JP5217182B2 - 高周波増幅回路 - Google Patents

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本発明は高周波増幅回路に関し、更に詳しくは、入力信号を増幅するキャリア増幅素子と、前記入力信号のうちの振幅が所定以上となる該入力信号を増幅するピーク増幅素子とを備え、前記キャリア増幅素子と前記ピーク増幅素子の出力を合成して出力するドハティ型の高周波増幅器を備える高周波増幅回路に関する。
近年、広帯域なワイヤレスシステムが実用化されつつあり、その変復調システムには、直交する多数のキャリアを用いる直交周波数分割多重変調方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を採用することで、周波数利用率の高いシステムを実現しようとしている。
例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)に関する規格では、変調方式に直交周波数分割多重(OFDM)方式を用いており、各データが使用する周波数を時間で分ける方法を用いている。一方、モバイルブロードバンドシステムに関する規格では直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Muule Access)方式を用いており、OFDM方式の時間に加えてサブキャリアでも各データを分けられる。
このように多数のキャリアを用いるOFDM通信では、入力信号の振幅が瞬間的に大きく変動することから、信号波形のピーク電力対平均電力比(PAR)が非常に高くなるため、高いピーク出力電力を持つ電力増幅器を使うことで歪みを抑える必要がある。このとき、広いダイナミックレンジで線形性を保つために平均電力と飽和電力との差として与えられるバックオフを大きく取らねばならず、このために電力効率が大幅に低下してしまう。
このような電力効率の低下を緩和するものとして、従来よりドハティ(Doherty)型の
増幅器(以下、ドハティ増幅器と呼ぶ)が知られている。図5は従来技術を説明する図で、ドハティ増幅器の典型的な動作を示している。ドハティ増幅器は、A〜AB級で動作するキャリア(main)増幅器1と、C級で動作するピーク(auxiliary)増幅器4とを備え、キャリア増幅器1の入力よりもλ/4(90°)遅れた信号をピーク増幅器4に入力すると共に、キャリア増幅器1の出力をλ/4遅らせてピーク増幅器4の出力に合成する構成となっており、入力の信号電力を上げて行くとキャリア増幅器1が先に飽和動作を開始する。その際には、キャリア増幅器1の出力にインピーダンスR0のλ/4波長線路(インピーダンス変換器)を設けることで、キャリア増幅器1の見かけ上の負荷インピーダンスを変化させ、高い効率を実現している。
図5(A)は入力信号レベルが小さい場合を示しており、この場合はC級バイアスされたピーク増幅器4はOFF状態になっているため、その出力インピーダンスは∞(開放状態)であり、キャリア増幅器1のみが動作する。この状態では、負荷インピーダンス(R0/2)はインピーダンス変換器2の作用によりインピーダンス変換されるため、キャリア増幅器1の出力から見た負荷インピーダンスはR02/(R0/2)=2R0
となり、飽和電力は小さいが、高い効率が得られる。
図3(B)は入力信号レベルが大きい場合を示しており、入力信号電力レベルが大きくなると、キャリア増幅器1のみならず、ピーク増幅器4も動作開始して電力を出力すると共に、両者は並列に接続されているため、各増幅器1,4が見た負荷インピーダンスは共にR0になり、より大きい飽和電力が得られる。
しかし、同一サイズ(出力容量)のキャリア増幅器とピーク増幅器とを組み合わせても、電力増幅の幅広いい動作レンジが得られない。
この点、従来は、キャリア増幅器と、ピーク増幅器とに最大出力電力(サイズ)の異なるデバイスを用いると共に、ピーク増幅器の前段の位相調整器と後段のインピーダンス変換器とにより、キャリア増幅器からみた負荷インピーダンスRを減少させて電力増幅の最適動作を行わせ、ドハティ増幅器の電力増幅効率の高効率化及び高線形化を実現するものが知られている(特許文献1)。
特開2006−166141
