JP4700470B2 - 増幅器 - Google Patents

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本発明は増幅器に係り、特にドハチィ増幅器を用いて電源効率を向上した増幅器に関する。
従来、CDMA信号やマルチキャリア信号のような符号多重あるいは周波数多重された無線周波信号を電力増幅する場合、歪補償手段を付加した共通増幅器を用い、共通増幅器の動作範囲を飽和領域付近まで広げることで低消費電力化を図っていた。歪補償手段として、フィードフォワード歪補償やプリディストーション歪補償などがあるが、歪補償だけでは低消費電力化に限界が近づいている。そのため近年、高効率増幅器としてドハチィ増幅器が注目されている。
図1は従来のドハチィ増幅器1の構成図である。
入力端子から入った信号は、分配器2で分配される。
分配された一方の信号は、キャリア増幅回路4に入力される。キャリア増幅回路4は、増幅素子42の入力側と整合を取る入力整合回路41と、増幅素子42と、増幅素子42の出力側と整合を取る出力整合回路43から構成されている。キャリア増幅回路4の出力は、伝送線路(λ/4変成器)61でインピーダンス変換される。
分配されたもう一方の信号は、移相器3で位相を90度遅らされ、ピーク増幅回路5に入力される。ピーク増幅回路5は、キャリア増幅回路4と同様に、入力整合回路51と、増幅素子52と、出力整合回路53から構成されている。
伝送線路61及びピーク増幅回路5の出力はノード(合成点)62において合成される。合成された信号は、出力負荷Z0に整合するため、λ/4変成器7でインピーダンス変換される。伝送線路61とノード62とを合わせて、ドハチィ合成部6と呼ぶ。
λ/4変成器7の出力は出力端子を介して出力負荷8に接続される。
キャリア増幅回路4とピーク増幅回路5は、増幅素子42がAB級にバイアスされ、増幅素子52がB又はC級にバイアスされている点で異なる。そのため、増幅素子52が動作する入力までは増幅素子42は単独で動作し、増幅素子42が飽和領域に入る、すなわち増幅素子42の線形性が崩れ始めると、増幅素子52が動作し始め、増幅素子52の出力が負荷に供給され、増幅素子42とともに負荷を駆動する。このとき増幅出力整合回路43の負荷線は、後述するように高い抵抗から低い抵抗へ移動するが、増幅素子42は飽和領域にあるので効率は良い。
入力端子からの入力が更に増加すると、増幅素子52も飽和し始めるが、増幅素子42、52ともに飽和しているのでこのときも効率は良い。
図2は、図1のドハチィ増幅器に係る理論上のコレクタ効率ないしドレイン効率を示す図である。なおここでいうコレクタ効率とは、コレクタに印加される電源の電圧(直流)とその電源から供給される電流(直流)の積に対する、コレクタから取り出せる無線周波出力電力の割合の意味であり、ドレイン効率についても同様である。
図2の横軸はバックオフであり、増幅素子42、52の両方が飽和する入力端子への入力レベル、即ちコンプレッションポイントを0dBとし、入力レベルがコンプレッションポイントに対しどれだけ余裕があるかを示す数値である。
図2において、点線は、一般的なB級増幅器の効率を示し、実線は、簡単なモデルにおけるドハチィ増幅器の効率を示している。
入力レベルがA区間にあるときは、基本的にキャリア増幅回路4のみ動作する。バックオフが6dBになる付近でキャリア増幅回路4は飽和し始め、効率はB級増幅器の最大効率付近まで達する。ドハチィ増幅器の最大出力をP0でとすると、このときキャリア増幅回路4の出力は約P0/4である。
