JP4731357B2 - 化粧シート - Google Patents

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本発明は、化粧シート及びそれを用いて得られる化粧板に関する。
従来、建材(内装用・外装用)、車両、家具、家電製品、雑貨品等の各種製品には、外観に意匠性を付与するために化粧シートが使用されている。一般にこれらの化粧シートは、木質板等の被着材との接着性を高めるために裏面プライマー層が設けられることが多い。裏面プライマー層は、一般にウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂等の液状樹脂組成物を塗工することにより形成されている(特許文献1〜3等)。
特許文献1〜3に記載された液状樹脂組成物は、いずれも有機溶剤を溶媒とする溶剤系組成物である。このような溶剤系組成物は、有機溶剤の揮発等の問題があるため、近年は溶剤系組成物の使用を控えて水性組成物が用いられてきている。例えば、特許文献4には、基材シートの裏面に水性組成物から形成されるプライマー層を有し、当該水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂とイソシアネートとを含む化粧シートが開示されている。
特許文献4に記載される水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂を樹脂成分として含有し、架橋剤としてイソシアネートを含有するものである。当該水性組成物によれば、有機溶剤の揮発等の問題を改善できる点で有利であるが、次のような欠点がある。
即ち、水性組成物に含まれるイソシアネートは、系中の水分と反応して失活し易い。当該失活は、水性組成物の塗工前、塗工中及び塗工後のいずれの状態でも進行する。更に、基材シート裏面にプライマー層を形成し、基材シート表面に水性組成物により装飾層を形成した印刷原反の段階で巻取りを行った場合には、プライマー層と装飾層とが接触するため、装飾層に残る水分の影響によりプライマー中のイソシアネートが失活する問題もある。係る失活は、プライマー層と基材シート又は被着材との密着性を低下させる。
特開2000−141443号公報 特開2000−127329号公報 特開2000−85072号公報 特開2005−103846号公報([請求項2],[0033]段落等)
本発明は、ポリエステル系ウレタン樹脂とイソシアネートとを含む水性組成物によって裏面プライマー層を形成する場合において、裏面プライマー層と基材シート又は被着材との安定な密着性を確保する技術を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定組成の水性組成物を採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シート、化粧板及び水性組成物に係る。
1.基材シートの表面上に1又は2以上の層が積層されてなる化粧シートであって、
(1)基材シートの裏面に水性組成物から形成されるプライマー層を有し、
(2)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂、イソシアネート及び熱解離型ブロックイソシアネートを含有し、
(3)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、イソシアネートを21重量部以上28重量部以下含有し、
(4)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、熱解離型ブロックイソシアネートを11重量部以上35重量部以下含有する、
ことを特徴とする化粧シート。
2.熱解離型ブロックイソシアネートは、解離温度が100〜160℃である、上記項1に記載の化粧シート。
3.水性組成物は、更に体質顔料を含有する、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シートと被着材とを積層してなる化粧板。
5.化粧シートの裏面プライマー層の形成に用いられる水性組成物であって、
(1)ポリエステル系ウレタン樹脂、イソシアネート及び熱解離型ブロックイソシアネートを含有し、
(2)ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、イソシアネートを21重量部以上28重量部以下含有し、
(3)ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、熱解離型ブロックイソシアネートを11重量部以上35重量部以下含有する、
ことを特徴とする水性組成物。
本発明の化粧シートは、基材シートの表面(おもて面)上に1又は2以上の層が積層されてなる化粧シートであって、
(1)基材シートの裏面に水性組成物から形成されるプライマー層を有し、
(2)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂、イソシアネート及び熱解離型ブロックイソシアネートとを含有し、
(3)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、イソシアネートを20重量部以上50重量部未満含有し、
(4)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、熱解離型ブロックイソシアネートを11重量部以上65重量部以下含有する、
ことを特徴とする。
水性組成物
