JP2001110443A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

Info

Publication number
JP2001110443A
JP2001110443A JP29067799A JP29067799A JP2001110443A JP 2001110443 A JP2001110443 A JP 2001110443A JP 29067799 A JP29067799 A JP 29067799A JP 29067799 A JP29067799 A JP 29067799A JP 2001110443 A JP2001110443 A JP 2001110443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous electrolyte
secondary battery
lithium
battery
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29067799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4686801B2 (ja
Inventor
Jun Nunome
潤 布目
Kaoru Inoue
薫 井上
Atsushi Ueda
敦史 上田
Koji Yoshizawa
浩司 芳澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP29067799A priority Critical patent/JP4686801B2/ja
Publication of JP2001110443A publication Critical patent/JP2001110443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4686801B2 publication Critical patent/JP4686801B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温保存特性に優れた電池を提供する。 【解決手段】 リチウム含有酸化物を活物質とする正
極、負極、および少なくとも1種の非対称形の非環状カ
ーボネートを含むか、もしくは少なくとも二種以上の非
環状エステルの混合であって、非環状エステルの残基が
総て同一である場合を除く非水電解液を備える非水電解
液二次電池において、電池内に(化1)で示される有機
化合物を 0.1〜20重量%の範囲において添加して
電池を構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液を用い
た二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、AV機器あるいはパソコン等の電
子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでお
り、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギ
ー密度を有する二次電池への要求が高い。この中でリチ
ウムを活物質とする非水電解液二次電池はとりわけ高電
圧、高エネルギー密度を有する電池として期待が大き
い。
【0003】最近は上述の電池の中でも、特に正極活物
質にLiCoO2やLiNiO2、LiMn24等のリチ
ウムに対して4V級の電圧を示すリチウム含有金属酸化
物、負極材料にリチウムを吸蔵・放出できる炭素や金属
酸化物、合金等を用いた電池が活発に研究されている。
【0004】このような非水電解液二次電池の電解液の
溶媒としては例えばエチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどの環状エステル、テトラヒドロフラン
などの環状エーテル、ジメトキシエタンなどの非環状エ
ーテル、ジメチルカーボネートやプロピオン酸メチルな
どの非環状エステルなどの非水溶媒を単独もしくは混合
して用いるのが一般的である。
【0005】近年は、携帯型情報端末機器(例えば携帯
電話やノートパソコン)のみならず、電気自動車や電力
貯蔵用など期待される用途が多岐にわたりその使用環境
も過酷な条件が増えてきている。特に、電気自動車等の
電源としての用途を考えた場合、電池は夏期には80℃
以上の高温環境にさらされることも考えられる。そのよ
うな厳しい環境温度においても高い信頼性を有する電池
が要望されている。上述した非水電解液二次電池では、
高電圧においても電気分解されない非水溶媒を電解液に
用いているが、高温環境下では特に正極活物質の酸化触
媒能力が高くなるため、非水溶媒の酸化分解が正極表面
上で起こる。その結果、電解液の組成が変化し、電解液
の電導度低下がおこり、放電特性が劣化したり、分解生
成物(例えば炭酸ガスなど)が気体として発生した場合
は、電池が漏液する場合があった。特に、電解液の溶媒
として非対称形の非環状カーボネート(例えばエチルメ
チルカーボネート)を含むか、もしくは少なくとも二種
以上の非環状エステルの混合であって、非環状エステル
の残基が総て同一である場合を除く(例えばジメチルカ
ーボネートとジエチルカーボネートを含む、もしくはジ
メチルカーボネートとプロピオン酸エチルを含む場合)
場合には、エステル交換によると考えられる放電特性の
低下も見られた。
【0006】上記のような電解液中の非水溶媒の分解と
いう課題に対して従来、電解液に有機化合物を添加する
技術が公開されている。例えば、特開平10−6459
1号公報には、酸化電位がリチウムに対して+3.8〜
+4.3Vの範囲であり、特に電子供与基を置換基とし
て持つジフェニルスルフィドやジフェニルエーテルを用
いることにより、電池のサイクル特性の改善を図ること
が開示されている。しかし、その場合も前述のような高
温保存環境下では、十分な効果が得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するものであり、高温で保存しても高い信頼性
を有する優れた電池を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、この課題を解
決するためにリチウム含有酸化物を正極活物質とし、リ
チウムの吸蔵・放出が可能な材料を負極とし、非水電解
液とを用いた非水電解液二次電池において、前記非水電
解液中、正極合剤中、あるいは負極合剤中に、(化1)
で表される有機化合物を少なくとも1種類含有するもの
である。これにより、高温で保存した後も電解液の組成
が変化することなく、良好な充放電特性を得ることがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい形態につ
いて説明する。
【0010】(1)リチウム含有酸化物を活物質とする
正極、負極、および少なくとも1種の非対称形の非環状
カーボネートを含むか、もしくは少なくとも二種以上の
非環状エステルの混合であって、非環状エステルの残基
が総て同一である場合を除く非水電解液を備え、電池内
に(化1)で表され、20℃における酸化電位がリチウ
ムに対して4.3Vより高い有機化合物を少なくとも一
種類含有する非水電解液二次電池。
【0011】
【化2】
【0012】(Ar1及びAr2はアリール基、Xは酸素原子
または硫黄原子である。ただし、Xが酸素の場合、Ar1
及びAr2は置換基を持たないフェニル基、またはAr1、Ar
2の少なくとも一方は電子吸引基で置換されたアリール
基である。Xが硫黄の場合、Ar 1、Ar2の少なくとも一方
は電子吸引基で置換されたアリール基である。) (2)非水電解液の溶媒として、少なくともエチレンカ
ーボネートを含む(1)記載の非水電解液二次電池。
【0013】(3)非水電解液の溶媒として、少なくと
もエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを
含む(2)記載の非水電解液二次電池。
【0014】(4)負極にリチウムを吸蔵・放出可能な
黒鉛を用いる(1)から(3)のいずれかに記載の非水
電解液二次電池。
【0015】(5)(化1)で表される有機化合物が、
電解液の総重量中、0.1〜20%の範囲で含有される
(1)から(4)のいずれか記載の非水電解液二次電
池。
【0016】(6)(化1)で表される有機化合物がジ
フェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、
4,4−ジブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロ
モジフェニルスルフィドである(1)から(5)のいず
れかに記載の非水電解液二次電池。
【0017】本発明者らが電解液の酸化分解挙動につい
て詳細に検討したところ、正極活物質であるリチウム含
有金属酸化物表面で酸化分解が生じるが、分解生成物は
低分子化合物が多く、気体として電解液系外に放出され
るか、電解液に溶解することがわかった。また、このよ
うに酸化分解が起こっても正極活物質の活性点は被毒さ
れることがなく高い活性を持ち続けるために電解液の酸
化分解反応が継続的に進行し、電解液の枯渇や分解ガス
の発生による内圧上昇、漏液に至ることも判明した。
【0018】特に、電解液の溶媒として非対称形の非環
状カーボネート(例えばエチルメチルカーボネート)を
含むか、もしくは少なくとも二種以上の非環状エステル
の混合であって、非環状エステルの残基が総て同一であ
る場合を除く(例えばジメチルカーボネートとジエチル
カーボネートを含む、もしくはジメチルカーボネートと
プロピオン酸エチルを含むなど)場合には、エステル交
換によると考えられる放電特性の低下も見られた。この
現象は、詳細は不明であるが、エステル交換反応の際に
生成されるラジカルが求核試剤となり、正極活物質をア
タックし、活物質中の金属の溶解や結晶構造の破壊を引
き起こすのではないかと考えられる。
【0019】そのような課題に対し、本発明の添加剤を
電池内に少量添加し、電解液中に存在させることによ
り、正極表面を被覆し、継続的な電解液溶媒の酸化分解
やエステル交換反応により生成されるラジカルが正極を
アタックするのを防止するものである。
【0020】それに対し、特開平10−64591号公
報に記載の発明は常温でのサイクル特性向上のために特
定の溶媒を添加し、正極で分解させ、優先的に分解され
ることにより、その他の電解液中の有機溶媒が酸化分解
されることを防ぐことができるというものである。
【0021】それに対し、本願発明の課題は高温保存時
の分解反応で、より正極の触媒活性が高い状況で起こる
現象である。また、本願発明の電解液の溶媒組成とした
場合に特有の、エステルの交換反応に起因する正極の劣
化という点でも上記公報に記載の発明とは課題が異なる
ものである。また、上記公報に記載されている溶媒を電
池内に添加すると、通常のサイクル時に電気量を消費す
る点で好ましくない。
【0022】また、特開平7−302614号公報に
は、非水二次電池の満充電時の正極電位よりも貴な電位
に可逆性酸化還元電位を有するようなπ電子軌道を持つ
有機化合物を非水電解液に含有させることにより、過充
電を保護することが開示されており、本願発明の(化
1)で示される有機化合物が、例示されている。本願と
上記公報記載の発明は、課題が高温保存と過充電で異な
る。さらに上記公報中の実施例では電解液溶媒としてプ
ロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとを混合
して用いており、本願発明とは溶媒組成が異なるため、
本願の課題を有さない。また、上記公報に記載される発
明は前記π電子軌道を持つ有機化合物は、可逆性酸化還
元電位を示す、またはレドックスシャトル機能を示すも
のに限定している。それに対し、本願発明の(化1)で
示される有機化合物は、リチウムに対し4.3V以上に
酸化電位を有する芳香族化合物であるが、電池の実用最
低電位(リチウムに対し3.0V)以上では還元反応を
示さないものでありレドックスシャトル機能を示すもの
ではない。
【0023】以上から本発明の電池に用いる添加剤とし
て、(化1)で示される有機化合物は、複数のアリール
基がエーテル結合またはスルフィド結合により結合され
た構造であり、(化1)においては、Xが酸素の場合は
アリール基が置換基を持たないか、アリール基が電子吸
引基を置換基として持つ場合に効果があり、Xが硫黄の
場合はアリール基が電子吸引基を置換基として持つ場合
に効果があることが分かった。
【0024】本発明で用いられる、より好ましいリチウ
ム含有遷移金属酸化物正極活物質としては、Lix Co
2 、Lix NiO2 (米国特許第4302518
号)、Lix MnO2 、Lix Coy Ni1-y2(特開
昭63−299056号公報)、Lix Cof 1-f
z、LixNi1-yy2(M=Ti、V、Mn、F
e)、LixCoaNibc2(M=Ti、Mn、A
l、Mg、Fe、Zr)、LixMn24 、Lix Mn
2-y y4(M=Na、Mg、Sc、Y、Fe、Co、
Ni、Ti、Zr、Cu、Zn、Al、Pb、Sb) (ここでx=0〜1.2、y=0〜0.9、f=0.9
〜0.98、z=2.0〜2.3、a+b+c=1、0
≦a≦1、0≦b≦1、0≦c<1)があげられる。こ
こで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電
により増減する。
【0025】本発明で正極活物質に用いるリチウム含有
遷移金属酸化物はリチウムの炭酸塩、硝酸塩、酸化物又
は水酸化物とコバルト、マンガンあるいはニッケル等遷
移金属の炭酸塩、硝酸塩、酸化物又は水酸化物等を所望
の組成に応じて粉砕混合し、焼成する方法や溶液反応に
より合成することができる。特に焼成法が好ましく、焼
成温度は、混合された化合物の一部が分解、溶融する温
度の250〜1500℃であればよい。焼成時間は1〜
80時間であることが好ましい。焼成ガス雰囲気として
は、空気中、酸化雰囲気、還元雰囲気いずれでもよく特
に限定されない。
【0026】本発明においては、複数の異なった正極活
物質を併用してもよい。例えば、充放電時の膨張収縮挙
動が反対のものを用いることができる。放電時(リチウ
ムイオン挿入時)に膨張し、充電時(リチウムイオン放
出時)に収縮する正極活物質の好ましい例はスピネル型
リチウム含有マンガン酸化物であり、放電時(リチウム
イオン挿入時)に収縮し、充電時(リチウムイオン放出
時)に膨張する正極活物質の好ましい例はリチウム含有
コバルト酸化物である。スピネル型リチウム含有マンガ
ン酸化物の好ましい構造式としては、Li1-x Mn2
4 (0≦x≦1)であり、リチウム含有コバルト酸化物
の好ましい例としてはLi1-x CoO2(0≦x≦1)
である。
【0027】本発明における正極合剤中の導電剤は、構
成された電池において、化学変化を起こさない電子伝導
性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状
黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレ
ンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラッ
ク、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブ
ラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維な
どの導電性繊維類、フッ化カーボン、銅、ニッケル、ア
ルミニウム、銀等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カ
リウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導
