JP4646765B2 - 楽音発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、楽音発生装置に関し、特に、音響用振動板を振動させて楽音を発音するために用いて好適なものである。
従来から、電子楽器では、点音源を備えたラウドスピーカを用いて楽音を発音することが行われている。ところが、このラウドスピーカを用いて楽音を発音させた場合、演奏者や聴衆は、限られた位置から発音された楽音を聞くことになる。したがって、ラウドスピーカを用いると、アコースティックのピアノから発音される楽音を模倣した楽音を発音させることが困難であった。そこで、音響用振動板を設け、この音響用振動板を振動させて楽音を発音する電子楽器が提案されている。
しかしながら、アコースティックのピアノは大きく、複雑な構造を有するので、音響用振動板を振動させるだけでは、アコースティックのピアノに近い楽音を発生させることが困難であった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、アコースティックの楽器に近い楽音を発生させることができるようにすることを目的とする。
本発明の楽音発生装置は、演奏を行うために演奏者により操作される演奏操作子と、前記演奏操作子よりも上方に設けられ、面音源を備えた面音源スピーカと、前記演奏操作子よりも下方に設けられ、点音源を備えた点音源スピーカと、前記点音源スピーカの放音面と対向する位置に設けられ、前記点音源スピーカの放音面よりも大きな面積を有する第1の音響用振動板と、前記点音源スピーカの放音面と、前記第1の音響用振動板との間に設けられ、前記点音源スピーカにより発生された振動を前記第1の音響用振動板の面方向に伝搬させるための振動伝搬部とを有し、前記面音源スピーカは、前記演奏操作子よりも上方に設けられた第2の音響用振動板と、前記第2の音響用振動板に取り付けられ、前記第2の音響用振動板を楽音信号に基づいて振動させるための振動素子とを有することを特徴とする。
本発明によれば、アコースティックの楽音から発音された楽音の床からの反射音に近い楽音を発音させることができる。したがって、アコースィックの楽器に近い楽音を発生させることができる。
(第1の実施形態)
次に、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、楽音発生装置が電子楽器である場合を例に挙げて説明する。
図1は、電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。
図1において、電子楽器100は、中央処理装置(以下、CPUと称する)1と、フラッシュメモリ2と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)3と、外部記憶媒体装着部4と、外部入出力用インターフェース部5と、信号バス6と、キースキャン回路7と、鍵盤8と、パネルスキャン回路9と、操作パネル10と、楽音発生部11と、波形フラッシュメモリ12と、信号処理部13と、デジタル/アナログ変換部(以下、D/A変換部と称する)14と、パワーアンプ15と、スピーカ16と、振動素子17とを有している。
図1に示すように、CPU1、フラッシュメモリ2、RAM3、キースキャン回路7、パネルスキャン回路9、楽音発生部11、外部記憶媒体装着部4、及び外部入出力用インターフェース部5は、それぞれ信号バス6に接続され、相互に通信することが可能である。
(鍵盤)
鍵盤8は、複数の鍵と、それら複数の鍵の各々に対応して設けられた複数の鍵スイッチとを有している。電子楽器のユーザは、前記複数の鍵を押鍵及び離鍵して所望の演奏を行う。
(キースキャン回路)
キースキャン回路7は、鍵盤8の各鍵スイッチのスキャン処理を行うためのものである。
(操作パネル)
操作パネル10は、各種操作子や表示装置を有している。本実施形態の電子楽器では、表示装置として、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)が設けられている。このLCDは、各種操作子の選択状態や設定状態等を表示する。
前記操作子として、例えば、電子楽器に電源を供給するための電源スイッチや、電子楽器の設定状態を初期値にリセットするためのリセットスイッチや、テンポや音量を設定するためのダイアルや、音色を選択するための音色選択スイッチ等が設けられている。ただし、前記操作子はこれらのものに限定されるものではないということは言うまでもない。
(パネルスキャン回路)
パネルスキャン回路9は、操作パネル10に設けられている各種操作子のスキャン処理を行うためのものである。
(CPU)
CPU1は、本実施形態の電子楽器の全体を統括制御するためのものであり、フラッシュメモリ2に格納されている制御プログラムに従って、RAM3をワークメモリとして利用しながら、例えば次のような処理を行う。
CPU1は、パネルスキャン回路9によりスキャン処理された結果を入力し、操作パネル10の操作内容を識別する。
また、CPU1は、キースキャン回路7によりスキャン処理された結果を入力して、鍵の操作内容(押鍵及び離鍵)を識別する。
