JP4332911B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質を用いた二次電池に関し、特に極板群および非水電解質を収納する電池ケースの技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、AV機器のような情報関連機器あるいはパーソナルコンピュータのような電子機器のポータブル化,コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として用いる小型,軽量で高エネルギー密度を有する二次電池の開発への要求が高く、この中で、リチウムを活物質とする正極を用いた非水電解質二次電池は、特に高電圧,高エネルギー密度を有する電池として期待が高まっている。
【0003】
このような非水電解質二次電池では、正極活物質としてLiCoO2,LiNiO2,LiMn24などのようなリチウムに対して4V級の電位を示すところのリチウムと3d遷移金属との複合酸化物が採用され、または検討されている。また、電解液としては、環状カーボネート,鎖状カーボネートなどの有機溶媒に、6フッ化リン酸リチウムに代表される無機系のリチウム塩、あるいは有機系の含フッ素リチウム塩であるイミド塩,イミドエステル塩などを電解質として溶解した非水電解質が用いられ、さらには、これらの電解質を含浸してポリマ電解質としたリチウムイオンポリマ二次電池なども研究開発されている。
【0004】
さらに、負極活物質としては、リチウムを吸蔵,放出することができる炭素材料が用いられ、その炭素材料としては、大別すると低結晶性炭素と高結晶性炭素との2種類が用いられている。そして、低結晶性炭素には、リチウムが層間化合物(C6Li)として吸蔵されたとする場合に有する理論値である372mAh/g以上の容量を示すものも存在するが、この低結晶性炭素は、真比重が低く、嵩張るため、負極の容量密度を大きくするには実質的に困難であった。その上、充電後の負極電位が、金属リチウムに近似するほど卑とはならなく、さらに電池として構成したときの放電電位も平坦性に劣るという問題点を有している。
【0005】
これに対して、高結晶性炭素は、充電後の負極電位は金属リチウム電位に近似したものとなり、かつ、電池として構成したときの放電電位の平坦性も優れており、実用電池として放電特性を向上させる上で、最近ではこの高結晶性炭素が負極材料の主流になってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の非水電解質二次電池にあっては、高容量の高結晶性炭素を負極活物質に用いることにより、高エネルギー密度化を達成しているが、以下に説明するように電池の信頼性の確保という新たに発生する課題を有していた。
【0007】
特にリチウム二次電池の場合、非常に強力な酸化剤を正極活物質に有し、また、充電時には最も還元力の強い金属であるLiに近似した卑な電位となる炭素材料を負極活物質に有し、しかも、これらの活物質が引火性を有する有機電解液に浸して構成された電池であるので、他の電池系に比べ、必要以上に電池の信頼性に重点を置くのは当然のこととなる。そのため、従来のリチウム二次電池にあっては、様々な安全性の機構が盛り込まれていた。
【0008】
例えば、セパレータには、無理な充放電により電池が高温になるとイオンの通過を遮断するシャットダウン機能を持たせており、また、封口板には、電池が過充電されたときに電流を遮断する過充電防止機構、あるいは大電流が流れたときに電流を遮断するためのPTC素子などが組み込まれている。
【0009】
さらに、以上説明したようなリチウム二次電池の安全性機構に加え、これらのリチウム二次電池を集合した電池パックにおいても、電池の充放電を制御する回路に過充電防止機能や充電温度制御機能などを有する保護回路が組み込まれて2重,3重に安全な設計がされている。
【0010】
しかし、電池パックにおける保護回路や、リチウム二次電池における封口板の過充電防止機構などは、構造上複雑な設計になるため、外的な衝撃で機能を失う恐れがあるという問題点があり、また、セパレータのシャットダウン機能は、合剤が自己発熱を開始してからでは効果を期待することができないという問題点があった。
【0011】
そして、万一、上記の安全機構に問題があり、これらの安全機構が機能しない状態で電気回路が短絡したり、あるいは大電流による過充電が生じて電池が発熱を開始した場合、高熱にさらされた正極および負極の合剤、あるいは電解液は、熱分解を開始し、電池性能が劣化するという問題点があった。
【0012】
以上説明したように、従来の非水電解質二次電池にあっては、各種の安全性機構に依存する必要があり、そして、それぞれの安全性機構の信頼性を考慮して常に2重,3重の安全設計が必要となり、その結果、非水電解質二次電池の構造が複雑となって高容量化の障害となり、製造コストも高くなるという問題点を有していた。
【0013】