本発明で用いる水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂、イソシアネート及び熱解離型ブロックイソシアネートを含有する。なお、イソシアネートと熱解離型ブロックイソシアネートとは異なる。イソシアネート(主にイソシアネート化合物)はポリエステル系ウレタン樹脂の硬化に用いる硬化剤である。他方、熱解離型ブロックイソシアネートは、前記イソシアネートの遊離イソシアネート基に化合物(保護基)を結合させたものであり、加熱により解離してイソシアネートを再生する。即ち、熱解離型ブロックイソシアネートは硬化剤の前躯体と言える。このような熱解離型ブロックイソシアネートは、それ自体は水と接触しても失活せず、加熱により保護基が外れてイソシアネートを再生するため、例えば、製造工程における加熱の際にイソシアネートを補充できる。特にシートを加熱軟化させて凹凸模様を圧賦形するエンボス工程は、シートに加える熱温度・熱量が大きく、熱解離型ブロックイソシアネートの保護基を解離させる機会として好ましい。本明細書では、イソシアネートを硬化剤と称して、イソシアネート及び熱解離型ブロックイソシアネート以外の成分を水性組成物の主剤と称する。
以下、水性組成物の各成分について説明する。
(ポリエステル系ウレタン樹脂)
ポリエステル系ウレタン樹脂は裏面プライマー層を構成する樹脂成分である。ポリエステル系ウレタン樹脂は、基本的には、ポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物との反応生成物からなる。
ポリエステルポリオールは、多塩基性有機酸と多価アルコールとの脱水縮合反応(重縮合)によって得られる。
多塩基性有機酸としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ピメリン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和脂肪酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸等の芳香族酸が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオールが挙げられる。
このような多塩基性有機酸と多価アルコールの種々の組み合わせによって、多種のポリエステルポリオールが得られる。本発明では、ポリエステルポリオールとしては、飽和脂肪酸系のアジピン酸とジオール系のブチレングリコールとの重縮合反応により得られる直鎖タイプのものが好ましい。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、これらの異性体からなる芳香族ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;これらの混合物;等が挙げられる。上記の中でも特に脂肪族、脂環式又はこれらの混合物が好ましい。
上記ポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物との使用割合は限定されない。通常はポリエステルポリオール:ジイソシアネート化合物=1:1(当量比)程度であるが、使用する化合物の種類等に応じて適宜決定できる。また、ポリエステル系ウレタン樹脂の平均分子量としては、10000程度のものが柔軟性、可撓性に優れる観点から好ましい。
水性組成物に含まれる主剤は、親水性処理(水性化)されたものが好ましい。例えば、樹脂成分のポリエステル系ウレタン樹脂は、水酸基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホ基等の親水基を導入することにより水性化できる。また、アンモニア、アミン、金属アルカリ等の中和剤を併用することにより、更に水性化度を高めることができる。
(イソシアネート)
水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、イソシアネートを20重量部以上50重量部未満含有する。
水性組成物に含まれるイソシアネート(硬化剤)としては限定的ではないが、ポリイソシアネートを好適に使用できる。例えば、
(1)脂肪族ポリイソシアネート化合物(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート)、
(2)脂環族ポリイソシアネート化合物(例えば、1,4シクロヘキサジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1−メチル−2,4−シクロヘキサジイソシアネート、1−メチル−2,6−シクロヘキサジイソシアネート)、
(3)芳香族ポリイソシアネート化合物(例えば、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート)、等が挙げられる。
イソシアネート(硬化剤)としては、特に親水性処理されたものが好ましい。例えば、ジイソシアネート化合物と活性水素基含有化合物との反応による末端イソシアネート基含有化合物;ジイソシアネート化合物の反応による末端イソシアネート基含有化合物;等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物と活性水素基含有化合物との反応による末端イソシアネート基含有化合物、ジイソシアネート化合物の反応による末端イソシアネート基含有化合物等の例としては、例えば、ウレタン構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物、ウレア構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物、ウレトジオン構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物、イソシアヌレート構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物、カルボジイミド構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物、ウレトンイミン構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物、ビウレット構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物、アロファネート構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物、これらの混合物等が挙げられる。上記の中でも、イソシアヌレート構造をもつ末端イソシアネート基含有化合物が好ましい。
