JP4731104B2 - 自動車内装材用積層シート及びこれを用いた自動車内装材 - Google Patents

自動車内装材用積層シート及びこれを用いた自動車内装材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車天井材、ドア部材などの自動車内装材に用いられる自動車内装材用積層シート及び自動車内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から自動車内装材が種々、提案されており、このような自動車内装材としては、例えば、特許文献1に、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂、或いは、ポリフェニレンエーテル樹脂にスチレン系モノマーをグラフト共重合したポリフェニレンエーテル系共重合体とポリスチレン系樹脂との混合体からなる発泡シートの両面に、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂との混合体、或いは、ポリフェニレンエーテル樹脂にスチレン系モノマーをグラフト共重合したポリフェニレンエーテル系共重合体とポリスチレン系樹脂との混合体からなる樹脂フィルムを積層してなる自動車内装材用積層シートが提案されており、この自動車内装材用積層シートは、耐熱性及び軽量性に比較的優れていることから市場に多く出回っている。
【0003】
一方、自動車内の温度は、季節の変化も相まって一年を通じて大きく変化し、一年を通じた温度差は100℃にも達することから、自動車内装材には、このような温度差が生じても撓んだりしないこと、即ち、線膨張率の低いことが要求されているが、上記自動車内装材用積層シートはその要求を充分に満足させるものではなかった。
【0004】
そこで、上記問題点を解決するために、ガラス繊維を含有させた自動車内装材が提案され、この自動車内装材は耐熱性という点では満足できるものの、軽量化を図ることができない上にリサクイル性に欠けるといった問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−344483号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性、寸法安定性、軽量性、リサイクル性及び成形性に優れた自動車内装材用積層シート及びこの自動車内装材用積層シートを用いた自動車内装材を提供する。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明の自動車内装材用積層シートAは、図1に示したように、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む発泡シート1の少なくとも一面に、繊維長が5mm以上で且つ30mm未満の天然繊維と、繊維長が4〜80mmの熱可塑性樹脂繊維とを含む不織布からなる表面シート2が積層一体化されてなることを特徴とする。
【0008】
上記発泡シート1を構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に限定されず、下記化1で表されるポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、上記ポリフェニレンエーテルにスチレン系モノマーをグラフト共重合してなる変性ポリフェニレンエーテル、この変性ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、下記化2で表されるフェノール系モノマーとスチレン系モノマーとを銅(II) のアミン錯体などの触媒存在下で酸化重合させて得られるブロック共重合体、このブロック共重合体とポリスチレン系樹脂との混合物などが挙げられる。なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂は単独で用いられても併用されてもよい。
【0009】
【化1】
Figure 0004731104
(R1 、R2 は炭素数が1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、nは重合度を示す。)
【0010】
上記化1で表されるポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2、6−ジメチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジエチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジクロロフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジブロモフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−メチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジ−n−プロピルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−ブロモ−6−メチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−エチルフェニレン−1、4−エーテル)などが挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよく、又、上記重合度nは、通常、10〜5000のものが用いられる。
【0011】
【化2】
Figure 0004731104
(R3 、R4 は炭素数が1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示す。)
【0012】
上記化2で表されるフェノール系モノマーとしては、例えば、2、6−ジメチルフェノール、2、6−ジエチルフェニノール、2、6−ジクロロフェノール、2、6−ジブロモフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2−クロロ−6−メチルフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2、6−ジ−n−プロピルフェノール、2−ブロモ−6−メチルフェノール、2−クロロ−6−ブロモフェノール、2−クロロ−6−エチルフェノールなどが挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0013】
そして、上記ポリフェニレンエーテル、上記変性ポリフェニレンエーテル又は上記ブロック共重合体に混合されるポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレンとこれと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体、ハイインパクトポリスチレンなどが挙げられ、ポリスチレンが好ましい。又、ポリスチレン系樹脂は、単独で用いられても併用されてもよい。
【0014】
なお、上記ビニルモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブチルアクリレートなどが挙げられる。又、ハイインパクトポリスチレンとしては、ポリスチレンや、上記スチレンとこれと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体に、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのゴム成分を1〜20重量%添加してなるものが挙げられる。
【0015】
