JP4707961B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤や塗料等に有用な樹脂組成物の製造方法に関し、さらに詳しくは、接着性、耐熱性、基材密着性、耐黄変性、作業性(特にポットライフ)等に優れた樹脂組成物の製造方法に関する。
従来より、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル等の各種加工品に使用される粘着剤や塗料等にはアクリル系樹脂、特にアクリル酸エステルを主体とするモノマー成分に、カルボキシル基やヒドロキシル基等の官能基を有するモノマー成分を共重合したアクリル系共重合体がよく知られている。
そして、かかるアクリル系樹脂(共重合体)を粘着剤に適用するにあたっては、かかるアクリル系樹脂とイソシアネート系化合物、金属キレート系化合物、エポキシ系化合物等の架橋剤を併用して、カルボキシル基やヒドロキシル基等の官能基を架橋して、接着力や凝集力等をコントロールすることが行われているが、イソシアネート系架橋剤で反応させる場合はポットライフなどの関係から使用することが出来る粘着剤もしくは架橋剤が限られたり、架橋剤の導入量が制限される場合があり、金属キレート系化合物を架橋剤とする場合においては基材密着性が問題がとなるため、これらを改善するための手法が提案されている。
例えば、3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物等の架橋剤を用いたり(例えば、特許文献1参照。)、カルボキシル基含有アクリル系共重合体と3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と金属キレート化合物を併用したり(例えば、特許文献2参照。)、カルボキシル基含有アクリル系共重合体と3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と多官能エポキシ化合物を併用したり(例えば、特許文献3参照)することが知られている。
特開平07−324183号公報 特開2003-073638公報 特開2003-073640公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示の樹脂組成物では、ポットライフや耐黄変性などの向上は見られるもののまだまだ満足のいくものではなく、また、凝集力も十分でない。また、特許文献2や3に開示の樹脂組成物は、特許文献1と比較すると上記欠点は解消されているものの、イソシアネートに加えてキレート剤やエポキシ樹脂等の架橋剤を併用する必要があり、作業が煩雑になりさらにはこれらの配合割合を厳密に管理しないと十分な物性を発揮できないこともあり、イソシアネート系架橋剤以外の架橋剤を併用することなく、接着性、耐熱性、基材密着性、耐黄変性、作業性等の全てに渡ってバランスよく優れた樹脂組成物の製造方法が望まれるところである。
そこで、本発明者は、かかる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)中のカルボキシル基1モルに対して、アルキルビニルエーテル(A2)を1.2〜8モル反応させることによりヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)及びイソシアネート系架橋剤(B)を含有させてなる樹脂組成物の製造方法であり、ヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(B)を0.01〜10重量部含有し、カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)の共重合成分中のカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの含有量が0.1〜40重量%である樹脂組成物の製造方法が、上記の目的に合致することを見出して本発明を完成するに至った。
本発明により得られる樹脂組成物は、接着性、耐熱性、基材密着性、耐黄変性、作業性(特にポットライフ)等に優れており、粘着剤や塗料等に有用な樹脂組成物である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)としては、カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)にアルキルビニルエーテル(A2)を反応させてなるものであり、その際に、カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)中のカルボキシル基1モルに対して、アルキルビニルエーテル(A2)を1.2〜8モル反応させることによりヘミアセタール化されたものである。かかるカルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)としては、少なくともカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体であれば特に制限されず、アクリル酸エステル系モノマー(a1)及びカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)を共重合成分とするアクリル系共重合体で、さらに必要に応じて、カルボキシル基以外の官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a3)を含むことも好ましく、又、その他のエチレン性不飽和モノマー(a4)を共重合成分として含んでもよい。
