JP3912427B2 - 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 - Google Patents

電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 Download PDF

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Description

本発明は、チップインダクタ、チップコンデンサ、チップ抵抗等の2端子電子部品の高周波電気特性の測定方法、より詳しくは、ネットワークアナライザなどの測定器によって2端子電子部品のインピーダンス値やQ値等をシャント法で測定する際の測定誤差の補正方法に関する。
ネットワークアナライザを用いて、表面実装タイプのチップインダクタやチップコンデンサ等のインピーダンス素子の高周波電気特性を測定する場合、これらの電子部品に直接同軸ケーブル等を接続することは不可能であるため、ネットワークアナライザに同軸ケーブルを介して平面伝送路(マイクロストリップラインやコプレーナウェーブガイドなど)を接続し、この平面伝送路上に電子部品を接触させて測定する方法がある。この場合、被検体であるインピーダンス素子の散乱係数行列の真値を得るためには、測定系の誤差要因を同定して測定結果から誤差要因の影響を取り除かなければならない。これを補正または校正(キャリブレーション)という。
ネットワークアナライザによる測定において、測定系の誤差を除去する従来技術として、非特許文献1に示されるように、TRL(Through-Reflection-Load) 補正やSOLT(Short-Open-Load-Through) 補正が知られている。
図1,図2に、ネットワークアナライザを用いた測定系と、SOLT補正,TRL補正で使用される各誤差モデルとを示す。
被検体である電子部品1は、測定治具2の上面に形成された伝送路上に接続される。測定治具2の伝送路の両端は同軸ケーブル3を介して図示しないネットワークアナライザの測定ポートに接続されている。
SOLT補正の誤差モデルにおいて、S11A 〜S22A は被検体を含む伝送路の散乱係数、EDF,RF,SFは一方の測定ポート側の散乱係数、ELF,TFは他方の測定ポート側の散乱係数である。
TRL補正の誤差モデルにおいて、S11A 〜S22A は被検体の散乱係数、e00〜e11は一方の測定ポート側の散乱係数、f00〜f11は他方の測定ポート側の散乱係数である。
誤差要因を同定するためには、被検体測定面に少なくとも3種類の散乱係数が既知のデバイス(標準器)を取りつけて測定を行わなければならない。伝統的に開放(OPEN) 、短絡(SHORT )、終端(LOAD=50Ω)が使用されることが多く、同軸環境であればこのような標準器を実現できるため、この方法は広く使用されており、SOLT補正と呼ばれる。SOLT補正では、図3に示すように、短絡(0Ω)と開放(∞Ω)と終端(50Ω)の3種類のコネクタ4を使用するとともに、ポート間を直結してスルー(Through )状態としている。
しかし、SOLT補正の場合、同軸環境以外ではこのような標準器の実現は極めて困難であり、補正に必要な標準器をチップデバイス形状で実現することができない。例えば表面実装部品を測定する際に用いられる平面伝送路は、導波管や同軸伝送路とは異なり、良好な「開放」や「終端」を得ることができず、現実的にSOLT補正を実施することができない。また、一般的に測定によって得られる測定値は、被検体1そのものではなく、被検体1と被検体を接続した測定治具2とを合成した特性となり、被検体単体の特性を測定することができない。
TRL補正とは、実現の難しいデバイス形状の標準器に代えて、図4に示すように、ポート間直結状態(Through )の伝送路5a、全反射(Reflection=通常短絡)の伝送路5b、及び長さが異なる数種類の伝送路(Line )5c,5dを標準器として使用するものである。伝送路5a〜5dは、比較的散乱係数が既知のものを製作しやすく、また全反射も短絡であれば、比較的簡単にその特性を予想できることから、伝送路のみで補正を可能としたものである。そのため、原理的には被検体1単体の特性を測定することができる。
なお、この例では、スルー伝送路5aはいわゆるNon-zero-throughであり、被検体1はスルー伝送路5aの中央部にシャント接続して測定する。
ところが、被検体である表面実装部品にTRL補正を適用しようとすると、以下のような課題を生じる。
1)標準器である伝送路(Line 数種類とReflectionとThrough)5a〜5dにおいて、同軸ケーブル3と伝送路5a〜5dとの接続部に生じる誤差要因が全て等しくなければならない。しかし、たとえ各標準器で同じ種類のコネクタを使用しても、各標準器を測定器に接続する際に特性バラツキが非常に大きくなり、補正誤差を生じ、ミリ波帯に近づくと事実上実施不可能となる。
2)前記課題を解決するため、同軸コネクタを共通とし、その同軸ピンを標準器である伝送路と接触接続することでコネクタ接続のバラツキの影響を回避しようという工夫もされている。しかし、同軸ピンが破損するなど、構造上接触部に十分な押しつけ荷重を確保することが難しく、接触が安定しないために補正が不安定になることが多い。また、測定周波数が高くなると、一般に伝送路も同軸ピンも細くなるので、これらの位置決め再現性による測定バラツキが大きくなってしまう。
3)補正時の測定が正常であるかどうかを補正作業中に判断することが困難であるので、手間のかかる補正作業を終えて実際に被検体を測定して初めて、補正時の接触不良などの事故に気づくといった無駄を生じる。
特許文献1には、ストリップ線路を経由して被検体に接続される2つの試験端子を有するネットワークアナライザを校正する方法が開示されている。すなわち、最初の校正測定においては、伝送と反射のパラメータを、伝搬定数が未知の線路上で、前記2つの試験端子間で無反射の仕方で接続されたストリップ線路上で測定し、同じ線路を使用してさらなる3回の校正測定を、前記線路上の3つの異なる位置において挿入された反射対称でかつ相反的な不連続部により実現された3つの校正標準器で実施するものである。
つまり、伝送路の状態を3つの状態に変化させることで、3種類の標準器を実現し、標準器の接続を1回のみとするものである。この方法であれば、TRL補正に比べて、標準器の接続回数を減らすことができ、校正作業における測定誤差を少なくできる。
しかし、実際に被検体の測定を行う場合には、標準器として使用したストリップ線路を取り外し、被検体を接続できるストリップ線路(治具)を再度接続しなければならない。当然、再接続した際の接続部の特性は変化するので、測定誤差になってしまう。
また、2つの試験端子間にストリップ線路を無反射の仕方で接続することは、実際上難しく、試験端子とストリップ線路との接続部での反射係数が誤差要因となる。
さらに、被検体を接続して得られる測定値は、被検体だけでなく、被検体と被検体を接続したストリップ線路とを合成した特性となり、被検体単体の特性を測定することができない。
