリウム(Ba)、チタン(Ti)、及びカルシウム(Ca)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を主成分とする酸化物が挙げられる。具体的には、SrRuO、SrTiO、BaTiO、CaTiO、RuTiO、又はZnOが挙げられる。
(4)窒化物
チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、セリウム(Ce)、及びランタン(La)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を主成分とする窒化物が挙げられる。具体的には、TiN、ZrN、NbN、VN、TaN、BN、AlN、CeN、又はLaNが挙げられる。また、GaN、InN、TaN等を用いても良い。
(5)硫化物
テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、及びガドリニウム(Gd)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を主成分とする硫化物が挙げられる。具体的には、GdS、TbS、DyS、HoS、ErS、又はTmSが挙げられる。
(6)ホウ化物
ランタン(La)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、及びタングステン(W)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を主成分とするホウ化物が挙げられる。具体的には、WB、MoB、CrB、又はLaBが挙げられる。
(7)炭化物
チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、及びジルコニウム(Zr)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を主成分とする炭化物が挙げられる。具体的には、TiC、TaC、NbC、VC、又はZrCが挙げられる。
(8)ケイ化物
モリブデン(Mo)、及びタングステン(W)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を主成分とするケイ化物が挙げられる。具体的には、MoSi、又はWSiが挙げられる。
(3)乃至(8)で示した材料は、共有結合或いはイオン結合によって化学結合している。したがって、(1)乃至(2)で示した材料に比べ強く結合しており構造が安定である。よって、安定化層として(3)乃至(8)で示した材料を用いた場合は、スピン分極層との間での原子の相互拡散を小さく抑えることが出来るので、スピン分極層の磁気異方性を維持できるという利点がある。
[5.非磁性層(トンネルバリア層)13の構成]
非磁性層13は絶縁材料からなり、したがって、非磁性層13としては、トンネルバリア層が用いられる。トンネルバリア層13は、立方晶又は正方晶を基本格子とする。大きい磁気抵抗比を得るためには、トンネルバリア層13の配向度の向上が必要であり、トンネルバリア層13は、膜面に垂直な方向に(001)配向していることが望ましい。
トンネルバリア層13としては、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)、ストロンチウム(Sr)、及びチタン(Ti)からなるグループから選ばれる1つの元素を主成分とする酸化物が挙げられる。具体的には、MgO、CaO、BaO、AlO、BeO、SrO、又はTiOが挙げられる。トンネルバリア層13は、上述の酸化物のグループから選ばれる2つ以上の材料の混晶物であってもよい。
トンネルバリア層13は、結晶質及びアモルファスのいずれであっても構わない。しかし、トンネルバリア層13が結晶化している場合、磁性層から特定の波数を持った電子のみが波数を保存したまま選択的にトンネル伝導するので、磁気抵抗比を大きくすることができる。
また、トンネルバリア層13が結晶化している場合、界面エネルギーを低減させるためにスピン分極層とトンネルバリア層との界面でエピタキシャル関係を持つことになる。スピン分極層と安定化層とのエピタキシャル関係と同様に、上面が(001)面に配向したトンネルバリア層に対して、スピン分極層は膜面に垂直な方向に(001)配向し、膜面内方向にはトンネルバリア層の膜面内方向[001]に対して45°回転して成長する。特に結晶質トンネルバリア層の格子定数がスピン分極層の格子定数より大きい場合、スピン分極層の膜面内方向の格子定数はトンネルバリア層の格子定数に追従するように大きくなり、c/a<1となるので、結晶質トンネルバリア層と接する界面付近のスピン分極層自体には高い磁気異方性は発現しない。しかし、スピン分極層の安定化層と接する反対側の界面はc/a>1を維持しているので、磁気的相互作用によってスピン分極層の磁化は膜面に垂直な方向に揃う。
また、トンネルバリア層13としては、AlOなどのアモルファス性のトンネルバリア層であってもよい。アモルファス性のトンネルバリア層13では、スピン分極層はトンネルバリア層13との格子ミスフィットに起因する界面エネルギーを無視することができる。したがって、安定化層により生成される格子歪みは、トンネルバリア層13との界面近傍まで保存することができ、結晶磁気異方性が失われることはないので、スピン分極層の磁化は膜面に垂直な方向に揃う。
[6.実施例]