水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、イソシアネート硬化剤を20重量部以上50重量部未満含有する。イソシアネート硬化剤の含有量を上記範囲に設定することにより、基材シートと裏面プライマー層との初期密着性及び印刷原反の巻取り時における耐ブロッキング性について良好な特性が得られる。イソシアネート含有量が20重量部未満となると、基材シートと裏面プライマー層との初期密着性が悪く、熱解離型ブロックイソシアネートとの組み合わせによっても当該特性は改善され難い。
(熱解離型ブロックイソシアネート)
水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、熱解離型ブロックイソシアネートを11重量部以上65重量部以下含有する。
熱解離型ブロックイソシアネートは、前記イソシアネート硬化剤の遊離イソシアネート基に化合物(保護基)を結合させたものである。
遊離イソシアネート基に結合可能な化合物(保護基)としては、例えば、フェノール系、アルコール系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、ラクタム系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、ピラゾール系、イミド系等の化合物が挙げられる。
化合物(保護基)の具体例としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、2−ヒドロキシピリジン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノール、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、アセトアニリド、酢酸アミド、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ジフェニルアミン、ジイソプロピルアミン、アニリン、カルバゾール、エチレンイミン、ポリエチレンイミン、3、5−ジメチルピラゾール、1、2、4−トリアゾール、1、2−ピラゾール等が挙げられる。
熱解離型ブロックイソシアネートの解離温度としては、50〜180℃程度が好ましく、100〜160℃程度がより好ましい。化粧シートのエンボス加工時の加熱温度は一般に140〜170℃程度であるため、当該温度で解離するものを選択することにより、エンボス加工を利用してイソシアネートを補充することができる。なお、エンボス加工において熱解離型ブロックイソシアネートの全てが解離する必要はなく、他の加熱工程においても解離する余地を残すように含有量を調整してもよい。また、エンボス加工等の加熱を伴う工程がない場合には、熱解離型ブロックイソシアネートを解離させるために、任意の加熱工程を設けてもよい。
保護基の種類と解離温度との関係は限定的ではないが、一般に保護基がアルコール系,フェノール系,アミン系,アミド系,ラクタム系の場合は解離温度が160℃程度であり、オキシム系の場合は解離温度が140℃程度であり、活性メチレン系の場合は解離度が100℃程度である。このように、保護基の種類によって解離温度を調整できる。
本発明では、100〜160℃程度の解離温度が好ましく、オキシム系ブロックイソシアネート(品番「AQB−102」、日本ポリウレタン工業株式会社製、解離温度140℃)を好適に使用できる。
水性組成物における熱解離型ブロックイソシアネートの含有量は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して11重量部以上65重量部であればよく、17重量部以上35重量部以下が好ましい。熱解離型ブロックイソシアネートの含有量が11重量部未満の場合には、熱解離型ブロックイソシアネートを併用する効果が十分に発揮されないおそれがある。熱解離型ブロックイソシアネートの含有量が65重量部を超える場合は、ポリエステル系ウレタン樹脂の割合が低下し、密着性が却って低下するおそれがある。
本発明で用いる水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂、イソシアネート硬化剤、熱解離型ブロックイソシアネート及び任意の添加剤が水又は水系溶媒に溶解又は分散した組成物(樹脂溶液又は樹脂エマルジョンを含む)であれば制限されない。本発明では、水性組成物として樹脂エマルジョン(水性樹脂エマルジョン)が好ましい。
溶媒である水は、例えば、公知の水系塗工剤等に使用されているグレードの工業用水が使用できる。
また、水系溶媒としては、水と有機溶媒とからなる混合溶媒を使用することもできる。有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等の低級アルコールの他、グリコール類、グリコールエステル類等の水溶性有機溶剤を好適に用いることができる。なお、水溶性有機溶剤は、水性組成物の流動性改良、被塗工体である基材シートに対する濡れ性の向上、乾燥性の調整等の目的で使用され、目的に応じて種類、使用量等が決定される。混合溶媒の場合、水と有機溶媒の割合は一般に水:有機溶媒20:80〜100:0(重量比)の範囲内で適宜調整できる。
水性組成物中における水又は有機溶媒の使用量は、水性組成物中の固形分含有量が20〜80重量%となるような範囲内から適宜決定すれば良い。
水性組成物には、耐ブロッキング性、エンボス加工時の耐熱性の向上、アンカー効果による接着力の向上等の少なくとも1つを目的として、更に体質顔料を添加できる。
