JP4686801B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解液を用いた二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、AV機器あるいはパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高い。この中でリチウムを活物質とする非水電解液二次電池はとりわけ高電圧、高エネルギー密度を有する電池として期待が大きい。
【0003】
最近は上述の電池の中でも、特に正極活物質にLiCoO2やLiNiO2、LiMn24等のリチウムに対して4V級の電圧を示すリチウム含有金属酸化物、負極材料にリチウムを吸蔵・放出できる炭素や金属酸化物、合金等を用いた電池が活発に研究されている。
【0004】
このような非水電解液二次電池の電解液の溶媒としては例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状エステル、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメトキシエタンなどの非環状エーテル、ジメチルカーボネートやプロピオン酸メチルなどの非環状エステルなどの非水溶媒を単独もしくは混合して用いるのが一般的である。
【0005】
近年は、携帯型情報端末機器(例えば携帯電話やノートパソコン)のみならず、電気自動車や電力貯蔵用など期待される用途が多岐にわたりその使用環境も過酷な条件が増えてきている。特に、電気自動車等の電源としての用途を考えた場合、電池は夏期には80℃以上の高温環境にさらされることも考えられる。そのような厳しい環境温度においても高い信頼性を有する電池が要望されている。上述した非水電解液二次電池では、高電圧においても電気分解されない非水溶媒を電解液に用いているが、高温環境下では特に正極活物質の酸化触媒能力が高くなるため、非水溶媒の酸化分解が正極表面上で起こる。その結果、電解液の組成が変化し、電解液の電導度低下がおこり、放電特性が劣化したり、分解生成物(例えば炭酸ガスなど)が気体として発生した場合は、電池が漏液する場合があった。特に、電解液の溶媒として非対称形の非環状カーボネート(例えばエチルメチルカーボネート)を含むか、もしくは少なくとも二種以上の非環状エステルの混合であって、非環状エステルの残基が総て同一である場合を除く(例えばジメチルカーボネートとジエチルカーボネートを含む、もしくはジメチルカーボネートとプロピオン酸エチルを含む場合)場合には、エステル交換によると考えられる放電特性の低下も見られた。
【0006】
上記のような電解液中の非水溶媒の分解という課題に対して従来、電解液に有機化合物を添加する技術が公開されている。例えば、特開平10−64591号公報には、酸化電位がリチウムに対して+3.8〜+4.3Vの範囲であり、特に電子供与基を置換基として持つジフェニルスルフィドやジフェニルエーテルを用いることにより、電池のサイクル特性の改善を図ることが開示されている。しかし、その場合も前述のような高温保存環境下では、十分な効果が得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するものであり、高温で保存しても高い信頼性を有する優れた電池を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を解決するためにリチウム含有酸化物を正極活物質とし、リチウム
の吸蔵・放出が可能な材料を負極とし、非水電解液とを用いた非水電解液二次電池において、前記非水電解液中に、(化2)で表される有機化合物を少なくとも1種類添加するものであって、(化2)で表される有機化合物が、非水電解液の総重量中、0.1〜20%の範囲で添加されるものである。これにより、高温で保存した後も電解液の組成が変化することなく、良好な充放電特性を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい形態について説明する。
【0010】
(1)リチウム含有酸化物を活物質とする正極、負極、および少なくとも1種の非対称形の非環状カーボネートを含むか、もしくは少なくとも二種以上の非環状エステルの混合であって、非環状エステルの残基が総て同一である場合を除く非水電解液を備え、前記非水電解液内に(化)で表され、20℃における酸化電位がリチウムに対して4.3Vより高い有機化合物を少なくとも1種類添加する非水電解液二次電池であって、(化2)で表される有機化合物が、前記非水電解液の総重量中、0.1〜20%の範囲で添加される非水電解液二次電池。
【0011】
【化2】
Figure 0004686801
【0012】
(Ar及びArはアリール基、Xは酸素原子または硫黄原子である。ただし、Ar 、Arの少なくとも一方は電子吸引基で置換されたアリール基である。)
(2)非水電解液の溶媒として、少なくともエチレンカーボネートを含む(1)記載の非水電解液二次電池。
【0013】
(3)非水電解液の溶媒として、少なくともエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを含む(2)記載の非水電解液二次電池。
【0014】