バックオフが6dB以下のB区間では、入力レベルが増加するに従い、キャリア増幅回路4の出力は約P0/4からP0/2へ増加し、ピーク増幅回路5の出力はほぼ0からP0/2へ増加する。このときキャリア増幅回路4及びピーク増幅回路5の出力電力の和は、入力端子への入力電力に対し、A区間のときと同じ比例定数で比例する。つまり、キャリア増幅回路4のA区間における特性をそのまま延長したような良好な線形性が得られるように設計される。ピーク増幅回路5が動作し始めると効率は一旦低下するが、ピーク増幅回路5も飽和し始めるコンプレッション点で再びピークを迎える。コンプレッション点において、キャリア増幅回路4とピーク増幅回路5の出力は等しくなる。
一般に、CDMA信号やマルチキャリア信号は高いピークファクタ、すなわちピーク電力と平均電力の比を有するが、通常の増幅器では7〜12dBのピークファクタに対応できるように、コンプレッション点からその分を下げた点を平常時の動作点としている。
図1に戻り、各部のインピーダンスを説明する。出力負荷Z0は一定に規定されているので、これを起点とする。ノード62からλ/4変成器7をみたインピーダンスZ7は、λ/4変成器7の特性インピーダンスをZ2とすると、
7=Z2 2/Z0
となる。
出力整合回路43から伝送線路61をみたインピーダンスZ4は、A区間においては出力整合回路53の出力インピーダンスが実質的に無限大となるために上記と同様に求まり、C区間においては負荷を等しく分担するため、伝送線路61の負荷インピーダンス(ノード62での増幅回路4の寄与分)と整合回路53の負荷インピーダンスがそれぞれ2Z7となるので、
Figure 0004700470
Figure 0004700470
となる。ただし伝送線路61は、一定の特性インピーダンスZ1を有し、線路長はλ/4とする。B区間において、Z4及びZ5は、A区間の時の値とC区間の時の値との間をそれぞれ遷移する。
ドハチィ増幅器を周波数の高い領域に応用したときは、上記の説明より、以下の説明のほうが理解しやすいかもしれない。
すなわち、Z4は入力信号レベルの小さいとき(A区間)のインピーダンス値に対し、入力信号レベルが大きいとき(C区間)には1/2倍大きくなり、別の言い方をすれば2倍の負荷変動を起こす。例えば、Z7=25Ω、Z1=50Ωとすると、Z4は100〜50Ωの間で変化する。従って増幅素子42の負荷インピーダンスも変動している。
上述した従来のドハチィ増幅器の他に、特にキャリア増幅回路に対してドレイン電流に応じてゲートバイアス電圧を制御することで、特性の劣化を補償したドハチィ増幅器が知られる(例えば特許文献1参照。)。
またドハチィ増幅器を構成する各増幅回路を、2以上のステージで構成したものが知られる(例えば特許文献2参照。)。
また高調波成分を打ち消すように合成する増幅器が知られる(例えば特許文献3参照。)。
特開2004−260232号公報 特開2004−173231号公報 特公平6−82998号公報
しかしながら従来のドハチィ増幅器では、大きな利得の共通増幅器を構成するために単に増幅器を多段接続すると、分配器2の分配損失が大きく、電源効率(電源付加効率)が良くならないという問題があった。
図3は、2段構成の共通増幅器の構成図である。プリアンプ9で増幅された信号は分配器2で2つに等電力分配されるが、この事は3dB損失を意味している。すなわち、入力インピーダンスは入力レベルにより複雑に変化するので、分配された電力が全て有効に利用されることは期待できない。少なくともA区間においてピーク増幅回路に分配された電力は全て無駄になる。つまりピーク増幅器へ分配された電力はほとんど反射され、反射波は通常、図示しないアイソレータ等や、分配器2がウィルキンソン型だとすると図示しないダミー抵抗で消費される。また、B区間においても一部は反射する。しかしながら入力レベルが増加すると、B、C級の増幅回路の出力電力は徐々に増加して行くと共に反射電力も少なくなるので、ドハチィ合成はA領域のゲインを保ったまま(つまり線形性を保ったまま)行うことができる。
従って、分配器2において3dB程度の損失は見込む必要があり、これを以後、分配器2の分配損失と称する。