Application Note 1287-9; In-Fixture Measurements Using Vector Network Analyzers ((C) 1999 Hewlett-Packard Company) 特開平6−34686号公報
そこで、本発明の目的は、TRL補正やSOLT補正における問題点を解消するとともに、接続部の特性ばらつきの影響を受けない高精度な電子部品の高周波電気特性測定方法を提供することにある。
また、高精度な電子部品の高周波電気特性測定装置を提供することにある。
さらに、高精度な高周波電気特性測定装置の校正方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電子部品の高周波電気特性を測定する方法において、信号導体と接地導体とを有し、単位長さ当たりの電気特性が既知の伝送路を準備するステップと、前記伝送路の両端を測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、前記伝送路の長さ方向の少なくとも3箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、前記接続状態での測定値および前記伝送路の電気特性から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求めるステップと、前記伝送路に被測定電子部品をシャント接続して電気特性を測定するステップと、前記被測定電子部品の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定方法を提供する。
本発明は、測定治具である伝送路の信号導体と接地導体との間に被検体をシャント接続して、この部分の反射係数および伝達係数などを測定し、これからインピーダンス値等の電気特性を求める、いわゆるシャント法において、伝送路その他の測定系の誤差を除去する手法である。本発明は、測定系の誤差を測定する際、伝送路の短絡状態は良質なものを容易に実現できる、という知見に基づいてなされたものである。
本発明にかかる補正方法(以下、TRRR校正と呼ぶ)の好ましい例では、校正基準(標準器)として短絡基準を用いる。これは、短絡状態であればほぼ全反射状態になるので測定ポートと逆側のポートの影響を受けないこと、及び、対象とする伝送路がTEM単一モード動作する周波数範囲では短絡状態の特性には誘電体の影響が実質的に無く、電磁界シミュレーションで非常に精度良くその電気特性を予想できること等の理由による。
一般的に、伝送路特性のシミュレーション時の精度を制限するパラメータは誘電率であるが、短絡状態の反射特性では誘電率を変化させてもほとんど計算結果に変化が見られないことを確認しており、シミュレーション結果を物理的真値と仮定して校正時に使用して差し支えないといえる。なお、伝送路の幅が測定信号の波長よりも十分に小さい場合は、短絡特性として−1(理想短絡の反射係数)を使用しても大きな誤差にはならないと考えられる。
ここで、本発明にかかるTRRR校正の概略について説明する。
校正工程1:短絡状態での測定
TRRR校正は校正基準として、伝送路の信号導体と接地導体を短絡する短絡基準を伝送路の少なくとも3箇所に順に接続したものを用いる。例えば、伝送路の被検体測定位置に短絡基準を接続して測定を行い、次に被検体測定位置からL1 だけ離れた点に短絡基準を接続して測定を行い、さらに被検体測定位置からL2 だけ離れた点に短絡基準を接続して測定を行う。なお、伝送路特性が未知の場合には、さらに異なる1点での測定が必要である。
ここで短絡基準とは、電気的に短絡状態の部品一般を指し、チップ部品に限らず、金属片や工具などでもよい。望ましくは、ナイフエッジのような伝送路の長さ方向の接触長さが短いものがよい。短絡基準が理想的であれば、反射係数が−1(全反射)の値になるが、実際には短絡基準といえどもある程度のインダクタンスを持つので、インダクタンス値が既知である必要があるということである。通常、マイクロ波帯では、オープン状態と比較してショート状態は比較的容易に理想に近い状態を得られる。高い測定精度が要求される場合には、簡単なシミュレーション等によって短絡基準のインダクタンスを求めれば良い。
校正工程2:スルー状態での測定
短絡状態での測定に続いて、何もデバイスを接続しない状態(スルー状態)で伝送路の特性を測定する。スルー状態での誤差係数は、理想のスルー状態の伝達係数と反射係数の測定値から導出することができる。
なお、測定系の伝達関数に方向性がない場合(例えば同軸ケーブル先端でキャリブレーションを実施し、測定器の方向性を除去した場合)には、誤差要因の順方向の伝達関数と逆方向の伝達関数とが相反定理により等しくなるので、短絡状態の測定のみから誤差要因を計算でき、スルー状態での測定は省略可能である。
実測工程:被検体の測定
伝送路の所定位置において、被検体を信号導体と接地導体との間に架け渡して接続(シャント接続)し、その電気特性を測定する。
測定した被検体の電気特性と校正工程1,2で求めた誤差要因とを用いて、計算により被検体の電気特性の真値を求めることができる。
前記説明では、校正工程において、信号導体と接地導体とを短絡させたが、必ずしも短絡させる必要はなく、何らかの反射状態が得られるように信号導体と接地導体とを接続すればよい。
例えば、短絡基準に代えてチップ抵抗のような校正基準を用いた場合、一方のポートから入力された信号のうち一部が素子との接触部を通過して他方のポートまで伝達し、他方のポートで一部が反射して戻ってくるが、その信号レベルは非常に小さい。例えば、入力信号のうち50%(−6dB)が素子との接触部を通過して他方のポートまで伝達し、他方のポートで反射したと仮定すると(通常予想される反射レベルは−15dB〜−25dBであり、その平均を−20dBとする)、往復で約−32dB(=−6−20−6)となり、誤差のレベルは入力信号の約2.5%程度である。したがって、誤差は非常に小さく、校正に必要な精度が得られる。
以上のようにして実施される本TRRR校正法は、次のような特徴を有する。
(1)補正・測定は全て同一の1つの伝送路上で行う。
TRL補正では、いくつもの長さの伝送路が標準器として必要で、かつこれらと同軸ケーブルとの接続部の電気特性が全て等しい必要があるが、TRRR校正では補正作業だけでなく、測定作業でも全て同一の1つの伝送路を使用するので、伝送路を付け替える必要がなく、伝送路やコネクタ、接続部などの特性バラツキの影響を受けない。
(2)被検体は伝送路にシャント接続して測定する。
測定治具である伝送路は接地導体と信号導体とに被検体が同時に接続できる構造でなければならない。例えば、コプレーナウェーブガイド(CPW)やスロットラインのような平面伝送路を使用することができる。TRRR校正は2端子素子のシャント法による測定に適用できる。シャント法であるが故に、低いインピーダンス測定時の測定精度が高い。
TRRR校正では伝送路が連続しているので、測定点に対して両ポート方向に校正基準を接続することが可能である。そのため、校正基準の接続位置範囲を大きく取ることができ、また一度の校正基準の接続で両ポートの校正データを取得できるので、校正基準の接続回数を少なくできる。