(4)負極にリチウムを吸蔵・放出可能な黒鉛を用いる(1)から(3)のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
【0016】
)(化)で表される有機化合物が4−ブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニルスルフィドである(1)から()のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
【0017】
本発明者らが電解液の酸化分解挙動について詳細に検討したところ、正極活物質であるリチウム含有金属酸化物表面で酸化分解が生じるが、分解生成物は低分子化合物が多く、気体として電解液系外に放出されるか、電解液に溶解することがわかった。また、このように酸化分解が起こっても正極活物質の活性点は被毒されることがなく高い活性を持ち続けるために電解液の酸化分解反応が継続的に進行し、電解液の枯渇や分解ガスの発生による内圧上昇、漏液に至ることも判明した。
【0018】
特に、電解液の溶媒として非対称形の非環状カーボネート(例えばエチルメチルカーボネート)を含むか、もしくは少なくとも二種以上の非環状エステルの混合であって、非環状エステルの残基が総て同一である場合を除く(例えばジメチルカーボネートとジエチルカーボネートを含む、もしくはジメチルカーボネートとプロピオン酸エチルを含むなど)場合には、エステル交換によると考えられる放電特性の低下も見られた。この現象は、詳細は不明であるが、エステル交換反応の際に生成されるラジカルが求核試剤となり、正極活物質をアタックし、活物質中の金属の溶解や結晶構造の破壊を引き起こすのではないかと考えられる。
【0019】
そのような課題に対し、本発明の添加剤を電池内に少量添加し、電解液中に存在させることにより、正極表面を被覆し、継続的な電解液溶媒の酸化分解やエステル交換反応により生成されるラジカルが正極をアタックするのを防止するものである。
【0020】
それに対し、特開平10−64591号公報に記載の発明は常温でのサイクル特性向上のために特定の溶媒を添加し、正極で分解させ、優先的に分解されることにより、その他の電解液中の有機溶媒が酸化分解されることを防ぐことができるというものである。
【0021】
それに対し、本願発明の課題は高温保存時の分解反応で、より正極の触媒活性が高い状況で起こる現象である。また、本願発明の電解液の溶媒組成とした場合に特有の、エステルの交換反応に起因する正極の劣化という点でも上記公報に記載の発明とは課題が異なるものである。また、上記公報に記載されている溶媒を電池内に添加すると、通常のサイクル時に電気量を消費する点で好ましくない。
【0022】
また、特開平7−302614号公報には、非水二次電池の満充電時の正極電位よりも貴な電位に可逆性酸化還元電位を有するようなπ電子軌道を持つ有機化合物を非水電解液に含有させることにより、過充電を保護することが開示されており、本願発明の(化)で示される有機化合物が、例示されている。本願と上記公報記載の発明は、課題が高温保存と過充電で異なる。さらに上記公報中の実施例では電解液溶媒としてプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとを混合して用いており、本願発明とは溶媒組成が異なるため、本願の課題を有さない。また、上記公報に記載される発明は前記π電子軌道を持つ有機化合物は、可逆性酸化還元電位を示す、またはレドックスシャトル機能を示すものに限定している。それに対し、本願発明の(化)で示される有機化合物は、リチウムに対し4.3V以上に酸化電位を有する芳香族化合物であるが、電池の実用最低電位(リチウムに対し3.0V)以上では還元反応を示さないものでありレドックスシャトル機能を示すものではない。
【0023】
以上から本発明の電池に用いる添加剤として、(化)で示される有機化合物は、複数のアリール基がエーテル結合またはスルフィド結合により結合された構造であり、(化)においては、Xが酸素の場合はアリール基が置換基を持たないか、アリール基が電子吸引基を置換基として持つ場合に効果があり、Xが硫黄の場合はアリール基が電子吸引基を置換基として持つ場合に効果があることが分かった。
【0024】
本発明で用いられる、より好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極活物質としては、Lix CoO2 、Lix NiO2 (米国特許第4302518号)、Lix MnO2 、Lix Coy Ni1-y2(特開昭63−299056号公報)、Lix Cof 1-f z、LixNi1-yy2(M=Ti、V、Mn、Fe)、LixCoaNibc2(M=Ti、Mn、Al、Mg、Fe、Zr)、Lix Mn24 、Lix Mn2-y y4(M=Na、Mg、Sc、Y、Fe、Co、Ni、Ti、Zr、Cu、Zn、Al、Pb、Sb)
(ここでx=0〜1.2、y=0〜0.9、f=0.9〜0.98、z=2.0〜2.3、a+b+c=1、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c<1)があげられる。ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