図4は、ドハチィ増幅器の電力分担を説明するグラフである。上述の分配損失3dBが無い場合に相当するキャリア増幅回路4の単体の入力電力−出力電力特性も合わせて記載してある。ピーク増幅回路5の出力はバックオフ6dB付近から急激に立ち上がり、バックオフ6dB以下のB区間ではキャリア増幅回路4とピーク増幅回路5で負荷を分担していることを示している。キャリア増幅回路4単体と比べるとドハチィ増幅器の出力は、分配損失による利得等の低下の影響が大きいことが判る。
以下に、現実的なプリアンプ9及びドハチィ増幅器1の諸元を想定した、共通増幅器の付加効率(Power Added Efficiency)の算出を図3を参照しつつ説明する。共通増幅器のバックオフは標準的な値(7〜10dB)とし、従ってA区間での動作となり、ピーク増幅回路5への入力電力は全て反射して消費されるものとする。また、プリアンプ9はドハチィでない通常のAB級増幅器とする。
ドハチィ増幅器1の諸元を以下のようにする。
出力:20W
利得:9dB(分配損失を含む)
コレクタ効率:35%
入力:2.5W
プリアンプ9の諸元を以下のようにする。
出力:2.5W(20Wより9dB低い)
利得:12dB
コレクタ効率:20%
入力:0.156W
従って、
ドハチィ増幅器の消費電力:20/0.35=57.1W
プリアンプの消費電力:2.5/0.2=12.5W
共通増幅器の付加効率:(20-0.156)/(57.1+12.5)=27.5%
このように、ドハチィ増幅器のコレクタ効率を35%と向上させても、共通増幅器としての全体の効率は27.5%と低下してしまう。
あるいは、単体のドハチィ増幅器を従属接続する方法も考えられるが、ドハチィ増幅器は移相器3やドハチィ合成部6を有し、非常に大きな周波数特性を持つので、多段接続すると性能の劣化が避けられない。
本発明は、上述した背景からなされたものであり、利得が大きく、付加効率がドハチィ増幅器のコレクタ効率に匹敵する増幅器を提供することを目的とする。
入力信号を少なくとも2つに分配する分配器と、
分配された信号のそれぞれを増幅する第1のプリアンプ及び第2のプリアンプと、
前記第1のプリアンプの出力を増幅するキャリア増幅回路と、
閾値レベルを超える前記第2のプリアンプの出力を増幅するピーク増幅回路と、
前記キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の出力を合成するドハチィ合成部と、を有する増幅器。
入力信号を2つにほぼ等しく分配する分配器と、
分配された信号の一方を増幅するAB級にバイアスされた第1のプリアンプと、
分配された信号の他方を増幅するAB級またはB級またはC級にバイアスされた第2のプリアンプと、
AB級にバイアスされ、前記第1のプリアンプの出力を少なくとも閾値以下のレベルに対しては線形増幅するキャリア増幅回路と、
B級またはC級にバイアスされ、前記第2のプリアンプの出力を少なくとも前記閾値以上のレベルに対しては増幅するピーク増幅回路と、
前記キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の出力を合成するドハチィ合成部と、を有する増幅器。
好適には、前記閾値は、前記増幅器のコンプレッションポイントから約6dB小さい値に対応し、
前記第1及び第2のプリアンプは、出力の歪量が互いに異なり、
前記ピーク増幅回路と前記キャリア増幅回路は、電力増幅用として同型の半導体デバイスをそれぞれ1つのみ有するとともに、ほぼ等しい飽和出力レベルを有し、
前記ドハチィ合成部は、λ/4以外の電気長の伝送線路を用いてインピーダンス変換を行うことを特徴とする増幅器。
入力信号をn個に分配する分配器と、
分配された信号の一方を増幅するAB級にバイアスされた第1のプリアンプと、
分配された信号の他方を増幅するAB級またはB級またはC級にバイアスされた第2からn個のプリアンプと、
AB級にバイアスされ、前記第1のプリアンプの出力を少なくとも閾値以下のレベルに対しては線形増幅するキャリア増幅回路と、