(3)校正に必要な伝送路の長さは、測定したい周波数の下限によって決まる。
低周波数に対応するには長い伝送路が必要であり、100MHzを下回るようなあまりに低い周波数には対応が困難であるが、それより高い周波数の測定には有効である。
(4)補正のための測定は、伝送路中の3箇所以上で校正基準をシャント接続して測定する。
被検体の測定位置からどれだけ離れた位置で何ヶ所の校正基準測定をすべきかは、測定周波数帯域幅と周波数上限によって決定する。周波数帯域幅が広い場合には、測定箇所を増やす必要があるが、TRL補正のように数多くの標準器を準備する必要がないので、低コストで実施できる。
(5)校正基準での測定を伝送路の4箇所以上で実施すれば、伝送路の特性も知ることができる。
伝送路の特性が既知である場合には、3箇所で校正基準を接続すれば、測定系の誤差要因を求めることができるが、4箇所以上で校正基準を接続すれば、測定系の誤差要因だけでなく伝送路自体の特性(誘電率,損失係数など)を求めることが可能になる。したがって、伝送路治具に使用する誘電体材料の誘電率や損失係数が未知の場合や、誘電体材料がロット毎に特性バラツキを有する場合であっても、使用する伝送路治具そのものの特性を正確に求めることができ、誤差のない高精度な校正が可能になる。
一般に、フッ素樹脂やアルミナなどの基材で構成された伝送路治具は、電気特性のバラツキが小さく、その物理的真値を求めやすいが、高価である。これに対し、エポキシ樹脂などの汎用樹脂よりなる基材で構成された伝送路治具は、安価であるが、材料特性のばらつきが大きく、誘電率や損失係数にもばらつきがある。このような場合には、4箇所以上で校正基準を接続して伝送路特性を求めれば、伝送路特性のばらつきの影響を受けず、被検体の電気特性を高精度に測定できる。
(6)補正測定の失敗(接触不良)を伝達係数の測定結果から検出できる。
伝送路に校正基準(例えば短絡基準)をシャント接続することで補正を行うので、良好な接触が得られている場合は全反射状態であり、ポート間の信号の伝達係数は非常に小さくなる。接触不良は伝達係数が大きくなることによって検出できるので、補正失敗を未然に防止できる。なお、本発明では校正基準の押しつけを伝送路に垂直に行えるので、十分な押しつけ荷重を確保することが容易で、そもそも接触が安定しやすい。
(7)レシーバを3つしか有さないネットワークアナライザで実施できる。
TRRR校正の誤差モデルはSOLT補正の誤差モデルと同じものであるので、3レシーバ構成のネットワークアナライザで全誤差要因を補正できる。つまり、4レシーバ構成のネットワークアナライザが必要なTRL補正に比べて、安価なネットワークアナライザを使用できる。
(8)伝送路の寿命を長くできる。
被検体測定を繰り返して接触部の伝送路が磨耗してきた場合、被検体の測定位置を少しずらして伝送路の磨耗のない部分で測定を継続可能であるため、伝送路の寿命を長くできる。この際、補正作業をやり直す必要はなく、数学的に測定系の誤差要因を修正するだけで良い。
(9)インピーダンス測定を行う場合には、伝送路の特性インピーダンス等は既知である必要がある。
伝送路の特性インピーダンスを基準とする散乱係数測定のみが必要な場合には、伝送路の特性インピーダンスは未知で良いが、インピーダンス測定を行いたい場合等には、伝送路の特性インピーダンスが既知である必要がある。これには、シミュレーションで計算したり、タイムドメインリフレクトリー法で実測するなどした値を用いれば良い。
伝送路の信号導体と接地導体とを短絡状態にするため、短絡基準を伝送路にシャント接続したが、周波数が高いために短絡基準の残留インダクタンスの影響が大きく、十分に短絡に近くならない場合(ポート間を信号が通過してしまい、全反射が得られない場合)がある。
この場合には、校正基準を伝送路に対して近接(非接触)させ、伝送路と校正基準との間に発生する浮遊容量と校正基準の残留インダクタンスを直列共振状態とするのがよい。
直列共振状態では、校正基準接続部のインピーダンスは0Ω、つまり理想の短絡状態になる。つまり、良好な短絡状態が得られない高い周波数においても、良好な短絡基準を使用したのと同じ効果が得られる。
なお、校正基準を伝送路に対して非接触とし、その間の浮遊容量で直列共振状態とする場合に限らず、校正基準として微小容量のコンデンサを用い、このコンデンサを伝送路に接触(完全接続)させて直列共振させることもできる。
本発明で使用する測定治具としては、信号導体と接地導体とが同一平面上に形成された伝送路を有するものを用いるのがよい。校正基準を用いた補正作業および被検体を用いた測定作業において、校正基準や被検体を信号導体と接地導体とに同時に接触導通させやすいからである。しかも、校正基準や被検体の押し付けを伝送路に対して垂直に行えるので、十分な押しつけ荷重を確保することが容易で、接触が安定しやすい。
具体的な伝送路としては、コプレーナウエーブガイドやスロット線路を用いることができる。コプレーナウエーブガイドは上述のように信号導体を間にしてその両側に接地導体を設けたものであり、10GHzまでの高周波特性の測定に適している。一方、スロット線路は、信号導体と接地導体とが同一平面上に間隔をあけて設けられたものであり、10GHz以上の高周波特性の測定に適している。
校正基準をシャント接続する各位置の相互距離は、測定したい周波数によって望ましい位置が決まるものであり、各位置間の位相差が70°〜145°となる位置とするのが望ましい。
補正を高精度に行うためには、補正データが相互にできるだけ離れていることが望ましく、校正基準の反射の位相によって異なる補正データを得るTRRR校正では、補正に必要な校正基準の接続位置間の位相差を70°〜145°とするのが、校正精度を高める上で望ましい。但し、接続位置間の位相差を前記のように設定すれば、校正精度は高いが、1組の校正基準で対応できる周波数範囲がかなり狭くなってしまう。しかし、校正基準接続位置の設定が非常に簡単で、かつ、校正時の測定データをうまく使いまわせば、広帯域測定であっても実用上問題になるほどは校正基準測定回数が増えるわけでも無い。
なお、測定すべき周波数帯域幅が広い場合には、校正基準を接続する位置を4箇所以上とするのがよい。なぜなら、周波数帯域が広くなると、校正基準を接続する位置のうちいずれかで信号波長の1/2またはその倍数となる場合があり得るので、そのようなデータを除外しても3箇所のデータが残るようにする必要があるからである。
従来のネットワークアナライザを用いた測定系およびSOLT補正の誤差モデルを示す図である。 従来のネットワークアナライザを用いた測定系およびTRL補正の誤差モデルを示す図である。 SOLT校正法を示す図である。 TRL校正法を示す図である。 本発明にかかるTRRR校正法を示す高周波電気特性測定装置の平面図である。 図5に示す校正時における高周波電気特性測定装置の正面図である。 本発明にかかるTRRR校正法で使用される誤差モデル図である。 本発明にかかる高周波電気特性測定装置の被検体測定時における平面図である。 本発明にかかる校正方法の一例のフローチャート図である。 本発明にかかる校正方法の他の例のフローチャート図である。 短絡基準の接触正常時と接触不良時の伝達係数の特性図である。 本発明にかかる高周波電気特性測定装置を用いて測定した短絡基準、抵抗およびキャパシタの高周波特性図である。 本発明にかかる高周波電気特性測定装置を用いて測定したインダクタの高周波特性図である。 校正基準と伝送路との間で直列共振させる例を示す図である。 伝送路の他の実施例であるスロット線路の平面図である。