又、ポリフェニレンエーテルにグラフト共重合され或いはフェノール系モノマーとブロック共重合するスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン;α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのアルキル化スチレン;モノクロロスチレン、ジクロロスチレンなどのハロゲン化スチレンなどが挙げられる。
【0016】
そして、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、フェニレンエーテル成分(ポリフェニレンエーテル成分)が15〜60重量%で且つスチレン成分(ポリスチレン系樹脂成分)が85〜40重量%である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく、フェニレンエーテル成分(ポリフェニレンエーテル成分)が20〜60重量%で且つスチレン成分(ポリスチレン系樹脂成分)が80〜40重量%である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂がより好ましく、フェニレンエーテル成分(ポリフェニレンエーテル成分)が25〜50重量%で且つスチレン成分(ポリスチレン系樹脂成分)が75〜50重量%である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が特に好ましい。
【0017】
これは、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂中のフェニレンエーテル成分(ポリフェニレンエーテル成分)は、少ないと、発泡シートの耐熱性が低下することがある一方、多いと、良質の発泡シートを得ることができないことがあるからである。
【0018】
上記発泡シート1の発泡倍率は、小さいと、得られる自動車内装材用積層シートAの断熱性が低下することがある一方、大きいと、得られる自動車内装材用積層シートAの機械的強度及び成形性が低下することがあるので、5〜30倍が好ましく、7〜25倍がより好ましい。なお、上記発泡シートの発泡倍率とは、発泡シートを構成する合成樹脂の比重の平均を発泡シートの比重で除したものをいう。
【0019】
又、上記発泡シート1の厚みは、薄いと、得られる自動車内装材用積層シートAを成形して得られる成形品の厚みが薄くなり、成形品の機械的強度及び断熱性が低下することがある一方、厚いと、得られる自動車内装材用積層シートAの成形性が低下することがあるので、1.5〜6mmが好ましく、2〜4mmがより好ましい。
【0020】
更に、上記発泡シート1の連続気泡率は、大きいと、得られる自動車内装材用積層シートAの成形性が低下することがあるので、25%以下が好ましい。なお、上記発泡シート1の連続気泡率は、ASTM D2856に準拠して測定されたものをいい、具体的には、発泡シートから一辺3cmの平面正方形状の小片を切り出し、この小片を厚み方向に複数枚重ね合わせて約4cmとしたものを試験片とし、この試験片をエアーピクノメーターを用いてASTM D2856に準拠して測定した。
【0021】
なお、上記発泡シート1には、発泡シートの物性を損なわない範囲内において、気泡調整剤としてタルクなどの無機充填材、ステアリン酸の金属塩などの脂肪酸の金属塩、難燃剤、滑剤、耐衝撃性改良剤、顔料、安定剤などを添加してもよい。
【0022】
そして、上記発泡シート1の少なくとも一面、好ましくは両面に、繊維長が30mm未満の天然繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを含む不織布、好ましくは、繊維長が30mm未満の天然繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを含み且つ無機繊維を含有しない不織布からなる表面シートが積層一体化されている。なお、無機繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維などが挙げられる。
【0023】
上記表面シート2を構成する不織布中に含有される天然繊維としては、繊維長が30mm未満であれば、特に限定されず、例えば、藁、エスパルト草、葦、竹、バガス(砂糖きびの絞り滓)、パピルス草などの草類繊維;マニラ麻、サイザル麻、パイナップル葉などの葉脈繊維;***、亜麻(フラックス)、黄麻、苧麻、桑、ケナフ(洋麻、紅麻)、楮、三椏、雁皮などの靱皮繊維;木綿(綿)、リンター、カボックなどの種子毛繊維;松、カラマツ、杉、檜、もみ、つが、トウヒ、ブナ、楓、カバ、ハンノキ、ニレ、キリ、クリなどの木材繊維などが挙げられ、葉脈繊維、靱皮繊維が好ましく、麻繊維がより好ましく、サイザル麻、ケナフが特に好ましい。
【0024】
そして、上記天然繊維の長さは、長いと、熱可塑性樹脂繊維と混合して不織布とする場合に天然繊維の分布がまだらとなって表面シートの厚みが不均一となり、このように厚みの不均一な表面シートが積層一体化された自動車内装材用積層シートを熱成形すると、表面シートの薄い部分(天然繊維の不足した部分)において、発泡シートに過度の熱が加わって発泡シートの発泡セルが収縮したり或いは破泡したりして自動車内装材用積層シートの厚みが不均一となったり機械的強度が低下したり、又、上記発泡シートの発泡セルの収縮や破泡を防止するために自動車内装材用積層シートの熱成形温度を下げると、加熱が不充分であることから得られる成形品に歪みが発生して成形品の寸法安定性が低下するといった問題が生じ、短すぎると、自動車内装材用積層シートの剛性が低下するので、5mm以上で且つ30mm未満に限定され、10mm以上で且つ30mm未満がより好ましい。
【0025】
又、上記天然繊維径は、細いと、自動車内装材用積層シートの剛性が低下することがある一方、太いと、表面シート中に天然繊維を均一に分布させることができないことがあるので、10〜300μmが好ましい。
【0026】
更に、上記表面シート2中における天然繊維の含有量は、少ないと、自動車内装材用積層シートAの機械的強度が低下したり或いは寸法安定性が低下したりすることがある一方、多いと、天然繊維同士の結着度が低下して自動車内装材用積層シートの成形性や外観性が低下したりすることがあるので、20〜80重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。
【0027】
又、上記表面シート2を構成する不織布中に含有される熱可塑性樹脂繊維としては、繊維同士を結着させることができるものであれば、特に限定されず、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリスチレン系繊維などの単層構造の繊維の他に、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレート系樹脂であって鞘部を構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点が芯部を構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点よりも低い芯鞘型繊維、芯部がポリエチレンテレフタレート系樹脂で且つ鞘部がポリエチレン系樹脂である芯鞘型繊維、芯部がポリエチレンテレフタレート系樹脂で且つ鞘部がポリプロピレン系樹脂である芯鞘型繊維などの二層構造の繊維などが挙げられる。
【0028】
そして、上記単層構造の繊維としては、ポリエステル系繊維が好ましく、ポリエチレンテレフタレート系樹脂繊維がより好ましく、ポリエチレンテレフタレート繊維が特に好ましい。
【0029】
