JP2007138015A - 粘着剤及びそれを用いた粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、低温特性に優れ、高接着力と高凝集力とのバランス特性に優れた粘着剤及びそれを用いてなる、加工性に優れる粘着シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 モノマーの全量100重量%中iso−ブチルメタクリレート8〜35重量%と他の共重合性モノマーとを共重合してなり、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有し、重量平均分子量が40万〜120万である共重合体(a)と、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方と反応し得る官能基を有する架橋剤とを含有する粘着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、加工性に優れる粘着シートを形成し得る粘着剤及び該粘着剤を用いてなる粘着シートに関するものである。
従来から種々の用途に様々な粘着剤が用いられている。アクリル系粘着剤は、耐候性、耐久性、耐熱性、透明性等に優れていることから広く使用されている。
その中で溶剤型アクリル系粘着剤、特に架橋剤と組み合わせて用いるアクリル系粘着剤は、粘着力制御が容易なことから、粘着シートにおいて幅広く用いられている。
本発明における粘着シートとは、いわゆる粘着塗工物の総称の意であり、比較的大きなシートの他、テープ、ラベル等種々の形態のものが含まれる。それぞれ使用される用途に応じて要求される粘着力が個々に相違しているが、種々の形態に加工される場合に、粘着剤層の凝集力が充分大きいことが要求される。
比較的大きな粘着シートをラベルやテープ等様々な形態に合わせて加工する際に、打ち抜き加工やスリット加工、カッティング加工等、様々な加工法により加工される。例えば、打ち抜き加工とは、所望の形状の刃の付いた抜き型を用いて、比較的大きな粘着シートから所望の形状の小片、すなわち比較的小さな粘着シートを打ち抜く加工をいう。スリット加工は、幅広の粘着シートに刃を入れ所望の幅に切断する加工方法である。
カッティング加工とは、シート状基材側から剥離性シートの方向に向けて、シート基材と粘着剤層に所望の文字、絵、模様、図等のパターンの切れ込みを入れることにより、後に被着体に貼付けられるパターンを剥離性シート上に形成する加工方法である。この加工方法においては通常、被着体に貼付けられるパターンを除いた部分のシート状基材及び粘着剤層が剥離性シート上から除去された後に使用に供される。
また、幅広の粘着シートをロール状に巻いた後、ロール状のまま輪切りにして細幅の粘着シートを得る加工もある。
これらいずれの加工方法も、個々の方法は異なっても、共通して刃を粘着シートに入れることで切断し加工する方法である。
しかし、アクリル系粘着剤は、一般に凝集力が弱いため上記加工がされる際に、粘着剤層のはみ出しや刃汚れなどの支障を来す場合がある。これらを解決するために、官能基を導入したアクリル系樹脂を各種の架橋剤で硬化させる手法や、アクリル系樹脂のガラス転移温度を上げる手法、アクリル系樹脂を高分子量化する手法が知られている。しかし、これらの手法では、粘着力の低下やタックの低下を生じたり、低温物性が低下してしまうなど、物性の温度依存性が大きく、高接着力と高凝集力とを高度にバランスさせにくいという難点があった。
打ち抜き加工性を向上させる方法として、例えば、特許文献1には、ポリエチレンテレフタレートの発泡体を使用することが提案されている。カッティング性を向上させる方法として、例えば、特許文献2には、フィルム基材の樹脂にフィラーを添加することが提案されている。しかしながら、粘着剤層のはみ出しや刃汚れなどを根本的に解決する手段ではない。
アクリル系粘着剤層の凝集力を向上させる方法として、例えば、特許文献3には、粘着剤の接着力と凝集力を向上させるために、ポリカーボネート構造を持つポリエステルを用いることが提案されている。しかしながら、この技術にあっては、接着力や凝集力は向上できても、低温特性のバランスをとるのは困難であった。
特許文献4には、再剥離用粘着剤として、経時剥離力の上昇を抑制する目的でメタクリル酸アルキルエステルを使用し、実施例2にiso-ブチルメタクリレートを43重量部使用した粘着剤が提案されている。しかし、この実施例の組成は、本明細書中に記載したガラス転移温度の計算方法によると、−6.1℃と高く、タックや粘着力が低い。再剥離用としては充分な粘着力ではあるが、本発明の目的である、低温特性に優れ、高接着力と高凝集力とのバランス特性に優れた粘着剤及び粘着シートには適さない。
特開平8−60104号公報 特開平5−65349号公報 特開2000−230164号公報 特開2002−363521号公報
本発明は、低温特性に優れ、高接着力と高凝集力とのバランス特性に優れた粘着剤及びそれを用いてなる、加工性に優れる粘着シートを提供することを目的とする。
第1の発明は、モノマーの全量100重量%中iso-ブチルメタクリレート8〜35重量%と他の共重合性モノマーとを共重合してなり、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有し、重量平均分子量が40万〜120万である共重合体(a)と、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方と反応し得る官能基を有する架橋剤とを含有する粘着剤に関する。
第2の発明は、シート状基材の少なくとも一方の面に、第1の発明記載の粘着剤から形成される粘着剤層が積層されてなる粘着シート(但し、シート状基材として、ポリエステル系フィルムを用い、その両面に前記粘着剤層が積層されてなる場合を除く。)に関する。
本発明の粘着剤を用いることで、低温特性に優れ、高接着力と高凝集力のバランス特性、さらには加工性に優れた粘着シートを提供できる。
本発明の粘着剤は、モノマーの全量100重量%中iso-ブチルメタクリレート8〜35重量%と他の共重合性モノマーとを共重合してなり、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有し、重量平均分子量が40万〜120万である共重合体(a)と、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方と反応し得る官能基を有する架橋剤とを含有する粘着剤である。