しかし、ドハティ増幅回路で素子サイズの比を4以上にとると、キャリア増幅器が低い信号電力で飽和して高い効率を与えるが、そこから信号電力を上げて行くとピーク増幅器が飽和動作に至るまでの広い電力範囲で効率の極端な低下が起きるため、実用的ではなかった。特に、多チャネルの信号をダイナミックに多重するOFDMA通信では 入力信号電力が10dB以上容易に振れるため、更にバックオフ(即ち、素子サイズの比)を深くする必要があるが、更に効率の低下を招いてしまう。
図5()に従来の4−Way(素子サイズの比が4に相当)ドハティ増幅器の理論上の効率特性を示す。横軸はキャリア増幅器とピーク増幅器が共に飽和したときの入力信号レベルを0dBとし、それより入力を下げた時のバックオフ(dB)を表し、縦軸は効率(%)を表わす。図より分るように、4−Wayドハティ増幅器では12dBで最大効率が得られているが、それより入力信号レベルが増すところで効率は大幅に(−30%程度)低下している。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、最大信号レベルから相当程度低い信号電力が入力された時でも高い電源効率が得られるドハティ型の高周波増幅器を備える高周波増幅回路を提供することにある。
本発明の高周波増幅回路は、入力信号を増幅するキャリア増幅素子と、前記入力信号のうちの振幅が所定以上となる該入力信号を増幅するピーク増幅素子とを備え、前記キャリア増幅素子と前記ピーク増幅素子の増幅出力を合成して出力するドハティ型の高周波増幅器を備える高周波増幅回路において、主信号により所定の搬送波信号を変調して前記入力信号を形成する変調手段と、前記主信号の振幅に応じて前記所定の搬送波信号の振幅を変化させる振幅変調手段とを備え、前記高周波増幅器は、前記キャリア増幅素子よりも大きい出力容量の前記ピーク増幅素子を備え、該ピーク増幅素子はE級又はF級の出力回路を備えると共に、略C級の範囲で動作可能にバイアスされているものである。
本発明では、E級又はF級の出力回路を備えるピーク増幅素子を略C級の範囲で動作可能にバイアスする構成により、入力信号の振幅が比較的小さい時からでも、ピーク増幅素子では入力信号振幅に応じたパルス幅のパルス信号を生成する所謂パルス幅変調が高い線形性を保って行われることになり、これにより、入力信号の広いダイナミックレンジに渡って高い効率を維持できる。
また本発明では、主信号(即ち、入力信号)の振幅に応じてキャリア増幅器やピーク増幅器で生ずるような非線形歪みの分を、予め変調前の搬送波信号に対して主信号の振幅に応じた振幅補正を加える簡単な構成により最終の歪み補償を高速かつ適正に行える。従って、キャリア増幅出力とピーク増幅出力との間で常に適正な振幅合成が保て、よって、高い電力効率と線形性を維持できる。
好ましくは、前記ピーク増幅素子の出力容量が前記キャリア増幅素子の出力容量よりも7倍以上大きいものである。従って、OFDMA通信におけるように極めて広いダイナミックレンジを有する入力信号の増幅用途においても、高い電力効率と線形性を維持できる。
また好ましくは、前記キャリア増幅素子はB級に近いAB級にバイアスされている。従って、低レベルの入力信号を効率よく線形増幅可能である。
また好ましくは、前記ピーク増幅素子に加える電源電圧が前記キャリア増幅素子に加える電源電圧よりも高い。従って、大きい振幅の入力信号を効率よく増幅できる。
また好ましくは、前記キャリア増幅素子又はピーク増幅素子の出力を送信すべき距離に応じて該キャリア増幅素子又はピーク増幅素子の電源電圧を変化させる電圧制御手段を備える。従って、特に携帯端末等においては、基地局と遠い時にはキャリア/ピーク増幅素子の電源電圧を上げて、信頼性の高い通信を確保すると共に、基地局に近いときには電源電圧を下げることで、消費電力を節約し、こうしてバッテリ寿命を延ばせる。
また好ましくは、前記キャリア増幅素子に入力する入力信号の振幅を所定閾値でクランプするクランプ手段を備える。従って、キャリア増幅素子に過大な信号が入力されるのを阻止でき、キャリア増幅素子が破壊されるのを有効に防止できる。
以上述べた如く本発明によれば、マイクロ波やミリ波帯等における高周波信号を入力の広いダイナミックレンジにわたって効率よく増幅可能なため、例えば小型軽量な電池で長時間使用可能な移動機等を提供でき、また、固定局や基地局における通信装置の小型化、及び消費電力や発熱の削減に大きく寄与できる。