電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有
機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ま
せることができる。これらの導電剤のなかで、人造黒
鉛、アセチレンブラック、ニッケル粉末が特に好まし
い。導電剤の添加量は、特に限定されないが、1〜50
重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。カ
ーボンやグラファイトでは、2〜15重量%が特に好ま
しい。
【0028】本発明における正極合剤中の好ましい結着
剤は、分解温度が300℃以上のポリマーである。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PV
DF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロ
エチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエ
チレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフル
オロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチ
レン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキ
サフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合
体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエー
テル−テトラフルオロエチレン共重合体を挙げる事がで
きる。特に、この中で最も好ましいのはポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)である。
【0029】正極の集電体としては、構成された電池に
おいて化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でも
よい。例えば、材料としてステンレス鋼、ニッケル、ア
ルミニウム、チタン、炭素などの他に、アルミニウムや
ステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンある
いは銀を処理させたものが用いられる。特に、アルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。これらの材
料の表面を酸化することも用いられる。また、表面処理
により集電体表面に凹凸を付けてもよい。形状は、フォ
イルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたも
の、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布体の成
形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、
1〜500μmのものが用いられる。
【0030】本発明で用いられる負極材料としては、リ
チウム、リチウム合金、合金、金属間化合物、炭素、有
機化合物、無機化合物、金属錯体、有機高分子化合物等
のリチウムイオンを吸蔵・放出できる化合物であればよ
い。これらは単独でも、組み合わせて用いてもよい。
【0031】リチウム合金としては、Li−Al(米国
特許4002492号公報等)、Li−Al−Mn、L
i−Al−Mg、Li−Al−Sn、Li−Al−I
n、Li−Al−Cd、Li−Al−Te、Li−Ga
(特開昭60−257072号)、Li−Cd、Li−
In、Li−Pb、Li−Bi、Li−Mg、などが挙
げられる。この場合、リチウムの含有量は10%以上で
あることが好ましい。
【0032】合金、金属間化合物としては遷移金属と珪
素の化合物や遷移金属とスズの化合物などが挙げられ、
特にニッケルと珪素の化合物が好ましい。
【0033】炭素質材料としては、コークス、熱分解炭
素類、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビー
ズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス
状炭素類、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ピッチ
系、セルロース系、気相成長炭素系)、不定形炭素、有
機物の焼成された炭素などが挙げられ、これらは単独で
も、組み合わせて用いてもよい。なかでもメソフェーズ
小球体を黒鉛化したもの、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛
材料が好ましい。尚、炭素質材料には、炭素以外にも、
O、B、P、N、S、SiC、B4Cなどの異種化合物
を含んでもよい。含有量としては0〜10重量%が好ま
しい。
【0034】無機化合物としては例えば、スズ化合物、
珪素化合物、無機酸化物としては、例えば、チタン酸化
物類、タングステン酸化物類、モリブデン酸化物類、ニ
オブ酸化物類、バナジウム酸化物類、鉄酸化物類等が挙
げられる。また、無機カルコゲナイドとしては、例え
ば、硫化鉄、硫化モリブデン、硫化チタン等が挙げられ
る。有機高分子化合物としては、ポリチオフェン、ポリ
アセチレン等の高分子化合物、窒化物としては、コバル
ト窒化物類、銅窒化物類、ニッケル窒化物類、鉄窒化物
類、マンガン窒化物類等を用いることができる。
【0035】これらの負極材料を複合して用いても良
く、例えば、炭素と合金、炭素と無機化合物などの組み
合わせが考えられる。
【0036】本発明で用いられる炭素材料の平均粒子サ
イズは0.1〜60μmが好ましい。より好ましくは、
0.5〜30μmである。比表面積は1〜10m2/g
であることが好ましい。また、結晶構造上は、炭素六角
平面の間隔(d002 )が3.35〜3.40Åでc
軸方向の結晶子の大きさ(LC )が100Å以上の黒
鉛が好ましい。
【0037】本発明においては正極活物質にLiが含有
されているため、Liを含有しない負極材料(炭素な
ど)を用いることができる。また、そのようなLiを含
有しない負極材に、少量(負極材100重量部に対し、
0.01〜10重量部程度)のLiを含有させておく
と、一部のLiが電解質などと反応したりして不活性と
なっても、上記負極材に含有させたLiで補充すること
ができるので好ましい。上記のように負極材にLiを含
有させるには、例えば、負極材を圧着した集電体上に加
熱・溶融したリチウム金属を塗布して負極材にLiを含
浸させたり、あるいは予め電極群中に圧着などによりリ
チウム金属を貼付し、電解液中で電気化学的に負極材料
中にLiをドープさせたりすればよい。
【0038】負極合剤中の導電剤は、正極合剤中の導電
剤同様、構成された電池において、化学変化を起こさな
い電子伝導性材料であれば何でもよい。また、負極材料
に炭素質材料を用いる場合は炭素質材料自体が電子伝導
性を有するので導電剤を含有してもしなくてもよい。
【0039】負極合剤中の結着剤としては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、本発明に
おいて好ましい結着剤は、分解温度が300℃以上のポ
リマーである。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴ
ム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共
重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプ
ロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共