本発明は、上記問題点を解決するもので、低いコストで信頼性に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明の非水電解質二次電池においては、極板群および非水電解質を収納する電池ケースの外表面の面積が、この極板群を備えた非水電解質二次電池の満充電時におけるエネルギー容量に対して所定の大きさ以上になるようにすることとしている。
【0015】
そして、このように電池ケースの外表面の面積を大きくすることにより、非水電解質二次電池が自己発熱を起こした場合でも、発生した熱を効率的に電池ケースの表面から電池外部に放熱させて電池性能の劣化を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、各請求項に記載したような構成で実施することができ、以下、その作用効果を併記して実施の形態を説明する。
【0017】
すなわち、本発明は、請求項1記載のようにリチウムイオンを吸蔵,放出する活物質を有する正極、リチウム塩を含有する非水電解質および負極を収納し、凹部が、等間隔で均一に全面に所定数形成された電池ケースの外表面の面積が、満充電時におけるエネルギー容量に対して27.2cm2/Wh以上になるようにしたものである。
【0018】
このように電池ケースの外表面の面積を満充電時におけるエネルギー容量に対して27.2cm2/Wh以上にすることにより、非水電解質二次電池が自己発熱を起こした場合でも、電池内部に発生した熱を効率的に電池ケースの表面から電池外部に放熱することができ、この放熱により、電池内部の温度が極度に上昇することが阻止され、その結果、正極あるいは負極の活物質合剤、もしくは非水電解質が熱により分解されて電池性能を劣化させることを抑制することができる。
【0019】
電池ケースの外表面の面積を、27.2cm2/Wh以上にすることによる効果は確認されているが、これは、電池ケースの外表面の面積27.2cm2/Wh以下の場合には、発熱量に応じた放熱をすることができなく、電池内部に熱が滞留して内部温度を上昇させ、その結果、活物質合剤や非水電解質が熱により分解されることに因るものと思われる。
【0020】
つぎに、本発明において使用する活物質材料,電解質材料などについて詳述する。
【0021】
負極としては、リチウム金属,リチウム合金またはリチウムイオンを電気化学的に吸蔵,放出する負極活物質に、導電材,結着剤などを添加した合剤を、集電体の表面に塗着して作成することができる。
【0022】
そして、負極活物質に用いるリチウム合金としては、Li−Al,Li−Al−Mn,Li−Al−Mg,Li−Al−Sn,Li−Al−In,Li−Al−Cd,Li−Al−Te,Li−Ga,Li−Cd,Li−In,Li−Pb,Li−Bi,Li−Mgなどが挙げられ、リチウムの含有量は10%以上であることが好ましい。
【0023】
また、負極活物質に用いるリチウムイオンを電気化学的に吸蔵,放出する化合物としては、炭素材料,遷移金属酸化物,遷移金属硫化物,遷移金属窒化物,金属錯体,有機高分子化合物などが挙げられる。
【0024】
そして、その炭素材料としては、天然黒鉛,人造黒鉛,石油,石炭ピッチもしくはコークスなどから得られる易黒鉛化性炭素を、650〜1000℃の温度範囲で焼成して得られる炭素,石油,石炭ピッチもしくはコークスを不融化処理したもの、または樹脂などを600〜1300℃の温度範囲で焼成して得られる難黒鉛化性炭素などがあり、これらは単独でも、あるいは、数種を組み合わせても用いることができ、特に、天然黒鉛,人造黒鉛などの黒鉛材料が好ましく、また、結晶構造上からは、炭素六角平面の間隔(d(002))が3.35〜3.40Åでc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100Å以上の黒鉛が好ましい。なお、炭素材料には、炭素以外に、O,B,P,N,S,SiC,B4Cなどの異種化合物を含んでいてもよい。
【0025】
また、遷移金属酸化物,遷移金属硫化物としては、例えば、Ti,W,Mo,Nb,V,Feなどを1種類以上含む複合酸化物,複合硫化物などが用いられ、また、リチウムを含む複合酸化物,複合硫化物も用いることができる。
【0026】
また、有機高分子化合物としては、ポリチオフェン,ポリアセチレンなどの高分子化合物を用いることができ、遷移金属窒化物としては、コバルト窒化物類,銅窒化物類,ニッケル窒化物類,鉄窒化物類,マンガン窒化物類などを用いることができ、これらの遷移金属窒化物にはリチウムを含有させることが好ましい。
【0027】