【0025】
本発明で正極活物質に用いるリチウム含有遷移金属酸化物はリチウムの炭酸塩、硝酸塩、酸化物又は水酸化物とコバルト、マンガンあるいはニッケル等遷移金属の炭酸塩、硝酸塩、酸化物又は水酸化物等を所望の組成に応じて粉砕混合し、焼成する方法や溶液反応により合成することができる。特に焼成法が好ましく、焼成温度は、混合された化合物の一部が分解、溶融する温度の250〜1500℃であればよい。焼成時間は1〜80時間であることが好ましい。焼成ガス雰囲気としては、空気中、酸化雰囲気、還元雰囲気いずれでもよく特に限定されない。
【0026】
本発明においては、複数の異なった正極活物質を併用してもよい。例えば、充放電時の膨張収縮挙動が反対のものを用いることができる。放電時(リチウムイオン挿入時)に膨張し、充電時(リチウムイオン放出時)に収縮する正極活物質の好ましい例はスピネル型リチウム含有マンガン酸化物であり、放電時(リチウムイオン挿入時)に収縮し、充電時(リチウムイオン放出時)に膨張する正極活物質の好ましい例はリチウム含有コバルト酸化物である。スピネル型リチウム含有マンガン酸化物の好ましい構造式としては、Li1-x Mn24 (0≦x≦1)であり、リチウム含有コバルト酸化物の好ましい例としてはLi1-x CoO2 (0≦x≦1)である。
【0027】
本発明における正極合剤中の導電剤は、構成された電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラック、ニッケル粉末が特に好ましい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。カーボンやグラファイトでは、2〜15重量%が特に好ましい。
【0028】
本発明における正極合剤中の好ましい結着剤は、分解温度が300℃以上のポリマーである。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体を挙げる事ができる。特に、この中で最も好ましいのはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
【0029】
正極の集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、炭素などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが用いられる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化することも用いられる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けてもよい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0030】
本発明で用いられる負極材料としては、リチウム、リチウム合金、合金、金属間化合物、炭素、有機化合物、無機化合物、金属錯体、有機高分子化合物等のリチウムイオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。これらは単独でも、組み合わせて用いてもよい。
【0031】
リチウム合金としては、Li−Al(米国特許4002492号公報等)、Li−Al−Mn、Li−Al−Mg、Li−Al−Sn、Li−Al−In、Li−Al−Cd、Li−Al−Te、Li−Ga(特開昭60−257072号)、Li−Cd、Li−In、Li−Pb、Li−Bi、Li−Mg、などが挙げられる。この場合、リチウムの含有量は10%以上であることが好ましい。
【0032】
合金、金属間化合物としては遷移金属と珪素の化合物や遷移金属とスズの化合物などが挙げられ、特にニッケルと珪素の化合物が好ましい。
【0033】
炭素質材料としては、コークス、熱分解炭素類、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素類、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、気相成長炭素系)、不定形炭素、有機物の焼成された炭素などが挙げられ、これらは単独でも、組み合わせて用いてもよい。なかでもメソフェーズ小球体を黒鉛化したもの、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料が好ましい。尚、炭素質材料には、炭素以外にも、O、B、P、N、S、SiC、B4Cなどの異種化合物を含んでもよい。含有量としては0〜10重量%が好ましい。
【0034】
無機化合物としては例えば、スズ化合物、珪素化合物、無機酸化物としては、例えば、チタン酸化物類、タングステン酸化物類、モリブデン酸化物類、ニオブ酸化物類、バナジウム酸化物類、鉄酸化物類等が挙げられる。また、無機カルコゲナイドとしては、例えば、硫化鉄、硫化モリブデン、硫化チタン等が挙げられる。有機高分子化合物としては、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の高分子化合物、窒化物としては、コバルト窒化物類、銅窒化物類、ニッケル窒化物類、鉄窒化物類、マンガン窒化物類等を用いることができる。