以下、添付図面に従って本発明に好適なる実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。図1は実施の形態による高周波増幅器の回路図で、ドハティ型の電力増幅器を示している。
図において、10はキャリア増幅器に入力する信号のディジタル信号処理を行うキャリア信号入力処理部、20はピーク増幅器に入力する信号のディジタル信号処理を行うピーク信号入力処理部、51,52はD/A変換器、30はキャリア入力信号を増幅するキャリア増幅器、Q1はキャリア増幅器を構成するFET等からなるキャリア増幅素子、31はキャリア増幅素子Q1の入力インピーダンスに整合するための整合回路、Ccはカップ
リングコンデンサ、C1は基本波成分の短絡用コンデンサ、32はキャリア増幅素子Q1に給電する給電回路(λ/4長スタブ)、40はピーク入力信号を増幅するピーク増幅器、Q2はピーク増幅器を構成するFET等からなるピーク増幅素子、41はピーク増幅素子Q2の入力インピーダンスに整合するための整合回路、C2は基本波成分の短絡用コンデンサ、42はピーク増幅素子Q2に給電する給電回路(λ/4長スタブ)、53,54は基本波成分を通過させるLC直列共振同調回路、55は特性インピーダンス50Ωでλ/4線路長のストリップ線路(インピーダンス変成器)、56は特性インピーダンス50のストリップ線路、RLは負荷抵抗(例えば50Ω)である。
上記の基本波成分とは、シングルキャリアの場合はその基本波成分を表し、またOFDM通信の場合はマルチキャリアをカバーする帯域成分を表す。また、キャリア信号入力処理部10やピーク信号入力処理部20における各種のディジタル信号処理機能はDSP(Digital Signal Processor)等により実現される。
一例のキャリア増幅素子Q1としてMESFET(例えばFSU02LG)を使用し、かつピーク増幅素子Q2としてMESFET(例えばPO120009P)を使用した。このキャリアFETQ1はP1dB=25dBm(250mW)までを出力可能であり、ピークFETQ2はP1dB=35dBm(略1W)までを出力可能である。ここで、P1dBとは、増幅素子のリニア特性が維持できなくなる出力電力から1dBバックオフしたところで出力可能な電力を表す。
キャリアFETQ1は、例えばドレイン電圧Vdd1=8Vの下で、B級に近いAB級にバイアスされ、B級相当で動作する。一方、ピークFETQ2は、例えばドレイン電圧Vdd2=10Vの下で、C級相当にバイアスされ、E級(又はF級)の出力回路と協動してE級(又はF級)相当のスイッチング動作を行う。この場合に、最大信号レベルから相当程度低い信号電力が入力された時にも高い電源効率を得るために、両FETQ1,Q2共にバイアス電流は小さく(実質0に)設定されている。この事により両FETQ1,Q2の出力信号は共に激しく歪み、高調波が発生する。この高調波については後述する。
信号源からの入力信号はキャリア信号入力処理部1とピーク信号入力処理部20とに入力する。一例の入力信号は所定周期で逆FFT処理されたディジタル信号であり、1サンプリングデータ当たり、チャネル多重数に応じた信号振幅の情報を含んでいる。キャリア信号入力処理部11では、図示しないが、入力信号中の所定閾値を超える振幅成分を該所定閾値にクランプすることで、キャリアFETQ1に過大な信号が入力されるのを防止するクランプ手段を備える。一方、ピーク信号入力処理部20では、入力信号の位相を90°±α遅延させたピーク入力信号を形成して出力する。この±αはピークFETQ2等における位相のずれを補償するためのものである。
係る構成により、入力信号が低レベルの場合はキャリア増幅器30のみが増幅動作を行い、増幅信号を出力する。この時、ピーク増幅器40ではピークFETQ2がカットオフしているため、消費電力は発生しないと共に、キャリア増幅器30の出力側に設けたλ/4長線路55のインピーダンス変換作用により、負荷側を見た見かけ上のインピーダンスは100/50=200Ωに変化しており、これによりキャリア増幅器30の電力効率を高めている。また、このλ/4長線路55は、キャリア増幅器30の増幅出力を90°遅らせることでピーク増幅器40の増幅出力に同相で合成する作用も有する。