上記のアクリル酸エステル系モノマー(a1)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもアルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸が好ましく用いられる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)の含有量は、カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)に対して、0.1〜40重量%(さらには0.5〜20重量%、特に1〜10重量%)であることが好ましく、かかる含有量が0.1重量%未満では粘着力不足や被着体密着性不良となる傾向にあり、逆に40重量%を超えると粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難になったり粘度の経時上昇が起こるなど樹脂の安定性が低下して好ましくない。
カルボキシル基以外の官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a3)としては、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和モノマー、エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー、アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和モノマー、アミド基やメチロール基、アセトアセチル基を含有するエチレン性不飽和モノマー等が挙げられ、中でもヒドロキシル基含有エチレン性不飽和モノマーが好ましく用いられる。
かかるヒドロキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、エチルカルビトールアクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、4−ブチルヒドロキシアクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、アリルアルコール等が挙げられ、中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましく用いられる。
その他のエチレン性不飽和モノマー(a4)としては、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ビニルトルエン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、メチルビニルケトン等が挙げられる。
カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)における上記のアクリル酸エステル系モノマー(a1)、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)、カルボキシル基以外の官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a3)及びその他のエチレン性不飽和モノマー(a4)の含有割合(共重合比)は特に限定されないが、アクリル酸エステル系モノマー(a1)が50〜99重量%(さらに70〜95重量%、特には80〜95重量%)であることが好ましく、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)が0.1〜40重量%であることが必要であり(さらに好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%)、カルボキシル基以外の官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a3)が0〜5重量%(さらには0.05〜1.0重量%、特には0.1〜0.5重量%)であることが好ましく、その他のエチレン性不飽和モノマー(a4)が0〜39重量%(さらには2〜20重量%、特には3〜10重量%)であることが好ましい。
かかるアクリル酸エステル系モノマー(a1)が50重量%未満では粘着力が低くなる傾向にあり、逆に99重量%を越えると架橋不足となり凝集力が不足し好ましくなく、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)が0.1重量%未満では架橋不足となり、逆に40重量%を越えると架橋反応速度が速すぎてポットライフが不足したり、タックの低下が大きくなり好ましくない。
また、カルボキシル基以外の官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a3)が5重量%を越えると粘着力が低下する傾向にあり、その他のエチレン性不飽和モノマー(a4)が39重量%を越えても粘着力が低下する傾向にあり好ましくない。
上記のカルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)は、前記(a1)〜(a4)を有機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方法によって製造することができる。
かかる重合に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
かかるラジカル共重合に使用する重合触媒としては、通常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が具体例として挙げられる。
かくして本発明で用いるカルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)が得られるわけであるが、かかるカルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)の重量平均分子量としては特に限定されないが、粘着剤用途に用いるときには20万〜150万であることが好ましく、さらには30万〜120万が好ましく、重量平均分子量が20万未満では凝集力不足となり、150万を越えると希釈溶剤を大量に使用する必要があるため塗工性やコストの面で問題となり好ましくない。また、塗料用途に用いるときには5万〜50万であることが好ましく、さらには10万〜40万が好ましく、重量平均分子量が5万未満では塗膜の平滑性が不良となり、50万を越えると粘度が高くなるため塗工時のスプレー適性が悪くなり好ましくない。