また、用いる結着剤としては、熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、好ましい結着剤は、分解温度が300℃以上のポリマーである。このようなポリマーとしては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,スチレンブタジエンゴム,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体,テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体,フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体,エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体,ポリクロロトリフルオロエチレン,フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体,プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体,エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体,フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体,フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体などを挙げることができ、その中では、スチレンブタジエンゴム,ポリフッ化ビニリデンが特に好ましいものである。
【0028】
負極に用いる集電体としては、電池を形成した場合において、化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよく、例えば、ステンレス鋼,ニッケル,銅,チタン,炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン,ニッケル,チタンあるいは銀などの処理をしたもの、あるいは、Al−Cd合金などが用いられるが、特に、銅あるいは銅合金は好ましい材料である。
【0029】
つぎに、正極としては、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵,放出する正極活物質に、導電材,結着剤などを添加した合剤を集電体の表面に塗着して作製することができる。
【0030】
そして、用いる正極活物質には、遷移金属酸化物,リチウム含有遷移金属酸化物,遷移金属硫化物,リチウム含有遷移金属硫化物,有機高分子化合物などを用いることができ、中でもリチウムを含有し、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Mo,Wなどの遷移金属を1種類以上含む複合酸化物,複合硫化物などを使用することが好ましく、特に高電圧,高エネルギーの電池の場合には、LiCoO2,LiNiO2,LiMn24などが効果的である。なお、正極活物質としては、これらを単独で用いても、複数の異なったものを併用してもよい。
【0031】
また、正極活物質合剤に用いる導電材としては、電池を形成した場合において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよく、例えば、鱗片状黒鉛などの天然黒鉛,人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック,ケッチェンブラック,チャンネルブラック,ファーネスブラック,ランプブラック,サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維,金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン,銅,ニッケル,アルミニウム,銀などの金属粉末類、酸化亜鉛,チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料を、単独またはこれらの混合物として用いることができる。
【0032】
また、正極活物質に用いる結着剤としては、分解温度が300℃以上のポリマーが好ましく、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体,テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体,フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体,エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体,ポリクロロトリフルオロエチレン,フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体,プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体,エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体,フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体,フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。特に、この中でも好ましいものとしては、ポリフッ化ビニリデン,ポリテトラフルオロエチレンである。