重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフル
オロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−
テトラフルオロエチレン共重合体を挙げる事ができる。
より好ましくは、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化
ビニリデンである。なかでも最も好ましいのは、スチレ
ンブタジエンゴムである。
【0040】負極の集電体としては、構成された電池に
おいて化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でも
よい。例えば、材料としてステンレス鋼、ニッケル、
銅、チタン、炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面
にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させた
もの、Al−Cd合金などが用いられる。特に、銅ある
いは銅合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化する
ことも用いられる。また、表面処理により集電体表面に
凹凸を付けてもよい。形状は、フォイルの他、フィル
ム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔
質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚み
は、特に限定されないが、1〜500μmのものが用い
られる。
【0041】電極合剤には、導電剤や結着剤の他、フィ
ラー、分散剤、イオン導電剤、圧力増強剤及びその他の
各種添加剤を用いることができる。フィラーは、構成さ
れた電池において、化学変化を起こさない繊維状材料で
あれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラ
ス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は
特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0042】本発明における正極・負極は、正極活物質
あるいは負極材料を含む合剤層の他に、集電体と合剤層
の密着や導電性、サイクル特性、充放電効率の改良等の
目的で導入する下塗り層や、合剤層の機械的保護や化学
的保護の目的で導入する保護層などを有してもよい。こ
の下塗り層や保護層は、結着剤や導電剤粒子、導電性を
持たない粒子などを含む事ができる。
【0043】本発明における非水電解液は、溶媒と、そ
の溶媒に溶解するリチウム塩とから構成されている。溶
媒組成は非対称形の非環状カーボネート(例えばエチル
メチルカーボネート)を含むか、もしくは少なくとも二
種以上の非環状エステルの混合であって、非環状エステ
ルの残基が総て同一である場合を除く(例えばジメチル
カーボネートとジエチルカーボネートを含む、もしくは
ジメチルカーボネートとプロピオン酸エチルを含むな
ど)が、それらの具体例および、それ以外に用いられる
溶媒を以下に例示する。
【0044】非水溶媒に用いるエステルには、例えば、
エチレンカーボネ−ト(以下、EC)、プロピレンカ−
ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビ
ニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート
類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボ
ネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EM
C)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの非環状
カーボネート類、ギ酸メチル(MF)、酢酸メチル(M
A)、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチ
ル(MA)などの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブ
チロラクトン(GBL)等のγ−ラクトン類などが挙げ
られる。環状エステルとしてはEC、PC、GBLなど
が特に好ましく、非環状エステルとしてはDMC、DE
C、EMCなどの非環状カーボネートを含むことが好ま
しく、必要に応じて、脂肪族カルボン酸エステルを含む
ものも好ましい。脂肪族カルボン酸エステルは溶媒重量
全体の30%以下、より好ましくは20%以下の範囲で
含むことが好ましい。また、本発明の電解液の溶媒は上
記エステルを80%以上含む以外に、1,2−ジメトキ
シエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DE
E)、エトキシメトキシエタン(EME)等の非環状エ
ーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、
1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、
ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリ
ル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグラ
イム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオ
キソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2
−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、
テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−
プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシ
ド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒
を含んでもよい。
【0045】これらの溶媒に溶解するリチウム塩として
は、例えばLiClO4 、LiBF 4 、LiPF6 、L
iAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、L
iCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、Li(CF3
22、LiAsF6 、LiN(CF3SO22、Li
10l10(特開昭57−74974号公報)、低級脂
肪族カルボン酸リチウム(特開昭60−41773号公
報)、LiCl、LiBr、LiI(特開昭60−24
7265号公報)、クロロボランリチウム(特開昭61
−165957号公報)、四フェニルホウ酸リチウム
(特開昭61−214376号公報)等を挙げることが
でき、これらを使用する電解液等に単独又は二種以上を
組み合わせて使用することができるが、特にLiPF6
を含ませることがより好ましい。
【0046】本発明における特に好ましい非水電解液
は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート
を少なくとも含み、リチウム塩としてLiPF6 を含む
電解液である。これら電解液を電池内に添加する量は、
特に限定されないが、正極活物質や負極材料の量や電池
のサイズによって必要量用いることができる。リチウム
塩の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、
0.2〜2mol/lが好ましい。特に、0.5〜1.