また、カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)としては粘着剤用途に用いるときには−20℃以下であることが好ましく、さらには−30℃以下が好ましく、ガラス転移温度が−20℃を超えるとタックが不足する傾向にあり好ましくない。さらに、塗料用途に用いるときには、0〜60℃であることが好ましく、かかるガラス転移温度が0℃未満では塗膜が柔らかくなり耐削傷性不良となり、60℃を超えると逆に塗膜が硬すぎるためクラック等の発生が起こり好ましくない。
なお、重量平均分子量はGPCでのスチレン換算法により測定されるもので、ガラス転移温度はFoxの式より算出されるものである。
本発明で用いるアルキルビニルエーテル(A2)としては、一般式CH=CH−R(Rは炭素数1〜8の脂環式のアルキル基を示す)で示されるもので、具体的には、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテルの他2−エチルヘキシルビニルエーテル等を挙げることができ、また、種々のアルキルビニルエーテルの混合物を使用することもできる。
かかるイソプロピルビニルエーテルは、和光純薬工業社が試薬として、またイソブチルビニルエーテルはBASF社がそれぞれ販売している。
本発明のヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)は、カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)とアルキルビニルエーテル(A2)とを室温〜150℃、好ましくは50〜100℃で反応させることにより得ることができ、この際に、反応を促進させる目的で公知の触媒を使用しても良い。
本発明において、上記カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)に反応させるアルキルビニルエーテル(A2)の量については、(A1)中のカルボキシル基1モル対して1.2〜8モルであることが必要であり、特には1.5〜5モルとすることが好ましい。
かかるアルキルビニルエーテル(A2)の量が1モル未満ではポットライフが短くなる傾向にあり、逆に10モルを越えると粘着剤に適用したときに凝集力が低下したり、養生に時間を要したりすることがあり好ましくない。
また、本発明で用いるイソシアネート系架橋剤(B)としては、例えば、芳香族系、脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、中でもトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H−MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m−TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等のイソシアネート或いはこれらイソシアネートの三量体化合物、及びこれらイソシアネートとポリオールの反応生成物等が好適に用いられ、さらにはH6XDIやHMDI、IPDI等の脂肪族イソシアネートとポリオールとの反応生成物が好適に用いられる。また、かかるポリオールとしてはトリメチロールプロパンが主成分として用いられ、TDI系としては日本ポリウレタン社製の『コロネートL』、HMDI系としては三井武田ケミカル社製の『タケネートD−160N』、IPDI系としては三菱化学社製の『マイテックNY215A』、H6XDI系としては三井武田ケミカル社製の『タケネートD−120N』等の商品を具体的に挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記のヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)とイソシアネート系架橋剤(B)を含有するもので、その含有割合については、ヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(B)を0.01〜10重量部であることが必要であり、さらには0.05〜8重量部、特には0.1〜5重量部含有させることが好ましい。
かかるイソシアネート系架橋剤(B)の含有量が0.01重量部未満では基材密着性が不足する傾向にあり、逆に10重量部を越えるとポットライフ不足や接着力不足となる傾向にあり好ましくない。
カルボキシル基含有アクリル系共重合体とアルキルビニルエーテルとを予め反応させてカルボン酸をヘミアセタール化させたアクリル系共重合体(A)と、上記イソシアネート基を有するイソシアネート系架橋剤(B)を含有する粘着剤組成物を製造するに当たっては、通常は、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物等の溶剤を用いて溶液状態で混合される。但し、低分子量重合体物では溶剤を使用しないで混合することもできる。
かくしてカルボキシル基含有アクリル系共重合体とアルキルビニルエーテルとを予め反応させてカルボン酸をヘミアセタール化させたアクリル系共重合体(A)と、上記架橋剤(B)を含有してなる粘着剤組成物が得られるが、本発明では更に、架橋促進剤や粘着付与剤等を添加してもよい。
架橋促進剤としては、錫化合物を使用することができ、その添加量は架橋剤(B)に対して0.002〜0.1重量%であることが好ましい。