次に、本発明の実施例として、具体的な垂直磁化MTJ素子10の積層構造を説明する。下記の磁気抵抗膜(サンプル)を形成し、垂直磁化MTJ素子10を作成した。各層の後に括弧書きで示した数値は、成膜時の各層の厚さ(設計値)である。それぞれのサンプルは、成膜後に、TMR特性及び磁気特性が最適化されるように、適切な温度及び時間で真空アニールが施される。
(具体例1)
図2を基本構成とする垂直磁化MTJ素子10の具体例を以下に示す。安定化層11及び15としては、非磁性層を用いている。
具体例1のMTJ素子10は、上層から、Ir(3nm)安定化層/CoFeB(0.5nm)スピン分極層/MgO(1.5nm)トンネルバリア層/CoFeB(1nm)スピン分極層/Ir(3nm)安定化層/下地層(図示せず)/熱酸化Si基板(図示せず)によって形成される。
サンプルの膜面に垂直な方向に磁場を掃引し磁化を測定した。その結果、第1のスピン分極層12の残留磁化は、第2のスピン分極層14側又はその反対側を向き、スピン分極層14の残留磁化は、第1のスピン分極層12側又はその反対側を向いたことを反映する磁化曲線が得られた。この結果から、スピン分極層12及び14が、積層される方向(膜面に垂直な方向)に磁気異方性を有する垂直磁化MTJ素子が実現されていることを確認できた。
(具体例2)
図3を基本構成とする垂直磁化MTJ素子10の具体例を以下に示す。
具体例2のMTJ素子10は、上層から、FePt(3nm)磁性層/MgO(1.5nm)トンネルバリア層/CoFeB(1nm)スピン分極層/Ir(3nm)安定化層/下地層(図示せず)/熱酸化Si基板(図示せず)によって形成される。
サンプルの膜面に垂直な方向に磁場を掃引し磁化を測定した。その結果、スピン分極層12の残留磁化は、磁性層16側又はその反対側を向き、磁性層16の残留磁化は、スピン分極層12側又はその反対側を向いたことを反映する磁化曲線が得られた。この結果から、スピン分極層12及び磁性層16が、積層される方向に磁気異方性を有する垂直磁化MTJ素子10が実現されていることを確認できた。
(具体例3)
図2を基本構成とする垂直磁化MTJ素子10の具体例を以下に示す。安定化層11及び15としては、強磁性層を用いている。
具体例3のMTJ素子10は、上層から、FePt(3nm)安定化層/Fe(1nm)スピン分極層/MgO(1.5nm)トンネルバリア層/CoFeB(1nm)スピン分極層/FePd(3nm)安定化層/下地層(図示せず)/熱酸化Si基板(図示せず)によって形成される。
サンプルの膜面に垂直な方向に磁場を掃引し磁化を測定した。その結果、第1のスピン分極層12の残留磁化は、第2のスピン分極層14側又はその反対側を向き、スピン分極層14の残留磁化は、第1のスピン分極層12側又はその反対側を向いたことを反映する磁化曲線が得られた。この結果から、スピン分極層12及び14が、積層される方向に磁気異方性を有する垂直磁化MTJ素子が実現されていることを確認できた。
(具体例4)
図2を基本構成とする垂直磁化MTJ素子10の具体例を以下に示す。安定化層11及び15としては、強磁性層を用いている。
具体例4のMTJ素子10は、上層から、FePt(3nm)安定化層/Fe(1nm)スピン分極層/MgO(1.5nm)トンネルバリア層/Co48Fe3220(0.5nm)/Co56Fe2420(0.5nm)スピン分極層/FePd(3nm)安定化層/下地層(図示せず)/熱酸化Si基板(図示せず)によって形成される。
サンプルの膜面に垂直な方向に磁場を掃引し磁化を測定した。その結果、第1のスピン分極層12の残留磁化は、第2のスピン分極層14側又はその反対側を向き、スピン分極層14の残留磁化は、第1のスピン分極層12側又はその反対側を向いたことを反映する磁化曲線が得られた。この結果から、スピン分極層12及び14が、積層される方向に磁気異方性を有する垂直磁化MTJ素子が実現されていることを確認できた。
このように、本実施例(具体例1乃至4)によれば、巨大磁気抵抗効果が発現する垂直磁化MTJ素子10を実現できる。
[7.効果]
以上詳述したように本実施形態では、スピン分極層12自身に高い垂直磁気異方性を発現させる。このために、スピン分極層12をz軸方向に歪ませることで、BCC構造がz軸方向に伸びたBCT構造を有するスピン分極層12を構成する。また、スピン分極層12の組成比をその結晶磁気異方性が大きくなる範囲に設定する。また、安定化層11の格子定数は、スピン分極層12の格子定数より小さく設定され、この安定化層11上に形成されかつ膜面内方向に縮んだスピン分極層12をBCT構造として安定化させる。スピン分極層14と安定化層15との関係についても同様である。さらに、スピン分極層12及び14をそれぞれ、高スピン分極材料によって構成するようにしている。
従って本実施形態によれば、スピン分極層とトンネルバリア層との界面分極率を大きくすることができるため、大きなTMR効果が発現する。これにより、MTJ素子10の磁気抵抗比を大きくすることが可能となる。
また、高スピン分極材料自身に垂直磁気異方性を付与することができるため、スピン分極層の膜厚を増やすことが可能である。これにより、垂直磁化を維持しつつ高い磁気抵抗比を有する垂直磁化MTJ素子を構成することが可能となる。
また、スピン分極層12及び14としてCo、Feなどの軽金属を用いているため、ダンピング定数を低減することができる。よって、MTJ素子10は、スピン注入による磁化反転を実現できる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態で示したMTJ素子10は、MRAMや、磁気ディスク装置の磁気ヘッドなどに適用できる。
MRAMを構成する記憶素子は、磁化(或いはスピン)方向が可変である(反転する)記録層、磁化方向が不変である(固着している)参照層、これら記録層及び参照層に挟まれた非磁性層を備えている。「参照層の磁化方向が不変である」とは、記録層の磁化方向を反転するために使用される磁化反転電流を参照層に流した場合に、参照層の磁化方向が変化しないことを意味する。垂直磁気異方性を有するスピン分極層12及び14の一方を記録層、他方を参照層として用いることで、MTJ素子10を記憶素子として用いたMRAMを構成することができる。
具体的には、スピン分極層12及び14に保磁力差を設けることで、これらを記録層及び参照層として用いることができる。従って、MTJ素子10において、スピン分極層(参照層)12として反転電流の大きな磁性層を用い、スピン分極層(記録層)14として参照層12よりも反転電流の小さい磁性層を用いることによって、磁化方向が可変の記録層14と磁化方向が不変の参照層12とを備えたMTJ素子10を実現することができる。スピン分極電子により磁化反転を引き起こす場合、例えば、スピン分極層12及び14を構成する材料の組成を調整することで、結晶磁気異方性に差を設けることができるため、スピン分極層12及び14の反転電流に差を設けることができる。
また、前述したように、安定化層11及び15として強磁性材料を用いた場合、安定化層11及び15を参照層及び記録層として用いることも可能である。この場合も、安定化層11及び15に保磁力差を設ければよい。また、安定化層11及びスピン分極層12を合わせた磁性体を参照層(或いは記録層)として用い、安定化層15及びスピン分極層14を合わせた磁性体を記録層(或いは参照層)として用いてもよい。さらに、図3の構成では、磁性層16及びスピン分極層12に保磁力差を設けることで、磁性層16及びスピン分極層12の一方を参照層、他方を記録層として用いることが可能である。
図4は、第2の実施形態に係るMRAMの構成を示す回路図である。MTJ素子10の一端は、ビット線BLに電気的に接続される。ビット線BLの一端は、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタST1を経由してセンスアンプSAに電気的に接続される。センスアンプSAは、MTJ素子10からの読み出し電位Vrと参照電位Vrefとを比較し、この比較結果を出力信号DATAとして出力する。センスアンプSAに電気的に接続された抵抗Rfは、帰還抵抗である。
ビット線BLの他端は、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタST2を経由して、PチャネルMOSトランジスタP1のドレイン及びNチャネルMOSトランジスタN1のドレインに電気的に接続される。MOSトランジスタP1のソースは、電源端子Vddに接続され、MOSトランジスタN1のソースは、接地端子Vssに接続される。
MTJ素子10の他端は、下部電極29に電気的に接続される。下部電極29は、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタST3を経由してソース線SLに電気的に接続される。なお、ソース線SLはビット線BLと平行な方向に延在する。
ソース線SLは、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタST4を経由して、PチャネルMOSトランジスタP2のドレイン及びNチャネルMOSトランジスタN2のドレインに電気的に接続される。MOSトランジスタP2のソースは、電源端子Vddに接続され、MOSトランジスタN2のソースは、接地端子Vssに接続される。また、ソース線SLは、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタST5を経由して接地端子Vssに接続される。
MOSトランジスタST3のゲートは、ワード線WLに電気的に接続される。ワード線WLは、ビット線BLが延在する方向に対して交差する方向に延在する。
MTJ素子10へのデータ書き込みは、スピン注入書き込み方式によって行われる。すなわち、制御信号A、B、C及びDによるMOSトランジスタP1、P2、N1及びN2のオン/オフによりMTJ素子10に流れる書き込み電流の向きを制御し、データ書き込みを実現する。
MTJ素子10からのデータ読み出しは、MTJ素子10に読み出し電流を供給することで行われる。この読み出し電流は、書き込み電流よりも小さい値に設定される。MTJ素子10は、磁気抵抗効果により、参照層と記録層との磁化方向が平行配列か反平行配列かで異なる抵抗値を有する。すなわち、参照層と記録層との磁化方向が平行配列のときはMTJ素子10の抵抗値は最も小さくなり、一方、参照層と記録層との磁化方向が反平行配列のときはMTJ素子10の抵抗値は最も大きくなる。この抵抗値の変化をセンスアンプSAによって検出することで、MTJ素子10に記録された情報を読み出す。
図5は、MRAMの構成を示す断面図である。P型半導体基板21内には、STI(shallow trench isolation)構造の素子分離絶縁層22が形成される。素子分離絶縁層22に囲まれた素子領域(活性領域)には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタST3が設けられている。MOSトランジスタST3は、ソース/ドレイン領域としての拡散領域23及び24、拡散領域23及び24間のチャネル領域の上に設けられたゲート絶縁膜25、ゲート絶縁膜25上に設けられたゲート電極26を有する。ゲート電極26は、図4のワード線WLに相当する。
拡散領域23上には、コンタクトプラグ27が設けられている。コンタクトプラグ27上には、ソース線SLが設けられている。拡散領域24上には、コンタクトプラグ28が設けられている。コンタクトプラグ28上には、下部電極29が設けられている。下部電極29上には、MTJ素子10が設けられている。MTJ素子10上には、上部電極30が設けられている。上部電極30上には、ビット線BLが設けられている。半導体基板21とビット線BLとの間は、層間絶縁層31で満たされている。
層間絶縁層31の形成条件を調整することにより応力を制御することができる。これを利用することで、層間絶縁層31からMTJ素子10のスピン分極層或いは安定化層に直接応力を与え、圧縮させることが可能である。したがって、層間絶縁層31は本来の機能であるMTJ素子10を電気的に絶縁する効果のみならず、層間絶縁層31がスピン分極層の歪みを安定化させる効果を持たせることができる。
図6は、第2の実施形態に係る磁気ディスク装置の構造を示す概略図である。図7は、TMRヘッドを搭載した磁気ヘッドアセンブリ部の構造を示す概略図である。アクチュエータアーム(actuator arm)41は、磁気ディスク装置内の固定軸40に固定されるための穴を有し、アクチュエータアーム41の一端には、サスペンション(suspension)42が接続されている。
サスペンション42の先端には、TMRヘッドを搭載したヘッドスライダ(head slider)43が取り付けられている。また、サスペンション42には、データの書き込み/読み取りのためのリード線(lead line)44が配線される。このリード線44の一端とヘッドスライダ43に組み込まれたTMRヘッドの電極とが電気的に接続される。TMRヘッドは、本発明のMTJ素子10を含む。リード線44の他端は、電極パッド(electrode pad)45に電気的に接続される。
磁気ディスク(magnetic disc)46は、スピンドル(spindle)47に装着され、駆動制御部からの制御信号により、モータ駆動される。ヘッドスライダ43は、磁気ディスク46の回転により所定量だけ浮上する。この状態で、TMRヘッドを用いてデータの記録再生を行う。
アクチュエータアーム41は、駆動コイルを保持するボビン部を有する。アクチュエータアーム41には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ(voice coil motor)48が接続される。ボイスコイルモータ48は、アクチュエータアーム41のボビン部に巻き上げられた駆動コイルと、この駆動コイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石及び対向ヨークとからなる磁気回路を備える。アクチュエータアーム41は、固定軸40の上下2ヶ所に設けられるボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ48によって駆動される。
以上、本発明の適用例をMRAMと磁気ディスク装置とについて説明したが、本発明は、それ以外にもTMR効果を利用するデバイス全般に適用できる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、構成要素を変形して具体化できる。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を構成することができる。例えば、実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10…MTJ素子、11,15…安定化層、12,14…スピン分極層、13…非磁性層、16…磁性層、21…半導体基板、22…素子分離絶縁層、23,24…拡散領域、25…ゲート絶縁膜、26…ゲート電極、27,28…コンタクトプラグ、29…下部電極、30…上部電極、31…層間絶縁層、40…固定軸、41…アクチュエータアーム、42…サスペンション、43…ヘッドスライダ、44…リード線、45…電極パッド、46…磁気ディスク、47…スピンドル、48…ボイスコイルモータ、BL…ビット線、WL…ワード線、SL…ソース線、SA…センスアンプ、P1,P2…PチャネルMOSトランジスタ、N1,N2,ST1〜ST5…NチャネルMOSトランジスタ。

Claims (15)

  1. 第1の安定化層と、非磁性層と、前記第1の安定化層と前記非磁性層との間に設けられ膜面に垂直な方向の磁気異方性を有する第1のスピン分極層と、前記非磁性層に対して前記第1のスピン分極層とは反対側に設けられた磁性層とを具備し、
    前記第1の安定化層は、前記第1のスピン分極層より膜面内方向の格子定数が小さく、
    前記第1のスピン分極層は、コバルト(Co)及び鉄(Fe)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を含み、かつBCT(body-centered tetragonal)構造を有し、かつ膜面に垂直な方向をc軸、膜面内方向をa軸とした場合の格子定数の比c/aが1.10以上1.35以下であることを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 前記磁性層は、膜面に垂直な方向の磁気異方性を有する第2のスピン分極層であり、
    前記第2のスピン分極層に対して前記非磁性層とは反対側に設けられ、かつ前記第2のスピン分極層より膜面内方向の格子定数が小さい第2の安定化層をさらに具備し、
    前記第2のスピン分極層は、コバルト(Co)及び鉄(Fe)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を含み、かつBCT構造を有し、かつ膜面に垂直な方向をc軸、膜面内方向をa軸とした場合の格子定数の比c/aが1.10以上1.35以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記スピン分極層は、CoFe1−X合金であり、その組成比が0.4≦X≦0.6であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気抵抗素子。
  4. 前記スピン分極層は、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、ホウ素(B)、リン(P)、炭素(C)、シリコン(Si)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及び金(Au)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  5. 前記安定化層は、膜面に垂直な方向に(001)配向し、かつ膜面内方向の格子定数が3.637Å以上3.911Å以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  6. 前記安定化層は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及びイリジウム(Ir)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  7. 前記安定化層は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)からなる第1のグループから選ばれる1つ以上の元素と、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及び金(Au)からなる第2のグループから選ばれる1つ以上の元素との合金を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  8. 前記安定化層は、亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)、ルテニウム(Ru)、バリウム(Ba)、チタン(Ti)、及びカルシウム(Ca)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  9. 前記安定化層は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、セリウム(Ce)、及びランタン(La)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素の窒化物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  10. 前記安定化層は、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、及びガドリニウム(Gd)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素の硫化物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  11. 前記安定化層は、ランタン(La)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、及びタングステン(W)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素のホウ化物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  12. 前記安定化層は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、及びジルコニウム(Zr)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素の炭化物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  13. 前記安定化層は、モリブデン(Mo)、及びタングステン(W)からなるグループから選ばれる1つ以上の元素のケイ化物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  14. 前記非磁性層は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)、ストロンチウム(Sr)、及びチタン(Ti)からなるグループから選ばれる1つの元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の磁気抵抗素子をメモリセルに備えることを特徴とする磁気メモリ。
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