B級またはC級にバイアスされ、前記第2からn個のプリアンプの出力を少なくとも前記閾値以上のレベルに対しては増幅する2からn個のピーク増幅回路と、
前記キャリア増幅回路と前記2からn個のピーク増幅回路の出力を合成するドハチィ合成部と、を有する増幅器。
更には、前記第2から第nのプリアンプは夫々多段構成され、各段を構成する増幅器のうち少なくともフロントエンドがC級にバイアスされる。
本発明にかかる増幅器によれば、増幅器を多段構成にするときにレベルの小さいうちに分配して分配損失抑えることで、増幅器全体の電源効率をドハチィ増幅器のコレクタ効率に近づけることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。また、本実施形態の機能又は構成の全ての組み合わせが本発明に必須であるとは限らない。
また本発明は、明細書中で引用される本願と同一出願人による先の特許出願の記載と組み合わせて実施することを妨げない。
図5は、実施例1に係る共通増幅器の構成図である。図5の共通増幅器はプリアンプを分配器2の後に別個に設けた点で従来と異なり、同一の符号が付された構成要素については、従来との性能比較を容易にするため、諸元も含め完全に図3と同一とする。
1’は、ドハチィ増幅器(終段部)であり、従来のドハチィ増幅器から分配器2と移相器3を除いた残りの部分に相当する。
2は、入力端子に入力された信号を分配する分配器である。分配器2は、例えば配線板上に形成されたウィルキンソン分配器等である。
3は、移相器であり、原理的には伝送線路61に相当する遅延(位相)を発生する。移相器3は合成を同相で行うために、プリアンプ91及びキャリア増幅回路4と、プリアンプ92及びピーク増幅回路5との間の遅延時間差(位相差)も吸収させるものであり、伝送線路61の遅延(位相)と異なることもある。移相器3は遅延(移相)量を電気的に可変できるものであっても良い。
91は、分配された入力信号の一方を増幅して出力するプリアンプである。プリアンプ91はAB級でバイアスされ、キャリア増幅回路4の入力として要求される線形性を満たす。プリアンプ91のバックオフは、例えばキャリア増幅回路4のそれとほぼ同等か若干大きく設計される。
92は、分配された入力信号のもう一方を増幅して出力するプリアンプである。プリアンプ92はC級でバイアスされ、ピーク増幅回路5の入力として要求される線形性を満たす。そのため、プリアンプ91と92の出力は同一とは限らない。
4は、プリアンプ91で増幅された信号を増幅するキャリア増幅回路である。
5は、プリアンプ92で増幅された信号を増幅するピーク増幅回路である。プリアンプ91、92やキャリア増幅回路4、ピーク増幅回路5で用いられる増幅素子は通常、LD−MOS(Lateral Double-diffused MOS)、GaAs−FET、HEMT、HBT等の半導体デバイスである。キャリア増幅回路4及びピーク増幅回路5で用いる増幅素子はほぼ同一の緒元のデバイスでも良い。
61は、インピーダンス変換を行うための伝送線路である。λ/4変成器として構成するのが一般的ではあるが、それに束縛されず、長さl=0〜λ/2或いはそれ以上の電気長(実効的な線路長)を有し、その特性インピーダンスZ1は2Z7=2Z22/Z0としてもよい。これに関する設計法は、特願2004−322092に記載のものと同様である。ただし、本実施例では性能比較のため、従来どおりλ/4変成器とする。
62は、キャリア増幅回路4及びピーク増幅回路5の出力を伝送線路61を介して合成するノード(合成点)である。
7は、ノード62から見たインピーダンスZ7を出力負荷Z0に変換するλ/4変成器である。λ/4変成器7は、その特性インピーダンスZ2に相当する線幅、及びλ/4に相当する長さを有する導体パターンとして配線板上に形成させても良い。λ/4変成器を用いることにより比較的広い周波数範囲で整合が取れるが、整合さえ取れればλ/4変成器以外の整合手段を用いても良い。