本発明で用いる共重合体(a)を構成するモノマーの必須成分であるiso-ブチルメタクリレートは、他のアクリル系共重合性モノマーと比較して少量の使用で粘着剤層の塗膜強度を向上することが可能である。そのため、iso-ブチルメタクリレートを使用することで、粘着シートとして求められる基本的な粘着物性である粘着力やタックや基材投錨性を低下させることなく粘着剤層の凝集力を向上できる。その結果、粘着シートとして加工される場合にその加工性を大きく向上させることができる。
iso-ブチルメタクリレートの代わりにその構造異性体である、normal-ブチルメタクリレートを使用しても、凝集力を向上することはできず、加工性の優れた粘着シートは得られない。
尚、iso-ブチルメタクリレートの代わりにiso-ブチルアクリレートを使用しても、凝集力の向上はあまり期待できない。
本発明において用いられる共重合体(a)は、後述する架橋剤との反応に関与する官能基として、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有していることが重要である。共重合体(a)がカルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有するためには、iso-ブチルメタクリレートと共重合し得るモノマーとして、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有するものを用いる。
カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有する共重合性のモノマーとしては、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有する、アルケニル基含有化合物やα,β−不飽和カルボン酸エステルやα,β−不飽和カルボン酸が挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個のカルボキシル基を有するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の水酸基を有するモノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルヘキシル)−メチルアクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
本発明において用いられる共重合体(a)を得る際に用いられる、その他の共重合性モノマーとしては、α,β−不飽和化合物と呼ばれる分子内に重合性二重結合保有する化合物が広く挙げられ、アクリル系モノマーがtert-ブチルメタクリレートとの共重合性や粘着物性の面から好ましい。
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなどの(メタ)アクリル酸環状エステル類;
(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸1-メチルアリル、(メタ)アクリル酸2−メチルアリル、(メタ)アクリル酸1-ブテニル、(メタ)アクリル酸2-ブテニル、(メタ)アクリル酸3−ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3−メチル−3−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−クロルアリル、(メタ)アクリル酸3−クロルアリル、(メタ)アクリル酸o−アリルフェニル、(メタ)アクリル酸2−(アリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリルラクチル、(メタ)アクリル酸シトロネリル、(メタ)アクリル酸ゲラニル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、(メタ)アクリル酸ビニル等の不飽和基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の複素環含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−トリブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物などの(メタ)アクリル酸誘導体類;
(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチルなどの(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステル類;
トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ジアクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリアクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン トリアクリル酸等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸トリパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
等のアクリル系モノマーが挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
また、アクリル系モノマーと共重合可能なビニル系モノマー等のその他のモノマーも用いることができる。
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸およびそのナトリウム塩などの芳香族ビニル系モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのトリアルキルオキシシリル基含有ビニル系モノマー類;
γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシランなどのケイ素含有ビニル系モノマー類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系モノマー類;
アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有ビニル系モノマー類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル類;
パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどのフッ素含有モノマー類;
などが挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
本発明において用いられる共重合体(a)は、iso-ブチルメタクリレートと、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有するモノマーと、及び必要に応じその他の共重合性モノマーとを有機溶剤中でラジカル重合することにより得ることができる。
iso-ブチルメタクリレートの使用量は、重合に供するモノマーの合計100重量%中8〜35重量%であることが重要であり、10〜25重量%であることが好ましい。iso-ブチルメタクリレートが8重量%未満では粘着剤層の凝集力向上があまり期待できず、加工性の優れた粘着シートが得られない。一方、iso-ブチルメタクリレートが35重量%よりも多いと粘着力やタックが低下したり、基材への密着性が低下する傾向にある。
共重合体(a)を得る際に使用されるカルボキシル基を有するモノマーは、粘着剤としての接着強度や凝集力の観点から、重合に供するモノマーの合計100重量%中1〜10重量%共重合することが好ましい。
カルボキシル基を有するモノマーが、1重量%未満では十分な粘着力が得られにくく、粘着剤層の凝集力が低下し易く、加工性の優れた粘着シートが得られにくい。一方、カルボキシル基を有するモノマーを10重量%よりも多く使用すると、タックや基材への密着性が低下する傾向にある。より好ましくは2〜6重量%である。
共重合体(a)を得る際に使用される水酸基を有するモノマーは、架橋剤としてイソシアネート系化合物を用いる場合に主として使用されるものであり、重合に供するモノマーの合計100重量%中0.01〜5重量%共重合することが好ましい。0.01重量%未満では十分な粘着力が得られにくく、粘着剤層の凝集力が低下し易く、加工性の優れた粘着シートが得られない。一方、水酸基を有するモノマーを5重量%よりも多く使用すると、タックや基材への密着性が低下する傾向にある。より好ましくは0.05〜2重量%である。
カルボキシル基を含有するモノマーや水酸基を含有するモノマーは、それぞれ単独で使用することもできるし、併用することもできる。
本発明において用いられる共重合体(a)は、上記したその他の共重合性モノマーのうち、ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下のホモポリマーを形成し得る、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等のアルキル側鎖を有するアクリル酸エステルを共重合性モノマー100重量%中、55〜91重量%用いることが好ましく、単独もしくは併用しても良い。
本発明において用いられる共重合体(a)は、上記したその他の共重合性モノマーのうち、Tgが−30〜120℃の範囲のホモポリマーを形成し得る、アルケニル基含有化合物やα,β−不飽和カルボン酸エステルを適宜用いることができる。
iso-ブチルメタクリレート及び上記した種々のモノマーは、ガラス転移温度(Tg)が−70〜−5℃の共重合体(a)を形成し得るように共重合することが好ましい。より好ましくは、−55〜−15℃である。
Tgが−70℃未満の共重合体を用いた粘着剤の場合、形成される粘着剤層の凝集力が低下し、加工性の優れた粘着シートが得られにくくなる。
一方、ガラス転移温度が−5℃を超える重合体を用いた粘着剤の場合、粘着シートの低温特性が低下し、十分な粘着力やタックを得ることができず、基材に対する密着性が低下してしまう可能性がある。
共重合体(a)を重合する際に用いられる有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が用いられる。またこれら重合溶媒は2種類以上混合して用いても良い。
共重合体(a)を重合する際に用いられる重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物系重合開始剤;2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ系重合開始剤等のラジカル重合開始剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。重合開始剤の使用量は、重合に供するモノマーの組成や反応条件等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
さらに、共重合体(a)を重合する際には、連鎖移動剤を使用することもできる。
使用し得る連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等が挙げられる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセンを使用した場合には、得られる共重合体が低臭気となり好ましい。
なお、連鎖移動剤を使用する場合には、重合させるモノマーの合計100重量部に対して、0.001〜3重量部程度の範囲で使用される。
また、重合反応は、通常40〜100℃の温度条件下で、2〜8時間かけて行われる。
共重合体(a)の重量平均分子量は、40万〜120万であることが重要であり、70万〜100万であることが好ましい。重量平均分子量が40万未満では、架橋剤を添加しても粘着剤層の凝集力が不足して、加工性の優れた粘着シートが得られない。また、120万を超えると、十分な粘着力やタックを得ることができず、基材に対する密着性が低下してしまう。
また、本発明における粘着剤には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、本発明で特定される範囲以外の組成や分子量を有する粘着剤用樹脂をブレンドしてもよい。
本発明の粘着剤は、いわゆる主剤たる上記共重合体(a)と、架橋剤とを含有する。
架橋剤は、上記共重合体(a)が有するカルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方と反応し得る官能基を有するものである。このような架橋剤として、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物などがあげられる。該架橋剤を用いることにより、粘着剤層の凝集力をより一層向上させることができる。これら架橋剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