以下に、本発明によるTRRR校正について、実施例を参照しながら具体的に説明する。
図5〜図8は本発明にかかる第1実施例を示す。
−TRRR校正の校正基準−
TRRR校正では、測定すべき校正基準は全て同じ短絡基準10であり、使用する測定治具11(伝送路12)も同じ治具を用いる。
測定治具11として、ここではコプレーナウエーブガイドを例にして説明する。測定治具11は、図5,図6に示すように、長さ方向に連続して形成された細帯状の信号導体12aと、信号導体12aの幅方向両側に間隔をあけて設けられた接地導体12bとからなる伝送路12を誘電体基板11cの上面の同一平面上に形成したものである。測定治具11の両端にはコネクタ11a,11bが設けられ、これらコネクタに同軸ケーブル14が接続され、測定器の一例であるネットワークアナライザ20の測定ポート21〜23に接続されている。同軸ケーブル14の信号線14aは、接続ばらつきを解消するため信号導体12aに半田付けや溶接等によって固定されている。測定ポート21,23は同軸ケーブル14を介して信号導体12aの両端に接続され、測定ポート22は接地導体12bに接続される。
測定治具11の上方には、図6に示すように短絡基準10を伝送路12に押し付けるプッシャ15と、プッシャ15を伝送路12に沿って自由に移動できる機構16とが設けられている。ここでは、短絡基準10として、絶縁性のプッシャ15の先端に取り付けたナイフエッジ状の導体を用いた。
伝送路の特性インピーダンスを基準とする散乱係数測定のみが必要な場合には、伝送路の特性インピーダンスは未知で良いが、インピーダンス測定を行いたい場合等には、伝送路の特性インピーダンスが既知である必要がある。これには、シミュレーションで計算したり、タイムドメインリフレクトリー法で実測するなど、公知の方法で求めればよい。
図5に示すように、短絡基準10を測定治具11に形成された伝送路12上の3箇所以上で測定する。ここではポート1(コネクタ11a)の補正について説明するが、ポート2(コネクタ11b)についても全く同様であり、実際には両方のポートについて同時に補正を行うことが重複する無駄な測定をしなくて済む点で合理的である。
−短絡基準の接続・測定−
まず、被検体を測定する位置(図5の測定点1:P1)において、短絡基準10を伝送路12にシャント接続し、信号導体12aと接地導体12bとを短絡状態として測定を行い、測定した反射係数をS11M1とする。この際、測定点1における反射係数の真値をΓA1とする。ΓA1は短絡基準10の反射係数の真値であるが、これは短絡基準10の伝送路12の長さ方向の大きさが測定信号波長と比較して十分に小さければ−1とすればよく、そうでなければその真値の予想値をシミュレーション等で求めておくべきものである。
次に、測定点1よりポート1側に距離L1 だけ離れた伝送路12上の位置(測定点2:P2)に短絡基準10をシャント接続して測定を行い、測定した反射係数をS11M2とする。この際、測定点2における短絡基準の反射係数の真値はもちろんΓA1であるが、測定点1を基準面にとると、測定点2における反射係数の真値ΓA2は数式1のように変換される。ポート1側より入射した電磁波は、短絡基準10で全反射するため、被検体測定箇所に短絡基準10を接続した場合と比較して往復分2L1 だけ伝送路を伝達する距離が短いからである。ここで、αは単位長さ当たりの伝送路の伝達度[U/mm]、βは伝送路の位相定数[rad/mm]である。
Figure 0003912427
なお、数式1は伝送路の伝達度αの負の冪になっていることから明らかなように、ΓA2はその大きさが1を越える。通常の感覚では反射係数の大きさが1を超える短絡基準など存在し得ないが、これはあくまでも数式1が基準面を測定点1に取っているために発生している状態であり、異常ではない。
続けて、測定点1よりポート1側に距離L2 だけ離れた伝送路上の位置(測定点3:P3)に短絡基準10をシャント接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M3とする。測定点2の場合と同様に測定点1を基準面に取ると、測定点3における反射係数の真値ΓA3は数式2のようになる。
Figure 0003912427
伝送路の特性α,βが未知の場合には、さらに測定点1よりポート1側に距離L3 だけ離れた伝送路上の位置(測定点4:P4)に短絡基準10をシャント接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M4とする。測定点2の場合と同様に測定点1を基準面に取ると、測定点4における反射係数の真値ΓA4は数式3のようになる。
Figure 0003912427
ここで、次式の通りα,βを含む式をξとおく。ξは、物理的には単位長さあたりの伝送路の伝達係数を表している。
Figure 0003912427
数式4を用いると、数式1〜数式3はそれぞれ数式5〜数式7のように書き直すことが出来る。
Figure 0003912427
Figure 0003912427
Figure 0003912427
前記説明では、測定点2〜4を被検体測定位置(測定点1)に対してポート1側のみに設けたが、被検体測定位置(測定点1)を間にして両側(ポート1側とポート2側)に振り分けて設けてもよい。ポート2側に設けた場合には、ポート1側に対して距離Lの正負符号が逆になる。両側に測定点2〜4を設けた場合には、伝送路12が短くても有効なデータを得ることができる。
さらに、測定点1を被検体測定位置とする必要もない。
なお、短絡基準10をシャント接続する方法として、図5では信号導体12aと両側の接地導体12bとの間に短絡基準10を接続したが、信号導体12aと一方の接地導体12bとの間に接続してもよい。
−スルー状態での測定−
短絡基準10による測定とは別に、スルー状態(ポート間直結状態)での測定を行う。スルー状態とは、実際には測定治具である伝送路12に何も接続せずに測定を行うだけである。測定値は、反射係数がS11MTで、伝達係数はS21MTとする。
TRRR校正の誤差モデルを図7に示す。これは特に新規なものではなく、従来から使用されているSOLT補正の誤差モデルと同じものである。図中のS11M 、S21M は反射係数及び伝達係数の測定値であり、S11A 、S21A 等は被検体の散乱係数の真値である。
伝送路特性ξが既知であれば、未知数は1ポート測定の誤差係数が3つ(EDF、ESF、ERF)であり、3箇所で短絡させた場合のそれぞれの反射係数の測定値(S11M1、S11M2、S11M3)によって3つの方程式を作ることができるので、全ての未知数(EDF、ESF、ERF)を求めることができる。