そして、その鍵の操作内容(鍵の押鍵及び離鍵)に基づく演奏データや、操作パネル10の操作内容に基づくデータを楽音発生部11に割り当てる処理を行う。
この演奏データは、前記各鍵の操作が押鍵(キーオン)であるか離鍵(キーオフ)であるかを示すキーオン/オフ信号や、音高データである音高や、音量制御データであるベロシティデータや、演奏のテンポの絶対値を示すテンポ情報(以下、必要に応じて単にテンポ情報と称する)や、各鍵の動作スピードに関するキータッチレスポンス信号などから構成される。
なお、CPU1は、前述したものの他に種々の処理を行うということは言うまでもない。
(フラッシュメモリ)
フラッシュメモリ2は、読み出し可能なメモリであり、CPU1の制御プログラムの他に、種々のデータを格納する。
(RAM)
RAM3は読み書きが可能なメモリであり、CPU1のプログラム実行過程において各種の必要なデータを一時的に記憶したり、編集可能なパラメータデータを記憶したりする記憶領域を有している。このRAM3の一部あるいは全部はバッテリーバックアップされており、必要なデータを、電子楽器の電源がオフにされても保持しておくことができるようにしている。
(外部記憶装置装着部)
外部記憶媒体装着部4は、例えば、CD−RWドライブである。そして、CPU1は、CD−RWドライブに装着されたCD−ROMに記憶されている制御プログラムや各種データを読み出して必要な処理を行う。なお、外部記憶媒体装着部4は、CD−RWドライブに限定されず、フレキシブルディスク(FD)装置や、光磁気ディスク(MO)装置などであってもよいということは言うまでもない。
(外部入出力用インターフェース部)
外部入出力用インターフェース部5は、外部装置との間で、演奏情報などのデータのやり取りを行うためのものである。具体的に、この外部入出力用インターフェース部5は、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)である。
(波形メモリ)
波形メモリ12は、音色や音域に応じた種々の楽音波形データを記憶している。なお、本実施形態では、アコースティックのグランドピアノの上方で取得(集音)した集音データに基づく楽音波形データを波形メモリ12が記憶している。
(楽音発生部)
楽音発生部11は、前述したようにしてCPU1により割り当てられた演奏データと、操作パネル10の操作内容に基づくデータとに基づいて、波形メモリ12から必要な楽音波形データを読み出し、デジタル楽音信号を発生させる。なお、本実施形態の電子楽器100では、ステレオ信号を発生させるようにしている。したがって、楽音発生部11は、右チャネル用のデジタル楽音信号と、左チャネル用のデジタル楽音信号を発生させる。
(信号処理部)
信号処理部13は、楽音発生部11で発生されたデジタル楽音信号に対し、遅延処理、音量補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を含む処理を行う機能を有する。これらの処理は、スピーカ16や音響用振動板21から、演奏者までの距離等に基づいて行われる。また、この他に、信号処理部13は、フィルタ処理(ノイズ除去処理)や音質調整、信号レベル(ゲイン)調整等を施す機能も有する。
(D/A変換部)
D/A変換部14は、信号処理部13で処理されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換する機能を有する。
(パワーアンプ)
パワーアンプ15は、D/A変換部14でD/A変換されたアナログ楽音信号に対し、増幅処理を施して適当なレベルに増幅する。
(スピーカ)
スピーカ16は、パワーアンプ15で増幅されたアナログ楽音信号を可聴信号として発音するためのものである。このスピーカ16は、点音源を有し、具体的には、例えばコーンスピーカである。また、本実施形態では、図2に示すように、右チャネル用のスピーカ16aと左チャネル用のスピーカ16bとの2つのスピーカを有し、これら2つのスピーカ16a、16bは、鍵盤8よりも下方で演奏者と略正対する位置に設けられている。
(振動素子)
振動素子17は、図2に示すように、鍵盤8よりも上方で演奏者と略正対する位置に設けられた音響用振動板21を、パワーアンプ15で増幅処理が施されたアナログ楽音信号に基づいて振動させるためのものである。具体的に振動素子17は、所謂ムービングコイルを備えて構成され、誘導性のインピーダンスを有し、電磁力の作用により音響用振動板21を振動させる。このように、本実施形態では、振動素子17による音響用振動板21の振動によって楽音を発音する面音源のスピーカが形成されている。
前述したように、本実施形態の電子楽器100には、ステレオ信号を発生させるようにしている。このため、右チャネル用の楽音信号に基づいて、音響用振動板21を振動させるための振動素子17aと、左チャネル用の楽音信号に基づいて、音響用振動板21を振動させるための振動素子17bとが並列に接続されて電子楽器100に設けられている。これら2つの振動素子17a、17bは、同じ構成を有するものであり、例えば接着剤を用いて音響用振動板21に取り付けられている。なお、音響用振動板21は、例えば、スプルース(木)製の板を用いて形成される。