ここで、イソシアネート系架橋剤の例としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4',4"−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソ
シアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω'−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また一部上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートの反応物もポリイソシアネートとして使用することができる。
これらポリイソシアネート化合物としては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、キシリレンジイソシネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)等の無黄変型または難黄変型のポリイシソアネート化合物を用いると耐候性の点から、特に好ましい。
エポキシ系架橋剤の例としては、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−ビス(N、N'−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどを挙げられる。
金属キレート系架橋剤の例としては、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの二価以上の金属のアセチルアセトンやアセトン酸エステルからなるキレート化合物が挙げられる。
アジリジン系架橋剤の例としては、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)などが挙げられる。
アミン系架橋剤としては、1級アミノ基を2個以上有するポリアミンであれば特に制限なく使用することができる。硬化速度が優れる点から、芳香環には直接結合していない1級アミノ基を2個以上有するポリアミン、即ち、1級アミノ基が脂肪族官能基や脂環族官能基に直接結合している脂肪族系ポリアミンが好ましい。脂肪族系ポリアミンは、1級アミノ基に芳香環が直接結合していなければ、その骨格内に芳香環を含んでも良い。
脂肪族系ポリアミンとしては、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分岐炭素にアミノ基が結合したポリプロピレングリコール〔プロピレン骨格のジアミン、例えば、サンテクノケミカル社製「ジェファーミンD230」、「ジェファーミンD400」等、プロピレン骨格のトリアミン、例えば、「ジェファーミンT403」等。〕、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、H2N(CH2CH2O)2(CH22NH2〔サンテクノケミカル社製「ジェファーミンEDR148」(エチレングリコール骨格のジアミン)〕等のアミン窒素にメチレン基が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(デュポン・ジャパン社製「MPMD」)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ポリアミドアミン(三和化学社製「X2000」)、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製「1,3BAC」)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(三井化学社製「NBDA」)等を挙げることができる。
これらの中でも、特に硬化速度が高いことから、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン、H2N(CH2CH2O)2(CH22NH2(エチレングリコール骨格のジアミン)、プロピレン骨格のジアミン、プロピレン骨格のトリアミン、ポリアミドアミン(商品名:X2000)が挙げられる。
またこれらのポリアミンとケトンとの反応物であるケチミンもアミン系化合物に含まれ、安定性、反応性の調整および重ね塗り性の観点から、アセトフェノンまたはプロピオフェノンと1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとから得られるもの;アセトフェノンまたはプロピオフェノンとノルボルナン骨格のジメチレンアミン(NBDA)とから得られるもの;アセトフェノンまたはプロピオフェノンとメタキシリレンジアミンとから得られるもの;アセトフェノンまたはプロピオフェノンと、エチレングリコール骨格またはプロピレン骨格のジアミンであるジェファーミンEDR148、ジェファーミンD230、ジェファーミンD400等またはプロピレン骨格のトリアミンであるジェファーミンT403等とから得られるもの等が挙げられる。
カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基(−N=C=N−)を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられ、公知のポリカルボジイミドを用いることができる。
カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドも使用できる。
このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応したものが挙げられる。ジイソシアネートとしては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの一種又はこれらの混合物を使用することができる。カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシドを利用することができる。
オキサゾリン化合物としては、分子内にオキサゾリン基を2個以上有する化合物が好ましく用いられ、具体的には、2′−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−プロピレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等を挙げることができる。または、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや、2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリンなどのビニル系化合物と、これらと共重合しうる他のモノマーとの共重合体でもよい。