一方、入力信号が所定レベル以上になると、ピークFETQ2が動作状態となって入力信号を増幅し、出力信号を発生する。この場合に、ピークFETQ2を広い信号電力範囲で高効率動作させるには、ピークFETQ2をE級増幅器に準じた状態でスイッチング動作させるのが有効である。本実施の形態では、これは次のように実現されている。
ピークFETQ2のドレイン端子に接続した給電線路42は、偶数次の高調波を接地するフィルタ機能を有しており、これによりFETQ2のドレイン端子では奇数次の高調波が基本波に重畳され、方形波に近い電圧波形が現れる。更に、この奇数次の高調波はドレイン−ゲート間の寄生容量を通して入力信号に重畳される。人出力間の信号の間係は以下の様に表される。
即ち、源入力信号vinは、
Figure 0005217182
で表され、ドレイン電圧波形vは、
Figure 0005217182
で表される。また、ゲート電圧波形vは、
Figure 0005217182
で表される。ここで、aは源入力信号の振幅、g,g,…は奇数次の高調波利得、gfb,gfb,…は高調波の帰還利得であり、これらの全ては正の量である。
上式により、ピークFETQ2のドレイン端子では基本波成分に同符号の奇数次高調波が重畳され、ゲート端子では基本波に逆符号の奇数次高調波が重畳される事がわかる。このため、ドレイン電圧波形vdは方形波に類したF級の動作となり、かつゲート電圧波形vgは三角波に類し、こうして、ピークFETQ2は入力信号振幅でパルス幅変調する働きを成すことになる。このため、ドレイン端子には入力信号振幅でパルス幅変調され方形波に類する電圧波形が現れることになり、級動作のように広い出力電力範囲での高い電源効率を享受する事ができる。
このように、ピークFETQ2では、入力信号中のゲートバイアスを超える成分が、ピークFETQ2を高速でスイッチングさせ、かつ十分に飽和させることができるため、高い電力効率が得られる。即ち、ピークFETQ2がオフのときは殆ど電流が流れないため損失は発生せず、かつ該FETQ2がオンのときはその電圧降下(ソース抵抗)が充分に小さいため、パワー損失は小さい。
更に、負荷側に接続したLC直列共振同調回路54は、基本波成分に対しては低いリアクタンス(例えば100Ω)を示すが、その他の高調波成分に対しては高いリアクタンスを示すため、基本波成分電流は直列共振同調回路54を通過して負荷抵抗Rに印加されるが,高調波電流は遮断される。このため、負荷抵抗RLには実質的に正弦波電流が流れ、こうして、負荷抵抗RLでは入力のシングルキャリア又はOFDMの信号波形が忠実に再生される。
このように、本実施の形態では、ピーク増幅素子Q2の出力容量(サイズ)をキャリア増幅素子Q1の出力容量(サイズ)の7倍以上としながらも、該ピーク増幅素子Q2を、その入力信号レベルが相当量小さい段階よりE級(又はF級)アンプに準じた状態でスイッチング動作させるため、入力信号レベルの広いダイナミックレンジに渡って高い効率と線形性を維持できる。
なお、入力信号レベルが高い区間ではキャリアFETQ1もピークFETQ2と同様にスイッチング動作することになるため、高い効率が得られる。
図2は実施の形態による高周波増幅器の入出力特性を示す図で、図の横軸は入力電力Pinを表し、縦軸は出力電力Pout及び、投入した直流電力PDCがどれだけマイクロ波電力Poutに変換されたかを表す電力付加効率PAE(power added efficiency)を表している。なお、電力付加効率ηは、
η=(Pout−Pin)/PDC
で定義される。また、図の実線は本実施の形態によるドハティ増幅器にシングルキャリア信号を加えた場合の特性を表し、点線はOFDM(マルチキャリア)信号を加えた場合の特性を表している。但し、OFDM信号については平均入力及び平均出力のパワーを表している。
本実施の形態では、入力信号電力Pinが−20dBm〜20dBmの範囲で増加する時、出力信号電力Poutは−10dBm〜30dBm弱の範囲で略リニアに増加している。一方、電力付加効率PAEについては、シングルキャリア信号では入力電力が略10dBmのところで約47%のピークをつけ、そこから15dBm以上の幅の入力範囲に渡って40%以上の高い効率を維持している。OFDM信号についても同様の特性が得られた。従って、相当量低い入力信号レベルから高い電力効率が得られると共に、そこから入力信号レベルが高まっても電力効率は殆ど低下する事がなく、最大の入力信号レベルまで高い効率を維持している。