又、上記二層構造の繊維としては、芯部及び鞘部のそれぞれが異なる樹脂から構成された芯鞘型繊維であってもよいが、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレート系樹脂であって鞘部を構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点が芯部を構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点よりも低い芯鞘型繊維が好ましく、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレートであって鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点が芯部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点よりも低い芯鞘型繊維がより好ましい。
【0030】
そして、上記熱可塑性樹脂繊維の長さは、短いと、自動車内装材用積層シートを成形する際に表面シートの追従性が低下して表面シートが伸ばされた部分において破断することがある一方、長いと、表面シートにおける天然繊維の分布が不均一となることがあるので、4〜80mmに限定され、4〜60mm好ましい。更に、上記熱可塑性樹脂繊維径は、天然繊維との結着性の点で、1〜20デニールが好ましい。
【0031】
又、上記熱可塑性樹脂繊維の融点Tmと、発泡シート1を構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度Tgとは、下記式1を満たすことが好ましく、下記式2を満たすことがより好ましく、下記式3を満たすことが特に好ましい。
Tg−65℃<Tm<Tg+40℃ ・・・式1
Tg−55℃<Tm<Tg+30℃ ・・・式2
Tg−45℃<Tm<Tg+20℃ ・・・式3
【0032】
これは、熱可塑性樹脂繊維の融点Tmは、低いと、自動車内装材用積層シートの寸法安定性が低下して、夏季において車内が高温状態となった時に自動車内装材用積層シートが変形することがある一方、高いと、自動車内装材用積層シートの成形性が低下し、自動車内装材用積層シートを複雑な形状に成形した際に自動車内装材用積層シートに破断を生じることがあるからである。
【0033】
なお、発泡シート1を構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度Tgは、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法に準拠して測定されたものをいい、具体的には、セイコー電子工業社から商品名「DSC200型」で市販されている示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下にて測定することができる。
【0034】
更に、上記表面シート2中における熱可塑性樹脂繊維の含有量は、少ないと、天然繊維同士の結着度が低下して自動車内装材用積層シートの成形性や外観性が低下したりすることがある一方、多いと、自動車内装材用積層シートAの機械的強度が低下したり或いは寸法安定性が低下したりすることがあるので、20〜80重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましい。
【0035】
又、上記表面シート2を構成する不織布の目付は、小さいと、自動車内装材用積層シートの剛性が低下することがある一方、大きいと、自動車内装材用積層シートの軽量性が低下することがあるので、30〜200g/m2 が好ましく、40〜120g/m2 がより好ましい。
【0036】
更に、上記表面シートを構成する不織布の厚みは、薄いと、自動車内装材用積層シートの剛性が低下することがある一方、厚いと、自動車内装材用積層シートの端部における圧壊性が低下して変形自由度が低下することがあるので、0.1〜1mmが好ましく、0.2〜0.8mmがより好ましい。
【0037】
なお、上記表面シート2を構成する不織布は、従来から用いられている製造方法の何れを用いて製造されたものであってもよく、このような製造方法としては、例えば、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法などの乾式方法の他に、抄造法などの湿式方法などが挙げられる。
【0038】
そして、上記発泡シート1の少なくとも一面に上記表面シート2を積層一体化させるにあたっては、発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂と表面シート2を構成する熱可塑性樹脂繊維との間の熱融着力によって発泡シート1と表面シート2とを積層一体化させても、或いは、発泡シート1と表面シート2との間に両者に接着可能な接着剤層3を介在させてもよい。
【0039】
このような接着剤層3を構成する接着剤としては、発泡シート1と表面シート2とを一体化させることができれば、特に限定されず、例えば、酢酸ビニル系接着剤、セルロース系接着剤、アクリル系接着剤、スチレン−ブタジエン共重合ゴム系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリビニルアセテート系接着剤、ポリエステル系接着剤、アクリル系接着剤などの熱可塑性接着剤;ウレタン系接着剤、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤、エポキシ系接着剤などの熱硬化性接着剤;クロロプレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤などのゴム系接着剤;澱粉、蛋白質、天然ゴムなどの天然物系接着剤;ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系などのホットメルト接着剤などが挙げられ、ホットメルト接着剤が好ましい。
【0040】
そして、上記接着剤層3は、図1に示したように、少なくとも発泡シート1と表面シート2との対向面間に介在されておればよいが、図2に示したように、この接着剤層3を構成している接着剤が表面シート2内に進入して表面シート2に全面的に含浸されていること、即ち、接着剤層3を構成している接着剤と同一の接着剤31が表面シート2に全面的に含浸されており、この表面シート2内に含浸された接着剤31が、好ましくは表面シート2と接着剤層3との界面全面に亘って、接着剤層3と一体化していることが好ましい。
【0041】
このように、接着剤層3を構成している接着剤を表面シート2に全面的に含浸させることによって、表面シート2を構成している繊維同士の結着度を向上させて、自動車内装材用積層シートAの線膨張率を低下させることができると共に、自動車内装材用積層シートAの強度を向上させることができる。
【0042】
更に、図3に示したように、表面シート2に含浸させた接着剤を表面シート2の外面に好ましくは表面シート2の外面全面に亘って滲出させて、表面シート2の表面に表皮接着剤層32を形成しておけば、自動車内装材用積層シートAの表面シート2上に後述する表皮材4や異音防止材5を積層一体化させる際に別途、接着剤を用意することなく積層一体化することができて作業上好ましい。
【0043】
そして、上記表面シート2に含浸させる接着剤量は、少ないと、表面シート2の強度向上を図ることができないことがある一方、多いと、自動車内装材用積層シートAの軽量性が低下することがあるので、天然繊維及び熱可塑性樹脂繊維の総量100重量部に対して10〜100重量部が好ましい。
【0044】
又、上記自動車内装材用積層シートAの線膨張率は、大きいと、自動車内の温度変化によって自動車内装材用積層シートAが撓んでしまうことがあるので、20×10-6/℃以下が好ましく、15×10-6/℃以下がより好ましく、12×10-6/℃以下が特に好ましい。
【0045】