図3に、スピーカ16a、16bから発音された楽音により生じる音圧勾配の分布の一例を示す。図4に、音響用振動板21から発音された楽音により生じる音圧勾配の分布の一例を示す。図5にアコースティックのグランドピアノから発音された楽音により生じる音圧勾配の分布の一例を示す。なお、図3〜図5に示した音圧勾配の分布は、全て同じ場所で測定されたデータに基づいて作成されたものである。また、図3〜図5では、線が太いほど音圧が大きく、破線よりも実線の方が音圧が大きいことを示している。
図3及び図4に示すように、本実施形態の電子楽器100から発音される楽音により生じる音圧勾配の分布は、2つの大きな音圧勾配を持ち、図5に示したグランドピアノから発音された楽音により生じる音圧勾配の分布に近似したものになることが分かる。
以上のように本実施形態では、音響用振動板21を鍵盤8よりも上方に設けると共に、スピーカ16a、16bを鍵盤8よりも下方に設けるようにしたので、演奏者の耳に近い位置(楽音が反射せずに演奏者の耳に伝わる位置)では、音響用振動板21が振動することにより発音された楽音と、その振動が音響用振動板21に連結している部分に伝搬することにより発音された楽音とによって(面音源によって発生した楽音によって)、アコースティックのピアノの響板で生じる振動音に近い楽音を発音させることができる。一方、演奏者の足元に近い位置(楽音がどこかで反射してから演奏者の耳に伝わる位置)では、スピーカ16から発音された楽音と、スピーカ16の振動がスピーカ16に連結している部分に伝搬することにより発音された楽音とによって(点音源によって発生した楽音によって)、アコースティックのピアノから発音された楽音の床からの反射音に近い楽音を発音させることができる。
また、本実施形態では、アコースティックのグランドピアノの上方で集音したデータに基づく楽音波形データに基づいて、デジタル楽音信号を生成し、このデジタル楽音信号に対して、遅延処理、音量(音圧)補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を含む処理を行っているので、アコースティックのグランドピアノから発音された楽音の床からの反射音のデータを取得しなくても、そのデータを、アコースティックのグランドピアノの上方で取得した集音データに基づいて生成することができる。これにより、音源装置(楽音発生部)や、楽音波形データや、処理回路を少なくすることができる。
なお、本実施形態では、振動素子17a、17bが、同じ構成を有する場合を例に挙げて説明したが、振動素子17a、17bの質量の合計が、音響用振動板21の質量と略同じであれば、振動素子17a、17bが、同じ構成を有していなくてもよい。例えば、振動素子17a、17bは、大きさや形状が異なっていてもよい。
また、音響用振動板21に取り付けられる振動素子17の数が2つである場合を例に挙げて説明したが、音響用振動板21に取り付けられる振動素子17の数は、幾つであってもよい。
さらに、本実施形態のように、音響用振動板21を、アコースティックのピアノの響板と同じ材質のスプルース(木)製の板を用いて形成すれば、よりアコースティックのピアノに近い音色を再現することができ好ましいが、音響用振動板21はスプルース(木)製の板に限定されない。例えば、音響用振動板21が金属製や鋳物製等であってもよい。
また、本実施形態では、電子楽器100の楽音発生部11で発生された楽音信号に基づいて音響用振動板21を振動させるようにしたが、CDプレーヤで発生された楽音信号等、種々の楽音信号に基づいて音響用振動板を振動させることができる。
また、本実施形態では、遅延処理、音量補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を含む処理を行って、アコースティックのグランドピアノから発音された楽音の床からの反射音に近い楽音を発音させるようにしたが、これらの処理に代えて、又は加えて、スピーカ16a、16bの放音面(すなわち前面)を床の方向に向ける構成を採るようにして、アコースティックのグランドピアノから発音された楽音の床からの反射音に近い楽音を発音させるようにしてもよい。
また、音響用振動板21の質量と、振動素子17a、17bの質量の合計とが略等しくなるようにするのが好ましい。2つの振動素子17a、17bから音響用振動板21へ振動を伝搬させる際の損失(ロス)を少なくことができ、広い周波数帯域で良好な音響出力を得ることができると共に、アコースティックのグランドピアノと同様に広い範囲で高い音圧勾配を持たせるようにすることができるからである。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述した第1の実施形態では、デジタル楽音信号に対し、遅延処理、音量補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を含む処理を行ってから、D/A変換を行うようにした。これに対し、本実施形態では、デジタル楽音信号に対し、D/A変換を行ってから、遅延処理、音量補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を含む処理を行うようにする。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、信号処理の一部が異なるだけであるので、以下の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図5に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図6は、電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。