【0035】
これらの負極材料を複合して用いても良く、例えば、炭素と合金、炭素と無機化合物などの組み合わせが考えられる。
【0036】
本発明で用いられる炭素材料の平均粒子サイズは0.1〜60μmが好ましい。より好ましくは、0.5〜30μmである。比表面積は1〜10m2/gであることが好ましい。また、結晶構造上は、炭素六角平面の間隔(d002 )が3.35〜3.40Åでc軸方向の結晶子の大きさ(LC )が100Å以上の黒鉛が好ましい。
【0037】
本発明においては正極活物質にLiが含有されているため、Liを含有しない負極材料(炭素など)を用いることができる。また、そのようなLiを含有しない負極材に、少量(負極材100重量部に対し、0.01〜10重量部程度)のLiを含有させておくと、一部のLiが電解質などと反応したりして不活性となっても、上記負極材に含有させたLiで補充することができるので好ましい。上記のように負極材にLiを含有させるには、例えば、負極材を圧着した集電体上に加熱・溶融したリチウム金属を塗布して負極材にLiを含浸させたり、あるいは予め電極群中に圧着などによりリチウム金属を貼付し、電解液中で電気化学的に負極材料中にLiをドープさせたりすればよい。
【0038】
負極合剤中の導電剤は、正極合剤中の導電剤同様、構成された電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。また、負極材料に炭素質材料を用いる場合は炭素質材料自体が電子伝導性を有するので導電剤を含有してもしなくてもよい。
【0039】
負極合剤中の結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、本発明において好ましい結着剤は、分解温度が300℃以上のポリマーである。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体を挙げる事ができる。より好ましくは、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデンである。なかでも最も好ましいのは、スチレンブタジエンゴムである。
【0040】
負極の集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、Al−Cd合金などが用いられる。特に、銅あるいは銅合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化することも用いられる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けてもよい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0041】
電極合剤には、導電剤や結着剤の他、フィラー、分散剤、イオン導電剤、圧力増強剤及びその他の各種添加剤を用いることができる。フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0042】
本発明における正極・負極は、正極活物質あるいは負極材料を含む合剤層の他に、集電体と合剤層の密着や導電性、サイクル特性、充放電効率の改良等の目的で導入する下塗り層や、合剤層の機械的保護や化学的保護の目的で導入する保護層などを有してもよい。この下塗り層や保護層は、結着剤や導電剤粒子、導電性を持たない粒子などを含む事ができる。
【0043】
本発明における非水電解液は、溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩とから構成されている。溶媒組成は非対称形の非環状カーボネート(例えばエチルメチルカーボネート)を含むか、もしくは少なくとも二種以上の非環状エステルの混合であって、非環状エステルの残基が総て同一である場合を除く(例えばジメチルカーボネートとジエチルカーボネートを含む、もしくはジメチルカーボネートとプロピオン酸エチルを含むなど)が、それらの具体例および、それ以外に用いられる溶媒を以下に例示する。
【0044】
非水溶媒に用いるエステルには、例えば、エチレンカーボネ−ト(以下、EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの非環状カーボネート類、ギ酸メチル(MF)、酢酸メチル(MA)、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(MA)などの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン(GBL)等のγ−ラクトン類などが挙げられる。環状エステルとしてはEC、PC、GBLなどが特に好ましく、非環状エステルとしてはDMC、DEC、EMCなどの非環状カーボネートを含むことが好ましく、必要に応じて、脂肪族カルボン酸エステルを含むものも好ましい。脂肪族カルボン酸エステルは溶媒重量全体の30%以下、より好ましくは20%以下の範囲で含むことが好ましい。また、本発明の電解液の溶媒は上記エステルを80%以上含む以外に、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の非環状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒を含んでもよい。