なお、自動車内装材用積層シートAの線膨張率は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱して自由に二次発泡させる。
【0046】
そして、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となった時点で自動車内装材用積層シートAの加熱を終了し、二次発泡後の自動車内装材用積層シートAの厚みを測定する。なお、上記要領を3回繰り返し、3枚の自動車内装材用積層シートAの二次発泡後の厚みの相加平均を二次発泡後厚みとした。
【0047】
次に、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱した後、この自動車内装材用積層シートAを対向面が平滑面に形成された一対の平板状金型間に配設した上で平板状金型を締めて、自動車内装材用積層シートAをその二次発泡後厚みの85%となるまで厚み方向に圧縮成形しつつ冷却し、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度未満となった時点で一対の平板状金型を開いて、圧縮成形された自動車内装材用積層シートAを取り出す。
【0048】
そして、圧縮成形された自動車内装材用積層シートAから長辺が300mmで且つ短辺が40mmの長方形状の第一、二試験片をこれらの短縁辺方向同士が互いに直交した状態に切り出す。
【0049】
次に、この第一、二試験片を85℃の恒温槽中に24時間に亘って放置した後に常温に冷却した上で、各試験片の表面に280mmの間隔でもって一対の平行な直線を描く。
【0050】
しかる後、上記各試験片を80℃の恒温槽中に6時間に亘って放置した後に恒温槽中から取り出し、直ちに各試験片の表面に描いた一対の直線間の距離L80を測定する。
【0051】
次に、上記各試験片を0℃の恒温槽中に6時間に亘って放置した後に恒温槽中から取り出し、直ちに各試験片の表面に描いた一対の直線間の距離L0 を測定し、下記式により第一、二試験片の線膨張率をそれぞれ算出し、この第一、二試験片の線膨張率の相加平均を自動車内装材用積層シートの線膨張率とする。
線膨張率(/℃)=(L80−L0 )/(L0 ×80)
【0052】
なお、発泡シートが押出発泡によって製造されたものである場合は、第一試験片の短片方向及び第二試験片の長辺方向を発泡シートの押出方向に合致させた状態に自動車内装材用積層シートから切り出す。
【0053】
更に、上記自動車内装材用積層シートAの常温における曲げ弾性勾配は、小さいと、自動車内装材用積層シートを車体に取り付ける際の取り扱い剛性が低下して、自動車内装材用積層シートが折れたりすることがあるので、20N/cm以上が好ましく、30N/cm以上がより好ましい。
【0054】
ここで、自動車内装材用積層シートAの常温における曲げ弾性勾配は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱して自由に二次発泡させる。
【0055】
そして、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となった時点で自動車内装材用積層シートAの加熱を終了し、二次発泡後の自動車内装材用積層シートAの厚みを測定する。なお、上記要領を3回繰り返し、3枚の自動車内装材用積層シートAの二次発泡後の厚みの相加平均を二次発泡後厚みとした。
【0056】
次に、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱した後、この自動車内装材用積層シートAを対向面が平滑面に形成された一対の平板状金型間に配設した上で平板状金型を締めて、自動車内装材用積層シートAをその二次発泡後厚みの85%となるまで厚み方向に圧縮成形しつつ冷却し、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度未満となった時点で一対の平板状金型を開いて、圧縮成形された自動車内装材用積層シートAを取り出す。
【0057】
そして、圧縮成形された自動車内装材用積層シートAから縦50mm×横150mmの平面長方形状の試験片を切り出す。この試験片について、JIS K7203に準拠して、支点間距離を100mmに、ひずみ速度を50mm/minとした時の曲げ試験を行う。そして、曲げ弾性率(E)を算出する式において、曲げ弾性勾配(F/Y)で表される値を曲げ弾性勾配とする。なお、Fは、荷重−たわみ曲線の初めの直線部分における任意に選んだ点の荷重(N)を表し、Yは荷重Fにおけるたわみ(mm)を表す。
【0058】
次に、上記自動車内装材用積層シートAの製造方法について説明する。この自動車内装材用積層シートAにおける発泡シート1の製造方法は、従来から用いられている製造方法が用いられ、例えば、(1) 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を押出機に供給して溶融混練すると共に押出機内に揮発性発泡剤を圧入した上で押出機から押出し、発泡させる発泡シートの製造方法、(2) 予め変性ポリフェニレンエーテル系樹脂に揮発性発泡剤を含浸させた上で押出機に供給して溶融混練し、押出機から押出し、発泡させる発泡シートの製造方法などが挙げられる。
【0059】
上記揮発性発泡剤としては、従来から用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテルなどが挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0060】
又、上記発泡シート1中に残留する残留発泡剤量が0.8〜4.0重量%となるように、上記揮発性発泡剤の種類や量を調整することが好ましい。これは、上記発泡シート1中の残留発泡剤量が少ないと、良質な発泡シートを得ることができないことがある一方、残留発泡剤量が多いと、発泡シート1の耐熱性及び寸法安定性が低下することがあるからである。
【0061】
更に、上記揮発性発泡剤の溶解度を示すKB値は、小さいと、得られる発泡シート1の連続気泡率が大きくなり、発泡シート1の機械的強度が低下することがあり、又、大きいと、発泡シート1に残留する残留発泡剤量を上記好ましい範囲内に調整することができないので、20以上のものが好ましく、KB値が20〜50のものがより好ましい。
【0062】
そして、上記の如くして得られた発泡シート1の少なくとも一面に表面シート2を積層一体化して自動車内装材用積層シートAを製造する方法としては、例えば、(1) 発泡シートの少なくとも一面に接着剤層を構成する接着剤を介在させた状態で表面シートを構成する不織布を積層して積層体を製造し、この積層体をその両側から厚み方向に加熱圧縮することによって、発泡シート1の少なくとも一面に表面シート2を積層一体化させて自動車内装材用積層シートを製造する方法、(2) 発泡シート1の少なくとも一面に接着剤層を構成する接着剤を押出ラミネートした直後に、この接着剤上に表面シートを構成する不織布を積層して積層体を製造し、この積層体を直ちにその両側から厚み方向に圧縮することによって、発泡シート1の少なくとも一面に表面シート2を積層一体化させて自動車内装材用積層シートを製造する方法、(3) 表面シートを構成する不織布の一面に接着剤層を構成する接着剤を塗布し、上記不織布をその接着剤塗布面が発泡シート側となるように発泡シートの少なくとも一面に積層して積層体を製造し、この積層体をその両側から厚み方向に加熱圧縮することによって、発泡シート1の少なくとも一面に表面シート2を積層一体化させて自動車内装材用積層シートを製造する方法などが挙げられる。
【0063】