スルー状態での誤差係数(ELF、ETF)は、理想のスルー状態の反射係数と伝達係数の測定値(S11MT、S21MT)と、既に求めた誤差係数(EDF、ESF、ERF )とから導出することができる。
以上のことから、測定系の全ての誤差係数(EDF、ESF、ERF、ELF、ETF)を求めることができる。これら誤差係数を用いて、被検体の測定値(S11M 、S21M )から被検体の電気特性の真値(S11A 、S21A )を求めることができる。
一方、伝送路特性ξが未知の場合には、未知数は1ポート測定の誤差係数が3つ(EDF、ESF、ERF)と、伝送路特性が1つの合計4つである。この場合には、短絡基準を伝送路の4箇所で短絡させ、そのときの反射係数の測定値(S11M1、S11M2、S11M3、S11M4)によって4つの方程式を作ることができるので、全ての未知数(EDF、ESF、ERFおよびξ)を求めることができる。
その後の計算方法は、伝送路特性ξが既知の場合と同様である。
なお、伝送路特性ξには伝達度αと位相定数βの2つの未知数が含まれるが、伝送路特性ξは、実数部が伝達度αに関係し、虚数部が位相定数βに関係する複素数であるから、1つの未知数として求めることができる。
また、後の計算の都合により、短絡基準を測定する位置L1 ,L2 ,L3 は、次のいづれかの関係を満たすことが望ましい。
1 :L2 :L3 =1:2:3
1 :L2 :L3 =1:2:4
前記関係を満たしていれば、以下に示す数式を用いて伝送路特性を陽に計算することができる。前記関係を満たしていない場合、下記数式では伝送路特性を計算できないので、反復計算等によって求める必要がある。
−誤差係数の導出−
ここで、TRRR校正の誤差係数の具体的な導出方法について説明する。
前述のTRRR校正の短絡基準10の測定結果から、図7のモデル中の誤差係数を求めるのであるが、ここではまず伝送路特性ξを求め、これを用いてΓA2等を求めてEDF、ESF、ERFなどを得る手順を説明する。
短絡基準を測定する位置L1 ,L2 ,L3 が、L1 :L2 :L3 =1:2:3の関係を満足している場合は、数式8によってξを求めることができる。
Figure 0003912427
一方、L1 :L2 :L3 =1:2:4の関係を満足している場合は、数式9によってξを求めることができる。
Figure 0003912427
1 :L2 :L3 の比が前記の条件を満たさない場合については、ξを求める式を陽に導いていないので、必要に応じて同様の式を誘導しておくか、あるいは反復計算によってξを求めるかすれば良い。
数式8または数式9によってξが求まれば、数式5、数式6によってΓA2、ΓA3の値が計算できるので、以下の数式10によってEDF、ESF、ERFを求めることが出来る。なお、Denom は中間変数である。
Figure 0003912427
つぎに、理想のスルー状態の測定値S11MT、S21MTを用いて、数式11によってELF、ETFを求めることが出来る。
Figure 0003912427
以上はポート1側からポート2側へ信号を印加した場合(順方向)の議論であるが、逆方向についても全く同様である。
なお、例えば被検体測定位置を伝送路中でポート1側にLだけ移動した場合、TRRR校正の誤差モデルのポート1側には数式12で表される散乱係数行列を、ポート2側には数式13で表される散乱係数行列を接続した状態を求めて、改めてTRRR校正の誤差係数とすれば、補正測定作業を繰り返し行わなくても正しい結果が得られる。これは、伝送路の特性ξが既知であることから、各ポートの伝送路長がLだけ変化した場合の誤差係数の変化が予想できることを利用したものである。
Figure 0003912427
Figure 0003912427
以上を利用すれば、被検体測定位置の伝送路が繰り返し測定で磨耗してきた場合に、伝送路の磨耗していない部分に被検体測定位置を適宜変更しながら測定を継続することで、結果として治具寿命の延長が図れる。この際、補正作業をやり直す必要はなく、数学的に測定系の誤差要因を修正するだけで良い。
−被検体の測定とTRRR校正の実施−
誤差係数が求まれば、図8に示すように、被検体である2端子電子部品(ここでは表面実装部品)17を信号導体12aと接地導体12b間に接続し、その電気特性を測定する。例えばチップマウンタなどを用いて被検体17を吸着し、この被検体17を測定治具11の被検体測定位置P1へシャント接続し、被検体の順方向・逆方向の反射係数および伝達係数(S11M,21M,12M,22M )を測定すればよい。この際、使用する伝送路12は前記補正作業で用いたものと同じであり、伝送路12および同軸ケーブル14の接続は固定状態のままとする。
TRRR校正の誤差モデルはSOLT補正の誤差モデルと同じものであるから、実際の被検体測定結果から誤差の影響を除去するには、SOLT補正と同様の計算を行えば良い。ここでは、誤差の影響を除去して被検体の散乱係数S11A ,S21A を求める数式を以下に記載しておく。なお、誤差要因の影響を除去する計算式は以下の数式に限らず、どのような公知技術を用いてもよい。
Figure 0003912427
TRRR校正方法の一例を図9に示すフローチャートに従って説明する。
まず測定器と測定治具とを同軸ケーブルを介して接続し(ステップS1)、スルー状態での反射係数S11MTと伝達係数S21MTとを測定する(ステップS2)。
次に、第1の位置で短絡基準により信号導体と接地導体とを短絡する(ステップS3)。第1の位置とは被検体測定位置でもよいし、他の位置でもよい。短絡基準を接続した状態で、ポート1側およびポート2側の反射係数(S11M1,22M1 )を測定する(ステップS4)。
次に、第2の位置で短絡基準により信号導体と接地導体とを短絡し(ステップS5)、ポート1側およびポート2側の反射係数(S11M2,22M2)を測定する(ステップS6)。続いて、第3の位置で短絡基準により信号導体と接地導体とを短絡し(ステップS7)、ポート1側およびポート2側の反射係数(S11M3,22M3)を測定する(ステップS8)。
伝送路特性ξが未知の場合は、さらに第4の位置で短絡基準により信号導体と接地導体とを短絡し(ステップS9)、ポート1側およびポート2側の反射係数(S11M3,22M3)を測定する(ステップS10)。そして、数式8または9を用いて伝送路特性ξを計算する(ステップS11)。伝送路特性ξが既知の場合は、ステップ8〜10は省略可能である。
その後、測定した反射係数、伝送路特性ξと数式10,11とを用いて誤差係数を計算する(ステップS12)。
誤差係数を計算した後、測定治具に被検体を接続し(ステップS13)、被検体の順方向・逆方向の反射係数および伝達係数(S11M,21M,12M,22M )を測定する(ステップS14)。次に、数式14で誤差の影響を除去し(ステップS15)、誤差除去結果(被検体の真値)をディスプレーなどへ表示したり、被検体の選別等を実施する(ステップS16)。その後、全ての被検体の測定が完了するまでステップS13〜16を繰り返し(ステップS17)、全ての被検体の測定が完了すれば、TRRR校正を終了する。