体質顔料としては特に限定はない。例えば、白土、タルク、クレー、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム等の無機系顔料、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機系顔料、又はこれらの共重合体からなる有機系顔料が利用できる。これらの顔料は粒子の形態で使用することが望ましい。
化粧シートの具体的構成
本発明の化粧シートは、上記(1)〜(4)の要件を具備している限り、層構成は限定されない。即ち、上記水性組成物により形成されたプライマー層が基材シートの裏面に設けられる限り、基材シート表面(おもて面)の層構成は特に限定されない。
化粧シートの具体的構成としては、例えば、基材シート上に少なくとも絵柄層、接着剤層、透明性樹脂層及び透明性保護層を有し、透明性保護層が最表面層となっているものが好適である。また、化粧シートの最表面層は、エンボス加工されていてもよい。
裏面プライマー層を含む各層の形成方法は限定的でなく、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、転写印刷等の印刷;スプレー、ローラー、刷毛等の塗布;シート状物等の成形体を積層等のいずれも採用することができる。本発明では、特に、各層は、成形体の積層又は水性組成物による塗膜によって形成されていることが望ましい。
各層の厚みは限定的でないが、0.1〜500μmの範囲が好ましい。裏面プライマー層はその中でも1〜10μm程度が好ましい。
以下、上述した好適なシート構成を代表例として、裏面プライマー層以外の層について説明する。
≪基材シート≫
基材シートは、その表面(おもて面)には絵柄層等が順次積層される。
基材シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂により形成されたものが好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。
基材シートは、着色されていても良い。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。着色材の添加量は、色合いに応じて適宜設定する。
基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていても良い。
基材シートの厚みとしては、50〜250μm程度が好ましい。
基材シートは、絵柄層の形成を容易とするために表面(おもて面)にコロナ放電処理を施してもよい。処理条件等は常法に従って適宜設定する。
≪絵柄層≫
絵柄層は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与するものであり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いた印刷法により、基材シート表面に形成すればよい。インキとしては、非溶剤系の水性組成物を用いることが好ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。
より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等を使用できる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性又は混合樹脂、その他の樹脂も使用できる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上で使用できる。
絵柄層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
≪接着剤層≫
接着剤層は、絵柄層と透明性樹脂層との間に存在する。接着剤層で使用する接着剤は、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等を含む接着剤を使用できる。また、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等の接着剤でもよい。
なお、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
接着剤層は、絵柄層が認識できる限り、透明でも半透明でもよい。
接着剤層は、化粧シートのVOCを低減できる点で水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用できる。水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。これらに使用される樹脂は、絵柄層の形成に使用される水性組成物の結着剤樹脂と同じでよい。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすれば良い。
≪透明性樹脂層≫
透明性樹脂層は透明である限り着色されていてもよく、絵柄層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
上記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、溶融ポリオレフィン系樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明性樹脂層には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜150μm程度である。
≪透明性保護層≫
本発明において、透明性保護層は、最表面層として設けられている。透明性保護層は、透明である限り、着色されていてもよい。
透明性保護層に用いられる材料としては特に限定されないが、本発明では2液硬化型ウレタン系樹脂を使用することが望ましい。2液硬化型ウレタン系樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを硬化剤とするものであれば特に限定されない。