【0033】
また、正極の集電体としては、電池を形成した場合において、化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよく、例えば、アルミニウム,チタン,炭素などの他に、アルミニウムの表面にカーボン,チタンあるいは銀により処理させたものを用いることができ、特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金は好ましい材料である。
【0034】
つぎに、電解液は、非水溶媒と、その非水溶媒に溶解するリチウム塩とから構成されている。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,ジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル,酢酸メチル,プロピオン酸メチル,プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトンなどのγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン,1,2−ジエトキシエタン,エトキシメトキシエタンなどの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン,2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル類、ジメチルスルホキシド,1,3−ジオキソラン,ホルムアミド,アセトアミド,ジメチルホルムアミド,ジオキソラン,アセトニトリル,プロピルニトリル,ニトロメタン,エチルモノグライム,リン酸トリエステル,トリメトキシメタン,ジオキソラン誘導体,スルホラン,メチルスルホラン,1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン,3−メチル−2−オキサゾリジノン,プロピレンカーボネート誘導体,テトラヒドロフラン誘導体,エチルエーテル,1,3−プロパンサルトン,アニソール,ジメチルスルホキシド,N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの1種または2種以上を混合して使用することができる。中でも、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合系または環状カーボネートと鎖状カーボネートおよび脂肪族カルボン酸エステルとの混合系が好ましい非水溶媒である。
【0035】
これらの非水溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えばLiClO4,LiBF4,LiPF6,LiAlCl4,LiSbF6,LiSCN,LiCl,LiCF3SO3,LiCF3CO2,Li(CF3SO22,LiAsF6,LiN(CF3SO22,LiB10Cl10,低級脂肪族カルボン酸リチウム,LiCl,LiBr,LiI,クロロボランリチウム,四フェニルホウ酸リチウムなどを挙げることができ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用することができるが、特にLiPF6を溶解させることが効果的である。
【0036】
特に好ましい電解液としては、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを少なくとも含む非水溶媒を用い、LiPF6を含むリチウム塩を用いた電解液である。これらの電解液を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極活物質や負極活物質の量や、電池のサイズによって必要量用いることができる。リチウム塩の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.2〜3モル/リットルが好ましく、特に0.5〜2.0モル/リットルとすることが効果的である。
【0037】
以上説明した電解液の他に、次のような有機固体電解質も併用することができる。例えば、ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリホスファゼン,ポリアジリジン,ポリエチレンスルファイド,ポリビニルアルコール,ポリフッ化ビニリデン,ポリヘキサフルオロプロピレンなどや、これらの誘導体,混合物,複合体などの高分子マトリックス材料が有効である。特に、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体や、ポリフッ化ビニリデンとポリエチレンオキサイドとの混合物が効果的である。なお、これらには、非水溶媒を含浸させていることが好ましいが、非水溶媒が含まれていなくてもよい。
【0038】