5mol/lとすることがより好ましい。
【0047】また、上記電解液には必要に応じて、良好
な充放電特性を得る目的で、2−メチルフラン、チオフ
ェン(特開昭61−161673号公報)、ピロール
(特開平3−59963号公報)、アニリン(特開昭6
0−79677号公報)、クラウンエーテル、ピリジ
ン、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミ
ン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、
ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、含窒
素芳香族複素環化合物(特開平9−204932号公
報)などの有機添加物を溶解させてもよい。この電解液
は、通常、多孔性ポリマー、ガラスフィルタ、不織布な
どのようなセパレータに含浸あるいは充填させて使用さ
れる。
【0048】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性
をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることがで
きる。
【0049】また、有機固体電解質に上記非水電解液を
含有させたゲル電解質を用いることもできる。上記有機
固体電解質とは、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポ
リプロピレンオキサイド、ポリホスファゼン、ポリアジ
リジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコー
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピ
レンなどやこれらの誘導体、混合物、複合体などの高分
子マトリックス材料が有効である。特に、フッ化ビニリ
デンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体やポリフッ
化ビニリデンとポリエチレンオキサイドの混合物が好ま
しい。
【0050】セパレータとしては、大きなイオン透過度
を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔性薄
膜が用いられる。また、80℃以上で孔を閉塞し、抵抗
をあげる機能を持つことが好ましい。耐有機溶剤性と疎
水性からポリプロピレン、ポリエチレンなどの単独又は
組み合わせたオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維
などからつくられたシートや不織布が用いられる。セパ
レータの孔径は、電極シートより脱離した活物質、結着
剤、導電剤が透過しない範囲であることが望ましく、例
えば、0.1〜1μmであるものが望ましい。セパレー
タの厚みは、一般的には、10〜300μmが用いられ
る。また、空孔率は、電子やイオンの透過性と素材や膜
圧に応じて決定されるが、一般的には30〜80%であ
ることが望ましい。
【0051】電池の形状はコイン型、ボタン型、シート
型、円筒型、偏平型、角型などいずれにも適用できる。
電池の形状がコイン型やボタン型のときは、正極活物質
や負極材料の合剤はペレットの形状に圧縮されて主に用
いられる。そのペレットの厚みや直径は電池の大きさに
より決められる。また、電池の形状がシート型、円筒
型、角型のとき、正極活物質や負極材料の合剤は、集電
体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用い
られる。塗布方法は、一般的な方法を用いることができ
る。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、
ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテ
ン法、グラビア法、バー法、キャスティング法、ディッ
プ法及びスクイーズ法を挙げることができる。そのなか
でもブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が
好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で実施
されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、乾燥
性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良
好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は、片
面ずつ逐時でも両面同時でもよい。また、塗布層を集電
体の両側に設けるのが好ましく、一方の面の塗布層が合
剤層を含む複数層から構成されていても良い。合剤層
は、正極活物質や負極材料のようにリチウムイオンの挿
入放出に係わる物質の他に、結着剤や導電材料などを含
む。合剤層の他に、活物質を含まない保護層、集電体上
に設けられる下塗り層、合剤層間に設けられる中間層等
を有していてもよい。これらの活物質を有さない層は、
導電性粒子や絶縁性粒子、結着剤を含むのが好ましい。
【0052】また、塗布は連続でも間欠でもストライプ
でもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の大き
さにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ
後の圧縮された状態で、1〜2000μmが特に好まし
い。
【0053】ペレットやシートの乾燥又は脱水方法とし
ては、一般に採用されている方法を利用することができ
る。特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び
低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが好まし
い。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に10
0〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で
2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や
電解質ではそれぞれ500ppm以下にすることがサイク
ル性の点で好ましい。シートのプレス法は、一般に採用
されている方法を用いることができるが、特に金型プレ
ス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特
に限定されないが、0.2〜3t/cm 2 が好ましい。
カレンダープレス法のプレス速度は、0.1〜50m/
分が好ましい。プレス温度は、室温〜200℃が好まし
い。負極シートに対する正極シートの幅の比率は、0.