かくして本発明の樹脂組成物が得られるのであるが、かかる樹脂組成物は、包装用粘着テープ、事務用粘着テープ、医療用粘着製品、農業用粘着製品、電気絶縁テープ、マスキング用テープ又はシート、粘着ラベル、両面粘着テープ、特殊粘着テープ等の各種粘着剤用途や建築用塗料、プラスチック用塗料、自動車用塗料等の各種塗料用途に利用することができる。
本発明の樹脂組成物を粘着剤用途に適用するにあたっては、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、シリコーン樹脂、クマロン系樹脂、ロジン系化合物(ロジン若しくはロジンエステル、水添化ロジンのエステル類)、石油樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂等の粘着付与剤を併用することができ、ヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)100重量部に対して5〜40重量部(さらには10〜30重量部)添加することが好ましく、5重量部では添加効果に乏しく、逆に40重量部を超えると色調が悪くなったり組成物が硬くなってしまうため好ましくない。
さらに、粘着剤用途においては、従来公知の粘着剤用添加剤を必要に応じて添加することもでき、かかる公知の添加剤としては、顔料、染料、無機・有機充填剤、可塑剤、安定剤、金属粉、カーボンブラック、シランカップリング剤、軟化剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。
また、塗料用途に適用するにあたっても、従来公知の添加剤、例えば、顔料、染料、無機・有機充填剤、改質剤等を添加して塗料として利用することができる。
本発明により得られる樹脂組成物は、上述のようにヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)及びイソシアネート系架橋剤(B)を配合してなるもので、かかる樹脂組成物を粘着剤用途や塗料用途等に供するときは、それぞれの用途に供する直前にこれらの2成分を混合して2液混合型として使用することができるが、本発明の樹脂組成物は安定性にも優れるため、予め2液を混合して一液型としての使用も可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明の方法を具体的に説明する。
なお、以下「部」、「%」、とあるのは、特にことわりのない限り、重量基準を意味する。
[カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A)の製造]
合成例1
コンデンサー、撹拌機及び温度計付きのフラスコに、n−ブチルアクリレート(a1)90部、アクリル酸(a2)10部、酢酸エチル70部、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.03部を仕込み、90℃に加温して重合させ、重合途中に酢酸エチル5部にAIBN0.01部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら12時間重合させた後、トルエンで希釈し、重量平均分子量が65万のアクリル系共重合体(A−1)溶液(樹脂分35%)を得た。
合成例2
コンデンサー、撹拌機及び温度計付きのフラスコに、アクリル酸(a2)2部、2−エチルヘキシルアクリレート(a3)88部、酢酸ビニル(a4)10部、酢酸エチル107.5部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.03部を仕込み、90℃に加温して重合させ、重合途中に酢酸エチル5部にAIBN0.01部を溶解させた重合触媒液を逐次追加しながら12時間重合させた後、トルエンで希釈し、重量平均分子量が65万のアクリル系共重合体(A−2)溶液(樹脂分35%)を得た。
実施例1
上記合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル系共重合体(A−1)100部(樹脂分35%とイソブチルビニルエーテル(A2)7.3部(カルボキシル基に対して1.5倍モル)とを予め反応させてカルボン酸をヘミアセタール化させたアクリル系共重合体(A)を酢酸エチルで希釈し樹脂分30%としたもの100部に対して、イソシアネート系架橋剤〔三井武田ケミカル社製『タケネートD−160N』〕(B)を酢酸エチルで希釈した樹脂分37.5%溶液を0.5部を加え混合撹拌して、本発明の樹脂組成物溶液を得た。
得られた樹脂組成物溶液を用いて、以下の評価を行った。
〔ポットライフの評価〕
上記樹脂組成物溶液を瓶に取り,BH型粘度計を用いて粘度の経時変化(25℃)を測定して、以下の基準で評価した。
○・・・測定開始後4時間の粘度が初期粘度の2倍未満
△・・・測定開始後4時間の粘度が初期粘度の2倍以上
×・・・測定開始後2時間で粘度が初期粘度の2倍以上
[粘着剤組成物としての評価]
架橋剤配合後30〜60分経過後の樹脂組成物溶液を25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、38μmのシリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(PETセパレーター)をラミネートし粘着シートを作製して、20℃で10日間養生した後に以下の項目について具体的な評価を行った。
(接着性)
上記粘着シートの38μmのPETセパレーターを剥がした後、20℃、65%RHにてステンレス板(SUS304)に接着させて、JIS Z 0237の粘着力の測定法に準拠して180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
(保持力)