このように、本実施の形態によれ、ピーク増幅素子Q2の出力容量(サイズ)をキャリア増幅素子Q1の7(又は10)倍以上としながらも、ピーク増幅素子Q2をE(又はF級)で動作させることにより、入力信号レベルの広いダイナミックレンジに渡ってドハティ増幅器としての高い電力効率と線形性を維持できる。
このため、例えばOFDM信号を用いた広帯域通信では、信号電力のPAR(peak average ratio)が10倍以上となるような信号を高効率で送信する事が可能となる。従って、基地局BS(base station)や移動局MS(mobile station)等に対して省電力、小型、低コスト、高信頼、低運用コストの利益を提供でき、特に、移動局MSに関してはこれに加えて電池の寿命延長、軽量化に大きく寄与できる。
図3は他の実施の形態による高周波増幅回路を説明する図(1)で、送信地域(目標)の遠近等に応じてキャリアFETQ1及びピークFETQ2に加えるドレイン電圧Vdd1,Vdd2を可変にする場合を示している。図において、電圧制御部11,21は送信地域に応じて入力される電圧制御信号に従ってキャリアFETQ1及びピークFETQ2に加えるドレイン電圧Vdd1,Vdd2を可変にする。例えば、送信距離が遠い場合はドレイン電圧Vdd1,Vdd2を上げ、送信距離が近い場合はドレイン電圧Vdd1,Vdd2を下げる。従って、本実施の形態による高周波増幅器を様々な通信環境に応じて効率よく運用できる。特に、携帯端末の電池寿命に与える影響が大きい。なお、基地局と端末局間の距離については、受信レベルの監視やCDMAにおける送信電力制御に伴い容易に検出することが可能である。
図4は他の実施の形態による高周波増幅回路を説明する図(2)で、入力信号振幅に応じてキャリア増幅器やピーク増幅器で生ずる非線形歪みや位相歪みの分を該各増幅器の入力信号に予め補正を加える事で高速かつ適正に補正する場合を示している。
本実施の形態による補正処理は、例えばディジタルシンセサイザ90とディジタル直交変調器93を用いて行う。図において、ルックアップテーブル(LUT)84は基準となるsin波形情報を時系列に記憶している。ディジタルシンセサイザ90はIF信号の1周期内の各時間情報をsin波LUT84に与えることで、該LUT84から正確なsin波形の情報を読み出す。
一方、OFDM通信に係る入力I,Q信号のうちの各上位複数(例えば3)ビットをピーク入力データとして絶対値回路(ABS)81により絶対値化して瞬時エンベロープ信号を生成すると共に、該エンベロープ信号を利得補正用LUT82と位相補正用LUT83とに入力し、それぞれから利得(gain)と位相(phase)の補正値を読み出す。更に、この読み出した各補正値で、位相補正部85及び利得補正部86により前記sin波LUT84から読み出したsin波形情報に対する位相回転(ROT)及び利得(gain)調整の処理を行い、得られた補正後の波形情報でシンセサイザ90内のRAMからなるLUT91の内容を書き換える。このLUT91はI,Q信号用に各4エントリー(4×over sampling) 程度の記憶容量を有する。これにより、入力信号の振幅に応じた位相及び振幅の補正が可能になる。
即ち、シンセサイザ90はLUT91に格納された補正後のsin波形情報を読み出すと共に、ディジタル直交変調器93では、増幅器入力のI,Q信号にLUT91出力のI’,Q’信号を乗算(I×I’、Q×Q’)し、かつ各乗算結果を加算(合成)して出力する。この出力信号はD/A変換器94でD/A変換され、フィルタ95でD/A変換出力波形が滑らかにされる。更に、フィルタ95の出力信号はロ−カル信号Lo2でアップコンバートされ、不図示のキャリア増幅器30又はピーク増幅器40に入力する。このように、本実施の形態では、OFDM信号に変更を加えるのではなく、送信する直交キャリアの位相と振幅を調整する方法をとっている。