更に、接着剤層を構成する接着剤が表面シートに全面的に含浸されている自動車内装材用積層シートA(図2参照)や、接着剤層を構成する接着剤が表面シート2に全面的に含浸され且つ表面シート2に含浸させた接着剤を表面シート2の外面に滲出させて表面シート2の表面に表皮接着剤層32を形成してなる自動車内装材用積層シートA(図3)を製造するに際しては、予め、表面シート2を構成する不織布に接着剤を全面的に含浸させ、この不織布内に含浸させた接着剤を利用して発泡シート1の少なくとも一面に表面シート2を積層一体化させればよい。
【0064】
上記表面シート2を構成する不織布に接着剤を含浸させる方法としては、例えば、(1) 表面シート2を構成する不織布上に接着剤を配設し、この接着剤が配設された不織布を厚み方向に加熱圧縮させて接着剤を溶融させて不織布内に含浸させる方法、(2) 表面シート2を構成する不織布にスプレーコーティング法やロールコーティング法などの汎用の塗布手段によって接着剤を塗布、含浸させる方法、(3) 表面シート2を構成する不織布を接着剤を含有するエマルジョン内に浸漬させて不織布内に接着剤を含浸させる方法、(4) 表面シート2を構成する不織布が湿式法によって製造される場合にあっては、抄造時に水中に接着剤を含有させておき、不織布の製造と同時に不織布内に接着剤を含浸させる方法などが挙げられる。
【0065】
なお、表面シート2を構成する不織布に接着剤を含浸させるに際して、不織布に含浸させた接着剤を不織布の両面に滲出させ、この滲出させた接着剤によって不織布表面を被覆した状態、即ち、不織布の両面に接着剤を層状に積層一体化させた状態となるようにするのが好ましく、このような観点から、上記(3)(4)の方法によって表面シート2を構成する不織布に接着剤を含浸させるのが好ましい。
【0066】
更に、上記自動車内装材用積層シートAは、通常、その一面に、好ましくは表面シート2上に表皮材4を積層一体化する一方、その他面に必要に応じて異音防止材5を積層一体化した(図4参照)上で熱成形により所望形状に成形されて自動車内装材として用いられる。この表皮材4としては、不織布、織布、編布などが挙げられ、不織布が好ましい。更に、表皮材4に難燃性を付与するために難燃剤を含有させてもよい。
【0067】
なお、表皮材4及び異音防止材5を自動車内装材用積層シートA上に積層一体化させるにあたっては、汎用の方法が用いられ、接着剤を用いてもよいし、表皮材4及び異音防止材5と、自動車内装材用積層シートAとの間の熱融着力により行なってもよいし、表面シート2の表皮接着剤層32を利用してもよい。
【0068】
そして、上記表皮材4を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維;羊毛、木綿などの天然繊維などが挙げられ、ポリエステル繊維が好ましく、耐熱性に優れている点でポリエチレンテレフタレート繊維がより好ましい。なお、上記表皮材4を構成する繊維は単独で用いられても併用されてもよい。
【0069】
更に、上記表皮材4の目付は、小さいと、自動車内装材用積層シートを用いて得られた自動車内装材の触感が低下することがある一方、大きいと、自動車内装材用積層シートの軽量性が低下することがあるので、100〜300g/m2 が好ましく、120〜180g/m2 がより好ましい。
【0070】
上記表皮材4及び上記異音防止材5と、上記表面シート2とを一体化させる接着剤としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性接着剤、ホットメルト接着剤、ゴム系接着剤、熱硬化性接着剤、モノマー反応型接着剤、無機系接着剤、天然素材系接着剤などが挙げられるが、容易に接着させることができる点からホットメルト接着剤が好ましい。
【0071】
なお、上記ホットメルト接着剤としては、例えば、ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性エラストマー系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系などの樹脂を成分としたものが挙げられ、これらは、単独で用いられても併用されてもよい。
【0072】
又、上記自動車内装材用積層シートAの他面、即ち、上記表皮材4が積層一体化されていない面に異音防止材5が積層一体化されるが、この異音防止材5は、自動車の車体を構成する鋼板に自動車内装材用積層シートAが摺接した際に発生する摩擦音を低減するためのものであり、ポリオレフィン系樹脂フィルムや不織布が好ましく用いられ、不織布がより好ましく用いられる。
【0073】
上記ポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルムが挙げられ、耐熱性に優れており周囲の温度変化にかかわらず長期間に亘って安定的に摩擦音の発生を低減させることができる点で、無延伸のポリプロピレンフィルムが好ましい。なお、上記ポリオレフィン系樹脂フィルムは、通常、その厚みが10〜100μm、25〜35μmのものが好ましく用いられる。
【0074】
更に、上記異音防止材5に用いられる不織布を構成する繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維などの合成樹脂繊維;羊毛、木綿、セルロース繊維などの天然繊維などが挙げられる。
【0075】
又、上記自動車内装材用積層シートAの熱成形方法としては、従来から汎用の方法が用いられるが、例えば、自動車内装材用積層シートAをその両面温度が好ましくは(発泡シート1を構成している変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度)〜(変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度+40℃)、より好ましくは(発泡シート1を構成している変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度)〜(変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度+20℃)、特に好ましくは(発泡シート1を構成している変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度+5℃)〜(変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度+10℃)となるように加熱して二次発泡させた後、この二次発泡させた自動車内装材用積層シートAを真空成形や圧空成形などの汎用の成形方法を用いて熱成形すればよい。
【0076】
なお、自動車内装材用積層シートAの加熱温度が上記温度範囲となるように調整するのが好ましい理由は、低いと、自動車内装材用積層シートAの熱成形時に残留歪みが発生して線膨張率が大きくなることがある一方、高いと、発泡シートに過度の熱が加わって発泡シートが収縮を起こして自動車内装材用積層シートの機械的強度が低下したり或いは形状不良を生じることがあるからである。
【0077】
なお、真空成形や圧空成形としては、例えば、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などが挙げられる。なお、上記成形方法においては温度調節可能な金型を用いることが好ましい。
【0078】
又、金型のクリアランスは、二次発泡させた自動車内装材用積層シートAの初期厚みをTとした時、下記式4を満たすことが好ましく、下記式5を満たすことがより好ましい。
0.5T≦金型のクリアランス≦0.95T・・・式4
0.7T≦金型のクリアランス≦0.90T・・・式5
【0079】
これは、金型のクリアランスが、狭いと、自動車内装材用積層シートAの発泡シート1の発泡セルが圧壊してしまって自動車内装材の機械的強度が低下することがある一方、広いと、正確な形状の自動車内装材を得ることができないことがあるからである。