【0045】
これらの溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えばLiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、Li(CF3SO22、LiAsF6 、LiN(CF3SO22、LiB10l10(特開昭57−74974号公報)、低級脂肪族カルボン酸リチウム(特開昭60−41773号公報)、LiCl、LiBr、LiI(特開昭60−247265号公報)、クロロボランリチウム(特開昭61−165957号公報)、四フェニルホウ酸リチウム(特開昭61−214376号公報)等を挙げることができ、これらを使用する電解液等に単独又は二種以上を組み合わせて使用することができるが、特にLiPF6 を含ませることがより好ましい。
【0046】
本発明における特に好ましい非水電解液は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを少なくとも含み、リチウム塩としてLiPF6 を含む電解液である。これら電解液を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極活物質や負極材料の量や電池のサイズによって必要量用いることができる。リチウム塩の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.2〜2mol/lが好ましい。特に、0.5〜1.5mol/lとすることがより好ましい。
【0047】
また、上記電解液には必要に応じて、良好な充放電特性を得る目的で、2−メチルフラン、チオフェン(特開昭61−161673号公報)、ピロール(特開平3−59963号公報)、アニリン(特開昭60−79677号公報)、クラウンエーテル、ピリジン、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、含窒素芳香族複素環化合物(特開平9−204932号公報)などの有機添加物を溶解させてもよい。この電解液は、通常、多孔性ポリマー、ガラスフィルタ、不織布などのようなセパレータに含浸あるいは充填させて使用される。
【0048】
また、電解液を不燃性にするために含ハロゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることができる。
【0049】
また、有機固体電解質に上記非水電解液を含有させたゲル電解質を用いることもできる。上記有機固体電解質とは、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体、混合物、複合体などの高分子マトリックス材料が有効である。特に、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体やポリフッ化ビニリデンとポリエチレンオキサイドの混合物が好ましい。
【0050】
セパレータとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、80℃以上で孔を閉塞し、抵抗をあげる機能を持つことが好ましい。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレン、ポリエチレンなどの単独又は組み合わせたオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維などからつくられたシートや不織布が用いられる。セパレータの孔径は、電極シートより脱離した活物質、結着剤、導電剤が透過しない範囲であることが望ましく、例えば、0.1〜1μmであるものが望ましい。セパレータの厚みは、一般的には、10〜300μmが用いられる。また、空孔率は、電子やイオンの透過性と素材や膜圧に応じて決定されるが、一般的には30〜80%であることが望ましい。
【0051】
電池の形状はコイン型、ボタン型、シート型、円筒型、偏平型、角型などいずれにも適用できる。電池の形状がコイン型やボタン型のときは、正極活物質や負極材料の合剤はペレットの形状に圧縮されて主に用いられる。そのペレットの厚みや直径は電池の大きさにより決められる。また、電池の形状がシート型、円筒型、角型のとき、正極活物質や負極材料の合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。塗布方法は、一般的な方法を用いることができる。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、キャスティング法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることができる。そのなかでもブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は、片面ずつ逐時でも両面同時でもよい。また、塗布層を集電体の両側に設けるのが好ましく、一方の面の塗布層が合剤層を含む複数層から構成されていても良い。合剤層は、正極活物質や負極材料のようにリチウムイオンの挿入放出に係わる物質の他に、結着剤や導電材料などを含む。合剤層の他に、活物質を含まない保護層、集電体上に設けられる下塗り層、合剤層間に設けられる中間層等を有していてもよい。これらの活物質を有さない層は、導電性粒子や絶縁性粒子、結着剤を含むのが好ましい。