以上説明したようにして構成した正極と負極と、これらの間にセパレータを配して渦巻状に巻回した極板群を、電池の満充電時におけるエネルギー容量に対して27.2cm2/Wh以上の外表面の面積を有する電池ケースに収納させて形成した非水電解質二次電池は、電気回路の短絡や大電流による過充電をした場合のような電池が発熱する異常事態においても、効率よく電池内部で発生した熱を電池ケースの表面より放出することができるので、正極および負極の活物質合剤や電解液が高熱にさらされて熱分解を起こすこともなく、高エネルギー密度化および低コスト化を達成することができると共に、高い電池信頼性を示すことができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1および図2を参照して説明する。
【0040】
(参考例1)
図1は参考例で用いた角型の非水電解質二次電池の要部を欠截した斜視図を示し、図1において、1は耐有機電解液性のステンレス鋼板を加工した電池ケース、2は絶縁リングで、極板群の上下部にそれぞれ設けられている。3は電池内圧の上昇を感知して電流遮断を行う機構を設けた封口板、4は電池ケース1の上部と封口板3の周縁部との間に介在させた絶縁パッキング、5は極板群で、セパレータを介して積層した正極および負極を複数回渦巻状に巻回したのち、平板状にプレス成形して電池ケース1内に収納されている。6は極板群5の正極から引き出した正極リードで、封口板3に接続されている。なお、極板群5の負極からは負極リードが引き出されて電池ケース1の補強板7に接続されている。
【0041】
つぎに、正極および負極について詳しく説明する。
【0042】
正極活物質の合成については、Li2CO3とCo34とを混合し、900℃で10時間焼成して得たLiCoO2の粉末に、重量比でアセチレンブラックを3%、フッ素樹脂系結着剤を7%添加して混合し、これをカルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状の正極の活物質合剤とした。この活物質合剤を、厚さ30μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗工し、ついで乾燥したのち、圧延して厚さ0.18mm,幅37mm,長さ350mmの正極とした。
【0043】
負極活物質の調整については、人造黒鉛のSFG−44(Timcal社製)を用い、この黒鉛に、重量比でスチレン/ブタジエンゴムを5%添加して混合したのち、カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状の負極の活物質合剤とした。この活物質合剤を、厚さ0.02mmのCu箔からなる集電体の両面に塗工し、ついで乾燥したのち、圧延して黒鉛の密度を1.4g/ccとし、厚さ0.20mm,幅39mm,長さ380mmの負極とした。
【0044】
そして、正極にはアルミニウム製の正極リード6を取り付け、負極にはニッケル製の負極リードを取り付け、厚さ0.025mm,幅45mm,長さ800mmのポリプロピレン製セパレータを介して渦巻状に巻回し、ついで平板状にプレス成形して極板群5とし、幅30.0mm,奥行き6.0mm,高さ48.0mmの電池ケース1に収納した。なお、電池ケース1の外表面の面積は41cm2であった。また、電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとメチルピロリドンとを30:50:20の体積比で混合した非水溶媒に、1モル/リットルのLiPF6を溶解したものを用いた。この電解液を、電池ケース1に収納した極板群5に注液したのち、電池ケース1を封口板3により封口し、参考例電池Aとした。この参考例電池Aの満充電時におけるエネルギー容量は1.89Whであった。
【0045】
(実施例1)
電池ケース1の外表面に、直径0.5mm,深さ0.05mmの凹部を、等間隔で均一に全面に所定数形成し、電池ケース1の外表面の面積を52cm2とする。この電池ケース1に、参考例1の場合と同じ極板群5を収納して同じ構成の角型の非水電解質二次電池を形成し、実施例電池Bとした。
【0046】
(実施例2)
電池ケース1の外表面に、直径0.5mm,深さ0.05mmの凹部を、等間隔で均一に全面に所定数形成し、電池ケース1の外表面の面積を63cm2とする。この電池ケース1に、参考例1の場合と同じ極板群5を収納して同じ構成の角型の非水電解質二次電池を形成し、実施例電池Cとした。
【0047】
(比較例)
図2は比較例で用いた円筒型の非水電解質二次電池の側断面図を示し、図2において、8は耐有機電解液性のステンレス鋼板を加工した電池ケース、9は電池内圧の上昇を感知して電流遮断を行う機構を設けた封口板、10は電池ケース8の上部と封口板9の周縁部との間に介在させた絶縁パッキング、11は極板群で、セパレータを介して積層した正極および負極を複数回渦巻状に巻回したのち、直径17.0mm,高さ48.0mmの円筒型の電池ケース8に収納されている。この円筒型の電池ケース8の外表面の面積は31cm2であった。12は極板群11の正極から引き出した正極リードで、封口板9に接続されている。13は極板群11の負極から引き出された負極リードで、電池ケース8の底部に接続されている。14は絶縁リングで、極板群11の上部および下部にそれぞれ設けられている。なお、正極および負極ならびに電解液は、参考例1に説明した場合のものと同じにして非水電解質二次電池のエネルギー容量は1.88Whと、ほぼ同じにしている。この円筒型の非水電解質二次電池を比較例電池Fとした。