図6において、電子楽器200は、CPU1と、フラッシュメモリ2と、RAM3と、外部記憶媒体装着部4と、外部入出力用インターフェース部5と、信号バス6と、キースキャン回路7と、鍵盤8と、パネルスキャン回路9と、操作パネル10と、楽音発生部11と、波形フラッシュメモリ12と、D/A変換部61と、アナログ信号処理部62と、パワーアンプ15と、スピーカ16と、振動素子17とを有している。
(D/A変換部)
D/A変換部61は、楽音発生部11で発生されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換する機能を有する。
(アナログ信号処理部)
アナログ信号処理部62は、D/A変換部13でD/A変換されたアナログ楽音信号に対し、遅延処理、音量補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を含む処理を行う機能を有する。これらの処理は、スピーカ16や音響用振動板21から、演奏者までの距離等に基づいて行われる。また、この他に、アナログ信号処理部62は、フィルタ処理(ノイズ除去処理)や音質調整、信号レベル(ゲイン)調整等を施す機能も有する。
以上のように、D/A変換を行ってから、遅延処理、音量補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を含む処理を行うようにしても、前述した第1の実施形態よりも構成が複雑になるが、前述した第1の実施形態と同様に、アコースティックのピアノに近い楽音を発音させることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
前述した第1及び第2の実施形態では、スピーカ16a、16bが取り付けられる部分のみが開口しているスピーカボックスに、スピーカ16a、16bを設けるようにした。これに対し、本実施形態では、スピーカ16a、16bをバックロードホーンに設けるようにしている。このように本実施形態と前述した第1及び第2の実施形態とは、主として、スピーカ16a、16bを収容するスピーカボックスの構成が異なるだけであるので、前述した第1及び第2の実施形態と同一の部分については、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の電子楽器300には、スピーカ16a、16bの背面から出る楽音を、電子楽器300の前面(スピーカ16a、16bの放音面の下方等)から発音させるためのバックロードホーン71が設けられている。これにより、高音及び中音の楽音についてはスピーカ16a、16bの放音面から発音し、低音の楽音についてはバックロードホーン71から発音させることができる。したがって、本実施形態では、第1及び第2の実施形態で説明した効果に加え、図1に示した信号処理部13や、図6に示したアナログ信号処理部62で、遅延処理、音量補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を行わなくても、アコースティックのピアノから発音された楽音の床からの反射音に近い楽音を発音することができるという効果が得られる。
ただし、信号処理部13や、図6に示したアナログ信号処理部62で、遅延処理、音量補正処理、周波数補正処理、位相補正処理、及び音像処理を行えば、アコースティックのピアノから発音された楽音の床からの反射音により近い楽音を発音することができるようになるということは言うまでもない。
なお、バックロードホーンの数、位置、及び構成は図7に示したものに限定されない。例えば、図8に示すように、鍵盤8よりも下方において、電子楽器の角部(コーナー部)に2つのバックロードホーン81a、81bを設け、これら2つのバックロードホーン81a、81bの前面が、対角方向を向くように電子楽器400を構成するようにしてもよい。このようなバックロードホーン81a、81bでは、スピーカ16a、16bの背面から出る楽音を、スピーカ16a、16bの放音面の側方等から発音する。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
前述した第3の実施形態では、スピーカ16a、16bの背面から出る楽音を、電子楽器300の前面から発音させるためのバックロードホーン71、81を設けるようにした。これに対し、本実施形態では、スピーカボックスの中でスピーカ16から下方に楽音を発音させ、その発音させた楽音を拡散器で拡散させて電子楽器の側方に発音させるようにしている。このように、本実施形態と前述した第3の実施形態とは、主としてスピーカ16a、16bから楽音を発音させる際の構成の一部が異なるだけであるので、前述した第1〜第3の実施形態と同一の部分については、図1〜図8に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の電子楽器500は、放音面(すなわち前面)を下向きにしてスピーカボックス91の中に取り付けられたスピーカ16a、16bと、これらスピーカ16a、16bの放音面と対向する位置に取り付けられた拡散器92a、92bとを有している。なお、拡散器92a、92bは、例えば、三角錐状の鉄や木やプラスチック等により形成される。
スピーカ16a、16bから発音された楽音は、拡散器92a、92bにより拡散される。拡散器92a、92bにより拡散された楽音は、スピーカボックス91の前面及び及び後面に形成された開口部分に伝搬し、この開口部分から外部に向けて発音される。
以上のように本実施形態では、スピーカボックスの中でスピーカ16から下方に楽音を発音させ、その発音させた楽音を拡散器92で拡散させて電子楽器500の側方に発音させるようにしたので、第1〜第3の実施形態で説明した効果に加え、アコースティックのピアノから発音された楽音の床からの反射音に近い楽音を、演奏者以外の聴衆(例えば、電子楽器500の背面側にいる人)にも聞かせることができるという効果が得られる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
前述した第1〜第4の実施形態では、スピーカ16の放音面の振動がそのまま空気に伝わるようにして楽音を発音させるようにした。これに対し、本実施形態では、スピーカ16の放音面の振動を板材に伝搬させ、その板材の振動が空気に伝わるようにして楽音を発音させるようにしている。このように、本実施形態と前述した第1〜第4の実施形態とは、主としてスピーカ16から楽音を発音させる際の構成の一部が異なるだけであるので、前述した第1〜第4の実施形態と同一の部分については、図1〜図9に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の電子楽器600には、放音面がスピーカボックス103の前面の方向に向くように取り付けられたスピーカ16と、スピーカボックス103の前面の開口部分に取り付けられた下前板102と、スピーカ16の放音面と、下前板102との間に取り付けられた振動伝搬部101a〜101jとを有している。
下前板102は、スピーカ16から振動伝搬部101a〜101jを介して伝搬された振動によって楽音を発生させるためのものである。下前板102は、合成木材やスプルース等の木製の板により構成される。このように、本実施形態では、下前板102の振動によって楽音を発音する面音源のスピーカが形成されている。
振動伝搬部101a〜101jは、スピーカ16の放音面で発生した振動を、下前板102の面方向に伝搬させるためのものである。振動伝搬部101aは、例えば、中空円筒状の鉄により構成される。振動伝搬部101aを構成する中空円筒状の鉄の大きさは、スピーカ16の放音面の大きさに応じて適宜決定される。一方、振動伝搬部101b〜101jは、直方体状の鉄により構成される。振動伝搬部101b〜101jを構成する直方体状の鉄の長さは、下前板102の大きさに応じて適宜決定される。
このように、スピーカ16の放音面と、下前板102との間に鉄製の振動伝搬部101a〜101jを設けるようにしたので、スピーカ16の放音面で発生した振動を、可及的に速く下前板102の全面に伝搬させることができると共に、アコースティックのピアノのフレームの振動に基づく楽音と同様の金属の振動に基づく楽音を発生させることができる。したがって、アコースティックのピアノから発音された楽音の床からの反射音に近い楽音を容易に発音することができる。
なお、本実施形態では、スピーカ16の数が1つの場合を例に挙げて説明したが、スピーカ16の数は1つに限定されず、いくつであってもよい。また、振動伝搬部101の数も10個の限定されず、いくつであってもよい。
さらに、振動伝搬部101を鉄製とすれば、スピーカ16の放音面で発生した振動を、可及的に速く下前板102の全面に伝搬させることができると共に、金属の振動に基づく楽音を発生させることができるので好ましいが、振動伝搬部101は鉄製でなくてもよい。例えば、振動伝搬部101をスプルース製にしてもよい。また、下前板102も木製に限定されるものではない。なお、本実施形態では、振動伝搬部101により下前板102にスピーカ16の放音面で発生した振動を十分に伝搬させることができるので、スプルースのような高価な木材を使用せずに、ラワン材のような廉価な木材を使用しても、音質を大きく低下させずに楽音を発生させることができる。