2液硬化型ウレタン系樹脂に用いるポリオール及びイソシアネートとしては限定的ではないが、ポリオールとしては分子中に2個以上の水酸基を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。イソシアネートとしては、水性組成物の項目で説明したポリイソシアネート等が挙げられる。
本発明では、透明性保護層は、VOC低減等の効果がより高められるという点で、水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用することができる。上記水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。これらに使用される樹脂は、前記の絵柄層の形成に使用される水性組成物の水性バインダーと同様のものを使用することができる。
また、本発明では、透明性保護層として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。電離放射線硬化型樹脂を使用する場合には、より優れた耐擦傷性、耐候性等が得られる。
電離放射性硬化型樹脂は、公知のもの又は市販品を使用することができる。具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー及び単量体の少なくとも1種を含む組成物を用いる。
前記のプレポリマー又はオリゴマーとしては、例えば、ポリエステルメタアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、ポリオールメタアクリレート、メラミンメタアクリレート等のメタアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等がある。
単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸エトキシメチル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ラウリル等メタアクリル酸エステル類がある。
不飽和酸の置換アミノアルコールエステルとしては、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メタアクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等がある。
その他、アクリルアミド、メタアクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオベンジルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の多官能性物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基をもつポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピオレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。また、3官能基以上のアクリレート系単量体には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート等がある。
電離放射線硬化型樹脂による透明性保護層の形成方法は限定的ではないが、例えば、電離放射線硬化型樹脂を含む組成物(塗料)の塗膜に電離放射線を照射することにより形成できる。電離放射線は、塗料に含まれる電離放射線硬化型樹脂、添加剤である光ラジカル重合開始剤・増感剤に作用してラジカル重合反応を開始できるエネルギーを有するものであればよく、紫外線、X線、γ線等の電磁波が挙げられる。この中でも、塗膜の硬化能力、照射装置の簡便性からは電子線が最も実用性が高い。電子線照射する場合には、例えば、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線照射することにより皮膜を架橋硬化させればよい。なお、透明性保護層を電離放射線硬化型樹脂により形成する場合は、予め下地としてプライマー層(特にウレタン系樹脂によるプライマー層)を透明性樹脂層上に設けることが望ましい。
透明性保護層の厚みは限定されないが、0.1〜50μm程度が好ましく、1〜20μm程度がより好ましい。
≪エンボス加工≫
透明性保護層(化粧シートの最表面)は、エンボス加工されていてもよい。さらには、エンボス加工による凹部にインキを充填するワイピング加工を施し、その表面を2液硬化型ウレタン系樹脂で被覆(オーバーコート処理)するのが好ましい。
エンボス加工は、化粧シートに木目模様等の所望のテクスチァーを付与するために行う。例えば、加熱ドラム上で透明性保護層を加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで140〜170℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を有するエンボス板で加圧・賦形し、冷却固定することによりテクスチャーを付与する。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式エンボス機で行える。
エンボス加工の凹凸模様としては、例えば、木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられる。
ワイピング加工は、エンボス凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する加工である。ワイピングインキとしては、通常は2液硬化型のウレタン樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。ワイピング加工では、特に木目導管溝凹凸に対して行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
本発明では、透明性保護層中に他の成分が含まれていても良い。例えば、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、光安定剤、ツヤ調整剤、ブロッキング防止剤、滑剤等の添加剤を配合できる。