短絡基準のシャント接続時、短絡基準と伝送路との間で接触不良が発生していると、測定された反射係数は誤った値となる。そこで、接触不良を検出するため、伝達係数を測定するのがよい。すなわち、短絡基準が正常に接触している場合には全反射が起こるため、治具ポート間の伝達係数は非常に小さいが、短絡基準と伝送路との間で接触不良が発生していると、ポート間の伝達係数が大きくなる。この伝達係数の違いを利用して、接触不良を簡単に判別できる。このように補正手順中に測定ミスを検出できるため、後で被検体を測定した時点で補正に失敗していたと判明するような無駄を防げる。
図10は、図9の誤差係数の導出過程(ステップS3〜ステップS10)において、伝達係数から接触不良を検出するステップを追加したものである。
まず、第1の位置で短絡基準により信号導体と接地導体とを短絡し(ステップS20)、短絡基準を接続した状態で、ポート1側およびポート2側の反射係数(S11M1,22M1)だけでなく伝達係数(S12M1,S21M1)も測定する(ステップS21)。そして、測定した伝達係数が十分に小さいか否かを判定し(ステップS22)、十分に小さくない場合には接触不良であると判定し、再度ステップS20,21を繰り返す。一方、伝達係数が十分に小さい場合には、接触が良好であると判定し、次の第2の位置での測定に移る。
第2の位置でも同様に、短絡基準により信号導体と接地導体とを短絡し(ステップS23)、ポート1側およびポート2側の反射係数(S11M2,22M2)と伝達係数(S12M2,S21M2)を測定する(ステップS24)。そして、測定した伝達係数が十分に小さいか否かを判定し(ステップS25)、十分に小さくない場合には接触不良であると判定し、再度ステップS23,24を繰り返す。一方、伝達係数が十分に小さい場合には、接触が良好であると判定し、次の第3の位置での測定に移る。
第3の位置でも同様に、短絡基準により信号導体と接地導体とを短絡し(ステップS26)、ポート1側およびポート2側の反射係数(S11M3,22M3)と伝達係数(S12M3,S21M3)を測定する(ステップS27)。そして、測定した伝達係数が十分に小さいか否かを判定し(ステップS28)、十分に小さくない場合には接触不良であると判定し、再度ステップS26,27を繰り返す。一方、伝達係数が十分に小さい場合には、接触が良好であると判定する。
ここでは、第4の位置での短絡基準の測定を実施していないが、伝送路特性が未知の場合には、第4の位置での同様の測定、判定を実施すればよい。
その後、図9のステップS12へ移行して、誤差係数の導出と補正の実施を行う。
なお、図10では、接触不良を検出するためにポート1側およびポート2側の両方の伝達係数を測定したが、測定系の伝達係数に方向性がない場合には、いずれか一方のポート側の伝達係数のみで接触不良を検出することができる。
図11に短絡基準が良好に接触している場合(Good)と接触不良を起こしている場合(Bad)の伝達係数の例を示す。
補正手順の短絡基準の測定時には、正常に短絡基準が接触している時には全反射が起こるため、治具ポート間の伝達係数は非常に小さい。一方、何らかの原因で接触不良が発生している場合には、ポート間の伝達係数が大きくなる。このように伝達係数の違いによって、補正手順中に測定ミスを検出できるため、後で被検体を測定した時点で補正に失敗していたと判明するような無駄を防げる。
ここで、短絡基準10の測定位置をどのように選択するべきかについて説明する。
伝送路12の被検体測定箇所と、ここから5mm離れた点で短絡基準10を測定したとする。伝送路12の損失が大きくないとすると、この2点の測定結果の違いは位相だけである。ここで、波長が30mm(真空中での1GHzの電磁波の波長)であるとする。5mm位置の違いは、往復で10mmの位置の違いに相当するので、測定データは(10mm÷30mm)×360°=120°の位相差があると期待できる。ところが、波長が10mm(真空中での3GHzの電磁波の波長)であったとすると、同じく往復10mmの位置の違いが生み出す位相差は10mm÷10mm×360°=360°であり、結局位相の差が生じない。このため、5mmの位置の違いでは、波長10mmの周波数では補正を正常に行えない。
補正を高精度に行うためには、補正データが相互にできるだけ離れていることが望ましく、短絡基準の反射の位相によって異なる補正データを得るTRRR校正では、短絡基準の接続位置間の位相差が70°〜145°となる条件を採用するのがよい。
校正基準間の位相差を大きく確保すると校正の精度は向上するが、一組の校正基準で対応できる周波数範囲が狭くなり、広帯域の測定をする場合に多くの校正基準を測定する必要が生じる。TRRR校正と同じく校正基準間の位相差を用いて校正を行うTRL校正の場合、良好な測定精度を得るために校正基準間の位相差は20°〜30°以上程度確保するべきであるとされている。
これに対し、短絡基準の接続位置間の位相差を70°〜145°とすると、校正精度は高いが1組の校正基準で対応できる周波数範囲が前記の場合と比較してかなり狭くなってしまう。しかし、以下に説明するように短絡基準接続位置の設定が非常に簡単で、かつ、校正時の測定データをうまく使いまわせば、広帯域測定であっても実用上問題になるほどは短絡基準測定回数が増えるわけでも無いからである。
まず、測定上限周波数において位相が145°程度になる第2の短絡基準測定位置を求める。具体的には、β[rad/mm]を位相定数、L[mm]を短絡基準測定位置として次式により求めれば良い。
Figure 0003912427
次に、第3の短絡基準測定位置を2L[mm]に、第4の短絡基準測定位置を4L[mm]に設定する。同様に、第nの短絡基準測定位置を2n-2 L[mm]に設定する。
測定上限周波数fmax からfmax /2までの周波数帯は、第1、第2、第3の短絡基準測定位置の測定結果によってRRRR校正を行う。fmax /2〜fmax /4までの周波数帯は、第1、第3、第4の短絡基準測定位置の測定結果を用いる。同様に、n番目の周波数帯、すなわちfmax /2n-1 〜fmax /2n の周波数帯は、第1、第n+1、第n+2の短絡基準測定位置の測定結果を用いる。このようにすることで、概ね短絡基準測定位置間の位相差が70°〜145°の範囲に保たれる。
図12は、TRRR校正を用いて、いくつかのインピーダンス素子を100MHz〜3GHzの範囲で測定した結果である。測定した素子は、短絡基準(shortchip)、50Ω抵抗、2pFキャパシタ、100Ω抵抗である。
50Ω抵抗、100Ω抵抗は周波数の増大に従いインピーダンス値も大きくなっているが、これはチップ抵抗の残留インダクタンス成分の影響と考えられる。
2pFキャパシタは、低い周波数ではインピーダンスがほぼ周波数に反比例して減少しているものの、周波数が2GHzを越えたあたりからはインピーダンス値が増大している。これも、残留インダクタンス成分の影響と見られる。
いずれにせよ、図12の結果から、TRRR校正で被検体の高周波特性が得られたことがわかる。
図13は、TRRR校正を用いて、1mm×0.5mmサイズで10nHのチップインダクタ(積層タイプチップインダクタ)を100MHz〜20GHzの範囲で測定した結果と、従来技術であるTRL校正法による測定結果とを比較して示す。