【0052】
また、塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1〜2000μmが特に好ましい。
【0053】
ペレットやシートの乾燥又は脱水方法としては、一般に採用されている方法を利用することができる。特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが好ましい。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質ではそれぞれ500ppm以下にすることがサイクル性の点で好ましい。シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特に金型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2〜3t/cm2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、0.1〜50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜200℃が好ましい。負極シートに対する正極シートの幅の比率は、0.9〜1.1が好ましい。特に、0.95〜1.0が好ましい。正極活物質と負極材料の含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なるため、限定できないが、容量、サイクル性、安全性の観点で最適な値に設定できる。
【0054】
尚、本発明における電極の巻回体は、必ずしも真円筒形である必要はなく、その断面が楕円である長円筒形や長方形等の角柱状の形状であっても構わない。
【0055】
本発明の好ましい組み合わせは、上記の化学材料や電池構成部品の好ましいものを組み合わすことが好ましいが、特に正極活物質として、LixCoO2 、LixNiO2、LixMn24(ここで0≦x≦1)を含み、導電剤としてアセチレンブラックも共に含む。正極集電体はステンレス鋼かアルミニウムから作られている、ネット、シート、箔、ラスなどの形状をしている。負極材料としてはリチウム金属単独ではなく、合金、炭素質材料等少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。負極集電体はステンレス鋼か銅から作られている、ネット、シート、箔、ラスなどの形状をしている。正極活物質あるいは負極材料とともに用いる合剤には、電子伝導剤としてアセチレンブラック、黒鉛などの炭素材料を混合してもよい。結着剤はポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどの含フッ素熱可塑性化合物、アクリル酸を含むポリマー、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマーなどのエラストマーを単独あるいは混合して用いることができる。また、電解液として、エチレンカーボネート、さらに、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの環状、非環状カーボネートあるいはそれらに酢酸メチル、プロピオン酸メチルなどの脂肪族カルボン酸エステル化合物を加えた組み合わせ、リチウム塩として、LiPF6 を含むことが好ましい。さらに、セパレータとして、ポリプロピレンあるいはポリエチレンの単独またはそれらの組み合わせが好ましい。電池の形態は、シリンダー、偏平、角型のいずれでもよい。電池には、誤動作にも安全を確保できる手段(例、内圧開放型安全弁、電流遮断型安全弁、高温で抵抗を上げるセパレータ)を備えることが好ましい。
【0056】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面にて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】
(実施例1)
図1に本実施例で用いた円筒形電池の縦断面図を示す。図において、1は耐有機電解液性のステンレス鋼板を加工した電池ケ−ス、2は安全弁を設けた封口板、3は絶縁パッキングを示す。4は極板群であり、正極および負極がセパレ−タを介して複数回渦巻状に巻回されてケース1内に収納されている。そして上記正極からは正極リ−ド5が引き出されて封口板2に接続され、負極からは負極リ−ド6が引き出されて電池ケ−ス1の底部に接続されている。7は絶縁リングで極板群4の上下部にそれぞれ設けられている。以下正、負極板等について詳しく説明する。
【0058】
正極はLi2CO3とCo34とを混合し、900℃で10時間焼成して合成したLiCoO2の粉末の重量に対して、アセチレンブラック3%、フッ素樹脂系結着剤7%を混合し、カルボキシメチルセルロ−ス水溶液に懸濁させて正極合剤ペ−ストとした。厚さ30μmのアルミ箔に正極合剤ペーストを塗工し、乾燥後圧延して厚さ0.18mm、幅37mm、長さ390mmの正極板とした。
【0059】