上記粘着シートの38μmのPETセパレーターを剥がした後、ステンレス板(SUS304)の試験板に貼着面積が25mm×25mmになるように貼着し、100℃の条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z 0237の保持力の測定法に準じて測定し、以下の基準で評価した。
◎・・・24時間後もズレなし
○・・・24時間後のズレが1mm以内
△・・・24時間後のズレが1mm以上
×・・・24時間以内に落下
(基材密着性)
上記粘着シートの38μmのPETセパレーターを剥がした後、粘着剤面同士を手でしっかりと貼り合わせて、その後高速で引き剥がしたときの粘着剤面の状態を観察し、以下の基準で評価した。
○・・・凝集破壊せず糊面同士が界面剥離する
△・・・一部の粘着剤が基材界面で剥がれて他の粘着面へ転着していた
×・・・他の粘着剤面に転着した粘着剤面積が50%以上、もしくは糊面同士で凝集破壊が起こる
(耐黄変性)
上記粘着シートを120℃で10日間放置した後、外観を観察し、以下の基準で評価した。
○・・・着色なし
△・・・わずかに着色あり
×・・・着色が著しい
実施例2
実施例1において、イソシアネート系架橋剤(B)として、三菱化学社製の『マイテックNY215A』を酢酸エチルで希釈して樹脂分37.5%に調整してものを用いた以外は同様に行い、同様に評価を行った。
実施例3
合成例2で得られたカルボキシル基含有アクリル系共重合体(A−2)100部(樹脂分40%)とイソブチルビニルエーテル(A2)3.12部(カルボキシル基に対して2倍モル)とを予め反応させてカルボン酸をヘミアセタール化させたアクリル系共重合体(A)を酢酸エチルで希釈し樹脂分35%としたもの100部に対して、イソシアネート系架橋剤〔三井武田ケミカル社製『タケネートD−160N』〕(B)を酢酸エチルで希釈した樹脂分37.5%溶液を0.5部を加え混合撹拌して、本発明の樹脂組成物溶液を得て、実施例1と同様の評価を行った。
実施例4
実施例3において、イソシアネート系架橋剤(B)として、三菱化学社製の『マイテックNY215A』を酢酸エチルで希釈して樹脂分37.5%に調整したものを用いた以外は同様に行い、同様に評価を行った。
実施例5
実施例1において、(A2)としてイソプロピルビニルエーテル6.28部(カルボキシル基に対して1.5倍モル)を用いた以外は同様に行って樹脂組成物を得て、同様に評価を行った。
実施例6
実施例1において、(A2)の使用量を24.3部(カルボキシル基に対して5倍モル)とした以外は同様に行って樹脂組成物を得て、同様に評価を行った。
実施例7
実施例1において、(B)の使用量を2.0部とした以外は同様に行って樹脂組成物を得て、同様に評価を行った。
比較例1
実施例1において、(A)成分に代えて(A−1)を用いて同様に樹脂組成物溶液を得たが、ポットライフが非常に短く、粘着シートの作成が困難で、その後の評価はできなかった。
比較例2
実施例1において、イソシアネート系架橋剤(B)に代えて、アルミニウムアセチルアセトネート(日本化学産業社製、『ナーセムAl』)の5%トルエン溶液1.0部に変更した以外は同様に行って樹脂組成物を得て、同様に評価を行った。
実施例、比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0004707961
本発明の製造方法により得られる樹脂組成物は、ヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)と、ポリイソシアネート系架橋剤(B)を含有してなるため、接着性、耐熱性、基材密着性、耐黄変性、作業性等のすべてにわたってバランスよく優れた効果を示すものであり、包装用粘着テープ、事務用粘着テープ、医療用粘着製品、農業用粘着製品、電気絶縁テープ、マスキング用テープ又はシート、粘着ラベル、両面粘着テープ、特殊粘着テープ等の各種粘着剤加工品に使用でき、さらには、特に高度な粘着性能を要する用途として、自動車等に使用されるラベル、遮光粘着フィルム、粘着テープの他に、電気、電子部品関連に使用される粘着テープ、粘着ラベル、特殊粘着テープ、偏光板等の光学部品用の粘着テープ又はシート、粘着ラベル等に使用でき、また、建築用塗料、プラスチック用塗料、自動車用塗料等の各種塗料用途にも利用することができる。

Claims (3)

  1. カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)中のカルボキシル基1モルに対して、アルキルビニルエーテル(A2)を1.2〜8モル反応させることによりヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)及びイソシアネート系架橋剤(B)を含有させてなる樹脂組成物の製造方法であり、
    ヘミアセタール化されたアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(B)を0.01〜10重量部含有し、
    カルボキシル基含有アクリル系共重合体(A1)の共重合成分中のカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの含有量が0.1〜40重量%であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法
  2. イソシアネート系架橋剤(B)が、脂肪族イソシアネートであることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物の製造方法
  3. 樹脂組成物が、粘着剤用途または塗料用途に用いる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の樹脂組成物の製造方法
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