9〜1.1が好ましい。特に、0.95〜1.0が好ま
しい。正極活物質と負極材料の含有量比は、化合物種類
や合剤処方により異なるため、限定できないが、容量、
サイクル性、安全性の観点で最適な値に設定できる。
【0054】尚、本発明における電極の巻回体は、必ず
しも真円筒形である必要はなく、その断面が楕円である
長円筒形や長方形等の角柱状の形状であっても構わな
い。
【0055】本発明の好ましい組み合わせは、上記の化
学材料や電池構成部品の好ましいものを組み合わすこと
が好ましいが、特に正極活物質として、LixCo
2 、LixNiO2、LixMn24(ここで0≦x≦
1)を含み、導電剤としてアセチレンブラックも共に含
む。正極集電体はステンレス鋼かアルミニウムから作ら
れている、ネット、シート、箔、ラスなどの形状をして
いる。負極材料としてはリチウム金属単独ではなく、合
金、炭素質材料等少なくとも一種の化合物を含むことが
好ましい。負極集電体はステンレス鋼か銅から作られて
いる、ネット、シート、箔、ラスなどの形状をしてい
る。正極活物質あるいは負極材料とともに用いる合剤に
は、電子伝導剤としてアセチレンブラック、黒鉛などの
炭素材料を混合してもよい。結着剤はポリフッ化ビニリ
デン、ポリテトラフルオロエチレンなどの含フッ素熱可
塑性化合物、アクリル酸を含むポリマー、スチレンブタ
ジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマーなどのエ
ラストマーを単独あるいは混合して用いることができ
る。また、電解液として、エチレンカーボネート、さら
に、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エ
チルメチルカーボネートなどの環状、非環状カーボネー
トあるいはそれらに酢酸メチル、プロピオン酸メチルな
どの脂肪族カルボン酸エステル化合物を加えた組み合わ
せ、リチウム塩として、LiPF6 を含むことが好まし
い。さらに、セパレータとして、ポリプロピレンあるい
はポリエチレンの単独またはそれらの組み合わせが好ま
しい。電池の形態は、シリンダー、偏平、角型のいずれ
でもよい。電池には、誤動作にも安全を確保できる手段
(例、内圧開放型安全弁、電流遮断型安全弁、高温で抵
抗を上げるセパレータ)を備えることが好ましい。
【0056】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】(実施例1)図1に本実施例で用いた円筒
形電池の縦断面図を示す。図において、1は耐有機電解
液性のステンレス鋼板を加工した電池ケ−ス、2は安全
弁を設けた封口板、3は絶縁パッキングを示す。4は極
板群であり、正極および負極がセパレ−タを介して複数
回渦巻状に巻回されてケース1内に収納されている。そ
して上記正極からは正極リ−ド5が引き出されて封口板
2に接続され、負極からは負極リ−ド6が引き出されて
電池ケ−ス1の底部に接続されている。7は絶縁リング
で極板群4の上下部にそれぞれ設けられている。以下
正、負極板等について詳しく説明する。
【0058】正極はLi2CO3とCo34とを混合し、
900℃で10時間焼成して合成したLiCoO2の粉
末の重量に対して、アセチレンブラック3%、フッ素樹
脂系結着剤7%を混合し、カルボキシメチルセルロ−ス
水溶液に懸濁させて正極合剤ペ−ストとした。厚さ30
μmのアルミ箔に正極合剤ペーストを塗工し、乾燥後圧
延して厚さ0.18mm、幅37mm、長さ390mm
の正極板とした。
【0059】負極はメソフェ−ズ小球体を2800℃の
高温で黒鉛化したもの(以下メソフェ−ズ黒鉛と称す)
を用いた。このメソフェ−ズ黒鉛の重量に対して、スチ
レン/ブタジエンゴム5%を混合した後、カルボキシメ
チルセルロ−ス水溶液に懸濁させてペ−スト状にした。
そしてこの負極合剤ペーストを厚さ0.02mmのCu
箔の両面に塗工し、乾燥後圧延して、厚さ0.20m
m、幅39mm、長さ420mmの負極板とした。
【0060】そして、正極板にはアルミニウム製、負極
板にはニッケル製のリ−ドをそれぞれ取り付け、厚さ
0.025mm、幅45mm、長さ950mmのポリプ
ロピレン製セパレ−タを介して渦巻状に巻回し、直径1
7.0mm、高さ50.0mmの電池ケ−スに納入し
た。電解液にはエチレンカーボネート(EC)とエチルメ
チルカーボネート(EMC)を1:3の体積比で混合した
溶媒に1mol/lのLiPF6を溶解したものに添加
剤としてさらに2重量%のジフェニルエーテル、4−ブ
ロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニル
エーテル、4,4−ジブロモジフェニルスルフィドをそ
れぞれ添加し、これを注液した後封口し、本発明の電池
1〜4とした。
【0061】(比較例)添加剤を加えていない電解液を
用いた以外は、実施例1と同様の電池を構成し、これを
比較の電池5とした。
【0062】次に、本発明の電池1〜4と比較の電池5
を各5セルずつ用意して、環境温度20℃、充電電圧
4.2V、充電時間2時間、制限電流500mAで定電
圧充電を行った。この充電状態の電池の1Aでの放電特
性を調べた後、充電状態で80℃の恒温槽に15日間保
存し、保存後の電池についても同様の条件で充電、放電
を行い保存後の容量回復率(保存後の放電容量/保存前
の放電容量×100(%))を算出した結果を(表1)
に示す。結果は各電池5セルの平均値を示した。
【0063】
【表1】
【0064】(表1)から、本発明の電池1〜4の保存
後の容量維持率は90%以上であり、添加剤を加えない
電池5の65.2%に比べて非常に優れていることがわ
かった。
【0065】以上から、明らかに添加剤の効果が有るこ
とがわかった。また、5の電池を分解し、電解液中の溶
媒成分の分析を行ったところ、電池作成時には含まれて
いなかった、ジメチルカーボネートや、ジエチルカーボ
ネートなどの溶媒が検出され、エステルの交換反応が起
こっていると予測される。また、添加剤の濃度に対する
検討を行った結果、0.1重量%以上で電池の保存後の
容量維持率に効果が現れた。ただし、20重量%以上で
は逆に電池の常温での放電特性そのものが悪くなった。
これは、多量に添加剤を加えたことにより、電解液の電
気伝導率が減少したためと考えられる。
【0066】本実施例では、添加剤を電解液中に添加し
たが、正極合剤中または負極合剤中に添加しても同様な
効果が得られた。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明では、リチウム含有
酸化物を活物質とする正極、負極、および少なくとも1
種の非対称形の非環状カーボネートを含むか、もしくは
少なくとも二種以上の非環状エステルの混合であって、
非環状エステルの残基が総て同一である場合を除く非水
電解液を備え、電池内に(化1)で示され、かつ、20
℃における酸化電位がリチウムに対して4.3Vより高
い有機化合物を添加することにより、高温保存特性に優
れた電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例における円筒形電
池の縦断面図
【符号の説明】 1 電池ケ−ス 2 封口板 3 絶縁パッキング 4 極板群 5 正極リ−ド 6 負極リ−ド 7 絶縁リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 敦史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 芳澤 浩司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ04 AJ05 AJ07 AK03 AL01 AL02 AL04 AL06 AL07 AL11 AL12 AL16 AL18 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 DJ09 EJ11 HJ01 HJ10 HJ14 HJ18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム含有酸化物を活物質とする正