【0080】
【実施例】
(実施例1)
ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物(ジーイープラスチックス社製 商品名「NORYL EFN4230」、ポリフェニレンエーテル:70重量%、ポリスチレン系樹脂:30重量%)と、ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)とを、ポリフェニレンエーテルが40重量%で且つポリスチレン系樹脂成分が60重量%となるように調整しつつ混合してなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(ガラス転移温度:137℃)100重量部及びタルク0.8重量部を第一押出機に供給して溶融混練すると共に、第一押出機にイソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%からなる揮発性発泡剤4.5重量部を圧入して290℃で溶融混練した後、上記第一押出機の先端に接続した第二押出機に溶融樹脂を連続的に供給して樹脂温度が182℃となるように調整した上で、第二押出機の先端に取り付けたサーキュラー金型から円筒状に押出し、この円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外面間に亘って切断、展開して発泡シート1を得た。得られた発泡シート1は、その厚みが2.9mm、発泡倍率が19倍、目付が160g/m2 、連続気泡率が10%であった。
【0081】
一方、表面シートを構成する不織布として、サイザル麻繊維とポリエチレンテレフタレート繊維とからなる湿式抄造法により製造され且つサイザル麻繊維が略均一に分布してなる略一定厚みの不織布(サイザル麻繊維径:150〜250μm、サイザル麻繊維長:25mm、ポリエチレンテレフタレート繊維を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:80℃、ポリエチレンテレフタレート繊維径:2デニール、ポリエチレンテレフタレート繊維長:5mm、サイザル麻繊維:ポリエチレンテレフタレート繊維(重量比)=60:40、目付:72g/m2 、厚み:0.39mm)を2枚用意すると共に、接着剤層を形成する接着剤として、ホットメルトフィルム(クラボウ社製 商品名「X−2200、厚み:30μm、密度:0.95g/cm3 )を2枚用意した。
【0082】
そして、上記発泡シート1の両面に、それぞれホットメルトフィルムを介在させた状態で上記不織布を積層させて積層体を製造した。そして、表面温度が135〜145℃に保持されたポリテトラフルオロエチレン製の一対のベルト間に上記積層体を供給し、この積層体をその両面から厚み方向に加熱圧縮させて、上記発泡シート1の両面に接着剤層3を介して上記不織布からなる表面シート2を積層一体化させて自動車内装材用積層シートAを得た。
【0083】
(実施例2)
表面シートを構成する不織布として、サイザル麻繊維とポリエチレンテレフタレート繊維とからなる湿式抄造法により製造され且つサイザル麻繊維が略均一に分布してなる略一定厚みの不織布(サイザル麻繊維径:150〜250μm、サイザル麻繊維長:25mm、ポリエチレンテレフタレート繊維を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:80℃、ポリエチレンテレフタレート繊維径:2デニール、ポリエチレンテレフタレート繊維長:5mm、サイザル麻繊維:ポリエチレンテレフタレート繊維(重量比)=50:50、目付:75g/m2 、厚み:0.37mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして自動車内装材用積層シートAを得た。
【0084】
(実施例3)
表面シートを構成する不織布として、ケナフ繊維と、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレートである芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維とからなる乾式サーマルボンド法により製造され且つケナフ繊維が略均一に分布してなる略一定厚みの不織布(ケナフ繊維径:50〜130μm、ケナフ繊維長:28mm、芯鞘型ポリエチレンテレフタレートにおける芯部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:255℃、芯鞘型ポリエチレンテレフタレートにおける鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:130℃、芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維径:2デニール、芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維長:51mm、ケナフ繊維:芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維(重量比)=50:50、目付:68g/m2 、厚み:0.53mm)を2枚用意した。
【0085】
一方、酢酸ビニル系接着剤のエマルジョン(蒸発残分:54重量%)を用意し、このエマルジョン中に2枚の不織布を完全に浸漬させて、これら不織布内に全面的に酢酸ビニル系接着剤のエマルジョンを含浸させた。なお、酢酸ビニル系接着剤の含浸量は、ケナフ繊維及び芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維の総量100重量部に対して74重量部であった。
【0086】
しかる後、実施例1と同様の要領で製造した発泡シート1の両面に、酢酸ビニル系接着剤を含浸させた不織布を積層して積層体を製造した。
【0087】
そして、表面温度が135〜145℃に保持されたポリテトラフルオロエチレン製の一対のベルト間に上記積層体を供給し、この積層体をその両面から厚み方向に加熱圧縮させて発泡シート1の両面に上記不織布からなる表面シート2、2を積層一体化させて自動車内装材用積層シートAを得た。
【0088】
この自動車内装材用積層シートAにおける発泡シート1と表面シート2との間には、酢酸ビニル系接着剤からなる接着剤層3が形成されていると共に、表面シート2、2内には全面的に酢酸ビニル系接着剤31が上記接着剤層3と一体化した状態で含浸されており、更に、表面シート2の表面全面には表皮接着剤層32が形成されていた。
【0089】
(実施例4)
表面シートを構成する不織布として、ケナフ繊維と、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレートである芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維とからなる乾式サーマルボンド法により製造され且つケナフ繊維が略均一に分布してなる略一定厚みの不織布(ケナフ繊維径:50〜130μm、ケナフ繊維長:28mm、芯鞘型ポリエチレンテレフタレートにおける芯部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:255℃、芯鞘型ポリエチレンテレフタレートにおける鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:130℃、芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維径:2デニール、芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維長:51mm、ケナフ繊維:芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維(重量比)=50:50、目付:86g/m2 、厚み:0.48mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして自動車内装材用積層シートAを得た。