化粧板
本発明の化粧板は、本発明の化粧シートと被着材とを積層したものである。具体的には、化粧シートの透明性保護層が最表面層となるように化粧シートを被着材上に積層する。
≪被着材≫
被着材としては限定的ではない。例えば、木質材料、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。本発明化粧シートは、木質材料に好適に適用できる。木質材料としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
≪被着材への積層≫
化粧シートの被着材への積層は、公知の化粧シートの積層と同様にすることができる。例えば、接着剤を用いて化粧シートを被着材上に貼着することにより積層できる。
使用できる接着剤としては、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、ゴム系等のどのタイプの接着剤も使用できる。これは、公知のもの又は市販品を使用できる。
熱可塑性樹脂系接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等が例示される。
熱硬化性樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等が例示される。
ゴム(エラストマー)接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スフチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)等が例示される。
水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、イソシアネートを20重量部以上50重量部未満含有し、且つ、熱解離型ブロックイソシアネートを11重量部以上65重量部以下含有する。イソシアネート及び熱解離型ブロックイソシアネートの含有量を上記範囲に設定することにより、基材シートと裏面プライマー層との初期密着性、耐ブロッキング性、裏面プライマー層と被着材との常態密着(板貼り常態密着)性のいずれにおいても良好な特性が得られ易い。
本発明で用いる熱解離型ブロックイソシアネートは、加熱により解離してイソシアネートとなる。そのため、水性組成物中のイソシアネートが失活しても、加熱時に失活分を補充できる。加熱により解離してイソシアネートを補充するため、例えば、化粧シートに加熱によるエンボス加工を施す際、その他化粧シートに加熱処理を施す際にイソシアネートの補充が可能である。そして、当該イソシアネートは裏面プライマー層を構成するポリエステル系ウレタン樹脂を基材シートに密着させる結合剤として作用する。そのため、本発明の化粧シートは密着安定性が改善されている。
本発明化粧シートは、室内用建材、外装用及び準外装用建材の化粧シートとして使用できるほか、家電製品、事務機器、計器類等を構成する金属板の化粧シートとしても幅広く利用することができる。
実施例1で作製した化粧シートの積層構造を示す図である。
符号の説明
1 着色ポリプロピレン系樹脂フィルム(基材シート)
2 絵柄層
3 接着剤層
4 透明ポリプロピレン系樹脂フィルム(透明性樹脂層)
5 透明性保護層
6 プライマー層
以下に参考例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し本発明は実施例に限定されない。
参考例1〜4
図1に示す層構成の化粧シートを作製した。
着色材(酸化チタン)を10重量%含有する着色ポリプロピレン系樹脂フィルム1(厚み80μm)を原反として用意し、おもて面及び裏面にコロナ放電処理を施した。
樹脂フィルム1の裏面に、グラビア印刷によりプライマー層6を形成した。
樹脂フィルム1のおもて面に、2液硬化型水性ウレタン系樹脂をバインダーとした着色インキ及び水性アクリル系樹脂をバインダーとした着色インキを用いてグラビア印刷することにより木目柄の絵柄層2を形成した。このように、樹脂フィルム1のおもて面に絵柄層2を形成し、裏面にプライマー層6を形成した段階のシートを印刷原反と称する。
プライマー層6は、水性組成物により形成した。水性組成物としては、ポリエステル系ウレタン樹脂(品番「WIT−100」、日本ポリウレタン工業株式会社製)100重量部、体質顔料(シリカ)65重量部、イソプロピルアルコール100重量部、水400重量部及びイソシアネート硬化剤(品番「AQ−120」、日本ポリウレタン工業株式会社製)50重量部を含有するものを用いた。
印刷原反の絵柄層2の上に、2液硬化型水性ウレタン樹脂からなる接着剤層3(厚み15μm)を形成後、その上に透明ポリプロピレン系樹脂フィルム4(厚み80μm)をラミネートした。
樹脂フィルム4の上から、150℃、3秒の条件でエンボス版を押圧し、エンボス凹凸模様を付与した。
次いで、エンボス凹凸模様の上に透明性保護層5を形成した。透明性保護層5は、アクリルエマルジョン100重量部に対してイソシアネート硬化剤10重量部を配合してなる2液硬化型アクリルエマルジョンタイプの塗工剤をロールコーティングにより塗布(乾燥重量3g/m)・乾燥することにより形成した。
以上の工程を経て、参考例1の化粧シートを作製した。
樹脂成分100重量部に対するイソシアネート硬化剤の含有量を下記表1に示す通りに調整することにより、参考例1〜4の印刷原反と化粧シートを作製した。
Figure 0004731357
〔重量部は、樹脂成分100重量部に対するイソシアネート硬化剤の量を示す〕
参考例で作製した印刷原反に対して試験例1及び2を行い、化粧シートに対して試験例3〜5を行った。
試験例1(耐ブロッキング試験)
印刷原反(作製直後)のシートを巻取り、絵柄層2とプライマー層6とを密着させた。
密着状態(温度40℃、圧力0.49MPa)を24時間保持後、印刷原反のブロッキング性を評価した。