    極、負極、および少なくとも1種の非対称形の非環状カ
    ーボネートを含むか、もしくは少なくとも二種以上の非
    環状エステルの混合であって、非環状エステルの残基が
    総て同一である場合を除く非水電解液を備え、電池内に
    (化1)で表され、20℃における酸化電位がリチウム
    に対して4.3Vより高い有機化合物を少なくとも1種
    類含有する非水電解液二次電池。 【化1】 (Ar1及びAr2はアリール基、Xは酸素原子または硫黄原
    子である。ただし、Xが酸素の場合、Ar1及びAr2は置換
    基を持たないフェニル基、またはAr1、Ar2の少なくとも
    一方は電子吸引基で置換されたアリール基である。Xが
    硫黄の場合、Ar 1、Ar2の少なくとも一方は電子吸引基で
    置換されたアリール基である。)
  2. 【請求項2】 非水電解液の溶媒として、少なくともエ
    チレンカーボネートを含む請求項1記載の非水電解液二
    次電池。
  3. 【請求項3】 非水電解液の溶媒として、少なくともエ
    チレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを含む
    請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 負極にリチウムを吸蔵・放出可能な黒鉛
    を用いる請求項1から3のいずれかに記載の非水電解液
    二次電池。
  5. 【請求項5】 (化1)で表される有機化合物が、電解
    液の総重量中、0.1〜20%の範囲で含有される請求
    項1から4のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
  6. 【請求項6】 (化1)で表される有機化合物がジフェ
    ニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4,4
    −ジブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフ
    ェニルスルフィドである請求項1から5のいずれかに記
    載の非水電解液二次電池。
JP29067799A 1999-10-13 1999-10-13 非水電解液二次電池 Expired - Fee Related JP4686801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29067799A JP4686801B2 (ja) 1999-10-13 1999-10-13 非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29067799A JP4686801B2 (ja) 1999-10-13 1999-10-13 非水電解液二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001110443A true JP2001110443A (ja) 2001-04-20
JP4686801B2 JP4686801B2 (ja) 2011-05-25

Family

ID=17759072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29067799A Expired - Fee Related JP4686801B2 (ja) 1999-10-13 1999-10-13 非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4686801B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002029922A1 (en) * 2000-10-03 2002-04-11 Ube Industries, Ltd. Lithium secondary cell and nonaqueous electrolyte
WO2002054526A1 (fr) * 2000-12-27 2002-07-11 Mitsubishi Chemical Corporation Element secondaire au lithium
JP2002367674A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Mitsubishi Chemicals Corp 電解液及び二次電池
JP2003077533A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Hitachi Maxell Ltd 非水二次電池および非水電解液
WO2003030292A1 (fr) * 2001-09-27 2003-04-10 Nisshinbo Industries, Inc., Element accumulateur a electrolyte aqueux, alimentation comportant ledit element accumulateur, dispositif portatif, machine mobile transportable, appareil electrique a usage domestique et procede de charge d'element accumulateur a electrolyte non aqueux
JP2003338317A (ja) * 2002-05-17 2003-11-28 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池
JP2005032701A (ja) * 2003-02-27 2005-02-03 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液およびリチウム二次電池
JP2011091055A (ja) * 2003-02-27 2011-05-06 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液およびリチウム二次電池
CN114024034A (zh) * 2021-10-25 2022-02-08 珠海冠宇电池股份有限公司 一种电池

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06231753A (ja) * 1993-02-04 1994-08-19 Sanyo Electric Co Ltd 非水系電解液電池
JPH1064591A (ja) * 1996-08-26 1998-03-06 Fuji Photo Film Co Ltd 非水電解液二次電池
JPH11260349A (ja) * 1998-03-05 1999-09-24 Fujitsu Ltd リチウム二次電池及びそれに用いる正極合剤
JP2000058117A (ja) * 1998-07-31 2000-02-25 Sanyo Electric Co Ltd 非水系二次電池

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06231753A (ja) * 1993-02-04 1994-08-19 Sanyo Electric Co Ltd 非水系電解液電池
JPH1064591A (ja) * 1996-08-26 1998-03-06 Fuji Photo Film Co Ltd 非水電解液二次電池