【0090】
(実施例5)
ケナフ繊維と、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレートである芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維とからなる乾式サーマルボンド法により製造され且つケナフ繊維が略均一に分布してなる略一定厚みの不織布(ケナフ繊維径:50〜130μm、ケナフ繊維長:28mm、芯鞘型ポリエチレンテレフタレートにおける芯部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:255℃、芯鞘型ポリエチレンテレフタレートにおける鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:130℃、芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維径:2デニール、芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維長:51mm、ケナフ繊維:芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維(重量比)=50:50、目付:86g/m2 、厚み:0.48mm)を2枚用意した。
【0091】
そして、各不織布の片面全面に、ホットメルト接着剤の粉末(東京インキ社製商品名「PR2040MX−M」、融点:97℃)をケナフ繊維及び芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維の総量100重量部に対して17.4重量部の割合となるように均一に散布した。
【0092】
しかる後、ホットメルト接着剤の粉末が散布された不織布を、表面温度が120℃に保持され且つクリアランスが0.3mmで配設された一対のロール間に供給して加熱圧縮して、不織布内にホットメルト接着剤を全面的に含浸させた。
【0093】
しかる後、実施例1と同様の要領で製造した発泡シート1の両面に、ホットメルト接着剤を含浸させた不織布を積層して積層体を製造した。そして、表面温度が135〜145℃に保持されたポリテトラフルオロエチレン製の一対のベルト間に上記積層体を供給し、この積層体をその両面から厚み方向に加熱圧縮させて発泡シート1の両面に上記不織布からなる表面シート2、2を積層一体化させて自動車内装材用積層シートAを得た。
【0094】
この自動車内装材用積層シートAにおける発泡シート1と表面シート2との間には、ホットメルト接着剤からなる接着剤層3が形成されていると共に、表面シート2内には全面的にホットメルト接着剤31が上記接着剤層3と一体化した状態で含浸されていた。
【0095】
(比較例1)
表面シートを構成する不織布として、サイザル麻繊維と、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレートである芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維とからなる乾式ニードルパンチ法により製造された不織布(サイザル麻繊維径:150〜200μm、サイザル麻繊維長:80mm、芯鞘型ポリエチレンテレフタレートにおける芯部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:255℃、芯鞘型ポリエチレンテレフタレートにおける鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:130℃、芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維径:2デニール、芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維長:51mm、サイザル麻繊維:芯鞘型ポリエチレンテレフタレート繊維(重量比)=60:40、目付:100g/m2 、厚み:0.35mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして自動車内装材用積層シートAを得た。
【0096】
(比較例2)
ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物(ジーイープラスチックス社製 商品名「NORYL EFN4230」、ポリフェニレンエーテル:70重量%、ポリスチレン系樹脂:30重量%)と、ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)と、ハイインパクトポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「E641N」)とを、ポリフェニレンエーテル成分が20重量%で、スチレン系樹脂成分が78重量%で、ゴム成分が2重量%となるように調整しつつ混合した混合樹脂を二機の押出機のそれぞれに供給し、一方の押出機から押出した直後の溶融状態の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂シートを、実施例1と同様の要領で作製された展開された直後の発泡シート1の一面に積層し熱融着一体化させると共に、他方の押出機から押出した直後の溶融状態の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂シートを上記発泡シート1の他面に積層し熱融着一体化させて、発泡シート1の両面に、目付が95g/m2 の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂シートを直接、熱融着によって積層一体化して自動車内装材用積層シートを得た。
【0097】
上記の如くして得られた自動車内装材用積層シートAの目付、厚み、線膨張率及び常温における曲げ弾性勾配、並びに、発泡シート1及び表面シート2の厚みを表1に示し、更に、自動車内装材用積層シートAの圧縮成形後の厚み(圧縮成形後厚み)及び成形性を下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。
【0098】
(圧縮成形後厚み)
自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱して自由に二次発泡させる。
【0099】
そして、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となった時点で自動車内装材用積層シートAの加熱を終了し、二次発泡後の自動車内装材用積層シートAの厚みを測定する。なお、上記要領を3回繰り返し、3枚の自動車内装材用積層シートAの二次発泡後の厚みの相加平均を二次発泡後厚みとした。
【0100】
次に、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱した後、この自動車内装材用積層シートAを対向面が平滑面に形成された一対の平板状金型間に配設した上で平板状金型を締めて、自動車内装材用積層シートAをその二次発泡後厚みの85%となるまで厚み方向に圧縮成形しつつ冷却し、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度未満となった時点で一対の平板状金型を開いて、圧縮成形された自動車内装材用積層シートAを取り出す。そして、この圧縮成形された自動車内装材用積層シートAの厚みを測定し、この厚みを圧縮成形後厚みとした。