メラミン化合物としては、トリアジン環を分子内に有する化合物であり、メラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、メチルグアナミン、ビニルグアナミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン等が挙げられる。また、これらの低縮合化物やアルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂やアミノプラスト樹脂を使用しても良い。
架橋剤の使用量は、共重合体(a)の種類や、粘着物性等を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、架橋剤量を調節することによって、粘着シートにおける粘着剤層の架橋密度(ゲル分率)を適度な値に調節することができる。言い換えると、架橋剤の使用量は、粘着剤層のゲル分率が30〜80%の範囲となるように、架橋剤を適宜含有することが好ましく、ゲル分率が40〜60%の範囲となるようにすることがより好ましい。粘着剤層のゲル分率が30%未満であると、粘着シートとして加工される場合に加工性の優れた粘着シートが得られない。一方、粘着剤層のゲル分率が80%を超えると、十分な粘着力やタックを得ることができず、基材に対する密着性が低下してしまう。
尚、共重合体(a)に架橋剤を添加する添加方法は、特に限定されるものではない。
また、本発明における粘着剤には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、従来アクリル系粘着剤に配合される、粘着付与樹脂、シランカップリング剤、耐候安定剤、可塑剤、軟化材、染料、顔料、無機フィラー等の各種添加成分を含有させることができる。
粘着付与剤としては、例えばテルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジンおよびそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)など既存全てのものが使用可能である。可塑剤としては、フタル酸エステル類、リン酸エステル類など公知のものが使用できる。
次に、本発明の粘着シートについて説明する。
本発明の粘着シートは、シート状基材の少なくとも一方の面に、上記本発明の粘着剤から形成される粘着剤層が積層されてなるものである。
シート状基材としては、非剥離性のものと剥離性のものがある。従って、本発明の粘着シートには以下のような態様がある。
非剥離性シート状基材/粘着剤層/剥離性シート状基材が順次積層されてなる、いわゆる片面粘着シート。
剥離性シート状基材/粘着剤層/非剥離性シート状基材/粘着剤層/剥離性シート状基材が順次積層されてなる、いわゆる両面粘着シート。
剥離性シート状基材/粘着剤層/剥離性シート状基材が順次積層されてなる、いわゆる芯材レスの両面粘着シート。
但し、シート状基材として、ポリエステル系フィルムを用い、その両面に前記粘着剤層が積層されてなる場合を除く。
本発明の粘着シートを構成するシート状基材のうち非剥離性シート状基材としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、セロハンなどのプラスチックからなるプラスチックフィルム;クラフト紙、和紙等の紙;天然ゴム、ブチルゴム等からなるゴムシート;ポリウレタン、ポリクロロプレンゴム等を発泡させてなる発泡体シート;アルミニウム箔、銅箔等の金属箔;これらの複合体などが挙げられる。また、これらはその片面又は両面にコロナ処理などの表面処理が施されていてもよい。
剥離性シート状基材は、セパレーターとも言われ、このような剥離性シート状基材としては、例えば、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙、ポリエチレン等のフィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体等の樹脂を塗布した紙、ポリエステルやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム等に、剥離剤であるフッソ樹脂やシリコーン樹脂等を塗布してなるものが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明の粘着シートは、種々の方法で得ることができる。
例えば、非剥離性シート状基材の一方の面に粘着剤溶液を塗布・乾燥し、形成された粘着剤層の表面に剥離性シート状基材を重ねたり、あるいは剥離性シート状基材の一方の面に粘着剤溶液を塗布・乾燥し、形成された粘着剤層の表面に非剥離性シート状基材を重ねたりすることによって得ることができる。
粘着剤溶液を種々のシート状基材に塗布する際に用いる塗布装置は、通常使用されている塗布装置であり特に限定されるものではないが、例えば、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング、ブレードコーターなどが挙げられる。
また、乾燥条件は、乾燥時に粘着剤溶液の溶剤が乾燥し除去され、かつ、共重合体(a)が有する官能基と架橋剤とが反応し、架橋構造が形成され得る条件であればよい。例えば、60〜120℃、1〜5分程度が好ましいが、これに限定されるものではない。乾燥後、シート状基材で粘着剤層を挟んだ状態で熟成し、さらに架橋反応を進行させることができる。
本発明の粘着シートにおいて、乾燥後の粘着剤層の厚みは、1〜200μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
次に、本発明の実施例を示して更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中、部とは重量部、%とは重量%をそれぞれ意味するものとする。