【0048】
なお、それぞれの非水電解質二次電池(A〜CおよびF)の放電容量は、正極の容量で規制されるようにしており、それぞれの電池の正極および負極の活物質合剤の重量は同じにしている。
【0049】
つぎに、参考例電池Aおよび実施例電池BおよびCと比較例電池Fについて、それぞれ5セルずつ作製し、環境温度20℃の下での電池容量を評価した。
【0050】
電池容量の確認は、制限電流を350mAとし、4.2Vの定電流,定電圧充電を2時間行い、その後、100mA(0.2C)で3.0Vまで放電して0.2C放電容量を求め、そのときの平均電圧より各セルのエネルギー容量(Wh)を測定した。
【0051】
また、各5セルずつについて、上記と同様の充電を行い、その充電状態において正極と負極とを短絡させて試験した場合の最高温度と試験後の漏液の有無を検討した。
【0052】
さらに、各5セルずつについて、上記と同様の充電を行い、その充電状態の電池を、1.2Aの電流で過充電させて試験した場合の最高温度と試験後の漏液の有無を検討した。
【0053】
なお、電池の最高温度の測定は、電池ケースの側面に熱電対を固定して測定した値を示している。
【0054】
以上の試験による評価結果は、表1に示す通りである。
【0055】
【表1】
表1から、電池ケースの外表面の面積が大きいものほど、短絡試験,過充電試験において到達する電池温度が低くなり、漏液も発生していないことがわかる。これは電池内部で発生した熱が、効率的に電池ケースの表面から外へ放出できたためと考えられる。
【0056】
一方、比較例電池Fの場合には、電池外部への熱の放出が十分に行われなかったため、電池温度が上昇し、その熱により電解液が分解して電池の内圧が上昇し、漏液の発生が観測された。
【0057】
このように、電池ケースの外表面の面積を増大させることにより、特に満充電時エネルギー容量に対する電池ケースの外表面の面積が27.2cm2/Wh以上の場合に、容易に非水電解質二次電池の信頼性を向上させることができ、非水電解質二次電池の信頼性が向上すれば、これまで不可欠とされていた安全機構を省略し、もしくは簡略化することができるので、より低コストで信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することができる。
【0058】
また、電池ケースの外表面の面積を管理することは、他の複雑な機構や電子回路を有する安全機構を管理するのに比べて、より単純で信頼性が高く、その上、外的な障害による機能の誤動作が生じ難くなるので、実使用上での信頼性も高くなる。
【0059】
なお、実施例では、非水電解質として有機電解液を用いた非水電解質二次電池の場合について説明したが、有機固体電解質を用いた非水電解質二次電池、もしくは非水電解液を含浸させたポリマー電解質を用いた非水電解質二次電池の場合に適用しても同様の効果が得られることを確認している。
【0060】
また、正極活物質としてLiCoO2を、負極活物質として炭素を用いた非水電解質二次電池について説明したが、これらの活物質に限られるものではなく、他の正極活物質、例えばLiNiO2やLiMn24、さらには他の負極活物質、例えばリチウム金属,リチウム合金,リチウム酸化物を用いた場合でも同様の効果が得られることを確認している。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、リチウムイオンを吸蔵,放出する活物質を有する正極と負極とを備えた極板群、およびこれに保持させた非水電解質を内部に収納し、凹部が、等間隔で均一に全面に所定数形成された電池ケースの外表面の面積が、この電池における満充電時のエネルギー容量に対し27.2cm2/Wh以上になるようにすることにより、異常時に、電池内部に発生する熱の放出を良好にして、活物質,電解質などの熱分解を阻止し、低コストで、信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による角型の非水電解質二次電池の要部を欠截した斜視図
【図2】 比較例に用いた円筒型の非水電解質二次電池の側断面図
【符号の説明】
1,8 電池ケース
5,11 極板群

Claims (1)

  1. リチウムイオンを吸蔵,放出する活物質を有する正極、リチウム塩を含有する非水電解質および負極を収納し、凹部が、等間隔で均一に全面に所定数形成された電池ケースの外表面の面積が、満充電時におけるエネルギー容量に対して27.2cm2/Wh以上である非水電解質二次電池。
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