ブロッキングが無いものを○と評価し、ブロッキングが若干生じたものを△と評価し、ブロッキングが顕著に生じたものを×と評価した。
試験例2(初期密着試験)
初期密着試験は、印刷原反を室温で一日放置後、プライマー層6と樹脂フィルム1との密着性を評価するものである。
初期密着試験は、具体的には、ニチバン製工業用セロテープ(登録商標)(24mm)をプライマー層に貼着し、乾いた布で往復10回擦りつけた後、45°の角度でセロテープ(登録商標)を急激に剥離することによって行った。
密着性が良好なものを○と評価し、密着性が不十分なものを×と評価した。
試験例3(板貼り常態密着試験)
化粧シートのプライマー層6と合板とを、接着剤「BA10L(中央理化工業株式会社製)」により貼着して化粧板を作製した。接着剤の使用量は8g(wet)/尺とした。
板貼り常態密着試験は、具体的には、化粧板の化粧シート側にカッターで24mm間隔に切込みを入れ、化粧シートを合板より剥がすことによって行った。
密着性が良好なものを○と評価し、密着性が不十分なものを×と評価した。
試験例4(耐熱密着性:表インキなし巻取り)
絵柄層2を形成せずに樹脂フィルム1(原反)の裏面にプライマー層6を形成した状態のシートを一旦巻取り、巻取り状態を12時間保持した以外は、前記参考例1と同様にして化粧シートを作製した。
当該化粧シートを試験例3と同様にして化粧板を作製し、80℃で100時間放置後に、プライマー層6と樹脂フィルム1との密着性を評価した。
密着性は、具体的には、化粧板の化粧シート側にカッターで24mm間隔に切込みを入れ、化粧シートを合板より剥がすことによって評価した。
密着性が良好なものを○と評価し、密着性が不十分なものを△と評価し、密着性が不良なものを×と評価した。
試験例5(耐熱密着性:表インキあり巻取り)
実施例及び比較例において、印刷原反を一旦巻取り、巻取り状態を12時間保持した以外は、前記実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
当該化粧シートを試験例3と同様にして化粧板を作製し、80℃で100時間放置後に、プライマー層6と樹脂フィルム1との密着性を評価した。
密着性の評価方法は、試験例4と同じとした。
試験例1〜5の結果を、下記表2に示す。
Figure 0004731357
〔重量部は、樹脂成分100重量部に対するイソシアネート硬化剤の量を示す〕
表2の結果のうち、耐ブロッキング性及び初期密着性の観点からは、樹脂成分100重量部に対するイソシアネートの含有量は、下限値を20重量部程度とすることが好ましいことが分かる。
実施例及び比較例
水性組成物に更に熱解離型ブロックイソシアネート(品番「AQB−102」、日本ポリウレタン工業株式会社製、解離温度140℃)を配合した以外は、参考例1と同様にして印刷原反及び化粧シートを作製した。
なお、イソシアネート含有量が21重量部のものを実施例1及び比較例1のグループとし、イソシアネート含有量が28重量部のものを実施例2及び比較例2のグループとした。
樹脂成分100重量部に対する熱解離型ブロックイソシアの重量部を下記表3に示す。
Figure 0004731357
〔重量部は、樹脂成分100重量部に対する熱解離型ブロックイソシアネート量を示す〕
試験例6〜8
実施例及び比較例で作製した印刷原反及び化粧シートに対して、試験例2、3及び5と同様の試験を行った。
試験例2は試験例6と対応し、試験例3は試験例7と対応し、試験例5は試験例8と対応する。
各試験結果を下記表4に示す。
Figure 0004731357
〔重量部は、樹脂成分100重量部に対する熱解離型ブロックイソシアネート量を示す〕
表4の結果からは、所定量の熱解離型ブロックイソシアネートを併用することにより、常態密着性及び耐熱密着性を高められることが分かる。

Claims (5)

  1. 基材シートの表面上に1又は2以上の層が積層されてなる化粧シートであって、
    (1)基材シートの裏面に水性組成物から形成されるプライマー層を有し、
    (2)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂、イソシアネート及び熱解離型ブロックイソシアネートを含有し、
    (3)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、イソシアネートを21重量部以上28重量部以下含有し、
    (4)水性組成物は、ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、熱解離型ブロックイソシアネートを11重量部以上35重量部以下含有する、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 熱解離型ブロックイソシアネートは、解離温度が100〜160℃である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 水性組成物は、更に体質顔料を含有する、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シートと被着材とを積層してなる化粧板。
  5. 化粧シートの裏面プライマー層の形成に用いられる水性組成物であって、
    (1)ポリエステル系ウレタン樹脂、イソシアネート及び熱解離型ブロックイソシアネートを含有し、
    (2)ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、イソシアネートを21重量部以上28重量部以下含有し、
    (3)ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、熱解離型ブロックイソシアネートを11重量以上35重量部以下含有する、
    ことを特徴とする水性組成物。
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