(実施例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート78部、iso-ブチルメタクリレート10部、メチルアクリレート5部、2−エチルへキシルアクリレート2.5部、アクリル酸3.4部、酢酸ビニル1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、酢酸エチル72部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.13部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約30%、重量平均分子量Mw約72万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートL」、不揮発分濃度75%)0.75部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を市販のセパレーター上に乾燥塗膜厚さが30μmになるように塗布し、100℃−2分間で乾燥させ、この粘着剤層面とポリエステルフィルム(商品名「東洋紡エステル」、厚さ50μm、東洋紡株式会社製)を貼り合わせて粘着シートを作製した。
(実施例2)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート68.9部、iso-ブチルメタクリレート15部、メチルアクリレート5部、2−エチルへキシルアクリレート5部、アクリル酸4部、酢酸ビニル2部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、酢酸エチル67部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.13部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約30%、重量平均分子量Mw約75万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートL」、不揮発分濃度75%)0.75部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例3)
イソシアネート架橋剤に代えて、金属キレート架橋剤としてアルミニウムトリス(アセチルアセテート)0.11部を用いたこと以外は、実施例2と同様にして粘着剤溶液を調製し、粘着シートを作製した。
(実施例4)
イソシアネート架橋剤に代えて、エポキシ架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン0.021部を用いたこと以外は、実施例2と同様にして粘着剤溶液を調製し、粘着シートを作製した。
(実施例5)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート68.9部、iso-ブチルメタクリレート20部、2−エチルへキシルアクリレート5部、アクリル酸4部、酢酸ビニル2部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、酢酸エチル67部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.13部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約30%、重量平均分子量Mw約75万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、エポキシ架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン0.021部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート82.3部、メチルメタクリレート5.7部、メチルアクリレート5部、2−エチルへキシルアクリレート2.5部、アクリル酸3.4部、酢酸ビニル1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、酢酸エチル72部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.13部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約30%、重量平均分子量Mw約73万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、エポキシ架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン0.021部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例2)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート70部、エチルアクリレート19.9部、アクリル酸10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、酢酸エチル100部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.13部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約30%、重量平均分子量Mw約90万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、エポキシ架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン0.021部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例3)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート74.9部、normal-ブチルメタクリレート21部、2−エチルへキシルアクリレート5.9部、アクリル酸4部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、酢酸エチル67部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.13部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約30%、重量平均分子量Mw約77万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、エポキシ架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン0.021部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例4)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート79.5部、iso-ブチルメタクリレート5部、2−エチルへキシルアクリレート3部、メチルアクリレート9部、アクリル酸3.4部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、酢酸エチル82部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.13部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約30%、重量平均分子量Mw約78万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、エポキシ架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン0.021部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例5)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート70部、iso-ブチルメタクリレート10部、メチルアクリレート5部、2−エチルへキシルアクリレート2.5部、アクリル酸3.4部、酢酸ビニル1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、トルエン120部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.25部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約30%、重量平均分子量Mw約21万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、エポキシ架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン0.04部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例6)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート78部、iso-ブチルメタクリレート10部、メチルアクリレート5部、2−エチルへキシルアクリレート2.5部、アクリル酸3.4部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、アセトン20部、酢酸エチル13部、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.1部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で8時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、不揮発分濃度約10%、重量平均分子量Mw約150万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液100重量部に、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートL」、不揮発分濃度75%)0.3部を添加して均一に撹拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例7)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に2−エチルへキシルアクリレート55部、iso-ブチルメタクリレート43部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部からなるモノマー混合物をアニオン系反応性乳化剤(第一工業製薬株式会社製「アクアロンBC−2020」)2.5部と水144部で乳化して得られた乳化物を入れ、2時間窒素置換した。次いで、55℃に昇温した後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロクロライド0.03部を入れ8時間重合した。その後、室温まで冷却し10%アンモニア水で中和してアクリル系共重合体分散液を得た。このアクリル系共重合体分散液の固形分100重量部に対して、水溶性エポキシ系架橋剤(ナガセ化成工業株式会社製「デナコールEX−614B」)を、エポキシ基の数が、アクリル系共重合体中のカルボキシル基の数と等量になるように2.4部添加して水分散型粘着剤組成物を調製した。
得られた粘着剤組成物を用い、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
表1中の共重合体(a)を構成する共重合性モノマーの種類を下記の略号で示した。
BA:normal-ブチルアクリレート(分子量=128、ホモポリマーのTg=−54℃)
iBMA:iso-ブチルメタクリレート(分子量=142、ホモポリマーのTg=67℃)
nBMA:normal-ブチルメタクリレート(分子量=142、ホモポリマーのTg=20℃)
EA:エチルアクリレート(分子量=100、ホモポリマーのTg=−22℃)
MA:メチルアクリレート(分子量=86、ホモポリマーのTg=8℃)
MMA:メチルメタクリレート(分子量=100、ホモポリマーのTg=105℃)
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート(分子量=184、ホモポリマーのTg=−85℃)
VAC:酢酸ビニル(分子量=86、ホモポリマーのTg=29℃)
AA:アクリル酸(分子量=72、ホモポリマーのTg=106℃)
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル(分子量=116、ホモポリマーのTg=−15℃)
〔重量平均分子量〕
GPCの測定でもとめたポリスチレン換算の重量平均分子量であり、測定条件は以下のとおりである。
装置:東ソー社製 HCL8820GPC
カラム:東ソー社製 TSKgel GMHXL3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.2wt%
試料注入量:100μl