なお、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の第1の実施形態を示し、電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。 本発明の第1の実施形態を示し、電子楽器の概略構造の一例を示した図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は図2(a)のA−A´から見た断面図である。 本発明の第1の実施形態を示し、スピーカから発音された楽音により生じる音圧勾配の分布の一例を示した図である。 本発明の第1の実施形態を示し、音響用振動板から発音された楽音により生じる音圧勾配の分布の一例を示した図である。 本発明の第1の実施形態を示し、アコースティックのグランドピアノから発音された楽音により生じる音圧勾配の分布の一例を示した図である。 本発明の第2の実施形態を示し、電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。 本発明の第3の実施形態を示し、電子楽器の概略構造の一例を示した図であり、図7(a)は正面図、図7(b)は図7(a)のB−B´から見た断面図である。 本発明の第3の実施形態を示し、電子楽器の概略構造の他の例を示した図であり、図8(a)は正面図、図8(b)は図8(a)のC−C´から見た断面図である。 本発明の第4の実施形態を示し、電子楽器の概略構造の他の例を示した図であり、図9(a)は正面図、図9(b)は図9(a)のD−D´から見た断面図である。 本発明の第5の実施形態を示し、電子楽器の概略構造の他の例を示した図であり、図10(a)は正面図、図10(b)は図10(a)のE−E´から見た断面図である。
符号の説明
1 CPU
2 フラッシュメモリ
3 RAM
4 外部記憶媒体装着部
5 外部入出力用インターフェース部
6 信号バス
7 キースキャン回路
8 鍵盤
9 パネルスキャン回路
10 操作パネル
11 楽音発生部
12 波形メモリ
13 信号処理部
14、61 D/A変換部
15 パワーアンプ
16 スピーカ
17 振動素子
21 音響用振動板
62 アナログ信号処理部
71、81 バックロードホーン
92 拡散器
101 振動伝搬部
102 下前板

Claims (4)

  1. 演奏を行うために演奏者により操作される演奏操作子と、
    前記演奏操作子よりも上方に設けられ、面音源を備えた面音源スピーカと、
    前記演奏操作子よりも下方に設けられ、点音源を備えた点音源スピーカと
    前記点音源スピーカの放音面と対向する位置に設けられ、前記点音源スピーカの放音面よりも大きな面積を有する第1の音響用振動板と、
    前記点音源スピーカの放音面と、前記第1の音響用振動板との間に設けられ、前記点音源スピーカにより発生された振動を前記第1の音響用振動板の面方向に伝搬させるための振動伝搬部とを有し、
    前記面音源スピーカは、前記演奏操作子よりも上方に設けられた第2の音響用振動板と、
    前記第2の音響用振動板に取り付けられ、前記第2の音響用振動板を楽音信号に基づいて振動させるための振動素子とを有することを特徴とする楽音発生装置。
  2. 前記振動素子が取り付けられた前記第2の音響用振動板に連結している部分に、前記第2の音響用振動板により発生された振動を伝搬させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
  3. 前記演奏操作子の操作に基づくデジタル楽音信号を出力する楽音信号発生手段と、
    前記楽音信号発生手段により出力されたデジタル楽音信号に対して、発生すべき楽音信号の遅延、位相、周波数、音量、及び音像の少なくとも何れか1つを補正する処理を含む処理を行う信号処理手段と、
    前記信号処理手段により処理されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段により変換されたアナログ楽音信号を増幅する増幅手段とを有し、
    前記振動素子は、前記増幅手段により増幅されたアナログ楽音信号に基づいて、前記第2の音響用振動板を振動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の楽音発生装置。
  4. 前記演奏操作子の操作に基づくデジタル楽音信号を出力する楽音信号発生手段と、
    前記楽音信号発生手段により出力されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段により変換されたアナログ楽音信号に対して、発生すべき楽音信号の遅延、位相、周波数、音量、及び音像の少なくとも何れか1つを補正する処理を含む処理を行う信号処理手段と、
    前記信号処理手段により処理されたアナログ楽音信号を増幅する増幅手段とを有し、
    前記振動素子は、前記増幅手段により増幅されたアナログ楽音信号に基づいて、前記第2の音響用振動板を振動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の楽音発生装置。
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