図13から明らかなように、インダクタの一般的なインピーダンス特性カーブが得られていることがわかる。つまり、自己共振周波数までは周波数上昇に比例してインピーダンスが上昇し、自己共振周波数以降は周波数上昇に反比例してインピーダンスが低下している。また、TRL校正法による測定にほぼトレースした結果が得られている。なお、10GHz付近からTRL校正法とTRRR校正法の測定結果に差が生じているが、これは測定時における被検体の接続位置のわずかの位置ずれの影響によって生じたものと考えられる。
測定器が計算機能と専用ソフトウェアを備え、短絡基準の残留インダクタンス及び伝送路のパラメータ(位相定数β〔rad/mm〕および伝達損失δ〔dB/Hz〕)と短絡基準の接触位置を入力すると、各位置における校正基準特性を数式1〜3に基づいて自動的に算出し、ここで各位置における短絡基準測定(必要であればスルー測定)を行い、これらデータを数式10の補正計算に使用して誤差要因を自動計算するようにしてもよい。すなわち、ネットワークアナライザが自動的に校正基準の値を予想してTRRR校正をするものである。
この場合は、量産工場のデバイスの検査工程において、校正基準の値をオペレータ等が計算する必要が無くなり、また測定器単体でTRRR校正が行えるため、工程が簡素化するという利点がある。
周波数が高いなどのために短絡基準の残留インダクタンスの影響が大きく、短絡基準を伝送路にシャント接続しても、十分に短絡に近くならない場合(ポート間を信号が通過してしまい、全反射が得られない場合)がある。
この場合には、図14の(a)に示すように校正基準25を伝送路に対して近接(非接触)させ、伝送路と校正基準の間に発生する浮遊容量C(F)と校正基準の残留インダクタンスL(H)を直列共振状態とするのがよい。このとき、C=1/(2πf√L)となるように設定する。
なお、校正基準と伝送路の間の浮遊容量を利用する方法に代えて、図14の(b)のように校正基準26を伝送路に接触させて直列共振させることもできる。この場合の校正基準26は微小容量のコンデンサを用いればよい。
直列共振状態では、校正基準接続部のインピーダンスは0Ω、つまり理想の短絡状態になる。つまり、良好な短絡基準が得られない高い周波数においても、良好な短絡基準を使用したのと同じ効果が得られる。
前記実施例では、伝送路としてコプレーナウェーブガイドを用いた例を示したが、図15のようなスロット線路30を用いることもできる。スロット線路30は、信号導体31と接地導体32とが同一平面上に隙間33をあけて設けられたものである。校正基準および被検体は、信号導体31と接地導体32との間にシャント接続される。
本発明にかかる高周波電気特性測定方法は、前記実施例に限定されるものではない。
伝送路は、平面伝送路に限るものではなく、信号導体と接地導体とを有し、単位長さ当たりの電気特性が既知で、校正基準(例えば短絡基準)および被検体をシャント接続できるものであれば、任意の構造のものを用いることができる。
前記実施例では、測定器として3レシーバのネットワークアナライザを用いたが、これはSOLT補正の誤差モデルを利用したからであり、TRL補正の誤差モデルを利用した場合には4レシーバのネットワークアナライザが必要である。
測定器としては、ネットワークアナライザに限らず、高周波電気特性を測定できるものであれば、使用可能である。
以上のように、本発明にかかる高周波電気特性測定方法は次のような効果を有する。
1)補正に使用する伝送路と被検体測定に使用する伝送路は同じものであるから、伝送路のバラツキの影響を受けにくい。また、伝送路と測定器との接続も、補正および測定において固定であり、再接続の必要がないので、伝送路の接触不良等による補正失敗等の事故も起こらない。
2)全反射状態を得るための短絡基準の接続が接触不良の場合、測定ポート間に信号が伝わるため、短絡基準の接触不良を直ちに検出できる。したがって、補正作業の失敗を未然に防止できる。
3)2端子電子部品単体の高周波特性を、治具等の誤差の影響を受けずに、高精度に測定可能である。したがって、本発明は高周波電気特性測定器によりチップインダクタ、チップコンデンサ、チップ抵抗等の2端子電子部品のインピーダンス値やQ値等を精度良く測定するためには非常に有効な方法である。

Claims (18)

  1. 電子部品の高周波電気特性を測定する方法において、
    信号導体と接地導体とを有し、単位長さ当たりの電気特性が既知の伝送路を準備するステップと、
    前記伝送路の両端を測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、
    前記伝送路の長さ方向の少なくとも3箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
    前記接続状態での測定値および前記伝送路の電気特性から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求めるステップと、
    前記伝送路に被測定電子部品をシャント接続して電気特性を測定するステップと、
    前記被測定電子部品の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定方法。
  2. 電子部品の高周波電気特性を測定する方法において、
    信号導体と接地導体とを有し、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路を準備するステップと、
    前記伝送路の両端を測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、
    前記伝送路の長さ方向の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
    前記接続状態での測定値から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因および前記伝送路の電気特性を求めるステップと、
    前記伝送路に被測定電子部品をシャント接続して電気特性を測定するステップと、
    前記被測定電子部品の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定方法。
  3. 前記信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップは、短絡基準をシャント接続して電気特性を測定するステップであることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波電気特性測定方法。
  4. 前記短絡基準をシャント接続して電気特性を測定するステップは、伝達係数を測定し、測定した伝達係数に基づいて前記短絡基準の接触不良を検出するサブステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の高周波電気特性測定方法。
  5. 前記信号導体と接地導体とを接続状態にするため、校正基準を前記伝送路に対して接触または近接させ、前記校正基準内の容量または前記校正基準と伝送路の間の容量と、前記校正基準の残留インダクタンスとで直列共振させることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波電気特性測定方法。
  6. 前記測定系の誤差要因を求めるために、前記接続状態での測定値のほかに、前記伝送路をスルー状態として測定した測定値を用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
  7. 前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求めるステップは、次式により実行されることを特徴とする請求項6に記載の高周波電気特性測定方法。
    Figure 0003912427
    Figure 0003912427
    上式において、ΓA1:第1の測定位置における反射係数、ΓA2:第2の測定位置における反射係数、ΓA3:第3の測定位置における反射係数、S11M1:第1の測定位置における測定値、S11M2:第2の測定位置における測定値、S11M3:第3の測定位置における測定値、S11MT:スルー状態での反射係数,S21MT:スルー状態での伝達係数、EDF, ERF, ESF, ELF, ETF:測定系の誤差要因。
  8. 前記被測定電子部品の測定値から前記測定系の誤差要因を除去するステップは、次式により実行されることを特徴とする請求項7に記載の電子部品の高周波電気特性測定方法。
    Figure 0003912427
    上式において、S11A :被測定電子部品の反射係数、S21A :被測定電子部品の伝達係数。
  9. 前記伝送路は、信号導体と接地導体とが同一平面上に形成された伝送路であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
  10. 前記伝送路は、信号導体とこの信号導体を間にしてその両側に接地導体とを有するコプレーナウエーブガイドであることを特徴とする請求項9に記載の高周波電気特性測定方法。
  11. 前記伝送路は、信号導体と接地導体とが間隔をあけて設けられたスロット線路であることを特徴とする請求項9に記載の高周波電気特性測定方法。
  12. 前記接続状態にして電気特性を測定する各位置は、測定位置間の位相差が70°〜145°となるよう相互に離れていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
  13. 電子部品の高周波電気特性を測定する装置において、
    信号導体と接地導体とを有し、単位長さ当たりの電気特性が既知の伝送路と、
    前記伝送路の信号導体の両端にそれぞれ接続された測定ポートと、接地導体に接続された測定ポートとを有し、高周波電気特性を測定可能な測定器と、
    前記伝送路の少なくとも3箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態とするための手段と、
    前記接続状態での前記測定器の測定値および前記伝送路の電気特性から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求める手段と、
    被測定電子部品を前記伝送路にシャント接続する手段と、
    前記被測定電子部品を前記伝送路にシャント接続して測定される前記測定器の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求める手段と、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定装置。
  14. 電子部品の高周波電気特性を測定する装置において、
    信号導体と接地導体とを有し、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路と、
    前記伝送路の信号導体の両端にそれぞれ接続された測定ポートと、接地導体に接続された測定ポートとを有し、高周波電気特性を測定可能な測定器と、
    前記伝送路の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態とするための手段と、
    前記接続状態での前記測定器の測定値から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因および前記伝送路の電気特性を求める手段と、
    被測定電子部品を前記伝送路にシャント接続する手段と、
    前記被測定電子部品を前記伝送路にシャント接続して測定される前記測定器の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求める手段と、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定装置。
  15. 前記接続状態とするための手段は、電気特性が既知の短絡した短絡基準と、この短絡基準を伝送路にシャント接続する手段とで構成されることを特徴とする請求項13または14に記載の高周波電気特性測定装置。
  16. 前記短絡基準をシャント接続して測定される測定値は、反射係数と伝達係数であり、
    前記伝達係数を所定値と比較することで、前記短絡基準の接触不良を検出する手段を含むことを特徴とする請求項15に記載の高周波電気特性測定装置。
  17. 電子部品の高周波電気特性測定装置の校正方法において、
    信号導体と接地導体とを有し、単位長さ当たりの電気特性が既知の伝送路の両端を、測定器の測定ポートにそれぞれ接続してなる高周波電気特性測定装置を準備するステップと、
    前記伝送路の長さ方向の少なくとも3箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
    前記接続状態での測定値および前記伝送路の電気特性から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求めるステップと、を含むことを特徴とする校正方法。
  18. 電子部品の高周波電気特性測定装置の校正方法において、
    信号導体と接地導体とを有し、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路の両端を、測定器の測定ポートにそれぞれ接続してなる高周波電気特性測定装置を準備するステップと、
    前記伝送路の長さ方向の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
    前記接続状態での測定値から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因および前記伝送路の電気特性を求めるステップと、を含むことを特徴とする校正方法。
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