【0101】
この圧縮成形された自動車内装材用積層シートAの表面を目視観察すると共に自動車内装材用積層シートAの厚みを測定したところ、実施例1〜5及び比較例2の自動車内装材用積層シートAは、その表面が平滑で均一な厚みを有していたものの、比較例1の自動車内装材用積層シートAは、その表面シートの目付にばらつきがあるために表面シートの目付の小さな部分において、発泡シート1が過剰に加熱されて収縮しており、自動車内装材用積層シートAの厚みは4.3〜5.2mmとばらつきを有していた。
【0102】
(成形性)
自動車内装材用積層シートAにおける一方の表面シート2上に、ポリエチレンテレフタレート繊維よりなる不織布から構成された表皮材4(目付:130g/m2 、厚み:0.6mm)をホットメルトフィルム(クラボウ社製 商品名「X−2200」、厚み:30μm、密度:0.95g/cm3 )を介在させた状態で積層させると共に、自動車内装材用積層シートAにおける他方の表面シート2上に、ポリエチレンテレフタレート繊維よりなる不織布から構成された異音防止材5(東洋紡社製 商品名「エクーレ6151A」)を該異音防止材5の片面全面に略均一に付着させたホットメルト接着剤の粉末が表面シート2に対向した状態に積層させて積層体を作製した。
【0103】
しかる後、表面温度が135〜145℃に保持されたポリテトラフルオロエチレン製の一対のベルト間に上記積層体を供給し、この積層体をその両面から厚み方向に加熱圧縮させて、自動車内装材用積層シートAの一面に表皮材4を、他面に異音防止材5を積層一体化させた。
【0104】
なお、実施例3で得られた自動車内装材用積層シートAを用いた場合には、表皮材4をホットメルトフィルムを介在させることなく自動車内装材用積層シートAの一方の表面シート2上に直接積層させると共に、異音防止材5として、ポリエチレンテレフタレート繊維よりなり且つホットメルト接着剤の粉末が全く付着されていない不織布から構成された異音防止材5(東洋紡社製 商品名「エクーレ6151A」)を用いた。
【0105】
このように表皮材4及び異音防止材5が積層一体化された自動車内装材用積層シートAから平面円形状の試験片を切り取り、この試験片をその表皮材4の表面温度が160℃に、異音防止材5の表面温度が145℃になるように加熱し、図5に示したような、有底筒状体の上端縁の全周から水平方向に鍔部が外方に向かって延設された形状の成形品Bを得た。なお、自動車内装材用積層シートAの表皮材4が内側となるように成形した。なお、図5において、成形品Bの詳細な層構成については省略した。
【0106】
そして、得られた成形品Bを下記基準により判断した。
○・・・成形品Bに熱収縮はなく厚みも略均一であった。
×・・・成形品Bに熱収縮が発生していると共に厚みにばらつきがあった。
【0107】
【表1】
Figure 0004731104
【0108】
【発明の効果】
本発明の自動車内装材用積層シートは、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む発泡シートの少なくとも一面に、繊維長が5mm以上で且つ30mm未満の天然繊維と、繊維長が4〜80mmの熱可塑性樹脂繊維とを含む不織布からなる表面シートが積層一体化されており、耐熱性、軽量性、リサイクル性及び寸法安定性に優れている。
【0109】
そして、上記自動車内装材用積層シートの表面シートには、繊維長が5mm以上で且つ30mm未満といった繊維長の短い天然繊維を用いていることから、表面シートは、その厚みが略均一なものであると共に熱成形性に優れ、よって、自動車内装材用積層シートは、略均一な厚みを有し且つ熱収縮の少ない複雑な形状の成形品を正確に且つ確実に得ることができる。
【0110】
又、上記自動車内装材用積層シートにおいて、接着剤層を構成している接着剤が表面シートに全面的に含浸されている場合には、接着剤によって表面シートを構成している繊維同士をより強固に結着させて表面シートの機械的強度を向上させることができ、自動車内装材用積層シートは更に線膨張率の低くて機械的強度の優れたものとなっている。
【0111】
更に、上記自動車内装材用積層シートにおいて、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度Tgと、表面シートの熱可塑性樹脂繊維の融点Tmとが上記式1を満たすように構成している場合には、自動車内装材用積層シートは、耐熱性、寸法安定性及び耐熱性により優れている。
【0112】
又、上記自動車内装材用積層シートにおいて、線膨張率が20×10-6/℃以下である場合には、温度変化による寸法変化が小さく、自動車内装材用積層シートを車体に長期間に亘って安定的に取り付けることができる。
【0113】
そして、上記自動車内装材用積層シート上に表皮材を積層一体化させて所望形状に熱成形することによって耐熱性及び寸法安定性に優れていると共に複雑な形状を有する自動車内装材を正確に且つ確実に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車内装材用積層シートを示した縦断面図である。
【図2】自動車内装材用積層シートを示した縦断面図である。
【図3】自動車内装材用積層シートを示した縦断面図である。
【図4】自動車内装材用積層シートを示した縦断面図である。
【図5】成形品を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 発泡シート
2 表面シート
3 接着剤層
31 接着剤
32 表皮接着剤層
4 表皮材
5 異音防止材
A 自動車内装材用積層シート
B 成形品

Claims (8)

  1. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む発泡シートの少なくとも一面に、繊維長が5mm以上で且つ30mm未満の天然繊維と、繊維長が4〜80mmの熱可塑性樹脂繊維とを含む不織布からなる表面シートが積層一体化されてなることを特徴とする自動車内装材用積層シート。
  2. 熱可塑性樹脂繊維の繊維長が4〜60mmであることを特徴とする請求項1に記載の自動車内装材用積層シート
  3. 発泡シートと表面シートとを接着剤層によって一体化していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車内装材用積層シート。
  4. 接着剤層を構成している接着剤が表面シートに全面的に含浸されていることを特徴とする請求項に記載の自動車内装材用積層シート。
  5. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度Tgと、表面シートの熱可塑性樹脂繊維の融点Tmとが下記式1を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の自動車内装材用積層シート。
    Tg−65℃<Tm<Tg+40℃ ・・・式1
  6. 線膨張率が20×10-6/℃以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の自動車内装材用積層シート。
  7. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の自動車内装材用積層シート上に表皮材が積層一体化されていることを特徴とする自動車内装材用積層シート。
  8. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の自動車内装材用積層シートを熱成形してなることを特徴とする自動車内装材。
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