次に、図5の共通増幅器の付加効率を評価する。各回路の特性は、従来の図3と共通であり、共通増幅器としては入力レベルが同じであれば同じバックオフで同じ出力が得られるものとし、比較のために共通増幅器としての入出力レベルは同じとする。ただし、プリアンプ91はAB級、プリアンプ92はC級の構成とし、効率や利得は従来と等しくするが、出力レベルは従来より低い。
ドハチィ増幅器(終段部)1’の諸元を以下のようにする。
出力:20W
利得:12dB(分配器を取り除いたので3dB上昇)
コレクタ効率:35%
プリアンプ91の諸元を以下のようにする。
出力:1.25W
利得:12dB
コレクタ効率:20%
入力:0.078W
プリアンプ92は、7〜10dBのバックオフ使用時には増幅動作せず、電力も消費しない。プリアンプ91とキャリア増幅回路4との整合は良好であり、損失はほとんど無い。また、A区間においてピーク増幅回路5のルートに分配される無駄な電力が、従来の1.25Wから0.078Wに減少していることに注意されたい。
従って、
ドハチィ増幅器の消費電力:20/0.35=57.1W
プリアンプ91、92の消費電力:1.25/0.2=6.25W
共通増幅器の付加効率:(20-0.156)/(57.1+6.25)=31.3%
となり、従来の図3と比べ、電源効率が2.8%も向上する。
以上説明した共通増幅器は、キャリア増幅回路4とピーク増幅回路5の飽和出力が等しいものとしたが、これに限らず異ならせても良い。また従属接続する段数は2段に限らず、それ以上の段数にすれば、効率改善の効果を維持したまま利得を向上することができるのは明らかである。その場合、ピーク側のプリアンプは全部C級としてもよいが、入力側に近い方だけをC級にしてもよい。
また、キャリア増幅回路4やピーク増幅回路5の利得や位相の調整は、負荷分担やドハチィ増幅器の性能の最適化に重要であるが、そのような調整回路(PINダイオードや可変容量ダイオードを用い電子的に可変できるものを含む)を設ける場合になるべく前段のプリアンプ(例えば分配後の最初のプリアンプ)に設けると、調整回路における損失を抑えつつドハチィ増幅器の性能を向上させることができる。
また、共通増幅器を構成する個々の増幅回路のバイアスは固定的なものに限らず、アクティブバイアスコントロールされてもよい。つまり、(特にA区間の)任意のレベルの時に、ピーク増幅回路5用のプリアンプのいずれかがC級バイアスされ実質的にオフ状態になるものであれば本発明は適用され得る。
また、以上の説明で用いたA級乃至C級という表現は、単にバイアスの深さ(アイドル電流の量)を表したものであり、出力整合回路の構成に依存するその他の動作級(例えばF級)への応用を妨げるものではない。
図6は、実施例2に係る共通増幅器の構成図である。本実施例は、ドハチィ増幅器が3個の増幅回路の出力を合成するように構成した点で前述の実施例1と異なる。なお、実施例1と同一の符号を付した構成要素は、実施例1のそれと変わらないので、説明を省略する。
21は分配器であり、入力信号を3分配する。
31は移相器であり、キャリア増幅回路4及びピーク増幅回路5からの出力と、ピーク増幅回路55からの出力を同相で合成するためのものである。
55は、第2のピーク増幅回路であり、構成はピーク増幅回路5とほぼ同様であるが、ピーク増幅回路5が動作し始める入力レベルよりも更に大きい入力レベルで動作し始めるように動作点(バイアス)が設定される。
63は、キャリア増幅回路4及びピーク増幅回路5からの出力と、ピーク増幅回路55からの出力とを伝送線路64を介して合成するノード(合成点)である。
64は、伝送線路であり、ほぼ直結となるような長さにしても良く、或いは、インピーダンス変換を行うための伝送線路61と同様に設計されてもよい。
91〜93はそれぞれ、第2から第4のプリアンプである。各増幅回路4、5、55の前段にプリアンプ91、92、93をそれぞれ挿入することにより、図示しないが図3のようにピーク回路やドライブ回路の分配前にプリアンプを挿入した3ウェイのドハティ増幅器に比べ、分配損失の絶対値が下がり付加効率は向上する。