なお、上記入力信号の補正は、キャリア増幅器30のみ又はピーク増幅器40のみ、或いはキャリア増幅器30及びピーク増幅器40双方の入力信号に対して行っても良い。この場合における、LUT82,LUT83の各補正内容は、例えば上記の各補正方法(構成)についてそれぞれに最適な合成出力が得られる様に、予め行った多数のシミュレーションや実験データ等に基づき、統計的処理により作成される。また、上記入力信号のエンベロープを出力する絶対値回路(ABS)81は、キャリア増幅器30とピーク増幅器40の各入力信号のそれぞれを補正する場合にも共通に使用できる。
本実施の形態によれば、キャリア増幅器、ピーク増幅器(又は、ドハティ増幅器)として必要な特性改善処理を、予め各増幅器の入力信号に対して行うため、入力信号の大幅な変動に対しても高速な対応が可能である。また、これ以外にも、半導体素子の特性に起因するアナログ回路や、高周波同調回路の非理想的な特性をディジタル信号処理により補正する事ができる。
なお、上記実施の形態では増幅素子に一例のFET(Field Effect Transistor)を使用した場合を述べたが、れに限らない。他のMOSFET,BJT(Bipolar Junction Transistor),HBT(Heterojunction Bipolar Transistor),HEMT(High Electron Mobility Transistor),MESFET(Metal-Semiconductor Field Effect Transistor)等を使用した場合でも同様に構成できる。
また、上記実施の形態ではピーク増幅素子Q2の出力容量(サイズ)をキャリア増幅素子Q1の出力容量(サイズ)の7〜10倍程度に選んだが、これに限らない。ピーク増幅素子の出力容量をキャリア増幅素子の出力容量の10倍〜1000倍程度に選んでも同様に構成できる。
また、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組合せの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
実施の形態による高周波増幅器の回路図である。 実施の形態による高周波増幅器の入出力特性を示す図である 他の実施の形態による高周波増幅回路を説明する図(1)である。 他の実施の形態による高周波増幅回路を説明する図(2)である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
10 キャリア信号入力処理部
20 ピーク信号入力処理部
30 キャリア増幅器
31,41 整合回路
40 ピーク増幅器
51,52 D/A変換器
53,54 直列共振同調回路
55 インピーダンス変成器
Q1 キャリア増幅素子(MESFET)
Q2 ピーク増幅素子(MESFET)

Claims (6)

  1. 入力信号を増幅するキャリア増幅素子と、前記入力信号のうちの振幅が所定以上となる該入力信号を増幅するピーク増幅素子とを備え、前記キャリア増幅素子と前記ピーク増幅素子の増幅出力を合成して出力するドハティ型の高周波増幅器を備える高周波増幅回路において、
    主信号により所定の搬送波信号を変調して前記入力信号を形成する変調手段と、
    前記主信号の振幅に応じて前記所定の搬送波信号の振幅を変化させる振幅変調手段とを備え、
    前記高周波増幅器は、前記キャリア増幅素子よりも大きい出力容量の前記ピーク増幅素子を備え、該ピーク増幅素子はE級又はF級の出力回路を備えると共に、略C級の範囲で動作可能にバイアスされていることを特徴とする高周波増幅回路。
  2. 前記ピーク増幅素子の出力容量が前記キャリア増幅素子の出力容量よりも7倍以上大きいことを特徴とする請求項1記載の高周波増幅回路。
  3. 前記キャリア増幅素子はB級に近いAB級にバイアスされていることを特徴とする請求項記載の高周波増幅回路。
  4. 前記ピーク増幅素子に加える電源電圧が前記キャリア増幅素子に加える電源電圧よりも高いことを特徴とする請求項記載の高周波増幅回路。
  5. 前記キャリア増幅素子又はピーク増幅素子の出力を送信すべき距離に応じて該キャリア増幅素子又はピーク増幅素子の電源電圧を変化させる電圧制御手段を備えることを特徴とする請求項記載の高周波増幅回路。
  6. 前記キャリア増幅素子に入力する入力信号の振幅を所定閾値でクランプするクランプ手段を備えることを特徴とする請求項又は記載の高周波増幅回路。
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