〔ガラス転移温度(Tg)〕
本発明におけるアクリル系共重合体のTgは下記の式[I]により理論的に導かれる。
Tg=[M1/(M1+M2+・・・・+Mn)×Tg1]+[M2/(M1+M2+・・・・+Mn)×Tg2]+・・・・+[Mn/(M1+M2+・・・・+Mn)×Tgn] [I]
ただし、M1=(モノマー1の重量%)/(モノマー1の分子量)、Tg1:モノマー1のホモポリマーのガラス転移温度(℃)、
M2=(モノマー2の重量%)/(モノマー2の分子量)、Tg2:モノマー2のホモポリマーのガラス転移温度(℃)、
Mn=(モノマーnの重量%)/(モノマーnの分子量)、Tgn:モノマーnのホモポリマーのガラス転移温度(℃)。
(ここに、共重合に供するモノマーの全量を100重量%とする。)
〔粘着シートの物性測定〕
実施例、比較例で得られた粘着シートについて、23℃−50%RHの雰囲気下で7日間経過させ、粘着剤層を熟成した後、以下に示す試験をおこなった。結果を表1に示す。
〔粘着力〕
JIS Z 0237に準拠しておこなった。各粘着シートから幅25mmの試験片を切り出し、セパレーターを剥がし、5℃又は23℃−50%雰囲気下でステンレス板に貼付し、それぞれ同環境下に20分おいた後、それぞれ同環境下で、引張試験機によって300mm/分の引張速度で180°の角度で剥離した際の剥離強度(N/inch)を測定した。
〔保持力〕
各粘着シートから幅25mmの試験片を切り出し、セパレーターを剥がし、ステンレス板に貼付し(貼着面積:25mm×25mm)、80℃の環境下で、試験片に1Kgの荷重を掛け、1時間放置し、貼着位置のズレを測定した(mm)。1時間以内に落下した場合は、落下するまでの時間を求めた。
〔ボールタック〕
JIS Z 0237に準拠しておこなった。粘着シートの傾斜角は30°とし、23℃−50%雰囲気下で測定した。
凝集力の評価方法として、保持力とは別に応力−歪み曲線測定を行い粘着剤層の塗膜強度を測定した。一般に歪みに対する応力値が大きい程塗膜の強度が大きい。つまり応力値が大きい程粘着剤層の凝集力が大きいことが一般に知られている。
[応力−歪み曲線測定用サンプルの作製]
実施例及び比較例で作製した粘着剤溶液、粘着剤分散液を市販のセパレーター上に乾燥塗膜厚さが30μmになるように塗布し、100℃−2分間で乾燥させ、この粘着剤層面と市販のセパレーターを貼り合わせて粘着シートを作製した。23℃−50%RH雰囲気下で7日間熟成した後、粘着剤層を積層し、厚み120μmの粘着剤層のみから成る試験サンプルを得た。
[応力−歪み曲線の測定]
引っ張り試験機(EZTest、島津製作所製)に、得られた試験サンプル(粘着剤層のみからなる試験サンプル)を、幅20mm、標点距離25mmに調整し固定させ、23℃−50%RHの測定雰囲気下で100mm/minで引っ張ることにより得られる600%歪み時の応力値(N)を求めた。
[打ち抜き加工性]
抜き加工機TH−2000(望月製作所製)を用いて、粘着シートを直径10mmの円形にて50ショット連続的に打ち抜き加工をおこない、打ち抜き加工性を評価した。
打ち抜き加工性の評価基準を以下に示す。
○・・・刃に糊が付着せず、打ち抜いた円形部分の剥離紙をきれいに軽く剥離できる。
△・・・刃に糊が付着する、または打ち抜いた円形部分の剥離紙を剥離する際に少し抵抗がある。
×・・・刃に糊が非常に付着する、または打ち抜いた円形部分の剥離紙を剥離する際の抵抗が大きい。
〔カッティング性〕
カッティングマシン(ミマキ社製CG−50)で粘着シートを1文字の大きさが30mm角の大きさで「東洋インキ製造」とポリエステルフィルム側からカットし、めくれ現象(ポリエステルフィルムの浮きまたはめくれの有無)を確認し、次いで、カット後1日後のかす取り(文字以外の不要部除去作業)をおこなった。
めくれ現象の評価基準を以下に示す。
○・・・めくれ現象が無かった。
△・・・軽微なめくれ現象が有ったが、実用レベルであった。
×・・・めくれ現象があった。
かす取り性の評価基準を以下に示す。
○・・・全ての文字パターンが残る。
△・・・一部文字パターンが残らない。
×・・・ほとんどの文字パターンが残らない。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2007138015
表1から、iso-ブチルメタクリレートを必須成分とする特定の共重合体を含有する本発明の粘着剤を使用した粘着シートは、応力−歪み曲線の物性結果から見て分かるように、iso-ブチルメタクリレートの使用量の増加に伴い塗膜の強度が向上している。その結果、打ち抜き加工性、カッティング性が良好であり、粘着力も良好な値であることがわかる。
比較例1、3は、実施例1で用いられた共重合体と同程度のTgを有するものではあっても、iso-ブチルメタクリレートを含有しないモノマーのみから形成された共重合体を含有する粘着剤を使用する場合である。実施例1と比較例1、3とを比較して分かるように、Tgによる効果ではなく、iso-ブチルメタクリレートを含有するモノマー混合物から形成された共重合体を含有する粘着剤を使用することが、打ち抜き加工性、カッティング性の向上に寄与する。
また、iso-ブチルメタクリレートを含有するモノマー混合物から形成された共重合体ではあっても、比較例5に示すように重量平均分子量が小さ過ぎると、打ち抜き加工性、カス取り性が劣る。一方、iso-ブチルメタクリレートを含有するモノマー混合物から形成された共重合体ではあっても、比較例6に示すように重量平均分子量が大きすぎると、カス取り性は良好ではあるが、めくれ現象が不良であったり、粘着力が低下してしまったりし、実用レベルの物性を得ることができないのが分かる。

Claims (2)

  1. モノマーの全量100重量%中iso−ブチルメタクリレート8〜35重量%と他の共重合性モノマーとを共重合してなり、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方を有し、重量平均分子量が40万〜120万である共重合体(a)と、カルボキシル基又は水酸基の少なくとも一方と反応し得る官能基を有する架橋剤とを含有する粘着剤。
  2. シート状基材の少なくとも一方の面に、請求項1記載の粘着剤から形成される粘着剤層が積層されてなる粘着シート(但し、シート状基材として、ポリエステル系フィルムを用い、その両面に前記粘着剤層が積層されてなる場合を除く。)。

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