図6の共通増幅器の動作を説明する。ピーク増幅回路55が動作しないような入力レベルのときは、入力端子からノード63までは図5と同様に動作し、ノード63においてキャリア増幅回路4及びピーク増幅回路5の合成出力が得られる。またピーク増幅回路55の負荷インピーダンスはほぼ無限大となっており、伝送線路64は、ノード63のインピーダンスを変換しノード62に伝送する。
ピーク増幅回路55が動作するような大きな入力レベルのときは、伝送線路64からみたノード62のインピーダンスが上昇するので、ノード63からみたインピーダンスも上昇し、伝送線路64を介して出力負荷8へ供給される電力が更に増加する。或いは、ピーク増幅回路55が動作し始める前後のレベルでの動作を、キャリア増幅回路4とピーク増幅回路5との合体を従来のキャリア増幅回路4と見立てることで同様に類推してもよい。
いずれにしてもノード63において、ピーク増幅回路55が動作したときに、キャリア増幅回路4及びピーク増幅回路5の合成出力を少なくとも減少させないような負荷変調が生じればよい。これにより、キャリア増幅回路4、ピーク増幅回路5及び55で共通増幅器の出力を分担する。
以上説明したように、各増幅部の前段にプリアンプ91〜93を設けたことにより、ピーク増幅回路5や55が動作しないときの分配損失の絶対値を大幅に下げることが可能となり付加効率は上昇する。
なお本実施例において、61から64で構成されるドハチィ合成部6’は、この構成のものに限らず、1つのノードで合成する方式のような種種の構成が考えられる。また合成数は3個に限らず、それ以上でも良い。また複数のプリアンプのうちのいくつかを1つにまとめて共用しても良い。
従来のドハチィ増幅器の構成図 図1のドハティ増幅器に係る理論上のコレクタ効率ないしドレイン効率を示す図 2段構成の共通増幅器の構成図 実施形態に係る共通増幅器の構成図 実施例1に係る共通増幅器の構成図
符号の説明
1 ドハチィ増幅器
2 分配器
3 移相器
4 キャリア増幅回路
5 ピーク増幅回路
6 ドハチィ合成部
61 伝送線路
62 ノード
7 λ/4変成器
8 出力負荷
9 プリアンプ

Claims (2)

  1. 入力信号を2つにほぼ等しく分配する分配器と、
    分配された信号の一方を増幅するAB級にバイアスされた第1のプリアンプと、
    AB級にバイアスされ、前記第1のプリアンプの出力を増幅するキャリア増幅回路と、
    分配された信号の他方を増幅する、前記キャリア増幅回路のみが動作する入力信号レベルにおいてオフ状態になるようにC級にバイアスされた第2のプリアンプと、
    B級またはC級にバイアスされ、前記第2のプリアンプの出力の閾値以上のレベルを増幅するピーク増幅回路と、
    前記キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の出力を合成するドハチィ合成部と、を有する増幅器。
  2. 入力信号をn個に分配する分配器と、
    分配された信号の一方を増幅するAB級にバイアスされた第1のプリアンプと、
    AB級にバイアスされ、前記第1のプリアンプの出力を増幅するキャリア増幅回路と、
    分配された信号の他方を増幅する、前記キャリア増幅回路のみが動作する入力信号レベルにおいてオフ状態になるようにC級にバイアスされた第2から第nのプリアンプと、
    B級またはC級にバイアスされ、閾値以上のレベルを有する前記第2から第nのプリアンプの出力を増幅する2からn個のピーク増幅回路と、
    前記キャリア増幅回路と前記2からn個のピーク増幅回路の出力を合成するドハチィ合成部と、を有する増幅器。
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