JPH11260349A (ja) * 1998-03-05 1999-09-24 Fujitsu Ltd リチウム二次電池及びそれに用いる正極合剤
JP2000058117A (ja) * 1998-07-31 2000-02-25 Sanyo Electric Co Ltd 非水系二次電池

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002029922A1 (en) * 2000-10-03 2002-04-11 Ube Industries, Ltd. Lithium secondary cell and nonaqueous electrolyte
US8394541B2 (en) 2000-10-03 2013-03-12 Ube Industries, Ltd. Lithium secondary battery and non-aqueous electrolytic solution
US7981552B2 (en) 2000-10-03 2011-07-19 Ube Industries, Ltd. Lithium secondary battery and non-aqueous electrolytic solution
WO2002054526A1 (fr) * 2000-12-27 2002-07-11 Mitsubishi Chemical Corporation Element secondaire au lithium
US6908712B2 (en) 2000-12-27 2005-06-21 Mitsubishi Chemical Corporation Lithium secondary cell
US7312002B2 (en) 2000-12-27 2007-12-25 Mitsubishi Chemical Corporation Lithium secondary cell
JP2002367674A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Mitsubishi Chemicals Corp 電解液及び二次電池
JP2003077533A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Hitachi Maxell Ltd 非水二次電池および非水電解液
WO2003030292A1 (fr) * 2001-09-27 2003-04-10 Nisshinbo Industries, Inc., Element accumulateur a electrolyte aqueux, alimentation comportant ledit element accumulateur, dispositif portatif, machine mobile transportable, appareil electrique a usage domestique et procede de charge d'element accumulateur a electrolyte non aqueux
JP4492023B2 (ja) * 2002-05-17 2010-06-30 三菱化学株式会社 非水系電解液二次電池
JP2003338317A (ja) * 2002-05-17 2003-11-28 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池
JP2011091055A (ja) * 2003-02-27 2011-05-06 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液およびリチウム二次電池
JP2005032701A (ja) * 2003-02-27 2005-02-03 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液およびリチウム二次電池
CN114024034A (zh) * 2021-10-25 2022-02-08 珠海冠宇电池股份有限公司 一种电池
CN114024034B (zh) * 2021-10-25 2022-08-30 珠海冠宇电池股份有限公司 一种电池

Also Published As

Publication number Publication date
JP4686801B2 (ja) 2011-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3633510B2 (ja) 非水電解液二次電池と充電制御システムとを含む非水電解液二次電池システムおよびこれを搭載した機器
JP4374661B2 (ja) 非水電解液二次電池
KR101117623B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 및 상기 양극을 포함하는 리튬 이차 전지
JP5454692B2 (ja) 空気極、金属空気電池及び金属空気電池用空気極の製造方法
KR101626570B1 (ko) 정극 활물질, 이것을 이용한 정극 및 비수 전해질 2차 전지
JP4882134B2 (ja) 非水電解液二次電池用電解液および非水電解液二次電池並びにリチウム二次電池
JP2005339970A (ja) 正極活物質および非水電解質二次電池
JP2009277597A (ja) 非水電解質二次電池
JP2008300302A (ja) 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用正極の製造方法
JP2001210366A (ja) 非水電気化学装置およびその電解液
KR20150116330A (ko) 리튬 이차 전지
JP2001006661A (ja) 非水電解質二次電池
JP2003203633A (ja) 正極活物質およびこれを含む非水電解質二次電池
KR101723993B1 (ko) 리튬 이차 전지용 음극 및 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP4686801B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2001035530A (ja) 非水電解質二次電池
JP4352503B2 (ja) 非水電解液二次電池
KR101553389B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 양극 활물질 코팅 물질, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP2002033117A (ja) 非水電解質二次電池
JP2000357517A (ja) 電極とこれを用いた電池及び非水電解質二次電池
JP2001185214A (ja) 非水電気化学装置およびその電解液
JP2015187929A (ja) 非水電解質二次電池
JP4568922B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2002033124A (ja) 非水電気化学装置とその電解質
JP3617494B2 (ja) 非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060920

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20061012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090515

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110131

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees