JP4743208B2 - 電子部品の電気特性測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は平面伝送路を測定治具として用いた電子部品の電気特性測定方法、特に分布定数型の誤差モデルを用いて、電子部品単体のインピーダンス値やQ値等の電気特性を測定する方法に関するものである。
高周波電子回路の動作周波数がますます高周波化し、回路に用いられる電子部品(以下、デバイスと記す)も高周波領域で正確な電気特性を測定しなければならなくなっている。チップインダクタやチップコンデンサなどの表面実装型デバイスの高周波電気特性の測定は、一般に困難であるが、従来よりデバイス単体のインピーダンス値やQ値といった高周波特性の測定は、一般的に3GHzまではインピーダンスアナライザを用いて実施されてきた。
インピーダンスアナライザによる測定では、デバイス単体の特性を求めるため、オープン補正、ショート補正を行い、テストフィクスチャや測定ケーブルの残留インピーダンスと浮遊アドミタンスの補正を行っている。しかしながら、インピーダンスアナライザは装置が複雑であり、高い周波数への対応が難しく、3GHz以上の周波数に対応していない。そのため、3GHz以上の高周波におけるデバイス測定ではネットワークアナライザが使用されている。
ネットワークアナライザを用いたデバイス測定としては、1ポートによる測定法と2ポートによる測定法とが存在する。1ポート測定によるデバイス単体の測定法としては、同軸ケーブル先端でフル1ポート校正を行った後、同軸ケーブルと表面実装型デバイスを中継する治具を介して、デバイスを測定することが行われる。このような測定法の例として、SMAコネクタを装着し、SMAコネクタの電気長を測定した後、オープン補正、ショート補正を行ってデバイス単体の特性を得る方法が存在する。しかし、このような測定方法では精度のよいデータが得られない。これは、そもそも、ネットワークアナライザが伝達係数測定よりも反射係数測定を苦手にしている他、SMAコネクタの電気特性を正確に得ることが非常に難しいため、SMAコネクタの特性が測定誤差になるからである。
一方、2ポートによる測定は1ポートより精度よく測定できる。このような2ポート測定によるデバイスの測定方法としては、非特許文献1,2に示されるように、TRL校正やSOLT校正が知られている。SOLT校正は、5GHzを超える高周波では、平面伝送路上にデバイスの形状をした標準器を作製することが困難であること、高周波のオープン特性を定義することができないため、表面実装型デバイスの高周波測定に用いることができないこと、などの問題点がある。よって、表面実装型デバイスの高周波測定には、平面伝送路を用いて行うのが適している。この平面伝送路の測定系の誤差要因を除去する方法には、TRL校正法等がある。
前述のように、3GHz以上の周波数のデバイス測定ではネットワークアナライザが使用される。ネットワークアナライザによる測定では、1ポートによる測定よりも2ポートによる測定の方が、測定精度が優れている。しかし、TRL校正法などの公知の校正方法では、校正面までは校正されるが、それより先は校正されない。また、校正法のうち、シャント法はシリーズ法よりも、デバイス特性に近い特性が得られるが、測定基板のCPWの幅が異なると残留インピーダンスが異なり、この影響が測定値に反映され、この場合も基板特性を含んだ特性となってしまう。
従って、TRL校正などにより得られる測定値は、校正面より先のデバイスと基板特性を含んでおり、校正基板の種類により異なるデータが得られることになる。また、一般に基板特性の影響をできるだけ少なくするために、基板をできるだけ薄くするなどの工夫がなされているが、これらの工夫を行ったとしても、得られたデータは、デバイス単体の特性ではない。
なお、2ポートによる測定の場合は、1ポート測定の場合のように、単純なモデルで誤差を表現できないので、残留インピータンスと浮遊アドミタンスの2つのパラメータで補正を行う、オープン/ショート補正は、適用不可能であった。
このように、デバイス単体の高周波データが得られないため、下記の問題が発生する。
(1)部品メーカーでは、従来、デバイス単体の特性としてインピーダンスアナライザのデータを用いているが、3GHz以上のネットワークアナライザによる高周波データにはデバイス特性と基板特性が含まれるため、インピーダンスアナライザの測定値とトレースせず、3GHz以上のデバイス単体のデータを提供できないといった問題があった。
(2)また、これらの高周波データは、部品の高周波データとして、電子機器セットメーカーなどの電子機器の設計者が使用する場合、高周波データと使用する設計基板が同じ設計であれば概ね問題はないが、通常、使用する基板と、高周波データを取得した測定基板は異なるため、現状提供されている高周波データでは、設計シミュレーションを精度よく行うことができないという問題があった。
アジレント・テクノロジー Application Note 1287-9「ベクトル・ネットワーク・アナライザを使用したフィクスチャー測定」 アジレント・テクノロジー Application Note 1463-5「ENAとICM社製テスト・フィクスチャを使用したSMD部品のインピーダンス特性評価」
そこで、本発明の好ましい実施形態の目的は、被検体単体の電気特性を高精度に求めることができる電子部品の電気特性測定方法を提供することにある。
上記目的は本発明の好ましい実施形態に係る電子部品の電気特性測定方法により達成される。
本発明の好ましい第1の実施形態は、平面伝送路の校正面間に被検体をシリーズ接続し、上記平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正した被検体の電気特性を求める第1のステップと、上記平面伝送路のオープン状態の電気特性を測定する第2のステップと、分布定数型の誤差モデルにより、第1のステップで求めた被検体の電気特性を第2のステップで測定したオープン状態の電気特性を用いて補正する第3のステップと、上記平面伝送路の校正面間に予め値付けされたスルーチップをシリーズ接続し、上記平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正したスルーチップの電気特性を求める第4のステップと、分布定数型の誤差モデルにより、第4のステップで求めたスルーチップの電気特性を第2のステップで測定したオープン状態の電気特性を用いて補正する第5のステップと、分布定数型の誤差モデルにより、第3のステップで求めた被検体の電気特性を第5のステップで求めたスルーチップの電気特性を用いて補正し、被検体単体の電気特性を求める第6のステップと、を含むことを特徴とする電子部品の電気特性測定方法である。
本発明の好ましい第2の実施形態は、平面伝送路の校正面に被検体をシャント接続し、上記平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正した被検体の電気特性を求める第1のステップと、上記平面伝送路の校正面に予め値付けされたショートチップをシャント接続し、上記平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正したショートチップの電気特性を求める第2のステップと、分布定数型の誤差モデルにより、第1のステップで求めた被検体の電気特性を、第2のステップで求めたショートチップの電気特性を用いて補正し、被検体単体の電気特性を求める第3のステップと、を含むことを特徴とする電子部品の電気特性測定方法である。
ネットワークアナライザの2ポートによる、平面伝送路を用いた高周波測定においては、校正面までの測定誤差を補正することは可能であるが、校正面間の測定誤差を補正することができない。そのため、TRL校正などにより得られる測定値は、被検体単体の特性のほかに校正面間の基板特性とを含んでおり、校正基板の種類により異なるデータが得られることになる。そこで、本発明では、分布定数型のオープン補正およびスルー補正を行うことで、被検体の測定値から校正面間の測定誤差を除去するものである。2ポート測定では、1回の測定で4つのSパラメータ測定値が得られることを利用し、オープン状態およびスルー状態の測定値から、未知のモデルパラメータを同定可能とし、これを数学的に除去することにした。このようにして、基板特性の影響を受けない被検体単体の電気特性を求めることができる。本発明の方法において、校正面までの測定誤差を補正する誤差補正方法としては、TRL校正法のような公知の方法に限らず、2ポートのシリーズ法であれば、任意の補正方法を用いることができる。
オープン補正は、平面伝送路の先端(校正面)間に何も接続しない状態で、ネットワークアナライザを用いて電気特性SOPENを測定すればよい。分布定数型の誤差モデルでは、オープン状態での特性SOPENは、被検体測定時には被検体に並列に接続されているものと考えることができる。この誤差要因を被検体測定値から除去するために、まずSパラメータ(散乱係数行列)をYパラメータ(アドミタンス係数行列)に変換し、被検体測定値からオープン測定値を引算すれば、簡単に誤差を除去することができる。その後、YパラメータをSパラメータに逆変換すれば、分布定数型のオープン補正は完了する。
一方、スルー補正は、平面伝送路の先端(校正面)間に予め値付けされたスルーチップをシリーズ接続した状態でネットワークアナライザを用いて電気特性STHRUを測定すればよい。スルーチップとしては、被検体と同一形状で、かつ被検体の接続位置と同一位置に接続できるものがよい。分布定数型の誤差モデルでは、スルー状態での特性STHRUは、被検体測定時には被検体に直列に接続されているものと考えることができる。スルー状態での特性STHRUも、被検体の特性測定と同様に、平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正したスルーチップの電気特性を求め、そのスルーチップの電気特性をオープン補正して求めればよい。スルー状態での誤差要因を被検体測定値から除去するには、SパラメータをTパラメータ(伝送係数行列)に変換し、被検体測定値をスルー測定値で除算すれば、簡単に除去することができる。その後、TパラメータをSパラメータに逆変換すれば、分布定数型のスルー補正は完了し、被検体単体の散乱係数SD を求めることができる。
なお、被検体の散乱係数SD をZパラメータに変換してインピーダンスZD を求めても、この値は平面伝送路の特性インピーダンスZO を無視し、かつスルーチップのインピーダンスを無視した値である。そこで、これらのインピーダンスが無視できない場合には、ZD に対し、平面伝送路の特性インピーダンスZO を乗じるとともに、スルーチップのインピーダンスを加えることにより、被検体単体のインピーダンスZDUT を求めることができる。
上記説明は、シリーズ法で使用される平面伝送路における補正方法であるが、本発明はシャント法で使用される平面伝送路にも適用できる。すなわち、シャント法で使用される平面伝送路に被検体を接続して測定する場合、従来の補正方法では被検体と平面伝送路間で発生する容量成分による誤差要因を除去できないため、被検体単体の特性を正確に求めることができない。そこで、この誤差要因を除去するため、平面伝送路の校正面にショートチップをシャント接続した状態の電気特性SSHORT を測定する。シャント法で使用される平面伝送路の場合、信号導体がポート間で導通しているので、オープン状態での測定は不要である。ショートチップとしては、被検体と同一形状で、かつ被検体の測定位置と同一位置に接続できるものがよい。ショートチップをシャント接続した状態におけるショートチップと平面伝送路間で発生する誤差要因は、被検体をシャント接続した状態における被検体と平面伝送路間で発生する誤差要因とほぼ同一とみなすことができる。そこで、ショートチップをシャント接続した状態の電気特性SSHORT から測定誤差を同定し、被検体の測定値から測定誤差を除去する。このようにして、基板特性の影響を受けない被検体単体の電気特性を求めることができる。本発明では、2ポートのシャント法において、基板特性の影響を緩和した被検体単体の電気特性を求めることができる。
シャント法での補正では、まず被検体の測定データ(校正面まで補正済み)SA とショートチップを接続した状態での測定データ(校正面まで補正済み)SSHORT とを求め、これらをZパラメータに変換してZA 、ZSHORT とする。その差ZD にショートチップのインピーダンスを加えることにより、被検体単体のインピーダンスZDUT を求めることができる。なお、ショートチップのインピーダンスが無視できる程度に小さい場合は、ZD にショートチップのインピーダンスを加える操作は省略できる。
発明の好ましい実施形態の効果
以上のように、本発明の一実施形態によれば、シリーズ法で使用される平面伝送路において、分布定数型の誤差モデルにより、平面伝送路のオープン状態の特性を測定したデータSOPENと、平面伝送路にスルーチップをシリーズ接続した状態の特性を測定したデータSTHRUとを用いて補正するので、校正面間の測定誤差を補正することができ、被検体単体の電気的特性を精度よく求めることができる。
本発明の他の実施形態によれば、シャント法で使用される平面伝送路において、平面伝送路の校正面にショートチップをシャント接続した状態の電気特性SSHORT を測定し、分布定数型の誤差モデルにより、この電気特性SSHORT を用いて補正するので、校正面の測定誤差を補正することができ、被検体単体の電気的特性を精度よく求めることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
この実施例の測定方法は、ネットワークアナライザを用いた2ポートのシリーズ法の一例であり、ここではRRRR法と呼ぶ。
−平面伝送路の準備−
測定治具10は、TRL法で用いた測定治具と同様のものであり、図1に示すように、誘電体基板11の上面に2つの信号導体12a,12bが一直線上にかつ一端が間隔をあけて配置され、信号導体12a,12bの幅方向両側に間隔をあけて接地導体13a,13bが配置された平面伝送路であるCPW(コプレーナウェーブガイド)を使用している。なお、基板11の裏面にも接地導体を設けてもよい。測定治具10の長さ方向両端部にはコネクタ14,15が取り付けられ、これらコネクタ14,15の信号線14a,15aが信号導体12a,12bに、GND部14b,15bが接地導体13a,13bにそれぞれ接続されている。コネクタ14,15は同軸ケーブル16,17を介してネットワークアナライザ18の測定ポート18a,18bに接続されている。
−短絡基準の接続・測定−
本測定方法では、測定すべき校正基準は全て同じ短絡基準20であり、使用する測定治具10も同じ治具である。短絡基準20とは、電気的に短絡状態の部品一般を指し、チップ部品、金属片、工具などでもよい。望ましくは、ナイフエッジのような伝送路の長さ方向の接触長さが短いものがよい。短絡基準が理想的であれば、反射係数が−1(全反射)の値になるが、実際には短絡基準といえどもある程度のインダクタンスを持つので、インダクタンス値が既知である必要があるということである。通常、マイクロ波帯では、オープン状態と比較して短絡状態は比較的容易に理想に近い状態を得られる。高い測定精度が要求される場合には、簡単なシミュレーション等によって短絡基準のインダクタンスを求めれば良い。
測定治具10の伝送路特性が既知の場合には、短絡基準20を伝送路の3箇所で短絡させることで誤差係数を求め、伝送路特性が未知の場合には、短絡基準20を伝送路の4箇所で短絡させることで、伝送路特性と誤差係数とを同時に求めることができる。ここでは説明を簡単にするため、伝送路特性が既知の場合を例にして説明するが、伝送路特性が未知の場合の導出方法は、本願出願人の先願である特願2005−44916号を参照されたい。
まず、被検体測定時に被検体を接続する箇所(図1中の測定点P1)で信号導体12aと接地導体13aまたは13bとを短絡基準20により短絡し、この点を校正面とする。なお、この例では短絡基準20が信号導体12aと両方の接地導体13a,13bとを短絡させたが、信号導体12aと一方の接地導体とを短絡させてもよい。この時の測定結果をS11M1とし、測定点1における反射係数の真値をΓA1とする。ΓA1は短絡基準の真値であるが、これは短絡基準20の伝送路の長さ方向の大きさが測定信号波長と比較して十分に小さければ−1とすればよく、そうでなければ、短絡基準のインダクタンスの予想値をシミュレーション等で求めておくべきものである。
次に、測定点P1よりポート1側にL1 だけ離れた伝送路上の位置(測定点P2)で短絡基準20を信号導体12aと接地導体13または13b間に接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M2とする。この際、測定点P2における短絡基準20の反射係数の真値はΓA1であるが、測定点P1を基準面にとると、反射係数の真値は数式(1)のように変換される。ポート1側より入射した電磁波は、短絡基準20で全反射するため、測定点P1に短絡基準20を接続した場合と比較して往復分2L1 だけ伝送路を伝達する距離が短いからである。ここで、αは単位長さ当たりの伝送路の伝達度[U/mm]、βは伝送路の位相定数[rad/mm]であり、α,βは既知である。ΓA2は測定点P1を基準面とした場合の測定点P2に接続された短絡基準20の真値である。
Figure 0004743208
続けて、測定点P1よりポート1側にL2 だけ離れた伝送路上の位置(測定点P3)に短絡基準20を接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M3とする。測定点P2の場合と同様に測定点P1を基準面に取ると、反射係数の真値ΓA3は数式(2)のようになる。
Figure 0004743208
−スルーチップの接続・測定−
次に、図2に示すようにスルー(ポート間直結)状態での測定を行う。ポート間を接続するために適当なデバイス(以下、スルーチップという)21を信号導体12a,12b間にシリーズ接続する。測定値は、反射係数がS11MT、S22MTで、伝達係数はS21MT、S12MTとする。なお、スルー測定におけるスルーチップ21の電気特性は未知で良く、例えば抵抗値が分からないチップ抵抗などでも良いが、伝達係数に方向性があってはならない。伝達係数は、直流磁界下のフェライトなどの特殊な材料を使用しない限り、相反定理により方向性を持たないので、通常この条件は自動的に満足される。
−RRRR校正の誤差モデルの誤差係数の計算−
RRRR校正の誤差モデルを図3に示す。これは特に新規なものではなく、従来から使用されているTRL補正の誤差モデルと同じものである。図中のS11M 、S21M は反射係数及び伝達係数の測定値であり、S11A 、S12A 、S21A 、S22A は被検体の散乱係数の真値である。また、誤差係数Exx、Fxxは8個あるが、散乱係数測定は比測定であるので、このうち7個の誤差要因を定められれば良い。具体的には、E21=1と置けば良い。
さて、前述の短絡基準20の接続による測定結果から、図3中の各誤差係数を求めなければならないが、まずE11、E21、E12、E22、F11、F21、F12、F22は次式で求められる。なお、FxxはExxと同様のため、Exxのみ記載する。この段階ではE21,E12については、両者の積は求められるが、これらを別個独立に求めることはできない。なお、D1 は中間変数である。
Figure 0004743208
次に、スルーチップの順方向および逆方向の伝達係数の測定結果S21MT、S12MTは、図3の誤差要因を用いて次式のように書ける。ただし、スルーチップ21の散乱係数の真値を仮にS11A , S21A , S12A ,S22A としておく。
Figure 0004743208
ここで、S21MT、S12MTの比を考える。数式(4)をもとに、スルーチップ21の正逆方向の伝達係数が等しい(S21A =S12A )ことに注意しつつ整理すると、次式が得られる。ここで注目すべきは、スルーチップ21の散乱係数S11A , S21A , S12A ,S22A は除算ですべて消滅してしまう点である。つまり、スルーチップの散乱係数真値が不明であっても、スルーチップに方向性がない場合はS21MT、S12MT(これは測定可能量である)の比さえ分かれば、誤差係数の関係が決まるという事である。
Figure 0004743208
数式(3)と数式(5)をもとに、次式の通り全誤差係数を決定できる。
Figure 0004743208
以上で、全ての誤差係数を決定する事ができた。以上はポート1側からポート2側へ信号を印加した場合(順方向)の議論であるが、逆方向についてはE21=1とする代わりにF21=1とすれば導出できる。
−被検体の測定とRRRR校正の実施−
誤差係数が求まれば、被検体22を測定治具10に接続し、その特性を測定する。例えばチップマウンタなどを用いて被検体22を吸着し、この被検体22を測定治具10の被検体測定位置へ接触させて、電気特性(S11M,21M,12M,22M)を測定する。この際、被検体22が2端子の場合には、図4の(a)のように信号導体12a,12b間にシリーズ接続すればよいが、3端子または4端子の場合には、図4の(b)のように信号導体12a,12bおよび接地導体13a,13bの間に接続すればよい。したがって、RRRR測定方法は、2端子の電子部品の他、フィルタのような3端子以上の電子部品にも適用できる。
RRRR校正の誤差モデルはTRL補正の誤差モデルと同じものであるから、実際の被検体測定結果から誤差の影響を除去するにはTRL補正と同様の計算を行えば良く、誤差の影響を除去する数式を以下に記載しておく。本式は2ポート測定の場合の反射係数をもとに計算する式であるが、誤差要因の影響を除去するには、ネットワークアナライザの4つのレシーバ出力から計算してもよい。また、3ポート以上の場合にも、本式と同様の式を使用してもよいし、あるいは回路シミュレーション手法を用いて誤差要因の影響を除去してもよい。要するに、どのような公知技術を選択してもよい。なお、数式(7)において、D2 は中間変数である。
Figure 0004743208
−分布定数型オープン補正−
上述のRRRR校正では、被検体測定位置(校正面P1)までの誤差要因を除去できるが、被検体測定位置間の誤差、即ち校正面間の誤差要因は未考慮である。すなわち、図5に示すように、CPWである測定治具10の校正面間に存在する残留インピーダンスや浮遊アドミタンス等が補正されない。なお、図5では容量性の集中定数的な誤差要因を示しているが、以下に説明するオープン補正自体は任意の分布定数回路に適用できる。
分布定数型オープン補正の誤差モデルは、オープン特性が、被検体測定時には被検体に対して並列に接続されているとするものである。オープン測定は、測定治具10に何も接続しない状態の伝送路特性を測定し、RRRR校正を行い、誤差補正後の特性SOPEN(S11OPEN、S21OPEN、S12OPEN、S22OPEN)を求める。これは、校正面間のオープン特性である。
オープン補正の計算は、Sパラメータ(散乱係数)をYパラメータ(アドミタンス係数)に変換して行うと簡単である。任意の散乱係数行列Sをアドミタンス係数行列Yに変換するには次式を用いれば良い。
Figure 0004743208
数式(8)により、被検体の散乱係数行列SA をアドミタンス係数行列YA に、オープン測定結果の散乱係数行列SOPENをアドミタンス係数行列YOPENに変換する。なお、被検体の散乱係数行列SA は、前述の通り伝送路に被検体22を接続し、RRRR校正を行って求めたものであり、校正面までの誤差要因を除去した被検体の特性である。そして、次式によってオープン特性の影響を除去したアドミタンス係数行列YD を得る。
Figure 0004743208
上式で得られた被検体のアドミタンス行列YD を、次式で散乱係数行列SB に変換すればオープン補正は完了である。
Figure 0004743208
以上のようにして、オープン特性の影響を除去した被検体の特性SB を求めることができる。
−分布定数型スルー補正−
分布定数型オープン補正により、オープン特性の影響を除去した被検体の特性を得ることができた。しかし、こうして得られた特性には、まだ被検体単体の特性とは異なったものであると考えられる。この原因は、オープン補正では補正できない、校正面間の短絡状態にすると発生する誤差要因が存在するからである。すなわち、校正面間に被検体を接続したとき、伝送路幅と被検体幅とが異なる場合に生じる伝送路隅部の容量や、校正面間の接地面残留インダクタンスなどが考えられる。このような特性が分布定数的に発生する。
そこで、分布定数型スルー補正を導入する。分布定数型スルー補正の誤差モデルは、被検体測定時は、被検体特性とスルー特性が直列に接続されている状態である。通常、2端子電子部品の実装ランドは各ポート対称に設計することが一般的であるため、誤差要因が反射特性も含めて対称的であると仮定している。
図6に示すように、校正面間をスルーチップ23により接続させた状態で測定し、RRRR校正を行って誤差補正後の特性を得る。このデータに対し、さらに前述の分布定数型オープン補正を行って特性STHRU(S11THRU、S21THRU、S12THRU、S22THRU)を得る。この特性STHRUは、校正面までの測定誤差を補正(例えばRRRR校正)し、かつ校正面間でオープン補正した後のスルー特性である。ここで、スルーチップ23は、予め値付けされたものであり、被検体と同一形状で、かつ被検体の接続位置と同一位置に接続できるものが望ましい。実務上は、RRRR校正で実施したスルーチップ21と兼用することも可能である。
スルー補正の誤差モデルでは、被検体測定時に被検体特性SB とスルー特性STHRUとが直列に接続していると考えるので、SパラメータをTパラメータに変換して計算するのが簡単である。SパラメータからTパラメータへの変換には、次式を用いればよい。
Figure 0004743208
数式(11)により、被検体特性SB を伝送係数行列TB に、スルー特性STHRUを伝送係数行列TTHRUにそれぞれ変換する。ここで、被検体特性SB は、校正面間に被検体22を接続して測定し、RRRR校正を行い、かつ分布定数型オープン補正を行った後の特性であり、数式(10)で求めた特性SB に等しい。
次式によってスルー特性の影響を除去した伝送係数行列TDUT を得る。
Figure 0004743208
最後に、数式(13)により、TパラメータをSパラメータに変換してSDUT を求める。
Figure 0004743208
以上のようにして、オープン特性およびスルー特性の影響を除去した被検体単体の特性SDUT を求めることができる。
ところで、スルー状態での測定値STHRUは、校正面間に接続したスルーチップ23のL=0(H)としたときの値である。したがって、被検体を測定して求めた特性SDUT は、被検体の真値よりもスルーチップ23のL値の分だけ小さい値となる。そこで、被検体の真値を補正するため、予めスルーチップ23のL値を電磁界シミュレータにより求めておき、後述するように最終的な被検体のインピーダンスZDUT を求める段階でL値の補正を行えばよい。
RRRR校正、オープン補正、スルー補正により誤差要因を除去して得られた反射係数の真値S11A 、S21A は、次式により被検体のZパラメータZ11A 、Z21A に変換できる。
Figure 0004743208
このZパラメータZ11A 、Z21A と基板の特性インピーダンスZ0 とを、それぞれ同じ周波数での値同士で乗じることにより、被検体のインピーダンスZDUT を求めることができる。このとき、スルーチップ23のインダクタンスで補正することで、インピーダンスZDUT の真値を得ることができる。
Figure 0004743208
ここで、Z0 は特性インピーダンス(Ω)、fは周波数(Hz)、Lはスルーチップのインダクタンス値(H)である。被検体の対称性によりZ11AとZ21Aは同じ値になるため、ZDUT を求めるためには、数式(15)のどちらを用いても構わない。なお、S11A 、S21A 、Z11A 、Z21A およびZDUT はいずれも複素数である。
上記計算式では、スルーチップ23がインダクタとしての特性を有すると考えたが、より厳密な精度を求める場合は、電磁界シミュレータの解析結果から、スルーチップ23のより正確な等価回路モデル(LとRの直列回路など)を求め、そのインピーダンスを求めるのが望ましいことは言うまでもない。
実施例1では誤差補正法をRRRR校正のシリーズ法を例として説明したが、誤差補正法の種類は、TRL校正のシリーズ法のような公知の方法でもよく、分布定数型オープン補正、分布定数型スルー補正の手順により、被検体単体の特性を従来よりも高精度に抽出することができる。
この実施例の測定方法は、ネットワークアナライザを用いた2ポートのシャント法の一例であり、ここではTRRR法と呼ぶ。
−平面伝送路の準備−
図7は、測定治具30をネットワークアナライザ38に接続した状態を示す。測定治具30は、誘電体基板31の上面に、1つの信号導体32と2つの接地導体33a,33bとからなる平面伝送路を形成したものである。この例では、信号導体32が誘電体基板31の長さ方向に連続的に形成され、信号導体32の幅方向両側に間隔をあけて接地導体33a,33bが形成されたCPW(コプレーナウェーブガイド)を使用した。なお、測定基板30の裏面にも接地導体を設けてもよい。測定治具30の長さ方向両端部にはコネクタ34,35が取り付けられ、これらコネクタ34,35の信号線34a,35aが信号導体12に、GND部34b,35bが接地導体33a,33bにそれぞれ接続されている。コネクタ34,35は同軸ケーブル36,37を介してネットワークアナライザ38の測定ポート38a,38bに接続されている。
−短絡基準の接続・測定−
本測定方法も、前述のRRRR法と同様に、測定治具30の伝送路特性が既知の場合には、短絡基準40を伝送路の3箇所で短絡させることで誤差係数を求める。短絡基準40はRRRR法で用いた短絡基準と同様のものを使用すればよい。伝送路特性が未知の場合には、短絡基準40を伝送路の4箇所で短絡させれば、伝送路特性と誤差係数とを同時に求めることができる。ここでは説明を簡単にするため、伝送路特性が既知の場合を例にして説明するが、伝送路特性が未知の場合の導出方法は、本願出願人の先願である特願2005−44916号を参照されたい。
まず、被検体測定時に被検体を接続する箇所(図7中の測定点P1)で信号導体32と接地導体33a,33bとを短絡基準40により短絡し、この点を校正面とする。この時の測定結果をS11M1とし、測定点P1における反射係数の真値をΓA1とする。次に、測定点P1よりポート1側にL1 ,L2 だけ離れた伝送路上の位置(測定点P2,P3)で、短絡基準40を信号導体32と接地導体33a,33b間に接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M2,S11M3とする。短絡基準40の反射係数の真値ΓA2,ΓA3は、数式(1)および数式(2)と同様にして求められる。
−スルー状態での測定−
短絡基準40による測定とは別に、スルー状態(ポート間直結状態)での測定を行う。スルー状態とは、実際には測定治具30に何も接続せずに測定を行う。測定値は、反射係数がS11MTで、伝達係数はS21MTとする。
−TRRR校正の誤差モデルの誤差係数の計算−
TRRR校正の誤差モデルを図8に示す。この誤差モデルは、図3の誤差モデルと同じものである。図中のS11M 、S21M は反射係数及び伝達係数の測定値であり、S11A 、S12A 、S21A 、S22A は被検体の散乱係数の真値である。また、誤差係数Exx、Fxxは8個あるが、散乱係数測定は比測定であるので、このうち7個の誤差要因を定められれば良い。具体的には、E21=1と置けば良い。
さて、前述の短絡基準40の接続による測定結果から、図中の各誤差係数を求めなければならないが、まずE11、E12、E22、F11、F21、F12 、F22は数式(3)と同様にして求められる。TRRR校正では、理想のスルー状態の散乱係数S11MT、S21MTを測定できているので、次式によりF22、F12を求めることができる。
Figure 0004743208
以上で、全ての誤差係数を決定することができた。以上はポート1側からポート2側へ信号を印加した場合(順方向)の議論であるが、逆方向についてはE21=1とする代わりにF21=1とすれば導出できる。
−被検体の測定とTRRR校正の実施−
誤差係数が求まれば、図9に示すように被検体41を測定治具30の信号導体32と一方の接地導体33aまたは33bとにシャント接続し、その特性を測定する。例えばチップマウンタなどを用いて被検体41を吸着し、この被検体41を伝送路30の被検体測定位置(P1)へ接触させて、電気特性(S11M,21M,12M,22M )を測定すればよい。この際、使用する測定治具30はTRRR校正で用いたものと同じであり、測定治具30および同軸ケーブル36,37も接続状態のままとする。
TRRR校正の誤差モデルはTRL補正の誤差モデルと同じものであるから、実際の被検体測定結果から誤差の影響を除去するにはTRL補正と同様の計算を行えば良い。誤差の影響を除去する計算式は数式7と同じであるが、計算式は数式7に限らず、どのような公知技術を用いてもよい。
−分布定数型ショート補正−
上述のTRRR校正では、被検体測定位置(校正面P1)までの誤差要因を除去できるが、校正面P1における被検体41と平面伝送路間で発生する容量成分による誤差要因、すなわち、図9に示すように被検体41の電極と測定治具30のパターン間で発生する浮遊容量C成分を除去できない。この誤差要因を、図10に示すように、校正面P1に適当なデバイス(以下、ショートチップという)42をシャント接続することで除去する。ショートチップ42は、予め値付けされたものであり、好ましくは被検体41と同一形状で、かつ被検体41の測定位置と同一位置に接続できるものがよい。さらに好ましくは、被検体41と同種の電子部品がよい。つまり、被検体41を接続した時に発生するC成分は、ショートチップ42を接続した時に発生するC成分と同じと考えられるからである。校正面P1にショートチップ42をシャント接続した状態で測定し、TRRR校正を行い、誤差補正後の特性SSHORT (S11SHORT 、S21SHORT 、S12SHORT 、S22SHORT)を得る。
次に、被検体41を校正面にシャント接続してTRRR校正した値SA と、ショートチップ42を校正面にシャント接続してTRRR校正した値SSHORT とを、それぞれZパラメータに変換して、ZA 、ZSHORT とし、
Figure 0004743208
の計算を行い、被検体41を接続した時に発生する誤差要因を除去したZD を求める。
ところで、ショート状態での測定値SSHORT は、校正面に接続したショートチップ42のL値を0と仮定したときの値である。したがって、被検体41を測定して求めた特性SA は、被検体41の真値よりもショートチップ42のL値の分だけ小さい値となる。そこで、被検体41の真値を補正するため、予めショートチップ42のL値を電磁界シミュレータにより求めておき、後述するように最終的な被検体41のインピーダンスZDUT を求める段階でL値の補正を行えばよい。
次式のように、数式17により誤差要因を除去して得られたZD の反射係数および伝達係数Z11、Z21と基板の特性インピーダンスZ0 とを、それぞれ同じ周波数での値同士で乗じるとともに、ショートチップ42のL値で補正することで、測定基板およびショートチップの影響を緩和した被検体のインピーダンスZDUT 値を得ることができる。
Figure 0004743208
ここで、ZO は測定治具の特性インピーダンス(Ω)、fは周波数(Hz)、LはショートチップのL値(H)である。被検体の対称性によりZ11とZ21は同じ値になるため、ZDUT を求めるためには、数式18のどちらを用いても構わない。
上記計算式では、ショートチップ42がインダクタとしての特性を有すると考えたが、より厳密な精度を求める場合は、電磁界シミュレータの解析結果から、ショートチップ42のより正確な等価回路モデル(LとRの直列回路など)を用いることができるのは言うまでもない。
上記のように、2ポートのシリーズ測定法において、分布定数型オープン補正、分布定数型スルー補正を実施することにより、校正面間の残留インピーダンスと浮遊アドミタンスを補正でき、被検体単体の特性を抽出することができるようになった。ネットワークアナライザの2ポート測定において、基板特性を含まない被検体単体の高周波特性を得ることができるため、部品メーカーで従来より被検体単体の特性として用いてきた、インピーダンスアナライザの測定値とトレースした3GHz以上のネットワークアナライザによる高周波データを、ユーザーに提供することが可能になった。
また、2ポートのシャント測定法において、分布定数型ショート補正を実施することにより、被検体をシャント接続した状態における被検体と平面伝送路間で発生する誤差要因を除去できる。このようにして、基板特性の影響を受けない被検体単体の電気特性を求めることができる。
但し、インピーダンスアナライザによる測定値と本発明によるネットワークアナライザによる測定値を高精度にトレースさせるためには、測定治具、例えば被検体を保持する機構や、位置決め機構など、測定状態が同一であること、スルー補正で使用されるスルーチップの等価回路モデルの定義が同一であること、等の条件が必要である。
また、電子機器セットメーカーなどの電子機器の設計者が、本発明による被検体単体の高周波データを設計シミュレーションとして使用する場合、必要な回路基板のパラメータと本発明による被検体の特性を重畳する技術を使用することにより、高精度なシミュレーションを再現することが可能になる。
本発明にかかる2ポートのシリーズ法における測定装置の一例の平面図である。 本発明にかかるスルー測定における測定装置の平面図である。 本発明にかかるRRRR校正法で使用される誤差モデル図である。 本発明にかかる測定装置の被検体測定時における平面図である。 校正面間に発生するオープン状態の誤差要因の影響を示す平面図である。 校正面間に発生するスルー状態の誤差要因の影響を示す平面図である。 本発明にかかる2ポートのシャント法における測定装置の一例の平面図である。 本発明にかかるTRRR校正の誤差モデル図である。 被検体を測定治具に接続した状態の拡大図である。 ショートチップを測定治具に接続した状態の拡大図である。
符号の説明
10,30 測定治具(平面伝送路)
12a,12b 信号導体
13a,13b 接地導体
18,38 ネットワークアナライザ
20,40 短絡基準
21 スルーチップ
22,41 被検体
23 スルーチップ
32 信号導体
33a,33b 接地導体
42 ショートチップ

Claims (7)

  1. 平面伝送路の校正面間に被検体をシリーズ接続し、上記平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正した被検体の電気特性を求める第1のステップと、
    上記平面伝送路のオープン状態の電気特性を測定する第2のステップと、
    分布定数型の誤差モデルにより、第1のステップで求めた被検体の電気特性を第2のステップで測定したオープン状態の電気特性を用いて補正する第3のステップと、
    上記平面伝送路の校正面間に予め値付けされたスルーチップをシリーズ接続し、上記平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正したスルーチップの電気特性を求める第4のステップと、
    分布定数型の誤差モデルにより、第4のステップで求めたスルーチップの電気特性を第2のステップで測定したオープン状態の電気特性を用いて補正する第5のステップと、
    分布定数型の誤差モデルにより、第3のステップで求めた被検体の電気特性を第5のステップで求めたスルーチップの電気特性を用いて補正し、被検体単体の電気特性を求める第6のステップと、を含むことを特徴とする電子部品の電気特性測定方法。
  2. 上記第3のステップにおいて、第1のステップで求めた被検体の測定データSA と、第2のステップで求めたオープン状態でのデータSOPENとをYパラメータに変換してYA 、YOPENとし、
    B =YA −YOPEN
    の計算を行ってYB を求め、
    上記YB をSパラメータに逆変換して、オープン補正後の被検体の散乱係数SB を求めることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の電気特性測定方法。
  3. 上記第5のステップにおいて、第4のステップで求めたスルーチップの測定データSC と、第2のステップで求めたオープン状態でのデータSOPENとをYパラメータに変換してYC 、YOPENとし、
    THRU=YC −YOPEN
    の計算を行ってYTHRUを求め、
    上記YTHRUをSパラメータに逆変換して、オープン補正後のスルーチップの散乱係数STHRUを求めることを特徴とする請求項2に記載の電子部品の電気特性測定方法。
  4. 上記オープン補正後の被検体の散乱係数SB と、上記オープン補正後のスルーチップの散乱係数STHRUとをTパラメータに変換してTB 、TTHRUとし、
    D =(√TTHRU-1B (√TTHRU-1
    もしくは、
    D =(√TB-1THRU(√TB-1
    の計算を行ってTD を求め、
    上記TD をSパラメータに逆変換して、オープン補正後かつスルー補正後の被検体の散乱係数SD を求めることを特徴とする請求項3に記載の電子部品の電気特性測定方法。
  5. 上記被検体の散乱係数SD をZパラメータに変換し、変換されたZD に対し、平面伝送路の特性インピーダンスZO を乗じるとともに、上記スルーチップのインピーダンスを加えることにより、被検体単体のインピーダンスZDUT を求めることを特徴とする請求項4に記載の電子部品の電気特性測定方法。
  6. 平面伝送路の校正面に被検体をシャント接続し、上記平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正した被検体の電気特性を求める第1のステップと、
    上記平面伝送路の校正面に予め値付けされたショートチップをシャント接続し、上記平面伝送路を校正基準として利用した誤差補正方法により、校正面までの測定誤差を補正したショートチップの電気特性を求める第2のステップと、
    分布定数型の誤差モデルにより、第1のステップで求めた被検体の電気特性を、第2のステップで求めたショートチップの電気特性を用いて補正し、被検体単体の電気特性を求める第3のステップと、を含むことを特徴とする電子部品の電気特性測定方法。
  7. 上記第1のステップで求めた被検体の電気特性SA と、第2のステップで求めたショート状態での電気特性SSHORT とをZパラメータに変換してZA 、ZSHORT とし、
    D =ZA −ZSHORT
    の計算を行ってZD を求め、このZD に上記ショートチップのインピーダンスを加えることにより、被検体単体のインピーダンスZDUT を求めることを特徴とする請求項6に記載の電子部品の電気特性測定方法。
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