負極はメソフェ−ズ小球体を2800℃の高温で黒鉛化したもの(以下メソフェ−ズ黒鉛と称す)を用いた。このメソフェ−ズ黒鉛の重量に対して、スチレン/ブタジエンゴム5%を混合した後、カルボキシメチルセルロ−ス水溶液に懸濁させてペ−スト状にした。そしてこの負極合剤ペーストを厚さ0.02mmのCu箔の両面に塗工し、乾燥後圧延して、厚さ0.20mm、幅39mm、長さ420mmの負極板とした。
【0060】
そして、正極板にはアルミニウム製、負極板にはニッケル製のリ−ドをそれぞれ取り付け、厚さ0.025mm、幅45mm、長さ950mmのポリプロピレン製セパレ−タを介して渦巻状に巻回し、直径17.0mm、高さ50.0mmの電池ケ−スに納入した。電解液にはエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を1:3の体積比で混合した溶媒に1mol/lのLiPFを溶解したものに添加剤としてさらに2重量%のジフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニルスルフィドをそれぞれ添加し、これを注液した後封口し、参考の電池1および本発明の電池2〜4とした。
【0061】
(比較例)
添加剤を加えていない電解液を用いた以外は、実施例1と同様の電池を構成し、これを比較の電池5とした。
【0062】
次に、参考の電池1および本発明の電池2〜4と比較の電池5を各5セルずつ用意して、環境温度20℃、充電電圧4.2V、充電時間2時間、制限電流500mAで定電圧充電を行った。この充電状態の電池の1Aでの放電特性を調べた後、充電状態で80℃の恒温槽に15日間保存し、保存後の電池についても同様の条件で充電、放電を行い保存後の容量回復率(保存後の放電容量/保存前の放電容量×100(%))を算出した結果を(表1)に示す。結果は各電池5セルの平均値を示した。
【0063】
【表1】
Figure 0004686801
【0064】
(表1)から、参考の電池1および本発明の電池2〜4の保存後の容量維持率は90%以上であり、添加剤を加えない電池5の65.2%に比べて非常に優れていることがわかった。
【0065】
以上から、明らかに添加剤の効果が有ることがわかった。また、5の電池を分解し、電解液中の溶媒成分の分析を行ったところ、電池作成時には含まれていなかった、ジメチルカーボネートや、ジエチルカーボネートなどの溶媒が検出され、エステルの交換反応が起こっていると予測される。また、添加剤の濃度に対する検討を行った結果、0.1重量%以上で電池の保存後の容量維持率に効果が現れた。ただし、20重量%以上では逆に電池の常温での放電特性そのものが悪くなった。これは、多量に添加剤を加えたことにより、電解液の電気伝導率が減少したためと考えられる。
【0066】
本実施例では、添加剤を電解液中に添加したが、正極合剤中または負極合剤中に添加しても同様な効果が得られた。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明では、高温保存特性に優れた電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例における円筒形電池の縦断面図
【符号の説明】
1 電池ケ−ス
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極リ−ド
6 負極リ−ド
7 絶縁リング

Claims (5)

  1. リチウム含有酸化物を活物質とする正極、負極、および少なくとも1種の非対称形の非環状カーボネートを含むか、もしくは少なくとも二種以上の非環状エステルの混合であって、非環状エステルの残基が総て同一である場合を除く非水電解液を備え、前記非水電解液内に(化1)で表され、20℃における酸化電位がリチウムに対して4.3Vより高い有機化合物を少なくとも1種類添加する非水電解液二次電池であって、(化1)で表される有機化合物が、前記非水電解液の総重量中、0.1〜20%の範囲で添加される非水電解液二次電池。
    Figure 0004686801
    (Ar及びArはアリール基、Xは酸素原子または硫黄原子である。ただし、Ar Arの少なくとも一方は電子吸引基で置換されたアリール基である。)
  2. 非水電解液の溶媒として、少なくともエチレンカーボネートを含む請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 非水電解液の溶媒として、少なくともエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを含む請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. 負極にリチウムを吸蔵・放出可能な黒鉛を用いる請求項1から3のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
  5. (化1)で表される有機化合物が4−ブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニルスルフィドである請求項1からのいずれかに記載の非水電解液二次電池。
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